昭 和 35年 度 研 究 内 容 と 成 果
A 医 学 部 門
医学部門は教授1,助教授1,助手5の定員であるが,現在助手1を地質学部門に流用 し,助 手欠員2名 となってい る.現在は内科 :教授森永,助手北 山,併任助手桑田 (分院),副手大月 富美雄 ;外科 :講師仲原,併任助手大谷 (分院) ;産婦人科 :助手熊 本 の6名である, 尚文部 技官高木章之助 (薬局)が我 々の研究に協力 してい る.
医学部門では,温泉の医学分野への応用 を検索 し,温泉特に放射能泉である三 朝温 泉の リウ マチ性疾患,高血圧症,動泳硬化症や慢性婦人科的疾患の治療効果,作用機序 等の解 明 に主力 を注いで釆たが,温泉生理学部門の増設を目途 に,化学及び地質学部門 と協 力 して温 泉の基礎 医学的研究を行 わん とす る態勢にある.
昭和35年度中に研究 した内容及び既に発表 した研究業績 の要 旨は次 の如 くである.〔( ) 内 は協力者
〕
(1) 関節 リウマチの温泉治療効果について,森永 寛 :
第25回 日本温泉気候学会 日温気誌 24 (3)385,昭35.
(2) リウマチの保存的療法‑ 温泉療法 を中心 として,森永 寛 :
第4回 日本 リウマチ協会総会 シンポジウム‑ リウマチ誌投稿中 過去5年間に当科で入院治療 を行 った慢性多発性 関節 リウマチ70列について,入院 時, 退院時の病状を比較 し,更 に, 2‑ 3年后の通信 調査 によって爾 后の経過 を観察 した.
(3)温泉療法の実際について,森永 究 : 温泉科学, ll(4),昭35.
第13回 日本温泉科学会 で特別講演を行 った.即 ち,過去に於 ける当科の温泉治療 の臨 床 経験 と,実験的成績 とを基礎 として,温泉 を中心、とした水治療法の実際手 技 を映 画で供 覧 し,高血圧症 ・動豚硬化症等の所謂成人病や関節 リウマチをはじめとす る柊 痛性 疾患 の温泉治療効果に関す る成績 をあげて,温泉療養の正 しいあ り方 を強 調 した.更 に,広 島在住の原爆被爆者 を迎 えて行 った温泉治療効果の概要 を追加発表 した.
(4)井上正勝講師は温泉浴の作用機序 を白血球機能特に遊走速度 と塁 粒貧 食能 とか ら検索 し, 温泉浴終了后 もこの機能 は持続冗進 し,温泉療法終了后 に治療 効果の見 られ る場 合のある ことの証明をな し得た : 日温気誌,24(3)381,昭35
(5) 放射能泉入浴の血清 ・血球 コ t)ンエステラ‑ゼに及 ぼす影響,北 山 稔 '・
日本温泉気候学会発表予定 関節 リウマチの こわば りや痛みが温浴で軽快す ること,関節 リウマチに血管 運動 不全の あること,糖尿病に合併す ることの多い神経痛 (五十肩 ・坐骨神経痛 など)が温 泉治療 で軽快す る場合の多い こと,又高血圧症 の愁訴が温泉療養で軽 快す ること等の臨 床経験 か ら,更 に,動物 で温泉に抗 ア ドレナ リン作 用のあること,温泉 浴で アセチル コ リン様 物質の増加す ること等の実 験 的所 見か ら,温 泉 作 用 の本 態 を neurozirkulatorisch,
neurovegetativの観点か ら考察すべ きであると考 えて,血 清 ・血 球 含 有 の コ リンエス テ ラーゼ活性値が温泉入浴によって減少す ることをワ‑ルブル グ検圧装 置 を用いて計 測
して, この方面の検索 を行 ってい る.
(6) 放射能泉飲用 と鉄の吸収 に関す る研究,桑 田 昭 (高木孝之助):
日本温泉気候学会発表予定 さきに石橋技官が考案 した血清鉄の測定法 〔岡大温研報 (22)37,昭33〕 を一部改良 し, 温泉水飲用の鉄吸収 に及ぼす影響 をしらべ,温泉水は水道水に比べ 鉄の吸収 を促す こと を証明 した.
(7)放射能泉飲用に関す る研究,森永 寛 ・北 山 稔 ・桑 田 昭 :日本温泉 気候 学会発表予定 (i)消化酵素 に及ぼす影響‑ 三朝温泉水 は試験管内で消化酵素た るdiastase,trypsin,
pepsin等の消化作用に障害 を与 えないことが判 ったが,600りL程度の ウラン水 はそ の消化作用 を抑制す ることが認 め られた.
(。) 胃酸分泌に及ぼす影響‑ 現在 までに約60例の入院,列釆患者について放射 詑泉 水 の胃酸分泌に及ぼす影響 を検討 し,放射能泉 たる三朝温泉水 は過酸 を抑 制 し,城 取 を 促進 して,胃酸分泌調整的であることを証明 した.即 ち,三朝温泉水 は過 酸性乃 至無 酸性胃炎に対 し応用 して然 るべ き根拠 を与え られたのであ る.
ぐう 胃機能 に及ぼす影響‑ 更に温泉飲用が胃の緊張度や嬬動の正常 化 を来 し,排浬 を 促進す る結果 をレン トゲ ン学的に確 めた.
(I) 胆嚢機能,胆汁分泌に及ぼす影響‑ 又,温泉飲用 は胆汁の排 渦を促 進 し,胆嚢の 収縮 を来す ことを確かめた.
(Ji;)温泉飲用 と腎機能‑ 放射能温泉飲用 はフェ ノールズル フ ォフタレイン試験 に よる と,その排浬を促進 し,利尿促進的であることがわか った.而 して温 泉含 有 ラ ドンの 有効限界を凡 そ400‑500マッヘ と推定 した.
再 実験的糖尿病 に及 ぼす影響‑ 家兎 にalloxanを注射 して実 験的糖 尿病 を作成 し, 温泉飲用の効果 を検討 した.即 ち温泉水は食餌性過血糖 を抑制 し,又 糖尿 家兎の ブ ド
‑糖消却過程 を短縮正常化す ることを証 明出来 たが,長期 飲 用の 成 績 を検 討 中であ る.
(8) 含 ウラン水飲用の基礎的検討,北 山 稔 (化学部門):研究継続中
最近三朝t.En'l泉水中にも 20r/L程度 の ウランが含 有 されてい る もののあ ることが判 明 し た.従来は,放射能泉中の 放射 性成分 としては, ラ ドン ・トロン ・ラジウム ・トリウム 等につ き検索が進 め られていたが,含 ウラン水の飲 用 に関す る基 礎 的 資 料 を得 る目的 で,酪酸 ウラン溶液 ・人形峠粘土による溶出 ウラン水等を用いて,動物で経 口投 与実験 を行 い,骨髄 と腎臓 に最 も多 く沈着す ることを認 めた.その詳細 を知 るために,原 子核 乾板によるRadioautographを施行中である.
(9)温泉地の斑状歯に関す る研究‑ 弗素 との関係‑ ,大月富美雄 (化学部門):研究継続中 鳥取県 の温泉地帯学童 を対 象 として,斑 状 歯 の頻度 調査 を行い,現在 まで の ところ約
1・000名につ き調べ,吉岡温泉地では19%,東郷 ・松崎温泉地では6%であ るが,後者に 高度病変 の ものが多 く,女性の方が頻度大であるとい う結果を
得
た.化学部 門御 船助手 の協力の下 に,飲料水 ・温泉水等の弗素 含有量 をArJ定 して,斑状歯 と弗 素 との関係 その 他 を検索中である.(10) ウ ラン鉱 山の環境衛生学的研究,永 田 保 :研究中断
ウラン鉱 山である人形嘩鉱 山の環境衛生学的研究に関 し,気温 ・気圧 ・湿 度 ・雨 量 ・紫 列線量の測定や,飲料水 ・空気中の ラドン濃度等の測定を行い資料 を集 めつつあ った.
( l
l) 放射能障害の予防並に治療に関す る研究,森永 寛 ほか (原燃) :研究継続中昭和31年以降, ウラン鉱山に於 ける従業員の健康管理 (昭31:22例,昭32:6例,昭33:
90例,昭34:112例 ,昭35:101例計331回の検 診を施行) を担 当 してい るが, ウラン鉱 山に於 ける放射能障害 に主役 を演ず る ものは Rn並 に その Folgeproduktによ る もの と,粉塵が問題になるといわれてい る.そ して,実際の鉱 山の坑道 内空 気 ラドン濃度 は 最高140×10‑10C/Lに達す る もの もあって,許容 量20×10‑10C/Lをはるかに上廻 ってい たが,最近 は通風 もほぼ満足すべ き状態で行 われてお り,過去5ヶ年問の成 績 で は,作 業員に放射能によると考 え られ る障害の徴候 を認 めていない.
(12) 放射性塵肺に関す る研究,北 山 稔 (化学及 び地質学部門) :研究継続中
更に,採鉱に伴 う粉塵 に関 しては,放射性珪肺 (塵肺)の発生が考慮 されね ばな らない が,その予荷実験 として,動物 (ラッ ト) にウ ラン水溶液を経気道 内 注入 を行い,生休 内 ウランの分布を検索 した ところ,可溶性 ウランは肺組織 よ りもむ しろ腎臓 に最 も多 く 沈着 し,7日后で も尚12時間后の約1/3量が残存 していることを確 め,放 射性粉 塵 による 実験的研究に於 て,肺以夕日こ腎臓に も注意すべ き成績 を得てい る.
0 3
) 放射能障害 に関す る臨床的 ・病理的研究報告,森永 寛 :原子燃料公社依頼研究報告,昭35.
ウラン鉱 山に於 ける天然放射能障碍探知 の目安 として一般血液像 (白血球 数 並びにその 百分率,赤血球数,血球素量)検査,血清蛋 白含量,高 田反応,血沈,血圧,心 電 図, 肺活量,検尿,胸部 レン トゲ ン検査,皮膚 の状態等 を と りあげ,現在 迄 に 延べ562回の 検索 を行って来た.即 ち昭和31iJ三度70列,昭32ll三度146例 ,昭和33年 度288例,昭34年 度18例,昭和35年度40例である.当初探鉱のための坑道内空気中の ラ ドン濃度 の 最 高 は 梅本教授 によれば140×10 】OcRn/Lであ り許容量 を遥かに 超 える もの もあ った.又坑 道内湿度 は90%であった.当時小鴨鉱 山に於て毎3ケ月,1年 半 に亘 って17名 につ き経 過 を観察 したが異常者 は発見出来 なか った.又小鴨鉱 山旧坑道 内でマウス40匹の飼育を 行 ったが哲理不充分で連続検索 出来ず残念であるが,2ケ月の検査では異 常 を 認 め得な か った.その后坑道内通風の間組 も改善せ られ,粉塵の発 生 について も保 安上の考慮が 払われ,現 在迄の ところウラン鉱 山の放射能並びに放射性 粉 じんによる障 碍 は確認せ ら れてい ない.今后更に上述諸項 目の検索 を続行す ると共 にウラン含 有水摂 取の場合の影 響や放射性物質の吸入又は摂取量 を医学的に検査す る方法等 を検索す る計画である.
(14) 農村民の医学的調査一 高血圧頻度 と心電図異常所見者の頻度‑ ,森永寛 ・北 山稔 : 研究継続中 外来患者総数4.226名車,収縮期血圧150mmHg以上を示 した ものは859名 (20.2%)で,
(i)40才以上の1.782名では,男子 :40才台18.2%,50才台38.1%,60才台43.3%,70 才台56.8%;女子 :夫 々22.4%,41.3%,57.1%,62.4%である.男女子 共 に,50才 台か ら急激に高血圧者数が増加 してい ることがわか り,男女子間に5%以下の 危険 率 で有意差 を認 めた.即 ち,女子 に高血圧者例が多い といえる.
(ii)季節的には,その頻度 は冬高 く,夏低 い.
(iii)倉吉保健所管内の40才以上男女子3.474名についての集 団検 診で も,大略上述の成 績 と一致 した.即 ち外来患者の 成績でおおよその傾向を窺 い知 ることが出来た といえ
る.
(iv)外来患者331例につ き,心電図をとって調べ ると,調 律異 常者 は10.3%, ブロック は10.6%,心房負荷 は6.9%,心室負荷 は2.1%,心筋障碍 ・冠不全 ・梗 塞6.7%低 電 位差0.3%であった.
(15) 関節 リウマチの治療に関す る研究,森永 寛 :岡山医学会総会,昭36.2;
日本内科学会中四国地方会.昭35.10
(
「リウマチ」 に投稿中) 図表について説明 したので ここには省略す る.(16) リウマチ様関節炎の治療に関す る研究,仲原泰博 :研究継続中
金製剤 の血中濃度,尿中排胆についての研究及 び関節 滑膜組織的検索 を行 いつつある.
(17) 関節 リウマチに対す る有機金製剤の治療経験,仲原泰博 ・大谷 満
山陰外科集談会,昭35.ll. リウマチ様関節炎32例 に対 しゾルガナー ル Bによる金療法 を行 い,有効率76%,殊に水 腫消槌に著効 を認 めた.
(18) リウマチ様関節炎のC.R.P.,R.A‑testについて,仲原泰博 ・大谷 満 :
山陰外科集談会,昭35.ll. リウマチ様関節炎では,RA‑test陽性率66.50/0,非 1)ウマチ疾 患では陰 性 率93・Oo/0. RA‑testとC.R.P.との間に明かなる関係 は認 めなか った.
(19)腸管癒着症の基礎的並に臨床的研究,大谷 満 :研究継続中
実験的腸管癒着に対す る各種薬物の効果,臨床例 に対す るノー ブル氏変法の治 療 効果及 び動物実験例並に臨床例の フィブ リノーゲ ンの消長についての 研 究 を行いつつある.
¢o) 開腹術后腸管癒着症の統計的観察,仲原泰博 ・大谷 満 : 山陰外科集談会,昭35・11. 最近10年間当科に於て経験 した本 症36例 につ き,各種統計的観察 を報告 した.
(21) 魚骨による終末廻腸穿孔性急性腹膜炎の‑治験例,仲原泰博 ・大谷 満 :
山陰列科菓談会,昭35.ll. 急性腹症 にて開腹,約5cmの魚骨による終末廻腸部穿孔例 の比較的稀 な1例 を報曽 した・
(22) 温泉療法の甲状腺機能に及ぼす影響‑ 特 にP.B.I.を中心 として‑ ,熊本寛格 :
研究継続中 温泉入浴前后に於 けるP.B.Ⅰ.値の変化 を追求 し,温泉入浴の内分泌系に与 える影響の一 環 としての甲状腺機能の変化を研究中である.
但3) 血中蛋 白結合 ヨ‑ ド(RroteinBoundIodine)の新 しい定量法,熊本寛格 (化学部門);
研究継続中 現在の定量法は ヨー ドがセ リウムの還元反応 に katalysisとして働 くのを利用 した方法 で,非常に微量 を測定 し得 るが,結果に於 て少 し不安 定の嫌いがある.よ り安 定 した方 法 を確 立す るため,化学会誌所載の原法 を利用 して医学領域 に応用 しよ うと研 究 中であ
る.
(24) P・B・I.測定に於 ける従来の蒸漕法 と灰化法の比較検討,熊本寛格 :研究継続中 両者の師 直をその正確度 ・臨床 的応用性等か ら比較 ・検討 してい る.
B. 化
学 部 門※
化学部門は,教授梅本春次 (在外研究中),助教授阪上正信,講師 杉原 健,助 手 御 船 政 明 にて構成 してお り,臨時研究員 として奥野孝晴 (地質部門 と共通)〔原燃 公 社 職 員, 1ケ年 間 の予定にて内地留学〕,中川幸二 〔原燃 公社常勤者〕,兼 島 清 (1961.1‑1961.2,約1ケ月間)
〔琉球大学助教授,東京工大に内地留学中,燐鉱石中の ウラン分析等のため〕及び臨 時研 究補 助員 として蓑原隣美 〔原燃公社常勤者〕,研究補助者 として伊藤聖文がい る.
化学部門の研究の基本的な方向については前年度 と変 わ りない.昭和35年 度 に,化学 部門に 於て行 った研究及び研究発表 の概要は次の如 くである.仁 か印は昭 和34年度 に研究 実施,昭 和35年度 に発表 した ものである.
※SchoolofScienceandEngineering,UniversityofCalifornia,LaJollo,California, U.S.A.
a.分析化学 に関するもの
(1) ウラン (4価) とウラン (6価),の分離定量の研究,阪上正信 :
日本化学会地球化学討論会,昭35.10.
4価 ウランはクペ ロンと錯化合物をつ くり,エ‑テルに抽 出 され る性 質 を もつ ことを利 用 し,6価 ウランとの分離定量 を行 う場合の最適 の酸性度 を0.1‑5N塩酸酸性で検討 し, 1.7N前後が最適であることを認 めた,また,試 料を処理 してウランの溶液をつ くる際の 酸化の妨 止について も検討 し, ヒドロキシルア ミンの添加の有用 なことを知 った.
(2) ラジウムA(218Po)の分離定量法の研究,杉原 健 :
日本化学会放射化学討論会,昭35.10.
ラジウムAのみが効率 よ く分離 され るよ うに,E.D.T.A.の2Na塩 を加 えることによ り, ビスマス ・鉛の抽 出を出来 るだ けお さえた. また,蒸発乾潤の際に,揮 発 性を出来 るだけさけるため,ヂチゾンの代 りに,dトβ‑Napthylthiocarbazoneを使用 して, ほぼ
満足すべ き結果を得た.
(3) フッ素イオ ンの比色定量法 (ネオ トリンの応用),御船政明 (大月富美雄) :研究継続中 江見,速見 (日化26,1291(1955))の方法を追試 し,ネオ ト')ン溶液の添加量 ・温度及 び放置時間 と吸光度 との関係,Ca2+,Mg2+,Al
3
',Feュ
+,Cl‑,SO42‑,PO43 による妨害 について検討 した.尚, フ ッ素の蒸溜法について も検討中である.
(4) ジルコニウムの比色定量法 (ネオ トリンの応用),奥野孝曙 ・阪上正信 :
第12回 ウラン トリウム鉱物委員会,昭36.2 ネオ トリンを用いてジルコニウムを比 色 定 量す る場 合の基 礎 条 件 として,そ の 発色液 の吸収曲線・pHの影響 ・安定時間 ・温度 の影響 を検 討 した.検量線は150pgZr/10ml まで Beerの法則に従 う.また,Fe3
+
,UO 22十の妨害 を検討 し,定 めた条件 に於ては, NH20Hの添加によ りFe3'は 2000pgまで影響の ないこと,1000pgUは10pgZrに相 当す る妨害 を行 うことを知 り,含 ウラン試料についてのジルコニウムの定量法 を確立 した. (本温研報 に報告)
(5) 溶液についてのケイ光Ⅹ線分析‑ Zr,Y,Sr,Uの分析,奥野孝晴 ・阪上正信 : 研究継続中 溶液1.7mlを入れ得 る厚 さ0.5mmの液 体ホ‑ルダー (マイラ‑箔を前 面 に用 う) を用 い,Zr,Y,Sr,Uの蛍光X線分析 を行 う場合の基礎条件 を検討 し,その検 出限界バ ッ
ク ・グラウン ドの取扱い, ピーク高 と濃度 の比例性を調べた.また, これ ら諸 元素 の混 合溶液の場合 も検討 し,ZrKαえの SrKβの妨害 についての知見 を得た.
(6) ペーパー ・クロマ トグラフィーによるア ミノ酸の分析,御船政明 : 研究継続中 イオ ン交換樹脂 (IR‑120H型) を用い る際,ア ミノ酸 の溶 離 回収 率 を10%一HCl,4%
‑NH40Hをそれぞれ溶離液に用いて検討 し,前 者の場 合 は溶 離 不完全であ り,40/O‑ NH40Hでは満足な回収 を示 した.ア ミノ態窒素の定量 はVanSlyk法によった, さら に温泉産緑藻 Rhizoclonium hieroglyphicum乾燥試 料をエ‑テル処 理,700/oエタノー ル抽 出,IR‑120による吸着,40/0‑NH40Hによる溶 離の後,常 法によ り,2次元展開 のペーパー ・クロマ トグ ラフ ィーを行 い,Asp.,Glu.,Ser.,Thy.,Ala.,等 を確 認 し たほか, ニンヒ ドリンで青色 を呈す る新 しいSpOtを Ser,よ り小 さいRf.の ところに 検出 した.
(7)ガス ・クロマ トグラフ ィーによるア ミノ願 の分析,御船政明 : 研究継続中 ア ミノ酸 の N‑ アセチルブチルエステル をつ くり,そ の ブタノール浴液 の 一定量 を と
り,Silicon550を担体 として220oCにお いてガス ・クロマ トグラフ ィーを行 いAla., Gly,2AminoButy,Acid,Val.,Leu.,Isoleu.,Thr.,Ser.,Pro.,Asp.,を分離 した.本分析条件 にお ける最小検出量 はAla.の25昭 であった.なお,モ リア ミンS注 射液の分析 を行 い,Gly.,Val.,Leu.,TIlr.を検 出 した,
(8) 窒素 とアルゴンのガス ・クロマ トグ ラフ ィーによる分 離定 量法,杉原 健 ・御船政明 ・阪 上正信 : 日本化学会第14年会,昭36.4.
温泉水中に潜存す るアルゴンな らびに窒素を,モ レキユ ラ‑ ・シ‑ブ5Aを充填 剤 とし てガス ・クロマ トグラフ ィ‑を行 い,分離定量す る方 法 を検 討 した.酸素 をあ らか じめ ピロガ ロール浴液で除去 し,両者の分離定量 を満足に実施 し得た.
(9)差動計数式 クー ロメ‑タ‑の試作完成,阪上正信 : 日本化学会第14年会 に展示.昭36.4. ブロッキング発振器を2っ装備 して,バ ック ・グラウン ドに相 当す る ものを差 引いて, 正味の電気 量を,応答速度 はや く,微量の場合 も積算 し得 る電 子管 式の ク‑ ロメ‑ ター を考案 し,その試作 を柳本製作所 に依頼注文 した ものが完成 した.その精度,直 線性 等 を検討 した結果 も満足であ り,同様 な装置 は同製作 所によ り続いて製 作 され, 日本分析 化学会の京都 (昭35.7.) および東京 (昭36.2.)の分析化学講習会 に も使用 された.
も.地球化学 に関す るもの b(イ)水圏 (温泉)に関す るもの
(10)堆積型 ウラン鉱床周辺 にある温泉のウラン ・ラジウム含有量‑ 三朝温 泉その他 鳥取県中 部地区の温泉について‑ ,阪上正信 ・市川倫夫 : 日本化学会第13年会昭35.4. 同一試 料水の含有す るウラン ・ラジウム含有量 をそれぞれ分析 し,その平 衡 関係 を しら べ た. ウラン ・ラジウム ・ラ ドンについては,一般 に娘元素が平衡 量以 上 に含有 され る ことがかな り多いが,一方, ウランをかな り多 く含む (20pg/1)もの も見 出 された.な お,温泉の各種成分 とウラン ・ラジウム含有量 との間には必ず し も関 連が認 め られず, む しろ,地域的特性があ り, とくに, ウラン含有量については含 ウラン堆 積 層 を浸透 し て きた地下水の作用 を も考慮す る余地がある. さらに,三朝温泉等の強 放射能 泉の成 り 立 ちについて も考察 した.
(ll)放射能泉地域温泉水のウラン ・ラジウム含有量‑ 島根県三瓶 山周 辺 および山梨 県増富地 区について‑ ,阪上正信 ・中川幸二 : 日本化学会第14年会,昭36.4. 三瓶山周辺及 び酉南方の南山,湯谷,下谷等の諸 鉱 泉 については, ウラン ・ラジウム含 有量のかな り多い ものがあったが,両元素の含有量間には必ず しも関 連 は認 め られず, また浅原 (68pg/I),小林 (42pg/1),雨鉱泉 などの ごとく地域的に とくにウラン含 有量 の多い もののあることを認 めた.一方,増富地区13源泉 については, ラジウム含 有 量 は 一般 に多いが, ウラン含有量 はいずれ も1pg/1以下であった.
02)温泉水中の ラジウムAの含有量,杉原 健 : 日本化学会地球化学討論会,昭35.10. 本邦の放射能泉 として知 られた増富 ・池 田 ・東都の諸 鉱 泉,三朝 ・関金 ・浜村 ・東郷 ・ 有馬 ・城崎 ・湯抱 ・湯来 ・松永 などの諸温泉の ラジウムAおよび ラ ドンの含有量 を測定
した.その結果,大多数 の ものについて, ラジウムAはラ ドンに対 して平衡量以下であ る.即 ち, ラ ドン源は深 くない ところにあることが考 え られ る.
(13) 本邦温泉の ラジウムとラ ドン含有量 について,杉原 健 : 日本温泉科学会,昭35.7. 個 々の源泉 については,RaとRnとの含有量 の間の関係 ははっき りしないが,各温 泉 群毎にそれぞれの平均 値 を とると (日本鉱泉誌 (1954)の資料による),種 々の 要 因 が 平均化 され,Ra含量 とRn含量 との対数値の間に正の相 関関係のあ ることが見 出され
た.
(14)鳥取県三朝温泉のフッ素 イオン,御船政明 ・大月富美雄 :
日本温泉科学会,昭36.8.
ネオ トリンによる比色分析法を使用 して,三朝温 泉水中の フッ素 イオン含有 量 を1960年 に採水分析 した.その結果,0.6‑9.1mg/1の値 が 得 られ,塩素 イオンおよび重炭酸 イオンの含有量 との間に,それぞれ 正 の 相関関係 が 認 め られた.これ よ り三朝温泉 の フッ素 は生物 起源 ではな く,温泉源流 の熱水 に伴 うもの と推 定 され る. (本温研報に 報告)
(16) 温泉水中の窒素 ・アルゴン ・酸素含有量,杉原 健 : 日本化学会第14年会,昭36.4. 三朝温泉のアルゴン ・窒素および酸素の含有量を測定 し次の結 果を得た.アルゴン含有 量 と温泉の塩素イオン濃度 との間には負の相関が見 出された.同様に,アルゴンと泉 温 との間には負の相関があった.アルゴンに対す る窒素+アルゴンの比 は温 泉によって異 り,窒素の一部は途中か ら温泉に附加 され ることを推定 した.
((16))三朝温泉の諸成分の濃度のぴん度分布,杉原 健 ・' 日本化学会第13年会,昭35.4, 三朝温泉の降水量が対数正規分布をなし,また,温泉の商 養源 の一つである三朝川の水 位 な らびに三朝温泉地の地下水の水位が年間を通 じて対数正規 分 布をなし,温泉に影響 をおよぼす多数の要因が対数正規分布をなした.また,数 ヶ所の温 泉について,塩 素 イ オン濃度のひん度分布をしらべ ると,すべ て対数正規分布をな し,三朝温 泉では諸成分 濃度が対数正規分布 をなす ことを結論 した.
(17) 鳥取県浜村 ・鹿野地区温泉地の地球化学的研究,阪上正信 ・御船政明 :
日本温泉科学会,昭35.7.
表題地区の温泉水およびその周辺 の地下水について,各種成分 (ヒ素 ・ウラン ・ラジウ ム ・ラドン等の微量成分をふ くめ)を分 析定量 し,木梨部 落 等 に温 泉 水の徴 候 を認 め た.また,C1‑SO。2‑HCO 。‑ および Ca2十一Cl‑SO42 の ミリ当量比三角図をつ くり, 鳥取県中部地区の各地温泉の泉質を比較,検討 し.温泉湧 出地の地質 構造 との関連につ いて考察 した.
(18) 鳥取県関金地区温泉の地球化学的研究,阪上正信 ・御船政明 :
日本温泉科学会,昭36.8.
花梅岩 よ り演出す る関金温泉の各源泉の泉質 ・深度 と地温 との 関係 をしらべ ると共に, フッ素 ・ヒ素 ・ウラン等の微量成分について も検討 した. また,周辺の井戸 水 等につい て も,主 として, ヒ素を指示元素 として温泉徴候 を判断 した.(本温研報に報告) (19)鳥取市内温泉の試錐による調査研究,阪上正信 ・杉原 健 (地質部門 と連名にて) :
日本温泉科学会,昭36.8. 新泉層開発のための鳥取県 ・鳥取市を主体 とす る試錐 に協力 し,各含水 層の主 成分 ・ウ
ラン ・ヒ素 ・窒素 ・アルゴン ・酸素の含有量を検討 した.深度200m附近 で 新 しく見 出 された ものの泉質 も今迄の もの と大差はない.(地質部門 ・鳥取大学 と関連研究)
(本温研報 に報告)
但0) 三朝温泉の水位 ・水質の連続観測,杉原 健 ・御船政 明 :研究継続中
三朝温泉の山田温泉群 を代表 す ると思われ る地域の地下水位 を測 定す るために, 自記水 位計 を と りつけ, これ と山田温泉群 にある tlひすいの湯"
t t
神泉 寮 きざの 湯"の水質 と の関係 を現在観測中である.観測 はすでに1ヶ年以上 を経 過 してい るが,統計的な考 察 を行 うには, さらに数年の観測値が必要 で, この関係 を明かに して,温泉の保 護 ・管 理 の資料 としたい考 えである.b.(。)岩着圏 (鉱床 な ど) に関す る もの
(21)三朝層群 ウラン鉱床におけるウラン (4価) とウラン (6価),阪上正信 :
日本化学会地球化学討論会,昭35.10.
人形石 を含 む試料,鳥取県中部の ウラン鉱床の非酸化帯試料, ウラニ)i,溶 液か ら硫 化水 素の作用 (加温)によ り生 じた黒色沈澱等について,4価 ウランの存在 を確認す る一万, 量的にはこれ ら試料について もかな り6価 ウランの存 在す るこ とを知 り, ウランについ ては所謂非酸化帯試料 もかな り酸化 Lやすい ものであるこ とを認 めた.
¢2)東郷鉱山の非酸化帯および酸化帯の地球化学的研究,阪上正信 ・奥野孝晴 :
日本化学会地球化学討論会,昭35.10.及び原燃 公社探鉱専門委員会,昭36.2.
麻畑2号坑井酸化帯,方面下1号坑酸化 帯等について, ウラン ・リン ・ヒ素 ・イオウ ・ 鉄 ・ジル コニウム等の化学分析 を行い,又Ⅹ線廻 折 ・ケイ光 Ⅹ線分 析 ・オ‑ トラ ジオグ
ラフ等によって も検討 した.特に, ウラン含量の多い ものについて,人形石類 似の廻 折 線 とともにウラニナイ トとも考 え られ る廻折線 を認 め た. この ことは, ウラン含有 量 に 対す る リン含有量が,人形峠地区の もの に比 し少い 憤向 の あ る こととともに, この地 区の特徴である.又, イオウ ・ヒ素 と非 酸化帯 試料 の ウランの関係 は正 の 相関関係 に ある.
C23) ウラノフェ ン及 び
β ‑
ウラノフェ ンとその ジル コニウム含有量,阪上正信 ・奥野孝晴 :日本 化学会地球化学討論会,昭35.10.及 び第11回 ウラン ・トリウム鉱物委員会,昭36.2.方面下1号に産す るウラノフェンおよびβ‑ウラノフェ ンについて,Ⅹ線 廻折 ・ケイ光Ⅹ 線分析 ・化学分析 (ウランおよび ジルコニウム) を行 うとともに, ジル コニウムが 特に 多い試料 とそ うでない試料の産状 を鉱物学的に も検討 し,後 者 は前 者 よ り更に2次的に 生 じた もの と推定 した.なお, ジルコニウム ・ウランの 各種 溶 媒による溶 出 等 も検 討
し,一方,合成 ウラ二ナイ トのジル コニウム置換について も実験 した.
但4) 人形峠鉱床 の鉱石の特性,特 にその化学成分,阪上正信 :
第2回原子力研究綜合発表会小討論会,昭36.2.
過去4ケ年間にわた り研究 を行 って来 た人形峠鉱床 の地球化学的 資料を基 に して,その 鉱石の化学成分についての特性 を総 括的に述べ,他の演 者による 「鉱物組成
」
「微量成 分」
「外国鉱石 との比較検討」の3問題 とと もに小討論会の講演 とした.鰯 原子燃料公社倉吉出張所 管内ウラン鉱 床 のベーパ‑ ・クロマ トグラフ ィーによる化探,
中川幸二 ・蓑原勝美 : 原燃部内報告,各月.
電気比抵抗法 を併用 して,各測線について,地表下 1m程度の深 所か ら採 取 した試料に ついて,阪上の考案 した前線反応 を利用 したペーパー ・クロマ ト法 を用 いて,ウランを 分析 し,化学探鉱 を行いつつある.本年度 は,鉛 山地区 ・三 徳 山地区 ・羽衣石地区 ・多 望および坂根方面について,合言13000の試料を処理 した.なお,精 錬試 験のため送 る東 郷鉱山の カマス入試料の品位 を本法 によ り迅速に定量 した.(約150個)
LPG)各地産 リン灰石の ウラン含有量およびX線結晶廻折 ・ケイ光X線分析,兼島活 ・阪上正信 : 日本化学会地球 化学討論会,昭36.10.
琉球諸島の各種 リン灰石 を主 とし,その他能登半島,南洋群島,列国産の リン灰 石 につ いて,固体 ケイ光法 を用いてウラン含有量 を求 めるとともに,Ⅹ線結晶 廻 折 によって結 晶度および含有鉱物種 を知 り,更 にス トロンチウム含有量 の多少をケイ光Ⅹ線 分 析 によ
り迅速に知 り,それ らの関連および他の微量成分,主成分,生成後の風化変 質過 程の状 況 との関連 につ き考察 し,興味ある研究結果を得 た.
但7) ウラン化合物,硫化鉱物の酸化変質の Ⅹ緑的研究,阪上正信 ・奥野孝晴 : 研究継続中 ウラニナイ ト (外国産 および合成物),人形石 を含む炭質物等の粉末 について,水蒸気 ・ 過酸化水素および濃硝酸等の雰囲気 をコンウェイの微量拡 散装 置につ くり,その中での 変質の過程 と時間 との関係 を Ⅹ 線廻折 を用 いて検討 した.更に,硫化鉱物について も,
オゾン雰囲気等を利用 して検討中である.
(28)各種溶媒による花 尚岩か らの ウランの溶 出,マ ンガン癌か らの ラジウムの溶 出,阪上正信 : 日本化学会第14年会,昭36.4.
三朝町,人形峠,奥津方面の花 尚岩 を粉末 とし,各粒度 の ものについて,河 川水 ・炭 酸 を多量 に含 む水 ・塩酸 ・硝酸等によるウランの溶出量 を測定 した.また,東 郷 鉱 山産 の 高 ラジウム含量のマンガン癌 について,各種塩類溶液 ・塩酸・硝酸 等によるラジウムの 溶出量 を比較,検討 した. これ らは ウラン鉱床の成因 と温泉 との関 連, ラジウム温 泉の 成 り立 ちにつ いての考察の資料 とした.
Czg) 三瓶 山周辺温泉沈澱物のウラン ・ラジウム含有量,阪上正信 :
日本化学会第14年会,昭36.4.
多量の鉄質沈澱物 を生ず る三瓶 山周辺の温泉の, これ ら沈澱 物 について,Ⅹ線 結晶廻折 を行 って, これ らが無定形 の ものであることを知 ると共 に,ケイ光 Ⅹ 線分析 を行 って, ヒ素 ・ス トロンチウム ・マンガン等の含有量の多少 を比較 した.いず れ もヒ素 がかな り の量含 まれ る.なお, ラジウム ・ウランの量を定量 したが,いず れ もラ ジウムが ウラン に比 し平衡量以上に共沈 してい ることが判 った.
b.再 生物圏 (温泉植物,その他)に関す る もの
(30) 鳥取県鹿野 ・浜村温泉産 の藻類,御船政明 ・広瀬弘幸 (神戸大) :
日本温泉科学会,昭35.7. 鹿野温泉 は数年前に開発 され,その温泉藻類については報告が ないが,今回の研 究で藍
藻 Mastigocladuslaminosusを認 めた.浜村温泉 については土井 ・生駒両氏 の報告 も あ るが,今 回の研究 では下記 の温泉藻類 を認 めた.Mastigocladuslaminosus,OscilL atoriaguttulata,0.princeps,0.princepsγar.minor,0.tennis,Phormidium viscosum Synechocystisaquatilis.
(31) 鳥取県三朝 ・関金温泉産 の藻類 ,御船政明 ・広瀬弘幸 (神戸大)
三朝 ・関金両温泉 は,放射能泉 として著名であ り,強放射能泉 に生育す る温 泉藻 類研究 の立場 よ り改 めて調査 した.関金温泉 では Mastigocladuslaminosusは じめ2種 の藍 藻 を認 め,三 朝 温 泉 では Mastigocladuslaminosus,Osc.princepsを は じ め合 計 12種 の藍 藻 を確認 した.なお,両温泉 と も,強 放射 能泉 の池 田 ・増富で 認 め た優 勢 種 Calothrixparietina,Synechocystisaquatilisを見 出 し得 なか った.
闘 ウラン投与動物の各臓器中の ウラン含有量,阪上正 信 ・北 山 稔 (医学 部門) 研究 継続 中 医学 部門の動物実験 に協力 し,回転炉 を用 い る透光型固体 ケイ光分析法 を 用 いて,灰 化 試 料の ウラン含有量測定 に,装置 を提供 して検討 を行 いつつあ る.
C.印刷発表 になった研究
(1) 梅本春次 :AnExamp一eofVariationin ConstituentsofHotSprings;
Geochim etCosmochimicaActa,Vol.21,239,(1961) (2)阪上正信 :放射性堆積物の地球化学的研究 (第 Ⅰ報〜第
V
‑報) ;日本化学雑誌,8t,896,1520,(1960) (3)杉原 健 :鳥取県三朝温泉 の化学的研究 (第 V報 〜第
nV
報);日本 化学雑誌,81,703,884,1055,1221,1391.(1960) (4)杉原 健 :温泉水中の ラ ドン含量 と水素 イオン濃度 との関係 ;
日本 化学雑誌,81,1064, (1960) (5) 杉原 健 :本邦温泉の ラジウム含量 と水素 イ オン濃度 との関係 な らびにその額度分布 ;
日本化学雑誌,81,1177,(1960) (6) 杉原 健 :三朝温泉 の化学組成の時間的変化 とその頻 度 分布 な らび に本 邦 温 泉 の頻度分 布 ; 日本化学雑誌,81,1232,(1960) (7)阪上正信 : 「ウラン,その資源 と鉱物」持 論BX及 び鉱床 各論DI7,DI8;
ウラン トリウム鉱物研究委員会編集,朝倉書店刊行,(1961) (8)阪上正信 :StudiesontheCoulometricDeterminationofUranium
(
Ⅵ)andThallium(
I)byControlledPotentialElectrolysis; 同大温 研報,27,1,(1961) (9) 阪上正信 ・御船政明 :鳥取県浜村 お よび鹿野地区温泉地の地球化学的研究 お よび鳥 取 県 中 部 に あ る諸温泉 の泉質の比較,検討 ; 岡山大温研報,27,25,(1961)C
.地 質 学 部 門地質学部門は教授杉 山隆二,助手渡辺 晃二, よ りな る不完 全 部門であ る.当部 門の研 究の基
本的方針 は前年度 と同じで,従来か ら t'温泉‑ ウラン‑ 花 岡岩"の3つの極 めて密 接 な関 連 を もち,且つ三朝 とい う位 置的 特殊 性 を もった研究対 象に主 眼 点 をおいて研 究 を進 めてい る. しか し,今年度 も研究陣弱体のため,他大学か らの研究協力 を得 てお り,当 研究 所 を根拠 に して研究を協力 した他大学の教官 ・学生 の数 は,昭和35年度 には延274名の多 きにのぼって い る.
研究設備 としては, 自記式Ⅹ線回折装置 (牧Geigerflex")その 他の強 力 武 器が入 ったので, 研究にその威力を示 しつつある.昭和34年度 に要求 した調査率 (ジープ改装),試錐機 (付電気 検層器) も昭和35年度 には求 め られなか ったが,昭和36年度 には入手の 目鼻がつ き,研究 内容 の画期的進展が期待 され るに至 った.
昭和35年度 に地質学部門に於 て行 った研究 発 表 は次 の如 くで ある. ここに ( ) 内 は 他 大 学 ・他部門の協力者 ;
〔
〕 内は協力 ・委嘱関係 ; 《 ) 内は,戟 :報 告済の もの,作 :報 告 作成済の もの,莱 :資料未整理 ・未発表の もの, (番号) :後記の研 究 成果 を 発 表 した ものの 番号である.a.花 尚岩造岩鉱物の岩石学的 ・鉱物化学的研究
(1) 山陰地方花園岩類の分界,杉 山隆二 : 〔原燃〕 α(3),(4),(9)))
三朝 ・人形峠一帯 に分布す る花 尚岩類 を時代を異 にす る3つ に分 類 した.即 ち,奥津花 尚岩類 (三畳紀末頃の送入か), 小鴨花尚岩奨 (吉 第 三 紀始新 世末頃の近人か)及 び鉛 山石英閃緑岩類 (新第三紀中新Ltr末頃の遣入)がそれ であ る.そ して,いわゆ る tl人形 峠型花尚岩"は,奥津花 尚閃緑岩額が小鴨花 尚岩類の送入 に伴 う著 しい加里 添加作 用 を うけ,微斜長石が多 くな り, またそのporphyroblastsを生 じ,斑状 を呈 L tt斑状 花 尚 岩" となった ものである.即 ち,人形峠型花尚岩 は奥津花 尚閃緑岩数が著 しい花 尚岩化 を蒙 った岩石 である.そ して,小鴨花 尚岩類が ウ ラン鉱 床 の起 源 に 関 連 深 い ものであ り, またこれ と鉛山石英閃緑岩菊が附近 に分布す る温泉 と関連あ る深 成 岩類であると考 察 してい る.
U) ジル コン法による分数 と対比 : (九大理 ・唐 木田助手) : 〔原燃〕((末か
(ロ) 花 尚岩類のモ‑ ドの測定,(岡山大 ・理 ・光野助手,岡山大 ・教 ・沼野助手) :〔原 燃〕《末か
目下測定中で,前年度相馬助手が行 った ものは(8)に述べ られてある.
(2) 山陰地方花 尚岩類の生成状態の推定 (成因)
(i) 花 尚岩造岩鉱物の光学的 ・Ⅹ線的研究,杉山隆二 ・渡辺晃二 :研究継続中,((末か 調査串 ・試錐機が入れば,資料採集 に画期的新軌軸 を出す ことが出来,花 尚岩 の成 因は勿論のこと,ウラン鉱床の起源の問題の究明に深いメスが加 え られ るであろ う・
(U) 花 尚岩造岩鉱物,特 に加里長石 についての光学的・Ⅹ線的研究, (山口大 ・文理 ・村 上助教授) ・ 〔原燃〕《作か
花 尚岩中の加里長石の三斜度 ・2Vx及 びその中の albite‑bledsの α・γを測定 した・
そ して,次の考察を行 った.
(i) いわゆ る人形峠型花 尚岩 の加里長石 は小鴨型 のそれ よ りも幾分急 冷条 件下 に おい て生成 され た. しか し恐 らく著 しい差が あった とは考 え られ ない.特 に albite‑bledsの性状 に差がないので,少 くとも岩 粟国結 の初期 にお ける環境 差 は極 めて小 さか った と考 えて よい. なお,押合地 域 の ものが人形 峠地区の もの よ りもやや援冷条件下で生 成 し,小鴨型花 尚岩 では加 谷花 尚閃 緑岩 との 接触部 に急冷相があ るが,他地域 に於 ては冷却条件 にそれ程 の差がない.
(ii)恐 らく,加里長石 よ り見 るな らば,人形峠花 尚岩 は古 く,小鴨型 花 尚 岩 は新 しい. しか し,両者の晶出は引続 いてお り,両者 に著 しい時代差が ない, (iii)東京教育大 ・柴 田秀貿教授が福 吉北方 で人形 峠型花 尚岩 の周 縁 相 としてい る
ものは,急冷周縁相 とは考 え られ ない.
い) 石英 の転 移温度の測定 ,渡辺晃二 :研究継続 中
(I) 石英中の液体包有物の消滅温度 の測定,渡辺 晃二 :研究継続中 ((莱)) (3)花 尚岩 の粘土化の研究
U)花 尚岩 中の粘土化岩豚 について, (新潟大 ・理 ・今井教授) : 〔原燃〕《作か 花 尚岩 中の火 山岩岩豚 の粘土化及 びそれに近接す る花 尚岩 の粘 土化が 概 ね モ ンモ リ
ロナイ ト化で あることを,Ⅹ線解析並 にD.T.A.(示差熱分析) に よ って知 り,且 つ ウ ランの濃集が花 尚岩 中の岩泳 に近接す る部分及び岩豚 の周 縁部 に行 われてい る
ことを知 った.
(。) 花 尚岩 ,特 に小鴨型花 尚岩 の粘土化 の研究,渡辺 晃二 : 〔原燃〕《(5)))
小鴨型花 尚岩 は広範 にわた って粘土化が顕 著で, カオ リナイ ト ・セ リサイ トも勿 論 認 め られ るが,特 に, モンモ リロナイ ト化が卓越 してい る. この 粘土化 の程度 ・モ ンモ リロナイ トの結晶度 よ り考 え ると,東郷鉱 山附近 よ り三朝附近 に於 て変 質 度 が 著 しい.又, この モンモ リロナイ トの結晶度 は堆積性の ものに比 し非 常 に 良好 であ り,熱水浴液による影響 を示 唆 してい る.これ らの ことか ら,小 鴨 花 尚岩 は,(i) 自変質作用 (ii)熱水溶液 (温泉水 を も含 む) によ る粘土化 と考 え られ る.そ して, この粘土化 と共に花 尚岩 か らの ウランの溶脱 は考 え られ るが,直 接現 在見 られ るよ
うな鉱床 を規制 してい るとは云 えない.
b.花 尚岩の地質構造的調査研究 (4)花 樹岩 の分布 と地質構造
この研究 は,今后数年継続的 に行 われ る もので ある.
U)花 尚岩 の分布 と地質構 造 との一般 的調 査 研 究,杉 山隆二 : 〔原燃〕, (((3), (4))),釈 究継続中
三朝 ・人形 峠附近 よ り,東方 鳥取 ・岩 井附近 に至 る,既 に調 査 した地 域 についての 各種花 置岩類の分布図 (1/50000)を作成 し,地質構造 的に 見 ての ウ ラン鉱 床 及 び 温泉 と花 嵐岩 との関連 を検討 した.
(ロ) 穴鴨南方の花 尚岩 の調 査研究, (九大 ・理 ・唐木 田助手,学生) : 〔原燃〕《作か
(5)花 掃岩中の裂醇系の研究,杉 山隆二 :研究継続中
杉 山の創案によるtTractureFabricAnalysis" (F・F.A.) の方法 を用い て,花 尚岩 中の裂鍍系の研究 を行いつつあ るが,昭和35年度には,次の2っについて特に研究 を行
った.
(i)花 尚岩中の裂醇系 とウラン鉱床のチャネル構造 との関係,主 に東 郷鉱 山について, 杉山隆二 : 〔原燃〕((4),(6)刀
主 に東郷鉱山の麻畑坑及 び方面坑 の資料について,F.F.A.の方法で解析 を行 った 結果,両地区共 に 「Fracturefabric (裂締系)が凹状 を里す る部 分,そ して ま た それが緩傾斜の部分に,いわゆるchannel構造が一致す る」事実 を認 め た. これ はchannel構造 と鉱床 とが極 めて密接 な関係 にあることか ら,一つの有 力な探 鉱 指針 とな り得 る もの と考える.又,channel構造 を形成 す る機構 を知 るための重要
な手掛 りとなるであろ う.
(ロ)花 尚岩中の裂醇系 と温泉 との関係,主 に三朝 ・関金温泉 な どについて,杉 山隆二 :
《佃か,研究継続中
花 尚岩 中の裂醇系をF.F.A.によ り解析 し,花 尚岩地の地質構造を究 明す ることに よって,温泉湧出の機構 を解 明 しつつある.
C.いわゆる木地山層の調査研究
(6)木地 山火山岩類の分布 と岩石学的研究,杉 山隆二 ・(岡山大 ・理 ・光野助手) :〔原燃〕
《末》,研究継続中
tt木地山岡" とされた ものは,三朝 ・人形峠附近では堆積岩層 を伴わず,火山岩岩泳 ・ 岩塊であることを知 り,その分布の調査 と火山岩類の岩 石学的研 究及びその火山層序学 的位置の検討を行 ってい る.既に,分布調査の段階を過 ぎ,岩石学 的研究の段 階に入 っ た.火山層序学的位置 は,今 の ところ,新第三系の中部中新続 であるい わゆ る Ll緑色 凝 灰岩層" の火 山活動に対比 され る ものか と考 えている.
d.いわゆる含 ウラン三朝層群の火山層序学的 ・堆積学的な らびに構造地質学的研究
昭和34年度に,神禽 ・三徳 山よ り三朝 ・倉吉にか けての一帯 に分布す る第 三紀 層,即 ち 三朝層群の火山層序学的な らびに堆積学的調査研究 を行
い
,1万分の1地 質 図を作 成すると共に,その火 山層序 の基準 を樹立 した. この火山層序基準に従って,未調査地 域 の 調査を行い,又,既に調査 した地域の再踏査,精査 を行 って,その修正 ・補正を行 った.
更に,島根県下や,鳥取県東部及 び西部地域の調査 を行 って,火山層序学的に地 層の対 比 を行 った.
(7)三朝層群の火山層序学的基礎研究,杉山隆二 : 〔原燃〕α(2)刀,研究継続中
三朝層群の火山層序 の基準は一応樹立 したが,ウ ラン鉱床の探査 に とって,三 朝層 群の 火山層序学的研究は極 めて重要であ るか ら,漸次調査地域 を拡 め,従来 の考 察 を補 正 ・ 改正 して行 くと共に,その基礎的研究 を行いつつある.
(8) 三朝層群の地質調査研究
三朝層群の,昭和35年度に行 った地質調査研究 は次の如 くである.
㈹ 三徳北方地域の調査研究, (新潟大 ・理 ・茅原助教授,九大 ・理 ・種子田助教授, 山口助手,唐木 田助手,学生) ・ 〔原燃〕,(作か
(ロ) 東郷鉱山北東方地域の調査研究, (九大 ・理 ・種子田助教授,唐木田 助 手,学生) :
〔原燃〕,《作か
ぐう 鳥取市 ・湖山池南方地域の調査研究,杉 山隆二 ・ (原燃倉吉の 職員 数名) :〔原燃〕
《報か
(9) 島根県池田鉱泉群附近の調査研究,杉 山隆二 ・:(阪上正信 ・原燃倉吉の職員 数名) : 〔原 燃〕,(((1),(4))),研究継続中
島根県太田町附近三瓶 山礎池田鉱泉群 はラジウム含有量の多い ことで有 名 であるが,そ の うち小林鉱泉の鉱泉水中にウラン含量が異常に高い ことを化学部門限上助教 授が指 摘 した.それで,小杯鉱泉 を中心 とす る一帯の地 質概 査 と地 化 学探 査 を行 った.そ の 結 果,附近には,花 尚岩基盤 を不整合に被 う小盆地状の新第三系 が発 達 してお り,それを 切 って北東一南西方向の断層が認 め られ, これに沿 って多 くの鉱 泉が存 在 してい る. し か も, この小盆地状新第三系の中心部に位す る浅原鉱泉ではウラン含量68・5りLに達 し, その周縁部に当 る小林鉱泉 ・忍原上鉱泉及び熊取鉱泉 (市場)ではそれ ぞれ ウラン含 量 42.OT/L,22.5T/L及 び 19.5T/Lである. これに対 して, 同 じ断層 線上 にある鉱泉で も,新第三系が被覆 していない基盤中の ものでは, ウラン含量 は遠に低 く数T/L以 下 と なる.又, この附近の川水 ・井戸水 ・湧水な どについて も,一応地化学的 検討 を加 えた が,更 に昭和36年度 に地質精査 と共 に詳細 な地化学探査 を行 う予定であ る.
(10) 鳥取県多里及び岡山県道後山 ・西城附近一指の調査研究,杉 山隆二 ・ (原燃倉 吉の職 員 数 名) : 〔原燃〕 《報)
この調査研究によって,中生代火成活動か と考 え られ る火山岩類 が認 め られ, tt木地 山 火 山岩数" との関連が明確 になって来た.
(ll)宮津附近の調査研究,杉 山隆二 :(末》
宮津附近の ウラン鉱床の ウランを含む新第三系及 び基盤花 尚岩 につい て,独 自の見解 よ り検討を行 った.
(12) ウラン鉱床の母岩 の研究
U) 東郷鉱山の acidictuffの粘土化の研究,渡辺 晃二 : 〔原燃〕,(((5))), 研究 継 続 中 鉱床母岩の acidieclayは結晶度の良 い純粋 なモンモ リロナイ トよ り成 ってい る.
このモンモ リロナイ トについて,膨潤度 ・懸洩 pH な どの実験の結果,ベ ン トナイ トとい うよ りはむ しろ酸性 白土的性質 を有 してい ることが判 った.酸 性 白土 はベ ン トナイ ト質粘土の酸化によ り生成 された もの と考 え られ るが,酸化 状 態 としては, (i)不変質休地域 よ りの酸性水の影響 (黄鉄鉱 を含む箇所ではpH3.2±)(ii)酸性 熱 水溶液の影響 (iii)温泉水による影響 (iv)酸性地下水の影 響 な どが 考 え られ る が,そのいずれであるかは今の ところ明確で ない.ただ, モンモ リロナイ トの結 晶
度が失われていないことを考えれば,少 くと も常 温 よ りかな り高い 温 度の変 質が 推定 され る.Acidictuffの粘土化の時期及び粘土化の温 度 とウラン鉱 物 との関係 について検討を行 ったが,未だ不明確 な点が多い.ただ,後者に ついて,β‑ウラノ フェン ・カ‑ノタイ トは比較的熱 に対 して安定であるが,憐灰 ウラン石 は140
o
C以 上にす ると,メタⅠに変化 し,その後常温に放置 して も燐 灰 ウラン石 に もど らな い.叉,90oC飽和水蒸気中では,メタⅠに変化 し,それを常温に放置す ると,燐 灰 ウラン石に もどる.これ らの実験 よ り,いろんな考察が生 まれるが,反応 時間 及び 反応速度 を一応無祝 して考えるならば,90oC以下で acidictuffが粘土化 したと仮 定すれば,粘土化前に燐灰 ウラン石が存在 して も矛盾は ない. しか し,140o
Cで の 粘土化を考えると,燐灰 ウラン石が後で生成 されたか,既に生成 していた ものが他 か ら運ばれたと考えねばならない.いずれにして も,少 くとも現在 認め られ る憐 灰ウラン石は生成后140
o
C以上の温度にならなか ったことが云える.(ロ) 東郷鉱山の acidicclayのウラン置換能の測定,渡 辺 晃 二 : 〔原燃〕,《未》,研 究 継続中
ぐう 中津川鉱床の母岩の変質の研究,渡辺晃二 : 〔原燃〕,《未か,研究継続中 e.温泉,特に放射能泉の地質学的調査研究
用 温泉調査
調査研究の結果の うち,纏 まった ものは漸次岡山大温研報に掲載の予定故,調 査 地 名のみを列挙す る.
03) 倉吉温泉調査,杉山隆二 ・ (新潟大 ・理 ・茅原助教授) : 〔倉吉市〕《一部 報,作か,研 究 継続中
(14) 関金温泉調査,杉 山隆二 ・渡辺晃二 ・奥野孝晴 ・ (化学部門) : 〔県衛生 部〕《作》,研 究 継続中
(1斡 岩井温泉調査,杉山隆二 ・渡辺晃二 ・奥野孝晴 ・ (化学部門) : 〔県衛生部,岩美町〕
《報か,研究継続中
(16)三朝株湯温泉その他の調査,杉山隆二 : 〔県電気局〕((報か
(17) 鳥取温泉調査,杉山隆二 ・ (化学部門) : 〔県衛生部〕((報)),研究継続中 (18)皆生温泉調査,杉 山隆二 : 〔県衛生部〕《作))
09)吉岡温泉調査,杉山隆二 ・渡辺晃二 ・ (化学部門) : 〔県衛生部 ・鳥取市〕(莱)),研 究 継 続中
(20) 浜坂七釜温泉調査,杉山隆二 : 〔浜坂町〕((報)) 但ユ) 日野町井 ノ原温泉調査,杉 山隆二 : 〔日野町〕《作))
桓) 地下水調査 これについて も調査地名を列挙す るに とどめる.
e2) 中山町水源調査,杉 山隆二 : 〔中山町 ・水道協会〕((作》
CZS)東伯町水源調査,杉山隆二 : 〔東伯町 ・水道協会〕((報))
糾
赤碕町水源調査,杉山隆二 : 〔赤碕町〕((作))位S) 大栄町水源調査,杉 山隆二 : 〔大栄町 ・水道協会〕《作)) e6)東郷町水源調査,杉山隆二 : 〔内閣土地調整委員会〕(偶 力
(2や 三朝町井戸部落水源調査,杉 山隆二 : 〔内閣土地調整委員会 ・県電気局〕((報か (28)郡家町水源調査,杉山隆二 : 〔郡家町〕((作))
f.研究成果を発表 したもの
(1) 杉 山隆二 :島根県池田鉱泉附近の地質について,第11回ウラン ・トリウム鉱物 委員 会 (釈 潟),昭35,10.
(2)杉山隆二 :三朝層群の火山屑序 と基盤花 尚岩類について‑ 火山層序 によるウラン鉱床探 査‑ ,原燃公社探鉱専門委員会 (東京),昭35.
(3)杉山隆二 :花尚岩 と温泉, 日本地質学会西 日本支部例会講演会 (岡山),昭35,12.
(4) 杉山隆二 :島根県池田鉱泉群のウラン含量 と地質 との関係,新潟県下の苦灰 岩化に伴 うウ ラン,押合坑内の珪化木中のウラン,三朝附近一帯の花園岩類の分類に関 して,東 郷 鉱 山の基盤花嵩岩の裂樟系について,原燃公社探鉱専門委員会 (東京),昭36,2.;「原燃 公社探鉱専門委員会報告の概要 (講演要旨)」,昭36,2.
(5)渡辺晃二 :東 郷 鉱 山の基 盤 及 び母 岩 の粘 土 化 (基盤の粘土化,Acidicclayの 特 性, Acidictuffの粘土化の時期,粘土化の温度 と ウラン鉱物 との関係), 原燃公 社 探鉱 専 門委員会 (東京),昭36,2.;「東郷鉱山の基盤及び母岩の 粘土 化 (講演要旨)」,昭36,2.
(6)杉山隆二 :火山層序 とウラン鉱韓,第12回ウラン トリウム鉱 物委員 会 (東京),昭36,2.
0
(7) 杉 山隆二 :鳥取県気高郡鹿野温泉の地質,岡山大温研報,27,昭36,1.0 (8)相馬徳蔵 :人形峠鉱床附近に分布する花 こ う岩
,
「ウラン‑ その資 源 と鉱 物‑ 」, ウ ラン ・トリウム鉱物委員会編集,D.Ⅰ.12,p405‑408,昭36,4.0 (9)杉 山隆二 :仝上の 「付記」, 「ウランー その資源 と鉱 物‑ 」, ウラン ・トリウム鉱 物 委員会編集,D.Ⅰ.12,p408,昭36,4.
註 ○印は印刷になった もの
D.
原子燃料公社よ りの依頼研究について昭和35年度 も,原子燃料公社 よ り.原燃倉第363号にて研究依頼 を うけた.その諸 件 につい て,当所3研究部門においてそれぞれ研究を行 った.依頼 を うけた研究課 題 ならびに研究成果 は次の如 くである.
a.昨年度よ り引続き依頼されている課題
(1) 倉吉 ・人形峠両出張所管内の第三紀層の分布及びその火山層序学的研究 その研究成果の概要についてはC.d.に記述 した.
(2)基盤岩類の岩石学的地球化学的研究
その研究成果の概要についてはC.a及びb,B.b(ロ)に記述 した.
(3) ペ‑パー ・クロマ トグ ラフィ‑による地化学探鉱の改善 と問題点に関す る研究
(i)今迄1×40cmのペ‑パ‑を使用 していたが,ペIバ‑の節約等のため,1×20cmの ペーペーにて展開を実施 した ところ,低濃度 ウランの場合には,ほぼ 同様の 呈色 を み ることを確 め得た. (阪上 正信 ・市川倫天 ・中川幸二)
(ii)野列に携行の場合等を考え試料か らウランを潜 出 させ るために使用 す る試験管 ・ホ
‑ル ピペ ッ ト等について, ポ リエチ レン製 (従来 はガ ラス製)の ものを用い, その 耐熱性および耐薬品性 な どを検討 したが,支障 な く利用 し得 ることを認 め得 た.
傾 上正信 ・中川幸二)
(iii)ペーパー上 におけるウランと鉄 との判然 とした分離が室内の炭酸 ガスの影 響 を うけ 易い ことを認 めたので,部屋の冬期の暖房にはプ ロパ ン ・ス ト‑ブ を止 め,電気 ス トー ブとした.又, 出来得れば,展開中の容器 は別室にお くことが 望 ましいことを 知 った.(阪上正信 ・市川倫夫)
(4) 水中の微量分析の簡易化等に関す る研究 (特に化学探鉱への応用 として)
(i) 天然水中のウランを分析す る場合,試料水か らウランを採水現地 において回 収 す る 方法 としての粉末漏紙法について, ウラン鉱床の化学探鉱 の立場か ら,その 実 用性 を検討 し, これが不適 当であることを知 った.(中川幸二,阪上正信)
(ii)低濃度 ウランを溶液中か ら回収 す る方法 として,最 近 研 究 が は じめ られつ つ あ る IonFlotation法 (F.Sebba;Nature,184,1062 (1959))の検討 を行い,実施 に 適 当なイオン交換性表面活性剤 の各種 をととのえた. (中川 幸二,阪上正信) (iii)各地温泉水のウラン含有量の測定を行 った. これについてはB.b.川 にその概要 を
記述 した (阪上正信).
(5)放射能障害の予防に関す る病理学的 ・臨床学的研究
この研究の成果についての報告の内容は, ほとん どA.(医学部門)に包含 されてい るか ら, ここに記述 を省略す る.(森永 寛)
b.本年度新たに依頼 された研究課題
U)堆横型 ウラン鉱床の成因に関す る研究,特 に鉱床母岩及び関 連岩 類中の微量成分の
‑ :‑ ‑ ∴ .
(i)前記D・a.(2)の研究 に伴 って,基盤花 尚岩類 とウラン鉱床 との関連 性 が漸次認 め ら れつつある.
(ii)基盤花尚岩頬各種中の ウラン含有量の計測 な どを計画中であるが, 今年度 はその準 備段階に終 った. (杉山隆二 ・渡辺 晃二)
(iii)D・a・(4)(iii)の研究に伴 って,花 尚岩地域温泉水中のウラン含有量について知 見 を 得 た.‑ 即 ち,一般 に他地域の ものお よび地表水 に比 してウラン含有量が多い.
‑ 又,三朝町か ら奥津方面 に存在す る各種花 尚岩について,河川水 ・炭 酸 を多 量 に含む水 ・塩酸浴液等によるウランの溶出試験 を目下実施中である. (阪上正信)
(8)母岩 の物理化学 的 な研究
(i)母岩 の粘土化についてはC.d.(12)に記述 した. (渡辺 晃二)
(9) ウ ラン鉱物の depositionの機構 並びにウ ランの原子価状熊 の分析化学的研究
堆積型 ウラン鉱床 の成因的考察 に関連 す る重要 問題 として,前記 Ⅳ.B.a.(1)に述べ た如 く,原子価状態 を異 にす るウ ラン (Ⅳ)とウラン (Ⅶ)との分離 定法 量 を検 討 し, こ れ を地 球化学的研究 に適用 した.そ して次 の如 き研究成果 を得 た. (阪上 正信)
(i)4価 ウランに クペ ロン と錯化合物 をつ く り, エ‑テルに抽 出 され る性 質 を もつ こ と を利用 し, 6価 ウランとの分離 を行 う際 の最 も適切 な酸 性度 を0
.
1‑5N塩酸酸性の 範囲で検討 した.4価 ウラン標準溶液 は亜鉛 アマルガ ムを 用 い る還 元 に よ り調製, ウラン量0.1mg〜2mgの範囲で検討, その結果,酸性度3N以上で はU(Ⅳ)の抽 出率 悪 く,他方1N以下 ではU(Ⅵ)も有機層に漸次抽 出 され るこ とを知 り,抽 出条件 とし ては1.7N前 後を選んだ.なお,共存 す るFe(打)の影響 を検討す ると共 に,潜 液中で のU(Ⅳ)の酸化 を防 ぐため, ヒ ドロキシルア ミンの添加 の有効 なこ とを認 め,一方 こ れによるU(
Ⅵ)の還元のない ことを確 認 した.(ii)実験 の試料については, まず3N塩酸 (5%NH20H)20mlにて冷蔵庫中に約40分 間 処理 しての ちロ過 し,定容 とな した搭液10mlを分液 漏 斗に と り,1N塩酸20mlを加 え,8%ethercupferratelOml,ether20mlを用 いて抽 出す る.有機 層 は硫 酸 ・ 硝酸渥液 さらに過塩素酸 にて完全分解 ・蒸発乾個す る. ウラン定量 は両 層 とも固休 蛍光法 を用 いた. なお,溶液中での ウランの原子価状 態 の変化の有 無 を知 るため, 鉄 イオンの定量 とともにU (町)またはU (RT)の添加法による検討 を行 った.
(iii)人形石 を含 む試料,鳥取県中部の ウ ラン鉱床 の非酸 化帯 試料, ウ ラ ニ ル溶 液 か ら H2Sの作用 (加温) によ り生 じた黒色沈殿等 についてU(Ⅳ)の存在 を確認す る一万, 量的にはこれ ら試 料について もかな りU(Ⅵ)の存在す るこ とを知 った.試 料中の ウラ ンの完全潜液化のた め,強燐酸分解抽 出法 を検討 したが, 多量 の 燐 酸 の存在 は本法 によるU (Ⅳ)の分離抽 出を不可能 とし,不都合であ った.
(iv)今后 は,試 料中の ウランを酸化 させず,完全 に溶液 とす る方法 を分離定 量法 と組 み 合せ て検討す る必要が ある.
q o
) 鉱床中に既存す るウラン鉱 物及 びその他の鉱石鉱 物並 びに微量元素の研究東郷鉱 山の非酸化帯 について, ウラン ・ヒ素 ・イオウ ・鉄 ・ジル コニウム等 の化 学分析 を行 うと共 に,X線 フィル ムによるオ‑ トラジオグラフ,Ⅹ繰結晶回折, ケイ光Ⅹ線分析 等を行 って検討 した.その結果,下部 の粘土 はモンモ リロナイ トよ りな り, ウラン は多 くな く, その上部 の砂層 を含 む凝灰岩 お よび凝灰 角硬岩 の屑 においてウランは硫化 物 の 多い部分に,帯状 に, または斑状 に,特 に多 く含 まれてい るこ とが 判 った.特 にウラン 含量の多い部分の Ⅹ 線回折の結果,人形石類似 の回折線 を認 めたが,化学分析 の結果 を 見 ると,人形峠地区の ものに比 して ウラン含有量 に対す る リン含 有量が 少 い傾向にあ っ た.一万,方面地区については,β‑ウラノフェ ン及 びウラノフェ ンを確認す ると共 に,
その産状や附近の ウラン含有 量等について も検討 した. また, ケイ光 Ⅹ線分析の結果, 非酸化帯の試料について,Y,Zrは人形峠の もの と同様に認 めるが,Srの含有量が比較 的に少な く, また酸化帯試料にはZrの多いβ‑ウラノフェンとそ うでない ものの2種の あることを知 り,化学分析によってそれ らの含有量 を決 定 した.尚,Yはウラノフェン には存在を認めに くい. これ らについてはB.b(D)但1)但g)及び623)に も簡 単に述 べた.(阪上 正信 ・奥野孝晴)
(ii)なお, ウラン鉱床中の各種鉱物の硬 化変化の問題 を検 討 した. (阪上正信 ・奥野孝 晴)
なお,堆積型 ウラン鉱床の成因に関す る研究を課題 として地質 学部門教 授杉山隆二,化学部 門助教授阪上正信の指導の下に,昭和35年9月 よ り約1ケ年間の予定で,原子燃 料公社職員奥 野孝晴が当研究員 として,留学研究中である.いずれ1ケ年後にその成果を総 括す るが,今迄 の研究成果について報告 した ものの標題のみを次に列挙す る.
C.奥野孝晴留学研究具の研究成果
(1)方面産 Beta‑uranophane及び Uranophaneについて (1960.ll.1.)
§1.Uranophaneの同定
§2.2種の Beta‑uranophane
(2) 押合坑産の珪化木について (1961.12.8.)
(3)神倉坑の炭質物の産状 とウラン濃度及びその二次変質について (1961.1.30) (4)新潟県三川地区のウランの産状 (1961.1.31)
(5)東郷鉱山産 Beta‑uranophane(1961.2.9)
(6)母岩 (acidiclapillituff)の粘土化 とウラン鉱物 ・黄鉄鉱の共生関係 (1961.2.9) (7) 阪上正信 ・奥野孝晴 :東郷鉱山のウラン鉱物 と母岩の変質,探鉱専門委員 会講演要旨
(61.2.14) (8)東郷鉱山方面坑産 ボル トウッド石 (Boltwoodite)の新発見 (1961.4.14)
※ ボル トウッ ド石 の発見 は,昭和35年度内であ ったが, これについての詳細 は 昭和36年度 に研究 を 行 いつつ あ る.