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「対話」を通した学びへの着眼

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Academic year: 2021

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図書館の徹底活用術⑪

「対話」を通した学びへの着眼

Bakhtinの『言語と文化の記号論』に寄せて

「対話」を通した学びへの着眼

Bakhtinの『言語と文化の記号論』に寄せて

「対話」を通した学びへの着眼

Bakhtinの『言語と文化の記号論』に寄せて

枝元 益祐

 皆さんの学習支援の為に図書館の有用な活用 方策についての近接領域を毎回紹介をしています。

皆さんの学習活動を拡張する拠点である図書館 を有効に活用する為の窓口に於けるレファレン スサービスでの「対話」という実践活動や経験 を通した学びに焦点を当てつつ前回は、ブルー ナー(Bruner,J.S)の『可能世界の心理』で展 開された「論理・実証モード」と「物語モード」

に沿って「対話」について着眼しました。

 それを図書館での学びへと繋げる為に更に今 回は、バフチン(Bakhtin,  M.  M.)が展開した

「他者性」に着眼したいと思います。

 毎回継続して図書館での学びを、共同体での 協同関係に基づく関係性から生成する主体的学 習とその支援という側面で捉えていますが、今 回も同様に、お互いの感情や人間関係、更には 対話することや協同的に学習することへの価値 や規範といったものも伝達され共有化されてい くプロセスを踏襲します。というのは、こうい った観点が相互作用しているメンバー間の感情 的な結び付き(紐帯関係)を作り上げ、更には 対話空間というものを構築していく上での重要 な契機になっているからです。

 社会的構成主義(social  constructivism)

では、人間の認識は社会文化の中でその影響を 受けながら、直接的には他者との相互作用を通 して自らの考えや知識が構成されていくと捉え ます。であるから、主体的な学習やそれを支え る知識は決して個人の頭の中に孤立した状態で 存在するのではなく、その個人が帰属し、参加 している『学びの共同体』の中に共有化される 形態で成立していると考えることができます。

 こういった共同体の中での「対話」に着眼し たBakhtinはその著書『言語と文化の記号論』(北

岡誠司(訳)新時代社、1980.)で、共同体内に 於ける他者との対話こそが、それぞれの構成員(メ ンバー)が暗黙に持ってしまっている共同体内 の内部閉鎖的な規範、パラダイムを壊していく 契機になると主張しています。だからこそ、他 者との相互作用が重要な位置を占めることにな るのです。ここに共同体内の他者性が持ってい る役割があるということができます。このよう な他者の存在と役割を端的に表現したのが、「対 話性」であり、異質な者との真の対話から生成 する創造性を指摘した「内的説得力のある言葉」

というものです。

 他者と関わるということは、自己を他者に投 影し、そこで自己を明らかにすることで改めて 自己を意識していくという過程であるというこ とができます。この意味では、ミード(Mead,  G.  H.)の社会的自我形成と共通する認識があり ますが、こういった他者との関係性から生成す る学びに着眼することの意味は、そこには人間 の認識がどのように成立するのかという重要な 捉え方があるからです。

 つまり、人間の認識やその意識に基づく言葉 は外部にある対象世界でもなく、同時に個人の 頭の中でもなく、他者との関係性の中に存在す ると考えることができます。ここに於て、その 他者と自己とを結びつける「対話」がその関係 性構築及び言語に於いて重要な機能を帯びてい るということができます。

 このことを図書館での主体的な学びとその支 援という関係性に当て嵌める為に次回は、更に Bakhtinの言説に踏み込んで考察を深めたいと思 います。

えだもと ますひろ(准教授・図書館学・教育学)

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図書館運営委員からの寄稿

参照

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