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−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

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水素生産を目的とした環境微生物からの 有用菌の分離・同定及びその生物活性に関する研究

日大生産工(院) ○小林 淳平 日大生産工 神野 英毅

111 1.... 緒言緒言緒言緒言

水素は燃焼による炭酸ガスの発生が無いため、

クリーンエネルギーとして注目されているだけ でなく、ここ十数年の急速な燃料電池の発展と 共にその重要性も増してきている。しかし、水 素は化石燃料などとは異なり、一次エネルギー ではないため、何らかの方法で生産する必要が ある。今現在の工業的な水素生産法では、原料 に、天然ガス、石炭や重炭化水素が用いられて いるが、このような生産法は経済面での恩恵が 大きい反面、天然資源を生産に用いているため、

化石燃料の代替物としての観点から考えた場合、

大きく矛盾しているといえる。また、これらの 方法は副生産物として二酸化炭素を排出するこ とから、環境面でも問題を抱えているといえる。

一方、微生物を用いた生物学的水素生産が近 年のエネルギー研究で重要な分野として認識さ れるようになってきている。このような水素生 産は化石燃料を使用しない点、二酸化炭素の排 出が少ない、またはほとんどない点、有機廃棄 物の処理も兼ねている点など、現在の工業的生 産法に比べて環境面での利点が大きい。しかし、

生産に時間がかかり大量生産が難しいという点 において改良・改善の余地がある。

これまで新規光合成細菌の探索を行い、従来 用 い ら れ て き た 光 合 成 細 菌 Rhodobacter sphaeroides RV よりも高い水素生産能を示す

I-2A-H株を得ることに成功した。

そこで、実質的な水素生産を視野に入れ、

I-2A-H株と乳酸発酵菌 Rhizopus oryzae の混 合培養条件の検討と、実際の有機廃棄物の多く をセルロースが占めることから、前年度に分離 した高セルラーゼ活性菌の条件検討を行うこと とした。

2 22

2.... 実験方法実験方法 実験方法実験方法

セルラーゼ産生菌の探索と、セルラーゼ活性

測定はMurao等の研究1)に従って行った。

2.

2.2.

2.1111 有用菌株における培養条件の検討有用菌株における培養条件の検討有用菌株における培養条件の検討有用菌株における培養条件の検討

前年度までの実験において、高いセルラーゼ 活性を示した菌株を用いてさらなる培養条件の 検討を行った。その際、5 % 小麦ふすま溶液(pH 6)にグルタミン酸ナトリウム5.0 g/L、KH2PO4

5.0g/L、MgSO4・7H2O 1.0 g/L、NaCl 2.0 g/L、

Yeast Extract 5.0 g/L, (NH4)2SO4 1.4 g/L, NaNO3 2.0 g/L, Urea 3.0 g/L, Peptone 0.8 g/L, Tween80 1.0g/Lをそれぞれ一種類ずつ添 加したものを用いて行った。また、pH による 影響を調べるために、pH 4.0~12.0まで0.5ず つ変化させた 5%小麦ふすま溶液を調製し、5 日間、37℃で培養を行い、培養液中に生成され たセルラーゼの活性を測定した。

2.2 2.2 2.2

2.2 水素発生実験水素発生実験水素発生実験水素発生実験

分離したRhodobacter sphaeroides I-2A-H 株とRhizopus oryzaeを順次拡大培養し、遠心 分離にかけて集菌した (9000 rpm×15min) 。

Isolation and identification of useful microorganisms for bio-hydrogen production from environmental microorganisms

Jyumpei KOBAYASHI and Hideki KOHNO

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

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5-21

(2)

その後上清を捨て、Basal mediumで再懸濁し、

分光光度計を用いて波長600 nm時の吸光度か らI-2A-H株のODを1.5、Rhizopus oryzaeの ODを0.15、0.30、0.45、0.60、0.75、0.90に それぞれ調製し、全量を15 mlとした。ルー型 培養瓶に懸濁液と、寒天を4%溶解させたBasal

medium15 mlを加え、固まるまで約10分間静

置した(図 1)。その後、外液として水素生産用 培地(有機酸、グルタミン酸)を加え、恒温水槽

(30 °C) に設置し、ハロゲンランプを用いた光

照射下 (10 klux) で発生した水素を時間ごとに プロットした。発生した水素をチューブを通し て水酸化ナトリウム水溶液中に水上置換にて採 取した。

333

3.... 結結結結果及び考察果及び考察果及び考察果及び考察 333

3....1111 有用菌株における培養条件の検討有用菌株における培養条件の検討有用菌株における培養条件の検討有用菌株における培養条件の検討

菌株として最も高い活性を示した 31-1 株を 用いてさらなる培養条件の検討を行った結果を 図2に示した。この図のpH 6.0の状態を通常 状態と考えると、塩化カルシウム、イーストエ クストラクト、カザミノ酸の3種の添加物にの み収率の向上が見られた。この中で塩化カルシ ウムはカルシウム源として機能していると考え られ、イーストエクストラクトとカザミノ酸は 有機窒素源として機能していると考えられる。

また、pHによる影響では、pH 8.0のときに最 もよい収率を示し、7.700 mMであった。

ここから31-1株の培養は塩化カルシウム、イ ーストエクストラクトを添加し、pH 8.0に調製 したものを以降の研究で用いることとした。

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

pH 4.0 pH 5.0 pH 6.0 pH 7.0 pH 8.0 pH 9.0 pH 10.0 pH 11.0 pH 12.0

Sugar consentration (mM)

333

3.2 .2 .2 .2 水素発生実験水素発生実験水素発生実験水素発生実験

Rhizopus oryzaeのODをそれぞれ検討した

結果、OD=0.75のときが水素生産量、対糖収率

共 に 最 も 高 く 、 そ れ ぞ れ 404ml、7.14 mol H2/mol glucoseであった。しかし、この値はRV を用いた研究に比べ、対糖収率は低くないもの の、水素生産量は低く、更なる培養条件の検討 が必要といえる。

4.

4. 4.

4. 結論結論 結論結論

高セルロース分解能を有する微生物の分離に 成功し、それらの更なる培養条件の検討を行い、

収率を向上させる幾つかの条件を発見すると共 に、I-2A-H株とRhizopus oryzaeの混合培養実 験に成功した。また、微生物の生育や代謝に影 響を与える物質や外的因子は今回の報告で示し たもの以外にも、存在していることから、以降 も継続して培養条件の検討を行っていくことで、

更なる収率の向上が見込めるものと考えられる。

5 55

5. . . . 参考文献参考文献 参考文献参考文献

1) Sawao Murao, Jinshu Kanamoto, and Motoo Arai. Isolation and Identification of a Cellulolytic Enzyme Producing Microorganism. J Ferment Technol 1979;57:151-156

図 1. ルー型培養ビン中での微生物の固定化

図2 有用株の培地条件検討

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図  1.  ルー型培養ビン中での微生物の固定化

参照

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