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Studies on the dynamics of saltationln cirifting snow

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 小 杉 健 二

学 位 論 文 題 名

Studies on the dynamics of saltationln cirifting snow

(吹雪における粒子跳躍動力学の研究)

学位論文内容の要旨

吹 雪 に お け る 雪 粒 子 の 運 動 形 態 は 、  こ ろ が り (creep) 、  跳躍 (sal to tion) お よび 浮 遊 (suspension) の 三 種 類 に 分 け ら れ る が 、  こ れ ら の う ち 、 跳 躍 は 、  吹 雪 過 程 で 輸 送 さ れ る 雪 の 総 量 の80% 以 上 を 占 め る こ と も あ る た め 、  も っ と も 重 要 な 運 動 と 考 え ら れ て い る 。 ― 方 、  跳 躍 運 動 は 、 吹 雪 過 程 の 中 で こ ろ が り と 浮 遊 に 連 続 的 に っ な が っ て お り 、  ま た 運 動 力 学 的 に は そ れ ら と 本 質 的 に 区 別 す る こ と は 出 来 な い 。  こ の 意 味 に お い て も 、 跳 躍 は 極 め て 重 要 な 運 動 過 程 と い え る 。  し か し な が ら こ れ ま で 、 粒 子 跳 躍 運 動 の 物 理 過 程 に 関 す る 詳 し い 研 究 は ほ と ん ど 行 わ れ な か っ た 。  こ の 理 由 は 、 粒 子 跳 躍 運 動 の 研 究 の 困 難 さ に あ っ た 。 す な わ ち 、 粒 子 跳 躍 運 動 の 本 質 は 、 多 数 の 粒 子 か ら なる 雪表 面に粒 子が 衝突 し、 微視的傾斜面の非鏡面衝突・反発と同時に、他の粒子を 聽び立たせるという、  統計的あるいは確率的過程にあると考えられ、  この過程を系統 的に明らかにするのが困難であったためである。  本研究は、  これまでほとんど研究の 行われなかった、  この統計的粒子衝突過程(以後スプラッシュ(spユash)過程と呼ぷ)

を詳細に調べ、  その特性を記述する関数を見出すことにある。

  研 究は 大きく 三つ の部 分に 分けられる。第ーの部分では、氷粒子の充填面に氷粒子 を種々の速度、  角度で衝突させ、  そのスプラッシュ過程を詳細に謂べる実験を実施し、

スプラッシュ過程を記述する関数(以後これをスプラッシュ関数と呼ふ)を得る。  第 二の部分では、  スプラッシュ実験に用いたと同じ氷粒子による吹雪の風洞実験を行い、

粒子跳躍の発生の確認と粒子濃度の鉛直分布の測定を行う。第三の部分では、.得られ たスプラッシュ関数を用いて粒子跳躍の数値シミュレーションを行い、  粒子濃度の分 布を記述する関数形について、実験と計算の結果を比較する。

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スプラッシュ実験に用いた氷粒子は、  純水を液体窒素の中に滴下する事によって作 成された。  氷粒子の大きさは、  直径2. 78土0. 08  mmにふるいで調整された。  約7000 個の 氷 粒 子を 直 径9 cm、 高 さ1.8cmの 円 形容 器 に 詰め 、 表面 を 平滑 に仕上げ るこ とによって、  スプラッシュ実験用の再現性のよい衝突面を作成した。  スプラッシュ実 験はその 面に同じ 直径の氷粒子を種々の速度、角度で衝突させることによって行われ た 。 衝 突 速 度 は3.5、5、7.5、10m/sの4点 、 衝 突角 度 は10、20、30度 の3点 、温 度 は ― 18℃ で あ る 。   た だ し 、 角 度 は 水 平 面 か ら の 値 で あ る 。   氷粒子 と氷粒子 充填面の様子はビデオ撮影(毎秒60駒)され解析された。照明光に は400 Hzのス トロボ光 を用いた ため、  ビ デオの1駒 には氷粒子 の約7位置 が撮影さ れ、粒 子の各瞬 間の軌跡と速度が求められた。衝突速度と反発速度はこれらの点から

衝 突 瞬 間 の 値 を 外 挿 し て 求 め た 。

実験結果の概略は次のようになる。  どの衝突速度においても、入射角度と反射角度 の間に は明瞭な 鏡面関係 はなく、衝突面の凹凸による無秩序な様相を示す。一方、反 射 速 度と衝突 速度の比 、すなわち 反発係数 の値は、 やはり大 きな分布 を示すが 、平均 的 には衝突角度の増加とともに減少する。  値の最大値は約0.9という大きな値を示し、

氷 の 物性値と しての直 衝突に対応 している 。入射角 度に対す る反発係 数の平均 的滅少 は 、 衝 突面 を 構成 す る 氷粒 子 群と の 相 互作 用 に よる エ ネル ギ 一損失 の増加に よる。

    上述した氷粒子の衝突過程を記述するスプラッシュ関数として、S,、Sh、S.の三つ が 提案され た。S,とSbは、  それ ぞれ粒子の 鉛直運動 成分と水平運動成分に関するス プ ラッシュ関数、S.は他の粒子をはじき飛ばす過程に関するスプラッシュ関数である。

本 研究では 、  吹雪の 発達にも っとも寄与の大きいと考えられる鉛直運動に関するスプ ラッシュ関数Svを求めことを目的とした。

  Svを求 める解析 では、氷 粒子の鉛直 運動を記 述する物 理量とし て、反射 連度の鉛 直 成 分 と入射速 度の鉛直 成分の比で 定義され る、鉛直 反発係数 (ey)が用 いられた 。粒 子 跳躍の発 達では、e,冫1の出 現確率がもっとも重要な要素である。  各衝突速度にお い て 、鉛直反 発係数を 入射角度の 関数とし て求める と、上述 した反発 係数の場 合と同 じ よ うな、微 視的衝突 面の凹凸に 起因する 確率的分 布と、入 射角度に 対する平 均的減 少 を示す。  各人射角 度におけ るeyの出現ヒストグラムが、  求めるスプラッシュ関数 に 盛り込む べき情報 である。 一方、各入射角度において・鉛直反発係数の衝突速度依存

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を調 べてみる と、有 意な関係 はほと んど見出 されな かった。  これは 、  速度が 増加す る と、 そ れ に線 形 に 依存 す る よう な 衝 突過 程 が 進 行し 、 実 験が 行 わ れた 速 度範 囲では 、 速 度 増加 に よ って 新 し い型 の 衝 突現 象 が 発 生し て い ない こと を意味す る。

以 上 の 解 析 の 結 果 、 鉛 直 反 発 係 数e, の 出 現 確 率 を 示 す ス プラ ッ シ ュ関 数 と して 次

の 式 が 得 ら れ た 。

    S, (eヤ ) : 〔1ノ ロra) ] (e, ノ ロ ) ば‑lexp( ーe, ノ ロ )

ここで 、  r(a)はガンマ関数、  aとロは、  分布の形を決める定数で、

a  =  0. 056 0 i  +  3. 8

    8  〓 4. 9ロ i− I  | である 。  piは入 射角度である。

粒子 跳 躍 の風 洞 実 験は 、  ス プ ラシュ 実験と 同じ氷粒 子を用 いて同じ 温度ー18℃で行わ れ た 。  用 い た 風 洞 は ゲ ン ッ チ ン ゲ ン 式 の 回 流 型 で 、  実 効 長8m、 断 面 積50cmx50 cmで あ る 。  風 洞 の 底 面 に 長 さ250 cm、 厚 さ2.5cmに わ た っ て 氷 粒 子 を 敷 き 詰 め 、 風 上 に 少 量 の 種 粒 子 を 供 給 す るこ と に よっ て 粒 子跳 躍 実 験 を行 っ た 。粒 子 跳 躍の 様 子

は ビデ オ 撮 影 され 、  中 ゛ 心 風速7m/sの 時 の粒 子 濃 度の 解 析が行わ れた。粒 子濃度 の鉛 直 分布 は 指 数 関数 で 表 され た 。

  各 時 刻 に お け る 粒 子跳 躍 の 様子 は 、  1個 の 氷球 に 作 用す る 空 気抵 抗 と 重カ の 効 果を 計 算す る こ と によ っ て 求ま る 。 粒子 跳 躍 のシ ミ ュ レー シ ョ ンは 、  中立 状 態で卓越 する 対 数分 布 の 風 の中 で の 氷球 の 運 動と し て 計算 さ れ た。  この と き 雪 面と の 衝突現象 は、

粒 子 が 雪 面 に 達 し た と き ス プ ラ ッ シ ュ 関 数 を ア ト ・ラ ン ダ ムに 発 生 させ る こ とに よ っ て シ ミ ュ レ ー ト さ れ た 。 得 ら れ た 粒 子 軌 跡 か ら は 、平 均 的 な粒 子 濃 度の 鉛 直 分布 が 求 め られ た 。  こ の よ うにして 見積も られた粒 子濃度の 鉛直分 布におい ても、  濃度と高 さ の 間に は 明 瞭 な指 数 関 係が 現 れ た。 上 述 の風 洞 実 験の 結 果 と照 ら し 合 わし 、  これ は粒 子 跳躍 に よ る 寄与 と 考 える こ と が出 来 る 。

    結 論 とし て 、 本研 究 は 、氷 粒 子 が同 じ 氷 粒子 か ら なる 不 規 則 な凹 凸 面に 衝突する と き の複 雑 な 衝 突現 象 、 すな わ ち スプ ラ ッ シュ 過 程 を実 験 的 に明 ら か に し、  その様 子を 記 述す る ス プ ラッ シ ュ関数 の定量的 な表示 を得た。  この結 果は、粒 子跳躍 の数、値 シミ ユ レー シ ョ ン に有 効 に活用 され、  その結果 の正当性 は、  同 じ氷粒子 を用い た風洞実 験 に よっ て 示 さ れた 。

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学論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授 教 授 教 授 助教 授

学 位 論 文 題 名

Studies on the dynamics of saltationln drifting snow

(吹雪における粒子跳躍動力学の研究)

吹 雪 に お け る 雪 粒 子 の 運 動 形 態 の う ち 、 跳 躍 は 雪 の 総 輸 送 量 の80% 以 上 を 占 め る こ と も あ る た め 、  も っ と も 重 要 な 運 動 と 考 え ら れ て い る 。 粒 子 跳 躍 運 動 の 本 質 は 、 多 数 の 粒 子 か ら な る 雪 表 面 に 粒 子 が 衝 突 し 、 微 視 的 傾 斜 面 の 非 鏡 面 衝 突 ・ 反 発 と 同 時 に 、 他 の 粒 子 を 飛 び 立 た せ る と い う 、 統 計 的 確 率 的 過 程 に あ る 。 本 研 究 は 、 こ れ ま で ほ と ん ど 研 究 の 行 わ れ な か っ た 、 こ の 統 計 的 粒 子 衝 突 過 程 を 詳 細 に 調 ベ 、 そ の 特 性 を 記 述 す る 関 数 を 見 出 し た も の で あ る 。

研 究 は 大 き く 三 つ の 部 分 に 分 け ら れ る 。 第 一 の 部 分 で は 、 氷 粒 子 の 充 填 面 に 氷 粒 子 を 種 々 の 速 度 、 角 度 で 衝 突 さ せ 、 そ の 衝 突 過 程 を 詳 細 に 謂 べ る 実 験 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 ど の 衝 突 速 度 に お い て も 、 入 射 角 度 と 反 射 角 度 の 間 に は 明 瞭 な 鏡 面 関 係 は な く 、 衝 突 面 の 凹 凸 に よ る 無 秩 序 な 様 相 を 示 す 。 一 方 、 反 射 速 度 と 衝 突 速 度 の 比 、 す な わ ち 反 発 係 数 の 値 は 、 や は り 大 き な 分 布 を 示 す が 、 平 均 的 に は 衝 突 角 度 の 増 加 と と も に 減 少 す る 。 値 の 最 大 値 は 約 O9と い う 大 き な 値 を 示 し 、 氷 の 物 性 値 と し て の 直 衝 突 に 対 応 す る 。 衝 突 過 程 を 記 述 す る た め に 、 粒 子 の 鉛 直 運 動 成 分 に 関 す る ス プ ぅ ッ シ ュ 関 数 、 水 平 運 動 成 分 に 関 す る ス プ ラ ッ ン ュ 関 数 、  他 の 粒 子 を は じ き 飛 ぱ す 過 程 に 関 す る ス プ フ ッ ン ュ 関 数 が 提 案 さ れ 、 本 研 究 で は 吹 雪 の 発 達 に も っ と も 寄 与 の 大 き い と 考 え ら れ

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一 弘

二 敬

紀 勝

大 信

前 菊

小 石

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る 鉛 直 運 動 に 関 す る ス プ ラ ッ シ ュ関 数S,が 求 め られ た 。S, は 、 氷粒 子 の 鉛直 反 発 係 数 の 出 現 頻 度 分 布 を 表 す 関 数 で あ る 。 各 衝 突 速 度 に お い て 、 鉛 直 反 発 係 数 は 平 均 的 に 入 射 角 度 の 減 少 と と も に 増 加 す る が 、 各 入 射 角 度 に お い て 衝 突 速 度 に は ほ と ん ど 依 存 し な い 。 こ れ は 、 速 度 が 増 加 し て も 、 速 度 増 加 に よ っ て 新 し い 型 の 衝 突 現 象 が 発 生 し な い こ と を 意 味 す る 。 結 局 、 鉛 直 反 発 係 数 の 出 現 確 率 を 表 す ス プ ラ ッ シ ュ 関 数 と し て ガ

ン マ 分 布 が 求め ら れ 、ガ ン マ 分布 関 数 の 速 度 で 表 現 さ れ た 。た だ し 、上 述 し た通 研 究 の 第 二の 部 分 では 、 ス プラ ッ シ ュ

ニ っ の パ ラ メ ー タ ー が 粒 子 の 衝突 角 度 と衝 突 り 速 度 依 存 は 見 い だ さ れ な か っ た 。 実 験 に 用 い た と 同 じ 氷 粒 子 に よる 吹 雪 の風 洞 実 験 を 行 い 、 粒 子 跳 躍 の 発 生 が 確 認 さ れ 、 粒 子 濃 度 の 鉛 直 分 布 が 測 定 さ れ た。 用 い た 風 洞 は ゲ ン ッ チ ン ゲ ン式 の 回 流 型で 、 . 測定 さ れ た粒 子 濃 度の 鉛 直 分布 は 指 数関 数 で 表 さ れ た 。 第 三 の 部 分 で は 、 得 ら れ た ス プ ラ ッ シ ュ 関 数 を 用 い て 粒 子 跳 躍 の 数値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 。 計 算 は 中 立 状 態 の 対 数 分 布 の 風 の 中 で の 氷 球 の 運 動 とし て 行 わ れ 、 雪 面 と の 衝 突 は 粒子 が 雪 面 に゛ 達 し たと き ス プラ ッ シ ュ関 数 を ラン ダ ム に発 生 さ せ る こ と に よ っ て シ ミ ュ レ ー ト さ れ た 。 得 ら れ た 粒 子 軌 跡 か ら 求 め た 平 均 的 な粒 子 濃 度 の 鉛 直分 布 は 指数 関 数 で表 さ れ 、風 洞 実 験の 結 果 と一 致 し た 。

  以 上 の よ う に 、 本 研 究 は 吹 雪 跳 躍 運 動 の 基 本 過 程 で あ る 氷 粒 子 の 複 雑 な衝 突 過 程 を 実 験 的 に 調 べ る こ と に よ り 、 そ の 過 程 を 記 述 す る ス プ ラ ッ シ ュ 関 数 の 定 量 的な 表 示 に 成 功 し た も の で あ る 。 同 時 に 、 そ の 結 果 が 粒 子 跳 躍 の 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ンに 有 効 に 活 用 で き る こ と 、 そ し て そ の 計 算 の 正 当 性 を 同 じ 氷 粒 子 を 用 い た 風 洞 実 験 で示 し た も の で あ る 。 粒 子 跳 躍 の ス プ ラ ッ シ ュ 関 数 の 定 量 的 表 示 は 、 吹 雪 だ け で な く 砂嵐 等 の 一 般 の 粒 子 跳 躍 運 動 研 究 で 最 初 の も の で あ り 、 今 後 こ の 研 究 分 野 の 発 展 に 非 常に 大 き な 寄 与 をす る も のと 予 想 され る 。 審査 員 一 同は 申 請者 が博士( 理学)の 学位を 受けるの に十 分 な 資格 を 持 っも の と 認め る 次 第で あ る 。

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参照

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