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目次はじめに 1.AED の必要性 2. 救命経験者による実例 (1)AED で救命された人 (2)AED で救命した人 3. バイスタンダーによる素早い処置の重要性 4.AED の設置に関する無理解の解決策 (1) 大学における設置状況 1 AEDの設置の有無 2 AED の設置台数 3 AED

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(1)

ゼミ卒業論文

「AED 普及の現状と課題」

2009 年度 高千穂大学 商学部 商学科

ゼミナール名 長谷川万希子ゼミナール 学 籍 番 号 C06A042

氏 名 近藤 優

1

(2)

目次 はじめに

1.AED の必要性

2.救命経験者による実例

(1)AED で救命された人

(2)AED で救命した人

3.バイスタンダーによる素早い処置の重要性 4.AED の設置に関する無理解の解決策

(1)大学における設置状況 ① AED の設置の有無

② AED の設置台数

③ AED の設置場所

④ AED 設置場所の周知方法

⑤ AED を使用する事態の発生

⑥ AED を使用できる人数

⑦ 最適なタイミングで適切に AED を使用できる可能性

(2)商業施設における設置状況

① AED の設置の有無

② AED の設置台数

③ AED の設置場所

④ AED 設置場所の周知方法

⑤ AED を使用する事態の発生

⑥ AED を使用できる人数

⑦ 最適なタイミングで適切に AED を使用できる可能性 5.企業が提案する AED を用いた社会貢献

6.まとめ おわりに 引用資料・URL 参考資料・URL

2

(3)

はじめに

AED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし 血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、

正常なリズムに戻すための医療機器である。2004 年 7 月より医療従事者ではない一般市民でも 使用できるようになり、さまざま場所に設置されるようになった1)

AED に関連して、本研究の発端となったあるエピソードがある。ゼミナールのメンバー の一員の地元の町会で、催し中に年配女性が突然倒れたという出来事である。その時、「① 119 番通報する人」と「②心肺蘇生をできる人」がいて、「③AED」もあり、「④救急車」の 到着に結びつくまでの救命に必要な条件がそろっていた。しかし、その場に居合わせた人 が AED を使おうとした時に、救命に無理解な人達が「AED を使わずに、救急車を待て」と 強引に救命を妨害し、その女性の命は助からなかった。救命においては、上記①から④が 円滑に繋がらなければならない。

そこで、これらの救命の連鎖を繋ぐため、私たちのゼミナールでは救命を妨害する無理 解を取り除く研究を始めた。救命の無理解とは、1.AED に関する無理解、2.蘇生法に関す る無理解、3.通報に関する無理解の 3 つから形成される。その中でも、本論では AED に関 する無理解に着目し、身近な環境である大学と商業施設における AED の設置状況や、企業 が提案する AED を用いた社会貢献などについて論じていく。

3

(4)

1.AED の必要性

我が国における心臓疾患による死者は年間約 16 万人とされており、悪性新生物に次いで 死亡原因の第 2 位となっている(図 1)。

図 1:日本の死亡原因(第 1 位~第 3 位)

出典:厚生労働省「人口動態統計」(2004)

図 1 では、1995 年に心臓疾患はいったん減少したように見える。この年より新しい死亡 診断書(死体検案書)(1995 年1月施行)に移行し、「死亡の原因欄には、疾患の終末期の 状態としての心不全、呼吸不全等は書かないで下さい。」2)という注意書きが記載されるよ うになった。そのため統計上の数値では減少したのだが、実際には、年々増加を続けてい る。

この死亡数の高さをみると、心臓疾患で死亡する患者の救命率向上は国民的課題である ことが分かる。更に、AED による救命率向上の対象者には、事故・スポーツ・窒息などに よる心臓停止も含まれる。このような状況をみると、AED の普及率の向上が今後の心臓疾 患による死亡者数減少に貢献できる可能性は大きい。

2.救命経験者による実例

私は AED による救命の実態を調べる目的で、実際に AED で救命された人と救命した人の 合計 5 名に、東京と大阪で聞き取り調査を実施した。

(1)AED で救命された人

① ケース 1.A さん(当時 17 歳)

4

(5)

2007 年 4 月、高校野球の試合中、ピッチャーライナーが胸に直撃し、倒れた。その時、

偶然にも客席に救命士が居たため、周囲の人々の協力を得て救命措置を行うことができた。

また、試合会場となっていた高校には AED が設置されており、5 分程で取って来ることが できた。しかし周囲は騒然としパニック状態であったため、AED による救命措置を実行し たのは事故発生から 10 分以上が経過してからであった。その後も救急隊が到着するまで絶 えず心肺蘇生法を続けた結果、A さんは一命を取り止めた。

② ケース 2.B さん(当時 40 代)

2005 年 6 月、愛知万博に訪れた際、パビリオンへの移動中に突然倒れた。Bさんは特に 持病は無く、健康であった。しかし、普段から生活が不規則で、睡眠時間が 1 日 2 時間程 度の日々が 2~3 年も続いていた。そのような生活を送る中、このような事態が発生した。

万博の会場には各所に合計 100 台もの AED が設置してあり、医療体制も万全であった。そ のため、意識を消失してから 4 分後に AED が到着し、AED による救命措置が実施された。

その結果、事態発生 11 分後には意識が回復した。この他にも愛知万博において、期間中に 7 名が心肺停止となり、5 名に AED を適用、そのうち 4 名が蘇生に成功し、社会復帰を果た している。

③ ケース 3.Cさん(当時 33 歳)

2005 年 8 月、関西国際空港にて、国外出国手続きの待機中に突然倒れた。その際、偶然、

後列に医師が並んでいたため、迅速に救命措置ができた。また、関西国際空港の旅客ター ミナルには、当時 25 台もの AED が等間隔に設置されていたため、AED の運搬に時間を要さ なかった。その後、救急隊に引き継がれ、病院への搬送中に息を吹き返し、2 日後に意識 が回復した。

(2)AED で救命した人

① ケース 4.D さん(当時 24 歳)

2008 年 5 月、大阪大学のフットサルサークルの活動中に、1 年生の学生が胸でボールを トラップした際に、その衝撃で心室細動を起こして倒れた。最初はただの肉離れに見えた が、痙攣が始まり、次第に呼吸も無くなった。D さんはまず 119 番通報をし、心肺蘇生法 を知っていたため、チームメイトに指示をしながら AED の運搬と心肺蘇生法を周囲の人々

5

(6)

の協力を得て行った。指示が的確かつ迅速であった結果、救急車が到着する前に意識が回 復した。

② ケース 5.E さん(当時 70 代)

2007 年 3 月、東京都内の体育館にて、町内会の催し中に年配女性が突然倒れた。その際 に、119 番通報をし、心肺蘇生法をできる人もいて、AED も近くにあった。しかし、AED を 使用しようとすると、周囲の救命に無理解な人々が AED の安全性を否定し、「AED を使わず、

救急車を待て」と強引に救命を妨害し、女性の命を助けることができなかった。

これら 5 名のケースより、救命が成功した人の全てにおいて、「119 番通報」、「心肺蘇生」、

「AED」、「救急車」の連鎖が切れ目なくつながっていたことが確認された。

3.バイスタンダーによる素早い処置の重要性

上述の救命経験者の実例でも確認できたように、救命を成功させるためには、その場に 居合わせた人々が救急隊の到着までいかにスムーズに対処できるかが鍵をにぎると考えら れる。人が心臓停止で倒れると、1 分ごとに救命率が 10%ずつ低下する。たとえば、病人 発見から 119 番通報に 2 分、我が国の救急車の平均到着時間は 6~7分、救急隊到着から 蘇生開始まで 1 分かかると、救命率は 0%に近くなってしまう(図 2)。

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

%)

時間(分)

図 2:心停止から除細動までの時間と生存率

出典:「Guidelines 2000 for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care」

6

(7)

前述の E さんが女性の命を救うことができなかった原因は、「119 番通報」、「心肺蘇生」、

ここで一般の人が AED を用いて救命することの意義を確認しておく。我が国 で

D の設置に関する無理解の解決策

目にするようになった。その中でも、私は自身に

、日経MJ業種別売上 高

1)大学における設置状況

東圏域の国公立・私立の大学全数 231 校を対象に電話及び AED」と条件が整っていたにも関わらず、AED に対しての無理解が生じたため、AED の使 用ができなかったことにより、万全の状態で救急隊に患者が渡らなかったことにある。

AED への無理解は大きく 2 種類に分けられる。AED の設置に関する無理解と、AED の使い 方に関する無理解である。その中で、今回は AED の設置に関する無理解について追って論 じていく。

ところで、

は、全国で 1 年間に 18,000 人以上の心臓停止が目撃されている。これら全ての人が AED 装着の対象者と考えてよい。しかし、そのうち AED を使わなかった例が 99.2%で、その救 命率は 8.3%である。一方、AED を使った例はわずか 0.8%であったことに対して、使用し た場合の救命率は 32.1%で、AED を使用しない場合の 3.7 倍も効果が高いことが分かる。

救命の分野では、「救命できる一般の人」は「バイスタンダー」と呼ばれ、バイスタンダー が AED で救命する効果の高さは明らかである。

4.AE

最近、街中のさまざまな場所で AED を

身近な環境である大学と、AED を優先的に設置する必要があると言われている不特定多数 の人が集まる商業施設において、AED 設置状況調査を実施した。

大学は、関東圏域の国公立・私立の大学全数 231 校、商業施設は

ランキングから関東圏域にしぼり、売り上げ上位からデパート 17 社、スーパーマーケッ ト 48 社、合計 65 社を対象とした。

大学への設置状況調査は、関

FAX にて調査を行った。回収数は 193 校で回収率は 83.5%であった。調査の目的は、数多 くの学生を抱える大学のキャンパスにおいて、規模相応の AED が設置されているか、学生、

教職員のどの程度の割合が AED の使用法を含めた心肺蘇生法を認知しているか、を明らか にするものであった。

7

(8)

① AED の設置の有無

無を確

設置をしてい 設置をしてい まず、AED の設置の有

認したところ、回答 193 校中、

「設置している」と回答した大 学は 177 校で、全体の 91.7%で あった(図 3)。

多くの大学では

177 校で、全体の 91.7%で あった(図 3)。

多くの大学では

たのだが、まだ全ての大学に普 及しておらず、関東圏だけでも 16 校もの大学が設置をしてい

複数回答していた。理由を聞い たところ、「病院には設置しているが、大学敷地内には設置していない」という回答を受け た。病院が隣接しているとはいえ、医療系の大学において AED が設置されていないために 救命が遅れてしまう可能性を否めないことに驚きを感じた。この他、設置していないと回 答した大学の理由は、「創立して間もないために設備が整っていない」という回答や「通信 制の大学のために設置していない」といった回答であった。また今はまだ設置していなく ても、設置予定があるという回答も複数得られた。

たのだが、まだ全ての大学に普 及しておらず、関東圏だけでも 16 校もの大学が設置をしてい

複数回答していた。理由を聞い たところ、「病院には設置しているが、大学敷地内には設置していない」という回答を受け た。病院が隣接しているとはいえ、医療系の大学において AED が設置されていないために 救命が遅れてしまう可能性を否めないことに驚きを感じた。この他、設置していないと回 答した大学の理由は、「創立して間もないために設備が整っていない」という回答や「通信 制の大学のために設置していない」といった回答であった。また今はまだ設置していなく ても、設置予定があるという回答も複数得られた。

なかった。これら 16 校の中には、意外にも医療系の大学が

② AED の設置台数

ていると

模 るため、AED を設置しているからといって台数は十分に足り なかった。これら 16 校の中には、意外にも医療系の大学が

② AED の設置台数

ていると

模 るため、AED を設置しているからといって台数は十分に足り

また、AED を設置し また、AED を設置し

回答した 177 校に対して、設置 台数の調査を実施したところ、

「1 台」が 42 校で全体の 23.7%、

「2 台」が 46 校で 26%、「3 台」

が 27 校で 15.3%、「4 台」が 13 校で 7.3%、「5 台以上」が 49 校で 27.7%であった(図 4)。

大学によってキャンパスの規 回答した 177 校に対して、設置 台数の調査を実施したところ、

「1 台」が 42 校で全体の 23.7%、

「2 台」が 46 校で 26%、「3 台」

が 27 校で 15.3%、「4 台」が 13 校で 7.3%、「5 台以上」が 49 校で 27.7%であった(図 4)。

大学によってキャンパスの規 や学生・教職員の人数は異な ているとは限らない。たとえ ば、数台設置していたとしても敷地面積が広大である場合、設置場所によっては運搬に時

や学生・教職員の人数は異な ているとは限らない。たとえ ば、数台設置していたとしても敷地面積が広大である場合、設置場所によっては運搬に時

91.7%

8.3%

有 無

23.7%

26.0%

15.3%

7.3%

27.7%

1台 2台 3台 4台 5台以上

図 3:大学における AED の設置の有無 n=193

図 4:大学における AED の設置台数 n=177

8

(9)

間を要するため、設置台数は充分とは言えない。また、少数台しか設置していない場合で も、移動が容易な小規模のキャンパスであれば効果的に役割を果たすことができる。AED の理想的な設置は、往復 2 分以内で AED の運搬が可能であり、その後 1 分以内にショック 実施が可能な範囲での設置である。つまり患者が倒れてから 3 分以内に AED によるショッ クが行える範囲に必ず AED があるという条件が望まれる。そのため、多くの大学では今後 設置台数を再検討し増設すべきであることがわかった。

③ AED の設置場所

AED の設置台数も重要であるが、その AED がキャンパス内のどのような場所に設置して

多くの大学では、「運動施設」や「校舎内」、「事務棟」や「保健室」といった回答が得

に設置してあることが理想ではあるが、場合によって は時間帯により使用できないことがある。考えられるケースは、放課後に部活動で使用す あるかによって、救命率に大きく影響を与える。そこで、AED を設置している 177 校に対 し、設置場所の調査を複数回答で実施した。

4 10 1

2 8 8

12 15

27

36

53 53

67 7

ら れた(図 5)。このように AED の設置場所を調査する中で、ある課題が浮上した。それは、

AED を使用可能な時間帯である。

AED はいつでも誰でも使える環境

べき状況になった場合、夕方以降であると、校舎や保健室は施錠されて使用できないこと が考えられる。特に大学においては、多くの学生が夕方から部活動やサークル活動に励ん でいる。運動を行うと心臓に負担がかかるため、心室細動を起こすリスクが高まる。せっ かく大学で AED を設置したにも関わらず、もしもの場面に使用できないことがあれば、宝

1

0 10 20 30 40 50 60 70 80

未回答 その他 スクールバス 自販機とセット 学生寮 食堂 学生ホール 図書館 校門付近 守衛室 保健室 事務棟 校舎内 運動施設

数回答) n=177

(校) 図 5:大学における AED の設置場所(複

9

(10)

の持ち腐れとなってしまう。一人でも多くの命を救うために、保健室など閉鎖的な場所に 設置するより、いつでも誰でも簡単に持ち出して使用できる開放的な場所に設置している 方が、少しでも早く運搬できるために効果的である。

しかし、開放的な場所

④ AED 設置場所の周知方法 を に設置するにも課題があ る。それは管理面の問題 である。AED は精密機器 のため、購入すると 1 台 数十万円ほどの高価なも のである。よって、開放 的な場所に設置している と、誰でも持ち出しやす い反面、盗難の恐れがあ る。盗難防止のために、

(写真 1)。ボックスには盗難防止のため、扉を開けた際に、アラーム音が鳴り響くように なっている。そのため、盗難防止と兼ねて、周囲の人々に異変を知らせることもできる。

このように、AED の設置場所を考慮しつつ、緊急時に必ず使用できるように設置や管理も 万全にしなくてはならない。

写真 1:AED 専用ボックス

AED 販売業者では、AED 設置の際に保管用のボックスもセットで設置するように促している

ところで、AED の設置場所 認知させるために、AED がどこ に設置されているか知らせる必 要がある。具体的には、ステッ カー等の案内が必要となる。そ こで AED の設置場所の案内表示 があるか質問したその結果、AED 設置 177 校中、76.8%の 136 校で 設置場所が分かるような工夫が されていた(図 6)。

76.8%

18.6%

4.5%

表示している 表示していない 未回答

図 6:大学における設置案内の表示 n=177

10

(11)

さらに、案内表示をしている 136 校に対して、どのような案内表示をしているか、複数

案内表示のほとんどが「ステッカー」による表示であり、他にも「専用ボックス」や

ントに対して設置方法のアドバイスを 必

回答で質問をした。

3 3

14 15

32

109

0 30 60 90 120

未回答 学外への設置アプローチ ポスター 校内連絡 専用ボックス ステッカー

図 7:大学における AED の案内表示の詳細(複

「校 内連絡」、「ポスター」などの回答を得た(図 7)。

AED を設置するにあたり、AED 販売企業はクライア

ず行っている。その一つとして AED を設置していることをアピールするステッカーを AED 購入者に対して無料で配布している(写真 2)。この他にも、安全に設置する目的も兼ね、

先に述べた専用ボックスとの同時購入を促進させたりしている。AED 販売企業は AED を販 売するだけでなく、購 入後のアドバイスやア フターサービスを徹底 し、救命率向上に貢献 している。しかし、こ れらアドバイスを AED 販売企業が行っても、

案内表示をしない大学 が多数ある。AED を設 置していても、案内表 示をしていないと、AED 数回答)

n=136

写 2:設置案内ステッカー

(校)

11

(12)

を使用すべき事態が発生した際に、設置場所が認知されず、救命率が低下してしまう。し たがって AED の設置と同時に案内表示も認知されるようにアピールをしなくてはならない。

⑤ AED を使用する事態の発生

の 9 校 次に AED 設置 177 校に対して、

今まで AED を使用する事態が発 生したかを質問した。

その結果、全体の 5.1%

において AED を使用する事態が 発生していた(図 8)。AED が使 用された状況はさまざまであっ たが、すべてのケースにおいて、

救急隊が到着するまで救命の連 の 5%程に過ぎないかもしれない。

しかし、スポーツなどを行うことにより、発生のリスクが増大する。いざという時のため にも AED を備えることが重要である。例えば、消火器が良い例である。多くの人々が、普 段は使用しなくても、火事が起きた時のために備えている。AED も同様で、もしもの時の 保険として備えることで、命を救うことができる。

⑥ AED を使用できる人数

5.1%

91.0%

4.0%

有 無 未回答

図 8:大学における AED を使用する事態の発

鎖を繋いでいた。大学において AED を使用する事態は全体

ところで AED が設置してあったとしても、使用できる人がいなくては意味がない。そこ で AED 設置 177 校に対して、AED の使用法を含めた救命講習を受講した人数(教職員・学 生数)を調べた。なお、177 校中、32 校が「把握していない」、22 校が「未回答」であっ たため、有効回答数は 123 校であった(図 9)。

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

受 講 者 数

在籍学生数 4000

図 9:大学における AED を含めた救命講習受講者数(対在籍学生数)

n=123

(人) (人)

n=177

12

(13)

図 9 は大学における AED の使用法を含めた救命受講者数である。在籍学生数に対してど れほどの 者がいるのかを分布させたものである。本来、在籍学生数が多いほど して受講者数も増加しなくてはならない。ここで示す受講者とは、教員、職員、学生全て を合わせた受講者数となっている。今回の調査において、図 9 のような分布図になったが、

これはあくまで各大学が把握していると回答した受講者数である。例えば、自動車等の運 転免許を取得する際、最近では応急手当のカリキュラムに AED の使用法が含まれるように なった。他にも消防署や病院等で講習会を受けるなど、大学外で AED の使用法を習得した ケースも予測されるため、大学からの回答よりも、実際に使用できる人数は多いことも考

このグラフは、平均値が 185.6 人、最大値が 2415.5 人、最小値が 0.8 人、最頻値が 10.4 人、中央値が 27.3 人である。全体の半数以上の大学が、1,000 人当たりの受講者数が 30 人以下であった。つまり、大学内で AED を使用できる人の割合が 3%に満たない大学が半数 以上ということである。一般的に 1,000 人中、20%である 200 人が救命講習を受講している と、的確に救命率が向上すると言われている。今回の調査結果から、ほとんどの大学にお いて受講者が不足していると言える。また、グラフ中の 1,000 人以上と回答した大学は、

受講 、比例

えられる。逆に講習を受講しただけでは実際の救命を行えない人もいると考えられるため、

これらの点を考慮すべき必要がある。また「把握していない」と回答した大学が 32 校ある ため、実際には図 9 より多くの受講者がいると考えられる。

受講者数の回答を得られた 123 校を対象に、在籍学生 1,000 人当たりの受講者数を図 10 に示した。

0 5 10 20 30 35

15 大 25 数

在籍学生1,000人当たりの受講者数 学

(人) (校)

図 10:在籍学生 1,000 人当たりの AED を含めた救命講習受講者数

n=123

13

(14)

14

ほとんどの教職員・学生が講習を受けたことがあると回答した大学である。このように、

救命講習を 底している大学と、担当職員しか使用できない大学との救命の可能性 が顕著である。

⑦ 最適なタイミングで適切に AED を使用できる可能性

これまで大学における AED の設置の有無、台数、設置環境や AED を使用できる人の人数 について調査を実施してきた。最後にこれらの結果をもとに、AED が必要な事態が発生し た際、最適なタイミングで適切に AED が使用されるかを質問した。

今までと同様に AED 設置 177 校に対し 問したところ、「はい」

101 校(57.1%)、「いい

人が学内にいる」や「AED が使用方法をアナウンスするから大丈夫」とい

、「受講者数が少ないため、自信

に っ て

徹 の格差

て質

え」21 校(11.9%)、「そ の他」43 校(24.3%)、

「未回答」12 校(6.8%)

であった(図 11)。

同時にそれぞれ理由 も聞いてみた。「はい」

と回答した大学では、

「受講者が多く、常に AED を使用できる

った理由が大半であった。「いいえ」と回答した大学では

がない」や「キャンパスの規模に見合った台数が設置されていない」などの理由であった。

いるが、実際に発生し

を使用できる人が十分 AED を使用することが た場合、救えるはずの の認識の甘さであると そして「その他」の理由は、「もしものときに備えて講習を実施し

た場合に対応できるかわからない」という回答が多かった。

これらの理由から、各大学の救命を要する事態に対する姿勢の違いが見られた。適切な タイミングで AED を使用することが可能と回答した大学でも、AED

とは言い切れない状況が見受けられる(表 1)。救命を要する事態 できるとしているとしても、実際に使用できる人が現場にいなか 命を救うことができなくなってしまう。これは、危機管理に対し

考えられる。それに対して、ほとんどの教職員・学生が受講していても、実際に発生した 57.1%

11.9%

24.3%

6.8%

はい いいえ その他 未回答

図 11:大学における AED がタイミングよく使用される可能性 n=177

(15)

らわからないと回答している大学もある。認識の甘さが、図 11 のグラフのような結果にな ったと考えられる。

確認したところ、デパートにおいては回答された 15 社すべてにおい AED が設置されていた。一方、スーパーマーケットでは 45 社中 10 社(22.2%)しか設

(2)商業施設における設置状況

AED がタイミングよく使用される可能性

はい いいえ その他 未回答 計(校)

0~10 人 12 5 10 2 29 11~20 人 11 5 4 0 20 21~30 人 10 0 6 0 16

31~40 人 8 0 2 0 10

41~50 人 3 3 3 0 9

51~100 人 5 3 2 0 10

101~200 人 7 0 1 0 8

201~500 人 5 0 0 0 5

501~800 人 3 0 1 0 4

801~999 人 1 0 0 0 1

1000 人~ 11 0 0 0 11

把握していない 16 3 7 5 31

未回答 9 2 7 5 23

計(校) 101 21 43 12 177 表 1:受講者数と救命可能の関係性

在籍学生千人当たりのAEDを含めた救命講習受講者数

商業施設への設置状況調査は、日経MJ業種別売上高ランキングから関東圏域にしぼり、

売り上げ上位からデパート 17 社、スーパーマーケット 48 社、合計 65 社を対象とした。対 象企業に、電話及び FAX にて調査を行った結果、回収数(回収率)は、デパート 15 社(88.2%)、

スーパーマーケット 45 社(93.8%)であった。調査の目的は、大学調査と同様に、不特定 多数の人々が訪れる商業施設において、規模相応の AED 設置がされているのかと、従業員 における AED の使用法を含めた心肺蘇生法の認知度を明らかにすることが目的である。

① AED の設置の有無 AED の設置の有無を て

15

(16)

置されていなかった(図 12)。

デ は 2 や敷 傾向

パートにおい で AED 置してい 。一方、 ーパーマ ケット て 割程度の店舗でしか設置されていなかった。スーパーマーケットは店舗によって規模 地面積は大小さ はあるが 設置して る店舗は 大規模の ェーン い が見られ 面の基盤が整 れてい ェーン 、本部 の指 し ていると推測できる。

AED の設置台数

社、スーパーマーケット 10 社に対して、一店舗あたり

ては、全店 を設 た ス ー におい

まざまで 、 い 、 チ 店に多

た。営業 備さ るチ 店は から 導が徹底

AED を設置しているデパート 15 の設置台数を調べた(図 13)。

図 12:商業施設における AED の設置の有無

スーパーマーケット

n 5 = 5 デパート

=1 n 4

22.2%

77.8%

有 無

100%

デパート スーパーマーケット

図 13:商業施設における一店舗あたりの AED の設置台数

n=15 n=10

1 台 2 台

0.0% 20.0%

26.7%

20.0%

33.3% 100%

3 台 4 台 5 台以上

16

(17)

デパートにおける一店舗当たりの設置台数は、「1 台」4 社(26.7%)、「2 台」5 社(33.3%)、

「3 台」3 社(20%) 社、「5 台以上」3 社(20%)であった。先に述べたとおり、

AED の理想的な設置は、往復 2 分以 の運搬が可能な場所である。店舗の規模によ って設置台数が異なっているが、どの店舗も立地場所や規模に見合った台数を設置してい るとの回答を得た。

スーパーマーケットにおいては 10 社全てが「1 台」と回答した。スーパーマーケットは 食料品や日用品を中心に販売しているため、デパートのようにさまざまな専門品を多く取 り扱わない。特に今回調査を行ったスーパーマーケットは、食品スーパーマーケットが主 であった。そのため、店舗の規模は 1 フロアや 2 フロアといった低層階で展開している。1 台しか設置していなくても、低層階であったら、往復 2 分以内の AED 運搬が可能である。

多いため、大学以上に AED を使用する事態が発生しやすいと考え ED を使用しやすいように、設置場所にも注意をしなくてはならない。

14)。

、「4 台」0

内で AED

また、駅に隣接して展開している鉄道系列のスーパーマーケットでは、店舗に設置してい る AED に加え、駅に設置されている AED も使用可能な状態であるといった回答も得た。

③ AED の設置場所

商業施設は大学以上に不特定多数の人々が来店する。しかも大学と比較して、年齢層が さまざまで中・高齢者も

られる。そのため、A

そこで、AED を設置しているデパート 15 社、スーパーマーケット 10 社に対し、設置場所 の調査を複数回答で実施した(図

1

4 1

4 1

3 0

0 1

2 3

4

6 7

0 1 2 3 4 5 6 7 8

柱まわり レジ お客様が分かる場所 インフォメーションカウンター 事務室 従業員専用部屋 出入り口 防災センター 保安室

デパート スーパーマーケット

図 14:商業施設における AED の設置場所(複数回答)

デ ー n=10

(件) パートn=15,スーパ

17

(18)

デパートにおいては、「防災センター、保安室」という回答を多く得た。防災センターは、

その建物の防犯や火災等の緊急時に対応をする部署である。そのため、防犯センターに AED を完備している企業が多い。「事務室、従業員専用部屋」への設置も同じような理由であっ た。また、大勢の人々の目に入る「出入り口」や「インフォメーションカウンター」にも 多く設置してあった。そして、複数台設置しているデパートのほとんどが、「防犯センター、

能するよう設置されていると考えられる。

るだろう。たとえば、出入り口に設置してある AED を店舗の外へ設置することで、店舗利用者以外でもいつでも使用することが可能であ る。その場合、もちろん防犯対策が十分に行われていることが前提 。このよ AED を企業の備品として扱うのではなく、地域で共有し、いつでも誰でも簡単に使用でき るように工夫することが今後の課題の一つと考えられる。

④ AED 設置場所の周知方法

次に、大学設置状況調査と同様に、商業施設においてもステッカー等の案内表示がある か質問をした。その結果、デパート 15 社中 13 社(86.7%)、スーパーマーケット 10 社中 7 社(70%)で設置場所が分かるような工夫がされていた(図 15)。デパートにおいて案内 表示をしていない 2 社は、いずれも設置場所が防災センター等の顧客の手に触れることの ない場所に設置してあるため、案内表示がされていなかった。

保安室」などの従業員がすぐに運搬できる場所と、「出入り口」など人目に付く場所の両方 に設置を行い、迅速に対応できるよう考慮していた。

一方、スーパーマーケットでは、大規模な店舗でない限り、防災センターなどの施設は 設置しておらず、「事務室、従業員専用部屋」等でその機能を兼ねている。従業員のほとん どは店頭で労働しているため、事務室やバックヤードに常時、従業員がいるとは限らない。

よって、店舗の奥ではなく、従業員や顧客の目に付きやすく、迅速に運搬が可能な「イン フォメーションカウンター」や「レジ」、「出入り口」などに設置していた。AED 設置台数 は少ないが、十分機

しかし、商業施設においても AED が使用できない可能性がある。それは、営業時間であ る。インフォメーションカウンターや出入り口といった目につきやすい場所に設置してい ても、営業時間外であれば、シャッターが閉まってしまい、中に入ることができない。商 業施設は地域に密着して社会貢献を行っている。そのため、顧客以外にも地域において AED が使用できるようにするという考え方もあ

である うに、

18

(19)

さらに、案内表示をしているデパート 13 社、スーパーマーケット 7 社に対して、どのよ うな案内表示をしているか、複数回答で質問をした(図 16)。

案内表示の詳細は「ステッカー」による表示と、「専用ボックス」による設置という回答 であった。ステッカーによる表示は、大学と同様に多くのデパート、スーパーマーケット において使用されていた。ステッカーのみの案内表示の店舗では、インフォメーションカ ウンター等の従業員の手元で管理されており、声をかければ持ち出せるようになっている。

また、出入り口付近に AED を設置している店舗から専用ボックスを利用しているとの回答 を得た。

⑤ AED を使用する事態の発生

さらに、これら不特定多数の人々が来店する商業施設において、今まで AED を使用する 事態が発生したかを質問した。

2

9

0 2 4 6 8 10

専用ボックス

ステッカー 7

6

デパート スーパーマーケット

70.0%

30.0%

表示している 表示していない

86.7%

13.3%

n=10 n=15

図 15:商業施設における AED の案内表示の有無 スーパーマーケット デパート

図 16:商業施設における AED の案内表示の詳細(複数回答)

デパートn=13,スーパー n=7

( ) 件

19

(20)

10%

90%

13.3%

86.7%

有 無

パート・スーパーマーケ その結果、デパート 2 社(13.3%)、スーパーマーケット 1 社(10%)において AED を使用 する事態が発生していた(図 17)。大学と同様に、発生件数はデ

ット合計 25 社中 3 社という少数に過ぎない。しかし、先にも述べたように、商業施設には 不特定多数の人々が来店し、年齢層がさまざまで中・高齢者も多いため、大学以上に AED を使用する事態が発生しやすいと考えられる。そのため、AED の設置と使用について軽視 はできない。AED の効果を、今一度確認することが重要であろう。

⑥ AED を使用できる人数

不特定多数の人々が訪れる商業施設において、AED を使用する事態が発生した際、救急 隊が到着するまで、適切な処置を行わなくてはならない。そこで、一店舗当たりの A 使用法を含めた救命講習を受講した人数を、AED 設置のデパート 15 社、スーパーマーケッ

ED の

ト 10 社を対象に調べた。なお、デパート 15 社中、8 社が「把握していない」という回答 であったため、有効回答数は 8 社であった(図 18)。

0

1~10 1

11~50 51~100 101~

2 3 4 5 6 7

デパート スーパーマーケット

図 1

デ スー

n

(人) 7:商業施設における AED を使用する事態の発生

パート パーマーケット

n=15 =10

図 18:商業施設における一店舗当たりの AED を含めた救命講習受講者

(件) デパートn=8,スーパー n=10

20

(21)

デパートでは、多 と回答した 8 社も全て定期的に講習会を実施していたり、消防署等で講習会を受講させるような指導を していた。

スーパーマーケットにおいては、デパートと比較して受講者が総じて少数であった。し かし、少数ではありながらも、正社員は研修で救命講習を受講している企業が多くあった ため、営業時には必ず AED を使用できる従業員がいる体制が整っている場合が多いことが わかった。

⑦ 最適なタイミングで適切に AED を使用できる可能性

最後に、商業施設において AED が必要な事態が発生した際、最適なタイミングで適切に AED が使用されるかを質問した。

最後に、商業施設において AED が必要な事態が発生した際、最適なタイミングで適切に AED が使用されるかを質問した。

くの従業員が受講していた。また、「把握していない」

図 19:商業施設における AED がタイミングよく使用される可能性

デパート スーパーマーケット

デパート 15 社中、「はい」13 社(86.7%)、「いいえ」0 社、「その他」2 社(13.3%)、

スーパーマーケットにおいては 10 社中、「はい 社(

デパート 15 社中、「はい」13 社(86.7%)、「いいえ」0 社、「その他」2 社(13.3%)、

スーパーマーケットにおいては 10 社中、「はい 社(

結果は、

」4 40%)、「いいえ」0 社、「その他」6 社(60%)

同時にそれぞれ理由も聞いてみた。デパート・スーパーマーケットともに「はい」と回 答した理由は、「AED を使用できる人が多くいて、定期的に訓練も実施している」という回 答が多く得られた。また、「その他」の理由は、「いざという時にならないと、わからない」

という回答であった。

デパートにおいては、AED の設置環境・受講者数に関して徹底しているため、救命を要 する事態に備えて、定期的に訓練している結果、多くのデパートで自信を持って AE

結果は、

」4 40%)、「いいえ」0 社、「その他」6 社(60%)

同時にそれぞれ理由も聞いてみた。デパート・スーパーマーケットともに「はい」と回 答した理由は、「AED を使用できる人が多くいて、定期的に訓練も実施している」という回 答が多く得られた。また、「その他」の理由は、「いざという時にならないと、わからない」

という回答であった。

デパートにおいては、AED の設置環境・受講者数に関して徹底しているため、救命を要 する事態に備えて、定期的に訓練している結果、多くのデパートで自信を持って AE

であった(図 19)。

であった(図 19)。

D をタ D をタ 86.7%

0% 13.3%

はい いいえ その他

40%

60%

n=15 n=10

0%

21

(22)

イミング良く使用できると回答したと考えられる。

スーパーマーケットでは、半数以上の企業がわからないと回答している。講習会は定期 的に実施していても、AED の設置台数や受講者数はデパートと比較すると、概して少ない。

不特定多数の人が集まる商業施設における AED 会貢献を行 を用いた社会貢献について論じていく。

AED の販売を行っている。AED 販売企業であるため、AED の講習会など普及のためにさまざまな 活動を行っている。その一つが、ネーミングライツの取得である。

2005 年 10 月、フクダ電子ではジェフユナイテッド市原・千葉のホームスタジアムとな る「千葉市蘇我球技場」のネーミングライツを取得し、「フクダ電子アリーナ」とした(写

真 3)。スタジアム内には、

フクダ電子が提供する AED

台設置されている。「世界一

スポーツ選手、スタッフの この点に関して、コスト等の問題も関係するため、早急な改善は必ずしも容易ではないか もしれないが、社会に対する責任の大きさは軽視できない。したがってデパートと同様に スーパーマーケットにおいても、顧客が安心して買い物できるために改めて安全管理の面 で見直しが必要であろう。

大学と、

設置状況調査

っている。本章では、企業が実施している AED

(1)ケース 1.フクダ電子株式会社

フクダ電子株式会社は、医療機器を製造販売する企業であり、フィリップス社製の 5.企業が提案する AED を用いた社会貢献

前章において、身近な環境である

の結果を示した。この他にも企業は AED を用いて、さまざまな社

がコンコースに 6 台、その 他のスペースに 5 台の計 11

安全な球技場を目指して」

をモットーに、安心できる 施設環境の提供と、来場者、

健康管理・維持を医療機器 メーカーとしての強みを生かしてサポートしている。またフクダ電子アリーナを使用して、

写真 3:フクダ電子アリーナ

22

(23)

定期的に AED の講習会も実施している。試合開催時に数万人の観客が集まる施設を、AED

取り組みは、タクシーの乗務員全員が AED である。また、タクシーのダッシュボード ている。顧客の目に見える証書を提示して

という企画を実施し

も一緒に寄贈

真 4)。AED は精密機器のため、決して安 い機器でない。しかし、大手飲料メーカ ーの自動販売

の設置費や維持費は健正社が負担すると いうことである。設置者は、自動販売機 を設置するこ

置ができるた

できる。この方法であれば、我々の生活 に身近な場所に設置が可能なため、救命効果の向上が期待でき

販売メーカーが運営することによって、安全を提供し、社会に貢献している。

(2)ケース 2.国際自動車株式会社

国際自動車株式会社は、都内を中心に展開しているタクシー会社である。タクシー事業 を通じて社会のニーズに応え、価値あるサービスを提供し、豊かな社会づくりに努めるこ とを理念としている。国際自動車が行っている

使用法を含めた救命講習を受講していること し の

の上には、救命講習を受講した修了証を提示

いるため、顧客は安心して乗車することができる。このようにタクシーによる送迎に、安 心といった付加価値を加えることで、企業のイメージを向上させるとともに、社会に貢献 をしている。

(3)ケース 3.株式会社 健正社

株式会社 健正社は、全国の医療機関と人々を結ぶ医療情報ネットワークを提供する企業 である。この健正社では、「AED 寄贈!元 気プロジェクト!」

ている。このプロジェクトは、健正社を 通じて飲料自動販売機を設置すると、AED するということである(写

機を設置するだけで、AED

とにより、AED も同時に設 め、社会に貢献することが

る。

写真 4:AED 搭載自動販売機

23

(24)

これらのケースはほんの一例ではあるが、さまざまな企業が AED を用いた社会貢献をし ている。

6.まとめ

街の中のさまざまな場所で AED を目にするようになった。その AED に関して、今回は身 近な環境である大学と商業施設における AED の設置状況調査を実施した。

大学においては、9 割以上の大学で AED を設置していたものの、多くの大学では設置台 数が不足している。また、AED の使用法を含めた救命講習受講者数も、全体的に十分とは 言い切れない状況であり、効果的な救命処置が行われ難い状況が明らかになった。しかし、

半数以上の大学では、AED が必要な事態が発生した際に、最適なタイミングで適切に AED が使用できると回答していたため、危機管理に対しての認識の甘さがあると考えられる。

商業施設については、デパートでは全企業で設置していたものの、スーパーマーケット は 2 割程度の企業でしか設置されていなかった。このことから、デパートでは、救命を るといえよう。規模が大きいため、デパートは世間に

の結果、社会的な取り組みの一つとして AED が設 ーパーマーケットにおいては、現状では AED の設置 早急な改善は必ずしも容易ではないかもしれない れば、改めて安全管理の面で見直しが必要である 私たちの身近である大学や商業施設では、AED は が多くある。普及とともに、いつでも誰でも簡単 案し、安心できる世の中になることを願い、まと で

要する事態に対する備えが整ってい

与える影響が大きい。そのため、社会に対する責任も十分に果たさなくてはならない。そ 置されるに至ったのであろう。また、ス 企業は少なく、コスト等の問題により、

。しかし、地域への貢献を考えるのであ

普及されているものの、まだまだ課題 に AED を使える環境づくりを私たちが提 めとする。

24

(25)

おわりに

本研究を通して、多くの大学や商業施設で AED が設置されていることがわかったが、今 よりいっそう普及すると考えられる。現在、AED が設置してあっても適切に効果的に使

今後の課題である。先にも述べたが、AED が設置してあっても、時間帯によ

で容易ではな 後

用できるかが

って使用できない場合がある。大学の保健室に設置してある AED や、商業施設の店内の AED は、それぞれ一定の時間になると使用できなくなってしまう。防犯等の問題

いが、設置場所を地域住民等も使用できるところに移動させることが望ましい。一人でも 多くの命を救うために、設置台数や設置場所の見直しが必要不可欠である。

ところで、本論文で述べた以外にも、筆者は AED の普及に関する調査や講習会を行って きた。その際にわかった結果やノウハウ等を、今後も AED の普及に向けて、積極的に役立 てていきたいと考えている。

最後に、本論作成にあたって、お世話になった方々へ謝意を表したい。御指導いただい た長谷川万希子教授、ならびに調査にご協力いただいた皆様に、あらためて厚く御礼申し 上げたい。

25

(26)

26 URL

006.12

lba-pharmacy.co.jp/news/kiji/2005_08/0815_02.htm 株式会社 三越 企業理念

tp://www.mitsukoshi.co.jp/corp/rinen.html J.フロント リテイリング株式会社 グループ理念

tp://www.j-front-retailing.com/company/philosophy.html 株式会社 髙島屋

tp://www.takashimaya.co.jp/corp/info/rinen/index.html フクダ電子株式会社

tp://www.fukuda.co.jp/company/arena.html フクダ電子アリーナ

tp://www.sogastadium.com/

国際自動車株式会社

tp://www.km-group.jp/company/index.html

)株式会社 健正社

tp://byoinad.co.jp/kaisya.html

)AED 寄贈!キャンペーン!

tp://aedkizo.com/

引用資料・

1)日本光電:AED(自動体外式除細動器)とは http://www.nihonkohden.co.jp/aed/

2)死亡診断書記入マニュアル

http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/dl/manual.pdf 参考資料

1)『応急手当普及員講習テキスト』(2005 年版ガイドライン対応),p.3,(財)東京救急協会,2 参考 URL

1)死因年次推移分類別にみた性別死亡数の年次推移

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii03/deth11.html 2)関西国際空港

http://www.kansai-airport.or.jp/service/safe/index.html 3)心肺停止の男性を救命 関空でAED、初成功

http://www.a 4)

ht 5)

ht 6)

ht 7)

ht 8)

ht 9)

ht 10 ht 11 ht

参照

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