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要時間に対して図1に示すように分割し定義する.停

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Academic year: 2022

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(1)高頻度運行される列車の遅延シミュレーションシステムの開発 -東急田園都市線を対象に-* Agent model for estimating knock-on delays of high-frequency trains -Tokyu Denentoshi line-*. 高橋郁人**・上松苑***・辻井隆伸****・岩倉成志***** By Ikuto TAKAHASHI**・Shigeru UEMATSU***・Takanobu TSUJII****・Seiji IWAKURA*****. 1.はじめに 東京圏の都市鉄道では,列車車内混雑を低減する取. 2.分析対象路線の遅延実態 本研究では,遅延が発生している部分をわかりやす. り組みが実施されてきた.具体的には,列車の運行間隔. くするために,駅へ到着し次の駅に到着するまでの所. を 2~3 分とする高頻度運行や乗り換え旅客数を削減す. 要時間に対して図1に示すように分割し定義する.停. る相互直通運転などである.しかし,副作用としてピー. 車時分内に遅延が発生したならば「停車遅延」,走行. ク時間帯の慢性的な遅延問題を引き起こしている.遅延. 時分内に遅延が発生したならば「走行遅延」とする.. が発生すると運転間隔が開き,到着乗車客が増加するこ. 分析に用いたデータは 2009 年 1 月 19 日~23 日で. とで,さらに遅延が大きくなるという負の連鎖が生じて. あり,その中でも 1 月 22 日の長津田~渋谷駅間の列. いる.発生した遅延が他路線にも影響を及ぼすことが多. 車ごとの遅延時間を図2に示す.7 時以前から停車遅延. く,遅延の回復に相当な時間を要することもある.この. は発生していたが,回復運転によって総合的な遅延は. ような現象は社会的にも対策が求められる重要な問題で. 発生していない.しかし,8 時過ぎから停車遅延が増. ある.. 加し,ピークを過ぎて減尐傾向になると走行遅延が増. 本研究の目的は,列車遅延問題の対策の第一歩とし. 加している.これは,停車時間増加によって列車間隔. て,遅延がどのように発生・波及するのかを究明し,対. が詰まり,走行遅延を引き起こしているためである.. 策の効果を事前に評価できるマルチエージェントシミュ. 遅延発生の主な要因として,需要増加に伴う旅客の集. レーションシステムを開発することである.. 中などの旅客行動が関係していることが現地調査から. 本研究では,ピーク時の平均混雑率が 193%(H20・. 得られている.. 渋谷‐池尻大橋間)と高い東急田園都市線対象とする. ピーク時に 2 分間隔の高頻度運行を行い,東急田園都 市線・東京メトロ半蔵門線・東武伊勢崎線の 3 路線と. n駅. n駅. 停車時分. 列車. n+1駅. 走行時分 発車. 到着. 到着. の相互直通運転を実施し,遅延の発生や波及を引き起こ しやすい路線である. 乗降時分. 扉. 調整 確認 時分 時分. 閉. 開. 開. * キーワーズ:鉄道計画,ターミナル計画,公共交通運用 **. 学生員,芝浦工業大学大学院工学研究科. (〒135-8548 東京都江東区豊洲3-7-5 研究棟9階 TEL:03-5859-8354 E-mail:[email protected]) ***. 正会員,工修,独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備. 支援機構 (〒020-0034 岩手県盛岡市盛岡駅前通1-41 TEL:019-626-9653 E-mail:[email protected]) **** 正会員,工学,足立区役所 (〒120-8510 東京都足立区中央本町1-17-1. 図 1 時間の定義 1200. 停車遅延. 1000. 走行遅延. 600 遅 延 400 時 間 200 ( 秒 ) 0. TEL:03-3880-5015 E-mail:[email protected]). -200. ***** 正会員,工博,芝浦工業大学. -400. (〒135-8548 東京都江東区豊洲3-7-5 研究棟9階. -600. TEL:03-5859-8354 E-mail:[email protected]). 遅延合計. 800. 7:00. 8:00. 渋谷到着時刻 9:00. 図2 長津田~渋谷駅間の実績遅延. 10:00. 11:00.

(2) また,列車到着時混雑率 170%以上の乗車旅客の速. 表1 各モデルに用いたデータ. 度分析結果を図3に示す.速度分布をみると,山なり の傾向を示している.6 人目までは降車旅客が降車し たスペースが空いているため,余裕を持って乗車する ことができるため速度が上昇しているが,7 人目以降 は車内の旅客密度が上昇し,スペースが空いていない ため大きく速度が低下していることがわかる.このこ. 停車時分推定モデル. 走行時分推定モデル. シミュレーションの車内構造の構 車両性能表 車両性能表 列車加速度・減速度 築 駅ホーム図面映像解析. 発着時刻表 列車種別・行先・始発駅発車時刻. シミュレーションの初期値 応荷重データ (乗降客数・車内混雑率). 信号コード表. ビデオ映像. とから,旅客速度に車内の旅客密度が大きく影響して. 信号位置・軌道回路長・ 速度信号現示・勾配座標・勾配値. 駅位置・ 乗車直前の速度抽出 運転曲線図 シミュレーション再現性の検証 シミュレーションの再現性の検証 運行実績 データ. いることがわかる.また,最後に扉を通過する場合,. 駅停車時分・ シミュレーション再現性の検証. 大きく速度が低下することがわかる.これは,扉通過 人数の増加に伴って車内の混雑率が上昇した影響によ. 80. って速度が低下したと考えられる.. 70 60. 3.開発したシミュレーションシステム (1)シミュレーションシステムの概要 本研究では,図1に示す停車時分と走行時分を推定す るモデルをそれぞれ構築する.そして,それらを統合し. 乗 車 50 直 前 40 速 度 30. た上で調整時分・確認時分を外生的に与え,駅間の列車. (cm/s) 20. 所要時分を再現し検証する.しかし,現時点では調整時. 10. 分・確認時分については考慮できていない.. 0. 1-3. 4-6. 7-9. 10-12. 13-15. 16-18. 19-21. 22-24. 乗車人数(人). (2)シミュレーションシステム構築のためのデータ整備 長津田駅から渋谷駅までの延長25.6km区間を対象に,. 図3 乗車人数と乗車速度の関係性. 走行時分と停車時分の推定を行うモデルを用いるが,そ ホーム. の際に整備したデータを表1に示す.. 乗車旅客 降車旅客. (3)停車時分推定モデルの構築. 通過旅客. 図4に示すように,本モデルは停車時分を推定するモ デルであるが,調整時分・確認時分についてはモデル統 合時に外生的に与えるため考慮しない.そのため,本モ デルは乗降時分を推定するモデルとなっている. 降車・乗車・車内の旅客をエージェントとし,列車 の扉が開いてから乗降が終了するまでの時間を推定する. 初期設定は,1 扉 1/4 車両の空間で,旅客 1 人を直径 40cm の円で表現している.また,シミュレーション上. 列車車内. 停 車 時 分 推 定 モ デ ル. の時間経過を 1step=0.2 秒と設定した. 本モデルは,降車旅客が降車したら乗車旅客が乗車. 信号 至 渋谷. し,ホームに旅客がいなくなるとシミュレーションを終. 列車 先頭と最後尾. 駅 至 中央林間. 了する.旅客行動ルールは,前方左右の混雑具合で判断 し,最も混雑していない方向に進む.進行速度は,混雑. 走 行 時 分 推 定 モ デ ル. や押し込み,パーソナルスペース,回避行動で増減する. 押し込みとは,扉付近の滞留に伴い旅客同士が押し. 図4 列車運行シミュレーションシステムの実行画面. あって乗車する事を指す.本モデルでは,車内と前方の 混雑具合によって押し込みの発生の有無を決定している.. 雑状況を確認する.混雑時は 1.6cm/step でパーソナル. パーソナルスペースとは,他人がそのスペース内に. スペースが減尐し,エージェントは空いたスペースへ任. 進入すると不快に感じる距離と定義している.パーソナ. 意の速度で進行する.. ルスペースの大きさは初期値を各エージェントの周囲半. 再現性の検証は,1 列車のうち最も開閉時間の長い扉. 径 40cm として,各エージェントは 1step 毎に周囲の混. を対象に,映像データとシミュレーションの乗車直前の.

(3) 速度を比較して行った.その結果を図5に示す.実績平 均は混雑率 175%~200%の 3 データの平均であり,シ. 80. ミュレーション平均は混雑率 175%で 10 回計算した平. 70. 均である. 6 人目までは誤差が小さいので再現できた. 実績平均±σ. 60. シミュ平均 平均. といえるが,7-12 人目の通過速度に大きな差が発生し た.これは,旅客の速度決定要素が考慮しきれていない ため,扉付近の旅客滞留が解消した際の旅客流動の再現 ができていないことが影響している.また,実績値とシ ミュレーション値ともに標準偏差の値が 5-6 人目から 徐々に小さくなっている.このことから,扉通過人数が 増加すると旅客が整然とした動きをしていることがわか る.. 実績平均. シミュレーション. 乗 50 車 直 40 前 の 30 速 度 20 (cm/s) 10. シミュレーション. シミュ平均±σ 平均±σ. 0. 1-2. 3-4. 5-6. (4)走行時分推定モデルの構築. 7-8. 9-10. 11-12. 扉通過人数(人). 図4に示すようにシミュレーション空間の中に駅や列. 図5 乗車直前の速度による乗降モデルの再現性検証. 車,ATC 信号情報などのエージェントを発生させ,そ れぞれにルールを与えて相互作用しながら運行させる.. 実際の速度曲線図(km/s) シミュレーション再現. 列車の運転ルールは, ATC 信号の速度情報と前方停車. 実際の時間曲線図(s) シミュレーション再現. (km/s) (s) 110 220. 駅までの距離を取得し,減速が必要か不要かを判断させ. 100 200. る.減速が必要であれば停車駅の停止線または制限速度. 90 180. 区間に合わせて減速する.減速が不要であれば,惰行運. 80 160. 転か加速・再加速すべきかを速度によって判断し,勾配. 70 140 60 120. の影響を受けて進行させる.. 50 100. シミュレーションの再現性について検証する.まず,. 40 80. 先行列車の制約を受けない自由走行時の列車挙動を視覚. 30 60. 化した運転曲線図と比較した.その結果を図6に示す.. 20 40. 運転曲線図には走行時分が記載されており,シミュレー. 10 20. ション走行時分との誤差は普通・急行列車ともに 10 秒. 0. 二子玉川. 用賀. 桜新町. 駒沢大学. 三軒茶屋. 以内に収まっており,自由走行時での列車挙動は再現で きたといえる.次に,運行実績データから実際の停車時. 図6 自由走行時における走行モデルの再現性検証. 分を各駅に与え,故意に停車遅延を発生させながら走行. (急行 二子玉川→三軒茶屋駅間). シミュレーションを行い,相関係数と残差平均を算出し た.その結果を図 7 に示す.1編成あたり最大約 250 秒の残差が発生したが,遅延が拡大するタイミングや回 復運転などの傾向は再現できている. 4.モデルの統合 停車時分推定モデルと走行時分推定モデルを連動さ せ,列車運行シミュレーションシステムを構築した.走 行時分推定モデルをベースとして,駅停車の際に停車時 分推定モデルが稼働し,乗降が終了すると走行時分推定 モデルが稼働するようにしている. 再現性の検証は所要時間の比較で行い,図8に示す. シミュレーション平均は,H17 大都市交通センサスか ら算出した30分ピッチ乗降人員と混雑率を入力してシ ミュレーションを20回計算させた平均である.概形は 再現できたが,推定値の分散は小さく,実績値の遅延時 分の変動特性まで反映できていない.今後,データ数を. 1200 残差RMS 1000 重相関R サンプル数. 800. 走行遅延 145.6 秒 0.935 81. 実績走行遅延 シミュ走行遅延 実績総合遅延 シミュ遅延合計. 総遅延 145.6 秒 0.956 81. 600 遅 延 400 時 間 200 ( 秒 0 ) -200 -400 -600. 7:00 7:30. 8:00. 8:30. 9:00. 10:00. 渋谷到着時刻. 図7 長津田駅→渋谷駅間の走行モデルの再現性検証 (停車時分は実績値). 0.

(4) 増やし,かつ確率的な変動特性を分析する必要がある. また,8時30分以前は所要時間を過大推定する傾向があ り,それ以後は過小推定する傾向がある.これは列車運 行シミュレーションシステム内で調整時分や確認時分を 考慮できていない事が起因していると考えられる.また, 乗降旅客が多い場合の停車時分推定モデルの再現性が低 いことも原因として考えられる. 5.おわりに. 長津田→渋谷駅間 普通 70 65. 所 60 要 55 時 間 50 ( 分 ) 45 40. 本研究では,停車遅延の継続が走行遅延を招き,総遅 延が発生するというメカニズムを実績データや現地調査 によって究明し,列車運行シミュレーションシステムに よって,再現可能性の高さを実証した. 課題として,停車時分推定モデルは再乗車する旅客が. 35 7:00. 8:00. 1月19日 1月22日 シミュレーション平均±σ. 渋谷到着時刻 9:00. 1月20日 1月23日. 10:00. 1月21日 シミュレーション平均. 多い点や速度に影響のある要素が考慮しきれていない部. 図8 列車運行シミュレーションシステムの再現性検証. 分を改善する必要がある.走行時分推定モデルは先行列. (普通 長津田→渋谷駅間). 車近接時の加減速による細かい列車挙動を改善する必要 がある.今後は,停車時分推定モデルにおいて旅客特性 の細分化を行い,旅客特性によって停車時分に与える影 響を検証する.また,両モデルの精度を向上し本システ ムを用いて,駅構造を改良した影響を検証し遅延問題の 対策案を検討したい.. 謝辞 本研究において,データを提供してくださった東京急行電 鉄株式会社の方々に心より感謝申し上げます.また,ご多忙 の中指導してくださった政策研究院大学院大学森地茂教授・ 日比野直彦准教授・運輸政策研究所仮屋崎圭司研究員には心 より感謝申し上げます. 本研究は,平成 21 年度科学研究費基盤研究 B(課題番 号:21360242)の一環で行われた研究である..

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