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雑誌名 鹿児島大学歯学部紀要

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Academic year: 2022

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機械的刺激を加えたときの歯根膜細胞によるケモカ イン発現・産生の動態とその細胞内シグナル伝達機 構の解明

著者 前田 綾

雑誌名 鹿児島大学歯学部紀要

巻 29

ページ 27‑27

発行年 2009

URL http://hdl.handle.net/10232/17008

(2)

平成 年の4月, 私は医歯学総合研究科に入学し, 当時の指導教授であった伊藤学而教授 (現名誉教授) のご指導により, 口腔生化学分野において矯正学に関 する基礎的研究を始めることになりました。 その後, 口腔生化学分野の松口教授や同分野の先生方ならびに 歯科矯正学分野の宮脇教授はじめ同分野の先生方のご 指導のもと, 「機械的刺激を加えたときの歯根膜細胞 によるケモカイン発現・産生の動態とその細胞内シグ ナル伝達機構の解明」 という課題で研究を行い, 平成 年の春, 無事に学位を取得して, 大学院を修了しま した。 修了が決まったときは喜びと充実感でいっぱい でした。 しかし, 修了後, これからどのように研究を 続けていけばよいか, 不安が生じてきたのを覚えてい ます。 できることなら学位論文を発展させた研究を続 けたいと考えていた矢先, 大工原先生のご厚意による 奨学寄附金研究助成制度があることを知りました。 大 学院生や若手研究者にとって, 応募資格の制限などか ら研究補助金を取得する機会は少なく, いままで行っ てきた研究を続けることは簡単なことではありません。

そこで, 奨学寄附金研究助成に応募したところ, 幸運 にも取得することができ, 引き続き研究を行うことが できました。 本研究助成制度は, 私のような若手研究 者にとって非常に心強いものであり, このような機会 を与えていただいたことに深く感謝いたします。

研究概要

【目的】ケモカインは白血球遊走作用をもつサイトカ インの一種で, 一般的に炎症時に や 等の サイトカインによって誘導される。 最近, ケモカイン は矯正力による歯周組織のリモデリングへの関与につ いて注目されており, 矯正力負荷時の動態が報告され ている。 本研究では, 未解明である機械的刺激による

ヒト歯根膜細胞のケモカイン発現産生の動態と との関連および細胞内シグナル伝達機構について調べ た。

【資料および方法】ヒト歯根膜を継代培養した歯根膜 細胞に圧力 ( ) とずり応力 (

) を負荷したときのケモカイン (

) と の 発現量を定量的 法で, タンパク産生量を 法で解析した。

また, 圧力による歯根膜細胞の キナーゼのリン 酸化と タンパク量について 法で解析 した。 さらに抗 中和抗体, キナーゼ阻害 剤および 阻害剤前投与が圧力によるケモカイ ン誘導に及ぼす影響を定量的 法で解析した。

【結果】機械的刺激により歯根膜細胞の 発現とタンパク産生は増加したが,

および は増加しなかった。 また, 圧力 により歯根膜細胞の キナーゼのリン酸化は上昇 したが, のタンパク量は変化しなかった。 さらに, 抗 中和抗体もしくは キナーゼ阻害剤を前 投与すると の発現は減少したが, 阻害剤の前投与では変化しなかった。

【考察と結論】機械的刺激による歯根膜細胞の の 発現およびタンパク産生には の構成 的な存在が必要で, キナーゼシグナル伝達系を 介していることが示唆された。 また, ケモカインの中 でも は機械的刺激による早期の歯周組織のリモ デリングに関与する可能性が示唆された。

引き続き, 機械的刺激を加えたときの歯根膜細胞に よる の発現産生に がどのように関わって いるかを調べるため, 中和抗体前投与後の機械 的刺激による歯根膜細胞の キナーゼリン酸化と タンパク量変化を 法で解析中である。

歯学部における若手研究者の支援

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 健康科学専攻 発生発達成育学講座 歯科矯正学分野

前田 綾

参照

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