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授業における子どもの反省的思考に関する研究―小学校高学年の調査を中心に― [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)授業における子どもの反省的思考に関する研究 ―小学校高学年の調査を中心に― キーワード:子ども、教師、反省的思考、連続的ディスコース、学習環境モデル. 教育システム専攻 王 紅 序章. 1.文献調査. 反省的思考とはデューイが提唱した概念であり、「ある問. 反省的思考、学習環境、教育学習指導に関する本、雑誌. 題を意識し、それを解決していく一連の思考のことである」. や論文等の先行研究や文献を収集して調査する。. (中原 2000 p.62)。第 15 期中央教育審議会では自ら学び、. 2.質問紙調査. 自ら考え、判断・行動し、よりよく問題を解決する児童・生徒. F 市立 A 小学校五年生、六年生、X 市立 Y 小学校の五年. の育成を目指し、教育課程の弾力化、指導方法の改善等の. 生を調査対象にして質問紙調査を行った。まず、子どもの反. 必要性を強調している。そこで「反省的実践家」としての教師. 省的思考に関する予備調査を実施し、その結果を踏まえ、. の反省的思考が必要だけでなく、子どもも反省的思考を行. 本調査を実施した。子どもの反省的思考について計 305 人. わなければならない。しかし、これまでの研究は教師の反省. の児童から回答を得た。. 的思考に関する考察に偏り、子どもを主体とした反省的思考. 3.小学校教師への聞き取り調査. に焦点を当てて子どもの反省的思考の実態まで言及されて. 後述する 4 名の小学校教師に聞き取り調査を行うことによ. おらず、その検討も不十分である。そして、子どもの反省的. り、質問紙調査の結果、子どもの反省的思考を育てるよい学. 思考の現状を考察することによって、子どもに反省的思考を. 習環境とは何なのか、そのような学習環境をどのように作れ. 促せるような学習環境のモデルへの構想は具体的になされ. ばいいのかを考察した。. ていない。. 第 1 章「反省的思考」に関する概念. 研究目的. 1.1「反省的思考」の定義. 本研究では、授業における子どもの反省的思考を考察す. 反省的思考はジョン・デューイが提唱した概念であり、ここ. るための知見を得ることを目的とする。具体的には以下の二. でその定義についてデューイ(1933)、堀江・羽野(1997)、. 点である。第一、子どもの反省的思考はどのように働くのか、. 藤井(2010)、三つを取り上げて検討した。反省的思考に関. どのような傾向や特徴が見られるのかなど、子どもの反省的. するこの三つの定義を次のようにまとめることができる。思考. 思考の現状を明らかにする。第二、子どもの反省的思考を. 主体はある主題や目的、あるいは課題をもって証拠や合理. ひきだすため、どんな学習環境モデルが望まれるのかを考. 性に基づき、思考の展開への振り返りによって経験を連続. 察する。. 的に関連付け、発展的に考えて絶えず本質を追究しつづけ. 先行研究の検討. る。. 反省的思考について、ここでは二つの先行研究を取り上. そういった「『反省的思考』の特色は、常識的に思いつい. げる。一つは川和(2002)による反省的活動としての話し合. た仮説を検証して、その誤謬(不当性、目的への不適合性). い活動を組織するための要件に関する研究であり、もう一つ. を明らかにすることによって、それを拒否し、そして常識(ル. は柳田(2008)による数学における反省的思考のメカニズム. ーティン)では考え付かなかった、あたらしい結論を発見しよ. と関係的理解に関する研究である。これらの研究はどの発. うと努力するところにある」(梅根 1953 p.70)。. 達段階の子どもであるのかといったような研究対象を明確に. 1.2.「反省的思考」の五つの側面 phases もしくは局面 aspects. はされず、反省的思考に関する理論的検討に留まっていて. デューイ(1933)は、「反省的思考の五つの側面あるいは局. 子どもの反省的思考の実態まで明確に言及されていない。. 面」を、最終的には反省的思考に「不可欠の特質」であり、. また、上述したように子どもの反省的思考の現状を踏まえて、. 以下のように「反省的思考」の側面を示唆、知的整理、指導. 子どもの反省的思考を重視した学習環境モデルに関する構. 観念(仮説)、推論、行動による仮説の検証の五つにまとめ. 想がほとんどなされていない。. て取り上げている。. 研究方法. 藤井(2010)によると、「反省的思考の五つの側面あるいは 1.

(2) 局面」とは、「展開された思考を反省的に分析することにより. 2.3.連続的ディスコースの形成における教師の役割. 明らかになり、それぞれ、意味の認知・使用の方法として、さ. 堀江・羽野(1997)は反省的思考あるいは連続的ディスコ. まざまな場面で繰り返し、あるいは継続的に、同時進行的に. ースの習慣を育てることをめざす教育において、教師には、. 見ることができる思考の五つの種類の知性的な機能の分類. 子どもの反省的思考を喚起し、教室に連続的ディスコースが. なのである」(藤井 2010 p.237)。デューイは、これらの「側. 生まれることが求められると指摘した。教師はどのような役割. 面あるいは局面」が、探究の過程がたどる「固定的な段階」と. を果たすべきなのかについて堀江・羽野(1997)は以下のよ. して捉えることはできないこと、相互に「折り重なっている」こ. うに述べている。. とや、あるいは側面が「急いで通り過ぎられる」ことや、繰り返. まず、子どもたちを教育内容そのものに興味づけさせる。. し現れたりすることを指摘している。. 次に、出発点は衝動的な興味であったが、自分は何をしよう. 1.3.反省的思考の意義. としているのか、ということを意識して教育内容に向かう知的. 第一に、展開した自己の思考を、反省的に点検・確認す. 興味へと連続的に発展させていく。そして、子どもたちが、自. る観点として使用することにより、確実性を持って問題解決. 分たちの経験を根拠づけていくように推論し、教師とのディ. の活動を導くことが可能であることであり、第二に、一つの探. スコースに支えられながら、推論を共有し、共有したことをす. 究が経験として構成され、その後の探究を導くための知識が. りあわせて、真の問題の発見へと共同で探究するようにして. 精緻化されて蓄積され、その後の経験が連続的・発展的に. いくのである。さらに、個人が生活の中で形成した感覚や印. 構成されていくことである。. 象、あるいは、議論によって形成された理論的な知を表現さ. 1.4 授業における子どもの反省的思考の意義. せる。. 子どもの反省的思考を取り入れる意義について、川和. 第 3 章 子どもの反省的思考に関する現状調査. (2010)は以下のように 3 点に整理している。つまり、①学習. 3.1.小学校高学年の子どもに対する質問紙調査. 内容への再認識、その理解への深化 ②学習内容への再. 3.1.1.質問紙調査の概要. 統合、再構成 ③学習内容への教訓帰納である。. 本研究では、F 市立 A 小学校での一年間のフィールドワ. 第 2 章 連続的ディスコースの形態と子どもの反省的思考. ークを通して得た見聞や、デューイの反省的思考に関する. 2.1.連続的ディスコースの形態. 理論に基づき、質問紙を作成し、平成 25 年 2 月 20 日に、. 堀江・羽野(1997)は以下の通りに連続的ディスコースを. 予備調査を行い、平成 25 年 3 月 31 日に、回収した。調査対. 三つの形態に分けて述べた。. 象は小学校五年生と六年生とし、質問項目は計 18 問で、回. 第一の形態は、他者との直接的議論である。第二の形態. 答は無記名である。その予備調査の結果を踏まえて、平成. は、個人的探究の過程において、個人の知性の内部で生じ. 25 年 6 月 28 日に 21 項目に再構成した質問紙を使い、F 市. る、他を想定した間接的議論の形態である。第三の形態は、. 立 A 小学校の五年生と六年生や X 市立 Y 小学校の五年生. 自分の内部での静かな対話という形態である。. に本調査を行った。研究対象は小学校五年生と六年生とし、. 2.2.子どもの反省的思考に対する連続的ディスコースの意. 質問項目は計 21 問で、回答は無記名である。. 義. 3.1.2.質問紙調査の結果. 子どもたちの個人活動、集団活動や教師とのかかわりに. 質問紙調査は送付した 305 通はすべて回収したため、回. 焦点を当てて、子どもの反省的思考に対する連続的ディス. 収率は 100%であった。そのうち、A 小学校は五年生が 3 ク. コースの意義を検討した。. ラスあり、110 名であり、Y 小学校は五年生が 2 クラスあり、69. まず、個人活動では子どもは反省的思考を行うことにより、. 名である。五年生は A 小学校と Y 小学校を合わせて計 179. 連続的ディスコースにおいて主体内面で連続的に関連づけ. 名である。六年生は A 小学校が 4 クラスで 126 名である。. られ、発展的な思考展開に関する再整理と再組織が遂げら. この結果に因子分析を行ったところ五つの因子をとること. れる。. ができたので、子どもには反省的思考の五つの側面あるい. また、集団活動では、子どもは反省的思考を行うことによ. は局面があると言える。五年生、六年生を全体としてとらえる. って、連続的ディスコースにおいて相互に思考の刺激を受. と、反省的思考の五つの側面あるいは局面のうちでは、一. け、思考の展開の方向・視点の多様化が実現される。. 番機能しているのは仮説であり、次に働くのは状況把握であ. そして、教師とのかかわりでは、子どもは反省的思考を行. る。推論はその次に続く。そして、検証は四番目になり、問. うことで、示唆などによる教師の学習支援から思考の内容の. 題意識が最も弱いという傾向が見られた。他方、子どもの反. 補足および追究方向の修正が期待される。. 省的思考には各側面あるいは局面の機能のバランスがとら 2.

(3) れていないであるが、子どもの反省的思考の五つの側面あ. 面あるいは局面のうちでは、仮説においてほかの側面ある. るいは局面には極端な差が特にないということがわかった。. いは局面より一番働いている理由に関して(Q4-C 教師 D. その他、五年生と六年生を比較すると、五年生と六年生とは. 教師 M 教師 Q5-D 教師)、教師の語りからその理由は以. 反省的思考の五つの側面あるいは局面に大きな違いがな. 下のようである。教師は知識を子どもに詰め込んだりしない. いことがわかった。六年生は反省的思考の五つの側面ある. ように、ペアやグループディスカッションなどの形で、自分の. いは局面のうちで仮説、状況把握、検証が五年生のより点. 考えたことをお互いに発表しあうように子どもを考えざるを得. 数が高い。それに対して、五年生は推論、問題意識で六年. ない場面に置いて問題の解決方法への予想や見通し(仮. 生のより高い。つまり六年生の反省的思考の五つの側面あ. 説)などを持たせるように意識している。再表現活動といった. るいは局面は必ずしも五年生よりよく機能しているとは言い. ような子どもが自分なりに学習した内容を再整理し、わかりか. 切れない。. たを作るのは子ども自ら学習内容を振り返って考えることに. 3.2.子どもの反省的思考に関する教師への聞き取り紙調査. 意義がある。このような意味で子どもが仮説を立てることがで. 質問紙調査の結果から二つの問題が見られた。その一つ. きるようになる能力を育てることを常に努めている。しかし、. は五年生も六年生も反省的思考の五つの側面あるいは局. 自分なりの理解のしかたが正しいかどうかは検証されない。. 面のうちでは、問題意識と検証においてほかの側面あるい. 第三に、子どもの考える力を育てやすい学習環境につい. は局面より弱いことである。もう一つは仮説においてほかの. て(Q6-B 校長 C 教師 M 教師)、教師の語りから以下の五. 側面あるいは局面より一番働いていることである。その理由. 点が整理された。まず、一斉授業で、グループディスカッショ. を明らかにするために、教師に聞き取り調査を行った。そし. ンのようなお互いに考え方を交流することで、子ども全員が. て、子どもの反省的思考を育てるよい学習環境とは何か、そ. 学習問題をよく考えるため、子どもが考えざるを得ない場面. の学習環境をどのように作るのかなどについて教師に聞き. を作らなければならない。そして、子どもの思考のつまずき、. 取り調査を実施した。. ずれ、間違いといったようなマイナスようにみえるものを大事. 3.2.1.聞き取り調査の実施. にし、それなりに意味をつけてプラスに評価するべきである。. 1.平成 25 年 8 月 16 日に、X 市立 Y 小学校五年生の担任. また、クラスの規模はグループディスカッションが少人数であ. M 教師に質問紙調査を行った。. れば、子どものそれぞれの学習の過程、思考の変容に着目. 2.平成 25 年 9 月 1 日に、W 中学校 B 校長への聞き取り調. し、個を活かし、個に応じた指導が期待される。他方、子ども. 査を実施した。小中一貫である B 校長は E 小中学校の元校. に考える時間や話す時間を与える必要がある。最後は子ど. 長である。. もたちが問題をよく考えて、自分の意見や考え方をお互い. 3.平成 25 年 9 月 4 日に、F 市立 A 小学校五年生の担任 C. に活発的に検討し、話し合うことができ、学習に意欲を持ち、. 教師に聞き取り調査を行った。. お互いを励ましたりできるような学級集団がつくれれば、子. 4.平成 25 年 9 月 4 日に、F 市立 A 小学校六年生の担任 D. どもの思考力を育てるいい学習環境だと考えている。. 教師に聞き取り調査を実施した。. 第 4 章 子どもの反省的思考を重視した学習環境モデルの. 3.2.2.聞き取り調査の結果. 構想. 第一に、五年生も六年生も反省的思考の五つの側面ある. このような現状調査の結果を踏まえ、子どもの反省的思考. いは局面のうちでは、問題意識と検証においてほかの側面. を重視する学習環境モデルへの構想を検討した。子どもの. あるいは局面より弱い理由に関して(Q1-M 教師 Q2-M. 問題意識が低い理由を追究するため、聞き取り調査を通し. 教師 D 教師 Q3-D 教師)、教師の語りからその理由をま. て問題発見をめぐり、教師たちの考え方を整理した結果、問. とめた。すなわち、①子ども自ら問題をさがすより、むしろ教. 題発見の主体は子どもではなく、ほぼ教師であることがわか. 師が子どもに与える場合が多い。②子どもは自分が学習内. った。したがって第 4 章では問題発見の主体により、四つの. 容にどんなところがわからないのかを自覚していない。③学. 学習環境モデル(伝達型、誘導型、協働型、観察型)を想定. 力テストの影響を受け、教師が反復トレーニングを行い、子. した。この四つの学習環境モデルを説明すると、伝達型とは. どもは学習内容を機械的暗記し、身につける。④子どもは教. 教師は主導で問題解決の先導者として、先に問題を発見し、. 師の説明を聞くだけで、実際に自力で問題に再度取り組み、. 直面し、問題解決の仕方を子どもに教え込むことである。誘. 学習内容の意味や概念を納得する試行を続けるといったよ. 導型とは教師は先に問題を自覚して問題状況に直面し、問. うな検証が十分になされていない。. 題を子どもに与えることである。協働型とは教師は意図的に、. 第二、小学校五年生と六年生は反省的思考の五つの側. 子どもが自主的に問題を発見し、問題解決ができるように支 3.

(4) 援をする。観察型とは教師は子どもの学習状態を見守りなが. 想定した四つの学習環境モデルはいずれも絶対的なもので. ら学習活動を支援し、子どもは自ら問題の発見から解決まで. はなく、子どもの反省的思考を促すためには各モデルを必. に取り組み、自分の思考あるいは学習状態を反省しながら、. 要性に応じて組み合わせたほうがよいことが示唆された。各. 能動的に学習活動を行うことである。その想定した学習環境. 学習環境モデルの実現可能な前提条件を明確にし、これら. モデルに対して、子どもの反省的思考を重視する学習環境. の想定した四つの学習環境モデルを考慮する必要がある。. モデルに関して教師たちに聞き取り調査を行った。. 今後の課題. 聞き取り調査の結果、これらの想定した四つの学習環境. 今後の課題は以下の 2 点である。一つは子どもの反省的. はいずれも絶対的なものではなく、子どもの反省的思考を促. 思考を導き出す学習環境モデルは構想までの検討に留まり、. すためには各モデルを必要性に応じて組み合わせたほうが. 十分に検証されていない。もう一つは、子どもの反省的思考. よいことが示唆された。すなわち、伝達型のモデルは最初、. と教師の反省的思考との関連性を追究することである。. 材料や基礎をしっかり子どもに身につけることに意味がある。. 参考文献:. そして、授業のまとめのときに、伝達型と組み合わせたほうが. 川和田享(2002)「算数・数学の学習指導における反省的活. よく、また、一斉授業において協働型のモデルはできないが、. 動に関する考察」全国数学学会『数学教育学研究』第 8 巻,. 少人数であれば、実施可能である。一斉授業において、協. pp.109-118.. 働型のモデルは難しく、伝達型と誘導型と協働型を組み合. デューイ著(1933)植田清次訳(1955)『思考の方法』春秋社. わせるより理想的な授業になる可能性が高いということであ. 藤井千春(2010)『ジョン・デューイの経験主義哲学における. る。. 思考論―知性的な思考の構造的解明』早稲田大学出版部. 他方、子どもに育てさせたい力、教科、学習の特性、カリ. 堀江伸・羽野ゆつ子(1997)「ジョン・デューイおける「反省的. キュラムや学習指導要領、クラスの規模、子どもの考える力. 思考」の理論と教師論-連続的ディスコースの習慣形成と教. など各学習環境の実現可能な前提条件を明確にし、これら. 師の役割をめぐってー」『滋賀大学教育学部紀要 教育科. の想定した四つの学習環境を考慮する必要がある。. 学』No.47 pp.77-89.. おわりに. 中原忠男(2000)「反省的思考」『算数.数学科重要用語 300. 本論のまとめ. の基礎知識』明治図書 p.62. 本研究では反省的思考や連続的ディスコースに関する理. 柳田修平(2009)「数学学習における関係的理解を促す反. 論に基づき、小学校高学年を対象に質問紙調査を行った。. 省的思考」『群馬大学教育実践研究』第26号,pp.17-23.. その結果、反省的思考の五つの側面あるいは局面のうちで は、一番機能しているのは仮説であり、次に働くのは状況把 握である。推論はその次に続く。そして、検証は四番目にな り、問題意識が最も弱いという傾向が見られた。他方、この質 問紙調査から、問題意識と検証はほかの側面あるいは局面 より弱いことと、仮説ほかの側は一番働くことがわかった。こ の理由を明らかにするため、教師に聞き取り調査を実施した。 その結果、教師が実際に行っている授業とその学習環境は 子どもの仮説づくりとのながりがよいが、子どもの問題意識の 向上と仮説の検証につながりが弱いことが推察された。その 理由を踏まえて、子どもの考える力を育てやすい学習環境 は何か、そのような学習環境をどのように作るのかについて 教師に尋ねた。最後に、このような現状調査の結果を踏まえ、 子どもの反省的思考を重視する学習環境モデルへの構想 を検討した。第 4 章に述べたように問題発見の主体により、 四つの学習環境モデル(伝達型、誘導型、協働型、観察型) を想定した。その想定した学習環境モデルに対して、子ども の反省的思考を重視する学習環境モデルに関して教師た ちに聞き取り調査を行った。聞き取り調査の結果、これらの 4.

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