第1学年 数学科学習指導案
平成
30年
6月
20日(水)
日田市立東部中学校
1年
1組
25名 指導者 佐藤武吉 1.単元名
1章 正負の数
2.単元設定の理由
この単元では、小学校では扱わなかった負の数の概念を学ぶことで、日常生活の中で目にする反対の性質や基 準となる目標値からの増減を+や-を用いて表せるようになる。数の範囲を負の数まで拡張することは、様々な 事象における変化や状況を分かりやすく表したり、能率的に処理したりするために大変重要である。また、これ まで解くことができなかった6-9のような引く数の方が大きい計算もできるようになったり、加法と減法を 統一的に扱うことができるようになったりと、計算の自由度が飛躍的に向上する。これは、日常生活の中でも関 連付けられる場面が多く、生活場面での「計算」の適用範囲を広げることにもつながる。しかしながら、生徒に とっては本単元の学習の目的が「計算できること」に向かいがちであるため、計算の意味を考えることや、既習 事項をもとに考えを拡張していくことの過程を大切にする必要がある単元でもある。
本学級の生徒は、活発に発言・発表する生徒と静かに授業に取り組む生徒が二極化している様子が見られる。
しかし、ペア・グループ学習や学び合い学習の場を設定すると、よく話し自分の意見を述べたり相手の意見を聞 いたりすることができるようになる。1学期の中間テストでは、正負の数の加法と減法の混じった計算までが 範囲であったが、クラスの平均点は
86.4点と良好であった。その後の小テスト等の結果も踏まえると、
8割の 生徒は正負の数の四則計算までをほぼ理解している。基本計算に不安のある残り
2割の生徒への支援については、
補充学習を行い対応していく。
単元の指導にあたっては、まず身の回りの反対の性質をもつ量を取り上げ、0より大きい数だけでなく小さい 数も存在することに気づかせる。また、必要に応じて基準が0とは異なる事象を取り上げ、負の数が反対の意味 をもつことも理解させたい。次に正負の数の四則計算では、小学校で学習した計算のきまりとの関連を確認する ことや、負の数が出てきたことによる数の読み取り方の違いを明らかにすること、乗法・除法の積・商の符号の きまりを見つけ出す活動を行うことなど、確実な技能の定着を図るだけでなく、計算の意味を考えながら指導を 進めていく。この指導の流れの中で、本時の教材は、バレーボールという身近なスポーツに関わる資料を扱い、
生徒の興味・関心を引き出す。ある中学校の女子バレーボール部の平均身長を求めるために、単純に全ての身長 の和を人数で割る通常の求め方ではなく、仮平均との差を正負の数で表し、その値の平均を仮平均に加える求め 方を学習する。切りのいい数値や、予想される身長の平均を仮平均とし、その解き方をグループで話し合わせな がら、実際の平均を求めさせる。新たに学習した負の数の考えを取り入れることで、どこを基準とすればより
「早く」「簡単」「正確」に解くことができるかを判断する考え方や力を身につけさせたい。
3.単元目標
(1)数学への関心・意欲・態度
○正の数と負の数に関心をもち、その必要性と意味を考えたり、正の数と負の数を用いて、身の回りの様々な 事象を表したりしようとしている。
○正の数と負の数の四則計算に関心を持ち、その意味や計算の仕方を考えたり、計算したりしようとしている。
○正の数と負の数を用いることに関心を持ち、様々な事象における変化や状況を表したり処理したりしようと している。
(2)数学的な見方や考え方
○最高気温の前日との差など正の数と負の数が使われている具体的な場面を見いだし、正の数と負の数がどの ように用いられているのかを考えることができる。
○既習の計算を基にして、正の数と負の数の計算の仕方を見いだすことができる。
○数を正の数と負の数にまで拡張し、加法と減法を統一的にみることで、加法と減法の混じった式を正の項や 負の項の和として捉えることができる。
○数の集合と四則演算の可能性について捉え直すことができる。
○設定した目標値からの増減を調べ目標の達成状況を把握するなど、正の数と負の数を用いて様々な現象にお
ける変化や状況を捉えることができる。
(3)数学的な技能
○正の数と負の数を用いて、身の回りの様々な事象を表すことができる。
○正の数と負の数を用いて反対の方向や性質を表すことができる。
○正の数と負の数を数直線上に表したり、大小関係を不等号を用いて表したりすることができる。
○正の数と負の数の四則計算ができる。
○加法と減法の混じった式を、正の項や負の項の和として表すことができる。
○仮平均を定め、平均を求めるなど、正の数と負の数を用いて、身の回りの様々な事象を表したり処理したり することができる。
(4)数量や図形などについての知識・理解
○正の数と負の数の必要性と意味を理解している。
○自然数や整数、正の数と負の数の大小関係、符号、絶対値の意味を理解している。
○正の数と負の数の四則計算の仕方を理解している。
○数を正の数と負の数にまで拡張することによって、加法と減法を統一的にみることができることを理解して いる。
○正の数と負の数を用いると、変化や状況を分かりやすく表したり、能率的に処理したりできることを理解し ている。
4.指導計画と配当時間・評価計画
(1)単元の指導計画
節 時間数 内容 授業形態
1-① 2 符号のついた数 一斉
1-② 2 数の大小 一斉
2-① 3 加法
T・
T2-② 2 減法
T・
T2-③ 2 加法と減法の混じった計算
T・
T3-① 4 乗法
T・
T3-② 3 除法
T・
T3-③ 1 四則の混じった計算
T・
T3-④ 1 数の範囲と四則 一斉
4-① 1 正負の数の利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(本時) 一斉
5-① 1 第1章の振り返り、検証問題の実施 一斉
詳細は別紙
(2)4-①の評価計画
時 課題 まとめ 評価規準
1
女子バレーボール部の身長の 平 均 を 、 「 早 く 」 「 簡 単 」
「正確」に求めるにはどんな 工夫をすればよいだろうか。
仮平均との差を正負の数で表 し、その平均を求め仮平均と 比較して求める。
計算が容易になるような仮平 均を設定し、その差を正負の 数で表し、 求めた平均値をも とに身 長の平均値を 求めるこ とができる。
【数学的な見方や考え方】
5.本時案
(1)題目 正負の数の利用
(2)主眼
10人の生徒の平均身長を、自分で仮平均を決めその差の平均と仮平均をたすことにより、「速 く・簡単・正確」に解くことができる。
(3)授業仮説 通常の平均の求め方だと数値が大きくなってしまう場合、仮平均の考え方を使って適切な基準を設 定して求めた方が「早く・簡単・正確」に解くことができるということを、ペア・グループでの活 動を通して考えることで、理解することができるであろう。
(4)展開
学習活動 配
時 指導上の留意点・支援 評価・備考
1.本時めあてと 問題 をを確認する。
2.本 時の課題 を確認 し 、 問 題 を 解 決 す る。
1 0
2 4
○本時のめあてを提示し、確認させる。
めあて 平均を(「は」「か」「せ」で)求められるようになろう。
・( )の中の文字は課題の提示後に記入する。
○予備問題を提示し、通常の平均の求め方を確認させる。
問1 H 市で行われた女子バレーボール大会において、T 中学校が優勝 した。優勝するまでに5試合行ったのだが、T 中学校のサービス エースでの得点は次のようになった。
[12 点、3 点、13 点、7 点、5 点]
この大会
5試合での、サービスエースによる得点の平均を求めな さい。
○ミニホワイトボードに計算と答えを記入させ、隣同士で確認させる。
・(13+3+13+7+5)÷5=8 A.平均
8点
○本時の問題を提示し、10
人の身長の平均の求め方を考えさせる。
問2 T 中学校の女子バレーボール部員
10名の身長は次の通りである。
[157㎝、159㎝、148㎝、151㎝、142㎝
167㎝、162㎝、153㎝、143㎝、158㎝]
10 名の身長の平均を求めなさい。
○問1と同様にミニホワイトボードに解かせるが、短時間で止めさせ、
生徒に計算の感想を発表させる。
・得点のときと同じように平均は出せるが、数値が大きくなり大変だ。
・もっと「早く」「簡単」「正確」(「は」「か」「せ」)に求める方 法はないだろうか。
○本時の課題を確認させる。
課題 10 人の部員の身長の平均を、「は」「か」「せ」で求めるにはど んな工夫をすればよいだろうか。
○「早く、簡単に」解くためには、どんな数値であればよいかを考えさ
せ、る。
・切りのいい数値 ・桁数が少ない数値
○桁数を少なくし、「は」「か」「せ」で問題を解くために、どんな工夫
をすればよいか方針を立てさせる。
・基準(仮平均)を決めて実際の身長との差を正負の数で表し、その数値 の平均を求め、仮平均に加える。
・自分で決めた基準のことを「仮平均」ということを確認する。
○仮平均を何㎝にするかミニホワイトボードに書かせ、解かせる。
・切りのいい数値を基準に、実際の身長との差を正負の数で表す。
・身長の平均を予想し、その値を基準に、実際の身長との差を正負の数 で表す。
○仮平均が同じ数値の生徒同士をグループにし、解き方を確認させる。
・グループごとに大ホワイトボードに解き方を書かせる。
・グループごとに決めた仮平均と解き方を発表する。
○仮平均の設定の仕方により、計算の難易度は少し変わるが同じ答えを
求めることができることを確認させる。
個
個→ペア 個
個
「努力を要する状 況の生徒」には、
ヒントカードを与 える。
個→グループ
「十分満足できる
状 況 」 の 生 徒 に
は、理解の進まな
い生徒に教えさせ
3.本時のまとめを確 認する。
4.本 時の学習の振り 返りをする。
5.適用 問題に取り組 む。
5
3
8
○本時のまとめを確認させる。
まとめ 仮平均を決めて、実際の身長との差を正負の数で表し、その数 値の平均を求めて、仮平均に加えると、簡単な数字の計算で身 長の平均を求めることができる。
○本時の学習を通して、新たにわかったことや理解が深まったこと等を
振り返らせ、ノートに記述させる。
・仮平均を使うことのよさや正の数だけでなく、負の数が使うことで、
より計算が「早く」「簡単」「正確」に解けるようになったことに触 れる。
○適用問題を解き、本時の学習の習熟を図らせる。
問3 現在行われているサッカーW杯ロシア大会。ここに出場している 日本代表の最終強化試合のスターティングメンバー
11名の身長は 次の通りである。
[184㎝、181㎝、178㎝、186㎝、176㎝
175㎝、168㎝、173㎝、174㎝、178㎝、174㎝]
このスタメン
11名の身長の平均を、仮平均を自分で決め工夫し て求めなさい。
・180㎝を仮平均とすると、
(4+1-2+6-4-12-6-5-6-2-7)÷11=-3
180-3=177 A.平均
177㎝○追加の適用問題は、家庭学習の中で行わせる。
る
【数学的な見方や 考え方】計算が容 易になるような仮 平均を設定し、そ の差を正負の数で 表し、求めた平均 値をもとに身長の 平均値を求めるこ とができる。
(ノート)
めあて
平均を(「は」「か」「せ」で)求 められるようになろう。
問1
(
12+3+13+7+5)
÷5=
8 A. 平均 8点
問2 T 中学校の女子バレーボール部 員
10名の身長は
次の通りである。
名前 竹内 鈴木 刀根 松本 岸田 馬場 後藤 姫野
身長
(㎝)
15 7
15 9
14 8
15 1
14 2
16 7
16 2
15 3
10 名の身長の平均を求めなさい。
・得点のときと同じように平均は出せるが、数値が 大きくなり大変だ。
・もっと「早く」「簡単」「正確」(「は」「か」
「せ」)に
求める方法はないだろうか。
課題 10 人の部 員の身 長の平均を、
「は」「か」「せ」で
求めるにはどんな工夫をすれば よいだろうか。
○
「早く、簡単に」解くためにはどんな数 値だったらいい?
・切りのいい数値 ・桁数が少ない数値
○どんな工夫をすればよいだろう?
【方針】・基準を決め、正負の数を使う。
↓
仮平均と実際の身長の差を求め、実際の身長よ り小さい数値でその平均を求めよう。
そして、その平均を仮平均に加えよう。
※仮平均ごとの解答を書いたホワイト
ボードを掲示
まとめ 仮平均を決めて、実際の身長 との差を正負の数で表し、その数値の 平均を求めて、仮平均に加えると、簡 単な数字の計算で身長の平均を求める ことができる。
振り返り
新たにわかったことや理解が深まっ たことを書こう。
問3 現在行われているサッカーW杯 ロシア大会。ここに出場している日本 代表の最終強化試合のスターティング メンバー
11名の身長は次の通りである。
名前 東 口
昌 子
遠 藤
植 田
酒 井
柴 崎
乾 山 口 身長
(㎝
) 18
4 18
1 17
8 18
6 17
6 17
5 16
8 17
3
このスタメン
11名の身長の平均を仮平
均を自分で決め、工夫して求めなさい。
・180㎝を仮平均とすると、
(4+1-2+6-4-12-6-5-6-2-7 )
÷11=-3 180-3=177
A . 平均 177 ㎝
板 書 計 画 1 年 生 第 1 章 「 正 負 の 数 ( 正 負 の 数 の 利 用 ) 」
平成
30年
6月
20日(水)
日 田市立東部中学校 1 年
1組
【整理】仮平均160㎝
-3、-1、-12、-9、-18 +7、+2、-7、-17、-2
【計算】
(-3-1-12-9-18 +7+2-7-17-2)÷10
=-6
【答え】
155+(-6)=154 A. 平均 ㎝154
【整理】仮平均150㎝
+7、+9、-2、+1、-8 +17、+12、+3、-7、+8
【計算】
(7+9-2+1-8
+17+12+3-7+8)÷10
=+4
【答え】
150+(+4)=154 A. 平均 154 ㎝
【整理】仮平均155㎝
+2、+4、-7、-4、-13 +12、 +7、-2、 - 12、+3
【計算】
(2+4-7-4-13
+12+7-2-12+3)÷10
=-1
【答え】
155+(-1)=154 A. 平均 154 ㎝