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平成 30 年度 特許出願技術動向調査報告書 がん免疫療法 平成 31 年 2 月 特許庁

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特許出願技術動向調査報告書

―がん免疫療法―

平成31年2月

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本編

要約

第1部

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第1章 がん免疫療法の概要 近年、がん免疫療法は、外科手術、化学療法、放射線療法に次ぐ、がん治療の方向性を 変える革新的な技術として国際的に注目されている。特に、抗腫瘍免疫応答の要である活 性化 CD8 陽性キラーT 細胞を始めとする、免疫担当細胞に発現する共抑制分子である免疫 チェックポイント分子の阻害、もしくは免疫共刺激分子の刺激によって、抗腫瘍免疫応答 を増強できることが明らかになってきた。 2018 年、James P. Allison 教授(米国 MD アンダーソンがんセンター)、本庶 佑教授(京 都大学大学院医学研究科・医学部)の 2 名に「負の免疫調節の阻害によるがん治療の発見 (for their discovery of cancer therapy by inhibition of negative immune regulation)」 に対してノーベル生理学・医学賞を授与された。両名共に、がん免疫療法の 1 つの分野で ある、免疫チェックポイント阻害療法の開発への貢献が認められた結果となる。 本調査における対象技術を表 1 に、技術俯瞰図を図 1 に示す。 表 1 本調査の対象技術 分野 調査対象 A 免疫調節 免疫抑制阻害(免疫チェックポイント阻害療法を含む)、 免疫増強 B 養子免疫療法 CAR-T 細胞療法、TCR-T 細胞療法、 等 C 腫瘍溶解性ウイルス療法 腫瘍溶解性ウイルス療法 D がんワクチン療法 がんペプチドワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法、等

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図 1 本調査の技術俯瞰図 調査の対象技術 A. 免疫調節 免疫増強・ 免疫抑制阻害等により、免疫系の活性化や免疫抑制シグナル伝達の阻害を図る治療法。 B. 養⼦免疫療法 T細胞等を⽣体外で培養、活性化し、⽣体内に戻すことで、免疫系の活性化を図る治療法。 C. 腫瘍溶解性ウイルス療法 がん細胞に感染・細胞死誘発の効果を持つウイルスを投与することにより、がんの死滅および、腫瘍抗原の拡 散による免疫系の活性化を図る治療法。 D. がんワクチン療法 T細胞の活性を向上させるための、抗原提⽰細胞、あるいは抗原を⽣体外から導⼊することで、免疫系の活 性化を図る治療法。 ① 細胞死したがん細胞から、がん抗原が放出される。 ② 放出されたがん抗原が、抗原提⽰細胞(APC)に取り込まれ、APCはその抗原を断⽚化して細胞表⾯に提⽰する。 ③ リンパ節において、NaiveT細胞がAPC表⾯に提⽰された抗原を認識し、抗原特異的T細胞が活性化する。 ④ 活性化T細胞(CTL)は、⾎流にのりがん組織に移動する。 ⑤ CTLががん組織へ浸潤する。 ⑥ CTLが、がん細胞表⾯に提⽰されている抗原を認識する。 ⑦ CTLが認識したがん細胞を殺傷し、がん細胞を細胞死に導く。その結果、がん細胞からがん抗原が放出され、がん免疫サイクルが亢進する。  材料⼯学  合成技術  DNA合成技術  タンパク質合成技術  AI/IoT/ロボット技術  情報解析技術  ⾃動処理システム  オミックス解析技術  ゲノム・エピゲノム/プロ テオーム/メタボローム 等  表現型解析技術  臨床⽤製造技術  モデル動物作成/解析技 術  臨床解析技術  創薬スクリーニング技術  物質⽣産・精製技術 関連する他の技術 遺伝⼦導⼊ サイトカイン刺激 C.腫瘍溶解性ウイルス療法 A.免疫調節 免疫抑制阻害 (免疫チェックポイント阻害) 免疫増強 D.がんワクチン療法 B.養⼦免疫療法 例︓ CAR-T細胞 TCR-T細胞 等 例︓ 抗PD-1抗体 抗PD-L1抗体 抗CTLA-4抗体 等 例︓ アデノウイルス レオウイルス ⿇疹ウイルス 単純ヘルペスウイルス 等 例︓ ペプチドワクチン 樹状細胞ワクチン 等 Treg、 MDSC, TAM等 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 免疫記憶 がん細胞が免疫系により認識され排除されるまでの一連の流れを「がん免疫サイクル (Cancer-immunity cycle)」1と呼び、そのメカニズムは 7 つのステップで構成されている。 がん免疫サイクルが正常に機能すれば、がん細胞は体内より排除されるが、上記①~⑦の いずれか、もしくは複数のステップで何らかの異常が起こることでがん細胞が増殖する。 すなわち、その異常が生じている部分を、各種治療法で正常化・増強することで、がん免 疫サイクルが正常に機能してがん細胞が排除されることが期待される。

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がん免疫療法は、このがん免疫サイクルの異常を正常状態へ回復あるいはがん免疫サイ クルの亢進を支援するものであり、大きく「患者が本来持っている免疫力を高める(アク セルを踏む)、または抑制機構を解除して免疫力を高める(ブレーキを解除する)」ものと、 「患者が本来持っていない免疫機能を付与することでがんへの攻撃性を高める」ものの 2 つのコンセプトに分類できる。 以下表 2 に、各コンセプトに分類される主な治療法を示す。 表 2 がん免疫療法の分類2 患者が本来持っている免疫力を高める 患者が本来持っていない免疫機能を付与する ■アクセル ・ TIL 療法、CTL 療法等の従来型の養子免疫 療法 ・ がんワクチン療法 ・ 共刺激分子に対するアゴニスト抗体 等 ■ブレーキ解除 ・ 免疫チェックポイント阻害剤 ・ Treg を標的とする治療法 等 ■攻撃力を付与した免疫細胞の注入 ・ 遺伝子改変 T 細胞療法 ・ iPS 細胞由来 T 細胞 等 ■新しい免疫機能の付与 ・ 腫瘍溶解性ウイルス療法 等 本調査においては、上記技術俯瞰図に示すように、がん免疫サイクルの各ステップに寄与 する A.免疫調節、B.養子免疫療法、C.腫瘍溶解性ウイルス療法、D.がんワクチン療法の 4 つの技術を対象とする。 第1節 免疫調節 免疫システムには、以下表 3 に示すように、免疫応答を活性化する“アクセル”の役 割を担う共刺激分子と、抑制する“ブレーキ”の役割を担う共抑制分子が存在する。が んへの抵抗力の向上を目指すために、前者の共刺激分子を活性化するものが「免疫増強」、 後者の共抑制分子を阻害するものが「免疫抑制阻害」となる。また、両者を包含する概 念が、「免疫調節」である。 2 慶応技術大学病院 医療・健康情報サイト がん免疫療法~免疫チェックポイント阻害薬~ ―先端医科学研究所― http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/presentation/201810-01.html (2019.02.26 アクセス)

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表 3 代表的な共刺激分子と共抑制分子、及びそれらのリガンド3 4 5 6 リガンド 分子 (レセプター) 共抑制分子 CD80 または CD86 PD-L1 または PD-L2 ガレクチン-9 HVEM MHC クラスⅡ複合体 CD155 VSIG-3/IGSF11 MHC クラス I 分子 B7-H3、B7-H4 CTLA-4 PD-1 TIM-3 BTLA LAG-3 TIGIT VISTA KIR 不明 共刺激分子 CD80 または CD86 OX-40L GITRL CD137L CD70 CD28 OX-40 GITR CD137(4-1BB) CD27 1.免疫抑制阻害 共抑制分子は、リガンドとの結合により T 細胞の不活性化やアポトーシスなどを誘導 するシグナルを伝達する。中でも、免疫恒常性を保つために T 細胞反応を抑制する分子 群を免疫チェックポイント分子と呼ぶ。以下に表 3 に記載した代表的な共抑制分子とそ れらのリガンドについて解説する。

(1)CTLA-4 (cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4)7

CTLA-4 は、定常状態の T 細胞には発現されていないが、エフェクターCD4+T 細胞お よびエフェクターCD8+T 細胞の活性化に伴ってダイナミックに発現される共抑制分子 である。そのリガンドは主に抗原提示細胞に発現される CD80、CD86 であり、これら は代表的な共刺激分子である CD28 のリガンドでもある。CD28 は特異抗原を認識した エフェクターT 細胞を活性化するが、CTLA-4 はその活性化によって発現が誘導され、 圧倒的に高い結合親和性によって CD80 と結合して CD28 と競合し、かつ抑制シグナル をエフェクターT 細胞に伝達する。制御性 T 細胞(Treg)には CTLA-4 は恒常的に発 現されており、その抑制機能を担っている。Treg 上の CTLA-4 は、抗原提示細胞上の CD80、CD86 に対する逆シグナルによって、抗原提示細胞の機能を減弱させたり、直 接的にエフェクターT 細胞の機能を減弱させたりする。 抗 CTLA-4 抗体は、がん治療の目的で使用され、明らかな効果が認められた初めて の免疫チェックポイント阻害剤である。その作用点は主に、がん免疫の誘導相のエフ ェクターT 細胞および Treg と考えられている。

3 Ira Mellman et al.,(2011)Cancer immunotherapy comes of age. Nature.480(7378): 480–489.

4 石井直人著、(2014) Costimulatory/coinhibitory 分子の免疫学的役割とその臨床応用日呼吸誌 3(5)

643-649

5 珠玖洋監修、がん免疫療法-What’s now and what’s next?-、株式会社メディカルドゥ p43-48

6 Drew M. Pardoll(2012) The blockade of immune checkpoints in cancer immunotherapy Nature Reviews

Cancer 12,252–264

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(2)PD-1 (programmed cell death-1)7

PD-1 は、エフェクターCD4+T 細胞およびエフェクターCD8+T 細胞の活性化に伴って ダイナミックに発現される共抑制分子であり、その代表的なリガンドは主に抗原提示 細胞やがん細胞に発現される PD-L1 である。PD-L1 は T 細胞受容体(TCR)で抗原を 認識して活性化したエフェクターT 細胞が放出するサイトカイン、IFN-γにより腫瘍 上にダイナミックに発現される。したがって、がん特異的 T 細胞が腫瘍を攻撃する効 果相において、PD-1 と PD-L1 の結合による T 細胞の抑制が強く働く。実際、がんに 浸潤するがん抗原特異的細胞障害性 T 細胞(CTL)は選択的に PD-1 による抑制を受け ていることが明らかにされた。PD-1 は Treg には恒常的に発現されており、その分化 や機能維持を担うことが示唆されている。 抗 PD-1 抗体は抗 CTLA-4 抗体に次いで臨床応用された免疫チェックポイント阻害剤 である。その作用は主にがん免疫の効果相におけるがん特異的エフェクターT 細胞の 活性化と考えられている。 上記に加えて、表 3 で挙げた他のチェックポイント分子や、共抑制分子以外の免疫抑 制作用を有する分子である COX2、A2AR、IDO、Arginase、サイトカイン・ケモカイン受 容体である TGF-β、PI3K、IFN-γ、ケモカイン受容体 CXCR、CSF-1R 等の阻害剤等に関 する研究も進められている。 2.免疫増強 共刺激分子を介するシグナルは T 細胞の活性化、増殖、生存を促すことから、共刺激 分子によるシグナルを増強することによって抗腫瘍活性をもつ T 細胞応答を増強できる 可能性が示唆されている。共刺激分子に対するアゴニスト抗体により、抗腫瘍効果の誘 導を目指す治療法の開発も進められている。Immunoglobulin superfamily に属する CD28、 TNF superfamily に属する OX-40、4-1BB、CD27、GITR 等が代表的な共刺激分子として挙 げられる。 共抑制分子・共刺激分子以外の抗腫瘍免疫応答の増強作用も研究されている。岡山大 学大学院医歯薬学総合研究科らの研究グループは、糖尿病治療薬メトホルミンが糖代謝 の解糖系を促進することにより、がんに存在する制御性 T 細胞の代謝バランスを崩壊さ せてアポトーシスを誘導することを見出した8。このがんに局所的に存在する制御性 T 細 胞のみを抑制するメトホルミンは、糖代謝改善を介した新たながん免疫療法として注目 されている。

STING(stimulator of interferon genes)、Toll 様受容体(Toll-like receptor:TLR) は、自然免疫においてウイルス・細菌の構成成分を認識する、生体防御において重要な 役割を果たす膜貫通タンパク質である。STING、TLR ともに複数のシグナル伝達経路を活 性化させ、インターフェロン産生の誘導、樹状細胞の成熟化による T 細胞の活性化等の 作用をもたらすことが報告されており、これらのアゴニストの投与による免疫増強の研 究開発が進められている。 8岡山大学 プレスリリース https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id507.html (2018.08.16 アクセス)

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その他の免疫増強として、T 細胞増殖因子(T cell growth factor:TCGF)や、細胞 傷害性 T 細胞等の活性化作用を有するインターロイキン 2(Interleukin-2:IL-2)、NK 細胞活性化作用を有するインターロイキン 15(Interleukin-15:IL-15)、顆粒球-マク ロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony-stimulating factor: GM-CSF)等、免疫細胞を増殖・分化させる機能を有するサイトカインによる、免疫増強、 及びアジュバント活性を介したがん免疫療法の研究開発が進められている。 第2節 養子免疫療法 養子免疫療法とは、がん患者自身、あるいはドナーの免疫細胞を採取し、体外で培養 して刺激、増殖させることでがん細胞に対する傷害活性を有する免疫細胞を大量に誘導 した後に、それらをがん患者に投与する治療法を指す。遺伝子改変 T 細胞を用いた養子 免疫療法は主に、T 細胞に対して遺伝子改変技術を用いて腫瘍抗原特異的なキメラ抗原 受容体(CAR)遺伝子を導入する治療法(CAR-T 細胞療法)や T 細胞受容体(TCR)遺伝 子を導入する治療法(TCR-T 細胞療法)に分けられる。 CAR は、がん細胞表面の抗原を認識するモノクローナル抗体由来の L 鎖及び H 鎖の可 変部領域を直列に結合させた一本鎖抗体(scFv)と、TCR の CD3ζ鎖を結合させたキメラ タンパクから構成される。scFv と CD3ζ鎖の間には、細胞外ヒンジドメイン、膜貫通ド メイン、シグナル伝達に必要となる細胞内ドメインが存在する。CAR は細胞内ドメイン の構造によって第一世代~第三世代に分類される。その中でも、CD28 に代表されるよう な細胞内ドメインにさまざまな免疫機能分子のシグナル伝達ドメインが追加された第二 世代 CAR、CTL へのメモリー機能の付与を目的として CD28 に加えて 4-1BB、ICOS、OX-40 等のシグナル伝達ドメインを細胞内ドメインへ追加した第三世代 CAR に関する研究がな されており、CAR-T 細胞の細胞増殖や細胞死の抑制、サイトカイン分泌促進、CAR-T 細胞 による CTL からメモリーT 細胞の誘導能を有することが知られている9 CAR-T 細胞療法は、特に B 細胞性の血液がんに対して 80%を超える寛解率が報告される 等、これまでのがん治療ではみられない優れた治療効果が確認されている。しかしその 一方で、課題も複数存在する。例えば、CAR-T 細胞療法における重篤な有害事象の一つ としてサイトカイン放出症候群(CRS)が報告されている。これに対して FDA は、2017 年 8 月、ロシュの Actemra/RoActemra(tocilizumab)静注製剤を、成人及び 2 歳以上の 小児患者における CAR-T 細胞療法に伴う重度もしくは生命を脅かす CRS に対して承認し た10。その他、CD19 を標的とする CAR-T 細胞療法において、CD19 はがん細胞だけではな く正常 B 細胞表面にも発現しているため、正常 B 細胞の消失が起こる。この現象は on-target off-tumor toxicity と呼ばれる有害事象の代表例であるが、免疫グロブリン 補充療法により対処が可能とされている。

9 中川岳志ら、(2013) キメラ抗原受容体 (CAR) 発現細胞傷害性 T 細胞(CTL)を用いた次世代養子免疫療

法の開発、Drug Delivery System 28-1、p35-44

10 Le RQ et al., (2018) FDA Approval Summary: Tocilizumab for Treatment of Chimeric Antigen Receptor

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我が国では iPS 細胞由来 T 細胞を用いたがん免疫療法に関する研究11や、幹細胞とメ モリー細胞の両方の性質を持つ「誘導性ステムセルメモリーT 細胞(iTSCM)」をがん治 療に応用する研究12も行われている。 第3節 腫瘍溶解性ウイルス療法 腫瘍溶解性ウイルス療法とは、ウイルスが本来もつ感染した細胞・組織内で増殖しな がらそれを死滅させる性質をがん治療に応用するというコンセプトの治療法であり、悪 性腫瘍に対する次世代医療として近年注目を浴びている。 1900 年代の初めより、ウイルスを用いたがん治療の研究開発は実施されていたが、当 時は正常細胞でも増殖能を保持した野生型に近いウイルスを用いていたため、安全面の 懸念等により普及しなかった。近年の遺伝子組換え技術やウイルス及びがんに関する研 究の進歩により、ウイルスが本来持ち合わせている正常組織に対する病原性を排除しつ つ、がん細胞のみで増殖させることができるウイルスが開発され、がんを標的とするウ イルス療法が確立されつつある。 腫瘍溶解性ウイルスは、まず感染したがん細胞や組織内で増殖伝播しながら、それら をアポトーシスやネクローシスを介して腫瘍溶解・死滅させる。次に破壊されたがん細 胞がウイルスと共に抗原提示細胞に取り込まれることで、ウイルスタンパク自体による アジュバント効果と相まって、腫瘍特異的な細胞傷害性 T 細胞の活性化を伴う、全身性 の抗腫瘍免疫が賦活される。すなわち、腫瘍溶解性ウイルスを局所投与することにより、 遠隔のがんに対しても抗腫瘍効果を及ぼすことが期待される治療戦略である。 第4節 がんワクチン療法 がん抗原を標的とするがんワクチン療法は、理論的には重篤な有害事象が生じる可能 性が低く、魅力的な治療法と考えられている。数多くのがん抗原が同定され、それらを 標的とするがんワクチン療法の臨床試験が多数実施されているが、現時点で世界で承認 されているものは樹状細胞ワクチン 1 製品のみである。 1991 年に、Boon らによってメラノーマ抗原 MAGE が同定され、細胞傷害性 T 細胞が TCR を介してがん細胞表面の MHC/ペプチド複合体を認識し、がん細胞を殺傷していることが 示された13。それ以降、がん細胞に特異的に発現し、かつ発現頻度の高い様々ながん種 に対するがん抗原(gp100、WT1、NY-ESO 等)が同定された。がんワクチン療法として代 表的なものには、ペプチドワクチン、樹状細胞ワクチン等が挙げられる。また、がん細 胞の遺伝子異常により新たに生成される抗原である「ネオアンチジェン」をターゲット にしたワクチン開発も進んでいる。 11 京都大学 iPS 細胞研究所 ニュースリリース https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/181116-010000.html(2019.02.27 アクセス) 12 日本医療研究開発機構 ニュースリリース https://www.amed.go.jp/news/release_20170522.html(2019.02.27 アクセス)

13 van der Bruggen P et al., (1991) A gene encoding an antigen recognized by cytolytic T lymphocytes

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第2章 がん免疫療法の市場環境 第1節 がん免疫療法市場の現状 1.免疫調節関連の動向 現在、免疫調節関連では、免疫チェックポイント分子である CTLA-4、PD-1、PD-L1 に 対する阻害剤(抗体)が上市されており、ブリストル・マイヤーズスクイブ/小野薬品工 業、米メルク(MSD)、ロシュ-ジェネンテック-中外製薬、独メルク/ファイザー、アスト ラゼネカの 5 グループを中心に開発が進められてきた。免疫チェックポイント阻害剤以 外の免疫抑制阻害療法、及び免疫増強については未上市である。そのため、本稿では免 疫チェックポイント阻害剤の市場について記述する。 抗 CTLA-4 抗体 Yervoy(ipilimumab)は、前治療歴のある切除不能または転移性メラ ノーマを適応症として 2011 年 3 月に FDA より承認された。その後、日本及び欧州におい ても同様の適応で承認されている。Yervoy(ipilimumab)の単剤における適応症は、現 時点でメラノーマのみであり、その他の腫瘍に対する適用での承認はされていない。 抗 PD-1 抗体である Opdivo(nivolumab)は、根治切除不能なメラノーマを適応症とし て 2014 年 7 月に厚生労働省より承認された。Opdivo に次いで承認された抗 PD-1 抗体は、 米メルク(MSD)の Keytruda(pembrolizumab)である。同剤は、進行もしくは切除不能 のメラノーマを適応症として 2014 年 9 月に FDA より迅速承認された。これら 2 製品は、 その後各国・地域において、様々ながんを適応症として承認されている。さらに、上記 5 グループに加えて、2018 年 9 月にリジェネロン/サノフィの Libtayo(cemiplimab-rwlc) が皮膚の扁平上皮がんを適応症として FDA より承認された。この他、2018 年 12 月にシ ャンハイ ジュンシー バイオサイエンスィズの Tuoyi(toripalimab)、イノベント・バ イオロジクス/イーライリリーの Tyvyt(sintilimab)がそれぞれメラノーマ及びホジキ ン リ ン パ 腫 を 適 応 症 と し て 、 相 次 い で 中 国 国 家 薬 品 監 督 管 理 局 ( National Medical Products Administration:NMPA)より承認された。 抗 PD-L1 抗体は、2018 年 7 月時点で 3 製品が承認されている。世界で初めて上市され た抗 PD-L1 抗体は、ロシュ―ジェネンテックの Tecentriq(atezolizumab)である。同 剤は、プラチナ製剤ベースの化学療法施行中または施行後に病勢進行を認めた、または プラチナ製剤ベースの化学療法による術前または術後補助化学療法を行い 12 カ月以内 に病勢進行を認めた局所進行または転移性尿路上皮がんを適応症として 2016 年 5 月に FDA より迅速承認された。Tecentriq に次いで承認された抗 PD-L1 抗体は、独メルク/フ ァイザーの Bavencio(avelumab)である。同剤は、12 歳以上の転移性メルケル細胞がん を適応症として、2017 年 3 月に FDA より迅速承認された。次いで承認されたのは、アス トラゼネカの Imfinzi(durvalumab)である。同剤は、プラチナ製剤を含む全身一次化 学療法による治療中あるいは治療後に病勢進行が認められた、あるいはプラチナ製剤を 含む術前、もしくは術後補助化学療法を受けてから 12 カ月以内に病勢進行が認められた 局所進行あるいは転移性尿路上皮がんを適応症として 2017 年 5 月に FDA より迅速承認さ れた。これら 3 製品は、その後各国・地域において、適応症を拡大、もしくはそれに向 けた臨床試験が実施されている。

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免疫チェックポイント阻害剤の単独投与による奏効率は 20~30%程度であり14、さらな る奏効率の向上を目的として、他の化学療法剤やがん免疫療法との併用療法の開発が盛 んに行われている。現時点では、Yervoy と Opdivo との併用療法が根治切除不能なメラ ノーマ等を適応症として承認されている。 2018 年 12 月時点で、日本、米国、欧州、中国、韓国で承認されている免疫チェック ポイント阻害剤を以下表 4、免疫チェックポイント阻害剤の併用療法を表 5 に示す。 表 4 承認されている免疫チェックポイント阻害剤(2018 年 12 月時点) 標的 一般名 製品名 開発企業 承認国・地域 対象疾患

CTLA-4 ipilimumab Yervoy

ブリストル・マ イヤーズスク イブ 小野薬品工業 日本 メラノーマ 米国 メラノーマ 欧州 メラノーマ PD-1 nivolumab Opdivo 小野薬品工業 ブリストル・マ イヤーズスク イブ 日本 メラノーマ、非小細胞 肺がん、腎細胞がん、 ホジキンリンパ腫、頭 頸部がん、胃がん、胸 膜中皮腫 米国 メラノーマ、非小細胞 肺がん、腎細胞がん、 ホジキンリンパ腫、頭 頸部がん、尿路上皮が ん、肝細胞がん、大腸 がん 欧州 メラノーマ、非小細胞 肺がん、腎細胞がん、 ホジキンリンパ腫、頭 頸部がん、尿路上皮が ん 中国 非小細胞肺がん 韓国 メラノーマ、非小細胞 肺がん、腎細胞がん、 ホジキンリンパ腫、頭 頸部がん、尿路上皮が ん、胃がん pembrolizumab Keytruda 米メルク(MSD) 日本 メラノーマ、非小細胞 肺がん、ホジキンリン パ腫、尿路上皮がん、 MSI-high 腫瘍 米国 メラノーマ、非小細胞 肺がん、頭頸部がん、 ホジキンリンパ腫、 MSI-high 腫瘍、尿路上 皮がん、子宮頸がん、B 細胞性リンパ腫、胃が ん、肝細胞がん 欧州 メラノーマ、非小細胞 肺がん、ホジキンリン パ腫、尿路上皮がん、 頭頸部がん 中国 メラノーマ 韓国 メラノーマ、非小細胞 肺がん、頭頸部がん、 ホジキンリンパ腫、尿 路上皮がん 14 清家 正博、(2017) 肺癌に対する免疫 Check Point 阻害剤の有効性、日医大医会誌 2017; 13(3)p145-149

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標的 一般名 製品名 開発企業 承認国・地域 対象疾患 aemiplimab-rwlc Libtayo サノフィ リジェネロン 米国 扁平上皮がん toripalimab Tuoyi シャンハイ ジ ュンシー バイ オサイエンス ィズ 中国 メラノーマ sintilimab Tyvyt イノベント・バ イオロジクス イーライリリ ー 中国 ホジキンリンパ腫 PD-L1 atezolizumab Tecentriq ロシュ (ジェネンテ ック) 中外製薬 日本 非小細胞肺がん 米国 非小細胞肺がん、尿路 上皮がん 欧州 非小細胞肺がん、尿路 上皮がん avelumab Bavencio 独メルク ファイザー 日本 メルケル細胞がん 米国 メルケル細胞がん、尿路上皮がん 欧州 メルケル細胞がん durvalumab Imfinzi アストラゼネ 日本 非小細胞肺がん 米国 尿路上皮がん、非小細 胞肺がん 各社ホームページより取りまとめ。Yervoy はブリストル・マイヤーズスクイブ、Opdivo は小野薬品工業、

Keytruda・Bavencioはメルク、Libtayo はサノフィ、Tecentriq はロシュ、Imfinzi はアストラゼネカの

登録商標である。 表 5 承認された免疫チェックポイント阻害剤併用療法(2018 年 12 月時点) 標的 併用薬 1 併用薬 2 開発企業 承認国・地域 対象疾患 CTLA-4 PD-1 Yervoy Opdivo ブリストル・マ イヤーズスク イブ 小野薬品工業 日本 メラノーマ、腎細胞が ん 米国 メラノーマ、腎細胞が ん、MSI-high 腫瘍また は MMR 欠損大腸がん 欧州 メラノーマ 韓国 メラノーマ 各社ホームページより取りまとめ。Yervoy はブリストル・マイヤーズスクイブ、Opdivo は小野薬品工業の 登録商標である。 本調査の対象である 4 つの技術分野において、最も大きな市場を既に形成しているの は免疫チェックポイント阻害剤である。2017 年の免疫チェックポイント阻害剤の世界市 場は 113 億 4,300 万ドル、約 1 兆 2,500 億円と推測される。2017 年までに承認されてい る免疫チェックポイント阻害剤 6 製品のグローバル売上推移を以下表 6、図 2 に示す(一 部推計を含む)。 免疫チェックポイント阻害剤で最も売上の多い製品は Opdivo である。2017 年の世界 での売上は約 57 億 6,900 万ドルであり、市場の約 50%を占めている。Opdivo が発売され て以降 2017 年までは世界売上高において、Opdivo は Keytruda を圧倒している。しかし、 2018 年 4~6 月期の売上高を比較すると、Opdivo が 18 億 3,400 万ドル(日本・韓国・台 湾を除くと 16 億 2,700 万ドル)であるのに対し、Keytruda は 16 億 6,700 万ドルであり 拮抗している。

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表 6 免疫チェックポイント阻害剤のグローバル売上推移(2011 年~2017 年)15 (単位:100 万ドル) 製品名 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 Yervoy 360 706 960 1,308 1,126 1,053 1,244 Opdivo 0 0 0 22 1,040 4,589 5,769 Keytruda 0 0 0 50 566 1,402 3,809 Tecentriq 0 0 0 0 0 159 492 Bavencio 0 0 0 0 0 0 10 Imfinzi 0 0 0 0 0 0 19 合計 360 706 960 1,380 2,732 7,203 11,343 1 米ドル=110 円、1€=1.16 米ドル、1CHF=1.01 米ドル 図 2 免疫チェックポイント阻害剤のグローバル売上推移(2011 年~2017 年)15

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年

Yervoy Opdivo Keytruda Tecentriq Bavencio Imfinzi

15 各社公開データをもとに作成。

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要約

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表 7 に 2017 年 5 月に EvaluatePharma が発表した 2022 年の世界医薬品売上予想上位 20 品目を示す。免疫チェックポイント阻害剤として Opdivo(抗 PD-1 抗体)、Keytruda (抗 PD-1 抗体)、Tecentriq(抗 PD-L1 抗体)の抗体 3 製品が含まれている。2016 年の 売り上げと比較した 2022 年における各製品の売り上げの増加率は Opdivo:約 2.1 倍、 Keytruda:約 6.8 倍、Tecentriq:約 31 倍であり、免疫チェックポイント阻害剤市場は 今後さらに拡大することが予想されるが、先行して承認された抗 PD-1 抗体が市場におい ては優位に立つと考えられる。 表 7 2022 年の世界医薬品売上予想上位 20 品目16 製品名 薬理学的分類 2016年売上実績 (100万ドル) 2022年売上予想 (100万ドル) 世界 米国 世界 米国 1 Humira 抗TNF-α抗体 16,515 10,432 15,901 12,043 2 Revlimid immunomodulator 6,974 4,417 14,197 10,147 3 Opdivo 抗PD-1抗体 4,735 2,664 9,912 4,421 4 Keytruda 抗PD-1抗体 1,402 792 9,509 4,767 5 Eliquis Xa因子阻害剤 3,343 1,963 8,486 5,105 6 Xarelto Xa因子阻害剤 4,986 2,288 8,131 3,296 7 Imbruvica BTK阻害剤 2,218 1,580 7,499 4,368 8 Eylea VEGF阻害剤 5,539 3,323 7,171 4,296 9 Ibrance CDK4/6阻害剤 2,135 2,068 7,074 4,632 10 Januvia/Janumet DPP-4阻害剤 6,440 3,270 5,989 3,000 11 Darzalex 抗CD38抗体 572 471 5,833 3,496

12 Prevnar 13 pneumococcal vaccine 6,034 3,645 5,749 3,153

13 Prolia/Xgeva 抗RANKL抗体 3,459 2,164 5,632 3,609

14 Triumeq NRT阻害剤及びHIVインテグラーゼ阻害剤 2,350 1,570 5,376 3,389

15 Enbrel TNF-α阻害剤 9,248 5,719 5,276 3,623

16 Perjeta 抗HER2抗体 1,874 919 5,240 2,263

17 Dupixent 抗IL-4/ IL-13抗体 ― ― 4,938 2,869

18 Tecentriq 抗PD-L1抗体 159 156 4,937 2,651 19 Xtandi アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤 2,332 1,218 4,883 2,706 20 Stelara 抗IL-12/23p40抗体 3,232 2,263 4,858 3,379 *青色のハイライトは免疫チェックポイント阻害剤を示す。 2.養子免疫療法関連の動向 養子免疫療法として現時点で承認されているのは CAR-T 細胞のみである。CAR-T 細 胞療法として、米国で 2 製品が世界に先駆けて上市された17 18。ノバルティスの

16 EvaluatePharma® World Preview 2017, Outlook to 2022P36, 2022: Top 50 Selling Products in the World

http://info.evaluategroup.com/rs/607-YGS-364/images/WP17.pdf (2018.08.08 アクセス)

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Kymriah は世界で初めての CAR-T 細胞療法として、B 細胞性急性リンパ芽球性白血病 (25 歳以下)を適応症として 2017 年 8 月に FDA より承認された。さらに、再発・難 治性の大細胞型 B 細胞リンパ腫を 2 つ目の適応症として、2018 年 5 月に FDA より承 認された。もう一つの CAR-T 細胞療法として承認されているのは、カイトファーマ(ギ リアド・サイエンシズの子会社)の Yescarta である。同製品は、成人のびまん性大 細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL)を適応症として、2017 年 10 月に FDA より承認され た。いずれの製品も第二世代の CAR-T 細胞療法であり、Kymriah は共刺激ドメインに 4-1BB を、Yescarta は共刺激ドメインに CD28 を使用している。2019 年 2 月時点で承 認されている CAR-T 細胞製品を表 8 に示す。 表 8 上市されている CAR-T 細胞製品(2019 年 2 月時点) 標的 一般名 製品名 開発企業 承認国 対象疾患 CD19 tisagenlecleucel Kymriah ノバルティス 米国 欧州 カナダ スイス オーストラ リア 日本 B 細胞性急性リ ンパ芽球性白血 病、大細胞型 B 細胞リンパ腫 CD19 Axicabtagene ciloleucel Yescarta カイトファー マ(ギリアド・ サイエンシズ) 米国 欧州 びまん性大細胞 型 B 細胞リンパ 腫 各社ホームページより取りまとめ。Kymriah はノバルティス、Yescarta はカイトファーマの登録商標であ る。 国内では Kymriah は 2019 年 2 月 20 日に再発または難治性の B 細胞性急性リンパ芽 球性白血病、及び再発または難治性のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫を適応症とし て製造販売承認された。なお、Kymriah は、CD19 陽性 B 細胞性急性リンパ芽球性白血 病、CD19 陽性びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫、CD19 陽性濾胞性リンパ腫の適応に 対して、希少疾病用再生医療等製品の指定を受けている。 米国では、ノバルティスの Kymriah の価格は 475,000 ドル、カイトファーマの Yescarta の価格は 373,000 ドルと設定されている19。いずれも高額の薬価が設定され ているが、各社は患者が治療を受けられるように保険会社等への働きかけを行ってい る 。 ノ バ ル テ ィ ス は Kymriah に つ い て 、 現 行 の 規 制 要 件 下 で 価 値 に 基 づ く 医 療 (value-based care)の効率的な提供と、患者の治療薬へのアクセスを確保するため、 米国メディケア・メディケイドサービスセンター(Centers for Medicare and Medicaid Services:CMS)と「達成された臨床アウトカムに基づき適応ごとの医薬品の薬価を 設定すること(indication-based pricing)」を開始することを発表した。また、対

18 Gilead sciences announces third quarter 2018 financial results

http://investors.gilead.com/static-files/626555e9-1c0c-44c5-b494-ab215c645464 (2019.02.21 アクセ ス)

19 経済産業省、伊藤レポート 2.0~バイオメディカル産業版~「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究

会」最終報告 2018 年 4 月 27 日 http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180427005/20180427005-2.pdf (2018.08.20 アクセス)

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象患者が、治療後 1 カ月終了までに効果を認めた場合のみ支払いを受けるという、臨 床アウトカムに基づく取組を CMS と協力している20 両製品の 2018 年第 1 四半期から第 3 四半期の売上を、以下表 9 に示す。Kymriah は 4,800 万ドルであったのに対し、Yescarta は 1 億 8,300 万ドルであり、CAR-T 細胞 療法の市場は 2 億 3,100 万ドルとなる。各製品の売上額をシェアに換算すると、図 3 に示すように Kymriah は 21%、Yescarta は 79%となる。 表 9 2018 年の CAR-T 細胞製品の売上推移(2018 年第 1—第 3 四半期)21 (単位:100 万ドル) 2018年 第1四半期 2018年 第2四半期 2018年 第3四半期 2018年 第1—第3四半期 Kymriah 12 16 20 48 Yescarta 40 68 75 183 図 3 CAR-T 細胞製品の世界シェア(2018 年第 1—第 3 四半期)22 3.腫瘍溶解性ウイルス療法関連の動向 2018 年 7 月時点で、世界で承認されている腫瘍溶解性ウイルス製剤は 2 製品である(表 10)。 世 界 初 の 腫 瘍 溶 解 性 ウ イ ル ス 製 剤 は 、 シ ャ ン ハ イ サ ン ウ エ イ バ イ ア テ ク の Oncorine である。同剤は、鼻咽頭がんを適応症として、2005 年 4 月に中国国家薬品監督 管理局(State Food and Drug Administration(現 NMPA))より承認されている。もう 一つの製品は、アムジェンの Imlygic である。同剤は手術後に再発したメラノーマの切 除不能な皮膚、皮下、節部の病変に対する局所治療を適応症として、2015 年 10 月に FDA より承認されており、また、ステージⅢB、ⅢC、ⅣM1a 期メラノーマにおける切除不能 な局所転移の治療を適応症として、同年 12 月に欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)より承認された。 20 ノバルティス ニュースリリース https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20170913 (2018.08.20 アクセス)

21 公開情報より作成(Financial Results Q1-Q3 2018 – Novartis 及び http://investors.gilead.com/)

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表 10 上市されている腫瘍溶解性ウイルス製剤(2018 年 7 月時点) 一般名 製品名 投与方法 開発企業 承認国 対象疾患 不明 Oncorine 腫瘍内投与 シャンハイ サンウエイ バイアテク 中国 鼻咽頭がん talimogene laherparepvec Imlygic 腫瘍内投与 アムジェン 米国 欧州 メラノーマ 各社ホームページより取りまとめ。Imlygic は Amgen の登録商標である。 Oncorine の価格は治療 1 コース当たり 2 万 5,000~3 万ドルとなっている23。アムジェ ンの Imlygic は、米国における販売価格を 65,000 ドル/回に設定している24。また、処 方対象となる患者の薬剤アクセスを向上させるため、保険未加入患者に対する無料提供 プログラムや保険加入患者に対する co-pay coupon プログラムを提供している。 Oncorine の現在の売上については不明である。また、Imlygic 単体の製品売上は公表 されていないが、Evaluate は Imlygic の世界での売上高は、2016 年は 4,500 万ドルであ り、2022 年には 2 億 5,000 万ドルまで成長するとのコンセンサス予測を報告している25 4.がんワクチン療法関連の動向 現在上市されているがんワクチンは、抗原提示細胞ワクチンである Provenge のみであ る(表 11)。2010 年 4 月、FDA はデンドレオンが開発した Provenge(sipuleucel-T)を、 ホルモン療法抵抗性転移性前立腺がんを適応症として承認した。また、米国での承認に 次いで、2013 年 9 月、欧州においても販売承認を取得した。 しかし、2014 年 11 月、デンドレオンは経営破たんした26。その後、2015 年、カナダ ヴァレアント ファーマシューティカルズ(現ボシュヘルスカンパニーズ)がデンドレオ ンを 4 億 9,500 万ドルで買収した27。さらに、2017 年 1 月には、中国のサンパワーグル ープはヴァレアント ファーマシューティカルズより Provenge に関する事業について、 約 8 億 2,000 万ドルで買収しており、現在 Provenge にかかる事業主体はサンパワーグル ープとなっている28 なお、商業上の理由とするデンドレオンの要請により、Provenge の欧州での製造販売 承認は 2015 年 5 月に撤回されている29

23 Alex Kudrin (2012) Business models and opportunities for cancer vaccine developers, Human

Vaccines & Immunotherapeutics 8:10, 1431-1438

24 アムジェン ニュースリリース

https://www.amgen.com/media/news-releases/2015/10/fda-approves-imlygic-talimogene-laherparepve c-as-first-oncolytic-viral-therapy-in-the-us/ (2018.08.08 アクセス)

25 Edison Viralytics Cavatak/Yervoy combo enters thespotlight

https://www.edisoninvestmentresearch.com/?ACT=18&ID=18566&LANG= (2018.08.08 アクセス)

26 Katherine Bourzac, (2015) Therapy: An immune one–two punch, Nature volume 528, pages S134–S136

27 デンドレオン ホームページ https://www.dendreon.com/About-Us#OurHistory(2019.02.26 アクセス)

28 サンパワーグループ ホームページ http://en.sanpowergroup.com/content/details_44_3671.html

(2019.02.26 アクセス)

29 European medicines agenecy, public statement

http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Public_statement/2015/05/WC500186950.pdf (2018.08.14 アクセス)

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表 11 上市されている抗原提示細胞ワクチン製品(2018 年 7 月時点) 一般名 製品名 投与方法 開発企業 承認国 対象疾患 sipuleucel-T Provenge 皮内投与 デンドレオン (サンパワーグループ) 米国 前立腺がん Provenge はデンドレオンの登録商標である。 Provenge の 2016 年の売上は 2015 年比 10%増の 3 億 300 万ドルであった30 31。Provenge 事業を買収したサンパワーグループは、今後中国や東南アジアでの事業展開を見据えて いる。既に中国国家薬品監督管理局(China Food and Drug Administration(現 NMPA)) との事前相談を済ませており、2019 年初めごろには中国での臨床試験が開始される見込 みとなっている。同社は、香港に Provenge やその他の細胞治療薬を製造するための施設 (1,000 ㎡)を獲得している他、上海の GMP 施設の完成も近く、それら施設から製品供 給を行う予定となっている32 一方で、ペプチドワクチン等の抗原提示細胞ワクチン以外のがんワクチン療法として 承認された製品はなく、市場は形成されていない。 第2節 がん免疫療法の臨床試験状況 1.免疫調節 免疫調節は、その作用機序に基づき、免疫抑制阻害と免疫増強に区分され、医薬が標 的とする分子種の違いによって、さらに細分化することができる。 本項では、免疫調節について、既に上市されている免疫チェックポイント阻害分子を ターゲットにした免疫抑制阻害、今後の上市が期待される免疫チェックポイント阻害分 子以外をターゲットにした免疫抑制阻害、免疫増強、の 3 つの治療方法に関する開発状 況を解説する。 (1)免疫チェックポイント阻害剤 免疫調節の中で研究開発の中心となっているのが免疫チェックポイント阻害剤で ある。免疫チェックポイント阻害剤の臨床試験状況を示す(表 12)。2018 年 7 月時点 で臨床試験は 1,330 試験であった。

30 Valeant Pharmaceuticals.Fourth Quarter and Full Year 2015

SupplementalInformation(2019.02.26 アクセス)

http://ir.valeant.com/~/media/Files/V/Valeant-IR/reports-and-presentations/q4-and-fy2015-finan cials-presentation.pdf(2019.02.26 アクセス)

31 Valeant Pharmaceuticals 4Q and FY 2016 Financial Results Conference Call

http://ir.valeant.com/~/media/Files/V/Valeant-IR/reports-and-presentations/q4-fy2016-vrx-02282 017-v1.pdf(2019.02.26 アクセス)

32 FiercePharme, Apr 2, 2018

https://www.fiercepharma.com/marketing/dendreon-expects-10-annual-provenge-growth-looks-for-ca r-t-tcr-t-buy-chairwoman (2018.08.14 アクセス)

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表 12 免疫チェックポイント阻害剤の開発状況(2018 年 7 月時点)33 Phase 国名 Ⅰ Ⅰ/Ⅱ Ⅱ Ⅱ/Ⅲ Ⅲ 日本 26 13 10 0 65 米国 311 210 293 2 90 欧州 96 84 133 2 94 中国 52 35 24 0 43 韓国 34 17 25 0 65 その他 72 57 65 1 94 試験数合計 442 306 473 5 140 ※同一試験が複数の地域で実施されている場合は、それぞれカウントしている。ゆえに、合計試験数と各 地域での実施数の合計が一致しない場合がある。試験数合計は、NCTnumber の数を示す。欧州の定義は外務 省のとおり。Not yet recruiting で、実施場所が不明のものはカウントしていない。

免疫チェックポイント阻害剤の開発は、小野薬品工業/ブリストル・マイヤーズス クイブ、米メルク(MSD)、ロシュ-ジェネンテック-中外製薬、独メルク/ファイザー、 アストラゼネカが中心となって進めている。また、2018 年 8 月以降新たにリジェネ ロン/サノフィ、さらに中国企業 5 社が免疫チェックポイント阻害剤開発に参入した。 各社は、各種抗がん剤やその他の治療法との併用療法に関する共同開発を様々な企業 と進めている。既に免疫チェックポイント阻害剤を上市している製薬企業は、他のが ん種への適応や 1 次治療の適応取得を目指すための臨床試験を推進している。その他、 様々な抗がん剤、放射線療法等との併用療法の試験も実施されている。また、Phase Ⅱ試験以降の試験のうち、CTLA-4/PD-1/PD-L1 以外の分子を標的とする免疫チェック ポイント阻害剤に関する臨床試験は 5 試験確認された。これらは抗 LAG-3 抗体(3 試 験)、抗 TIGIT 抗体(1 試験)、抗 B7-H3 抗体(1 試験)に関するものであり、これら の中には抗 PD-1 抗体との併用が行われている試験も存在する。 既に免疫チェックポイント阻害剤を上市している製薬企業以外が実施している PhaseⅡ以降の臨床試験は 49 試験であり、うち 11 試験が PhaseⅢ試験であった。 免疫チェックポイント阻害剤を上市している製薬企業以外で PhaseⅢ試験を実施 している企業及び開発品目について表 13 に示す。7 社が PhaseⅢ試験を実施している が、そのうち 5 社は中国企業であった。 33 https://clinicaltrials.gov/ より集計。大学・研究機関主体も含めた全ての試験数。

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表 13 免疫チェックポイント阻害剤を上市している製薬企業以外で PhaseⅢ試験を実施している 企業及び開発品目(2018 年 7 月時点) 企業名 国籍 品目名 標的 対象疾患 併用治療 ノバルティス スイス spartalizumab (PDR001) PD-1 メラノーマ なし リジェネロン サノフィ 米国 cemiplimab (REGN2810) PD-1 PD-L1陽性 非小細胞肺がん なし PD-L1陽性(>50%) 非小細胞肺がん ipilimumab Chemotherapy ジエンス ヘンルイ メデイシン 中国 camrelizumab (SHR-1210) PD-1 ステージⅢ-ⅣA 鼻咽頭がん なし 非小細胞肺がん (非扁平上皮がん) pemetrexed carboplatin ベイジーン 中国 /米国 tislelizumab (BGB-A317) PD-1 ステージⅢB/Ⅳ 非小細胞肺がん なし 食道扁平上皮がん なし 肝細胞がん なし イノベント バイオ ロジックス 中国 Sintilimab (IBI308) PD-1 非小細胞肺がん なし シャンハイ ジュンシー バイオ サイエン スィズ 中国 JS001 PD-1 メラノーマ なし スリーディー メディシンズ 中国 KN035 PD-L1 胆道がん gemcitabine oxaliplatin (2)その他免疫抑制阻害療法 免疫チェックポイント阻害療法以外の免疫抑制阻害療法(以下、その他免疫抑制阻 害療法)として、COX-2 阻害剤、IDO 阻害剤、A2AR 阻害剤、Arginase 阻害剤、TGF-β阻害剤等といった阻害剤の開発も進められている。その他免疫抑制阻害療法の臨床 試験状況を表 14 に示す。

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表 14 その他免疫抑制阻害療法の開発状況(2019 年 3 月時点)34 Phase 国名 Ⅰ Ⅰ/Ⅱ Ⅱ Ⅱ/Ⅲ Ⅲ 日本 5 1 2 0 3 米国 31 33 29 0 4 欧州 8 14 14 0 4 中国 0 1 2 0 0 韓国 0 5 5 0 3 その他 8 11 13 0 4 試験数合計 51 36 36 0 5 臨床試験数は 128 試験が確認され、免疫チェックポイント阻害剤と比較すると少な い状況である。また、PhaseⅢ試験 5 試験であることからその他免疫抑制阻害療法の 開発はまだ早期の段階であることが窺える。以下に PhaseⅢ試験が実施されている開 発品目を示した(2019 年 3 月時点)。 表 15 PhaseⅢ試験が実施されている開発品目企業及び開発品目(2019 年 3 月時点) 企業名 国籍 品目名 標的 対象疾患 併⽤治療 ブリスト ル・マイ ヤーズス クイブ 米国 BMS-986205 IDO 膀胱がん nivolumab インサイ ト 米国 epacadostat IDO 尿路上皮がん、頭頸 部がん pembrolizumab バイオラ イン RX イスラエル BL-8040 CXCR4 多発性骨髄腫(造血 幹細胞の自家移植) G-CSF PhaseⅢ試験では、IDO と CXCR4 を標的とした 3 つの開発品の試験が確認された。 これらの試験では抗 PD-1 抗体(pembrolizumab)または G-CSF との併用が行われてい る。これら以外の IDO 阻害剤の PhaseⅢ試験として、メラノーマ、頭頚部がん等を対 象とした抗 PD-1 抗体との併用を含む試験が複数実施されていたが、メラノーマを対 象 と し た epacadostat と pembrolizumab 併 用 に よ る Phase Ⅲ 試 験 ECHO-301/KEYNOTE-252 の失敗35を受けていくつかの試験が中止された36。他のがんを 対象とした臨床試験は進行中である。また、協和発酵キリンは自社開発品の IDO 阻害 剤 KHK2455 とメルク/ファイザーの抗 PD-L1 抗体 avelumab との併用による PhaseⅠ 34 EvaluatePharma 及び https://clinicaltrials.gov/ より集計。大学・研究機関主体も含めた全ての試 験数。 35メルク プレスリリース https://investors.merck.com/news/press-release-details/2018/Incyte-and-Merck-Provide-Update-on -Phase-3-Study-of-Epacadostat-in-Combination-with-KEYTRUDA-pembrolizumab-in-Patients-with-Un resectable-or-Metastatic-Melanoma/default.aspx(2019.03.13 アクセス)

36 Takefumi Komiya and Chao H. Huang, (2018) Updates in the Clinical Development of Epacadostat and

Other Indoleamine 2,3-Dioxygenase 1 Inhibitors (IDO1) for Human Cancers Front Oncol. 8: 423.PMID: 30338242

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第6部

試験を米国で開始する予定である37 抗 CXCR4 抗体 BL-8040 については、転移性膵臓がんを対象とした米メルクの抗 PD-1 抗体 pembrolizumab との併用療法の開発も進められている38 その他の主な標的における臨床試験の状況を述べる。 A2AR については、アストラゼネカはそーせいグループから導入した A2AR 阻害剤で ある AZD4635(HTL1071)と抗 PD-L1 抗体 durvalumab との併用療法に関する PhaseⅡ試

験を開始する予定である39。Arginase については、インサイトはカリテラから固形が ん適応とした初の低分子 Arginase 阻害剤(CB-1158)の開発・商業化の権利を得てお り40、臨床試験を進めている41。TGF-βについては、イーライリリーが TGF-β阻害剤 LY3200882 に関する PhaseⅠ試験を進めている42。なお、イーライリリーとアストラ ゼネカは、duvarlumab と免疫系を調整する候補化合物による併用療法の開発を目指 した提携を結んでいる43 その他免疫抑制阻害療法の開発企業の動向を表 15 に示した。 表 16 その他免疫抑制阻害療法の開発企業の動向 標的 開発企業 提携先 動向 日付 概要 COX-2 ラドウィックがん研究 所 - 学会発表 2017.08 .12 プ レ ス リ リ ー ス 米国がん学会(AACR)学会誌「Cancer ImmunologyResearch」にて、前臨 床 研 究 に お い て イ ン ド ー ル ア ミ ン -2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)を恒常 的に発現する腫瘍はシクロオキシゲナ ーゼ 2(COX-2)阻害剤である Celebrex に反応し、特定の T 細胞サブセットが 腫瘍に侵入しやすくなり、抗 PD1 療法 に反応する可能性がより高くなる可能 性があることを発表。 IDO ブ リ ス トル・マイヤ ーズスクイ ブ - 臨床試験結果発表 2017.11 .16 プ レ ス リ リ ー ス Opdivo と 開 発 中 の IDO1 阻 害 剤 「BMS-986205」の併用療法が、第 1/2a 相試験 CA017-003 において、複数の治 療歴を有する進行がんの患者で有望な 奏効を示すことを発表。 37 協和発酵キリン ニュースリリース https://www.kyowa-kirin.co.jp/news_releases/2018/20181102_01.html(2019.03.05 アクセス) 38 BioLineRx パイプライン情報 http://www.biolinerx.com/default.asp?pageid=98&itemid=41(2019.03.06 アクセス) 39 そーせい ニュースリリース https://ssl4.eir-parts.net/doc/4565/tdnet/1661226/00.pdf (2019.03.05 アクセス) 40 カリテラニュースリリース http://ir.calithera.com/news-releases/news-release-details/incyte-and-calithera-biosciences-an nounce-global-collaboration?field_nir_news_date_value[min]=(2019.03.05 アクセス)

41 Clinical trial gov

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02903914(2019.03.08 アクセス) 42 イーライリリー ホームページ http://www.lillyoncologypipeline.com/molecule/tgf-beta-r-1-kinase-inhibitor-ii/overview(2019.0 3.06) 43 アストラゼネカ プレスリリース https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2015/20151027.html#(2019.02.28 アクセス)

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標的 開発企業 提携先 動向 日付 概要 インサイト 米メルク 臨床試験結果発表 2018.04 .06 プ レ ス リ リ ー ス インサイトとメルクは、IDO1 阻害剤 epacadostat と Keytruda (pembrolizumab)併用による切除不能 あるいは転移性メラノーマを対象とす る PhaseⅢ試験 ECHO-301/KEYNOTE-252 において、pembrolizumab 単独療法を 凌ぐ無増悪生存期間を得ることができ ずプライマリーエンドポイントを達成 できなかったことから臨床試験を停止 すると発表。 ニューリン クジェネテ ィクス ブ リ ス ト ル・マイヤ ー ズ ス ク イ ブ / 米 メルク 臨床試験 変更発表 2018.04 .15 プ レ ス リ リ ー ス

IDO1 阻害剤「indoximod」と Opdivo、 Keytruda との第 3 相試験 Indigo301 に おいて、同様の臨床試験デザインでの 他社の IDO 阻害剤の臨床試験の失敗を 受け、臨床試験内容を変更すること を明らかにした。 協和発酵キ リン 独メルク フ ァ イ ザ ー 共同試験 2018.11 .2 プ レ ス リ リ ー ス 協 和 発 酵 キ リ ン は 固 形 が ん を 対 象 に IDO 阻害剤である KHK2455 と抗 PD-1 抗 体 で あ る avelumab と の 併 用 に よ る PhaseⅠ臨床試験を米国で実施する契 約の締結を発表。 フ レ ク サ ス・バイオ サイエンシ ーズ ブ リ ス ト ル・マイヤ ー ズ ス ク イブ 買収 2015.04 .08 プ レ ス リ リース フレクサス・バイオサイエンシーズ の買収を完了。フレクサス・バイオ サイエンシーズの前臨床段階にある リード低分子 IDO1-阻害剤 F001287 の完全な権利を含む。同薬剤は、2015 年 度 下 半 期 に 新 薬 治 験 許 可 申 請 (IND)を目指しており、IDO 選択的、 IDO/TDO 二重阻害、及び TDO 選択的化 合物ライブラリを含む IDO/TDO 創薬 プログラムを行う予定。 A2AR そーせいグ ループ ヘ プ タ レ ス・セラピ ューティク ス ア ス ト ラ ゼネカ ライセンス契約 2015.08 .10 プ レ ス リ リ ー ス アストラゼネカとそーせいグループの 子会社ヘプタレス・セラピューティ クス(英国)が、A2AR 拮抗剤である HTL1071 及 び そ の 他 の 可 能 性 の あ る A2AR 拮抗剤化合物について、アストラ ゼネカが全世界における開発・製造商 業化の独占権を取得するライセンス 契約を締結したと発表。 ア ス ト ラ ゼネカ マイルス トーン達 成 2019.01 .07 プ レ ス リ リ ー ス 「HTL1071」(AZD4635)の PhaseⅡ臨床 試験開始によりアストラゼネカ から 1,500 万ドルのマイルストーンを 受領した。 コーバスフ ァーマシュ ーティカル ズ - 臨床試験開始 2019.01 .08 プ レ ス リ リ ー ス Phse1/1b 試験の第 2 群の被験者登録を 開 始 し た と 発 表 し た 。 抗 CD73 抗 体 CPI-006 と A2AR 阻害剤 CPI-444 との併 用療法により評価する。試験対象は非 小細胞肺がん、腎細胞がん、及び標準 治療が奏功しなかったがんを有する患 者を登録する。CPI-006 単剤群、抗 PD-1 抗 体 pembrolizumab 併 用 群 を 評 価 す る。 Argina se カリテラ イ ン サ イト 開発への出資 2017.01 .30 プ レ ス リ リ ー ス インサイトはカリテラより CB-1158 に 関する血液疾患及びがん領域における 開発・商業化の権利を得るための提携 契約を締結した。インサイトは 4,500 万ドルを前払いし、カリテラ 800 万ド ル の 株 式 投 資 を 受 け る こ と に 合 意 し た。また、CB-1158 の開発について共 同出資を行う。 TGF-β イーライリリー ブ リ ス ト ル・マイヤ ー ズ ス ク イブ 臨床試験 提携 2015.1. 28 プ レ ス リ リ ー ス ブリストル・マイヤーズスクイブとの nivolumab と TGFβR1 キナーゼ阻害剤 galunisertib(LY2157299)を併用療法 に関する臨床試験の実施を発表。

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標的 開発企業 提携先 動向 日付 概要 ケモカ イン受 容体 協和発酵キ リン 小 野 薬 品 工業/ブリ ストル・マ イ ヤ ー ズ スクイブ 提携契約 2015.07 .30 プ レ ス リ リース ブリストル・マイヤーズスクイブと、 協 和 発 酵 キ リ ン の 抗 CCR4 抗 体 mogamulizumab と nivolumab との併用 療法について、進行性または転移性の 固 形 が ん を 対 象 と し て た 米 国 で の PhaseI/II 試験に関する提携契約を締 結したことを発表。 ア ス ト ラ ゼネカ 開発提携契約 2014.07 .30 プ レ ス リ リース 協 和 発 酵 キ リ ン の 抗 CCR4 抗 体 Mogamulizumab とアストラゼネカの抗 PD-L1 抗 体 Durvalumab、 も し く は 抗 CTLA-4 抗体 tremelimumab の併用療法 に関する複数の固形がんを対象にした PhaseⅠ/Ⅰb 臨床試験の開発提携契約 を締結したことを発表。 バイオライ ン RX 米メルク 臨床試験提携 2016.1. 12 プ レ ス リ リ ー ス 転移性膵臓がんを対象として、バイオ ライン RX の CXCR4 拮抗薬 BL-8040 と pembrolizumab の併用療法を評価する ための PhaseII 試験に関する提携を発 表。 - オーファ ンドラッ グ指定 2019.02 .04 プ レ ス リ リ ー ス 肝臓がんに治療に対して CXCR4 阻害剤 BL-8040 が、FDA よりオーファンドラッ グ指定を受けたと発表。 CSF-1R ブ リ ス ト ル・マイヤ ーズスクイ ブ フ ァ イ ブ プ ラ イ ム セ ラ ピ ュ ー テ ィ ク ス ライセン ス契約 2015.10 .15 ニ ュ ー ス リ リ ース ブリストル・マイヤーズスクイブはフ ァ イ ブ プ ラ イ ム セ ラ ピ ュ ー テ ィ ク ス と、CSF-1R 阻害剤 FPA008 に関する独 占ライセンス契約を締結した。

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(3)免疫増強 免疫を増強するターゲットとして STING、TLR、4-1BB、サイトカイン等を標的とし た治療法の開発も進められている。免疫増強の臨床試験状況を表 17 に示す。 表 17 免疫増強の開発状況(2019 年 3 月時点)44 Phase 国名 Ⅰ Ⅰ/Ⅱ Ⅱ Ⅱ/Ⅲ Ⅲ 日本 6 0 2 0 0 米国 62 29 49 0 5 欧州 21 9 14 1 7 中国 1 1 2 0 2 韓国 3 2 2 0 1 その他 12 4 6 0 5 試験数合計 73 37 67 1 9 臨床試験は 187 試験確認され、免疫増強についても免疫チェックポイント阻害療法 と比較すると少ない状況である。以下に PhaseⅢ試験が実施されている開発品目を示し た(2019 年 3 月時点)。 表 18 免疫増強の PhaseⅢ試験が実施されている開発品目(2019 年 3 月時点) 企業名 国籍 品目名 標的 対象疾患 併用治療 ファイザー 米国 utomilumab 4-1BB 細胞型 B 細胞 リンパ腫 avelmab ネクター ブリストル・マ イヤーズスクイ ブ 米国 NKTR-214 (Bempegaldesleukin) CD122 (IL-2 受 容体β 鎖) メラノーマ nivolumab フィロゲン イタ リア Fibromun Darkeukin TNF-α受 容体 IL-2 受容 体 メラノーマ なし イデラ・ファー マシューティカ ル ブリストル・マ イヤーズスクイ ブ 米国 IMO-2125 TLR9 メラノーマ ipilimumab モロジェン (MOLOGEN) ドイ ツ lefitolimod TLR9 転移性大腸が ん なし エーザイ ドクター・レッ ディースラボラ トリー 日本 イン ド E7777 IL-2 受容 体 皮膚 T 細胞 リンパ腫 なし 44 EvaluatePharma 及び https://clinicaltrials.gov/ より集計。大学・研究機関主体も含めた全ての 試験数。

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PhaseⅢ試験では、4-1BB、IL-2 受容体、TLR9 を標的とした 5 品目の試験が確認さ れた。このうち 3 つの開発品については抗 PD-1 抗体との併用が行われている。抗 4-1BB 抗体 utomilumab については、ファイザーは抗 PD-1 抗体 pembrolizumab との併 用療法に関する PhaseI 試験も実施しており、同試験において奏功性が認められたこ とを報告している45。以下にその他の主な標的における臨床試験の状況を述べる。 TLR は他のターゲットとして TLR7 の開発も進んでおり、大日本住友製薬の子会社 であるボストン・バイオメディカルは TLR7 アゴニストである DSP-0509 に関して、固 形がんを適応とした臨床試験を米国で進めている46 STING については、アデュロ・バイオテックはノバルティスと提携し、進行性・転 移性固形がんまたはリンパ腫を適応とした STING アゴニスト(ADU-S100)と抗 PD-1 抗体 ipilimumab もしくはノバルティスの治験用抗 PD-1 抗体である PDR001 との併用 療法に関する臨床試験を進めている47。米メルクは進行性固形がんまたはリンパ腫を 適応として STING アゴニスト(MK-1454)と pembrolizumab との併用療法に関する臨 床試験を実施している48 OX-40 については、グラクソ・スミスクラインは OX-40 阻害剤 GSK3174998 と米メ ルクの抗 PD-1 抗体 pembrolizumab との併用療法の臨床試験を進めている49 免疫増強の開発企業の動向を表 19 に示した。 表 19 免疫増強の開発企業の動向 標的 開発企業 提携先 動向 日付 概要 TLR ボストン・バ イオメディ カル - 臨床試験開始 2018.9. 13 プレス リリー ス ボストン・バイオメディカルは治験薬 DSP-0509(TLR7 アゴニスト)の治験を 開始したと発表した。標準治療に抵抗 性の進行性固形がんを適応とする。 チェックメ イトセラピ ューティク ス 独メルク ファイザ ー 提携契約 2018.09 .05 プレス リリー ス 独メルク、ファイザーと提携し、 avelmab と CMP-001 の併用療法を評価 することを発表。進行性頭頸部扁平上 皮がんを対象とする。 イデラファ ーマシュー ティカルズ - 前臨床研 究 2016.04 .19 プレス リリー ス 前臨床がんモデルにおいて、IDO1 阻害 剤と組み合わせた IMO-2125 を腫瘍内 投与することで全身性抗がん活性の増 強を示す新しい前臨床データを発表し た。 45 ファイザー ニュースリリース https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2016/2016_06_15.html(2019.2.28 アクセス) 46 ボストン・バイオメディガル ニュースリリース https://www.bostonbiomedical.com/news-and-media/20180913_bostonbiomedical-announces-first-pati ent-dosed-dsp-0509/(2019.3.5 アクセス) 47 Aduro Biotech パイプライン https://www.aduro.com/pipeline/clinical-trials/ (2019.02.26 アクセス) 48米メルク ニュースリリー https://investors.merck.com/news/press-release-details/2018/First-Presentation-of-Early-Data-f or-Mercks-Investigational-STING-Agonist-MK-1454-in-Patients-with-Advanced-Solid-Tumors-or-Lymp homas-at-ESMO-2018-Congress/default.aspx(2019.02.26 アクセス) 49 https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02528357(2019.2.28 アクセス)

参照

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