令和3年度 愛知教育大学入学試験問題
標準的解答例または出題の意図及び評価の観点
【前期日程】 科目名: 理科(物理)
Ⅰ
(出題の意図)単振り子の運動、円運動、放物運動についての理解を問う。
問1 長さ l の単振り子の周期の 1
4 なので、
問2 長さ 4
9 l の単振り子の周期を考慮すると、
問3 力学的エネルギー保存則 に、近似式と2倍角の公式から 𝛽
𝛼=3
2
問4 点 B の小球の速さを v とすると、力学的エネルギー保存則 となる。点 B の張力T は 遠心力、重力、張力のつり合いから
問5 張力がゼロになる条件 と力学的エネルギー保存則
の2式から sinθ0 = 1
2 となるので θ0 = 1
6𝜋
問6 問5から
問7 ③
理由:糸がゆるんだ後、小球は重力中での放物運動になる。小球が最高到達点に達しても水平方向の 速度はゼロではないので、点Оの高さよりも低くなる。
Ⅱ
(出題の意図)電気回路におけるコンデンサの働きを正しく理解しているかを問う。
問1
問2 Ca に蓄えられた電荷量を とすると、電荷保存則 と電位差の関係 から
問3 再度、a から b にスイッチを切り換えたことで電荷量が だけ増える。
電荷保存則 と電位差の関係 から
問4 n+1回目が終了したときのCa と Cb に蓄えられる電荷量を とすると、
電荷保存則 と電位差の関係 から となる。
よって、 となるので
問5 漸化式から となり、 なので無限回操作(n→∞)すると Cbにかかる電圧は E になる。
Ⅲ
(出題の意図)気体の状態変化に関する問題を通じて、熱力学の基本的事項を理解しているかを問う。
問1
問2
問3 熱力学の第一法則から
問4 定圧モル比熱は
問5 関係
理由 初期状態(温度 T0)では気体 A,B ともに内部エネルギーは等しく、分子の質量と平均2乗速度 の積に比例する。よって質量の小さい分子の平均2乗速度の方が大きくなる。
問6 関係 VA=VB
理由 初期状態(温度 T0)では1molの理想気体に対して、圧力と温度が等しいので体積も等しい。
問7
問8 気体に与えられた熱量は、定圧変化では内部エネルギーの変化と気体が外部にする仕事に使われる。
一方、定積変化では熱量は内部エネルギーの変化のみに使われる。そのため同じ熱量が与えられた 場合、定積変化の方が定圧変化よりも温度が高くなる。
Ⅳ
(出題の意図)光の干渉の基本的事項を理解しているかを問う。
問1
問2 明線の位置を x とすると、 となるので、問1から明線の間隔は
問3 問2から
問4 強め合う条件は
問5 と問4の結果から、明線の間隔は となる。
よって
令和3年度 愛知教育大学入学試験問題
標準的解答例または出題の意図及び評価の観点
【前期日程】 科目名:理科(化学)
Ⅰ
問1 (ア)コニカル (イ)メチルオレンジ (ウ)フェノールフタレイン
問2 炭酸ナトリウムがビーカー,ガラス棒やろうとの表面に残らないように,水でしっかりと洗い込 む必要がある。
問3 指示薬も酸・塩基として働くために,多量に加えると,分析したい中和反応の濃度を正確に決定 できなくなるから。
問4 Na2CO3 + 2HCl → 2NaCl + H2O + CO2より,一旦変色した溶液中には酸性の二酸化炭素が含まれ るので,これを煮沸して取り除くと塩基性に戻るから。
問5 Na2CO3とHClは1:2で反応するため,希塩酸の濃度をx (mol/L)とすると,
(5.30 / 106)×(10 / 1000) : x×(8.35 / 1000) = 1 : 2 ∴x = 0.1197…=0.120 (mol/L) 問6 NaOH + HCl → NaCl + H2O
Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl 問7 (実験6)の中和の化学反応式は,
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
であるので,試料の水溶液20 mL中に含まれるNa2CO3の物質量は希塩酸0.120 (mol/L)の滴定量 0.95 mLの分,水溶液500 mL中にはその25倍含まれる。よって,Na2CO3の質量は,0.120×(0.95 / 1000)×106×25 = 0.3021 (g)
一方,(実験5)の中和の化学反応式から,試料の水溶液20 mL中に含まれるNaOHの物質量は 希塩酸0.120 (mol/L)の滴定量15.45 mLから0.95 mLを引いたもの,水溶液500 mL中にはその2 5倍含まれる。よって,NaOHの質量は,0.120×((15.45 – 0.95) / 1000)×40×25 = 1.74 (g)
(出題の意図)中和反応の原理と中和滴定の実験について,炭酸ナトリウムの二段階中和を例に出題し,
その理解度を問う。
Ⅱ
問1 ア 同位体 イ オゾン ウ 同素体 エ フッ素 オ アルゴン 問2
A B C
リン P4O10 H3PO4
硫黄 SO3 H2SO4
塩素 Cl2O7 HClO4
問3 A 2H2O2 2H2O + O2
B –1 C –2 D 0
問4 2KMnO4 + 5H2O2 + 3H2SO4 K2SO4 + 2MnSO4 + 5O2 + 8H2O
(2MnO4– + 5H2O2 + 6H+ 2Mn2+ + 5O2 + 8H2O でも可)
問5 希釈する前の過酸化水素の濃度をx mol/Lとすると,
0.0100×(15.8÷1000)×5 = x÷100×(10÷1000)×2 これを解いて
x = 3.95 mol/L
問6 過マンガン酸カリウムによる過酸化水素の滴定においては滴定の終点前では三角フラスコの中の 溶液の色はほとんど無色となっているが,滴定の終点を過ぎると過剰に加えた過マンガン酸カリ ウム水溶液によりうすいピンク色に着色し始める。したがって指示薬を加えなくても終点を決定 することが可能となる。
(出題の意図)酸素およびその化合物の性質についての理解度を問うとともに,酸化還元滴定について の基礎的知識や考え方についての理解度を問う。
Ⅲ
問1 比例 問2
非電解質Aの分子量をM’とするとき,10.0 gのAを水に溶かして体積を1.00 Lとした水溶液Xのモル 濃度は,
𝑐 =10.0 g/𝑀′
1.00 L =10.0
𝑀′ mol/L
27 ℃の水溶液Xに外部から24900 Paの圧力をかけたとき,純水側から水溶液X側への水の浸透が防 がれて,水溶液 X と純水の液面が等しい高さになったことから,27 ℃における水溶液 X の浸透圧は 24900 Paである。
したがって,次式が成り立つ。
𝜋 = 𝑐𝑅𝑇 = 24900 Pa =10.0
𝑀′ mol/L × 8.3 × 103 Pa・L/(mol・K) × 300 K この式より,M’ =1000。Aの分子量は,1.0×103
問3 1)
電解質BDの分子量をM とするとき,10.0 gのBDを水に溶かして体積を1.00 Lとした水溶液Yにお ける(電離前の)BDのモル濃度cは,
𝑐 =10.0 g/𝑀
1.00 L =10.0
𝑀 mol/L
(27 ℃で)BDの電離平衡が成立したときの,BDの電離度をαとすると,
BD ⇄ B+ + D- 電離前のモル濃度 c 0 0
電離平衡時のモル濃度 c (1-α) cα cα よって,電離定数は,
𝐾
a=
[B+][D−][BD]
=
𝑐𝛼21−𝛼
=
10.0𝑀 𝛼2
1−𝛼
・・・④
空欄アは 𝛼2,空欄イは 1 − 𝛼 である。
(27 ℃の)水溶液Y中で電離平衡が成立したとき,水溶液Y中の全溶質粒子(BDとB+とD-)に対 するモル濃度c ' は,
𝑐 ′=𝑐 (1-α) + 𝑐α+ 𝑐α= 𝑐 (1 +α) =10.0
𝑀 (1 +α) 27 ℃(=300 K)における水溶液Yの浸透圧はモル濃度c 'を用いて,
𝜋 = 𝑐
′𝑅𝑇 =
10.0𝑀
(1 + α) × 8.3 × 10
3× 300 ・・・⑤
空欄ウは 1 + 𝛼 である。
2)
問2より,(27 ℃で)水溶液X と純水を半透膜で仕切ったとき,水溶液 X の液面が純水の液面よりh だけ高くなり,この高さhが水溶液Xの浸透圧24900 Paに相当していることがわかっている。
(27 ℃で)水溶液Yと純水を半透膜で仕切ったとき,水溶液Yの液面が純水の液面より 2h高くなっ たことから,水溶液Yの浸透圧は24900 Paの2倍であることがわかる。(水溶液Xと水溶液Yは同じ 密度であるため。)すなわち,水溶液Yの浸透圧は,24900×2=49800 Paである。
𝜋 =
4.98×104 Pa3)
④式の電離定数Kaが,1.125×10-2(=9 / 800) mol/Lに等しいことより,
𝐾a=10.0 𝑀
𝛼2
1 − 𝛼= 1.125 × 10−2= 9 800 これを整理すると,
1 𝑀
𝛼2
1−𝛼
=
98000 ・・・Ⓐ
⑤式の浸透圧 が,24900×2 = 49800 Paに等しいことより,
𝜋 = 𝑐′𝑅𝑇 = 24900 × 2 =10.0
𝑀 (1 + α) × 8.3 × 103 × 300 この式を整理すると,
1+𝛼
𝑀
=
24900×210.0×8.3×103×300
=
24900×210.0×2490000
=
21000
=
1500 ・・・Ⓑ
ⒶとⒷより,M を消去することを考える。
まず,Ⓑより,
1
𝑀= 1
500× 1 1 + 𝛼 これをⒶに代入すると,
1 500
𝛼2
(1 + 𝛼)(1 − 𝛼)= 9 8000 式変形して,
𝛼2
1 − 𝛼2=9 × 500 8000 = 9
16 これを解くと,α2=9/25。よって,α=3/5=0.60。
よって,電離度αは,0.60。この電離度αをⒷにもどすと,M は800 = 8.0×102。
(出題の意図)希薄溶液の性質,浸透圧,電離平衡について基本的なことを問う。
Ⅳ 問1
問2
石灰石(炭酸塩)を加えると,気体(二酸化炭素)が発生する。鉄などの水素よりイオン化傾向が大き い金属を加えると,気体(水素)が発生する。
問3
化合物Cから化合物B,化合物Dから化合物A 問4
アルデヒド,又はホルミル基
(検体に)フェーリング液を加えて加熱すると,赤褐色の沈殿が生成する(フェーリング液の還元)。 問5
又は
(検体に)ヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,ヨードホルムの黄色の沈殿が生成す る。
(出題の意図)炭素原子3個と酸素原子を含む有機化合物を例として,有機化合物の性質,構造,反応 に関する基本事項の理解を確認するとともに,それらを論理的に思考,展開する力を問う。
Ⅴ
問1 組成式を CxHyOzとすると
x : y : z = 61.86 / 12 : 5.15 / 1 : 32.99 / 16 = 5.155 : 5.15 : 2.06
≒ 2.50 : 2.50 : 1 = 5 : 5 : 2
組成式は,C5H5O2
問2 組成式を CxHyOzとすると
x : y : z = 64.86 / 12 : 6.31 / 1 : 28.83 / 16 = 5.405 : 6.31 : 1.802
≒ 3.00 : 3.50 : 1 = 6 : 7 : 2 組成式は,C6H7O2
問3
A B C D
(出題の意図)芳香族化合物の構造や反応に関する基本事項の理解を確認するとともに,それらを組み 合わせて論理的に思考,展開する力を問う。
令和3年度 愛知教育大学入学試験問題
標準的解答例,出題の意図及び評価の観点
【前期日程】
科目名: 理科(生物)
Ⅰ 問1
無性生殖:(解答例)無性生殖で生じる個体は親と同様の遺伝子をもったクローンである。
有性生殖:(解答例)異なる遺伝子をもった個体と接合することによって,親とは異なる個体が生じる。
問2 (解答例)気管に繊毛が存在し,粘液を輸送する役割がある。
問3 (解答例)細胞膜はリン脂質と膜タンパク質からなる。リン脂質は二重膜を形成し,この二重膜に 膜タンパク質がモザイク状に埋め込まれた流動モザイクモデルである。
問4
受動輸送:(解答例)物質の濃度勾配に基づく拡散によって起こる。
能動輸送:(解答例)物質の濃度勾配に逆らってATPのエネルギーを用いて輸送する。
問5
(a)(解答例)作業中に酵素活性を止め、繊毛運動を抑えておき、最終的には最適温度にして酵素活性を 促す必要があるため。
(b)② (解答例)ATP によって繊毛が運動するが,カルシウムイオンが含まれていないため前進遊泳 する。
(c)④ (解答例)ATP によって繊毛が運動し,カルシウムイオンが含まれるため繊毛の打つ向きが変 化するため後退遊泳する。
(d)①、③
II
問1 ①原核 ②真核 ③光合成 ④葉緑体 問2 d
問3 c、g、k
問4 酸素が有る場合
C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O
(C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O)
38
酸素が無い場合
C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2
2
問5 発酵(アルコール発酵)
問6 A
(解答例)180×(110÷(44×2))=225 mg B
(解答例)180×(64÷(32×6))=60
180×((132―((44×6)×(64÷(32×6))))÷(44×2))=90 60+90=150 mg
問7 (解答例)セロハンの袋に残った液は、メチレンブルーを無色に変化させることから、酵素はセロ ハンの袋に存在する。にもかかわらず、エタノールが生成されないのは、セロハンの袋に入れて水 に浸すことで、酵素の活性に必要な低分子の補酵素がセロハンの袋から外液に漏れ出てしまった ためであると考えられる。
問8 (解答例)原料となるセルロースを主成分とする細胞壁は、植物細胞の形状を支えるために、構造 が強固である。そのため、稲わらに多く含まれる細胞壁からセルロースを取り出すのに、多大の労 力が必要になる。
Ⅲ
問1 (解答例)雌の背に雄が乗り、雌が産卵するときに雄が卵に精子をかける。
問2 (解答例)減数分裂では、相同染色体が対合して、乗換えが起きる場合があり、2 回の分裂 がおきることにより、4 つの娘細胞に入った染色体数はそれぞれ半減する。
問3 (解答例)ウニの口の柔らかい部分にはさみを入れて口器を取り除き、ろ過海水を満たした ビーカーの上に生殖孔が海水に浸かるようにしてウニを載せる。口器を取り除い た部分に 4~5%塩化カリウム水溶液を数滴たらす。雌の場合は黄色の粒状の卵が 放出されるので、これを観察に用いる。雄の場合は、白色の精子が放出されるの で、乾いた時計皿に移して放精させ、これを希釈して観察に用いる。
問4 (解答例)見やすくする方法 → 絞りを適度に絞る
ゴミを調べる方法 → 接眼レンズをのぞきながら接眼レンズを回して、ゴミが回 れば、接眼レンズのゴミである。対物レンズの倍率を変え たときに、ゴミが消えれば、対物レンズのゴミである。
ホールスライドガラスを動かして、ゴミが移動すれば、
ホールスライドガラスのゴミである。
問5 (解答例)拡大したいものを視野の中央に位置づけ、レボルバーを回して、対物レンズの
倍率を切り替える。このとき、高倍率のレンズは焦点距離が短いので、レンズと カバーガラスが接しないように注意する。
問6 (解答例)精子と卵のゼリー層が接触すると、精子の頭部にある先体小胞が崩壊して、その 内容物が放出される。そして、精子の細胞膜の先端が糸状に伸びて、先体突起と なって伸長し、卵の細胞膜に接触する。
問7 (解答例)先体突起が卵の細胞膜に接触すると、卵の細胞膜のすく下にある表層粒の中身が 卵の細胞膜と卵黄膜の間に放出される。すると、精子が進入した部分から、卵黄 膜は、細胞膜から離れ、硬くなって受精膜が形成される。
問8 (解答例) 動物極側 植物極側
問9 背側か腹側か → 背側
顕微鏡の名称 → (解答例)実体顕微鏡
IV
問1(解答例)DNA は二重らせん構造であるのに対し、RNA は1本鎖である。、DNA の4種類の塩基はアデ ニン、グアニン、シトシン、チミンであるが、RNA はアデニン、グアニン、シトシン、ウラシルである。、 DNA の糖はデオキシリボースが使われているが、RNA はリボースで構成されている。
問2 EcoRI:245 断片、4081 塩基対、AluI:3907 断片 255 塩基対
問3 プラスミド
問4(解答例)約 95℃:熱によって 2 本鎖 DNA の相補的な塩基対同士の水素結合を切断し、1 本鎖 DNA に する反応。50-60℃ :プライマーが一本鎖 DNA の相補的配列に水素結合する反応。72℃ 程度:耐熱性ポ リメラーゼが働き、プライマーの端から順に鋳型 DNA の相補的配列を複製する反応。
問5(解答例)ゲノム DNA にはエキソンとイントロンの領域が一般的にあるが、cDNA はイントロンがス プラシングにより除去された配列からなるため。
1
令和3年度 愛知教育大学入学試験問題
標準的解答例または出題の意図及び評価の観点
【前期日程】 科目名: 理科(地学)
Ⅰ
間1 (ア)星間物質,(気体成分)水素,ヘリウム
問2 (イ)ハロー,(ウ)円盤部(またはデイスク),(エ)バルジ 問3 ①
間4 <解答例> 銀河系全域に広く分布すると考えられる球状星団の分布を求めれば,その分布の中 心として,銀河系の中心が求まる。
問5 <解答例> 絶対等級M,見かけの等級m,変光星(恒星)までの距離d [パーセク]の間には,
M − m = 5 – 5 log10 dの関係がある。これにM = 0.5,m = 10.5を代入して,d = 1.0 × 103パーセク (pc)を得る。
問6 <解答例> 散開星団中の恒星について,スペクトル型と見かけの等級についてのHR図を作成 する。距離のわかっている散開星団のHR図と比較することで,見かけの明るさと絶対等級のず れを求めることができる(分光視差法)。このずれで距離を推定することができる。
問7 <解答例> 恒星の運動(固有運動)や,星間ガス(水素原子や一酸化炭素分子)が出す電波のドッ プラー効果にて視線の方向の速度を求める。この速度の分布により,銀河系(銀河系円盤)が回転 していることがわかる。
問8 <解答例> 光や電波などで直接的に観測できない大量の物質の存在が示唆される。この観測さ れない物質の正体は不明であるが,ダークマターと呼ばれる。(その正体としては,多数の褐色 矮星や小さなブラックホール,質量をもったニュートリノ,未知の素粒子などの可能性が検討さ れてきた。)
Ⅱ
問1 (ア)赤外線,(イ)放射平衡(または熱平衡)
問2 ③ 問3 ③,⑥
問4 <解答例> 太陽放射は平行光線として地球に入射してくるので,地球がそれを受ける実効的な 面積は,地球の断面積になる。よって,太陽定数をS⦿,地球が単位時間あたりに受け取る太陽 放射エネルギーの総量をE,地球半径をR = 6400 kmとすると,E = S⦿ × R2 = 1.76 × 1017 W (J/sec) と求まる。
問5 <解答例> 地殻熱流量を担っているのは「地球形成時に蓄えられた熱エネルギー」と「地球内 部の放射性同位体の放射性崩壊によって生成される熱エネルギー」であり,現在の地球では両者 が同程度の大きさで地殻熱流に寄与している。
2
問6 (1) <解答例> 地表での熱収支を考えると,「太陽放射」と「大気・雲による放射」は加熱に,
「地球放射」と「水の蒸発や熱伝導」は冷却に効く。水の蒸発や熱伝導による冷却の割合をxと すると,地表での熱収支の釣り合いより,49 + 97 = 116 + x ,x = 30と求まる。
(2) <解答例> 地球大気は可視光を主とする太陽放射はよく通すが,地表からの赤外放射の大 部分は吸収し地表へ向けて再放射することで,地表から大気圏外へのエネルギー放出を抑制し,
気温を暖かく保つ働きをする。これが温室効果である。(103字)
図 1より,地球放射が大気に吸収される割合は116 − 12 = 104である。一方,温室効果による 地表の加熱の割合は 97 なので,温室効果による地表の加熱は,大気に吸収された地球放射の 93%に相当することがわかる。
問7 <解答例> 高緯度地域では太陽高度が低く,雪や氷による反射も多いため,地表が受け取る太 陽放射エネルギーが低緯度地域より少なくなるため。
Ⅲ
問1 モホロビチッチ不連続面(またはモホ面,モホ不連続面) 問2 ②,⑤
問3 <解答例> 地球の体積VはV = (4/3)R3である。また,地球の質量をMとすれば,万有引力の 法則からg = GM/R2となるので,M = gR2/Gである。地球の平均密度ρはρ = M/Vであることか ら,Vの式とMの式を代入するとρ = 3g/(4πRG) が得られる。 答え:3g/(4πRG) (計算)3 × 9.8/(4 × 3.14 × 6.4 × 106 × 6.7 × 10−11) kg/m3 = 5.5 × 103 kg/m3 答え:5.5 × 103 kg/m3 (ま たは5.5 g/cm3)
問4 ジオイド
問5 <解答例> 地殻はマントルより密度が低く,大陸地殻は海洋地殻に比べてはるかに厚い。この ような大陸地域と海洋地域での地下構造の違いが反映され,アイソスタシーによって大陸地域 が海洋地域に比べて大きく浮かび上がるため,大陸地域と海洋地域で高度に大きな違いができ,
2つの高度のピークが生じる。
問6 ①,②,③
問7 <解答例> 海洋プレートは中央海嶺で生成され,そこでは地球表層の地温勾配は高いが,海洋 プレートの移動とともに地球表層の岩石は冷却され,収縮して密度が高くなっていく。こうし て,中央海嶺から離れるほど地球表層の密度が高くなるので,アイソスタシーによって海底の水 深は深くなり,山脈が形成される。
Ⅳ
問1 ①
問2 <出題の意図> 級化,斜交葉理,火炎構造,皿状構造,サンドパイプなどの堆積構造の模式図 が適切に描かれており,それと上下との関係が説明できるかについて問う。
3
<評価の観点> 正しく理解できていれば適切な模式図を描くことができると考えられる。模式 図を描くとともに,その構造と上下との関係について意味が通じるように文章できちんと説明 できているか評価する。
問3 <解答例> 安山岩には炭質物がほとんど含まれないため14C法を適用できない。それに加えて,
14Cの半減期は約5730年であるため,数万年より若い地質試料の年代測定に適用可能だが,そ れより古い場合は14Cの定量が不可能になってしまうため年代決定ができない。
問4 砂岩,砂岩泥岩互層(互層になっている部分),泥岩,石灰岩 問5 ④
問6 <解答例> 地表から深さ20 mまで安山岩層,その下は深さ40 mまで礫岩,その下は深さ50 m まで砂岩泥岩互層と予想される。
問7 泥岩:②,④,⑧ 礫岩:②,⑦
問8 <解答例> 礫岩層とその上位の玄武岩は水平だが,礫岩層基底より下位の地層(砂岩層,砂岩泥 岩互層,泥岩層など)は南西に45°傾斜しており,礫岩層基底を境に構造差がある。すなわち,こ の基底面は明瞭な侵食面になっており,傾斜不整合と判断できる。