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半島における観光産業の立地と公共交通網の整備に関する考察 [ PDF

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さらに、ケーススタディとして、類型化したグループ から 1 件ずつ半島を選定し、観光資源、宿泊施設、公 共交通網の立地特性を考察する ( 図 1)。 1-3 既往の研究  全国の島嶼地域を対象として、産業特性と観光客数 から分析を行い、観光産業の実態を明らかにした研究 がある1) 。また、観光資源とその立地特性に関して、 中山道東美濃路における歴史資源の分布図を作成し、 各区画ごとの特質を明らかにした研究がある2) 。しか し、いずれも観光資源や観光客数など、単一の観点か らの分析にとどまり、観光産業と関わりのある観光資 源と宿泊施設の分布や、公共交通網の整備状況を用い て観光特性を一体的に論じた研究はみられない。 2.対象地の選定と観光産業別特性分類 2-1 選定基準と研究対象  半島振興法における振興地域指定の基準である人口 5 万 人以上を満たす 39 半島注 1) を対象として選定し、半島が属 している行政 ( 市町村 ) 区域を単位とし、国土交通省が公 開する国土数値情報のデータを元に分類を行う ( 図 2)。 2-2 観光産業・交通網に関する指標の選定  国土交通省が公開している国土数値情報を元に観光産 業・交通別分類を行う。このため、観光産業に関するデー タとしては、半島内に分布する観光資源台帳に記載され る観光資源関連データ ( 自然景観件数、祭り行事件数、 歴史文化件数、地域景観件数 )、宿泊関連データ ( ホテ ル数、旅館数、民宿数、ペンション数、収容人数 )、交 通関連データ ( 半島内のバス停数、鉄道駅数、道路密度、 バスルート長さ )、半島の面積の 14 指標を用いる。 2-3 観光産業・交通網に関する指標の相関分析  観光産業と半島内の交通関連指標の相関をみるた め、まず指標間の相関係数を算出する ( 表 1)。その結 果、観光資源の中でも、歴史文化(件数 ) とホテル数 の相関は高く (0.71)、ホテルの立地は、歴史文化に関 する観光資源に付随して立地することが伺える。また、 半島の面積と公共交通関係指標の相関は低い。 3.クラスター分析による観光産業別類型  観光産業・交通に関して、39 半島の相対的位置づ けを行い、類型化を行うために、主成分分析から得ら

半島における観光産業の立地と公共交通網の整備に関する考察

吉原 優 14-1 1.はじめに 1-1 研究の背景と目的  三方を海や河川などの水面に囲まれ、豊かな自然に恵 まれている半島は、自然を活かした新しい生活の場として 大きく注目を集めている。一方で農業や漁業などの第一次 産業を主産業とする半島は、人口減少や過疎化といった問 題に直面しており、人口流出抑制の手段として観光産業の 発達に取り組んでいる。半島が抱える問題に対する取り組 みとしては半島振興法があり、10 年の期限付きで昭和 60 年に制定され、財政上、金融上の支援措置を行ってきたが、 依然として半島が抱える課題の解決に至らず、平成 27 年 に 3 度目の期限延長がなされた。半島振興のための効果的 な政策が必要とされており、半島の主要産業となり得る、 観光産業の実態の把握が求められている。本研究は、半島 における観光産業の立地特性と、それらをつなぐ交通網の 関係を分析し、半島における観光産業と交通の実態を明ら かにすることを目的とする。また、今後の観光産業発展に おける、交通網の整備や観光施設分布の示唆を得る。 1-2 研究の方法  まず対象とする半島を 39 件選定した上で、公共交 通と観光産業に関する指標を収集し、相関分析により 指標間の相関関係をみる。次に、クラスター分析によ り半島の類型化を行い、グループの特性を考察する。 図 2 対象半島 図 1 研究のフロー 0 200 500 1,000 km 1 2 3 4 6 5 9 10 14 15 16 17 20 21 22 27 26 19 18 24 23 25 28 29 30 31 32 3335 34 36 37 38 39 7 8 11 12 13 半島の境界 市街地エリア

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14-2 れた主成分得点を用いてクラスター分析 (ward 法 ) を 行う。次に、変数として用いた 14 指標をもとに、各 グループと全ての対象半島の平均値を算出し、各分類 ごとに特性を比較する。これらを基準として、選定し た 39 半島を 4 タイプ ( 整備途上型、住環境卓越型、 歴史観光型、地域密着観光型 ) に分類した ( 図 3)。 3-1 整備途上型 ( 糸島、三浦半島など 17 件 )  「整備途上型」は観光資源数や宿泊施設の数は比較 的少なく、バス停数や鉄道駅数などの交通整備状況も 全半島平均に比べて低い。交通網、観光産業に関して は整備途上といえる ( 表 2)。 3-2 住環境卓越型 ( 北松浦、国東半島など 10 件 )  「住環境卓越型」は、観光資源数や収容人数が他の 半島と比較して少ないが、半島内のバス停や鉄道駅など の公共交通が整備されているなど、住環境が整っている。 3-3 歴史観光型 ( 高縄、薩摩半島など 4 件 )  「歴史観光型」は歴史文化の観光資源数が多く、ホ テル等の大型宿泊施設が多く立地し、鉄道駅数やバス 停数なども比較的多く、歴史観光に特化している。 3-4 地域密着観光型 ( 丹後、島根半島など 7 件 )  「地域密着観光型」は、全ての観光資源数が多く、 その中でも祭り行事や地域景観などの観光資源が多 い。また、旅館や民宿などの小規模宿泊施設が多いな ど、地域に根ざした観光形態である。 4. 地域観光資源と宿泊施設、公共交通網の分析  魅力的な観光地形成の要因をみるため、分類した 4 グ ループの特性をよく表している糸島半島、北松浦半島、 高縄半島、丹後半島を選定した。整備途上型は観光産業・ 交通整備が今後見込まれること、歴史観光型は歴史文化 遺産が豊富で、それに合わせてホテルの立地が進んでい ること、住環境卓越型は観光資源数は少ないが、駅やバ ス停数が豊富なこと、地域密着観光型は、地域景観に加 え、小規模宿泊施設である旅館・民宿が多いことを選定 基準とした。まず、2 節で用いた観光資源台帳の観光資 源に、飲食や販売等の観光資源を加えるため、観光資源 の収集を、観光雑誌や web を基に行う ( 図 4)。収集し た観光資源を、その半島固有の歴史や自然景観などの固 有観光資源と、住民や企業によって立地営業しているカ フェや市場などの一般観光施設に分類する。次に、観光 資源の魅力度を定義するため、web 検索ヒット数3)を用 いる。その際、比較を容易にするため、糸島の web 検索 ヒット数の平均値 5 万を基に、対象半島の観光資源の魅 力度を 4 段階に分類する ( 図 5)。それらの観光資源デー タを基に半島マップを作成し、観光産業と公共交通網の 分布を分析する。また、立地特性を定量的に把握するた め、(1) 観光地密集性 : 魅力度 4 の観光資源から 5km注 2) 圏内における他の観光資源までの距離分布 (2) 観光回遊 利便性 : 魅力度 4 の観光資源同士の 30km注 3)圏内におけ る距離分布 (3) 宿泊魅力性 : 宿泊施設から 30km 圏内に おける魅力度 4 の観光資源の距離分布 (4) 公共交通利便 性 : 駅・バス停から各距離圏内の観光資源数の分布、の 4 つの観点から GIS注 4) を用いて分析する ( 図 6)。 4-1 固有観光資源と一般観光施設の割合  対象半島の固有観光資源と一般観光施設の分類と web 検索ヒット数で観光資源の魅力度を 4 段階に分類した観光 資源データの半島別の割合をみたところ ( 図 7)、丹後は 魅力度 4 の固有観光資源と一般観光施設の割合が高い。ま た、高縄は魅力度 4 の固有観光資源の割合は低いが、一般 観光施設は充実しており、高縄の歴史観光資源に代表され る松山城や道後温泉本館など、それぞれの固有観光資源が A B C D E F G H I J K L M N 半島の面積 バス停数半島内 鉄道駅数 道路密度(km/㎢) バスルート総延長(㎞) ホテル 旅館 民宿 自然景観(件数) 祭り行事(件数) 歴史文化(件数) 地域景観(件数) A 0.266 0.369 0.615 0.451 0.433 0.216 0.110 0.165 0.340 0.472 -0.120 0.431 0.335 B ・ 0.512 0.785 0.782 0.496 0.446 0.420 0.417 0.497 0.422 0.192 0.461 0.185 C ・ ・ 0.565 0.296 0.681 0.352 0.340 0.297 0.492 0.182 0.111 0.569 0.177 D ・ ・ ・ 0.891 0.687 0.393 0.359 0.317 0.516 0.548 0.132 0.544 0.245 E ・ ・ ・ ・ 0.554 0.344 0.347 0.265 0.430 0.563 0.212 0.548 0.272 F ・ ・ ・ ・ ・ 0.543 0.345 0.486 0.743 0.412 0.189 0.710 0.172 G ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0.861 0.951 0.956 0.573 -0.053 0.274 0.104 H ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0.796 0.753 0.420 -0.057 0.156 0.197 I ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0.909 0.455 -0.057 0.180 0.056 J ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0.583 -0.112 0.442 0.111 K ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ -0.017 0.433 0.193 L ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0.369 0.628 M ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0.378 N ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ペンション収容人数 (数) (数) (数) (数) 表 1 観光と交通に関する指標の相関分析 表 2 各指標の分析と類型化 表 2 各指標の分析と類型化 表 2 各指標のグループ毎の平均値 全半島平均 整備途上型住環境卓越型歴史観光型地域密着観光型 半島の面積(㎢) 940.6 416.4 828.9 2,887.7 1,174.3 半島内のバス停数 715.8 308.2 853.2 1,227.8 1,062.4 鉄道駅数 20.1 7.8 27.7 36.5 27.1 道路密度(km/㎢) 2.2 1.0 2.5 4.7 2.8 バスルート総延長(㎞) 485.2 183.7 528.9 1,060.9 763.1 ホテル(数) 18.1 6.5 19.4 44.3 22.6 旅館(数) 32.8 10.8 21.2 31.3 54.3 民宿(数) 3.6 0.7 2.5 1.0 9.6 ペンション(数) 4.3 0.4 0.3 1.8 8.0 収容人数 7,050.3 1,974.7 5,359.3 12,547.5 10,012.0 自然景観(件数) 2.4 1.4 2.0 3.8 3.7 祭り行事(件数) 0.6 0.1 0.7 0.3 1.9 歴史文化(件数) 1.9 0.3 1.5 5.5 4.3 地域景観(件数) 0.3 0.0 0.0 0.3 1.3 伊 豆 半 島 由 良 半島 島 根 半 島 能 登 半 島 長 崎 半 島 下 北 半 島 南 房 総 半 島 丹後半島 薩 摩 半 島 高縄半島 渡 島 半 島 大 隅 半 島 知多半島 佐 賀 関 半 島 北 松 浦 半 島 津 軽 半 島 国 東 半 島 宇土天草半島 渥美半島 東松 浦 半島 企 救 半 島 下 関 半 島 糸 島 半 島 積 丹 半 島 牡鹿半島 三 浦 半 島 弓 ヶ 浜 半 島 島 原 半 島 男 鹿 半 島 幡 多 半 島 敦 賀 半 島 児 島 半 島 若 松 半 島 西 彼 杵 半 島 佐 田 岬 半 島 絵 鞆 半 島 与勝半島 江 能 倉 橋 島 半 島 室 津 大 島 半 島 0 5 整備途上型 住環境卓越型 観光型歴史 地域密着観光型 39 1 25 35 20 26 18 11 23 7 34 16 9 21 6 2 31 19 27 28 13 36 29 4 32 30 14 38 3 22 37 15 8 5 33 10 17 24 12 図 3 クラスター分析

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14-3 一般観光施設に与える影響の大きさが伺える。また、魅力 度の高い観光資源の内訳をみると ( 表 3)、高縄、丹後は 一般観光施設の割合が高い一方で、糸島、北松浦は固有観 光資源の割合が高いことから、観光産業の発展には一般観 光施設の充実が重要である。また、一般観光施設の中でも 「飲食」の割合が高縄と丹後で高く、地元でとれる食材を 活かしたレストランやカフェの立地の重要性が伺える。 4-2 魅力度 4 の観光資源から一般観光施設の立地分析  魅力度 4 の一般観光施設を多く有する高縄と丹後をみ ると ( 図 9)、いずれも平均距離は約 2km と比較的近く、 また、高縄の標準偏差は 1.2km で丹後は 1.4km と 5km 圏 内での分散も比較的小さく、密集して観光資源が立地す ることの重要性が伺える。また、高縄と同じく観光資源 の核をもつ北松浦の平均距離は 2.2km で、標準偏差が 1.8km で糸島よりも大きい値を示すなど、5km 圏内の観 図 7 魅力度別固有観光資源と一般観光施設の割合 対象半島の分析と課題 考察・統括 観光資源収集 るるぶ・まっぷる等の観光雑誌・web より 観光地分類 固有観光資源一般観光施設 分析 1) 観光地密集性 2) 観光回遊利便性 3) 公共交通利便性 4) 宿泊魅力性 マップ作成 GIS による視覚化 立地分析 web 検索ヒット数を基に 4 段階に分類 魅力度分類 図 4 ケーススタディの手順 図 8 各半島における観光と宿泊施設の魅力度分布

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一般観光施設 魅力度 WEB検索ヒット数 固有観光資源 宿泊施設 バスルート 地形標高 内陸部 詳細 4 3 2 1 駅 100,000≦x 50,000≦x<100,000 25,000≦x<50,000 x<25,000 100,000≦x 50,000≦x<100,000 25,000≦x<50,000 x<25,000 50 100 200 300 0 (m) N 0 5 10 20 (Km) 北松浦半島 丹後半島 高縄半島 糸島半島 魅力度 WEB検索ヒット数 4 3 2 1 * * * * * * * * ** * * ) )) ) ) ) ) ) ) ) ) ) 面積 :840.2km2 人口 :122,097 人 隣接する政令指定都市 : 京都市 政令指定都市との距離 :91.9km 丹後半島 北松浦半島 面積 :519.9km2 人口 :366,760 人 隣接する政令指定都市 : 福岡市 政令指定都市との距離 :76.5km 高縄半島 面積 :1358.0km2 人口 :642,953 人 隣接する政令指定都市 : 広島市 政令指定都市との距離 :63.0km 糸島半島 面積 :299.98km2 人口 :253,939 人 隣接する政令指定都市 : 福岡市 政令指定都市との距離 :20.7km 表 3 固有観光資源と一般観光施設の分類と魅力度 4 の観光資源内訳 図 6 分析概念宿泊施設から魅力度4 の観光地の距離 4. 公共交通利便性 駅・バス停からの距 離圏内観光資源数 駅・バス 停からの  距離圏 観光資源 3. 宿泊魅力性 魅力度 4 観光資源 30km 5km 宿泊施設 2. 観光回遊利便性 魅力度 4 の観光資源 同士の距離 魅力度 4 観光資源 観光資源間距離 1. 観光資源密集性 魅力度 4 の観光資源 から他の観光地の距離 魅力度 4 観光資源 観光資源 観光資源密集エリア 住環境卓越型 歴史観光型 地域密着観光型 糸島半島 北松浦半島 高縄半島 丹後半島 整備途上型 歴史文化 レストラン 自然景観 地域景観 カフェ 居酒屋 祭り 食品 花火大会 工房 市場 美術館 旅館 固有観光資源 一般観光施設 祭り行 事 景勝地 販売 飲 食 集客 飲食 販売 集客 祭り行事自然景観 歴史文化 4 1 1 0 8 0 29% 7% 7% 0% 57% 0% 11 9 9 0 11 3 25% 21% 21% 0% 26% 7% 45 14 22 0 3 3 56% 17% 27% 0% 3% 3% 46 13 26 3 16 9 41% 12% 23% 3% 14% 8% 一般観光施設(魅力度4) 固有観光資源(魅力度4) 半島名称 図 5 web 検索ヒット数を用いた魅力度の分類 0 0 5 10 5 10 5 万 1 2 3 4 10 万 15 万 20 万 0 0 5 万 10 万 15 万 20 万 ( 平均値 ) ( 件数 ) (WEB 検索ヒット数 ) 糸島の分類基準を 他の半島に適用 魅力度分類 糸島半島 分類基準 北松浦半島 1 2魅力度分類3 4 地域観光 資源名 ヒット数WEB検索 Bistro& Café 3,770 幣の浜 10,900 伊都きんぐ41,600 二宮神社 64,100 白糸の滝 78,000 桜井二見ヶ浦199,000 11% 20% 13% 55% 21% 14% 11% 33% 13% 25% 29% 32% 12% 19% 37% 21% 16% 24% 39% 30% 14% 19% 38% 18% 12% 15% 55% 57% 一般 固有 地域密着観光型 丹後半島 魅力度1 魅力度2 魅力度3 魅力度4 27% 27% 32% 14% (5) (3) (66) (8) (26) (8) (36) (14) (9) (6) (3) (6) (8) (10) (15) (29) (6) (9) (15) (30) (42) (80) (6) (7) (6) (28) (19) (23) (85) (9) (6) (26) (155) (46) (22) (218) (25) (65) (38) (80) 一般 固有 一般 固有 一般 固有 歴史観光型 高縄半島 住環境卓越型 北松浦半島 整備途上型 糸島半島

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14-4 【脚注】 光資源は分散立地している ( 図 8)。 4-3 魅力度 4 の観光資源間立地分析  観光資源が分散している丹後と糸島を比較すると ( 図 10)、半島の面積が大きい丹後の標準偏差は 9.4km と糸 島の標準偏差 6.8km よりも大きく、分散して立地してい るが、平均距離は 13.5km と糸島の 17.2km より近い値を 示している。これは、沿岸部に分散する固有観光資源に、 一般観光施設が公共交通網に沿ってネットワークを作る ように立地しているためであり、固有観光資源を繋ぐ魅 力度の高い一般観光施設の重要性が伺える。 4-4 宿泊施設と魅力度 4 の観光資源の立地分析  宿泊施設と魅力度 4 の固有観光資源の距離分布をみ ると ( 図 11)、ホテルが多く立地する高縄の平均距離は 3.9km であり、他の半島と比較しても非常に近い。また、 旅館が多く立地する丹後の平均距離は 13.1km であり、 観光資源が分散している糸島の平均距離 16.8km よりも 近い。さらに、丹後の沿岸部に位置する多くの宿泊施設 は、魅力度 4 の一般観光施設である旅館であり、自然景 観を活かした宿泊施設は観光資源としての側面もある。 4-5 公共交通と観光資源の立地分析  バスから各距離圏の観光資源数の占める比率をみる と ( 表 4)、糸島以外の半島はバス停から 1km 以内に約 8 割の観光資源を含む。バス停の整備と魅力度の高い一 般観光施設の立地は高い相関があると考えられ、特に分 散して沿岸部に観光資源が分布する糸島は、海岸部の公 共交通機関の整備が必要である。また、駅から各距離圏 の観光資源数の占める比率をみると ( 表 5)、高縄が 1km に約 6 割の観光資源を有し、北松浦も 4 割を有する。さ らに、駅から魅力度 4 の観光資源の距離別内訳をみると ( 図 12)、駅から 3km 圏内に丹後、北松浦、高縄が魅力 度 4 の観光資源の約 5 割を有するなど、駅周辺の観光地 はアクセスの容易さから魅力度が高くなる傾向にある。 紀伊半島は他の半島と比較して、著しく人口及び面積の規模が大きく、他の半 島との比較・分類が困難なため、研究対象としては除外している。 不動産法より、分速 80m で 1 時間歩行した距離を 5km と定義し、算出した。 車で時速 40km で一般道を走行し、1 時間で到達可能な距離を 30km と定義し、 算出した。 GIS での分析の際、半島の地形の影響、また車移動での経路選択可能性が低い 細い道を排除するため、バスが運行している道をネットワークとして設定し、 それぞれの解析を行った。 注 1) 注 2) 注 3) 注 4) 5 まとめ  本研究では、国内の 39 半島を対象として観光産業 と公共交通網に関して、以下を明らかにした。 1) 歴史文化に関係する固有観光資源はホテルとの相 関が高く (0.71)、ホテルは歴史文化に関する観光資 源に付随して立地する傾向を示した。 2)39 半島を観光産業、公共交通網の観点から整備途 上型、住環境卓越型、歴史観光型、地域密着観光型に 4 分類し、「住環境卓越型」の特徴は、観光資源数は 少ないが公共交通網の整備が進んでいること、「地域 密着観光型」の特徴は、祭り行事や地域景観などの観 光資源、旅館や民宿などの小規模宿泊施設が多いこと など、各タイプの特徴を示した。 3) 観光資源を固有観光資源と一般観光施設に分類し、 魅力度を 4 段階に定義し、観光施設分布と公共交通網の 整備状況の関係を分析した。その結果、「地域密着観光型」 の丹後は、魅力度 4 の固有観光資源が多く沿岸部に分布 し、魅力度 4 の一般観光施設である旅館と、公共交通網 が固有観光資源を繋ぐように立地している。一方、「整 備途上型」である糸島は、魅力度 4 の観光資源間の距離 は他の 3 タイプの半島と比較して長く、観光資源の密集 性も低い。また、沿岸部を中心に公共交通網が整備され ていないなど、各半島の現状を示した。 表 5 駅から各距離圏の観光資源数の占める比率 (%) 表 4 バスから各距離圏の観光資源数の占める比率 (%) 糸島半島 整備途上型 住環境卓越型 北松浦半島 歴史観光型 高縄半島 地域密着観光型 丹後半島 半島名 観光地種類 1㎞ 2㎞ 3㎞ 4㎞ 5㎞ <5㎞ 固有観光資源 一般観光施設 固有観光資源 一般観光施設 固有観光資源 一般観光施設 固有観光資源 一般観光施設 48% 61% 70% 83% 83% 100% 71% 85% 88% 91% 92% 100% 79% 89% 89% 89% 92% 100% 90% 90% 91% 91% 91% 100% 95% 100% 100% 100% 100% 100% 98% 99% 99% 99% 99% 100% 78% 86% 86% 90% 90% 100% 96% 98% 98% 100% 100% 100% (11) (15) (17) (20) (20) (24) (47) (56) (58) (60) (61) (66) (30) (34) (34) (34) (35) (38) (73) (73) (74) (74) (74) (81) (21) (22) (22) (22) (22) (22) (217) (218) (218) (218) (218) (222) (36) (40) (40) (41) (41) (46) (122) (124) (124) (127) (127) (127) 半島名 観光地種類 1㎞ 2㎞ 3㎞ 4㎞ 5㎞ <5㎞ 9% 17% 35% 48% 48% 100% 21% 35% 44% 58% 64% 100% 18% 26% 42% 50% 53% 100% 38% 43% 52% 79% 81% 100% 59% 82% 95% 100% 100% 100% 59% 89% 97% 100% 100% 100% 16% 29% 41% 49% 59% 100% 13% 31% 39% 48% 54% 100% (2) (4) (5) (11) (11) (24) (14) (23) (29) (38) (42) (66) (7) (10) (16) (19) (20) (38) (30) (34) (42) (64) (66) (81) (13) (18) (21) (22) (22) (22) (127) (192) (210) (215) (215) (216) (7) (14) (19) (23) (27) (46) (17) (39) (50) (61) (69) (127) 糸島半島 整備途上型 住環境卓越型 北松浦半島 歴史観光型 高縄半島 地域密着観光型 丹後半島 固有観光資源 一般観光施設 固有観光資源 一般観光施設 固有観光資源 一般観光施設 固有観光資源 一般観光施設 < 参考文献 > 1) 高橋環太郎:島嶼地域における観光特性と人口・産業特性の関係に関する一考察 , 観光科学研究論文集 ,p.133-p.140 ,2015 2) 尚偉・松本直司:中山道美濃路における景観資源の現状と特性 , 日本建築学会論 文集 ,p.943-950,2016 3) 大和遼 :WEB 上の動的な都市情報に基づく地域イメージの視覚化に関する研究 , 九州大学修士論文 ,p.1-p.4,2016 4) 国土交通省国土政策局国土情報課 , 国土数値情報ダウンロードサービス ( h t t p : / / nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html) 図 10 魅力度 4 の観光資源間 距離分布 図 9 魅力度 4 の観光資源から 一般観光施設の距離分布 図 11 魅力度 4 の固有観光資源と宿 泊施設間の距離分布 図 12 駅から魅力度 4 の観光資源 の距離別割合 (%) 北松 浦 固有観光資源 ( 魅力度 4) 一般観光施設 糸島 高縄 丹後 ( 個 ) ( 個 ) ( 個 ) ( 個 ) 5 0 10 15 20 25 30 5 0 10 15 20 25 30 5 0 10 15 20 25 30 5 0 10 15 20 25 30 (km) (km) (km) (km) (km) (km) (km) (km) (%) (%) (%) 5 0 10 15 20 25 30 5 0 10 15 20 25 30 5 0 10 15 20 25 30 5 0 10 15 20 25 30 平均距離 =13.7(km) 標準偏差 =9.83(km) 平均距離 =16.8(km) 標準偏差 =6.57(km) 平均距離 =3.89(km) 標準偏差 =3.35(km) 平均距離 =13.1(km) 標準偏差 =8.70(km) 15 10 15 10 10 10 15 15 (%) 1 2 9 6 3 0 300 200 100 0 2,000 1,000 0 500 400 300 200 100 0 北松 浦 一般観光施設 糸島 高縄 丹後 5000 4000 3000 2000 1000 0 (%) 平均距離 =2.73(km) 標準偏差 =1.70(km) 30 20 10 30 20 10 30 20 10 5000 4000 3000 2000 1000 0 5000 4000 3000 2000 1000 0 (%) (%) (%) 平均距離 =2.23(km) 標準偏差 =1.82(km) 平均距離 =1.90(km) 標準偏差 =1.21(km) 30 20 10 5000 4000 3000 2000 1000 0 (m) (m) (m) (m) 平均距離 =1.70(km) 標準偏差 =1.42(km) 北松 浦 全観光地 ( 魅力度 4) 糸島 高縄 丹後 (km) (km) (km) (km) 5 0 10 15 20 25 30 (%) 平均距離 =17.2(km) 標準偏差 =6.81(km) 30 20 10 30 20 10 0 5 0 10 15 20 25 30 (%) 平均距離 =3.62(km) 標準偏差 =4.01(km) 平均距離 =11.5(km) 標準偏差 =9.45(km) 20 30 10 20 30 10 (%) (%) 5 0 10 15 20 25 30 0 5 0 10 15 20 25 30 平均距離 =13.5(km) 標準偏差 =9.38(km) (%)(累計) 高縄 北松浦 丹後 糸島 (50) (13) (15) (1) (1) (3) (3) (15) (31) (39) (44) (50) (20) (30) (30) (75) 注( )内は観光地数を示す (82) (84) (84) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1km 2km 3km 4km 5km

参照

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