ASEANシンポジューム
『メガ
FTAとASEANの貿易投資環境』
（
2016年2月5日）
ASEANの開発戦略とAEC2025:
TPPのインパクトと日本の役割
慶應義塾大学経済学研究科委員長
東アジア・アセアン経済研究センター（
ERIA）チーフエコノミスト
木村 福成
1１．
ASEANの開発戦略とAEC
•
ASEAN、前例のないグローバル・ヴァリュー・
チェーン（
GVCs）利用を推進してきた地域。
•
ASEAN経済共同体（AEC）2015の評価、
AEC2025への課題抽出も、GVCsを積極的に
利用する開発戦略の視点から行うべき。
• 日本・日本企業も、
ASEANの経済発展を踏ま
え、関与の仕方を徐々に変えていく必要があ
る。
２．
ASEANの開発戦略
•
GVCsへの関与の仕方による発展段階
– ティア３：
GVCsへの接続
– ティア２：生産ネットワークへの参加
– ティア１
a：産業集積の形成
– ティア１
b：イノヴェーション・ハブの創出
• 各国とも複数のティアを同時に抱えているが、
中心課題となるティアは所得水準別に異なっ
てくる。
• 世界のほとんどの発展途上地域は、このよう
な順序だった発展段階をたどっていない。
3ASEAN・東アジアの開発戦略
Connectivity
基本グレード
ハイ・グレード ターンパイク・グレード
Innovation
プロセス
innov. プロダクト
innov.
工業化以前の伝統 的社会経済 グローバル・ヴァ リュー・チェーンへの 接続（第1のアンバ ンドリング）：資源 ベース・労働集約的 産業 生産ネットワークへ の参加（第2のアン バンドリング）：機械 産業を中心とする工 業化の開始 産業集積の形成：技 術移転・漏出の活性 化 イノヴェーション・ハ ブの創出：都市アメ ニティ、人的資源の 誘引・育成 [カンボジア、ラオス、ミャンマー] [ベトナム、フィリピン、インドネシア] [タイ、マレーシア、シンガポール]出所：
ERIA (2015)。
ASEAN諸国の1人当たりGDP （USドル；名目価格ベース）
2009
2010
2011
2012
2013
2014
シンガポール
38,577
46,570
53,117
54,578
55,980
56,287
ブルネイ
28,454
32,063
42,431
42,445
44,560
41,424
マレーシア
7,216
8,515
9,962
10,346
10,420
10,784
タイ
3,947
4,743
5,116
5,391
5,679
5,436
インドネシア
2,359
2,988
3,498
3,564
3,461
3,901
フィリピン
1,829
2,127
2,339
2,568
2,707
2,816
ベトナム
1,232
1,338
1,543
1,755
1,909
2,055
ラオス
913
1,079
1,262
1,443
1,613
1,730
カンボジア
735
785
882
952
1,018
1,105
ミャンマー
456
686
1,127
1,190
1,209
1,278
出所：ASEAN Secretariat webpage
(http://www.asean.org/component/zoo/item/macroeconomic-indicators).
ティア３：
GVCsへの接続
• 基本グレードの輸送インフラで接続された遠
隔地。メコン地域の山間部やインドネシア、
フィリピンの島嶼部など。
• 典型的産業：農業・食品加工業・バイオエネ
ルギー、水産業、衣料・履物等労働集約的製
造業、観光業など。
ティア２：生産ネットワークへの参加
• ハイグレードの連結性。
• 機械産業など。
• フラグメンテーション理論、
第
2のアンバンドリング
– 生産ブロックのための立地の
優位性の強化
– 離れて置かれる生産ブロック
を結ぶサービス・リンク・コス
トの軽減
The Fragmentation Theory
(Jones, et al. (1990)
The 1
stand 2
ndunbundling
Source: Baldwin (2011).
ティア１
a：産業集積の形成
• 企業間取引
→産業
集積形成
• 地場系企業の生産
ネットワークへの参
加
→技術移転・漏出
→プロセス・イノ
ヴェーション
• 都市圏開発の重要
性
Note: The circle of 100km is added by the author (Original source: Board of Investment, Thailand) Source: ERIA (2010).
Industrial agglomeration in Bangkok Metropolitan Area
City Size with Nighttime Light from Satellite
City Size with Nighttime Light from Satellite (conti.)
Source: ERIA-IDE GSM Team. Appeared in ERIA (2015).
City Size with Nighttime Light from Satellite (conti.)
City Size with Nighttime Light from Satellite (conti.)
Source: ERIA-IDE GSM Team. Appeared in ERIA (2015).
Country Urban Agglomeration 2015 2030 Country Urban Agglomeration 2015 2030 Cambodia Phnom Penh 1,731 2,584 Myanmar Yangon 4,802 6,578 Indonesia Jakarta 10,323 13,812 Mandalay 1,167 1,654 Surabaya 2,853 3,760 Nay Pyi Taw 1,030 1,398 Bandung 2,544 3,433 Bago 518 783 Medan 2,204 2,955 Mawlamyine 487 698 Semarang 1,630 2,188 Monywa 478 748 Makassar 1,489 2,104 Philippines Manila 12,946 16,756 Palembang 1,455 1,888 Davao City 1,630 2,216 Batam 1,391 2,486 Cebu City 951 1,278 Pekan Baru 1,121 1,731 Zamboanga City 936 1,313 Denpasar 1,107 1,870 Cagayan de Oro City 688 958 Bogor 1,076 1,541 General Santos City 616 859 Bandar Lampung 965 1,350 Bacolod 559 753 Padang 903 1,254 Iloilo City 457 611 Samarinda 865 1,291 Lapu-Lapu City 447 681 Malang 856 1,156 Basilan City 424 570 Tasikmalaya 787 1,305 Mandaue City 374 521 Banjarmasin 682 955 Cotabato 351 543 Balikpapan 655 973 Singapore Singapore 5,619 6,578 Jambi 604 874 Thailand Bangkok 9,270 11,528 Pontianak 603 844 Samut Prakan 1,814 3,139 Surakarta 504 668 Udon Thani 526 772 Mataram 457 662 Chon Buri 518 796 Manado 426 579 Nonthaburi 409 526 Ambon 425 679 Lampang 382 576 Yogyakarta 385 503 Nakhon Ratchasima 368 505 Lao PDR Vientiane 997 1,782 Rayong 332 527 Malaysia Kuala Lumpur 6,837 9,423 Viet Nam Ho Chi Minh City 7,298 10,200 Johor Bahru 912 1,249 Ha Noi 3,629 5,498 Ipoh 737 998 Can Tho 1,175 1,902 Kuching 560 755 Hai Phong 1,075 1,569 Kota Kinabalu 478 673 Da Nang 952 1,365 Kuantan 440 617 Bien Hoa 834 1,225 Seremban 422 585 Vungtau 351 512
ティア１
b：イノヴェーション・ハブの創出
• プロセス・イノヴェーションか
らプロダクト・イノヴェーション
へ。
• 本格的な高度人材育成と研
究開発（
R&D）ストックの蓄積
が不可欠。
• 都市アメニティの充実
（
Glaeser, Kokko, and Saiz
(2001) ）。
–
1) サービス、消費財について
多様な消費が可能
–
2) 美的・物理的設定
–
3) 公共政策
–
4) スピード
– シンガポール・モデル？
15３．各ティアで必要となる諸政策
• ティアごとに求められる政策が変わってくる。
• 「国際通商政策」と「開発アジェンダ」に分類。
ティア３：
GVCsへの接続
ティア２：
生産ネットワークへの
参加
ティア１
a：
産業集積の形成
ティア１
b：
イノヴェーション・ハブ
の創出
国際通商政策
一般特恵関税（GSP）の利 用 関税撤廃（特に機械類 等） 貿易円滑化（通関電子 化・迅速化、トラック相互 乗り入れなど） 投資自由化（特に機械類 等） 関税撤廃 非関税措置撤廃（TBTな ど） 貿易・輸送円滑化（シン グル・ウィンドウなど） サービス自由化（特に生 産サポートサービス） 投資自由化（特に製造業 全般、生産サポートサー ビス） 人の移動（特にビジネス マン） 非関税措置撤廃（SPS、基 準認証など） サービス自由化（全般） 投資自由化（全般） 人の移動（高度人材一 般） 知財保護 競争政策 国有企業改革開発アジェンダ
投資促進（輸出加工区な ど） 輸送インフラ整備（中程 度のグレードのもの） 労働集約的製造業振興 中小企業振興（cottage industryなど） 投資促進（one-stop service、経済特区など） 経済インフラサービス（経 済特区向けなど） 輸送インフラ整備（高グ レードのもの、特に中距 離） 中小企業振興（農産品輸 出、観光サービスなど） 投資促進（投資受入庁・ 工業団地サービスの充 実など） 経済インフラサービス（広 域都市圏開発、大規模安 定供給） 輸送インフラ整備（高速・ 大規模グレードのもの、 都市圏輸送網、大型港 湾・空港など） 法制・経済制度整備（取 引費用の軽減） 中小企業振興（サポー ティング・インダストリー への参入） 消費者保護 高度人材育成 R&Dストックの蓄積 都市アメニティの充実 1)多様な消費 サービス、消費財 2)美的・物的設定 文化・芸術、スマート シティ 3)公共政策 教育、治安 4)スピード 都市交通、国際交流 中小企業振興（ヴェン チャービジネス・起業サ ポート）各ティアで求められる政策：経済統合と開発アジェンダ
17４．
AEC2015とAEC2025
•
AEC2015 (ASEAN (2015a, 2015b))
– 第
1の柱「単一市場と生産基地」
• 「単一市場」目標の放棄、「統合された生産基地」を目指す。
• ティア３、ティア２およびティア１
aの一部をカバー。
– 関税撤廃、原産地規則、貿易円滑化
• ティア
1aの一部およびティア１bが課題として残る。
– サービス（特に
B-to-C）、熟練労働者の移動、非関税障壁（SPS、
TBT）、基準認証など
– 第
2、第3の柱「競争力ある経済地域」「公平な経済発
展」
• 開発アジェンダに属するもの。
ASEANらしい政策協力。
– 経済制度整備（競争政策、消費者保護、知財保護）、インフラ開
発、中小企業振興、
IAI
– 第
4の柱「グローバル経済への統合」
•
AEC2025 (ASEAN (2015c))
– プライオリティ・セクターと接続性を１つの柱として独
立させて
5本の柱とする。具体的成果を見えやすい形
に。
– 経済統合
• ティア１
a、ティア１bへとより深く踏み込む。
– 開発アジェンダについて
• スコープを拡大
• イノヴェーション、行政効率・規制施行の向上の強調
• 格差是正についてはさらにアイデアが必要
•
ASEAN社会文化共同体（ASCC）とのリンクも重要（教育、社
会保障、災害対策、環境など）
– 引き続きティア３、ティア２にも対応しつつ、ティア１
a、
ティア１
bの課題への取り組みを強化していくべき。
19ASEAN経済共同体2015
[単一市場と生産基
地
]
・財の自由な移動
・サービスの自由な
移動
・投資の自由な移
動
・資本のより自由な
移動
・熟練労働者の自
由な移動
・優先統合セクター
・食料・農業・林業
[競争力のある経済
地域
]
・競争政策
・消費者保護
・知財保護
・インフラ開発
・税制
・電子商取引
[公平な経済発展]
・中小企業振興
・
ASEAN統合イニシ
アティヴ（
IAI）
[グローバルな経済
統合
]
・対外経済関係に
ついての一貫した
アプローチ
・グローバル・サプ
ライ・チェーンへの
参加促進
出所：
ASEAN (2015b), p. 5.
ASEAN経済共同体（AEC）2015の４つの柱
ASEAN経済共同体ブループリント2025
[高度に統合されまとま りのある経済] ・財貿易 ・サービス貿易 ・投資環境 ・金融統合・金融包括・ 金融安定性 ・熟練労働者・ビジネス マンの移動円滑化 ・グローバル・サプライ・ チェーンへの参加促進 [競争力のあるイノ ヴェーティブでダイナミッ クなASEAN] ・効果的な競争政策 ・消費者保護 ・知財保護協力の強化 ・生産性主導成長、イノ ヴェーション、R&D、技 術商業化 ・税制協力 ・良好なガヴァナンス ・効果的・効率的・一貫 した・応答の良い規制、 良好な規制施行 ・持続可能な経済発展 ・グローバル・メガトレン ドと貿易関連課題 [連結性向上とセクター 協力] ・輸送 ・情報通信技術 ・電子商取引 ・エネルギー ・食料・農業・漁業 ・観光 ・ヘルスケア ・鉱業 ・科学技術 [弾力的・内包的・人間と 向き合い・人間中心の ASEAN] ・極小・小・中企業の役 割強化 ・民間部門の役割強化 ・官民連携（PPP） ・開発格差縮小 ・地域統合努力へのス テークホルダーの貢献 [グローバルなASEAN]出所：
ASEAN (2015c).
ASEAN経済共同体（AEC）2025の5つの柱
21５．
TPP大筋合意：東アジアでの反響
•
TPPへのドミノ効果
– 韓国、台湾
– インドネシア、フィリピン、タイ
– 中国？（
AIIB、一帯一路、ACFTAなど）
• ドラフトテキストの吟味
– 高いレベルの自由化に踏み切れるか。
• 関税、サービス・投資
– 新興国・発展途上国として最後まで抵抗感の残る分野。
• 知財保護、投資家対国の紛争解決（
ISDS）
• 東アジア包括的経済連携協定（
RCEP）交渉の失速
–
2015年8月の経済大臣会合で低いレベルの交渉モダリティを決
定。
–
Marginalizeされないためには、次の３つのシナリオのいずれか
が必要。
• 交渉モダリティを作り直す。
• 枠組み協定として早急に妥結し、
2階を建てる。
• 国際通商政策は
TPPに任せ、経済協力に特化する。
日本
アメリカ
中国
EU
韓国
カナダ
メキシコ
シンガポール
マレーシア
ベトナム
ブルネイ
インドネシア
フィリピン
タイ
チリ
オーストラリア
ニュージーランド
ペルー
カンボジア
ラオス
ミャンマー
インド
香港
台湾
パプアニューギニア
ロシア
RCEP (ASEAN+6) APEC (FTAAP) 日EU FTA TTIP 日中韓FTA ASEAN (AEC) NAFTA TPP東アジア、アジア・太平洋地域におけるメガ
FTAs構想
23Tariffs – Based on Final Preferential Tariff Rates
Elimination coverage by country under the ASEAN+ FTAs (
HS 6-digit Base)
Source: ERIA FTA Stocktaking Study Team
Note: Data on Myanmar under the ASEAN-China FTA is missing for HS01-HS08.
ASEAN-Korea ASEAN-China ASEAN-ANZ ASEAN-India ASEAN-Japan Average (ExcludingAIFTA) SGP 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% BRN 99.2% 98.3% 99.2% 85.3% 97.7% 95.9% 98.6% MLS 95.5% 93.4% 97.4% 79.8% 94.1% 92.0% 95.1% THA 95.6% 93.5% 98.9% 78.1% 96.8% 92.6% 96.2% IDN 91.2% 92.3% 93.7% 48.7% 91.2% 83.4% 92.1% PHI 99.0% 93.0% 95.1% 80.9% 97.4% 93.1% 96.1% VTN 89.4% na 94.8% 79.5% 94.4% 89.5% 92.8% CAM 97.1% 89.9% 89.1% 88.4% 85.7% 90.0% 90.4% LAO 90.0% 97.6% 91.9% 80.1% 86.9% 89.3% 91.6% MYA 92.2% 94.5% 88.1% 76.6% 85.2% 87.3% 90.0% KOR 90.5% CHN 94.1% AUS 100.0% NZ 100.0% IND 78.8% JPN 91.9% Average 94.5% 94.7% 95.7% 79.6% 92.8%
６．東アジアの経済改革への影響
• 高いレベルの自由化
– モノ、サービス、投資
• 政府調達
– 無差別原則の
WTO政府調達協定未調印国への拡大。
– 官民癒着体質からの脱却に寄与する可能性あり。
– ただし、多くの例外が設けられている。
• 国有企業および指定独占企業
– 民間企業との競争に関する大原則が、物品取引のみならず
サービスや投資についても書き込まれたことは重要。
•
WTO協定、既存FTAs、投資協定、OECDガイドラインでカバーできな
かったもの。
– 国有企業等の改革に一定の基準を提供するもの。
– ただし、国別留保のみならず、本文にも多くの適用除外が書き
込まれ、当面の実効性には疑問が残る。
• 行政の効率性向上、規制改革の加速
– 多くの分野への波及が期待される。
25７．東アジアの開発モデルへの影響
• 先進国への道：生産ネットワーク・産業集積
からイノヴェーション・ハブ創出へ
• 多様なサービス・財の消費、
B-to-Cの重要性
– 非関税障壁撤廃、貿易円滑化（
SPS、TBTなど）
– サービス自由化
(差別的・非差別的)
– 電子商取引
• 環境・労働への関心
８．結論
•
ASEAN経済経済共同体2015/2025、GVCsを積極的に
利用する開発モデルに照らして評価すべき。
– 日本の関与も、従来からのティア２、ティア１
aに加え、ティ
ア１
bへと拡大していかねばならない。そこに日本の強み
もある。
•
RCEP、日中韓FTA、日EU FTAその他の協定交渉等に
鑑み、
TPPの早期署名・発効が望まれる。
– 米議会の動向が鍵。
–
TPPは、東アジア諸国の経済改革を加速し、先進国への
道を開く意味でも重要。
– 日本、東アジアの新規加盟希望国を支援すべき。中国国
内の改革派も後押ししたい。
• 引き続き
ASEANの経済統合をサポートし、またRCEPの
意義を訴えていくべき。
27参考文献
• Ando, M. and F. Kimura (2010), ‘The Spatial Pattern of Production and Distribution Networks in East Asia’, in P. Athukorala (ed.), The Rise of Asia: Trade and Investment in Global Perspective, London and New York: Routledge, pp.61–88.
• Association of Southeast Asia Nations (ASEAN). (2015a) ASEAN Integration Report 2015. Jakarta: The ASEAN Secretariat (
http://www.asean.org/storage/images/2015/November/media-summary-ABIS/ASEAN%20Integration%20Report%202015.pdf).
• Association of Southeast Asia Nations (ASEAN). (2015b) A Blueprint for Growth – ASEAN Economic Community
2015: Progress and Key Achievements. Jakarta: The ASEAN Secretariat
(
http://www.asean.org/storage/images/2015/November/aec-page/AEC-2015-Progress-and-Key-Achievements.pdf).
• Association of Southeast Asia Nations (ASEAN). (2015c) ASEAN Economic Community Blueprint 2025. Jakarta: The ASEAN Secretariat (
http://www.asean.org/storage/images/2015/November/aec-page/AEC-Blueprint-2025-FINAL.pdf).
• Baldwin, Richard. (2011) “21st Century Regionalism: Filling the Gap between 21st Century Trade and 20th Century Trade Rules.” Centre for Economic Policy Research Policy Insight No. 56 (May) (http://www.cepr.org).
• Economic Research Institute for ASEAN and East Asia (ERIA). (2010) Comprehensive Asia Development Plan. Jakarta: ERIA.
• Economic Research Institute for ASEAN and East Asia (ERIA) (2015) The Comprehensive Asia Development Plan 2.0
(CADP 2.0): Infrastructure for Connectivity and Innovation. Jakarta: ERIA.
• Fukunaga, Yoshifumi and Kuno, Arata. (2012) “Toward a Consolidated Preferential Tariff Structure in East Asia: Going beyond ASEAN+1 FTAs” (http://www.eria.org/ERIA-PB-2012-03.pdf).
• Ishido, Hikari and Fukunaga, Yoshifumi. (2012) “Liberalization of Trade in Services: Toward a Harmonized ASEAN++ FTA” (http://www.eria.org/ERIA-PB-2012-02.pdf).
• Jones, Ronald W. and Kierzkowski, Henryk. (1990) “The Role of Services in Production and International Trade: A Theoretical Framework.” In Ronald W. Jones and Anne O. Krueger, eds., The Political Economy of International
Trade: Essays in Honor of Robert E. Baldwin, Oxford: Basil Blackwell: 31-48.
