無実
第 29 号
2007 年 4 月 30 日
の死刑囚・元プロボクサー 袴田巌さんを救おう!
袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会
424-0006 静岡市清水区石川本町 16-18 電話:054-366-2468 FAX:054-366-2475 郵便振替口座:番号 00890-7-185276 名称:清水・静岡袴田巌救援会 ホームページアドレス:http://hakamada2.exblog.jp/5・8最高裁要請行動へ
そ
して
今こそ、袴田さんを救え!
7・1市民の集い
への参加をお願いします
静岡地裁死刑判決から 39 年を経て「私は袴田さんを有罪には出来ないと思 っていた」と自らその判決内容に関わった、元・裁判官 熊本典道氏の登場は、 この事件の捜査のずさんさ、死刑判決を下した裁判への大いなる疑問を抱かせ ました。 今こそ最高裁は、当時の捜査内容を徹底的に洗い出し、一審判決に携わった 裁判官の一人が無罪を主張した重みを真摯に受け止め「疑わしきは被告人の利 益に」という刑事裁判の鉄則を適用し袴田さんに無罪の判決を下すべきなので す。 私たちは、昨年から続いている「袴田さんは無実だ!」という大きなうねり を再度最高裁への要請行動につなげたいと思います。まず、5 月 8 日は弁護団 の補充書提出に合わせ、私たちは再度最高裁へ要請書提出の行動を行います。そして、7 月 1 日は清水テルサで、「今こそ、袴田さんを救え!」市民の集い の開催です。弁護団の田畑弁護士の補充書内容の講演と元裁判官・熊本さんへ の静岡初のインタビューになります。 今年こそ、袴田さんの再審開始、そして無罪確定を勝ち取るまで、協力をお 願いします。
今年こそ、袴田さんを救いだそう!
5 月 6 日(日) 深夜 1 時から
(正確には 5 月 7 日午前 1 時から)
静岡朝日テレビで
「悔恨~
袴田事件を裁いた男
~」
放映
テレビ朝日系列のドキュメンタリー番組「テレメンタリー」で全国放 送されます。 放送時間帯は各地方で違いますので、直接系列局に問い合わせ るか http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/ をご覧下さい。 悔恨~袴田事件を裁いた男~2007 年 5 月 7 日放送~ 元裁判官の告白とは… 元プロボクサーの袴田巌、71歳。1966年、静岡県・旧清 水市で一家4人が殺害された『袴田事件』の犯人とされな がら、40年以上無実を叫び続けている死刑囚だ。しかし 「袴田は無罪だ」と証言する人物が、今現れた。熊本典道 氏。静岡地裁の袴田事件一審で、死刑判決を書いた元裁 判官。裁判官は、退職後も審理内容を明かすことは禁じら れている。それを承知で、熊本氏は無罪心証を告白した。 裁判員制度導入を控え、誰もが人を裁く可能性がある現 在、『裁判とは何か』について、袴田事件を題材に考える。 制作:SATV 静岡朝日テレビ ==テレメンタリーHP より==5・8最高裁要請行動
日時:5 月 8 日(火曜日) 午前 8 時からの情宣活動から
場所:最高裁 西門前集合
内容:情宣活動後、元世界チャンプ達が記者会見。 そして午前 11
時から最高裁に要請書を手渡すと同時に担当事務官に直接私
たちの思いをぶつけられます。
昨年 11 月に人数制限のため最高裁へは入れなかった人達を中心に入っ
てもらいたいと思います。
東日本ボクシング協会袴田再審支援員会との共同行動ですので多くの
元世界チャンピオン達も参加の予定です。
なお、袴田事件弁護団は、当日午後最高裁へ補充書を提出します。
5月例会は
5 月 12 日(土) 午後 7~9 時
清水辻公民館
2F 第 3 会議室で
テーマ:「みそ漬け実験の検証」
清水辻公民館 JR 清 水 昨年末、私たちはわずか 30 分足らずで、発見された 5 点の衣類のようなみそ漬け 衣類が出来ることを証明しました。 今回は、血液付着直後、1 時間後、6 時間後、1 日後、1 週間後など、血液を完全に乾かしたものも含め、みそ漬け衣類がどのように 出来るのかを検証したいと思います。7月1日(日)は
今こそ、袴田さんを救え! 7・1 市民の集い
講演:田畑 知久
弁護士
(袴田事件弁護団)
作られたの自白は無実を語る(仮題)
~最高裁へ提出した浜田鑑定補充書から~
熊本典道 元・裁判官へのインタビュー
清水テルサ
J R 清 水静岡地裁死刑判決の真相を語る(仮題)
~私たち“救援する市民の会”が
熊本さんに当時のことを尋ねます~
この間のマスコミ報道などの報告 、面会経過、姉・秀
子さんからの訴えなど
日 時:7 月 1 日(日) 午後 1 時 30 分から~4 時
場 所:清水テルサ
(JR 清水駅東口徒歩 5 分)
6 階 研修室
有料駐車場有り
集会協力金:500 円をおねがいします。
熊本典道氏の告白をどう考えるか
代 表
楳 田 民 夫
“静岡地裁で袴田さんの死刑の判決文を書いた、しかし私は有罪は無茶だ、無罪し かないだろうと意見を述べたが、多数決で有罪となった”と告白した元裁判官熊本典 道氏への週刊金曜日、鎌田慧さんの取材に同行しました。その取材の時、あるいは私 が直接熊本さんに質問したりして私が感じた点を、4 月例会で皆さんに報告しました。 以下その内容です。 例会時の報告を多少削除・追加しております。 1. 事実の認定、多数決の誤り NASAが火星に探査機を飛ばして原始的生命の存在を調査しています。誰 かが「お金もかかるし火星も遠い。科学者を集めて議論し多数決で決めたらど うか」と言ったら皆さんどう思いますか。「客観的事実を多数決で決まるとい うのは間違っている」と誰でも思います。 では、この容疑者が罪を犯したのか無実なのかという事実認定を多数決で決め るという日本の裁判制度はどうでしょうか。根本的に間違っています。「疑わし きは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従えば、プロの裁判官の意見が 分かれる場合すでに有罪にできないと いう意味ではないでしょうか。 2. 偏った情報で判断を誤る 現在の裁判制度よれば検察官は容疑 者の犯罪を立証する証拠を法廷に提出 することになっている。容疑者の無罪 を示す証拠を提出する義務はありませ ん。 株式投資を勧める業者がお客に儲か った話ばかりすれば、その話が全て事 実であってもお客は判断を誤ることに なります。 国民の税金を使って捜査で集めた証 拠は有罪を示す証拠も無罪を示す証拠 も全て法廷に開示すべきです。偏った 情報で正しい判断ができるはずがありません。 熊本さんの苦悩は今も続く 3. 熊本典道氏の苦悩 熊本氏は無実の確信を持っていましたが多数決に破れて死刑の判決書かなけ ればならなかった。その後「あの時もう少し頑張って一人を説得できていれば 無実の人を救えたのに」と言う自責の念に苛まれた人生になってしまった。そ のまま裁判官を続けておられれば、また、別の人生もあったかも知れません。 しかし、熊本さんは袴田事件の第一審裁判から間もなく裁判官を辞職し苦悩 の人生を歩んだようです。この事件は裁く人も、裁かれた人も犠牲者なのです。 4. 裁判制度で繰り返す 裁判員制度が開始されば、確率は少ないにせよ熊本さんと同様、心に大きな 傷を負う人が必ず生まれます。多数決となり一票の差で有罪となった場合、無 実を確信した人の中に「あの時もう少し頑張って一人を説得できていれば無実 の人を救えたのに」と言う自責の念に苛まれる人がいるはずです。このような 問題は想定外のことでしょうが、国家か個人に精神的苦悩を強いることが確実 です。熊本さんの人生が何よりの証拠です。問題は多数決です。有罪判定は全 員一致とすべきです。このままでは新たな犠牲者が生まれることになり深刻な 問題になります。(了)
獄中の袴田さんに手紙やハガキを出して下さい!
そして、その事実を記録して下さい
手紙やハガキの文面は簡単な内容でかまいません。 大きな字で書いて下さい。なお、送り先は下記の通りです
124-0001 葛飾区 小菅 1-35-1A 東京拘置所内
無実の死刑囚
袴 田 巌
様
資 料 昨年来のボクシング界による袴田巌さん支援の盛り上がりを受け、各種メディアに袴田事件が 取り上げられることが多くなりました。とりわけ昨年11 月 20 日の最高裁への要請行動以降その 傾向が顕著であると感じられます。新聞・テレビ・硬派雑誌は勿論のこと、最近では成人系やファッション系雑誌にも取り上げられています。ここで、本年(2007 年付発行)に入ってから袴田 事件を取り上げたまたは取り上げる予定の雑誌をまとめておきます。 1. SPA! 1 月 23 日号 「ニッポンの死刑」の真実 冤罪を訴え獄中生活40 年。「せめて精神医療を」の願いも届かず 2. サンデー毎日 1 月 28 日号 袴田事件―冤罪を信じる姉・秀子さん「ああ、弟よ…」 (筆者註)巻頭カラー3 頁に亙る 3. マスコミ市民 2007 年 2 月号 【特集】えん罪事件報道のその後 ボクサーへの偏見が、えん罪を生んだ ―袴田事件の再審を求めて― 輪島功一 4. 週刊金曜日 3 月 2 日号 非マスコミ紙誌から 『無実』第 27 号 2007 年 2 月 28 日発行 5. サンデー毎日 4 月 1 日号 「袴田事件」の元主任裁判官が「無罪を確信していた」と謝罪 6. 実話 GON!ナックルズ 2007 年 5 月号 7. 輪島功一が語る「袴田事件」“炎の男”が立ち上がった! (筆者注)巻頭カラー3 頁に亙る 8. warp 2007 年 5 月号 RUMBLE IN THE JUNGLE~体制への抗いを拳と美貌で~
冤罪粉砕“袴田事件” (筆者注)カラー6 頁に亙る 9. 週刊金曜日 4 月 13 日号 痛憤の現場を歩く 70 (鎌田慧) 40 年にわたる冤罪・袴田事件㊤ 警察が証拠を捏造 無実の死刑囚をつくった 10. 週刊金曜日 4 月 20 日号 同上続き 11. 週刊金曜日 4 月 27 日号 同上続き 以上、2007 年 4 月 14 日現在確認済み分 事務局にありますので読みたい方はご連絡 をお願いします。
獄中
41
年から見る刑事処遇
~無期刑の傾向を踏まえつつ~
会 員 A
1. 序
袴田巌さんが濡れ衣を着せられ静岡県警に逮捕されたのが1966 年 8 月、本年(2007 年)を以て身柄拘束期間が 41 年に達しようとしている。実に、袴田さんの人生の半 分以上の期間を権力当局によって拘束され、彼の人生の全体をも破壊せんとするに及 んでいる。このことの意味を、昨今の無期刑受刑者の処遇に触れつつ論ずることとす る。2. 無期刑受刑者の平均受刑在所期間
⑴ 筆者はかつて幾つかの拙論(1)脚注参照以下同様 で、「無期刑を受けても 10 年そこそ こで刑務所を出てくることができる」という世間的に流布された見解がデマ、、であるこ とを指摘し、無期刑の執行期間がかなりの長期に亙っている実情を指摘した。その端 緒となったのは、第145 回国会(1999 年)において、福島みずほ参議院議員が提出した質問主意書(2) 対する内閣の答弁(3)とそれを基にした報道である。その質問の一部 とそれに対する答弁の概要は、次の通りだ。 【質問】 「第99 矯正統計年報Ⅰ」(平成 9 年)によると、受刑中の無期刑囚は、938 人であり、出所者 (仮出獄者を含む。)の平均受刑在所期間は約258 月(約 21 年 6 月)であると報告されている。 しかし、右統計では、現在、刑を執行中の無期刑囚の執行期間を知ることはできない。聞知する ところによると服役開始後すでに45 年を超える無期刑囚がいるとのことである。(略) 右観点から、以下の点について質問する。 一㈠ 平成11 年 4 月 1 日現在、無期刑囚で受刑開始後、25 年以上 30 年未満の者、30 年以上 35 年未満の者、35 年以上 40 年未満の者、40 年以上 45 年未満の者及び 45 年を超える者の人数及 び収容施設名を明らかにされたい。 【答弁】 一の㈠について 平成11 年 4 月 1 日現在、行刑施設に収容されている被収容者のうち、無期刑の執行を継続し た期間が25 年以上の者の御質問に係る期間別及び施設別人数は、別表 1 の通りである。 (別表1)(4) 25 年以上 30 年未満 30 年以上 35 年未満 35 年以上 40 年未満 40 年以上 45 年未満 45 年以上 27 人 17 人 12 人 7 人 4 人 ⑵ 以上の通り、当該質問主意書によって、無期刑を執行されている受刑者の内その 期間が25 年以上に亙る者の存在が明らかにされた。この質問主意書は、「第 99 矯正 統計年報(平成 9 年)」を手懸りとしてなされたものであるが、近年の無期刑受刑者 の在所期間の傾向を把握する為、最新の第 107 矯正統計年報(5)(2005 年)から起算 して過去 10 年分のそれに基づき無期懲役受刑者の内仮釈放がなされた者の平均受刑 在所期間を調査した。結果は次の通りである。(表1、表 2参照) 表1 年報 回次 第 98 第 99 第 100 第 101 第 102 第 103 第 104 第 105 第 106 第 107 同上 年次 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 平均 受刑 在所 期間 (月) 245 258 250 256 254 272 281 280 310* 326
同上 (年) 20 年 5 月 21 年 6 月 20 年 10 月 21 年 4 月 21 年 2 月 22 年 8 月 23 年 5 月 23 年 4 月 25 年 10 月* 27 年 2 月 仮釈 放者 総数 7 12 15 9 7 13 6 14 1 10 (備考)月および年は概数(約)である。第106(2004 年)は仮釈放者が 1 人しかいないため平 均が表記されていない。しかしながら、第164 国会参議院法務委員会(2006 年 3 月 30 日)にお ける麻生光洋法務省保護局長の答弁によれば、2004 年の仮釈放者の平均受刑在所期間は「25 年 10 月」とされている。従って、当該年の平均受刑在所期間(年)は「25 年 10 月」とし、同(月) は計算により(25×12+10)「310」と記載した。 表2 無期懲役受刑者(仮釈放者)平均受刑在所期間(年) 0 5 10 15 20 25 30 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 年 年 数 平均在所期間(年) ⑶ 上記表を見ての通り、1996 年から 2000 年までは約 20~21 年で推移し、2001 年から期間の延長が見られ、2007 年には約 326 月(約 27 年 2 月)という一層の受 刑期間の長期化を垣間見ることができる。この傾向は、最高検が「マル特無期事件通 達」(6)なるものを出していることや刑法改正により有期刑の上限が引き上げられたこ ととの権衡、メディアに扇動された厳罰化を求める社会的風潮を考慮すると、今後も 継続していくものと思料される。 なお、矯正統計年報に報告されている無期懲役受刑者の平均受刑在所期間は、仮釈、、 放になった、、、、、者の平均であって、前記福島質問に対する答弁で明らかなように、平均を 超えてなお仮釈放になっていない無期刑受刑者がいることを斟酌すると、その期間は 更に延びる点に留意が必要である。
3. 袴田巌さんの処遇に比定して
袴田さんは冤罪である。従って、そのこと自体が極めて不当なことであるが、受け た判決が死刑であることからその不当性が一層際立つものとなっている。すなわち、前述の通り本年を以て袴田さんの身柄拘束期間が 41 年という長期に及ぼうとしてお り、判決確定時期から起算した受刑在所期間は 26 年余(7)に達している。これは 2 で 報告した無期懲役受刑者(仮釈放者)の平均受刑在所期間に匹敵するものである。仮 に無期刑であったとしたら、仮釈放になっていてもいいくらいの期間を拘置所におい て過ごさせられているのである。更に、現状ではいつでも死刑が執行できる状態に置 かれているわけで、刑罰が無期刑であったとしても十分な期間を身柄拘束され続けて いる上に、更に死刑執行に直面させられているのは、無期刑と死刑執行の恐怖とを併 せて執行されているに等しいのではないか。それも「無実」の者に対して……。権力 当局の過誤(証拠を捏造した点において故意)によって、極めて残虐な刑事処遇が為 されているのが、袴田さんの現状である。 一刻も早く、袴田巌さんを救出しなければならない所以である。 追補) 4 月定例会において、2010 年には袴田さんの死刑確定から 30 年が経過するから、 死刑の時効iを帝銀事件以来再び問題にしたらどうだろうかとの意見が出た。その際、 帝銀事件iiの平沢貞通さんの身柄拘束期間に関する質問が出たので、袴田さんとの比 較に供する為に以下の通り補記する。 1948 年 8 月 21 日 平沢さん逮捕 1955 年 5 月 7 日 死刑判決確定 1987 年 5 月 10 日 平沢さん八王子医療刑務所にて死去(満95 歳) 逮捕から死去までの期間 約39 年 既に、袴田さんの身柄拘束期間の方が平沢さんのそれよりも長期に及んでいること になる。(了) 脚注 (1)「メモ帳⑴-無期刑囚の服役期間-」(アムネスティ静岡グループ会報第 155 号 2002.5.20) 「事実上の社会的抹殺」(同第125 号 1999.7) (2) 質問第 15 号 無期刑囚の執行期間及び医療体制に関する質問主意書 (3) 答弁書第 15 号 内閣参質 145 第 15 号 平成 11 年 5 月 25 日 (4) 別表 1 は、執行期間に対応した人数のみを抽出し、答弁書原本の別表を筆者が改変した (5) 法務省大臣官房司法法制部司法法制課編 (6) 監獄人権センターのHP(http://www.jca.apc.org/cpr/) 「最高検察庁の通達を撤回させよう」 参照 (7) 無期刑の場合、実務上未決勾留日数を受刑期間すなわち仮出獄の要件たる 10 年に算入してい ない。従って、受刑在所期間は無期刑確定後同刑執行の開始日から起算しているはずである。 袴田さんの場合、判決確定が 1980 年 11 月とされているので、仮に無期刑に比定してそこから 在所期間を起算すると 2007 年 4 月現在で 26 年 5 月となる (8) 拙論「死刑の時効について」(「無実」第 17 号(2006.2.28))参照 (9) 追補中の年表は、「帝銀事件ホームページ(平沢貞通氏を救う会)」 (http://www.gasho.net/teigin-case/index.htm)を参照した。
警察の捜査・取り調べを監視しよう
たび重なる冤罪に思う
会 員
B
みなさんもご存じだと思いますが、富山県警に強姦・強姦未遂事件で逮捕された男 性(39)は約 2 年 1 ヶ月の服役をした後、真犯人が現れ、冤罪事件だったことがわかり ました。 真犯人が出てこなかったら、わからないままで泣き寝入りだったのです。 この男性は、警察の歪んだ捜査によって、何も悪い事をしていないのに突然幸せだっ た人生を奪われ、心身共に多大な苦痛を味あわされたのです。 その一方で警察が見逃した真犯人は犯罪を繰り返し、被害が拡大してしまったので す。ではなぜ警察は間違った犯人を逮捕したのでしょうか? 間違いの原因はどこに あったのか?きちんと追及し究明する必要があると思います。 警察の捜査の問題点として以下のようなことが言えると思います。 1. 冤罪の被害を受けたこの男性にはアリバイがあったのです。 犯行時間帯に固定電 話をかけていたので、相手からの証言があったはずだと思います。アリバイの有 無を調べるのは原則のはずです。 2. 犯人に直接につながる足跡があったのです。 真犯人のサイズは 28cm でこの男性 はそれより3.5cm も小さかったのです。この段階でこの男性は犯人じゃないと判 断するべきだったと思います。 3. マスクをしてほっかりぶりした眉毛と目しか出ていない犯人の似顔絵が男性に似 ているからと、その恰好をさせられて被害者と面通しされています。眉毛と目だ けで同一人物と断定できるのでしょうか。 それだけで見分けはつかないだろうと 私は思います。しかし、この男性は眉毛と目が似顔絵に似ているからと逮捕され てしまいました。こんな際どい、危なっかしい捜査だけで人の一生を左右する重 大な事がいとも簡単に決められてしまっていいのでしょうか。考えただけで恐ろ しくなってしまいます。 以上の 3 点を考えると、この男性を犯人にするには無理があったのです。 はじめ から犯人じゃないと考えるべきで、起こるべくして起こった冤罪だといえます。 そして、その後の取り調べの異常さにもあきれてしまいます。 警察は男性が犯人 かどうかもわからないまま危なっかしい逮捕劇から入っていき、はじめから男性を犯 人と決めつけ、嘘の自白をさせたのです。 自白は警察が国家権力を振りかざして卑 劣な不当な圧力で一方的、強制的に得たものだったのです。 この男性が否認したら 「なんでそんなことを言うんだ」と怒鳴られ威かされ「今後言ったことをひっくり返 すことは一切いたしません」と念書を書かされ署名・指印までさせているのです。「『はい』『うん』以外は言うな」と言われ、男性は怖くて、警察のいいなりになる しかなかったと言っています。そして、“やってもいない罪を認め続けた”無念さ、 悔しさをにじませているのです。 県警、地検は「故意又は重過失ではない」「職務上の義務に反したわけではない」 と捜査関係者の処分無しの方針です。 でたらめの捜査の結果、冤罪を生み出したの ですから、これでは犯罪です。 何も悪い事をしていない人を傷つけてひどいことを しておきながら重過失でもなく職務上の義務に反していないと平気で言っている警 察の発言は子供の前では恥ずかしくて言うことも出来ません。 これでは、子どもの いじめと同じです。 処分無しの警察の無責任体質が、再び冤罪をうみだし、密室捜 査を益々エスカレートさせ、結果的には私たち市民の安全を守るどころか脅かしてい るのです。 警察の捜査、取り調べのあり方を変えさせることを要求しなくてはなら ないと思います。(2007.3.20) 次ページ 関連新聞記事