有機化学
第2章「有機化合物の表現法とアルカン」
1
「有機化合物の表現法とアルカン」の紹介です。
有機化合物の表現法
•
構造式の表し方(既出)✓ 縮合構造式
✓ 骨格構造式
2
混成軌道の説明でも登場しましたが、有機化合物の表し方にいろいろな方法があります。
しかし、元素の種類と数を書き並べただけでは不十分です。高校時代の化学で異性体を勉強したときにエタノールとジメチルエーテルが登場したと思います。二つの化 合物の分子式を思い出してください。どちらも C2H6O です。これでは、どんな化合物なのか判断が付きません。
有機化学では、炭素骨格がハッキリとわかるような式、例えば示性式、や図、例えば○○構造式、が必要です。示性式で書けば、エタノールは C2H5OH(または、
CH3CH2OH)、ジメチルエーテルは CH3OCH3 となり、区別が付きます。縮合構造式や骨格構造式という名前を覚える必要はありませんが、構造式の見方と描き方は 覚えてください。特に、骨格構造式はある程度の慣れが必要です。
構造式 名称 bp(˚C)
CH
4methane
-162CH
3CH
3ethane
-88.5CH
3CH
2CH
3propane
-42CH
3(CH
2)
2CH
3butane
0CH
3(CH
2)
3CH
3pentane
36CH
3(CH
2)
4CH
3hexane
69CH
3(CH
2)
5CH
3heptane
98CH
3(CH
2)
6CH
3octane
126CH
3(CH
2)
7CH
3nonane
151CH
3(CH
2)
8CH
3decane
174p12 表2.1
分子が大きくなると、分子間力 が増す。☞ 沸点が上がる。
*糊付きの紙を張り合わせることに似ている。
・広い紙(大きい分子)の方が、強く付く。
・しわのない紙(枝分れのない分子)の付きは強い。
・しわのよった紙(枝分かれ分子)の付きは弱い。
アルカンの語尾はaneで終わる。
ワセリン(vaseline)は アルカンの混合物
次とその次のスライドに注意
アルカン( alkane )の名称と性質
3
『アルカン』の紹介です。炭素と水素だけからできている『炭化水素』の中の一つのグループです。いちばん小さな有機化合物として紹介したメタンは、このグループ に含まれています。他に、プロパンやブタンという名前も聞いたことがあると思います。どちらも、アルカンで、都市ガスやLPガスの成分である無色無臭の可燃性気体 です。どれも変なにおいがするじゃないか、と思うかもしれませんが、あれはガス漏れに気付きやすいように嫌な臭いのイオウ化合物が混ぜてあります。
"alkane"という綴りは"ane"で終わっています。アルカングループの化合物も、その名前は"ane"で終わります。表に登場している化合物で確認してください。C5のペンタ ンぐらいまでは覚えておきましょう。「メタン、エタン、プロパン、…」と呪文のように唱えると覚えられます。
「物質の三態」のことを思い出してください。アルカンにも三態があります。室温を25℃としましょう。表には融点(『mp』、melting point)が書いてないので、何 度以下の時に固体であるかわかりませんが、C1〜C4は気体、C5〜C10は液体であることがわります。肌の保湿剤として使うこともあるワセリン(vaseline)は固体状の アルカンの混合物です。Cの数がどれくらい以上だと室温で固体なのか調べてみましょう。
次に、沸点の変化に注目してみましょう。Cが増える(=分子が大きくなる)となぜ沸点も上昇するのでしょう。ちょっと話が飛びますが、Timberlake化学のp137に メタン分子の(一過性の)極性の話が書いてあります。メタン分子は、正確には言えばどんな非極性分子も、この一瞬の極性で分子間に引力が生じます。『分散力』と いう、引き付ける方の『分子間力』です。『van der Waals力』とも言います。この分子間力は、分子が大きいほど(接触面が広い、と言った方がよいかもしれませ ん)、強く働きます。紙を貼り合せるイメージです。広い方が強く貼り付きます。Cの数が増えると沸点が上がります。融点の方にもその様な傾向があるかを調べてみま しょう。
CH
3(CH
2)
2CH
3CH
3(CH
2)
3CH
3ブタン
ペンタン 2-メチルブタン 2,2-ジメチルプロパン 2-メチルプロパン
直鎖のものをn(ノルマル)-アルカン、
枝分れがあるものをi(イソ)-アルカン、
と呼ぶこともある。
1 2
3 1
2 3
4
1 2
3 4
5 1
2 3
4
1 2 3
命名法は第3章で登場
構造異性体
分子の枝分れ構造
4
『異性体(isomer)』にはいろいろ種類がありますが、構造異性体について紹介します。分子の枝分かれの仕方の違いで構造が違う分子のことです。
C4化合物には、直鎖型のブタンと枝分かれ型(分枝型)の2ーメチルプロパンがあります。直鎖のものを n(ノルマル)ー○○○と言うこともありますが、この n- は省略 可です。普通は書きません。分枝型の i(イソ)ー、これもあまり出てきません。
命名法は第3章で登場しますが、簡単に説明しておきます。
1)いちばん長い炭素鎖を見つける
2)その鎖に直鎖アルカンの名前を付ける、いちばん端の炭素から鎖に沿って番号を付ける 3)枝分かれがある炭素の番号を見つける
4)枝分かれがある炭素に付いている炭素鎖の名前を付ける 5)まとめる
例)2ーメチルプロパンは…プロパンの鎖の2番目の炭素にメチル基が付いている。まとめて 2ーメチルプロパン。メチル基のような炭素鎖の名前は第3章で登場 します。
C5化合物には3種類の異性体があります。図をよく見て、構造と名前を確認してください。2,2-ジメチルプロパンの「ジ」は"di"、二つという意味です。
炭素数 名称 構造式 bp
(˚C)
mp
(˚C)
密度
(g/ml, 20˚C)
C
4 n-ブタン -0.5 -138.4 0.622イソブタン
2-メチルプロパン -11.7 -159.6 0.604
C
5 n-ペンタン 36.1 -129.7 0.626イソペンタン
2-メチルブタン 27.9 -159.9 0.62
ネオペンタン
2,2-ジメチルプロパン 9.5 -16.6 0.591
C
6 n-ヘキサン 68.7 -95.3 0.6593-メチルペンタン 63.3 0.664
イソヘキサン
2-メチルペンタン 60.3 -153.7 0.653
2,3-ジメチルブタン 58 -128.5 0.662
ネオヘキサン
2,2-ジメチルブタン 49.7 -99.9 0.649
赤字が正式名称 5
アルカンの構造異性体の名称、構造、沸点、融点、密度です。
名称が二つ書いてあるのに気付いたと思いますが、赤字は正式なルールに基づいた名称、黒字は昔から使われている名称(慣用名)です。
炭素数と、沸点、融点、密度それぞれの間に何か傾向が見つけられましたか?
Cが増えるにつれてどの数値も増えていく、とは言えないようです。p4でちょっと登場した接触面積の話を思い出して、考えてみてください。
Cが7個以上になると、構造異性体の数はグングン増えます。
8.9 Like-Dissolves-Like
NaCH3(CH2)16CO2
hydrophilic polar hydrophobic nonpolar
アルカンは非極性分子、水は極性分子。
混ざらない(
immiscible )
『類は友を呼ぶ』ルール
油(アルカン)と水の関係
6 出典:”Chemical Principles” (Macmillan)
アルカンは水と混ざりません。まさに、油と水の関係です。これは、アルカンと水の極性の違いで説明されます。アルカンは『非極性(non-polar)』、水は極性、の 分子です。その結果、お互いに反発し合い、混ざりません。
"Like-Dissolves-Like rule"とは、ここでの"like"は「好き」ではなくて「似ている」という意味、極性のものは極性のものを溶かす(と混じる)、非極性のものは非極 性のものを溶かす(と混じる)、ということです。私は、「類は友を呼ぶ」ルールと言っています。
左側の絵は、「溶ける」ことの物理化学的な説明です。他の講義で勉強すると思います。右側の二つの分子は、水にも油にも(極性溶媒にも非極性溶媒にも)溶ける分 子の例です。この分子の構造的特徴は、赤で囲った炭化水素鎖は非極性、青で囲ったCOO-(☜図ではCOO-Na+と書いてあるが、水に溶かすと電離する)は極性です。
非極性部分は非極性溶媒(例えば、油)と極性部分は極性溶媒(例えば、水)に溶け込みます。このように、一分子中に極性部分と非極性部分を備えている分子を『界 面活性剤』と言います。界面活性剤の代表例がセッケン(=脂肪酸のナトリウム塩)であり、この図にあるステアリン酸ナトリウム塩はセッケンです。界面活性剤は水 と油の境目(界面)に、次の図のように存在します(⇨図省略)。
『親水性(hydrophilic)』とは「水と相性が良いこと」で、極性部分がもつ性質です。一方、『疎水性(hydrophobic)』とは「水と相性が悪いこと」で、非極性部 分がもつ性質です。"hydro"は「水」、"philic"は「〜を好む」、"phobic"は〜を嫌う、という意味です。
アルカンの反応
•
アルカンは、paraffin
(parum+affinis
、乏しい 親和性)とも呼ばれ、反応性が低い。•
次の2つの反応が起こる✓ 酸化反応(燃焼)
✓ ハロゲン化反応
7
アルカンの別名を『パラフィン』と言います。パラフィン紙というのを知っているかもしれません。このパラフィン、"paraffin"="parum"+"affinis"で、直訳すると、親 和性が低い物、という意味です。つまり、あまり反応しません。
酸化反応(=燃焼)とラジカルによるハロゲン化反応は起こします。
p14 図2.2
反応系 生成系
エネルギーの放出(光や熱)
活性化エネルギー
C
nH
2n+1+ (3n+1)/2O
2-> nCO
2+ (n+1)H
2O
エネルギー
酸化反応
8
酸化反応です。この図は、反応が進むに従ってエネルギーがどの様に変化していくかを表した図です。化学反応式の左側のことを『反応系』、右側のことを『生成系』
と言います。途中にあるエネルギーの山が『エネルギー障壁』と呼ばれ、『活性化エネルギー』を表していることは覚えているでしょう。アルカンの酸化反応は、言い 換えると、炭化水素が燃えるということですから、二酸化炭素と水が生成します。その時、光や熱が出ます
【余談】物理化学の話です。メタン1molが酸化反応をおこす(燃焼する)と、890kJの熱が発生します。それを式で書くと、
高校では、
CH4 + 2O2 = CO2 + 2H2O + 890kJ 大学では、
CH4 + 2O2 = CO2 + 2H2O ΔH=-890kJ と書きます。
どちらの式も同じことを表していますが、書き方が全く違います。高校風の式は直感的に理解しやすいと思います。しかし、大学風の式も理解しなければなりません。
詳しくは物理化学の講義で登場すると思いますので、ここでは簡単に説明しておきます。
まず、ΔHとは?:Δは「差」のことです。Hはエンタルピー(enthalpy)、定圧条件下で考えるエネルギーのことです。ΔHで、反応系と生成系のエンタルピー差の ことです。
符号が ー(マイナス):ー は反応系よりも生成系の方がエンタルピーが低下ということを表しています。下がった分が熱として放出されます。つまり、発熱反応です。
このように、考え方も書き表し方も異なります。高校の熱化学方程式は「メタンが燃えて、二酸化炭素と水ができ発熱もした」という感じ、大学の物理化学の式は「メ タンの燃焼によって二酸化炭素と水ができた(=反応系から生成系に系が変わった)、その時、系がもつエンタルピーが減った(=熱として放出された)」という感 じ、でしょうか。これは、私個人の感じ方です。
紫外線(UV、ultraviolet)
radical
CH
3-CH
2••H
CH
3-CH
2•
•Cl Cl•
開始反応
連鎖反応
停止反応
HCl + CH
3-CH
2•
反応するradicalがなくなると、反応終了。
Cl-Cl CH3-CH2•
CH3-CH3
CH
3-CH
2-CH
2-CH
3Cl•
CH
3-CH
2Cl
CH
3-CH
2• CH
3-CH
3+ +
ハロゲン化反応
9
アルカンのハロゲン化反応です。
アルカンは反応性に乏しいため、ハロゲンラジカルという激しい反応剤が必要です。このハロゲンラジカルは、ハロゲン分子を紫外線で分解して作ります。そして、生 成したハロゲンラジカルが、アルカンのラジカル反応を引き起こします。次のような過程です。
1)開始反応:紫外線によって、塩素分子が塩素ラジカルになる。
2)連鎖反応:生成した塩素ラジカルはアルカンから水素を引き抜く。
→ HCl と アルカンのラジカル ができる
→ アルカンラジカルが、塩素分子やアルカンと次々に反応していく。
3)停止反応:もう反応するものがない
紫外線は非常にエネルギーの高い電磁波です。化学の世界でも使われますし、農学部では殺菌に使われます。
単結合の特徴は『回転する』ことである!
アルカンの立体構造
• sp 3混成軌道と正四面体構造(既出)
✓
sp
3混成軌道は単結合を作る•
立体配座と配座異性体✓ 立体配座(
conformation ):単結合の回転によって生
まれるいろいろな構造✓ 配座異性体(
conformer ):立体配座が違う異性体
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アルカンはsp3型混成軌道をもつ炭素が骨組みとなっており、炭素原子間はσ結合1本の単結合です。単結合の大きな特徴は、回転することです。比較として、二重結合 を考えてみましょう(二重結合をもつ炭化水素であるアルケンは第4章で登場)。二重結合はσ結合1本とπ結合1本からできており、π結合はσ結合の回転を邪魔する 形になっています。
結合が回転すると何が起きるか、実際に試して確認してみましょう。自分で試すには、まず、電源コードのような丈夫な(=あまり柔らかくない)ヒモを用意します。
次に、たるみが出るようにヒモの両端をそれぞれの手で持ち、単結合の回転のように、片方の手でヒモを捻ります。鎖が短い場合は、目立った変化はありませんが、鎖 が長くなってくると、刻一刻と形が変わっていくはずです。
単結合が回転することによって生じる様々な構造のことを『立体配座(conformation)』と言います。そして、立体配座が異なる異性体のことを『配座異性体
(conformer)』と言います。
アルカンの構造
11 出典:”Chemical Principles” (Macmillan)
アルカンの構造です。2個のsp3型炭素原子の間はσ結合1本の単結合、炭素原子と水素原子の間もσ結合1本の単結合です。これがアルカンの骨組みです。
Newman投影式 見る
立体配座と配座異性体
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立体配座を確認したり、配座異性体を比較したりする方法として、『Newman投影式(Newman projection)』があります。
図の青玉と赤玉はどちらも炭素原子を表しています。この青玉と赤玉を結ぶσ結合(☜これが基準になります)に沿うように、赤玉から青玉を見通します(逆でもよ い)。そして、それぞれの炭素原子から出ている3本の結合(=4本の結合のうち基準としたσ結合以外の3本)の位置を比較すると、重なっていたり、ズレていたりし ます。それが、立体配座が異なるということであり、それぞれが配座異性体の関係にあります。
-180 -120 -60 0 60 120 180
エネルギー anti anti
重なり型
gauche 20 kJmol-1 gauche
15 kJmol-1 15 kJmol-1
3.8 kJmol-1 3.8 kJmol-1
回転とエネルギー変化
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分子のもつエネルギーは分子の形によって変化します。ここでは、回転によって立体配座が変化すると、分子がもつエネルギーはどの様に変化するかを考えてみましょ う。
教科書ではp18の図2.6の話です。ブタン(CH3-CH2-CH2-CH3)を例として使います。赤炭素原子と青炭素原子を繋ぐσ結合を基準としてブタンを見ます。Newman投 影式です。このpdf版ではNewman投影式に合わせて、三角形を二つ重ねた図を描いています。それぞれの色がブタンの2番目と3番目の炭素原子に対応しています(三 角形の赤の色がおかしいです)。三角形上の黒丸はCH3-(メチル基)に対応しています。
【注意】教科書の図では、メチル基が反対側にある時を0 としています。一般的には、メチル基が同じ側にある時が0 です。このpdf版では(動画版も)後者を使ってい るため、教科書のp18の図とこのp13の図では横軸の値が異なっています。
手前の青炭素が一回転すると、ブタンの両端のメチル基の位置関係によって、つまり立体配座によって、分子のもつエネルギーが変化します。図から分かるように、角 度0 の重なり型の時がエネルギーが大きい状態です。二つのメチル基が近づいて、邪魔になるからです。メチル基と水素原子が近づいた時も少しエネルギー状態が上が ります。"anti"や"gauche"は立体配座を表す言葉です。
「重なり型ではなぜエネルギーが大きいか」の理由について、メチル基が邪魔になると書きましたが、化学では『立体障害』が大きいと言います。構造式を見ても、重 なり型での立体障害は感じませんが、分子モデル(特に空間充填モデル)を使うと、実感できます。また、gauche型のエネルギーの低さは、立体障害の小ささだけで なく、『超共役』という概念でも説明されます。超共役は教科書p52に登場します。
-180 -120 -60 0 60 120 180
エネルギー
eclipsed
12 kJmol-1
staggered
eclipsed eclipsed
staggered staggered staggered
回転とエネルギー変化
H H
H
H H
H
H H
H
H H
H
14
エタンの配座異性体のエネルギー状態の図です。
ブタンの場合と同じように、回転によって分子のもつエネルギーが変化しますが、エタンでは接近するのが水素原子同士であるため、エネルギーの山の高さは一定にな ります。
シクロアルカン(cycloalkane):環状のアルカン
環状のために動きが制限される。
sp3型炭素3個で無理に環構造を 作っているので、歪みが大きい。
cyclopropane
置換基 水素
cis型 trans型
シクロアルカン
立体構造と異性体
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環状のアルカンのことを『環状アルカン(cycloalkane)』と言います。
“cyclo"は環状という意味であり、命名法は、アルカンの名前の前にcycloを付けるだけです。図はいちばん小さい環状アルカンであるシクロプロパンです。sp3型炭素 原子3個が環を作っていますが、これには無理があり、環を作る結合の角度は正常なsp3型炭素がもつ角度(109.5 )からずれています。また、環状であるために回転と いう動きが制限されており、cis型・trans型という異性体(cis-trans異性体)が存在します。
boat
型chair
型環状のために動きが制限される。
また、環に付いているグループの 込み合いのために好ましい構造が 決まる。
cyclohexane
シクロアルカン
立体構造と異性体
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C6の環状アルカンはシクロヘキサンと言います。
結合を作る角度のズレは、問題ない程に小さくなります。環状であるために炭素鎖の動きはまだ制限されていますが、舟型とイス型という二つの構造をとることができ ます。イス型が安定な構造ですが、環に付いているグループが邪魔しあうような場合はその状態を避けるような構造にもなります。
chair
型cyclohexane
axial
equatorial
垂直方向
水平方向
axial
equatorial
シクロアルカン
立体構造と異性体
17
シクロヘキサンがイス型をとる場合、各炭素原子から伸びている結合の方向を、"axial"(シクロヘキサンの環の面に垂直方向)と"equatorial"(環の面に含まれる方 向)という名前で区別します。
有機化学
第2章「有機化合物の表現法とアルカン」
終
18