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張, 路

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(1)

日本と中国における都市観光案内システムに関する デザイン方法の研究

張, 路

九州大学大学院芸術工学研究府 デザインストラテジー専攻博士後期課程

https://doi.org/10.15017/20292

出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(芸術工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

59

第 3 章 日中観光目的地の点状分布都市における観光案内装置に関 する基礎調査

1.本章の目的

本章では、日本と中国の観光目的地の点状分布都市の姉妹都市―京都市と西 安市における観光案内装置にかかわる問題点を明らかにし、観光案内装置の現 状及び観光客の行動とニーズを把握することを目的としている。

京都市と西安市の代表的な観光エリアとしての清水寺界隈観光エリアと城壁 エリアを選定し、そこに設置されている観光案内装置についての実態調査、街 路形態別の分布調査及び現地調査を実施し、更に国内と海外の観光客を対象に 観光案内装置と観光活動、ニーズに対するアンケート調査を行い、その結果を 分析する。

2.研究・調査の方法

2.1.調査対象地域とルートの選定

(1)京都市の清水寺観光エリア

京都市の観光エリアにおける観光案内装置整備の現状を把握するために、京 都市の代表的な観光エリア―清水寺観光エリアに調査対象地域として選定した。

清水寺観光エリアは京都府の都心部に位置し、代表的な観光エリアである。名 勝旧跡やお寺、公園、神社、レストランなどがこの地域に集中しており、歴史 的な観光エリアである。京都市観光研究所のホームページ(www.kyotokk.com)

に掲載された「清水寺―八坂神社観光コース地図」の清水寺から八坂神社まで の清水坂(一部)、三年坂、二年坂、ねねの道に調査対象ルートとして選定した。

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調査対象街路の延長は 1516 m である(図 3-1)。このルート上に設置されている 全ての観光案内装置の数量、種類及び分布について現地調査を行った。その結 果に基づき、観光案内装置分布図(資料編 1.3)を作成した。

図 3-1 京都市の清水寺観光エリアの調査対象ルート

(2)西安市の城壁エリア

西安市の観光エリアにおける観光案内装置整備の現状を把握するために、西 安市の代表的な観光エリア―城壁エリアに調査対象地域として選定した。城壁 エリアは西安市の都心に位置し、代表的な観光エリアである。観光装置や名勝

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旧跡、公園、商業装置及び西安駅がこの地域に集中しており、総合的な観光エ リアである。西安市旅遊局ホームページ(www.xian-tourism.com)に掲載され た「西安市旅遊観光地図」を参考し、このエリアの中心を貫く道路―東大街通 り(2150m)、西大街通り(1890m)、南大街通り(670m)と北大街通り(1710 m)に調査対象ルートとして選定した。調査対象街路の延長は 6420m である(図 3-2)。このルート上に設置されている全ての観光案内装置の数量、種類及び分 布について現地調査を行った。その結果に基づき、観光案内装置分布図(資料 編 1.4)を作成した。

図 3-2 西安市の城壁エリア

2.2.観光案内装置に関する分布調査

第 2 章の観光目的地の面状分布都市における観光案内装置設置状況の比較分 析のため、本章も第 2 章と同様の集計と分析を行う。観光案内装置分布図(資 料編 1.3 と 1.4)を作成した。

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3. 京都市の清水寺界隈観光エリアにおける観光案内装置に関する調査及び分 析結果

3.1.実態調査及び分析結果

3.1.1. 京都市観光情報提供装置の種類及び観光案内装置の分類

(1)京都市市観光情報提供装置の種類

1.総合案内サイン:4 基 2.誘導サイン:11 基

図 3-3 総合案内サイン 図 3-4 誘導サイン

3.地域案内サイン:14 基 4.位置サイン:9 基

図 3-5 地域案内サイン 図 3-6 位置サイン

(2)案内装置種類別区分と基数

対象地域に設置された案内装置は、4 種類、38 基であった。100mあたり換算 すると、2.51 基の観光案内装置が設置されていることになる(表 3-1)。地域案

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63

内サインは一番多く表示されていた。また、総合案内インは全体基数の 10.53%

を占めており、非常に尐ない事がわかった(表 3-1)。

・総合案内サイン 4 基

目的:市域全体を対象とした市外来訪者への案内 設置場所:市内の主要な交通拠点

・地域案内サイン 14 基

目的:特定地域を対象とした案内 設置場所:市内各所に設置

・位置サイン 9 基

目的:自然、文化、歴史など個別の観光目的地の説明案内(ほぼ外国語表記)

設置場所:各観光目的地内

・誘導サイン 11 基

目的:個別の観光目的地への誘導 設置場所:各観光目的地周辺

表 3-1 案内装置種類別区分における基数

基数 基/100m

総合案内サイン 4 0.26 10.53

地域案内サイン 14 0.92 36.84

位置サイン 9 0.59 23.68

誘導サイン 11 0.73 28.94

合計 38 2.51 100.00

(3)情報内容別区分と基数

情報内容別区分における基数については、基数で考えた場合、観光目的地情 報の 38 基は全体基数の 63.33%を占めており、次に多い公共装置情報の 14 基は

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64

全体基数の 23.33%を占めていた(表 3-2)。

・観光目的地情報:

案内図や各観光装置への誘導、説明など、観光目的地を紹介するための情報。

4 種類 38 基 (バス停案内板 4 基、地域案内サイン 14 基、位置サイン 9 基、

観光目的地誘導サイン 11 基)

・交通機関情報:

市内のバス、路面電車などの路面図、乗り場などの誘導や記名など、公共交 通機関を利用するときに必要な情報。

1 種類 4 基 (バス停案内板 4 基)

・公共装置情報:

トイレ、ガソリンスタンド、病院、交番などの公共装置の誘導と案内情報。

1 種類 14 基 (都市ナビシステム 12 基)

・その他:

イベントや広告などのリアルな情報。

1 種類 4 基 (都市ナビシステム 12 基)

表 3-2 情報内容別区分における基数

基数 基/100m

観光目的地情報 38 2.51 63.33

交通機関情報 4 0.26 6.67

公共装置情報 14 0.92 23.33

その他 4 0.26 6.67

合計 60 3.95 100.00

3.1.2. 調査対象地域街路形態別の観光案内装置の区分と基数

アクセス部、観光目的地部と一般部の 3 つの街路形態別に沿うように分類を

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行った。今回、アクセス部は、この調査地域の南北に位置する 2 つのバス停を 起点としてから各約 100mの区間をアクセス部とした。各観光目的地(入口)を 中心として約 60mの区間を観光目的地部とした。アクセス部は 200mで調査街 路の 13.2%を占め、観光目的地部は 360mで 23.7%をしめ、一般部は 956mで 63.1%をしめていることになる。

(1)街路形態別の観光案内装置種類別区分における基数

この観光案内装置種類を定量化に行うと、100mあたりアクセス部 2 基、観光 目的地部 4.72 基と一般部 1.78 基となった。以上の結果をみると、設置場所に よる観光サイン分布の差異が大きいことが明らかになった(表 3-3)。

表 3-3 街路形態別の観光案内装置種類別区分における基数

(2)街路形態別の情報内容別区分における基数

情報内容別区分の基数の比較では、アクセス部は交通情報が比較的に集中す る地域であり、観光目的地部は観光目的地情報が多いこが見られた。観光目的 地部と一般部には交通情報が非常に不足である(表 3-4)。

アクセス部 観光目的地部 一般部

基数 基/100m 基数 基/100m 基数 基/100m

総合案内サイン 4 2 0 0 0 0.

地域案内サイン 0 0 8 2.22 6 0.63

位置サイン 0 0 6 1.67 3 0.31

誘導サイン 0 0 3 0.83 8 0.84

合計 4 2 17 4.72 17 1.78

(9)

66

表 3-4 街路形態別の情報内容別区分における基数

3.1.3. クロス集計及び分析結果

案内装置種類別区分、情報内容別区分の上位を占める情報同士のクロス集計 において、調査対象地域の観光案内装置の種類と基数から特徴的な分布特性が 明らかになった(表 3-5)。

(1)観光目的地に対する観光案内装置

・提供する手段が多いが、各観光目的地の周辺地域の小範囲の地域案内サイン が尐ない(0.25 基/100m)のため、観光客は観光目的地の周辺の具体的な地理 情報を把握し難いと考えられた。

・位置サインは観光目的地部(0.25 基/100m)より一般部(0.25 基/100m)に 集中されていると見られた。

(2)交通機関に対する観光案内装置

・交通情報を提供する装置は総合案内サインと位置サインであるが、誘導サイ ンが欠けている。

(3)公共装置に対する観光案内装置

・公共装置情報の提供装置は単一である(総合案内サインだけ)。交通機関情報 と同じ、誘導サインが不足である。

アクセス部 観光目的地部 一般部

基数 基/100m 基数 基/100m 基数 基/100m

観光目的地 4 2 17 4.72 17 1.78

交通情報 4 2 0 0 0 0

公共装置 4 2 8 0.22 6 0.63

その他 0 0 8 0.22 0 0

合計 12 6 33 5.16 23 2.41

(10)

67

表 3-5 クロス集計及び分析結果

情報の種類 内容 アクセス部 観光目的地部 一般部

総合案内サイン 観光目的地

情報

市内主要な観光目的地の位置

チケット価格

4 2

地域案内サイン 公園内観光目的地の位置

チケット価格

8 2.22 6 0.63

位置サイン 市内各観光目的地の紹介 6 1.67 3 0.31

誘導サイン 3 0.83 8 0.84

小計 4 2 17 4.72 17 1.78

総合案内サイン 交通機関情報 市内の主要なバス路線 4 2

地域案内サイン

位置サイン 各観光目的地周辺のバスと路面電車の路線

誘導サイン

小計 4 2 0 0 0 0

総合案内サイン 公共装置 交番、病院、ガソリンスタンド、トイレなど 4 2 4 1.11

地域案内サイン 8 2.22 6 0.63

位置サイン

誘導サイン

小計 4 2 12 3.33 6 0.63

総合案内サイン その他 広告

地域案内サイン 8 2.22

位置サイン

誘導サイン

小計 0 0 4 1.11 0 0

合計 12 6 33 3.33 23 2.41

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3.2. 観光案内装置に関する現地調査

既存の観光案内装置の実態を把握するため、調査対象地域のルート上に設置 されている観光案内装置と設置状況を撮影した(図 3-7)。

外国語の併記が正しくない 古い情報

必要以上重複 破損・汚れ 図 3-7 京都市観光案内装置に関する現地調査の問題例

調査対象地域の観光エリアに設置された地域案内サイン、誘導サインと位置 サインは表示形式と外観デザインが統一されていない。同一場所に案内サイン と誘導サインが必要以上重複している。そして、中身の問題に関しては、地図 の表示範囲が広く、現在地の表示がない、表示面の向きと見る方向が一致して いない、外国語の併記が正しくない、及びピクトグラムを表示していない等の 問題があった。また、古い情報や誤った情報を更新・交換されていない、観光 案内装置の維持管理がされていないことが判明した。

(12)

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3.3.アンケート調査及び分析結果 3.3.1. アンケート調査の実施

国内と海外観光客の観光行動特性と観光案内装置に対するニーズを把握する ために、2010 年 5 月 2 日から 5 月 18 日までの 16 日間に、観光客を対象に、イ ンターネットと現地で、清水寺界隈観光エリアに設置されている観光情報提供 装置について、アンケート調査を実施した。全回収 92 票のうち有効回答数 85 票(有効回答率 92.4%)を得ることが出来た。回答の結果については、国内観 光客を定量、海外観光客を定性に分析した。

3.3.2. 回答者の構成

85 名の観光客からの回答を得た。その性別内訳は男性 41 名、女性 44 名であ った。海外観光客は 22 名であった(国別内訳は中国 10 名、ヨーロッパ 2 名(ス ペイン)、韓国 6 名、アメリカ 4 名であった)。63 名の国内観光客からの回答を 得た。その性別内訳は男性 32 名、女性 31 名であった。

3.3.3 アンケート調査の結果

(1)海外観光客のアンケート調査の結果

海外観光客へのアンケート調査の結果は次の通りである(表 3-6)。 観光客の行動特性について

・観光エリアまでの交通手段の利用に関しては、約 7 割の海外回答者は公共交 通を利用している。約 3 割はタクシーを利用している。

・現地に到着後、観光客の行動特性に関しては、7 割以上の海外観光客は「エク スプローラー型」の散策観光と回答した。

観光客のニーズについて

・観光地で迷った時の行動に関しては、海外の回答者は人に声を掛けると回答

(13)

70

した人が 6 割以上であることで、海外回答者は言語が通じないため、サインな どの観光情報提供装置に依頼性が高いと見られた。

・観光案内装置の利用の目的を聞くと、海外観光客は観光目的地特に名勝旧跡 の観光目的地の位置及び紹介と公共交通機関情報を探すと回答が多かった。

・8 割以上の回答者は観光情報提供装置の利用価値を認めていた(約 6 割の回答 者は部分の情報が役に立ちることと認めていた)。「役に立たなかった」回答し た回答者に利用を聞くと、「ほしい情報が掲載していなかった」(約 4 割)と「設 置数量が尐ない」(約 4 割)との回答が多かった。

・観光案内装置の設置場所については、約 6 割の海外回答者が「観光目的地の 周辺」に、次は約 5 割の回答者が「都心」設置されるべきと回答した。

・すべての回答者が英語の表記が必要だと感じていた。近年、東アジアの観光 客は激増したため、中国語や韓国語の併記が必要だと回答した人も多かった。

・「観光目的地への具体的な案内や誘導」、「詳しい地図やバス路線案内図」及 び「イベントや祭りなどのリアルな情報」についてのニーズが高いと見られた。

表 3-6 海外観光客のアンケート調査の結果

海外

城壁エリアには以前来たことがありますか?

1.初めて 8/10 6/6 4/4

2.何回来たことがあります 2/10 2/2

どの交通手段を利用してきましたか?

1.バスまたは電車 6/10 2/2 3/6 4/4

2.タクシー 4/10 3/6

3.自家用車 4.旅行会社の専用車 観光行動の類型は?

1.オリエンテーリング型 2/10

2.ワンダー型 3/6

3.エクスプローラー型 8/10 2/2 3/6 4/4

(14)

71

4.その他

街で迷った時どうしますか?

1.サインなどの観光案内装置を探す 6/10 2/2 2/6 4/4

2.人に尋ねる 4/10 4/6

3.とにかく歩き回る 4.その他

観光案内装置でどんな情報を探しましたか?

1.自然観光目的地 2/2 2/6 4/4

2.歴史旧跡などの人文観光目的地 6/10 2/2 6/6 4/4

3.公共交通情報 2/4

4.飲食系 2/10 2/2 2/6 3/4

5.公共装置 4/10 1/2 2/4

6.その他 1/10 1/6 1/4

観光案内装置は役に立ちましたか?

1.ずいぶん役に立ちました 2/6 2/4

2.部分の情報は役に立ちました 8/10 2/2 2/6 2/4

3.役に立たなかった

4.どちらとも言えない 2/10 2/6

部分の情報は役に立ちました及び役に立たなかったと答えた方に聞きます。その理由は何ですか?

1.ほしい情報が掲載していなかった 3/10 1/2 2/6 2/4

2.設置数が尐ない 5/10 2/6 2/4

3.適切な場所にない 3/10 1/6

4.文字小さくて読みにくい 1/2

5.案内サインは現在地表示がないので周辺の地理を把握し難い 2/10 1/6

6.その他 1/10

観光案内装置はどこで設置されるべきと思いますか?

1.バス停 4/10

2.各観光目的地の周辺 6/10 2/2 2/6 4/4

3.駅及び空港 1/6

4.都心 6/10 2/6 4/4

5.その他 1/6 1/4

外国語の表記が必要と思いますか?

1.英語併記が必要 10/10 2/2 6/6 4/4

2.中国語 6/10

3.韓国語 2 6/6

(15)

72

4.その他 2/2

観光案内装置がまたどんな情報を提供してほしいですか?

1.観光目的地への具体的な案内や誘導 5/10 2/2 2/6 4/4

2.詳しい地図やバス路線案内図 3/10 1/2 2/6 3/4

3.イベントや祭りなどのリアルな情報 2/10 1/2 2/6

4.飲食系及び宿泊情報 4/10 1/6 2/4

5.インターネット接続 6/10 4/4

6.緊急連絡機能 2/10 1/2 1/4

7.公用電話 2/6 2/4

8.その他 1/10 1/4

(2)国内観光客のアンケート調査の結果

海外観光客へのアンケート調査の結果は次の通りである。

観光客の行動特性について

・交通手段の利用に関しては、43%の国内回答者は「公共交通」を利用してい る。次は「自家用車」が 32%であった。

・現地に到着後、観光客の行動特性に関しては、68%の国内観光客は「エクス プローラー型」の散策観光と回答した。

観光客のニーズについて

・観光地で迷った時の行動に関しては、国内の回答者は人に声を掛けると回答 した人が半分以上であることがわかった(54%)。

・観光案内装置の利用の目的を聞くと、両観光目的地特に名勝旧跡の観光目的 地の位置及び紹介と公共交通機関情報を探すと回答が多かった(34%)。また、

国内観光客は飲食系や宿泊などの情報についてのニーズも高いことが分かった

(31%)。

・8 割以上の回答者は観光情報提供装置の利用価値を認めていた(45%の回答者 は部分の情報が役に立ちることと認めていた)。「役に立たなかった」回答した

(16)

73

回答者に利用を聞くと、「ほしい情報が掲載していなかった」(30%)、「設置数 量が尐ない」(30%)及び「案内サインは現在地表示がないので周辺の地理を把 握し難い」(22%)との回答が多かった。

・観光案内装置の設置場所については、48%の国内回答者が「駅及び空港」に、

次は 2%の回答者が「各観光目的地の周辺」に設置されるべきと回答した。

・9割以上の回答者が英語の表記が必要だと感じていた。近年、中国、台湾及 び韓国の東アジアの観光客は激増したため、国内回答者には中国語や韓国語の 併記が必要だと回答した人も多かった。

・「詳しい地図やバス路線案内図」(26%)、「イベントや祭りなどのリアルな 情報」(20%)、「飲食系及び宿泊情報」(20%)及び「観光目的地への具体的な 案内や誘導」(19%)についてのニーズが高いと見られた。

①清水寺観光エリアには以前来たことがありますか? ②どの交通手段を利用してきましたか?

③観光活動の類型はどんな型ですか? ④街で迷った時どうしますか?

初めて

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74

⑤観光案内装置でどんな情報を探しましたか? ⑥観光案内装置は役に立ちましたか?

⑦役に立たない理由は何ですか? ⑧観光案内装置はどんな情報を提供してほしいですか?

⑨外国語の表記が必要と思いますか? ⑩観光案内装置はどこで設置されるべきと思いますか?

3.3.4.アンケート調査結果の問題点の整理

アンケート調査結果から、問題点と課題を抽出し、以下の 3 点にまとめた。

(1)案内・誘導情報の不足

調査結果から多くの回答者は既存の観光案内装置が「部分の情報は役に立ち

(18)

75

ました」と答えた。認めない理由としては、「ほしい情報が掲載していなかった」、

「適切の場所がない」、「外観がわかりにくい」と「設置数が尐ない」と答えた 観光客が最も多かった。観光客は相対的に自由なエクスプローラー型(E 型)

散策観光類型を選んだが、散策観光に対応する案内や誘導の役割を担う観光案 内装置が不足していることがわかった。より効果的に配置するためにシステム の構築は十分な検証が必要であると考えている。

(2)表示内容の不備

アンケート調査から既存の観光案内装置は、観光客に必要な情報が不足し、

「外国語併記がない」、「案内サインに現在地表示がない」等の問題点が判明し た。観光案内装置は必要な情報を明確に表現し、観光客にわかりやすく伝達す ることが本来のあるべき姿である。

(3)設置場所が不適

調査結果から回答者は既存の観光案内装置の役割が認めない理由のなかに、

「適切な場所にない」という回答が多かった。そして、観光案内装置が設置さ れるべき場所については、観光目的地の周辺と回答した観光客が多かった。ま た、バス停などの観光エリアのアクセス部、重要な交差点と駅、空港などの都 市の玄関も重要な情報の拠点と考えられる。

(19)

76

4. 西安市の城壁エリアにおける観光案内装置に関する調査及び分析結果 4.1.実態調査及び分析結果

4.1.1. 西安市観光情報提供装置の種類及び観光案内装置の分類

(1)西安市観光情報提供装置の種類

1.総合案内サイン 20 基 2. 地域案内サイン 6 基

図 3-8 総合案内サイン 図 3-9 地域案内サイン

3.誘導サイン 18 基 4. 位置サイン 9 基

図 3-10 誘導サイン 図 3-11 位置サイン

(2)案内装置種類別区分と基数

案内装置種類別区分における基数については、観光情報が 4 種類 53 基であっ た(表 3-7)。総合案内サインは一番多く表示されていた。また、地域案内サイ

(20)

77

ンは全体基数の 11.32%を占めており、一番尐ない事がわかった。

・総合案内サイン 20 基

目的:市域全体を対象とした市外来訪者への案内 設置場所:市内の主要な交通拠点

・地域案内サイン 6 基

目的:特定地域を対象とした案内 設置場所:市内各所に設置

・誘導サイン 18 基

目的:個別の観光目的地への誘導 設置場所:各観光目的地周辺

・位置サイン 9 基

目的:自然、文化、歴史など個別の観光目的地の説明案内 設置場所:各観光目的地内

表 3-7 案内装置種類別区分における基数

基数 基/100m

総合案内サイン 20 0.31 37.74

地域案内サイン 6 0.09 11.32

位置サイン 9 0.14 16.98

誘導サイン 18 0.28 33.96

合計 53 0.83 100.00

(3)情報内容別区分と基数

情報内容別区分における基数で考えた場合、観光目的地情報の 53 基は全体基 数の 44.53%を占めており、次に多い交通情報の 26 基は全体基数の 21.85%を 占めていた(表 3-7)。

・観光目的地情報:

(21)

78

案内図や各観光装置への誘導、説明など、観光目的地を紹介するための情報。

4 種類 53 基 (総合案内サイン 20 基、地域案内サイン 6 基、誘導サイン 18 基、位置サイン 9 基)

・交通機関情報:

市内のバス、路面電車などの路面図、乗り場などの誘導や記名など、公共交 通機関を利用するときに必要な情報。

2 種類 26 基 (総合案内サイン 20 基、地域案内サイン 6 基)

・公共装置情報:

トイレ、ガソリンスタンド、病院、交番などの公共装置の誘導と案内情報。

1 種類 20 基 (総合案内サイン 20 基)

・その他:

イベントや広告などのリアルな情報。

1 種類 20 基 (総合案内サイン 20 基)

表 3-8 情報内容別区分における基数

基数 基/100m

観光目的地情報 53 0.83 44.53

交通機関情報 26 0.40 21.85

公共装置情報 20 0.31 16.81

その他 20 0.31 16.81

合計 119 1.85 100.00

4.1.2. 調査対象地域街路形態別の観光案内装置の区分と基数

アクセス部、観光目的地部と一般部の 3 つの街路形態別に沿うように分類を 行った。今回、アクセス部は、この調査地域の 4 つの通りに位置する 9 つのバ ス停を中心として各約 300mの区間をアクセス部とした。通りの沿線にある各観 光目的地(入口)を中心として約 200mの区間を観光目的地部とした。アクセス

(22)

79

部は 2700m、観光目的地部は 1400m、一般部は 2320mである(表 3-8)。

(1)街路形態別の観光案内装置種類別区分における基数

この観光案内装置種類を定量化に行うと、100mあたりアクセス部 0.74 基、

観光目的地部 1.5 基と一般部 0.76 基となった。以上の結果をみると、設置場所 による観光サイン分布の差異が大きい、全体的な数量が尐ないことが明らかに なった(表 3-9)。

表 3-9 街路形態別の観光案内装置種類別区分における基数

(2)街路形態別の情報内容別区分における基数

情報内容別区分の基数の比較では、観光目的地部は 2.36 基/100mで、情報が 比較的に集中する地域であり、アクセス部と一般部は 1.70 基/100mと 1.12 基 /100mで、尐ないことが見られた(表 3-10)。

表 3-10 街路形態別の情報内容別区分における基数

アクセス部 観光目的地部 一般部

基数 基/100m 基数 基/100m 基数 基/100m

総合案内サイン 14 0.52 6 0.43 0 0

地域案内サイン 0 0 0 0 6 0.25

位置サイン 0 0 9 0.64 0 0

誘導サイン 0 0 6 0.43 12 0.51

合計 14 0.52 21 1.50 18 0.78

アクセス部 観光目的地部 一般部

基数 基/100m 基数 基/100m 基数 基/100m

観光目的地 14 0.52 21 1.50 4 0.17

交通情報 16 0.59 4 0.29 6 0.26

公共装置 8 0.30 4 0.29 8 0.34

その他 8 0.30 4 0.29 8 0.34

合計 46 1.70 33 2.36 26 1.12

(23)

80

4.1.3. クロス集計及び分析結果

案内装置種類別区分、情報内容別区分の上位を占める情報同士のクロス集計 において、調査対象地域の観光案内装置の種類と基数から特徴的な分布特性が 明らかになった(表 3-11)。

(1)観光目的地に対する観光案内装置

・提供する手段が多いが、各観光目的地の周辺地域の小範囲の地域案内サイ ンがないため、観光客は観光目的地の周辺の具体的な地理情報を把握できない と考えられた。

・位置サインは観光目的地部(0.64 基/100m)に集中されていると見られた。

(2)交通機関に対する観光案内装置

・交通情報を提供される装置は総合案内サインと 位置サインであるが、誘 導サインが欠けている。

(3)公共装置に対する観光案内装置

・公共装置情報の提供装置は単一である(総合案内サインだけ)。交通機関情 報と同じ、誘導サインが不足である。

4.1.4. 実態調査結果のまとめと問題点の整理

(1)小範囲の地域案内サインと誘導サインの不足

実態調査の結果を見ると全市の地理情報を紹介される総合案内サインに対し て、特定地域の地域案内サインは非常に尐ないである。その原因で観光客は観 光目的地の周辺の具体的な地理情報を把握し難いと考えられた。

一般的に歩行者が何の情報も提供されない状況において、抵抗なく歩行でき る距離は約 200~300mとされている。本研究の調査街路全体における「誘導サ イン」の設置距離(0.24 基/100m)は、それに対して約 1.5~2 倍程度長い。こ

(24)

81

のことから考えると、歩行の観光客は「誘導サイン」を利用して目的地へ到達 できる可能性が低い。

地域案内サインと誘導サインの不足のため、観光客にとってこの観光エリア で正確かつ円滑に行動できるために地理情報提供される装置が不足していると 考えられる。この課題を改善するために地域案内と誘導サインを充実させる必 要がある。

(2)街路形態別における分布の差異

調査結果見ると、アクセス部は観光案内サインが 2.66 基/100m、観光目的地 部が 0.88 基/100m、一般部が 0.66 基/100m設置されて、設置場所によって分 布に大きい差があり、情報別の分布もアクセス部に集中されていると見られた ため、適切な間隔で設置され、ネットワーク化の総合的な観光案内サインの配 置が必要である。

(3)総合案内サインには現在地の表示がない

サイン種類別区分から見ると、総合案内サインは一番多い 42.55%を占めてい るが、市域全体の案内であり、案内の面積は広く、現在地の表示もないため、

観光客によって位置の把握は非常に難しいであることが見られた。大きな観光 エリアの位置が表示される総合案内サインと具体的な地域案内サインと併用し、

相互に補助する配置が必要と考えられる。

(25)

82

情報の種類 内容 アクセス部 観光目的地部 一般部

総合案内サイン 観光目的地

情報

市内主要な観光目的地の位置

チケット価格

14 0.52 6 0.43

地域案内サイン 公園内観光目的地の位置

チケット価格

6 0.26

位置サイン 市内各観光目的地の紹介 9 0.64

誘導サイン 6 0.43

小計 14 0.52 21 1.50 6 0.26

総合案内サイン 交通機関情報 市内の主要なバス路線 16 0.59 4 0.29 4 0.17

地域案内サイン

位置サイン 各観光目的地周辺のバスと路面電車の路線

誘導サイン

小計 16 0.59 4 0.29 4 0.17

総合案内サイン 公共装置 交番、病院、ガソリンスタンド、トイレなど 8 0.30 4 0.29 8 0.34

地域案内サイン

位置サイン

誘導サイン

小計 8 0.30 4 0.29 8 0.34

総合案内サイン その他 広告 8 0.30 4 0.29 8 0.34

地域案内サイン

位置サイン

誘導サイン

小計 8 0.30 4 0.29 8 0.34

合計 46 1.70 52 3.71 26 1.12

表 3-11 クロス集計及び分析結果

(26)

83

4.2. 観光案内装置に関する現地調査

既存の観光案内装置の実態を把握するため、調査対象地域のルート上に設置 されている観光案内装置と設置状況を撮影した(図 3-13)。

外国語の併記が正しくない 案内範囲が広すぎる

外観デザイン仕様が統一されていない

図 3-13 観光案内装置に関する現地調査の問題例

調査対象地域の観光エリアに設置された観光案内サイン、誘導サインと位置 サインは統一されていない。そして、中身の問題に関しては、誘導サインの表 示面の向きと見る方向が一致していない、案内範囲が広すぎる、地域案内サイ ン外国語の併記が正しくない、及びピクトグラムを表示していない等の問題が あった。また、同一場所に案内サインと誘導サインが必要以上重複している。

(27)

84

さらに、古い情報や誤った情報を更新・交換されていない、観光案内装置の維 持管理がされていないことが判明した。

4.3.アンケート調査及び分析結果 4.3.1. アンケート調査の実施

国内と海外観光客の観光行動特性と観光案内装置に対するニーズを把握する ために、2010 年 3 月 1 日から 3 月 14 日までの 14 日間に、観光客を対象に、イ ンターネットと現地で、城壁エリアに設置されている観光情報提供装置につい て、アンケート調査を実施した。全回収 85 票のうち有効回答数 79 票(有効回 答率 92.9%)を得ることが出来た。回答の結果については、国内観光客を定量、

海外観光客を定性に分析した。

4.3.2. 回答者の構成

79 名の観光客からの回答を得た。その性別内訳は男性 41 名、女性 38 名であ った。海外の観光客は 17 名であった(国別内訳は日本 6 名、ヨーロッパ 2 名(ロ シア)、オーストラリア 2 名、アメリカ 7 名であった)。62 名の国内観光客から の回答を得た。その性別内訳は男性 32 名、女性 30 名であった。

4.3.3 アンケート調査の結果

(1)海外観光客のアンケート調査の結果

海外観光客へのアンケート調査の結果は次の通りである(表 3-12)。 観光客の行動特性について

・観光エリアまでの交通手段の利用に関しては、海外回答者は公共交通よりタ クシーの利用率が高いと分かった(約 6 割)。

・現地に到着後、観光客の観光動線に関しては、海外回答者の回答結果を見る

(28)

85

と、「エクスプローラー型」と回答が多かった。

観光客のニーズについて

・観光地で迷った時の行動に関しては、約 9 割の海外回答者は「サインなどの 観光案内装置を探す」と選択した。海外回答者は言語が通じないため、サイン などの観光情報提供装置に依頼性が高いと見られた。

・観光案内装置の利用の目的を聞くと、観光目的地特に名勝旧跡の観光目的地 の位置及び紹介と公共交通機関情報を探すと回答が多かった。また、欧米とア ジア(日本)の回答者は歴史旧跡を注目することが分かれた。

・約 8 割の回答者は部分の情報が役に立ちることと認めていた。「役に立たなか った」回答した回答者に利用を聞くと、「ほしい情報が掲載していなかった」、「適 切な場所にない」及び「設置数量が尐ない」との回答が多かった。

・観光案内装置の設置場所については、「観光目的地の周辺」(9 割以上)、「駅及 び空港」(役 6 割)、「都心」(約 6 割)に設置されるべきと回答した。

・9 割以上の回答者が英語の表記が必要だと感じていた。

・「観光目的地への具体的な案内や誘導」(9 割以上)、「詳しい地図やバス路線案 内図」(約 7 割)、「飲食系と宿泊情報」(約 6 割)及び「イベントや祭りなどの リアルな情報」(約 5 割)についてのニーズが高いと見られた。

表 3-12 海外観光客のアンケート調査の結果

海外

城壁エリアには以前来たことがありますか?

1.初めて 4/6 2/2 5/7

2.何回来たことがあります 2/6 2/2 2/7

どの交通手段を利用してきましたか?

1.バスまたは路面電車 2/7

2.タクシー 2/6 2/2 2/2 5/7

(29)

86

3.自家用車

4.旅行会社の専用車 4/6

観光活動の類型は?

1.オリエンテーリング型

2.ワンダー型 3/7

3.エクスプローラー型 4/6 2/2 2/2 4/7

4.その他

街で迷った時どうしますか?

1.サインなどの観光案内装置を探す 6/6 2/2 2/2 5/7

2.人に尋ねる 2/2 2/7

3.とにかく歩き回る 4.その他

観光案内装置でどんな情報を探しましたか?

1.自然観光目的地 2/7

2.歴史旧跡などの人文観光目的地 6/6 2/2 2/2 7/7

3.公共交通情報 2/7

4.飲食系 2/6 2/2 2/2 3/7

5.公共装置 4/6 1/2 5/7

6.その他 1/6 1/2 1/7

観光案内装置は役に立ちましたか?

1.ずいぶん役に立ちました

2.部分の情報は役に立ちました 5/6 2/2 2/2 4/7

3.役に立たなかった 3/7

4.どちらとも言えない 1/6

部分の情報は役に立ちました及び役に立たなかったと答えた方に聞きます。その理由は何ですか?

1.ほしい情報が掲載していなかった 3/6 1/2 2/2 3/7

2.設置数が尐ない 5/6 1/2 2/2 5/7

3.適切な場所にない 3/6 1/2 3/7

4.文字小さくて読みにくい 1/2

5.案内サインは現在地表示がないので周辺の地理を把握し難い 2/6 1/2 1/7

6.その他 1/6 1/7

観光案内装置はどこで設置されるべきと思いますか?

1.バス停 4/6 4/7

2.各観光目的地の周辺 6/6 2/2 2/2 6/7

3.駅及び空港 4/6 1/2 5/7

(30)

87

4.都心 3/6 2/2 2/2 4/7

5.その他 1/2 1/7

外国語の表記が必要と思いますか?

1.英語併記が必要 4/6 2/2 2/2 7/7

2.日本語 6/6

3.ロシア語

4.韓国語 2/6

5.その他 2/2

観光案内装置がまたどんな情報を提供してほしいですか?

1.観光目的地への具体的な案内や誘導 5/6 2/2 2/2 7/7

2.詳しい地図やバス路線案内図 3/6 1/2 2/2 6/7

3.イベントや祭りなどのリアルな情報 2/6 1/2 2/2 4/7

4.飲食系及び宿泊情報 4/6 1/2 6/7

5.インターネット接続 3/7

6.緊急連絡機能 2/6 1/2 3/7

7.公用電話 2/2 2/7

8.その他 1/6 1/7

(2)国内観光客のアンケート調査の結果

国内観光客へのアンケート調査の結果は次の通りである。

観光客の行動特性について

・交通手段の利用に関しては、40%の国内回答者はタクシーを利用している。

次はバスなどの公共交通が 28%であった。

・観光客の観光動線に関しては、62%の国内観光客は「エクスプローラー型」

の散策観光と回答した。

観光客のニーズについて

・観光地で迷った時の行動に関しては、国内の回答者は人に声を掛けると回答 した人が半分以上であることが分かった(51%)。

・観光案内装置の利用の目的を聞くと、観光目的地の位置及び紹介と公共交通 機関情報を探すと回答が多かった(39%)。次は 27%の国内観光客は「公共交通

(31)

88

情報」と回答した。

・9 割以上の回答者は観光情報提供装置の利用価値を認めていた(81%の回答者 は部分の情報が役に立ちることと認めていた)。「役に立たなかった」回答した 回答者に利用を聞くと、「適切な場所にない」(25%)、「外観が分かりにくい」

(25%)、「情報の更新が遅いと内容の不備」(22%)及び「設置数量が尐ない」

(22%)との回答が多かった。

・観光案内装置の設置場所については、30%の国内回答者が「観光目的地の周 辺」に、次は 21%の回答者が「駅及び空港」に。4割の国内回答者と海外回答 者が「駅及び空港」に設置されるべきと回答した。

・9 割以上の回答者が英語の表記が必要だと感じていた。近年、東アジアの観光 客は激増したため、国内回答者には日本語や韓国語の併記が必要だと回答した 人も多かった。

・「観光目的地の案内・紹介・誘導」(30%)、「詳しい地図やバス路線案内図」(26%)

及び「飲食系と宿泊の情報」(19%)についてのニーズが高いと見られた。

①城壁エリアには以前来たことがありますか? ②どの交通手段を利用してきましたか?

(32)

89

③観光活動の類型はどんな型ですか? ④街で迷った時どうしますか?

⑤観光案内装置でどんな情報を探しましたか? ⑥観光案内装置は役に立ちましたか?

⑦役に立たない理由は何ですか? ⑧観光案内施設はどんな情報を提供してほしいですか?

(33)

90

⑨外国語の表記が必要と思いますか? ⑩観光案内装置はどこで設置されるべきと思いますか?

4.3.4.アンケート調査結果の問題点の整理

アンケート調査結果から、問題点と課題を抽出し、以下の 3 点にまとめた。

(1)案内・誘導情報の不足

調査結果から多くの回答者は既存の観光案内装置が「部分の情報は役に立ち ました」と答えた。認めない理由としては、「ほしい情報が掲載していなかった」、

「適切の場所がない」、「外観がわかりにくい」と「設置数が尐ない」と答えた 観光客が最も多かった。観光客は相対的に自由なエクスプローラー型(E 型)散 策観光類型を選んだが、散策観光に対応する案内や誘導の役割を担う観光案内 装置が不足していることがわかった。より効果的に配置するためにシステムの 構築は十分な検証が必要であると考えている。

(2)表示内容の不備

アンケート調査から既存の観光案内装置は、観光客に必要な情報が不足し、

「外国語併記がない」、「案内サインに現在地表示がない」等の問題点が判明し た。観光案内装置は必要な情報を明確に表現し、観光客にわかりやすく伝達す ることが本来のあるべき姿である。

(34)

91

(3)設置場所が不適

調査結果から回答者は既存の観光案内装置の役割が認めない理由のなかに、

「適切な場所にない」という回答が多かった。そして、観光案内装置が設置さ れるべき場所については、観光目的地の周辺と回答した観光客が多かった。ま た、バス停などの観光エリアのアクセス部、重要な交差点と駅、空港などの都 市の玄関も重要な情報の拠点と考えられる。

5.まとめ

本章では、調査対象地域に設置されている観光案内装置の分布特性をとらえ るために、観光案内装置の種類と量を調査し、街路形態別の観光案内装置種類 別区分と情報内容別区分の調査及び分析を行った。その結果、観光案内装置の 基数の不足、街路形態別における分布の差異などの問題点があることがわかっ た。また、調査対象地域に設置されている観光案内装置と設置状況を撮影する と共に、観光案内装置の外観、提供した情報の内容及び表示の妥当性などの項 目をチェックシート上に記録し、調査地域のルート上の持つ問題点から課題の 抽出を行った。これらの調査および分析の結果から、分布の偏り、不適切な表 示方法、都市全域の対応ができていないこと、設置後の管理の不足などの問題 点が明らかになった。更に、国内と海外観光客を対象に、観光案内装置の現状 と問題点及び観光客の行動とニーズを把握するために、アンケート調査を実施 し、それぞれの意見について分析を行った。その結果、案内・誘導情報の不足、

表示内容の不備、設置場所が不適、設置後の管理の不足などの問題点がわかっ た。以上の調査結果を踏まえて、考慮すべき項目を整理すると、次の 5 つの項 目にまとめることができた。

(1)適切な間隔で設置され、各種案内装置を相互に補完し、ネットワーク化の

(35)

92

総合的な観光案内システムが必要である。

(2)駅・空港、都心、及び各観光目的地周辺のバス停(アクセス部)と各観光 目的地は情報発信の「拠点」として全市や特定の地域の総合案内装置の設置と 整理、アクセス部から各観光目的地への街路は拠点をつながる「線」として誘 導装置の設置と整理の検討。

(3)観光案内装置の掲載情報の検討。また、国内観光客と海外観光客とも理解 しやすい、はっきりとして見えやすい表示方法の検討。

(4)祭りやイベント情報に対応できる表示内容の検討。

(5)外国語併記の内容と正確性の検討。そして、海外観光客の国別のニーズに よって情報コンテンツの作り方を検討する必要がある。

次章では観光目的地の面状分布都市である北九州市、大連市と観光目的地の 点状分布都市である京都市、西安市に設置されていた観光案内装置に対する一 連の調査結果の比較分析から、共通点と個別点を抽出する。これらの結果を基 に、都市観光案内装置の現状の課題を抽出し、解決の方向性を把握する。

(36)

93

注・参考文献

1.森田昌嗣:街路空間における都市環境装置デザイン方法に関する研究 九州芸術工科大学、博士論文 1999 年

2.李民:「日本と中国の街路空間における歩行者用都市サイン計画に関するデザ イン方法の研究」

博士論文 九州大学芸術工学府 2008 年

3.張路・森田昌嗣:「大連市(中國)和福岡市(日本)兩城市觀光信息提供系統 的比較研究及提案」

投稿論文 2009 世界華人工業設計論壇 2009 年

4.原寛道・吉谷地裕・清水忠男:散策観光者のためのサインシステムデザイン の提案 : 千倉町里山遊歩道を対象として

千葉大学、デザイン学研究作品集、Vol.10、 No10、p20-23、2005 年

5.原寛道・吉谷地裕・清水忠男:散策型観光を促進するための歩行者用サイン システムデザインの開発: 白浜町・千倉町の遊歩道を対象として

千葉大学、デザイン学研究作品集、Vol.12、No12、p84-87、2007 年

6.黒見敏丈・坂元さや香:歴史的町並み観光地における観光情報提供システム の実態と課題

岐阜女子大学紀要、Vol.31、p 9-16、 2002 年 7.赵陨安:「环境信息传达设计Sign Design」

高等教育出版社 、p18-25、2008 年

8.神吉紀世子・宮川智子・金谷真由・加村貴志・清原丈博:「歴史的な街並み観 光を支援する観光案内提供システムに関する研究」

日本建築学会、学術講演梗概集、都市計画、建築経済・住宅問題、p411-412、

(37)

94

2006 年

9.桑田政美:「観光デザイン学の創造」

世界思想社、p.6-30、2006 年

10.観光地域づくり・案内標識研究会:観光地のためのひと目でわかる案内標識

―計画・設置・管理マニュアル 株式会社ぎょうせい、p3-21、2005 年 11.紙野桂人:人のうごきと街のデザイン 彰国社、p.109-111、1989 年

12. 張路・森田昌嗣:「日中観光エリアにおける観光案内システム計画に関する 研究」

投稿論文、アジアデザイン文化学会、アジアデザイン文化学会国際シンポジウ ム in 洛阳、p147-158、論文集 2010 年

13. 宮沢功:環境デザイン手法としての街の分かりやすさと環境認知

情報処理学会研究報告 [情報メディア] 、vol.94、No.36、p 33-39、1994 年

参照

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