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ハ ッケーシ 端出力エクセルキ ー効率 (3) のエクセルキ ー ハ ッケーシ 端出力 出力 - 媒体ホ ンフ 電力 (4) Entalpy h - h =( )=79.5kJ/kg (s - s ) T =( ) 298.2=7.7kJ/kg Exergy

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(1)

カリーナサイクルと有機ランキンサイクルの

エクセルギー解析

Exergy Analysis on the Kalina Cycle and the Organic Rankine Cycle

山 下 誠 二

*

・ 田 中 一 雄

*

・ 溝 口 和 彦

**

Seiji Yamashita Kazuo Tanaka Kazuhiko Mizoguchi

(原稿受付日 2014 年 3 月 25 日,受理日 2014 年 10 月 10 日) 1.はじめに 廃熱から動力を取り出すサイクルとしてカリーナサイク ルや各種低沸点媒体を用いた有機ランキンサイクルが提案, 実用化されている.カリーナサイクルの実用化の例として 製鉄所における 98℃温水廃熱回収の例1),石油プラントに おける 116℃炭化水素廃熱回収の例2)などがある.有機ラン キンサイクルの実用化の例としてはフロンや炭化水素を用 いたいわゆるバイナリータービンと呼ばれるものがあり 3) 代替フロンを用いた 98℃温水廃熱バイナリー発電4)や,ペ ンタンを用いた 143℃地熱バイナリー発電5)などがある.ア ンモニアを利 用したランキ ンサイクルと しては 150~ 200℃の排ガスを熱源とした実証試験の例6)などがある. このような実在サイクルにおいては,廃熱温度や周囲条 件,規模などが様々で同列の比較が難しく,従来型蒸気タ ービン(水ランキンサイクル)に対する優位性も必ずしも明 確ではない.そこで,本稿ではエクセルギー解析を含むサ イクル検討により,廃熱回収発電における各サイクルの特 徴を明らかにする. 2.エクセルギーとサイクル検討の前提 2.1 廃熱回収発電の効率定義 廃熱回収発電は工場廃熱や地熱など様々な温度レベルの 未利用エネルギーから,有効な発電出力を得ようとするも のであるから,廃熱回収発電の評価にはエクセルギーを用 いるのが有効である.エクセルギー解析では温度の違いに よる廃熱の質を考慮できるほか,サイクルを構成する要素 機器の不可逆変化を個別に把握できるからである7) エクセルギーの定義を式 1 に示す.エクセルギーとエン タルピーの比は有効比と呼ばれ,式 2 で定義される8) 0 0 0) (s s )T h h ( e    (1) ) h h ( e 0   λ (2) ここで,e比エクセルギー,h比エンタルピー,s:比エ ントロピー,T:温度,λ:有効比であり,添字 0 は基準条 件を示す.なお,本稿ではエクセルギーの基準条件を圧力 101.3kPa, 温度 25℃とする.例として,圧力 101.3kPa,温 度 100℃の排気の比エンタルピー,比エクセルギーおよび 有効比を図 1 に示す.100℃の排気の有効比は 11%であり, 排気のエンタルピーを 100kW とすれば,エクセルギーは 11kW であり,この 11kW が可逆プロセスにより取り出すこ とのできる最大仕事である. 廃熱回収発電のエクセルギー効率を式 3 で定義する.廃 熱のエクセルギーは基準条件(圧力 101.3kPa, 温度 25℃)に 対する値である.廃熱回収発電では媒体ポンプ動力が無視 できないので,有効な出力は式 4 に示すパッケージ端出力 で評価する.冷却水ポンプ等、媒体の駆動に直接関与しな い補機動力は検討の対象外とした.

Cyclic examination including exergy analysis on the Kalina Cycle and the Organic Rankine Cycle were fulfilled to understand the characteristics as means of waste heat recovery. The results showed that for waste heat recovery of 100c exhaust gas, the Kalina Cycle gave higher exergy efficiency than the Ammonia Rankine Cycle because boiler exergy loss was small. The R245fa Rankine Cycle also gave higher exergy efficiency than the Ammonia Rankine Cycle because R245fa latent was small and exhaust exergy loss was small. For waste heat recovery of 200c exhaust gas, the Kalina Cycle lost the advantage to the Ammonia Rankine Cycle because recuperator and absorber exergy loss became bigger. Comparison with the conventional steam turbine cycle (Water Rankine Cycle) were also fulfilled. For waste heat recovery of 300c or higher exhaust gas, the conventional steam turbine cycle is the most reasonable means of waste heat recovery because the triple pressure Water Rankine Cycle and the supercritical Ammonia Rankine Cycle showed the almost same exergy efficiency and the Water Rankine Cycle is proven technology of co-generation power plant.

第 30 回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンスの内容 をもとに作成されたもの *川崎重工業株式会社 技術開発本部 技術研究所 〒673-8666 明石市川崎町 1 番 1 号 **川崎重工業株式会社 ガスタービン・機械カンパニー 機械ビジネスセンター タービン部 陸用タービン課 〒650-8670 神戸市中央区東川崎町 3-1-1

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廃熱のエクセルギー

パッケージ端出力

エクセルギー効率

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媒体ポンプ電力

発電端出力

パッケージ端出力

- (4) 図 1 100℃級排気のエンタルピーとエクセルギー 2.2 サイクルフロー 検討対象のカリーナサイクル 9)および有機ランキンサイ クルのフロー図をそれぞれ図 2,3 に示す. カリーナサイクルは混合媒体の沸点上昇を利用してサイ クルの効率を上げようとするもので,媒体には熱力学的な 特性を考慮してアンモニア・水混合媒体を用いることが多 く,本稿でもアンモニア・水混合媒体について検討する. アンモニアは水より沸点が低く,蒸発器出口の気液分離器 で分離された気相は濃アンモニア蒸気であり,液相は希ア ンモニア水である.復水器の飽和圧力を下げてタービン膨 張比を大きくするため,タービン出口の濃アンモニア蒸気 は吸収器で液相と混合・吸収して元のアンモニア濃度に戻 された後に復水器で凝縮される.タービン入口圧力は媒体 ポンプ出口圧力により任意に選定できるので,アンモニア 濃度および冷却水温度により決まる復水器圧力とあわせて タービン膨張比が決まる.なお,液相は再生器において媒 体を予熱して,温度を下げた後に吸収器に送られる. 有機ランキンサイクルはフロンや炭化水素など水よりも 低沸点の媒体を用いるランキンサイクルであるが,サイク ルフローは基本的に水ランキンサイクルと同じである. いずれのサイクルでも,過熱器は廃熱温度 200℃級以上 の場合に設置するものとし,この場合のカリーナサイクル の気液分離器は蒸発器と過熱器の間に設置する.これらの 理由は 3.3 に後述する. 図 2 カリーナサイクルフロー図 図 3 有機ランキンサイクルフロー図 2.3 サイクル検討の前提 サイクル検討の前提を表 1 に示す.これらの前提は分散 型発電規模の実在サイクルを想定して値を選定した.カリ ーナサイクルの蒸発器と予熱器は一体型を想定しアプロー チ温度差は 0℃とした.有機ランキンサイクルの蒸発器と 過熱器は別置型を想定しアプローチ温度差は 5℃とした. カリーナサイクルのボイラ高温側および再生器低温側の終 端温度差は 100℃級廃熱回収で 5℃,200℃級以上では 10℃ とした.同様に有機ランキンサイクルの過熱器高温側の終 端温度差は 10℃とした.ピンチポイント温度差は両者とも に 100℃級廃熱回収で 5℃,200℃級以上では 10℃とした. なお,アプローチ温度差は飽和温度と予熱器出口媒体温度 との差である.ピンチポイント温度差は高温側流体出口温 度と飽和温度との差である.終端温度差は熱交換器終端に おける高温側流体と低温側流体の温度差である.廃熱回収 線図におけるこれらの温度差を図 5,6 に示す カリーナサイクルの気液分離器あるいは吸収器の圧力損 失はそれぞれ蒸発器あるいは復水器に含むものとした.廃 熱の種類はガスを想定し,ボイラの出口圧力を 101.3kPa, ガス側圧力損失を 3kPa としたので,廃熱の圧力は 104.3kPa で供給されるものとした.

Entalpy h - h

0

=(528.9-449.4)=79.5kJ/kg

(s - s

0

) T

0

=(6.962-6.725)×298.2=70.7kJ/kg

Exergy e=(79.5-70.7)=8.8kJ/kg

Exhaust Gas Composition

N

2

:O

2

:CO

2

:H

2

O :Ar =74.1 :11.2 :4.4 :9.4 :0.9

λ=8.8/79.5=11%

Turbine Generator Condenser P Waste Heat Exhaust Pump Evaporator Vapor Superheater(*) Preheater Boiler Cooling Water

(*)The boiler is equipped a superheater for waste heat recovery of 200c or higher.

Turbine Generator Absorber Condenser P Recuperater Waste Heat Exhaust Separator Pump Evaporator Preheater Vapor Liquid Boiler Superheater(*)

(*)The boiler is equipped a superheater for waste heat recovery of 200c or higher.

Cooling Water

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媒体等の物性値は米国の国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST) が 提 供 す る REFPROP を用いた. 表 1 廃熱回収サイクル検討前提 項目 値 備考 廃熱種類 ガス タービン断熱効率 75.0% ポンプ断熱効率 75.0% タービン機械効率 95.1% 軸受効率 98.0% 減速機効率 97.0% ポンプ機械効率 95.1% 発電機効率 93.0% 電動機効率 93.0% 終端温度差 5℃ 200℃級以上は 10℃ ピンチポイント温度差 5℃ 200℃級以上は 10℃ アプローチ温度差 5℃ カリーナは 0℃ 復水器最小温度差 5℃ 冷却水温度 22℃ 温度上昇 5℃ 大気圧 101.3kPa ガス側圧力損失 3kPa 媒体側圧力損失 -過熱器 50kPa 200℃級以上設置 -蒸発器 50kPa 気液分離器含む -予熱器 50kPa -再生器 50kPa カリーナのみ -復水器 1kPa 3.カリーナサイクルとアンモニアランキンサイクル アンモニア利用サイクルとして,アンモニア・水混合カ リーナサイクルとアンモニアランキンサイクルの比較検討 を行う. 3.1 カリーナサイクルのアンモニア濃度 100℃級廃熱回収発電におけるアンモニア濃度とカリー ナサイクルの効率の関係を図 4 に示す.アンモニア濃度を 上げると効率が上昇するが,アンモニア濃度を上げすぎる と少量の液相で再生・吸収することになり,気液分離器, 再生器および吸収器の構成が難しくなるのでアンモニア濃 度には上限が存在する.以降はカリーナサイクルのアンモ ニア濃度を 90mol%として検討する. 14% 16% 18% 20% 22% 24% 1.5 2.0 2.5 3.0 Package Ex ergy E ff .

Turbine Pressure Ratio (-)

Waste Heat Temperature = 100c

95 90 95 80 Ammonia Waste Heat Temperature = 100c

95 90 85 80 Ammonia mol% = 70 60 図 4 アンモニア濃度とカリーナサイクル効率 3.2 廃熱回収線図と凝縮線図 カリーナサイクルとアンモニアランキンサイクルの廃熱 回収線図の例を図 5,6 に示す.交換熱量はアンモニアラン キンサイクルを 100 として表示した.カリーナサイクルは 混合媒体の沸点上昇を利用して,廃熱回収率を維持したま までより高温の蒸気を作ることができるのが特徴であり, ボイラのエクセルギー損失を小さくすることができる.た だし,湿り飽和でピンチポイントが存在するから,ランキ ンサイクルと同様にピンチポイント温度差により廃熱回収 率が決定される.カリーナサイクルは再生器でボイラ交換 熱量の一部を循環しているが,これにより廃熱回収率が改 善するわけではない点に注意が必要である. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 40 60 80 100 120 T e mper at u re( C)

Boiler, Recuperater Heat Exchange (-)

Pinch Point Temperature

Differnce Terminal Point

Temperature Differnce

Kalina Cycle (Ammonia:Water = 90:10)

Recuperator Exhaust Gas Recuperated

Liquid Medium Ammonia Water Mixture

図 5 カリーナサイクル廃熱回収線図 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 40 60 80 100 120 T em per a tur e(C )

Boiler Heat Exchange (-)

Ammonia Rankine Pinch Point Temperature Differnce Approach Subcooling Ammonia Exhaust Gas 図 6 アンモニアランキンサイクル廃熱回収線図

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同様に凝縮線図の例を図 7,8 に示す.カリーナサイクル では復水器で凝縮点降下がおこるため飽和温度は一定では なく,最小温度差は凝縮器中間部に存在する.一方,アン モニアランキンサイクルでは復水器における飽和温度は一 定であり,最小温度差は凝縮器の冷却水出口側に存在する. 両者の凝縮線図を比較すれば,カリーナサイクルの復水 器入口温度が高く,復水器のエクセルギー損失が大きい. カリーナサイクルは混合媒体の沸点上昇により,ボイラの エクセルギー損失が小さい点が強調されるが,逆に復水器 のエクセルギー損失は大きいため,サイクルの得失を理解 するにはこれらを総合的に評価する必要があり,これらは 3.4 に後述する. 20 25 30 35 40 45 50 55 0 20 40 60 80 100 T e mp erat u re (C)

Condenser Heat Exchange (-)

Pinch Point Temperature

Kalina Cycle (Ammonia:Water = 90:10)

Saturated Liquid

Cooling water Ammonia Water Mixture

図 7 カリーナサイクル凝縮線図 20 25 30 35 40 0 20 40 60 80 100 T em p er at ur e(C)

Condenser Heat Exchange (-)

Pinch Point Temperature Differnce = 5C Ammonia Rankine Saturated Liquid 32C Cooling water Ammonia 図 8 アンモニアランキンサイクル凝縮線図 3.3 過熱器と気液分離器 過熱器の設置条件について検討する.アンモニアランキ ンサイクルについて,廃熱温度に対して効率最大となるタ ービン膨張比を選定した場合のタービン出口湿り度とエク セルギー効率を図 9 に示す.図 9 には要素機器のエクセル ギー損失も積み上げ表示した.廃熱温度が上がれば効率最 大となる膨張比が大きくなるが,アンモニアや水は膨張比 を大きくするとタービン出口湿り度が大きくなる.湿り蒸 気はいわゆる湿り損失と呼ばれるタービン効率の低下をも たらし 10),湿り度が 1%増加するとタービン効率はおおむ ね 1%低下するため11),タービン出口湿り度は 13%以下と なるように選定することが多い.したがって,実在サイク ルにおける湿り損失を考慮して,廃熱温度 200℃以上では 過熱器を設置するものとした.なお,T-s 線図の違いによる サイクル上の特徴は 4.1 で後述する. カリーナサイクルで過熱器を設置する場合,気液分離器 は前述の図 2 に示すように蒸発器と過熱器の間に設置する. カリーナサイクルは混合媒体の沸点上昇を利用して,ボイ ラのエクセルギー損失を小さくするのが目的であるから, 沸点上昇後の液相は過熱器を通さずに蒸発器出口で分離し て,より温度の低い液相で再生を行い再生器のエクセルギ ー損失が過大にならないようにするためである.過熱器を 設置したカリーナサイクルの廃熱回収線図の例を図 10 に 示す.図 10 中の網掛け部分が再生器のエクセルギー損失に 相当する部分であり,再生器のエクセルギー損失を小さく するためにはより温度の低い液相で再生する必要があるこ とがわかる. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 110% 100 150 200 250 300 W e tn es s, E x e rgy E ff .

Waste Heat Temperature (C)

Boiler Loss Turbine Loss Pump Loss Condenser Loss, Cooling Water Pump Elect. Mechanical, Gen. Loss Package Term. Elect.

Turbine Exit Wetness. Ammonia Rankine Exhaust 図 9 廃熱温度とタービン出口湿り度の関係 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 0 20 40 60 80 100 120 T e m p e ra ture(C)

Boiler, Recuperater Heat Exchange (-)

Kalina Cycle (Ammonia:Water = 90:10) Recuperator Medium

Exhaust Gas Recuperated Liquid Medium

(Ammonia Water Mixture) Superheater

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3.4 カリーナサイクルのエクセルギー解析 100℃級カリーナサイクルのエクセルギー解析結果をア ンモニアランキンサイクルと比較して図 11,12 に示す.タ ービン入口圧力をカリーナサイクルは 2.3MPa,アンモニア ランキンサイクルは 2.8MPa と効率最大となるよう選定し た.カリーナサイクルは混合媒体の沸点上昇によりボイラ のエクセルギー損失が 38.0%とアンモニアランキンサイク ルより 3.7 ポイント小さい.一方,吸収器・復水器損失は 合計 9.2%であり, アンモニアランキンサイクルの復水器損 失 7.2%に比べ 2.0 ポイント大きい.これらを総合するとカ リーナサイクルの効率は 21.7%であり,アンモニアランキ ンサイクルの効率 18.9%より 2.8 ポイント高い. 基準温度25℃ タービン 損失 8.2 ボイラ損失 38.0 (うち再生器損失 1.7) 廃熱 100 タービン 線図出力25.8 タービン 機械・発電機 損失3.0 発電端 22.8 媒体ポンプ 電気1.1 復水器損失 9.0 吸収器混合損失0.2 パッケージ端 電気21.7 タービン 蒸気 43.7 媒体ポンプ 線図入力 1.0 ポンプ 損失 0.2 排気 19.1 冷却水 0.5 図 11 100℃級カリーナサイクルエクセルギー解析 タービン 損失 7.4 媒体ポンプ 線図入力 1.1 ボイラ損失 41.7 廃熱 100 排気 21.3 復水器 損失 7.2 ポンプ 損失 0.3 基準温度25℃ タービン 機械・発電機 損失 2.6 発電端 20.1 媒体ポンプ 電気 1.3 パッケージ端 電気 18.9 タービン 線図出力 22.8 タービン 蒸気 37.8 冷却水 0.4 図 12 100℃級アンモニアランキンサイクル エクセルギー解析 3.5 エクセルギーとエンタルピー 図 11,12 のエクセルギー解析結果との比較のため,エン タルピー解析結果を図 13,14 に示す.エンタルピーで効率 を表示した場合,廃熱のエンタルピー100%に対して,カリ ーナサイクルの効率は 3.0%,アンモニアランキンサイクル の効率は 2.6%と著しく低く表示される.エクセルギー解析 とエンタルピー解析の違いは,効率の表示としては分母に 有効比を乗じているか否かの違いであるが,エンタルピー 解析では不可逆変化や熱の質を考慮できないので,エクセ ルギー解析とあわせて検討する必要がある.図 13,14 のエ ンタルピー解析では排気や冷却水に捨てられるエンタルピ ーが大きいが,図 11,12 のエクセルギー解析では冷却水に 捨てられるエクセルギーはわずかであり,ボイラの高温側 流体と低温側流体の温度差に起因するエクセルギー損失が 最も大きな損失となっていることがわかる.なお,以降で は要素機器の損失分析において重要なエクセルギー解析を 中心に検討を行うものとする. 排気 47.9 廃熱 100 基準温度25℃ タービン 蒸気 52.7 媒体 0.5 冷却水 48.6 媒体 0.5 機械・発電機 損失 0.42 媒体ポンプ 電気 0.16 パッケージ端 電気 3.04 タービン線図出力 3.6 媒体ポンプ 線図入力 0.14 発電端 電気 3.20 再生 2..5 (エンタルピー) 図 13 100℃級カリーナサイクルエンタルピー解析 排気 50.7 廃熱 100 基準温度25℃ タービン 蒸気 50.9 媒体 1.5 冷却水 46.3 媒体 1.5 機械・発電機 損失 0.37 媒体ポンプ 電気 0.18 パッケージ端 電気 2.64 タービン線図出力 3.2 媒体ポンプ 線図入力 0.16 発電端 電気 2.83 (エンタルピー) 図 14 100℃級アンモニアランキンサイクル エンタルピー解析 4.有機ランキンサイクル 4.1 有機ランキンサイクルの媒体と T-s 線図 有機ランキンサイクルの特徴を説明するために,アンモ ニアあるいはフロン(R245fa)を媒体に用いたランキンサイ クルの T-s 線図を図 15,16 に示す.アンモニアを媒体に用 いた場合,膨張線が飽和線の内側にあるためタービンで膨

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張するにつれて湿り度が増大する.湿り損失によるタービ ン効率の低下は特に十分な過熱蒸気が得られない廃熱回収 発電ではその影響が顕著である.一方,有機ランキンサイ クルに用いられるフロンや炭化水素は,膨張線が飽和線の 外側にあるためタービンで膨張するにつれて過熱度が増大 する.これは湿り損失が無いことのほか,タービン入口を 過熱蒸気にする必要が無いので,過熱器のないシンプルな 廃熱回収系が採用可能な点が特徴である.フロンの一例と して R245fa の主要目を表 2 に示す.R245fa は有機ランキ ンサイクルのほか,ターボ冷凍機やウレタン発泡剤等に広 く用いられている.フロンはより環境性能の優れた新媒体 が開発されつつあり12),有機ランキンサイクルにおいても 順次新媒体の導入が進むものと思われる. 0 20 40 60 80 100 120 140 160 1 2 3 4 5 6 7 Entropy (KJ/kgK) T em per at ur e ( C ) Ammonia Turbine Expansion Line Saturation Line 図 15 アンモニアランキンサイクル T-s 線図 0 20 40 60 80 100 120 140 160 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 Entropy (KJ/kgK) T e m per a tur e ( C ) R245fa Turbine Expansion Line Saturation Line 図 16 フロンランキンサイクル T-s 線図 表 2 R245fa 主要目 項目 備考 化学名 1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン 化学式 CHF2 CH2 CF3 オゾン破壊係数 0 地球温暖化係数 1,030 4.2 有機ランキンサイクルのエクセルギー解析 100℃級廃熱回収発電において,様々な媒体を用いたラン キンサイクルの効率を比較して図 17 に示す.効率の最大値 はフロン(R245fa)で 19.6%,炭化水素(ペンタン)で 19.4%で あり,いずれもアンモニアランキンサイクルの効率 18.9% を上回る.代表してフロン(R245fa)を用いたランキンサイ クルのエクセルギー解析結果を図 18 に示す.蒸気のエクセ ルギーが 38.8%と図 12 のアンモニアランキンサイクルに比 べて 1.0 ポイント大きく,有機ランキンサイクルは潜熱の 小さい媒体を選定し,廃熱回収率を高くしてサイクル効率 を上げることができる.効率面ではカリーナサイクルの効 率 21.7%に及ばないが,有機ランキンサイクルは気液分離 器,再生器,吸収器が不要であり物量の点で優位であるこ とを考慮すると,実在サイクルとして利得がある. なお,100℃級廃熱でもサイクル検討上は水ランキンサイ クルが可能であるが,タービン入口,出口ともに負圧であ るためタービンが過大となるほか,十分な圧力の軸シール 蒸気が得られないために不凝縮ガスや潤滑油が蒸気側に混 入するなど,実在サイクルを考えた場合は課題が多い.ま た,サイクル効率の点からも水ランキンサイクルの効率は 16.9%と低く,やはりカリーナサイクルや有機ランキンサ イクルに利得がある. 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 Turbine Pressure Ratio

P ac k ag e E x er gy E ff . R245fa Pentane Ammonia Water Waste Heat Temperature = 100c

図 17 各種ランキンサイクルの効率比較 タービン 損失 7.3 ボイラ損失 42.4 廃熱 100 排気 19.3 復水器 損失 7.9 基準温度25℃ タービン 線図出力23.1 発電端 20.4 媒体ポンプ 電気0.8 パッケージ端 電気19.6 タービン 機械・発電機 損失2.7 タービン 蒸気38.8 媒体ポンプ 線図入力 0.7 ポンプ 損失 0.2 R245fa 冷却水 0.5 図 18 100℃級フロンランキンサイクルエクセルギー解析

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5.従来型蒸気タービン発電との比較 以上は 100℃級廃熱の場合であるが,廃熱温度によりこ れらのサイクルの長所・短所は変わり,ある廃熱温度以上 では従来型蒸気タービン(水ランキンサイクル)が採用され ることになる.以降は廃熱温度が変わった場合の検討を行 う.従来型蒸気タービンのフロー図の例を図 19 に示す.図 19 は 2 重圧サイクルの例であり,高圧・中圧の 2 種類の蒸 気を生成し,高圧蒸気をタービンで膨張させてタービン途 中で中圧蒸気を混気して,さらに膨張させた後に復水器で 凝縮させる. 図 19 従来型蒸気タービンフロー図 (2 重圧) 5.1 200℃級廃熱回収発電におけるサイクル比較 200℃級廃熱回収発電におけるサイクル比較を図 20 に示 す.水ランキンサイクルでは廃熱回収率を上げるため複数 の圧力のボイラで構成される複圧混気サイクルを採用する のが一般的であるから,3 重圧サイクルまで検討して混気 蒸気圧力が負圧の範囲を破線で示した.3 重圧サイクルの 場合,高圧,中圧,低圧と順次圧力の低い蒸発器で生成し た蒸気をタービン膨張途中で混気していくサイクルである が,100℃未満の廃熱を回収する場合は負圧の蒸気を生成す る必要がある.図 20 では 3 重圧水ランキンサイクルが最も 高い効率であるが,低圧混気蒸気が 50kPa 程度の負圧にな り,水を媒体に選定するには 200℃級廃熱は温度が低い. 200℃級廃熱回収発電におけるカリーナサイクル,アンモ ニアランキンサイクルおよびフロンランキンサイクルのエ クセルギー解析結果を図 21~23 に示す.カリーナサイクル はアンモニアランキンサイクルより効率が低く,200℃級廃 熱ではカリーナサイクルの利得がなくなる.これは廃熱温 度の上昇により高温の媒体による再生や,高温のタービン 出口蒸気の吸収などの損失が増大するためである.図 11, 21 を比較すると 100℃級に比べて再生器損失が 1.1 ポイン ト,吸収器損失が 0.8 ポイント悪化している. ランキンサイクルでは廃熱温度が上がれば,タービン入 口の過熱度を十分とることができるので,フロンとアンモ ニアを比較した場合,膨張するにしたがって飽和に近づい ていくアンモニアの方が復水器損失が小さく有利な結果と なる.アンモニアランキンサイクルの復水器損失は 5.5%で あり,フロンランキンサイクルの 17.2%に比べて非常に小 さい. アンモニアランキンサイクルの効率最大となるタービン 入口圧力は 7~8MPa と比較的高圧であり,サイクルの優劣 は実際に採用できる圧力も重要である.先に紹介した 150 ~200℃級アンモニアランキンサイクルの実証試験の例で はタービン入口圧力に 3.7MPa を採用している6) 22% 24% 26% 28% 30% 32% 34% 36% 38% 40% 0.1 1.0 10.0

Turbine Inlet Pressure (MPa)

P ac k a ge E x er gy E ff . R245fa Rankine Ammonia Rankine Kalina

Waste Heat Temperature = 200c

Single Pressure Dual Pressure Water Rankine Triple Pressure Pentane Rankine 図 20 200℃級廃熱回収発電におけるサイクル比較 タービン 線図出力 40.9 タービン 損失 11.9 ボイラ損失 25.7 (うち再生器損失 2.8) 廃熱 100 排気 15.3 タービン 機械・発電機 損失 4.7 発電端 36.2 媒体ポンプ 電気 2.7 復水器損失 6.7 吸収器混合損失 1.0 パッケージ端 電気 33.4 媒体ポンプ 線図入力 2.4 ポンプ 損失 0.6 基準温度25℃ タービン 蒸気 60.8 冷却水 0.3 図 21 200℃級カリーナサイクルエクセルギー解析 基準温度25℃ タービン 損失 13.4 媒体ポンプ 線図入力 3.0 ボイラ損失 24.6 廃熱 100 排気 16.3 復水器 損失 5.5 ポンプ 損失 0.7 発電端 37.4 媒体ポンプ 電気 3.4 パッケージ端 電気 34.0 タービン 線図出力 42.3 タービン 蒸気 61.5 タービン 機械・発電機 損失 4.9 冷却水 0.3 図 22 200℃級アンモニアランキンサイクル エクセルギー解析 Waste Heat Exhaust Steam Turbine Generator P P CoolingWater

(8)

タービン 損失 8.7 ボイラ損失 23.0 廃熱 100 復水器損失17.2 基準温度25℃ タービン 線図出力35.4 発電端 31.3 媒体ポンプ 電気1.8 パッケージ端 電気29.5 タービン 機械・発電機 損失4.1 タービン 蒸気61.6 媒体ポンプ 線図入力 1.6 ポンプ 損失 0.4 排気 16.6 R245fa 冷却水 0.3 図 23 200℃級フロンランキンサイクルエクセルギー解析 5.2 300℃級廃熱回収発電におけるサイクル比較 300℃級廃熱回収発電におけるサイクル比較を図 24 に示 す.フロンあるいはアンモニアランキンサイクルは図中の 白抜き丸印以上の圧力では超臨界圧サイクルである.アン モニアランキンサイクルを効率最大とするには 20MPa 超 臨界圧サイクルの実現が必要であるが,水ランキン 3 重圧 サイクルは 1.8MPa で効率最大であり,現実的な圧力でサ イクルを実現できる.アンモニアランキンサイクルと水ラ ンキンサイクルの効率最大値は 46%超でほぼ同じであり, 300℃級廃熱回収発電ではコージェネの実績等も考慮して 水ランキンサイクルを採用するのが合理的である. 32% 34% 36% 38% 40% 42% 44% 46% 48% 50% 0.1 1.0 10.0 100.0

Turbine Inlet Pressure (MPa)

P ac k ag e E x er gy E ff . Single Pressure Dual Pressure Ammonia Rankine Water Rankine Triple Pressure Waste Heat Temperature = 300c

R245fa Rankine 図 24 300℃級廃熱回収発電におけるサイクル比較 6.まとめ カリーナサイクルと有機ランキンサイクルについてエク セルギー解析を含むサイクル検討を行った.また,従来型 蒸気タービンを含む各種廃熱回収発電サイクルについて, 様々な廃熱温度におけるサイクルの特徴について述べた. 以下に結論をまとめる. ・ 100℃級廃熱回収発電ではカリーナサイクルおよびフ ロンや炭化水素を用いた有機ランキンサイクルは水ラ ンキンに比べて効率が高く,廃熱回収発電サイクルと しての利得がある. ・ 200℃級廃熱回収発電ではアンモニアランキンに対し てカリーナサイクルの利得がなくなる.これは廃熱温 度の上昇により再生器および吸収器のエクセルギー損 失が増大するためである. ・ 300℃級廃熱回収発電においては水を媒体に利用した 従来型蒸気タービンを採用するのが合理的である. 参考文献 1) 新 日 鐵 住 金 ( 株); カリーナサイクル発電 システム, http://www.kankeiren.or.jp/kankyou/energy.html (アクセス 日 2013.11.07) 2) 永田英記; 石油プラントへの低位熱発電システムの適 用, http://www.jsme.or.jp/ted/WS2/part1.html (アクセス日 2013.11.07) 3) 山下誠二, 溝口和彦; 自然エネルギー利用バイナリー タービン発電システム, 日本ガスタービン学会誌, Vol.39, No.5,(2011), 312-316 4) 溝口和彦, 清水元, 鈴木宏和, 三宅直樹, 今野優子, 山 下誠二, 澤田正志; 250kW 級小型バイナリー発電設備 -グリーンバイナリータービン-, 川崎重工技報, No.173, (2013), 17-45 5) 高藤 剛; 八丁原バイナリー発電施設について, コー ジェネレーション, vol.20, No.1, (2005), 42-48 6) 高鍋浩二, 藤田優, 白石清; アンモニア・ランキンサイ クルによる廃熱回収発電,日立造船技報, Vol.65, No.1, (2004), 6-9 7) 中西重康, 久角喜徳, 堀司, 毛笠明志, 小倉啓宏, 山下 誠二, 中垣隆雄, 金偉力; エクセルギーデザイン学の 理解と応用, 大阪大学出版会, (2012), 185-187 8) 石谷清幹; 熱管理士教本-エクセルギーによるエネル ギーの評価と管理-, 共立出版株式会社, (1977), 72-84. 9) 池上 康之, 森崎 敬史; 蒸気動力サイクルシステム, 特開 2013-40594, 図 5 10) 田沼唯士, 長尾進一郎, 山本悟; 蒸気タービンの湿り 蒸気の影響低減技術, ターボ機械, Vol.31, No.8, (2003), 453-458, 日本工業出版

11) E.H.Miller, P.Schofiild, The Performance of Large Steam Turbine-Generators with Water Reactors, ASME Meeting (1972)

12) Konstantinos Kontomaris, Barbara Minor, Claus-Peter Keller; ULTRA-LOW GWP WORKING FLUID FOR ORGANIC RANKINE CYCLES, ASME ORC 2013 2nd International Seminar on ORC Power Systems, (2013), http://www.asme-orc2013.nl/uploads/File/PPT%20100.pdf (アクセス日 2014.7.28)

図 5  カリーナサイクル廃熱回収線図  0102030405060708090100 0 20 40 60 80 100 120Temperature(C)
図 7  カリーナサイクル凝縮線図  2025303540 0 20 40 60 80 100Temperature(C)
図 17  各種ランキンサイクルの効率比較  タービン 損失 7.3 ボイラ損失 42.4 廃熱 100 排気 19.3 復水器 損失 7.9 基準温度25℃ タービン 線図出力23.1 発電端20.4 媒体ポンプ電気0.8 パッケージ端電気19.6タービン機械・発電機損失2.7タービン蒸気38.8媒体ポンプ線図入力 0.7ポンプ損失 0.2R245fa冷却水0.5 図 18  100℃級フロンランキンサイクルエクセルギー解析

参照

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