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消費行動の比較と異文化理解: 日本と韓国の大学生 を中心に

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

消費行動の比較と異文化理解: 日本と韓国の大学生 を中心に

曺, 美庚

九州大学大学院言語文化研究院言語環境学部門 : 准教授

李, 建

http://hdl.handle.net/2324/6103

出版情報:京都学園大学経営学部論集. 16 (1), pp.1-26, 2006-07. 京都学園大学経営学部学会 バージョン:

権利関係:

(2)

T HEi く YOTOGAI く UENUNI V ER SrrY REVI EW FACUL TYOFBUSI NESSAD M I NI STRATI ON

Vo i .1 6

,

No.1 J ul y2006

消 費 衝

動 の比較 と異

文 化 理 解

‑ 日本 と韓国

大学生 を中心 に‑

美 庚

京都学園大

学経営学部論集 抜刷

ユ 6

巻 第1号

2 0 06

7月

(3)

(京都学園大学経営学部論集 第16巻第/号 2006年7月 1頁〜26頁)

論 文

1

消費行動の比較と異文化理解

日本と韓国の大学生を中心に

蕾李 美 庚

   建

 要約 本稿は,消費行動に反映されている文化的側面を把握することによっ て,異文化理解を促進することを狙いとしている。消費行動には文化的な側面 が大いに反映されていると考えられるからである。そこで,臼田と韓国の大学 生を対象に,両国において同時期に質閥票調査を実施した。調査結果の日韓比 較においては,一品詞の男女間の差と臼韓の差を明確に区別すべく,男女の聞 で有意差が認められる項目については,腰試比較の際にも男女を分けて分析し ている。その結,果,高いインターネット依存度が消費行動を変えつつある韓国 の現状や,日本の消費者のモノに対するこだわり,照本的特徴としての行列,

儒教的影響の残る韓国のギフト意識 日韓のギフト意識の微妙なずれ,そして 商品選択時に周囲の目を強く意識する韓国の消費行動などを確認することがで

きた。

キーワード 大学生,消費行動,異文化理解,日韓比較

1 はじめに

 情報技術や交通手段の発達と企業活動のグローバル化に伴い,異文化コミュ ニケーションの重要性は益々高まってきている。地理的に隣接している日本と 韓国は,文化的にも非常に近いと言われている。しかしながら,そのことが逆 に両国間のコミュニケーションにおいて誤解を招く要因ともなっている(曹

[200!D。お互いに全く異なる文化であれば,そのような前提の下で異文化コ

(4)

ミュニケーションが図られるが,似通った文化同士では,どこまでが同質的で どこからが異質的かの線引きが難しいのである。

 本稿は,韓国の大学生の消費行動を分析し,日本の大学生のそれと比較する ことによって,異文化の理解を促進することを目的としている。消費行動には 文化的な側面が大いに反映されていると考えられるからである。このような目 的のために,日本と韓国で消費行動に関する同様の質問票調査を行った。まず はその質問票調査の概要から見ていくことにしよう。

璽 質問票調査の概要

 本調査は,日本と韓国においてほぼ同時期に行われた。一本の調査は,2004 年1月から2月中旬まで,広島修道大学,京都学園大学,追手門学院大学の大 学生を対象に実施している。ユ500部の質問票を配布し1225人から質問票を回収 しており(回収率は81.7%),そのうち1213部が有効であった(曹[2004D。一 方,韓国の調査は,同年3月に韓国テグ市に所在する慶北大学,啓明大学,テ

グカトリック大学の大学生を対象に行われた。エ200部の質問票を配布し1090部 の回答を得ている(回収率90.8%)。そのうち!080部が有効であった。両調査 における有効回答の男女比率は以下のとおりである。

      図表1 回答者の男女比率 写本調査 韓国調査 男子大学生 800(65.95%) 弓06(37.59%)

女子大学生     i 413(34.05%) 674(62,4!%)

合     !213(100%)計「] 108G(IGO%) i一

 調査質問票は,「基本的な質問」と「消費者行動に関する質問」から構成さ れ,後者に重点が置かれた。前者の「基本的な質問」では,消費行動と大きく かかわりを持つと思われるいくつかの設問が用意された。具体的には,イン

(5)

       消費行動の比較と異文化理解(嘗・李)      3 ターネットや携帯電話の利用状況,雑誌購入,習い事などと関連した鼠毛であ る。図表2は,インターネットの利用状況をまとめたものである。

       図蓑2 インターネットの利用状況

利用する 利帯しない    その他 合計

田本  韓国 間脳 韓国

躰丁禰

川本 韓国

男子 (80.4)643   375

@  (92。4)

!47 iユ8.4)

25   10

i6.2) (1.2)

 6

i1.4)

800

i!00)

406

i100)

i 女子1 327

i792)

 630 i93.5)

 85

i2G.6)

32    1 i婆.7) (0.2)

12 iL8)

4!3 i100)

674 i100)

合計 970

i80.0)

!005 i93.1)

232 …

i19.1)

劃(糊 灘

i100)!080

  注)表中の数字は人数を表しており,()内の数字は%を示している。

 インターネットの利用については,利用する大学生の割合において,韓国の 方が日本より男子では!2%,女子では14.3%も多い結果となっている。イン ターネット普及率が極めて高い韓国では,10入中9人以上の大学生がインター ネットを利用しているのである。インターネットの利用状況は,利用時間にお いても大きな差を見せている。図表3は,インターネットを利用すると答えた 回答者のみを対象に,!日当たりの利用時間を調べた結果である。

        図蒙i3 インターネット利用時間(1Ei当たり)

3◎分未満 3◎分から邪気間      合計

2醐厭「

録本 韓国 川本 韓国  開国 韓国 鷺本 韓薗 男子 249

i38.7)

 55

i圭4.7)

266 i41.4)

200   75

i53.3)i(!L7)   上

117 i312)

643

i!00)

375

i100)

女子

@  … 164

i50.2)

 92

i14.6)

!23 i37.6)

353   28 i56.0)(8.6)

177

i28.1)

327

i!00)

630

i100)

     413i!47合計    (42.6)(14.6)

     553   }03

i41.!    (55.0)   (10.6)     一

294

i29.3)

   i970

i10G)

注1)表中の数字は入数を表しており,()内の数字は%を示している。

注2)合計の数字は「その他」の回答者を含んでいる。「その他」は,日本65(うち女子  12),韓国1!(うち女子8)となっている。

(6)

 図表3から分かるように,インターネット利用者の中には「2時間以上」の ヘビー・ユーザーも多く,とりわけ韓国の大学生の3割程度がヘビー・ユー ザーである。日本の大学生の4割強が「30分未満」のライト・ユーザーである

という結果とよい対照を成している。男女間の差については,韓国の大学生の 間ではほとんど差が見られないのに対し,日本の大学生の場合,男子と女子の 間にかなりの格差が見られ,利用時間の短い(30分未満)女子の割合が約半分 を占めている。

 次は,1ヶ月間購入する雑誌は何冊かを質問した結果である。図表4のとお り,1ヶ月問!冊の雑誌も購入しないと答えた大学生は,日本では4割弱であ るのに対し,韓国では5割をはるかに超えている。また,臼本の場合,男女間 のギャップは大きく,女子の雑誌購入比率が男子のそれを大幅に上回っている。

韓国のデータからは男女差がほとんど見られないのと対照的である。もっとも 大きな差が見られる日韓の女子大学生の問では,「0冊」と答えた割合が,日 本29.1%,韓国54.7%となっており,25%以上のギャップが開いている。こう した結果は,韓国の女子大学生のうち,インターネットを利用する学生の割合 は93.5%(図表2か日)で,しかも毎日2時問以上利用するヘビー・ユーザー        図蓑4 1ケ月問の購入雑誌数

0冊 1鵜 2冊 3騰以土

羅本 韓国  欝本 韓屡 臼本  韓国

日本⊥墾、

 男子k

 330

I(4/・2)

223   138 i54.9)(17.2)

 6ユ ソ5,0)

、 106   10

i13.3)i(2.5)  瑠

1311 P7i︵16・4︶︵劉

i好…(12029./)  36gi15!

堰i54.7)「

(36。6)

 98   69

i茎4.5)(16.7)

38

i5.6)

 25   16

i6.i) (2.4)

舗(450

R7.].)遥) i23.8)289 i!4.7)159

175

iユ4.4)

48

i4.4)

156i33

i12.9)i(3.1)      _.」

注1)表中の数字は人数を表しており,()内の数字は%を示している。

注2)N霊1213(目本),N惣1080(韓国)。上記表には,「無回答」(日本工43,韓国248)

 は含まれていない。

(7)

      消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      5 の割合が28。1%(図表3から)という事実と無関係ではない。大まかにいえば,

韓国の大学生(とりわけ女子)が1青報収集のためインターネットに大きく依存 しているのに対し,日本の大学生(とりわけ女子)は相対的に雑誌に大きく依 存しているといえよう。

 以上の結果を踏まえつつ,次節では消費者行動に関する韓国側の調査結果を 検討していく。その際日本の調査結果との比較に焦点を合わせることにした

い○

麗 大学生の消費行動に関する分新

 消費行動に見る文化的な側面を理解するための手掛かりとして,本節では質 問票調査の結果をいくつかのトピックに分けて考察していくことにする。具体 的には,「限定品」,「ブランド品」,「時間感覚」,「ギフト意識」,「価格意識」,

「商品選択基準」等である。

夏 限定晶と消費行動

 企業の販売促進戦略の一環として,市場には限定晶が売り出されている。今 の大学生は限定品についてどのようなイメージを抱いているのだろうか。韓国 の大学生を対象とした今回の調査では,図表5のような結果が得られた。

 図表5に見るように,限定品についての考え方には,男子大学生と女子大学 生の問でほとんど差が見られない。もっとも,企業の販売戦略の一環としての 限定品について,男女共に「売り手の小細工だ」と考える傾向がやや高い結果 を示している。このデータと,日本の大学生を対象にした曹[2004]の結果と を対比させることによって,消費行動の一三比較が可能となる。日本調査の結 果と韓国調査の結果とを比較分析する際には,全体の比較と共に男女別の比較 も試みることにしたい。というのは,曹[20呵からも見受けられるように,

(8)

図表5 限定品に対する考え方(韓国調査)

虜郷学蚕「好大戦

合、景

魅力がある 3.18(ユ。12) 3.29(LO2) 3.25(1.06)

希少価値が高い 3.!3(1.!8) 3・24(!・G4)、3・20(L10)

お買い得だ 2.99(1.06) 3.03(LOO) 3。01(1.02)

売り手の小細工だ† 3.45(O.99) 3.56(0.91) 3.52(○.94)

注/)N霊1080(内訳:男子406,女子67の。以下同じ。

注2)表中の数値は平均値で,()内は標準偏差を表している。

注3)5点りッカート・スケールは下記のとおりである。

  1:全く思わない 2:やや思わない 3:どちらでもない   4:やや思う 5:大変思う

注4)すP≦0.1

消費行動に関しては男女の問でかなりの認識差が認められるからである。図表 6は,限定品に対する考え方を比較した結果である。

 図表6から分かるように,日本の大学生の方が限定品についてより魅力を感 じており,希少価値を認めている結果となっている。それにもかかわらず,限 定品がお買い得だとは必ずしも考えていないのは,限定品はプレミアムがつき

図表6 限定品に対する考え方(日韓比較)

i r 男子大学生ン   女子大学生    :合 計       ヨ

翼本、

全癒 }躰 鞭i 躰

韓鼠

魅力がある 3.65

3.18L …***

3.83 3.29 i*** 3.72 3.25 ***

希少価値がある    iA3・79罎・!3 *** 3.71 3.24 *** 3.76 3.20 ***

お買い得だ 2.59 2.99 *** 2.72 3.03 *** 2.6尋   FR.01 ***

1売り手鋤鍬だ 3.55 3.45 @ 」

 3.6!志

3.56

3.57≡

3.52 注1)ヨ本調査:N薫12B(内訳:男子800,女子違13),韓国調査:N霊1080(内訳:

 男子406,女子67の。以下同じ。

注2)田中の数値は平均値である。標準偏差値は省略している。以下同じ。

注3)5点りッカート・スケールは下記のとおりである。

  1:全く思わない 2:やや忍わない 3:どちらでもない 4:やや思う   5:大変思う

注4)有意水準(両側)の表示は下記のとおりである。以下同じ。

 †P≦0.1,*P≦0.05,**茎)≦;0.01,***P羨0.001

(9)

       消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      7 高い値段であるというイメージがあるからであろう。限定品が売り手の小細工 であると考える傾向は両国共に強く,日韓の差は特に認められなかった。

2 ブランド晶と消費行動

 鷺本の消費者のブランド意識は非常に高いといわれている。また,曹

[2004]の結果からもうかがえるように,概して女子の方が男子よりブランド 意識が高く,ブランド晶に対して敏感なようである。ブランド選好度に関する 韓国調査の結果からもこの点を確認することができる。

      図表7 ブランド選好度(韓国調査)

  1

   フフンド品が好きですか***

   定番ブランドが好きですか*

   フランド志向の入が好きですか†

   注)1:全く嫌いだ 2:やや嫌い 3:どちらでもない 4:やや好き      5:大変好き

 図表7の3つの質問すべてにおいて,女子の方の平均値が男子を上回ってい る。日本調査の結果同様女子の方がブランド品ならびに定番ブランドに対す る選好度が高く,ブランド志向の人に対してもより寛容的であるといえよう。

もっとも,ブランド志向の人が好きかという質問には2.32(合計)の平均値が 出ており,ブランド志向の人はあまり好かれていないことが分かる。

 図表8は,ブランド選好度の日韓比較である。いずれの項騒においても日本 の方が高い平均値を示している。すなわち,日本の大学生(男女共に)の方が ブランド意識が高く,ブランド志向の入にもより寛容的であるといえる。但し,

「ブランド志向の人が好きですか」の質問への回答は平均値が2点台に留まり,

自らはブランド晶が好きであるものの,自分の周りにいるブランド志向の人に はやや好感が持てないといった二律背反的な結果となっている。

子大学生     …女子大学生

合計

3.08 3.35 3.25

3.00 3ほ6 3.10

2.25 2.36 2.32

(10)

図衷8 ブランド選好度(日韓比較)

ブランド品が好きですか

酵ブラ鵬きですか

 注)1:全く嫌いだ 2:やや嫌い 3 どちらでもない 4:やや好き    5:大変好き

∫男子大学隼 1女子大学生

躰障騨、

珊本隙慶

きですか 3.34 3.08 *** 3.62 3.35 ***  i

好きですか一一

3.20 3.00 ** 3.45 3.16「薪 入が好きですか 2.68 2.25 ***

2.75 2.36 ***

 ブランド品との関連では,さらに図表9のような質問を行っている。上記の ブランド選好度と合わせて考えると,大学生のブランド意識全般を知ることが できる。いくつかの孤露において有意な男女差が確認されており,男子と女子          翻表9 ブランド品に対する考え方(韓国調査)

      男子大学生}、女手大学生窟書       

       2・94!3・・「13・・2ブランド品の方が価 新しいブランド品に

偽モノでもブランド ブランド品なら中古 高額でもブランド晶 ギフトにするならブ ブランド晶を持って

::ll十・

2.24段

1:i;

3.10

:i罷陽器 2.36コ732

3.40     3.29 ランド晶は流行している*

弩の歯入はブランド品を持っている*

3.21 3.30

3.37

 ランド品がステータスを表すと思う***   2。71 ブランドの限定品は価値が高いす       3。13 ブランドの限定晶はほしい      2.83 ブランドの限定品を転売したことがある。†  !.58

注)1:全く思わない 2:やや思わない 3 どちらでもない   5:大変思う

『㎜

o耐…

一一一

@ …

一一

@ ……而

3,44  2.98  3.27  2.94  1.48 4:やや思う

3β蓬 3。39

ll鴛

(11)

       消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      g の間でブランド品に対する見方に大きな隔たりがあることを物語っている。

 特徴的なことは,図表8に見られるブランド選好にもかかわらず,「ブラン ド品なら中古でも良い」や「偽モノでもブランドもどきが良い」の平均値が低 いことである。大学生の本物かつ新品へのこだわりをうかがい知ることができ る。また,「ブランド晶は流行している」や「周囲の友人はブランド品を持っ ている」という認識については,いずれも高い平均値:を示しており,周囲の友 入がブランド晶を持っているという現実がブランド品は流行しているという認 識にまで結び付いた可能性が高い。このようなブランド品に対する考え方につ いても,図表10のような日韓比較が可能である。

図表鴨 ブランド品に対する考え方(臼韓比較)

ブランド品の方が価値がある

一_.…

新しいブランド品に興味がある 偽モノでもブランドもどきがよい

ブランド品なら中古でもよい

・男子大学生

躰二六

3.37  2。94 2.85  2.59

!.95  2.05

2.63  2.24  ***  2.40  2.36

女子大学生、

二本 士爵、

** 3.24 3.07 **

** 3.!3 2.77 ***

1.6! 2.05 ***

高額でもブランド品がほしい ギフトにするならブランド品だ ブランド品を持っていると嬉しい ブランド品は流行している

周囲の友人はブランド晶を持っている ブランド品がステータスを表すと思う ブランドの限定品は価値が高い ブランドの限定晶はほしい

ブランドの限定贔を転売したことがある。

注)ユ:全く思わない 2:やや思わない 3:どちらでもない   5:大変思う

しい 2.47 2.57

七 2.72

2.93 **

ド品だ 2.52 2.69 2.55 2.82 ***

と嬉しい 3.13 3.10 3.52 3.40

3.61 3.21 *** 3.68 3.37 ***

を持っている 3.70 3.30 *** 3.9i 3.44 @ 」***

を表すと思う 2.75 2.71 2.76 2.98 **

が高い 3.66 3.13 *** 3.67 3.27 ***

2.84 2.83 2.88 2.94

したことがある。 1.80 1.58 ** L46 L48

4:やや思う

(12)

10

 図表ユ0のほとんどすべての項目において,日本と韓国の間に明らかな有意差 が認められる。「ブランド品の方が価値がある」や「新しいブランドに興味が ある」の項目には日本の大学生の方が相対的に高い点をつけており,「高額で もブランド品がほしい」や「ギフトにするならブランド品だ」の項目について は,韓国の大学生の方の平均値が高くなっている。さらに,「偽モノでもブラ ンドもどきがよい」については,日本の女子の平均値は極端に低く,韓国の結 果との間に有意差が出ている。日本の女子大学生の偽モノに対する厳しい態度 がうかがえる。また,「ブランド品は流行している」,「周囲の友入はブランド 品を持っている」,「ブランドの限定品は価値が高い」といった項目においても 男女共に臼本の方の平均値が高くなっている。日本の大学生のブランド意識の 高さを物語っているといえよう。

3 時聞感覚と消費行動

 ここでは,消費における時間感覚について分析する。商品の購入方法として は,店頭での購入,通販を利用した購入,インターネットでの購入などが考え られる。店頭での購入は買い物にかなりの時間を費やすことになるが,自分が 欲しいものを直接触って確認できるので,買い物に失敗するリスクは少ない。

反面,通販やインターネットでの購入は,買い物に失敗するリスクはあるもの の,自宅にいながらにして買い物ができるため,時間を大幅に節約できる。実 際韓国の大学生はどのように商品を購入しているのだろうか。図表11はその 結果をまとめたものである。

 ここで特徴的なことは,通販やインターネットを利用した商品購入について は男女の差がほとんど見られないのに対し,店頭購入に関しては女子の方の平 均値が明らかに高いことである。また,「インターネットで購入したことがあ る」かの質問に,男女いずれにおいてもやや高い平均値が出ていることから,

(13)

       消費行動の比較と異文化理解(曹・李)       11 前節のインターネット利用状況や利用時間のところでも触れたように,韓国で はインターネットがかなり日常的なところにまで普及しており,インターネッ トを利用した商品の購入も一般化してきている様子がうかがえる。もっとも,

インターネットでの購入には不安を抱いている学生も多く,男子より女子の方 がより大きな不安を感じているようである。

図表鑓 商品の購入方法(韓:国調査)

男子大学生

購入は店頭での購入が多い*** 3.92 4.!5

通販を利用したことがある 3.34 3.44 インターネットで購入したことがある 3.5! 3.57 インターネットでの購入は不安だ*** 3.18  1一 3.60

インターネット・オークションを利用 オたことがある***

2。78 i2.35

合計

i4.06  3.40  3.54  3.44  2.51     

注)1:全く違う 2:やや違う 3:どちらでもない 4:ややその通り   5:全くその通り

 商晶の購入方法についても,日韓の間で図表12のような違いが表れた。すべ ての項目において,日本と韓国の平均値の間には有意な差が認められた(有意 水準5%と0.!%)。すなわち,日本の大学生(男女共に)は韓国の大学生に比 べ店頭で購入することが多く,韓国の大学生はインターネットで購入した経験 のある人が相対的に多いことが分かる。もっとも,「通販を利用したことがあ るか」の質問に対しては,男子では韓国,女子では日本の方が平均値が高く,

男女差がはっきりと表れた格好となっている。また,インターネットの利用が 日常化している韓国の方が,インターネット・オークションを利用した経験の ある大学生が多いことや,インターネットで購入することへの不安が相対的に 低いことなども特徴的である。

 次は,消費活動に費やされる時聞と直接関連のある質問項目について考察し

(14)

翻表12 商品の購入方法(日韓比較)

勢三六学生 女子大学生

臼本緯酬   1  ・

4.35 3.92 *** 4。

2.72 3.34 *** 3。

たことがある 2.28 3.51 *** 2.

購だ

3.18 *** 3.

ションを利用…L98 2.78  … ***

1︒

臼本 購入は店頭での購入が多い

通販を利用したことがある

インターネットで購入したことがある インターネットでの購入は不安だ

臣灘・∵シー一 一

 注)1:金く違う 2:やや違う 3:どちらでもない 4:ややその通り    5:全くその通り

        図表13 消費活動と時聞感覚(韓国調査)

F

隣∴∴並んぞも_

ヒ      り

好きでやりたいことのためなら並んでもよいす 安いと聞けば遠くても買いに行く

おいしいと聞けば遠くても食べに行く*

買い物は楽しい時聞である***

ヒ  

 !つのものを買うのに何店舗か行く***

好きなものが見つかるまで探す***

店が開く前から並んだことがある ブランド品を買うためなら並んでもよい*

食べることに関しては並びたくない*

行列を見ると自分も並びたくなる**

 注)1:全く違う 2:やや違う 3:どちらでもない    5:全くその通り

韓則

4./5

3。44 3,57 3.60 2.35

男子大学生 女子大学生 合

い*** 3.35 3.75   3 なら並んでもよいす 3.76 3.87

3.8訓

に行く

 隆≒一聯 刊

食べに行く* 2。93        3.i2      3.05

***

鋤≒÷脳

      〜

カ甫力、そこテく***      3。62         4.ig 3.98 探す***       3.47    4.02 3.81

がある         1.84    ㏄圃…

!.80 L82

並んでもよい*    1.91 2.04 1.99 たくない* 2.87 2.69   2.76

くなる**

2亙]二{

旧〜雨}……閲@   2.20

4:ややその通り

てみよう。図表ユ3に見るように,韓国調査の結果からはいくつかの興味深い結 果が得られた。男女の比較から,消費活動において女子の方が男子より積極的 であることがうかがえる。具体的には,「おいしい店なら並んでもよい」,「お

(15)

       消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      13 いしいと聞けば遠くても食べに行く」,「買い物は楽しい時間である」,「1つの ものを買うのに何店舗か行く」,「好きなものが見つかるまで探す」,「ブランド 品を買うためなら並んでもよい」,「行列を見ると自分も並びたくなる」といっ た様々な消費関連行動において,女子のスコアがすべて高いのである(有意水 準5%と0.!%)。このうち,「買い物は楽しい時間である」,「1つのものを買 うのに何店舗か行く」,「好きなものが見つかるまで探す」といった項臣につい ては,女子の平均値が4点をも上回っている。

 消費活動と応問感覚についての日韓比較からも興味深い結果が出ている。図 表!4からは,日韓の間で「並ぶこと」に対する意識差がはっきりと表れている。

「好きでやりたいことのためなら並んでもよい」の平均値が,日本の場合は男 女共に4点をはるかに超えているのに対し,韓国はいずれも3点台である。ま          図褒韓 消費活動と時間感覚(日韓:比較)

男子大学生 女子大学生

麟髄

珊本 韓国

おいしい店なら並んでもよい 3.40 3.35 3.68   ヨR.75 好きでやりたいことのためなら並んでもよい 4.13 3.76 *** 4.2G 3.87 ***

安いと聞けば遠くても買いに行く 2.81 2.56 *** 2.63 2.55 おいしいと聞けば遠くても食べに行く 2.94 2.93 3.0013ほ2 買い物は楽しい時間である 3.82 3.3G ***

濁4窟

***

 1つのものを買うのに何店舗か行く一

3.87 3.62

    「*** 4。2614。19

i好きなものが見つかるまで探す 3.82 3.47 *** 4.!! 4.02 店が開く前から並んだことがある 2.7! ユ.84

ブランド品を買うためなら並んでもよい 2.28

1.9重i

***

c…一一 磨磨

2.37 Q.35

LO8 ***

Q。04 ***

…食べることに関しては並びたくない    i2.732.87 2.39 2.69 ***

行列を見ると自分も並びたくなる 2.06 2.08  …

・2・3・12・27

1

注)三:全く違う 2:やや違う 3:どちらでもない 4:ややその通り   5:全くその通り

(16)

14

た,「ブランド品を買うためなら並んでもよい」や「店が開く前から並んだこ とがある」についても日本のスコアの方が高く,逆に「食べることに関しては 並びたくない」については韓国のスコアの方が高い結果となっている。これら の結果を総合すると,日本の大学生は並ぶことに相対的に抵抗感が少ない反面,

韓国の大学生は並ぶことに対してやや抵抗感を感じているといえよう。

4 ギフト意識と消費行動

 韓国の最近のトレンドとして,とくに恋入同士のプレゼント交換が活発であ るという。バレンタインデーやホワイトデーはもとより,ペペロデー(1!月!1 日)や付き合ってから100臼目,1年目,1000日霞といった具合に,さまざま な記念日を設けて相手にプレゼントをするのである。一方,日本はもともとギ フト文化が発達しており,さまざまな場面でギフトの交換が行われ,円満な人 間関係が保たれている。こうした日韓両国の大学生のギフト意識はいかなるも のであろうか。本調査では,ギフトの相手が「友人や恋人の場合」とそれ以外 の場合とに分けてギフト意識を調査している。まずは図表!5から見てみよう。

 相手が友入や恋入の場合,男女共に「記念摺にギフトはする方がよい」と考

籔表総 ギフト意識:相手が友人や恋入の場合(韓国調査)

誕生日にはプレゼントをする***

記念日にギフトはする方がよい***

ギフトはブランドものがよい 注)1:全く違う 2:やや違う   5:全くその通り

男子大学生 女子大学生

合計

ントをする*** 3.84 4.25 4.10

する方がよい*** 3.80        4.09      3.98 くする方である*** 3.19    3.57      i

k

3.43 はしない方がよい† 3.40    3.26 3.32 もらうと嬉しい*** 4.23 i4.43 4.35

ものがよい 2.45}2.5。

2.48 3:どちらでもない 4:ややその通り

(17)

      消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      15 えている人が多く,実際「誕生日にはプレゼントをする」という項目のスコ アが高くなっている。また,「ささいなものでももらうと嬉しい」に対しては,

男女共に4点台の非常に高いスコアを示している。「意味もなくギフトはしな い方がよい」を除くすべての項目において女子が男子よりも高いスコアを出し ていることから,概して女子の方がギフト意識やギフト行動において男子より 積極的といえる。

 ギフト意識についても,日韓比較からは興味深い結果が見られる。図表16か ら分かるように,「記念日にギフトはする方がよい」という項目に対して,男 女いずれにおいても韓国の方が有意に高いスコアを示している。しかも,「自 分はギフトをよくする方である」についても,韓国の方が高い平均値となって いる。一方,男女の問でギフト意識やギフト行動を比較してみると,日韓を問 わず女子の方がより積極的であることが分かる。以上の考察から,ギフト意識 やギフト行動について,日韓では韓国の大学生の方が,男女では女子の方がそ れぞれより積極的であると結論づけられよう。もう1つ注目すべき結果は,

「ささいなものでももらうと嬉しい」という項目に,日本の大学生も韓国の大

麟表16 ギフト意識:相手が友入や恋入の場合詩吟比較)

誕生臼にはプレゼントをする 記念日にギフトはする方がよい

自分はギフトをよくする方である 意味もなくギフトはしない方がよい

ささいなものでももらうと嬉しい ギフトはブランドものがよい

漉)1:全く違う 2:やや違う 3:どちらでもない   5:全くその通り

男子大学生 女子大学

軽軽国

[躰 韓国

トをする 3.85 3.84 4.36 4.25

る方がよい 3.58 3.80 *** 3.92 4.09

する方である 2.82 3.19 *** 3.45 3.57

しない方がよい 3.53 3.40iす 3.16 3.26 らうと嬉しい  4。15 4,231  … 4.59  i 4.43 のがよい     2.5! 2.45 2・431i2.50

4:ややその通り

***

***

(18)

学生も,また男子も女子も4点台の高いスコアを示している点である。国が異 なっても,あるいは性別が異なっても,ささいなものでももらうと嬉しくなる というのは共通した感情のようである。

 ギフト意識に関しては,相手が友入や恋人以外の場合の調査項目も設けてお り,今回の調査からは図表17のような結果が得られた。「父の日や母の日にプ レゼントをする」ことについて,男女共にかなり高い平均値が示されているも のの,ここでも相対的に女子の方のスコアが高くなっている。反面,「旅行先 では必ずお土産を買う」ことについては,2点台の低い平均値となっており,

旅行先でお土産を買う習慣が韓国では必ずしも一般的な現象ではないことをう かがわせる。

     図表η ギフト意識:相手が友鳥や山山以外の場合(韓国調査)

一;

野大難}好大学生匿甜

ギフトは自分の持ち物より良いものを選ぶ 3.20

3・2璽コ

準準では必ずお鐘を買惚 _⊥2・8・

2.97 12.90

       …

vレゼントをもらうとすぐお返しをする      3.17  3.151

「父の日」「母の則にはプレゼントをする*魁 3.65    3.8/

_L上翼鉱

「敬老の則にはプレゼントをする

3・32」_週13・35

  油)1:全く違う 2:やや違う 3:どちらでもない 4:ややその通り    5:全くその通り

 相手が友入や二三以外の場合のギフト意識についても,図表18のようなロ韓 比較を試みた。ここで特徴的なことは,日本の大学生が「旅行先では必ずお土 産を買う」傾向が強いのに対し,韓国の大学生は「父の巳」,「母の日」,「敬老 の日」などにプレゼントをする傾向が強いという結果が出ていることである。

とりわけ,「敬老の日にプレゼントをする」ことについて,日韓では平均値に 大きな差が開いている。韓国の大学生には目上の人を敬う儒教的な価値観がい

まだに強く根付いていることの表れといえよう。

(19)

      消費行動の比較と異文化理解(曹・李)

図裏総 ギフト意識:相手が友入や恋人以外の場合(日韓:比較)

ヒ   

 行先では必ずお土産を買う

敬老の日」にはプレゼントをする

注)1:全く違う 2:やや違う 3:どちらでもない   5:全くその通り

17

男子大学生 女子大学生

躰隣国

1 国本 韓劇

物より良いものを選ぶ 2.95 3.20 *** 3.19

勾二

産を買う         3.51 2.80 *** 3.94 2.97 ***

とすぐお返しをする 3.14 3.11 3.28 3.!7

にはプレゼントをする 2.86 3.65   】

磨磨磨@3.52 3.8! ***

レゼントをする 2.59 3.32 *** 2.70 3.37 ***

4:ややその通り

5 価格意識と消費行動

 定期的な収入を持たない大学生にとって,商品の値段は大きな関心事となる。

そこで,消費行動を左右する要因の1つとして,ディスカウントの重要性は高 いといえよう。韓国の大学生を対象とした今回の調査からもこの点は検証され ている。図表!9に見るように,「二二の割り引きはするべきだ」の項目に対し ては,平均値が4点を超えており,「定価では買いたくない」や「少しでも安 い方が良いと思う」の各項目に対しても高いスコアが得られた。このような結 果は,強いディスカウント意識の表れといえる。一方,男女間の差については,

      図表鴨 ディスカウント意識(韓国調査)

」下駄難

製品の割り引きはするべきだ 4.09 定価では買いたくない 3.86 バーゲンまで待って買う 3.28

少しでも安い方が良いと思う† 3.8!

少々安くても並ぶのはいやだ† 3.07

好大筆

4./3

3、83 3.39 3.69 2.95

惇釧 ;︷1

      L

注)/:全く思わない 2:やや思わない 3:どちらでもない   4:やや思う 5:大変思う

(20)

「少しでも安い方が良いと思う」と「少々安くても並ぶのはいやだ」の2つの 項目で有意水準!0%の差が認められただけで,他の項目では全く有意差が認め

られなかった。

 ディスカウント意識に関する調査結果では,図表19の韓国の結果のみならず 日本の結果においても男女の差はあまり大きくないことから,日韓比較もこれ までのように男女を分けて分析するのではなく,全体で比較することにしたい。

その日韓比較の結果は図表20のとおりである。「バーゲンまで待って買う」傾 向は韓国の方が強いものの,それ以外の項目,例えば「製品は割り引きずるべ きだ」や「少しでも安い方が良いと思う」の項目では日本のスコアの方が高い 結果となっている。「少々安くても並ぶのはいやだ」の項目に対する結果をも 合わせて判断すると,概して日本の方がディスカウント意識が高いといえよう。

         図表20 ディスカウント意識(日韓:比較)

覇本合計 欝欝合計  製品の割り引きはするべきだ

隣価では買いたくない

 バーゲンまで待って買う  少しでも安い方が良いと思う

4.23 3.83 3.!7

4。12 トー

i 3.35   3.74

**

少々安くても並ぶのはいやだ 2.76

***

***

2.99}***

   上.

注)/:全く思わない  2:やや思わない  3:どちらでもない  4:やや思う 5:大変思う

 上記のような強いディスカウント意識にもかかわらず,場合によっては価格 が高くてもモノを購入するケースがありうる。また,環境意識の高まりの中で,

環境を意識した消費行動が徐々に浸透しているように思われる。今回の調査で はこれらの点についても質問を行っており,図表2!はその結果をまとめたもの である。「新製品なら高くても買う」や「環境にやさしい製品は少々高くても 買う」の各項目において2点台の平均値が出ており,新製品や環境にやさしい

(21)

       消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      1g 製品だからといって高く買うという傾向は必ずしも認められなかった。さらに,

「環境にやさしい製品は少々高くても買う」,「環境を考えてモノを買う」,「廃 棄のときには環境を考える」の各項目に対して低いスコアが出ていることから,

消費行動における環境意識は未だ十分なレベルではないといえそうである。但 し,「大型ゴミの処分に金を払うのは当然だ」と思う傾向が相対的に強いこと は下呂に値する。

         図工2言 高価格意識と環境意識(韓:国調査)

⁝ = ⁝ ⁝

男子大学生 女子大学生

合計

新製晶なら高くても買う 2.45 2.54 2.50 流行しているなら高くても買う 2.36 2.45 2.42

環境にやさしい製晶は少々高くても買う† 2.83 2.94 2.90

環境を考えてモノを買う     1

Q・73L2・73

2.73

廃棄のときには環境を考える 2.84 i2.89 2.87

大型ゴミの処分に金を払うのは当然だ 3.61 3。58  i______三_一_  1

   注)1:全く思わない 2:やや思わない 3:どちらでもない 娃:やや思う

k■

    5:大変思う

 高価格意識と環境意識についての日韓比較からも興味深い結果が出ている。

図表22に見るように,「新製品なら高くても買う」や「流行しているなら高く ても買う」の各項目において日本の方が相対的に高いスコアを示しており,新 製品や流行品に対してプレミアムを認める傾向が相対的に強いといえよう。

「廃棄のときには環境を考える」の項思では日本の方が高いスコアを出してお り,「大型ゴミの処分に金を払うのは当然だ」の項目では韓国の方が高いスコ アを出していることから,日本の大学生は廃棄時の環境意識は相対的に高いも のの,そのためにお金をかけるということにはやや抵抗感を感じているようで

ある。

(22)

20

図表22 高価格意識と環境意識(日韓比較)

….

V製晶なら高く 流行しているな 環境にやさしい 環境を考えてモ 廃棄のときには 大型ゴミの処分

環境にやさしい製品は少々高くても買う

大型ゴミの処分に金を払うのは当然だ 注)!:全く思わない 2:やや思わない   4:やや思う 5:大変思う 6 商晶選択基準と消費行動

 日本合計 韓露合計.

  3.04      2.50    ***

  2.59      2.42    ***

  2.94      2.90   2.67      2。73   3。!0      2.87    ***

  3・06浸3・59*甥

3謄どちらでもない

 最後の分析項目として,商品選択基準について考察してみることにしよう。

質問票では,大学生の商品選択基準として,商晶そのものと関連する要素と商 品以外の要素とに分けて質問をしている。図表23に見るように,「機能品質,

価格,デザイン,使い勝手,自分に似合う」といった商品そのものと直接関連 する要素に対する平均値はいずれも4点をはるかに上回っている。商晶そのも のと関連する要素が商晶を選択するときに重要な判断基準となっていることを 物語っているといえよう。さらに,商品以外の要素として,「評判,銘柄,ブ ランドカ,流行,話題性,他者の欝,知名度」といった基準に対するスコアも かなり高い数値となっている。今の大学生は,商晶を選択する際にまずは商品 そのものを最重視するが,最終的な商品の選択に際しては評判や流行といった 商品以外の要素をも考慮する様子がうかがえる。

 商品選択基準においても男女差が見られる。男女共に商品そのものと関連す る要素を重視しているものの,「デザイン」,「使い勝手」,「自分に似合う」と いった側面において女子の方がより高いスコアとなっており(有意水準5%と

1%),商品選択に際して,「デザイン」や「使い勝手」あるいは「自分に似合

(23)

       消費行動の比較と異文化理解(曹・李)      21 う」か否かなどに女子の方がより敏感であることを示唆している。このような 傾向は,商品以外の要素では,「評判」,「銘柄」,「他者の目」などにも表れて おり,女子の方が相対的に評判や銘柄などに敏感であることを物語っている。

とりわけ評判については,商品以外の要素では唯一女子のスコアが4点を上回 っていることも注目に値する。

       図表23 聴唖選択基準(韓:国調査)

「       合計

卜一        互.36

機能 基準 男子大学生4.40

好大里璽

綷絈L口研 4.44 4.50

価格 4.32 4.38 のものと

髣v素 デザイン* 4.36 4.45

使い勝手* 4.!8 4.28

自分に似合う** 4.32 4.48

q** 3.92 4.08

離「鵬

ド⁝ 力⁝ 3.72

⁝ラ⁝ブ

3,62「「。71

商品以外の要素

鵬.一半

i儲明・

1㎜㎜ 

  3.41   i  3.47

    雪

  3。26      3.30

3.64 3.78

4.48 4.36i   …

鰯i

4.24 1 4。42 4.02 3.67 3.68 3.45 3.29 3.73

      知璽⊥7衆 3・773・75

し       コ

 注)1:全く関係ない 2:やや関係がない 3:どちらでもない 4:やや関係がある    5:大変関係がある

 商晶選択基準の日韓比較においても興味深い結果が出ている。図表24に見る ように,日本の大学生と韓国の大学生は共に,商品そのものと関連する要素を 商品選択基準として重視していることが分かる。商晶そのものと関連する「機 能」,「品質」,「価格」,「デザイン」,「使い勝手」,「自分に似合う」の各項目に 対して,日韓共に4点をはるかに超えるスコアを示しているからである。しか

(24)

22

も両者の間にほとんど平均値の差は見られなかった(価格と品質を除いて)。

反面,商品以外の要素では大きな差が開いている。「評判」,「銘柄」,「ブラン ドカ」,「流行」,「他者の目」,「知名度」といった各項目において,いずれも韓 国側の平均値が日本のそれよりも高いのである(有意水準0.1%)。商晶以外の 要素における両国の顕著な違いは,韓国側の消費行動の特徴:を端的に表してい る。すなわち,韓国の大学生は,商晶を選択する際に,基本的には商品そのも のと関連する要素を検討するものの,最終的な商品の選択に際してはやはり商 品以外の要素として評判や知名度といった第三者の欝をより強く意識している 様子がうかがえる。

翻表鱒 商品選択基準(日韓比較)

   関連する要素

基準 瞬本念讃

商晶以外の要素

4.37 4.43

3  ρ0 8 24  45 5

44一4⁝33  一︸  ﹁  ⁝i

 ⁝ ⁝  ⁝︑つ ⁝

  合

ン手似⁝イ勝⁝に

隠匝鰐

■罷1

フンドカ

一丁

3.21

些塑度⁝

3.24

r丸

fく曳r暗し

ユ﹂一

3.2/

3.50

韓国合講

4.36 4.48 4.36 4.41 4.24

1:誌

3.67 3,68

***

***

3。45    *** …

3,29 3.73

3凱L3・75

***

禿*㌔

注)1:全く関係ない 2:やや関係がない 3:どちらでもない  4:やや関係がある 5:大変関係がある

(25)

消費行動の比較と異文化理解(曹・李) 23

鮮 大学生の消費行動に表れる文化的側面

 前節までに,日本と韓国で同時期に行われた質問票調査の結果をもとに,韓 国の大学生の消費行動を概観してきた。さらに,日本の大学生の消費行動(曹

[2004Dと比較する形で,消費行動の日韓比較を試みた。具体的には,「限定 品」,「ブランド晶」,「時間感覚」,「ギフト意識」,「価格意識」,「商品選択基 準」といった6つのトピックに分けて分析を行ったが,そのすべてにおいて何 らかの形で日韓の間には有意な差が確認された。消費行動には,程度の差こそ あれ文化的な要因が大いに影響を及ぼしているはずである。そこで,前節の日 韓比較の結果を踏まえ,消費行動の山本的特徴や韓国的特徴といえるものをい

くつか取り上げることにしよう。

 まず最初に,インターネットの利用における日韓の差である。今回の調査で は,9割を超える韓国の大学生がインターネットを利用しており,その中には ヘビー・ユーザーの割合も高いという実態が浮き彫りとなった。これが商品購 入の方法にも影響を与え,店頭購入の多くをインターネットを利用した購入へ とシフトさせているようである。また,インターネット利用率が高まることに よって,情報収集源を従来の印刷物からインターネットにシフトさせている動 きも見受けられる。しかしながら,韓国ではいわゆるインターネット中毒症が 社会問題になるなど,インターネットへの依存度が極端に高まることによって 新たな弊害も生じつつある。

 次に,日本の消費者のモノに対するこだわりには特別なものがあるといわれ る。今回の調査からもこれを裏付けるいくつかの結果を得ることができた。ブ ランド品に対する考え方もその1つである。日本の大学生の方がブランド晶に 対して高い選好を示し,ブランド品の価値を高く評価している一方で,「偽モ

ノでもブランドもどきがよい」(男子1.95,女子!.61***)という項目に対して

(26)

24

は,極端に低いスコアを見せており,ブランド品が好きではあるものの,偽ブ ランド品に対しては厳しい態度をとっている様子がうかがえる。また,「買い 物は楽しい時間である」(男子3。82***,女子4.43***)と考えたり,「1つのも のを買うのに何店舗か行く」(男子3.87***,女子4.26)とか「好きなものが見 つかるまで探す」(男子3.82***,女子4.1ユ)傾向が強いことなども若者たちの モノへのこだわりを物語っているといえよう。さらに,「好きでやりたいこと のためなら並んでもよい」(男子4。!3***,女子4.20***)に対する高いスコア も,明らかに広い意味でのモノへのこだわりを表している。

 3つ目は行列に関するものである。曹[2004]でも述べたように,普段よく 見かける店の前の行列はいかにも日本的と思える。今回の調査からも,この点 について興味深い結果が得られた。すなわち,日韓の間で「並ぶこと」に対す る意識差がはっきりと表れたのである。「ブランド晶を買うためなら並んでも よい」,「店が開く前から並んだことがある」,「好きでやりたいことのためなら 並んでもよい」の各項目において,男女共に日本の方が韓国より高い平均値を 示しており(有意水準0.1%),並ぶことを好まない韓国に比べ,行列について 肯定的な日本の特徴がそのままデータに表れた格好となっている。

 4つ目はギフト意識に関するものである。日本はギフト文化が発達している 国といわれるが,今回の日韓比較からは意外な結果を得ることができた。「記 念日にギフトはする方がよい」や「自分はギフトをよくする方である」という 項召に対して,男女いずれにおいても韓国の方が有意に高いスコアを示してい るのである。しかも,「父の日,母の日にはプレゼントをする」や「敬老の日 にはプレゼントをする」ことについても,韓国のスコアの方が高くなっている

(有意水準0.1%)。大切な人へのプレゼントを大事にする韓国の大学生の様子 がうかがえる。一方,「旅行先では必ずお土産を買う」ことに関しては圧倒的 に鷺本のスコアが高い。韓国では,旅行先でお土産を買うという習慣がそれほ

参照

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