博 士 ( 環 境 科 学 )
KHOSROW MOVAHED学 , 位 論 文 題 名
A STUDY ON THE VILLAGE LIVING ENVIRONMENT IN THE CORBAL REGION OF IRAN
( イラ ン・ コル バル 地域 にお ける農村の生活環境に関する研究)
学位論文内容の要旨
本 研 究 の 目 的 は 、 イ ラ ン の コ ル バ ル 地 域 ( 面 積
918.
75 km2人 口 は
l 986年 現 在
44|
819人 ) に お け る 農 村 の 生 活 環 境 を 考 察 す る こ と に あ る 。
本 論 文 は
6章 よ り 構 成 さ れ る 。 第
1章 は この 研 究の 序論 で ある 。 第2 章は 研 究領 域 の一 般 的枠 組 で、 第3 章は 研 究方 法 論と モデ ル の構 造 であ る 。第
4章 は 人口 予 測の 結 果で 、第
5章 は シミ ュ レー ションと実 証的な結果で ある。
第
6章 は 結論 と提 言 であ る 。
第
1章 に お い て は 、 農 村 地 域 開 発 と 地 方開 発 、日 本 とイ ラ ンの 農 村開 発 の 計 画 の 違 い に つ い て 、 様 々 な 参 考 文 献 か ら 検 討 し た 。
第
2章 は 、 ケ ー ス ス タ デ ィ と し て 、 そ の目 的 とイ ラ ン・ コ ルバ ル 地域 の 問 題を 明 らか に した 。
第
3章で
tま 、 関係 する デ ータ と 最新 の 情報 を 得る ため に アン ケ ート 調 査 を 行な っ た。 こ のア ンケ ー トで 得 られ た データの加 工には、Statistical
Analysis Systemプ ロ グラ ム を用 い た。
第
4章 は 、 イ ラ ン の 都 市 部 と 地 方 部 の 人口 の 予測 に シス テ 厶・ ダ イナ ミ ッ クス 手 法( 以 下SD 法と 記 述) を用 い た。
本 研 究 で は 、 イ ラ ン 全 体 と し て は 、
2007年 にお い て、 都 市部 の人 口
5,
913万 人 、 地 方 部 の 人 口 は
21920万 人 に な る も の と 予 測 さ れ た 。 す な わ ち 、
1986年 に
46% 占 め て い た 地 方 部 の 人 口 比 率 が 、
2007年 に は
3 3%へ と 減少 する こ とが 予 測さ れ た。
こ の
SD法 に よ る 人 口 予 測 を コ ル バ ル 地 域 に 適 用 し た 結 果 、
2007年 に
お い て 全 人 口
tま 約
97,
100人 に 増 加 し 、 第 一 ゾ ー ン は
28,
500人 、 第
2ゾ ― ン は
9|
600人 、 第
3ゾ ― ン は 約
591000と な っ た 。 第
3ゾ ー ン
は
Marvdasht市 に 近 い こ と か ら 、 第
1ゾ ー ン や第
2ゾ ーン よ りも 増 加の 比率
が高くなると考えられる。これに対し、第2 ゾーンのコルバル地域全体に占 め る 割 合 は 1986 年 の 22 % か ら 2007 年 に 10 % ま で 減 少 す る と 予 測 される。
第 5 章においては、ア ンケートの回答データを用い、統計的分析を行 なった。まず重回帰モデルで、住民が自分達の村に住むための影響因子を決 定し、次にニューラル・ネットワークを用いて、コルバル地域における社会 的満足度、生活状況に対する満足性のパターンを抽出した。さらにグラビ ティモデルを用いて、住民のサービス施設の設置に対する最適立地点を見出 し、最後にオーバルモデルを用いて、基本的な公共サービス施設の優先順位 をランク付けした。
第 6 章は結諭と提言で ある。本研究の結果、イランのコルバル地域に おける農村生活環境を改善するための主な提案 t ま次のとおりである。1 )こ の地域は、若い世代の比率が高いことから、若い世代に対する施設の供給を 優先すべきである。
2 )家畜と農村機械を持っていることが、この地域の人々の満足度に強 い影響を与えていることから、政府、特に農業省は、この地域の住民の満足 度を高めるために、家畜と農業機械の調達を促すよう貸付金や助成をすべき である。
3) この地域か らの人口の流出t ま、特に第 2 ゾ―ンにおい て著しいこ と、かつ、流出の理由の多くは質の悪いサ―ビス施設と失業であることか ら、新たなサービス施設の建設と新規の雇用を創出することが必要である。
4) この地域の 人口成長率は、特に第1 ゾーンで高いことから、家族計 画の予測を第1 ゾーンで増やすべきである。
5 ) 若 い 世 代 の 人 口 は 、 1986 年 の 201300 人 か ら 、 2007 年 に は 41 | 400 人 へと 増加 が 予測 され ることから、こ の若い世代のために 学 校、スポーツ施設、図書館といったサービス施設を新たに設置すべきであ る。
6) 若 い 世 代 の 人 口 が 1986 年 か ら 2007 年 に か け て 2 倍 以 上 に 増
加するが、失業者も、また、増加するものと予測される。この地域での失業
率 は 1986 年 で 12.5 % で あ り 、 失 業 率 が 一 定 で あ る と 仮 定 す る と 、 20
07 年に は51200 人が 失 業す るこ とに なる。コルバル地 域での農地は限ら
れ て い る こ と か ら 、 小 規 模 の 工 業 を こ の 地 域 に 誘 致 す べ き で あ る 。
7) 文化活動等に対して住民が参加するような特別のプ口グラムのため
に資金を提供すべきである。資金はレかるべき地方組織に投資するものであ
り、プログラムとしては、例えば、女性のためのじゅうたん織り学習研修と
いったものが考えられる。また、カウンセラーを選ぷ時の援助も考慮すべき
である。この援助は、近隣の村人が一同に会して活動を創り出すために必要
で あ り 、 例 え ば 、 ス ポ ー ツ 大 会 の 開 催 な ど が 考 え ら れ る 。
学位論文審査の要旨
主 査 , 副 査 副 査 副 査 副 査 副 査
教授 教授 教授 教授 助教授 助教授
山 村 小 島 上 田 甲 山 福 田 加 賀屋
学 位 論 文 題 名
悦夫 豊 陽三 隆司 弘巳 誠一
A STUDY ON THE VILLAGE LIVING ENVIRONIVIENT IN THE CORBAL REGION OF IRAN
( イ ラ ン . コ ル バ ル 地 域 に お け る 農 村 の 生 活 環 境 に 関 す る 研 究 )
近 年 、 開 発 途 上 国 で は 農 村 地 域 か ら 大 都 市 圏 へ の 人 口 集 中 に よ る 都 市 環 境 の 悪 化 が 重 大 な 問 題 と な っ て お り 、 都 市 人 口 流 入 を 是 正 す る た め の 農 村 の 生 活 環 境 の 整 備 が 急 務 と な っ て い る 。 本 研 究 の 目 的 は 、 開 発 途 上 国 イ ラ ン の 農 村 地 域 コ ル バ ル 地 域 に お け る 農 村 の 生 活 環 境 を 考 察 す る こ と に あ る 。
本 論 文 は6章 よ り 構 成 さ れ る 。 第1章 は こ の 研 究 の 序 論 で あ る 。 第2章 は 研 究 領 域 の イ ラ ン 、 コ ル バ ル 地 域 の 生 活 環 境 の 現 状 を 明 ら か に し た 。 第3章 は 研 究 方 法 論 と モ デ ル の 構 築 で あ る 。 第4章 は シ ス テ ム ・ ダ イ ナ ミ ッ ク ス 手 法 を 用 い た イ ラ ン の 都 市 部 と 地 方 部 の 人 口 予 測 と コ ル バ ル 地 域 の 人 口 予 測 の 結 果 で あ る 。 第5章 は ニ ュ ー ラ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク と オ ー バ ル モ デ ル を 用 い た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 証 的 な 結 果 で あ る 。 第6章 は 結 論 と 提 言 で あ る 。 研 究 対 象 の コ ル バ ル 地 域 は イ ラ ン の 典 型 的 な 農 村 地 域 で あ る が 、 デ ー タ が 未 整 備 で あ る の で 詳 細 な ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 っ て 解 析 を 行 な っ た 。 ま た 、 解 析 手 法 と し て は 、 数 理 統 計 手 法 、 シ ス テ ム ・ ダ イ ナ ミ ッ ク ス 手 法 、 ニ ュ ー ラ ル ・ ネ ッ 卜 ワ ー ク 手 法 及 び 、 オ ー バ ル モ デ ル を 用 い て 分 析 を 行 な っ た 。
イ ラ ン の 都 市 部 と 地 方 部 の 人 口 の 予 測 に シ ス テ ム ・ ダ イ ナ ミ ッ ク ス 手 法 を 用 い た 。 イ ラ ン 全 体 と し て は 、2007年 に お い て 、 都 市 部 の 人 口5,913万 人 、 地 方 部 の 人 口 は2,920万 人 に な る も の と 予 測 さ れ た 。 す な わ ち 、 1986年 に 46% 占 め て い た 地 方 部 の 人 口 比 率 が 、2 007年 に は33% へ と 減 少 す る こ と が 予 測 さ れ た 。
こ の シ ス テ ム ・ ダ イ ナ ミ ッ ク ス 手 法 に よ る 人 口 予 測 を コ ル バ ル 地 域 に 適 用 し た 結 果 、20 07年 に お い て 全 人 口 は 約97,100人 に 増 加 し 、 第1ゾ ー ン は28.500人 、 第2ゾ ー ン は9.600 人 、 第3ゾ ー ン は 約59.000と な っ た 。 第3ゾ ー ン はMarvdasht市 に 近 い こ と か ら 、 第1ゾ ー ン
や第
2ゾーンよりも増加の比率が高くなると考えられる。これに対し、第2 ゾーンのコルバ ル 地 域 全 体 に 占 め る 割 合 は
1986年 の
22% か ら
2007年 に は
10% ま で 減 少 す る と 予 測された。
コルバル地域の住民の生活環境を明らかにするためアンケートの回答データを用い、統計 的分析を行なった。まず重回帰モデルで、住民が自分達の村に住むための影響因子を決定 し、次にニューラル・ネットワークを用いて、コルバル地域における社会的満足度、生活状 況に対する満足性のバターンを抽出した。さらにグラビテイモデルを用いて、住民のサービ ス施設の設置に対する最適立地点を見出し、最後にオーノヾルモデルを用いて、基本的な公共 サービス施設の優先順位をランク付けした。
特に、新たにニューラル・ネットワークを用いることにより、従来分析が不十分であっ た、年齢階層別の社会的満足度及び、生活状況の満足性のバターンを抽出することが可能と なり、さらに、新たにオーバ´レモデルを構築して基本的な公共サービス施設の優先順位をラ ンク付けたことは本研究の新しい成果である。