電子情報通信学会論文誌 B Vol. J96‑B No. 12 pp. 1307‑1308 © 一般社団法人電子情報通信学会 2013 1307
特集
知的環境を実現するセンサネットワークの基盤と応用技術論文特集の発行 にあたって
知的環境を実現するセンサネットワークの基盤と応用技術論文特集編集委員会 委員長
大 槻 知 明
実空間に存在する人やモノ,あるいは実空間それ自 体の状態をセンシングする機器同士をネットワーク化 するセンサネットワークは,研究ターゲットも初期の 基礎技術から応用技術に向かいつつあり,その実現環 境も,センサ機能を搭載したタブレット端末やスマー トフォンの普及,IEEE802.15.4g/eによる省電力無線 の標準化により整いつつある.一方,センサネットワ ークの応用として,センサネットワークにより得られ たデータを処理・解析して,人の活動を拡張・強化あ るいは補完・補助する知的環境が,スマートグリッド やスマートシティなどの実現に向けて注目を集め始め ている.また,近年,農林水産業などの第一次産業分 野での高密度センシング・知的モニタリングや,構造 物モニタリング・交通支援・エネルギー削減支援,健 康支援など様々な分野で,センサネットワークの実用 化が見え始めた.
このような状況を背景として,本特集では,知的環 境を実現するセンサネットワーク基盤技術と応用技術 に焦点を当てた.センサネットワークの特徴・利点を 生かして,知的環境を構築する際の技術課題,及びそ の課題を解決するためのアイデアや,実際の応用例及 びそのキー技術などに関する論文を募集し,その成 果・最新技術を広く共有することで,今後のセンサネ ットワークの発展ならびに社会活用への促進に寄与す ることを目的とした.厳正な査読の結果,招待論文2 編を含む計7編の論文が採択された.招待論文「ウェ ブからの実世界の観測と予測」は,ブログ,twitter, Facebook などのソーシャルメディアから実世界の情 報を取得する「ソーシャルセンサ」により,社会にお ける様々な現象の観測や予測方法を紹介している.そ
して,選挙結果の予測と,市場の予測という2つの事 例研究を紹介している.近年注目されているソーシャ ルセンサの概念と応用例・可能性を理解することがで きるだろう.招待論文「床発電から温度差発電」は,
床発電から温度差発電,マグマ熱発電まで,著者等が これまで取り組んできたエネルギーハーベスティン グ・パワーハーベスティングを紹介している.センサ ネットワークの基盤技術としてだけでなく,新産業創 出への貢献も期待できる.一般論文に関しても,同期 タイミング制御方式や測距からMACプロトコル,シ ート状通信媒体を用いた二次元通信システムなど大変 興味深い論文が集まった.本特集がセンサネットワー クの発展ならびに社会活用への促進に寄与できるもの と信じる.
最後に,本特集の企画から発行にあたって,最新の 成果を反映した原稿をご投稿頂いた方々,ご多忙の中 で論文査読にご協力くださった査読委員の方々,企画 と編集に御尽力頂いた編集委員と幹事各位,並びに発 行に御支援頂いた事務局の方々に深く御礼を申し上げ る.
大
おお
槻
つき
知
とも
明
あき
(正員:シニア会員) 1990慶大・理工卒.1994慶 大大学院理工学研究科博士課程了.博士(工学).1995東京理科 大・理工・助手,同大学講師,助教授.慶大・理工・准教授を 経て,2008から同大学・理工・教授.この間,光通信,無線通信,
センサの研究開発に従事.井上研究奨励賞,安藤博記念学術奨 励賞,エリクソン・ヤングサイエンティスト・アワード,IEEE the 1st Asia-Pacific Young Researcher Award,船井学術奨励 賞,第5回国際コミュニケーション基金優秀研究賞,2011 IEEE SPCE Outstanding Services Award,電気通信普及財団賞(テ レコム技術賞),2013ETRI Journal s 2012 Best Reviewer Award 等各受賞.
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電子情報通信学会論文誌 2013/12 Vol. J96
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B No. 121308
知的環境を実現するセンサネットワークの基盤と応用技術論文特集編集委員会 委 員 長 大 槻 知 明
幹 事 塩 川 茂 樹 ・ 内 田 大 誠
委 員 岡 田 啓 ・ 若 宮 直 紀 ・ 張 兵 ・ 松 井 進 森 野 博 章 ・ 山 本 尚 生 ・ 梅 比 良正弘 ・ 内 藤 克 浩 五十嵐 悠 一 ・ 今 田 美 幸
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