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八木・宇田アンテナの原理を応用した音響アンテナ

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Academic year: 2021

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八木・宇田アンテナの原理を応用した音響アンテナ

The Acoustic Antenna Appling the Principle of Yagi-Uda Antenna

1W080535-9 山林 夏美 指導教員 及川 靖広 准教授

YAMABAYASHI Natsumi Assoc. Prof. OIKAWA Yasuhiro

概要: 指向性を自由に変えることができれば多様な音響空間が実現できるので、数多く研究開発されてきてい るが、既存のシステムは規模やコストの面で気軽に使えるものが尐ない。本研究は、八木・宇田アンテナが指向 性を得る原理に注目し、音波へ応用することで手軽に指向性を制御できる音響システムの構築を目指したもので あり、そのシステムを音響アンテナと名付けた。放射される電波の位相をそろえることで指向性を制御している 八木・宇田アンテナに倣い、共鳴管を用いた音響アンテナを作成した。同型の共鳴管を導波器として配置するこ とで、音波の指向性制御が可能であることが示された。さらに、広帯域で指向性を制御するべく干渉管を用いた 手法も検討し、干渉管が指向性に影響を与えることが確認できた。

キーワード:音響アンテナ、八木・宇田アンテナ、指向性、共鳴管、波の干渉

Keywords: acoustic antenna, Yagi-Uda antenna, directionality, resonant tube, interference of waves

1. はじめに

音波は三次元空間へ伝播する波であるが、

設計により指向性を制御することができる。

その中で特定の狭範囲に音が伝わるように した特性は、多様な音響空間を実現できる ので、本研究室でもこれまで平板スピーカ やパラメトリックスピーカといった指向性 スピーカの研究が行われてきた[1、2]。

しかし現在実用化されている指向性スピ ーカの多くは高価であったりサイズも大き かったりと、気軽に利用できるものはあま り存在しない。 そこで本研究では手軽で安 価に指向性を得ることを目的とし、八木・

宇田アンテナにおける指向性の原理に着目 し、電波のアンテナのように自在に望む方 向に音波を放出できる音響アンテナの構築 を目指す。

2. 八木・宇田アンテナ

八木・宇田アンテナとは、素子のひとつ だけに給電線がつながっていて、その他は 無給電の素子で構成されたアレイアンテナ

である。シンプルな構造でありながら鋭い 指向性を持つ[3]。

送信時の原理を以下に示す。送信したい 電波の半波長より尐し短い放射器に高周波 電流を流すと、その付近の反射器(放射器 より尐し長い素子) 、導波器(放射器より尐 し短い素子)も電磁誘導され電波を放射す る。このときリアクタンスの値により 90 度 の位相差が生じるが、位相差に合わせて素 子を 1/4 波長間隔で配置することで導波器 方向に進む波は強め合い、反射器方向に進 む波は弱め合う。結果電波は導波器方向に 強く放射される[3]。

3. 共鳴管を利用した導波器

位相を揃えた音を無給電で放射するため

共鳴管を用いた。スピーカ正面に同型の管

を 3 つ並べ、共鳴周波数の 640Hz 正弦波を

再生し測定を行った。図-1よりスピーカ

と共鳴管付近で測定した音が共鳴により振

幅が増加していることがわかる。図-2は

1m 離れた地点で測定した音圧の指向特性

(2)

図-1 スピーカと共鳴管付近の音の様子 上:スピーカのみ 下:共鳴管設置時

図-2 640Hz再生時の指向特性

左:スピーカのみ 右:共鳴管設置時

図である。共鳴管を設置することで指向性 が狭角になることが観測された。図-3は レーザードップラ振動計を用いて観測した 波面の様子である。配置する向きによって 波面の向きが変わることが確認できた。

4. 干渉管を利用した導波器

広帯域で指向性制御を実現するため、干 渉管型ショットガンマイクロホンの原理を 利用した導波器を作成・測定した。図―4 は 1kHz 正弦波再生時の指向特性、図―5

図-4 1kHz再生時の指向特性 左:スピーカのみ 右:干渉管設置時

図-5 4kHz正弦波再生時の波面の様子 左:スピーカのみ 右:干渉管設置時

は 4kHz正弦波再生時の波面の様子である。

干渉管の穴はスピーカ正面と垂直方向に開 いているが、干渉によって前面に進む音が 観測された。

5. むすび

本研究では八木・宇田アンテナが指向性 を得る原理に着想を得て、音波に位相差を つけて指向性制御を試みた。共鳴管を用い ることで特定の周波数に指向性をつけるこ とができた。また干渉管が指向性に影響を 与えることが確認できた。今後は自由な範 囲への指向性制御の実現、反射器の作成、

また広帯域で実現するための干渉管の形状 の検討などに取り組む所存である。

参考文献

[1] 荻野粛,大内康裕,山崎芳男,“平面スピーカ

―マルチセル型平面スピーカとフレキシブル コンデンサスピーカ―,”日本音響学会誌,62 巻,11 号,pp.802-807,2006.

[2] 石井紀義, 武岡成人, 及川靖広, 山崎芳男,

“パラメトリックスピーカの高速 1bit 信号 処理による指向性制御,”日本音響学会春季研 究発表会講演論文集, pp.737-738, 2010.

[3] 根日屋英之,小川真紀,ユビキタス時代のア ンテナ設計―広帯域,マルチバンド,至近距 離通信のための最新技術―,東京電機大学出 版局,2005.

図-3 640Hz正弦波

再生時の波面の様子 左上:スピーカのみ 左下:共鳴管水平設置 右上:共鳴管斜め設置 mic1

mic2

mic3 mic4

mic1 mic3

mic2 mic4

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