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Efficient Cross-coupling Reaction Using Electrogenerated Highly Reactive Zinc and a Palladium Catalyst: Application to a Synthesis of the Precursor of Anti-inflammatory Agents

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 工 学 ) ア イ シ ャ ア ブ ド ゥ ル ジ ャ リ ル

Efficient Cross‑coupling Reaction Using Electrogenerated       Highly Reactive Zinc and a Palladium Catalyst:

        Application to a Synthesis of the Precursor       of Anti‑inflammatory Agents

    ( 電 解調 製 され た 高活 性 亜鉛 と パラジ ウム触媒を 用いる 高効率クロスカップリング反応:抗炎症剤前駆体合成への応用)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  有機合成化学において環境調和的な合成反応を達成するためには、クリーン な反応手法、反応溶媒あるいは反応試剤を用い、できるだけ温和な条件下で選 択的な合成反応を行うことが望ましい。電解反応による合成(電解合成)は有 害な金属酸化物や還元剤を用いることなく、クリーンな電子の移動で合成反応 が達成 されるので 、無公害型 の反応手段 として以前から注目されてきた。

  一方、有機合成において、有機亜鉛化合物は炭素‐炭素結合の形成に重要な有 機金属化合物のひとつである。一般に、有機亜鉛化合物は亜鉛金属の有機ハロ ゲン化合物への直接的挿入で調製されるが、市販の亜鉛金属は充分な活性を有 しておらず、亜鉛金属の活性化が必要とされている。例えば、アルカリ金属あ るいはアルカリ金属ナフタリニドによるハロゲン化合物の還元等のさまざまな 方法が知られているが、これらの方法は高温や長時間の反応、あるいは激しい 攪拌が 必要であり 、合成反応 として必ず しも満足できるものではない。、

  そこで本論文では、ナフタレンをメディエーターとする電解反応を利用して 高活性な亜鉛金属(EGZnNaph)を調製し、それを用いて様カなハロゲン化アル キルを相当する有機亜鉛化合物に効率よく変換し、さらに、有機合成反応に利 用することを検討した。例えば、有機亜鉛化合物をパラジウム触媒存在下で、

様々なハロゲン化アリールとクロスカップリング反応を行うことにより、相当 す るカ ッ プリ ン グ生 成 物 を高 収率で合 成すること ができた。 また、この EGZnaphを用い、抗炎症剤の前駆体を高効率的に合成することについても成 功した。

  本論文は5章から構成されている。

(2)

第1章は序論であり、本研究の背景及び目的について述べた。

  2章で は、 高活 性な 亜鉛 金属 の電 解によ る調 製法 、電 解条 件の 検索および 反応 性に ついて 述べ た。 ナフ タレ ン存 在下、白金陰極―亜鉛陽極を用いて電解 する こと によって、高活性な亜鉛金属(EGZn/Naph)を調製することに成功した。

これ を用 い、温 和な 条件 下で4− ブロ モブタ ン酸 エチ ルを 効率 よく 相当する有 機亜 鉛に 変換で きる こと を見 出し てい る。 また 、EGZn/Naphは 他の 亜鉛金属に 比べ て非 常に反 応性 が高 いこ とに つい ても 述べ た。

  第3章 では 、電 解で 調製 したEGZnlNaphを用いることによって、有機亜鉛の形 成 が比 較的 困難 な臭 化ア ルキ ルを相 当する有機亜鉛化合物に効率よく変換する こ とが でき 、そ の後 、パ ラジ ウム触 媒存 在下 、THF溶 媒中 、臭化 アリールとク ロ スカ ップ リン グ反 応さ せる ことに よって、カップリング生成物が高収率で得 られることを見出したので、それらの結果にっいて述べた。用いたナフタレンは 反 応 終 了 後 に 回 収 ・ 再 利 用 する こ と が で き る の で 、 非 常 に 効 率 的 で あ る 。

  4章 で は 、 電 解 で調 製し たEGZn/Naphを 用い るこ とに よっ て、 ビニ ル系 を 有す る2ー ブロ モア クリ ル酸 エチ ルを 相当 する 有機 亜鉛化 合物 に変 換できるこ とに つい て述 べた 。様 カな条 件検 索の 結果より、この反応では反応温度が重要 な役 割を 果た すこ とを 明らか にし た。 その後、調製した有機亜鉛を用い、パラ ジウ ム触 媒存 在下 、様 カなヨ ウ化 アリ ール及び臭化アリールとクロスカップリ ング 反応 させ るこ とに よって 、カ ップ リング生成物を高収率で与えることを見 出し 、そ の結 果に つい て述べ た。

  最 後 に 、 第5章 で は、 抗炎 症剤 前駆 体の 高効 率合 成につ いて 述べ た。 第4章 で は、EGZn/Naphを用 いる こと によ って、2―アリールプロペン酸エチルが高収 率で得られたことについては述べたが、本章では、抗炎症剤前であるイブプロフェ ン やナ プロ キセン 等の 前駆 体の 合成 への 応用 を検 討し た。 その 結果、第4章で 調 製し た2ープロモアクリル酸エチルの有機亜鉛を用い、様々なヨウ化アリール 及 び臭 化ア リール とク ロス カッ プリ ング反応させることによって、目的とした 抗 炎症 剤前 駆体を 高収 率で 合成 する ことに成功したので、その結果にっいて述 べた。

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主査

副査 副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授 助教授

徳 田 宮 浦 原 折 登 仙 北

昌生 憲夫 正治 一彦 久典

Efficient Cross‑coupling Reaction Using Electrogenerated       Highly Reactive Zinc and a Palladium Catalyst:

        Application to a Synthesis of the Precursor       of Anti‑in:flammatory Agents

    ( 電 解 調 製 さ れ た 高 活 性 亜 鉛 と パ ラ ジ ウ ム 触 媒 を 用 い る 高 効 率 ク ロ ス カ ッ プ リ ン グ 反 応 : 抗 炎 症 剤 前 駆 体 合 成 へ の 応 用 )

  21世 紀 に 入 り 環 境 調 和 的 な 有 機 合 成 反 応 へ の 要 請 が 益 々 高 く な っ て き た 。 電 解 反 応 に よ る 合 成 ( 電 解 合 成 ) は 、 有 害 な 金 属 酸 化 物 や 還 元 剤 を 用 い る こ と な く 、 温 和 な 条 件 下 、 ク リ ー ン な 電 子 の 移 動 で 選 択 的 な 合 成 反 応 が 達 成 さ れ る の で 、 無 公 害 型 の 反 応 手 段 と し て 近 年 多 く の 注 目 を 集 め て い る 。

  本 論 文 は 、 電 解 反 応 を 用 い る こ と に よ っ て 極 め て 高 活 性 な 亜 鉛 金 属 を っ く り 、 そ れ を 用 い て 高 効 率 で 有 用 な 合 成 反 応 を 達 成 し た 研 究 成 果 を ま と め た も の で あ る 。 本 論 文 は6章 か ら 構 成 さ れ て い る が 、 著 者 が 開 発 し た 新 規 手 法 と 高 効 率 合 成 反 応 、 な ら び に 評 価 で き る 成 果 な ど に つ い て 以 下 に 述 べ る 。

  1)有 機 亜 鉛 化 合 物 は 一 般 に 活 性 な 亜 鉛 金 属 を 用 い て 有 機 ハ ロ ゲ ン 化 合 物 か ら 調 製 さ れ る 。 活 性 亜 鉛 を 得 る 代 表 的 な 方 法 と し て ハ ロ ゲ ン 化 亜 鉛 を ア ル カ 、 リ 金 属 あ る い は ア ル カ リ 金 属 ナ フ タ リ ニ ド に よ っ て 還 元 す る 方 法 が よ く 知 ら れ て い る が 、 高 温 や 長 時 間 の 反 応 、 ま た 激 し い 攪 拌 な ど が 必 要 で あ り 、 合 成 手 法 と し て 必 ず し も 満 足 で き る も の で は な い 。 著 者 は 、 ナ フ タ レ ン の 存 在 下 、 白 金 陰 極 ― 亜 鉛 陽 極 を 用 い て 電 解 す る こ と に よ っ て 高 活 性 な 亜 鉛 金 属(EGZn/Naph)を 調 製 す る

(4)

ことに成功し、得られたEGZn爪aphが他の金属亜鉛より極めて高活性であるこ とを明らかにした。

  2)電解で調製した高活性な亜鉛金属(Eく氾II膩aph)を用いることによって、

有機亜鉛化合物の生成が比較的困難な臭化アルキルを相当する有機亜鉛化合物に 高効率で変換できることを見出した。さらに、この有機亜鉛化合物を用い、パラ ジウム触媒存在下、Tl圷溶媒中、臭化アリールとクロスカップリング反応させる ことによって、カップリング生成物が高収率で得られることも見出している。

  3)電 解で調 製し たEGZ曲嶼phを用いて2ープロモアクリル酸エチルから有 機亜鉛化合物を高効率で合成する反応条件を見出し、その有機亜鉛化合物をパラ ジウム触媒の存在下、様々なヨウ化アリール及び臭化アリールとク口スカップリ ング反応させることによって、カップリング生成物である2―アリールプロベン 酸エチルをほぽ定量的収率で合成することに成功している。本手法は2―アリー ル プ ロ ペ ン 酸 エ チ ル の 一 般 的 合 成 法 と し て 極 め て 優 れ て い る 。   4)3)で述べた2一アリールプロベン酸エチルの合成を抗炎症剤前駆体の合 成に巧みに応用し、注目すべき成果をあげている。すなわち、2−プロモアクリ ル酸エチルから得られる有機亜鉛をヨウ化アリール及び臭化アリールとクロスカ ップリング反応させることによって、イププロフェン、ナプロキセン、ケトプロ フェン、シクロプロフェン、フルルピプロフェン、ロキソプロフェン、スプロフ ェンおよびインドプロフェン等の抗炎症剤の前駆体を高収率で合成することに成 功している。

  これを要するに、著者は電解によって調製した高活性な亜鉛金属を用いて有機 プロモ化合物から相当する有機亜鉛化合物に高効率で変換し、さらにハ口ゲン化 アリールとクロスカップリングさせることによって医薬品として有用な抗炎症剤 の前駆体を極めて高収率で合成することに成功したものであり、有機工業化学な ら び に 有 機 合 成 化 学 の 発 展 に 寄 与 す る と こ ろ 大 な る も の が あ る 。   よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認 める。

参照

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