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インドネシアのコメ生産の動向

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(1)

インドネシアのコメ生産の動向

明石 光一郎

農林水産政策研究所

(2)

報告の内容

はじめに

1 インドネシアの近年のコメ生産と輸入

2 インドネシアのコメ生産の長期動向

3 近年(コメ生産停滞期、再成長期)の生産動

向とその背景

4 インドネシアの農業政策の展開-2000年以

降を中心として

まとめ

2

(3)

はじめに

• インドネシアは世界有数のコメ輸入国であっ

た。(1995年世界の輸入量15%を輸入、1998

年12%、1999年17%。)

• しかし、

2000年代に入り、特にユドヨノ政権以

降、インドネシアのコメ生産は順調に拡大し、

2007年以降は自給達成(農業省)としている。

• 本報告は、主として

2000年以降のコメ生産動

向を分析し、コメの大幅な増産を可能にした

要因、背景の政策を説明する。

3

(4)

1 インドネシアの近年の

コメ生産と輸入

(5)

世界におけるインドネシアのコメ生産

• インドネシアはこの40年間以上にわたり世界第3位のコメ生産

国であり続けた。

2001年以降も世界のシェアの8~10%を生産。

5

8.2 8.4 8.6 8.8 9 9.2 9.4 9.6 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 その他 ベトナム バングラデッシュ インドネシア インド 中国 インドネシアのシェア

世界におけるインドネシアのコメ生産

飼料:FAOSTAT.

世界におけるインドネシアのコメ生産

飼料:FAOSTAT.

1000ton

(6)

近年のコメ生産量と輸入量

6

2001年以降、コメ生産量は5,000~7,000万トン

輸入量は2011年を除くと、200万トン以下。

主な輸入相手国は、ベトナム、タイ、インド。

インドネシア農業省は2007年に自給達成と発表(農業発展報告

2010‐2014)。

なお、2011年の大量輸入は備蓄量を維持(150万トン)し、不作に

よる価格上昇を防ぐために行われた。

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸入量 その他 輸入量 パキスタン 輸入量 タイ 輸入量 インド 輸入量 ベトナム 生産量 (右軸)

1000ton

1000ton

近年のコメ生産量と輸入量

資料:FAOSTAT,Global Trade Atlas.

(7)

コメ生産と人口増加

2000年から2010年にかけて、コメ生産は年率2.5%で増加、

人口は1.4%で増加した。今後、人口増加率は減少してゆく

ので、インドネシアにおける国民1人当たりのコメ供給可能

量はますます余裕がでてくる。コメ政策に大きな変更が無い

限り、輸入は減少していく傾向にあると思われる。

7

コメ生産と人口増加

生産量

人口

1人当たり

供給可能量

1人当たり

消費量

1000ton

1000人

kg

kg

2000

51,898

208,939

162.9

129.5

2010

66,469

240,676

176.8

131.8

変化年率(%)

2.51

1.42

0.82

0.18

資料:FAOSTAT, World Bank.

(8)

2 インドネシアのコメ生産の

長期動向

(9)

インドネシアのコメ生産量の推移

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 生産量 1000ton

1000ton

第?図 インドネシアのコメ生産量の推移

1967年

13,322千トン

1989年

44,726千トン

2001年

50,461千トン

高度成長期 不足期 停滞期 再成長期

2013年

71,280千トン

9

(10)

コメ生産高度成長期(1967~1989)に

おける生産、収穫面積、単収の変化

21年間で、生産は約200%(年率5.7%)増加、単収は

134%(年率4.1%)増加、収穫面積は35%(年率1.6%)

増加した。「緑の革命」による高収量品種の普及が大き

な役割を果たした。スハルト大統領は1984年に「コメ自

給達成宣言」をした。

100 150 200 250 300 350 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 Production Area harvested Yield

10

(11)

コメ生産停滞期(1989~2001)におけ

る、生産、収穫面積、単収の変化

1989年から2001年の12年間で、コメ生産は13%(年率1.0%)増

加、収穫面積は9%(年率0.7%)増加、単収は3%(年率0.3%)し

か増加しなかった。しかも、生産、面積ともに年次変動が激しい。

干魃等の災害の影響が大きいとされる。

85 90 95 100 105 110 115 120 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 Production Area harvested Yield

(12)

コメ生産再成長期(2001~2013)にお

ける生産、面積、単収の変化

12年間で、生産は41%(年率2.9%),

収穫面積は20%(年率1.6%)、単収は17%増加した(年率1.4%)。

90 100 110 120 130 140 150 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 Production Area harvested Yield

12

(13)

3 近年(コメ生産停滞期、再成長

期)のジャワと外島における生産

動向変化の要因比較

(14)

ジャワと外島のコメ生産量

14

15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 ジャワ 外島

1000ton

第 図 ジャワと外島のコメ生産量

資料: BPS.

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 コメ生産 (ジャワ-外島)

1000ton

コメ生産量(ジャワ-外島)

ジャワでは1990年から

2003年にかけて、生産

の増加はみられない。

しかし、2003年以降は

増加傾向。

外島では確実に増加

している。

かつ、2006年から増加

のテンポが増大してい

る。

ジャワと外島のコメ

生産量の差は縮小

している。

(15)

ジャワと外島のコメ収穫面積

15

5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 ジャワ 外島

1000ha

第 図 ジャワと外島のコメ収穫面積

資料:BPS.

‐400 ‐200 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 コメ収穫面積 (外島-ジャワ)

第 図

コメ収穫面積(外島-ジャワ

1000ha

ジャワでは1990年と

2003年の間では面積

の増加はなかったが、

2003年以降は増加傾

向が継続。

外島は一貫して増加。

外島とジャワの収穫

面積の差は拡大傾

向にある。

(16)

ジャワと外島のコメ単収

16

3.5 4 4.5 5 5.5 6 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 ジャワ 外島

ton/ ha

ジャワと外島のコメ単収

資料:BPS.

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 単収差(ジャワ-外島)

ton/ ha

第 図

コメの単収差(ジャワ-外島)

ジャワの単収は、1990~2001年

は殆ど増加していない。その後は

増加。

外島の単収は一貫して増加。た

だし1995~2000年は停滞気味。

ジャワと外島のコメの単

収差は、縮小していない。

(17)

ジャワと外島の生産増加への貢献

• 停滞期には外島が主に面積増で貢献

• 再成長期にはジャワ・外島が面積・単収ともに貢献

• 再成長期は、停滞期と比べ、単収の貢献が大きい

17

ジャワと外島の生産増加への貢献 単位:% インドネシアの インドネシアの インドネシアの ジャワの 外島の ジャワの ジャワの 外島の 外島の 生産増加 面積増加 単収増加 生産増加 生産増加 面積増加 単収増加 面積増加 単収増加 停滞期 12.82 9.20 3.32 2.54 10.28 2.78 -0.24 5.92 4.36 1989~2001年 再成長期 41.26 20.31 17.41 18.52 22.74 8.07 10.45 13.31 9.43 2001~2013年 注.交差効果の影響で、部分和は必ずしも全体和と一致しない。 増加年率 単位:% インドネシアの インドネシアの インドネシアの ジャワの 外島の ジャワの ジャワの 外島の 外島の 生産増加 面積増加 単収増加 生産増加 生産増加 面積増加 単収増加 面積増加 単収増加 停滞期 1.01 0.74 0.27 0.34 1.94 0.38 -0.03 1.11 0.83 1989~2001年 再成長期 2.92 1.55 1.35 2.42 3.52 1.06 1.35 2.02 1.47 2001~2013年

(18)

4 インドネシアの農業政策の展

開-2000年以降を中心として

(19)

インドネシアの農業政策の展開

2000年以降を中心として

19

1966半ば-1980年代

1980年代半ば-1996年

1997-1999年

2000年以降

政策の主な焦点

生産拡大

構造調整

構造改革

再活性化

政策採用の主原因

・社会不安の低減の必要性

・石油価格の低下

・アジア金融危機

・1990年代における農業生産の停滞

・石油価格の上昇

・輸出の低迷

・エルニーニョによる干魃

・農業生産者のロビーの強化

・緑の革命

・貿易協定

URAA, AFTA, APEC

主要な国内農業政策の ・肥料、殺虫剤等の投入財を

・投入財への補助金の低減 ・肥料補助金の撤廃

・肥料補助金の復活

展開

補助金付きで安く提供

・政府による規制的介入には ・BULOGの市場独占

・農業普及、R&D、灌漑等への

・BULOGの成立とその

ほとんど変化なし

機能の撤廃

支出の拡大

市場における機能の拡大

・貧困者へのコメ供給

・インフラ支出の拡大

(RASKIN)

主な農産物貿易政策の ・関税率の引き上げ

・関税サーチャージの撤廃

・コメ貿易におけるBULOGの

・コメと砂糖の関税引き上げ

展開

・輸出入の数量規制

・一般関税低下プログラム

独占機能が無くなる

・コメ、砂糖、牛肉の輸入数量規制

・CPO(パーム原油)とその

・CPOとその派生生産物への ・砂糖に対して、関税の代わりに ・非関税措置の強化

派生生産物への輸出関税

輸出関税撤廃と再度の導入 輸入許可制度を導入

・CPOとその派生生産物、

・酪農品と大豆ミールの原産地 及びココアへの様々な輸出税の導入

調達比率を撤廃

・CPOとその派生生産物への

輸出禁止措置の廃止

コメ生産による時期区分

高度成長期

      停滞期 

再成長期

資料:OECD(2012) "Review of Agricultural Policies Indonesia".

(20)

2000年以降の主な農業保護政策

• 肥料補助金:アジア通貨危機後の

IMFの構造改革で

廃止されていたが、2003年に復活、以後大幅に拡充

• 種子補助金:大幅に拡充

• 研究開発:コメの新品種開発

2001~2005年 54品

種、2005~2009年 196品種

• 農業信用政策:農民の借りる資金への金利補助や信

用保証

• コメ輸入:

1998年の輸入自由化から2004年以降の国

営企業BULOGのみが輸入を行えるようになる。また、

2004年1月から2007年まで、国内農業保護のために

輸入が禁止された。

20

(21)

肥料補助金

インドネシアの肥料補助金はIMFの緊縮財政政策により、 2000~

2002年はゼロになった。

しかし、2003年以降、急増し2010年には18兆ルピアに達している。

21

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 肥料補助金

10億ルピア

インドネシアの肥料補助金

資料:OECD(2012)

(22)

肥料使用の増加

肥料使用量とコメ生産量には相関関係がみられる。

回帰分析の結果を以下に示す。

Y=15,243 + 11.3F

(19.04)  (33.8)

括弧内はt値

決定係数

R

2

=0.959

YとFはそれぞれ生産量と肥料使用量である。

22

10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 肥料使用量(左軸) コメ生産量(右軸)

1000ton

1000ton

第 図

肥料使用量とコメ生産量の関係

資料:USDA,BPS.

(23)

種苗政策

23

コメ、トウモロコシ、大豆の種子プログラムへの支払い額

単位:10億ルピア

2005

2006

2007

2008

2009

2010

価格支持

80

99

71

110

121

94

国家種子備蓄(CBN)

38

86

177

372

261

優良種子への直接援助(BLBU)

223

598

1,035

1,643

合計

80

137

380

885

1,528

1,997

資料:OECD(2012)

0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0 2005 2008 2010 無認証種子 市場での認証種子購入 補助金による認証種子供与 BLBUによる認証種子供与 CBNによる認証種子供与

コメの認証種子の供与

資料:OECD(2012)

1000ton

(24)

新品種の普及

IR64からチヘランへ

IR64は2000年には全インドネシアの40%以上の面積比率を占めて

いた。2000年にチヘラン(ciherang)がリリースされると、その採用が

すすみ、IR64の栽培面積比率は低下し、チヘランは上昇していっ

た。

 コメの栽培面積比率の変化

 単位:%

2005年

2010年

IR64

31.4 Ciherang

41.0

Ciherang

21.8 IR 64

16.2

Ciliwung

8.0 Cigeulis

9.2

Wayapoburu

3.3 Menkongga

7.7

IR24

2.4 Cibogo

3.0

Widas

1.8 Ciliwung

2.7

Memberamo

1.6 Itubagendit

1.4

Cisadane

1.6 Membrano

1.3

IR66

1.1 合計

82.4

Cisokan

1.1

Cibogo

1.0

合計

75.1

資料:吉田 智彦, Anas, Rosniawaty Santi,

    Setiamihardja Ridwan (2009).

    Iman Rusmana (2013) "Sustainable Agricultural Production in Indonesia".

    Production in Indonesia".

(25)

新品種の普及 inpari13

インパリ13(2009年リ

リース)の特徴

干魃に強い

バイオタイプ1,2,3

のウンカに対して抵抗

性を持つ

食味はチヘラン、IR64

とあまり変わらない。

高い収量

25

インパリ13、IR64、チヘランの特徴

Inpari 13

IR64

Ciherang

コメの形

細長い

細長い

細長い

植物の形

直立

直立

直立

米の質感

ふわふわ

ふわふわ

ふわふわ

アミロース含有量 22.40%

23%

23%

平均収量

6.59ton/ ha

5.0ton/ ha

6.0ton/ ha

潜在収量

8.0ton/ ha

6.0ton/ ha

8.5ton/ ha

収穫までの日数 103日

110〜120日間

116から125日間

ウンカへの抵抗性

ウンカの害虫抵抗性

バイオタイプ1,2、および3

ウンカの害虫抵抗性

バイオタイプ1と2

ウンカの害虫抵抗性

バイオタイプ2

リリース年

2009

1986

2000

資料:GERBANG PERTANIAN  November 21, 2011

(26)

農民への資金供与

26

農業クレジットプログラム(2010)

KKP-E KUR PUAP

クレジット名 食料安全保障及び エネルギークレジット ビジネスクレジット アグリビジネス発展 プログラム 開始年 2008 2008 2008 種類 金利補助 ローンの保証 付与 内容 運転資金や投資のた めに、農民へ直接 ローンを提供 運転資金や投資資金 を銀行で借りるのが困 難な人のために保証を 行う 村の農民グループ (Gapoktan)に対して 資金を提供することで、 村内で農民への信用供 与を行う 目的 農業生産活動支援 一次産業の発展加速、 小規模ビジネスの強 化、金融システムへの アクセスを高める、貧 困者の削減と雇用機 会創出 農村における貧困者や 失業者の削減 生産性の向上、アグリビ ジネスの活性化 対象作物 食糧作物、園芸作 物、動物飼育 全ての農作物 全ての農作物 借り手の金利 砂糖きび農家は7%、 その他は6% 市場金利 14~22%まで 付与なので、 返金義務無し 銀行の受け取る金利 12~13% 市場金利 14~22%まで 対象のGapoktanが決定 金利補助/保証の程度 5~7% ローンの70%まで 保証 借り入れ限度額 ヘクタール当たり 5,000万ルピアで 4ヘクタールまで 5000万ルピア 対象のGapoktanが決定 期限 運転資金はビジネス サイクルによる 投資資金は5年以下 運転資金は3年 投資資金は5年 対象のGapoktanが決定 資料:OECD

(27)

2000年代の農業保護強化の背景

1990年代にIMF指導による緊縮財政政策の下で

行われた補助金カット等農業関連支出削減への

反発。

• スハルト政権退陣後、2000年代初期にかけて

民主化が進み、農民の政治的影響力が増大。

• これらの結果、農民寄りの政策(=農業保護の

強化)がとられるようになった。

資料:OECD(2012)

27

(28)

農業政策の大綱

国家レベルの開発計画は,20年計画である国家長期開発計画、5ヵ年計

画である国家中期開発計画及び年次計画により構成。

長期、中期の開発計画は,国家開発企画庁(BAPPENAS)の所管。

長期開発計画は,20年間にわたるビジョン,使命,政策の方向性を示す。

中期開発計画は, 5年間の国家開発戦略,マクロ経済フレーム及び優先

的取組施策を示す。

現行の「国家中期開発計画(2010‐2014)」は「国家中期開発計画(2005‐

2009)」に続く第2次の中期計画。

「国家中期開発計画(2010‐2014)」における11項目の優先事項のうち,

第5の「食料安全保障」が農業政策に関連。

食料安全保障は,食料自給の向上,農産物の競争力向上,農家の所得

の向上,環境と天然資源の保全,等の農業の活性化に関連。

インドネシア農業省は「国家中期開発計画2010‐2014」を受けて,農業開発

5ヵ年計画である「農業開発計画(2010‐2014)」を立案。

年率3%のコメ増産が国家目標。(国家開発計画、農業開発計画で規定)

28

(29)

農業開発計画(2010‐2014)における

農業省の目標

農業省の目標は以下の4つである。

食料自給の達成と維持。

食料消費の多様化。

付加価値の向上、競争力の強化、輸出の

増加。

農民福祉の向上。

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(30)

農業省の戦略

農業省は上記の目標を達成するために,7つ

の農業再活性化政策をかかげている。

• ① 土地の再活性化

→転用の防止、灌漑修復等

• ② 育種の再活性化

→新品種の開発

• ③ インフラの再活性化

→農道の整備等

• ④ 人的資源の再活性化

→普及活動支援

• ⑤ 農民への融資の再活性化

→農民への融資

• ⑥ 農民組織の再活性化

• ⑦ 技術と下流産業の再活性化

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(31)

まとめ

• 2000年代に入り、インドネシアはコメの大幅な

増産に成功。

2000年代のコメ増産に特徴的なのは、作付面積

の拡大に加えて、ジャワ・外島ともに単収上昇が

大きな役割を果たしたこと。

• 単収上昇の背景には、政府がコメ増産を重要な

政策目標とし、品種改良、種子補助金、肥料補

助金等の政策的サポ-トを進めたこと。

• こうした動きが続けば、インドネシアのコメ生産

量は今後も増加、輸入量は減少の傾向で推移

すると思われる。

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参照

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