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入出力正弦波電流形インバータとその応用

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入出力正弦波電ミ充形インバータとその応用

CurrentSourceInverterswithSinusoidaltnputsandOutputs

最近,電動機駆動用のインバ】タに対して,電動機の騒音や損失,あるいは商用 電源に対する高調波障害の点から,入出力電圧・電拐己波形の正弦波化の要求が強く なった。この要求にこたえるため,Gl、0サイリスタやトランジスタなどの自己消弓瓜 素子を使用し,PWM制御を適用した電流形インバータを開発した。 誘導電動機を駆動し,入出力電圧・電流波形をほぼ正弦波にできること,及び商 用電源駆動時と同程度の電動機騒音,効率特性が得られることを確認した。また, 平滑用のリアクトルやコンデンサ容量を,従来の電流形インバ廿タに比べ大幅に低 減できた。更に,ベクトル制御を適用することによF)子音らかな加i成速運転特性が得 られ,電動機駆動に非′削こ適したインバータであることを実話ELた。

言 交流電動機の速度を制御するためのインバータは,パワー 半導体やマイクロコンピュータの進歩により小形・軽量,低 コスト化,高性能化が進み,ポンプ,フアンの省エネルギー 運転用,圧延機,車両,エレベーター,あるいはエアコンデ ィショナ駆動用と様々な分野で利用されているl卜3)。 最近では小形・軽量化や高性能化のほかに,商用電源に対 する高調波障害,あるいは駆動される電動機の騒音や壬員夫な どの改善要求がしだいに高まってきた。この問題解決の一一つ として,電圧・電流の正弦波化が考えられる。そこで,トラ ンジスタやGTO(ゲートターンオフ)サイリスタなどの自己消 弧素子を使用し,しかも自己消弧素子がもっている高速スイ ッチング特性を利用してPWMレヾルス幅変調)制御を行なうこ とにより,入力と出力の電圧・電子充波形を共にほぼ正弦波に することができる電壬充形インバータを開発Lた4)・5)。 本稿では,入出力正弦波電流形インバータの主回路構成と その基本動作,波形の正弦波化のためのPWM制御法,及び誘 導電動機駆動時の侍性について述べる。また,本インバータ のエレベーター制御への応用についても簡単に触れることに する。

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主回路構成と基本動作

図1に入出力正弦波電i充形インバータの主回路構成を示す。 電源 ′ ̄ヽ ) ′■、、ヽ■一一 ∼ J此 J・〔1〟 月J, Js エ(-S 5J-エT

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入力端コンデンサ エ(▼T 尺八r ぶ+\・

本部光幸*

植田明照*

地福順人**

三井宣夫***

岡島郁夫****

+材∼′5∼り伽ん言放′桝ろ7′ A々オ/どm 亡/ピ(か yoガわ〟ィ々〝 八l)如(0ルrJね∼イオ ノた∼(0(淡q7才椚〝 コンバータ部,インバータ部共にスイ、ソナング素子としてGTO サイリスタを倖用し,電子充遮断時に発生する過電圧吸収及び 負荷である誘導電動機の無効電力処理のために,コンデンサ を入力端と出力端に接続している。 コンバータ部をGTOサイリスタで構成しているので,電子原 電庄に対して進みあるいは遅れと,任意の位相で電流を流す ことができる。電源電圧と同相の電i充をi充すようにGTOサイ リスタを点弧すれば,電源力率=1の運転が可能になる。ま た,電i原電庄と逆位相に電i充を流すことにより,電う原へのエ ネルギー回生運転を行なうことができる。進みと遅れの制御 を組み合わせることにより,電源の無効電力を調整すること も可能である。 本インバータは電流形であるために,逆電圧がスイッチン グ素子に印加されることになり,逆阻止機能をもつGTOサイ リスタが必要になる。トランジスタには逆阻止機能がないの で,単独で便用することはできないが,直列にダイオードを 接続すれば使用可能である。 図2はインバータ部の基本動作波形及びゲート信号を示し たものである。コンバータ部もその基本動作原王塑はインバー タ部とほとんど同じである。インバータ部で,GTOサイリス タ構成の三相ブリッジ回路に正弦波状にPWM制御した電i充 才/J▼を流す。無効電力処理放び過電圧吸収用のコンデンサを出 DCリアクトル JJ rfJ 7'ノ\r L/㌣ U八・ し′JJ l・l′ナp りr▼ t′八r ∼L7 誘導電動機 りl・・ ル'.\, 上l7 上川

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出力端コンデンサ 乙灯 lM コンバータ部 インバータ部 図l 入出力正弦波電う充形インバータの主回路構成 スイッチング素子とLてGTOサイリスタを使用し,電流速断時に発生する過電圧を吸収するため に,コンデンサを入出力端に接続Lた電流形インバータであるし, * L-1立巷望作析U_、別汗究巾 **「トニ′二馳イ1三巾l-トニ′二_l二楊***1ト工こ皇望作巾水=l二楊 ****l-ト「′二;与=1…■叶門′⊥-こり■㌢【二+湯

(2)

PWM(パルス幅変調)制御電流J川 出力電流gu

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-流 ゲ ー ト 信 号 恥 仙 VP 仙 P ‥八 W W [Ⅰ Ⅳ Ⅵ U 方 一-◆2方 図2 基本動作波形(インバータ部) 正弦波状にPWM制御したゲー ト信号,及び過電圧吸収用コンデンサのフィルタ効果により出力電流を正弦波 にすることができる。 力端に接続しているので,これがフィルタとしての機能を合 わせもつことになり,この効果により出力電主充∠t.せほぼ正弦波 にすることができる。電流形であるため,出力電流を正弦波 にすれば,出力電圧も容易に正弦波にすることができる。 コンバータ部もインバータ部同様,GTOサイリスタ構成の ブリッジ回路に正弦波状のパルス幅分布をもつ電流を流すよ うに制御することにより,入力電流,すなわち電源電流をほ ぼ正弦波にすることができる。

6】

PWM制御法

入力及び出力波形を正弦波にするためのPWM制御のほか に,インバータ部では負荷である誘導電動機の速度に応じた 周波数制御,コンバータ部では誘導電動機の電流の大きさを 変えるための直流電圧制御が必要になる。以下にこれらの制 御法について述べる。 3.1PWM制御電流パターンの決定法 図3にPWM制御電流パターンの発生法を示す。台形波状の 制御信号 PWM 制御電流 パターン

搬送波e亡./変調波e椚.

lA

=

l

l

l B l =

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喜…;】;

lllll lllll】l =lll= =lll=l l ll

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ll 0 汀/3 2汀/3 汀 → β 図3 PWM制御電流パターン発生法 台形波状の変調波と三角波の 搬送波を比較することにより,PWM制御電流パターンを得ている。. 変調波gmと三角波の搬送波g。とを比較し,g椚≧g。のとき"1'', gm<β。のとき``0''となるノウレス信号を発生させることにより, PWM制御電流パターンを得ることができる。パターンを変え

る要素はgmとg。の振幅比,すなわち変調率β=B/Aと動作半周

期でのパルス数〟の二つである。図3の場合,β=0.75,〟 二7である。変調率とパルス数を変えると,PWM利子卸電流に 含まれる高調波成分が変化する。高i欠の高調波成分は,入力 端あるいは出力端に接続しているコンデンサによってほとん ど吸収できるので,電源あるいは誘導電動機に対する影響は 小さいが,低次の高調波成分はコンデンサ容量が小さいので 十分吸収できず,電源じょう乱や誘導電動機のトルク脈動, 損失増加の要因となる。園4は低i欠高調波成分に着目し,変 調率を変化させたとき,これらの含有率がどのようになるか を示したものである(パルス数〟が99と199の場合を示した)。 どの場合も変調率が大きくなるほど高調波成分は少なくなっ

ている。同図には,高調波成分として最も含有率の大きい3(カグ

ー1)±1次の成分が変調率に対してどのように変化するかも 示している。この成分も変調率が大きくなるほど少なくはな

つているが,β=1.0の場合でも20%以上である。3(〟-1)±

1次の成分の含有率は他の高調波成分に比べて非′削こ大きい が,パルス数〟の値をある程度大きくすれば,入出力端のコ ンデンサによってそのほとんどを吸収できるので,実用化上 0 4 0 ∩> 0 3 2 (訳)ホ瑠璃鰐順 0 4 0 ∩) 0 3 2 (訳)ホ瑠璃張碓 第13次 汝ハ 5 第 汝ハ 第 基本波成分100% 第293次,第295次 第7次 0 0.2 第5次 第13次 0.4 0.6 0.8 1.0 変調率β (a)パルス数〃=99 基本波成分100% 第593次,第595次 第11次 第7次 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 変調率β (b)パルス数〟=199 図4 変調率とPWM制御電流の高調波成分の関係 一般的に変調 率が大きくなると,高調波成分は少なくなっている。変調率としては0.75程度 以上に選ぶのが望ま Lい。

(3)

問題はない。同図から変調率βは0.75程度以上に選べばよい ということが分かる。 3.2 コンバータ部のPWM制御法 コンバータ部では入力,すなわち電源電i充を正弦波に保ち ながら,しかも直流電圧の大きさを変える機能をもつPWM制 御が必要になる。図5に,コンバータ部のゲート信号及び各 部動作波形を示す。直i充電庄はコンバータ部を強制的に直流 短絡状態にするゲート信号(以下,短絡パルスと呼ぶ。)の幅を 変えることにより制御する。各GTOのゲート信号は,含まれ る高調波成分ができるだけ少なくなるように選んだPWMパタ ーンと直幸充電圧制御のための短絡パルスとを組み合わせたも のである。例えば,期間ⅠではGTOs。に短絡パルスが加えら れている。短絡パルスが存在するときには,GTOspとGTOsN が同時にオンし,コンバータ部は直流短絡状態となり,直i充 電圧は0になる。短絡パルスの幅を狭くすると直幸充電圧0の 期間が短くなり,直音充電庄の平均値は大きくなる。逆に短絡 パルスの幅を広くすると直音充電庄の平均値は小さくなる。し たがって,短絡パルスの幅を変えることにより直i充電圧の大 きさを制御することができる。 図5に示したように,直流電圧は交享充電源電圧をチョッビ ングした波形であり,GTOサイリスタを使用しているので従 来のサイリスタを用いたものに比べて,チョッビングの周波 数を高くすることができる。このため,直音充電流の脈動を大 幅に低減でき,その効果として直流電流平滑用のDCリアクト ルを大幅に小形化できる。 短絡パルスが存在する期間は,直流.電子充が電手原側をバイパ スする形で音充れるので,PWM制御電流は0になる。この結果, PWM制御電i充は図2と異なり,仝周期にわたってPWM制御 された形となる。 3.3 インバータ部のPWM制御法 インバータ部では,出力波形の正弦波化及び誘導電動機の 回転速度に応じた周波数制御機能をもつPWM制御が必要に なる。インバータ部の場合,コンバータ部のように直音充電圧 Ⅰ ⅠⅠ ⅠⅠⅠ Ⅳ Ⅴ Ⅵ 圧 電 力 入 ゲ ー ト 信 号 P⊥ P P.DJ P▲ P▲ 直流電圧 直涜電流 各 相 電 流 ' l l l l lTl - R l 】 l - 1 1 1 1

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図5 コンバータ部のゲート信号及び動作波形 短絡パルスの幅を 変えることにより,直)充電圧を調整L,負荷電)充の大きさを制御する。 3 2 (Nエご嶽甥囲も八小>†KOトロ 〟=165 〃=199 〟=249 〃=333 〟=499 〃=999 〟=1 〟=141 ル才=99

〟=83 111Åオ=89 10 20 30 インバータ出力周波数(Hz) 40 50 図6 インバータ出力周波数とGTOスイッチング周;度数の関係 インバータ部ではGTOのスイッチング周波数がほぼ一定になるように,出力 周波数に応じてパルス数Mを切り換えて制御Lている。 の大きさを制御する必要がないので,含まれる高調波成分が できるだけ少なくなるようなPWMパターンをあらかじめ選ん でおき,そのパターンに従って各GTOを制御すればよい。 PWMパターンをある一つのパターンに国定すると,インバー タの出力周波数が高い領域ではGTOのスイッチング周波数が 非常に高くなり,許容値を超えることになる。一方,低周波 領域では,GTOのスイッチング周波数が低くなり,出力電圧, 電流の脈動が大きくなる。したがって,GTOのスイッチング 周波数がほぼ一定になるように,PWMパターンをインバータ の出力周波数に応じて適当に選ぶ必要がある。図6はインバ ータ出力周波数と,パルス数すなわちGTOのスイッチング周 波数の関係を示したものである。この場合,出力電圧,電流 波形を考癒してスイッチング周波数が約4kHzになるように PWMノヾターンを選んでいる。 あらかじめ選んでおいたパターンに従って,各GTOを制御 する方法のほかに,図3に示したPWMパターン発生法に従っ て,周波数一定の搬送波β。と,インバータ出力周波数と同じ周 波数の変調波gmを比較して得られるパターンによって,各GTO を制御する方法もある。この場合,搬送波と変調波とは非同 期の二状態になる。 インバータ部でも,出力波形をより正弦波に近づけるため に,コンバータ部で直i充電圧制御に利用した短絡パルスを加 える方法もある6)。

誘導電動機駆動時の動作波形

1,200V,90AのGTOを使用し,15kVAのインバータ装置を 試作し,11kWの誘導電動機を駆動した。このときの実験結果 について述/ヾる。インバータ装置の定格出力電圧は400V,電 流は21.6A,周波数は50Hzである。 4.t コンバータ部の動作波形 匡けにコンバータ部の動作波形を示す。入力電流,すなわ ち電源電享充は,ほぼ正弦波になっている。電源電圧と電流の 位相差は約30度である。電圧は線間を示しているのでこのこ とを考慮すると,コンバータ部は電源に対して力率≒1で動 作しているということになる。コンデンサ電i充は入力電子充と PWM制御電流の差であり,正弦波からPWM波形を差し引い た形となっている。直流電圧波形は図5に示したように電子原

(4)

電源電圧 電;原電流 PWM制御電流 入力端コンデンサ電流 アーム電圧 直流電圧 直流電流 ∨ nU 0V 0V 図7 コンバータ部の各部動作波形 電源電涜,すなわち入力電流は ほぼ正弦波になっている。電圧(線間)と電流(線)の位相関係から,コンバータ 部が電源に対Lて力率≒lで運転Lていることが分かるし 電圧を高周波でチョッビングした波形となっており,直流電 i充の脈動は非常に′トさい。 図8は,直流.電流を平滑するためのDCリアクトルと脈動率 の関係を示したものである。PWM制御を行なわない従来方式 に比べ,脈動率が大幅に/トさくなっている。同図から脈動率

/

0 0 0 5 (訳)り胤南雲棋紆横側 2 2

′d冒』∫d

亡=7㌻×100

りd=30A)

/野良夕式)

木方式 0 】 20 40 60 80 8 DCリアクトルのインダクタンス(mH) 図8 直流電流の脈動率 従来のサイリスタ式に比べ,直流電流平滑用 のDCリアクトルを,1。不呈度に低減できる。 を20%程度に選ぶとすると,直子充リアクトルのインダクタン

ス値を従来方式の約吉に低減できることが分かる。

4.2 インバータ部の動作波形 図4で,変調率βが大きくなるとPWM制御電i充に含まれる 高調波成分が少なくなることを示したが,出力波形に対して どのようになるかを実測した。その結果を図9に示す。変調 率β=0.0とβ二0.25の場合,出力電圧には60度ごとに非常に 大きなスパイク電圧が発生しており,高調波成分を多く含ん だ波形となっている。出力電流波形も階段披二伏であり,電圧 波形同様高調波成分を多く含んでいる。一方,β=0.75とβ= 1.0の場合,出力電圧.電子荒波形はほぼ正弦波になっている。 β=1.0の場合のほうがより正弦波に近い。同図から変調率β は0.75以上に選ぶ必要があるということが分かる。 電圧 電流 電圧 電流 (a)変調率β=0.0 (C)変調率β=0.75 電圧 電流 (b)変調率わ。.25

ヒd

電圧 電流 (d)変調率β=l.0

ユ500V

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ユ500V

ユoA

図9 変調率変化時の出力波形 変調率D=0.75とD二】.0の場合,電圧,電涜波形共にほぼ正弦波になっている.〕D=l.0のほうがより正弦波に近い。

(5)

電圧 電流 電圧 電流 (a)C=3/JF

t■■出旺丑■一書確

(C)C=10スノF 電圧 電洗 電圧 電流 (b)C=5〃F

(d)C=2恥F

壬00V

工oA

壬00V

ユoA

図【0 出力端コンデンサ容量変化時の出力波形 本図の電凪電流波形及び誘導電動機の駆動状況から,コンデンサ容量は5′ノFで十分である。二の値 は従来の電5充形インバータでの転)充コンデンサ容量の1も程度である。 GTOサイリスタの電i充遮断時に発生する過電圧を吸収する ためのコンデンサ容量も,出力波形に影響を及ぼす。図10に コンデンサ容量を変えたときの出力波形を示す。いずれの場 合も電圧,電享売渡形共にほぼ正弦波になっている。電圧波形 は容量が小さくなるほど振動分が大きく,一方,電子充波形は 容量が大きくなるに従い,振動分が現われている。電圧と電 流波形の振動を考慮すると,実験に使用した15kVAのインバ ータ装置では,過電圧吸収用のコンデンサ容量は5/ノFで1・づナ である。この値はサイリスタを用いた従来の電流形インバー

タでの転流コンデンサ答量の吉程度である。

これまでに入力と出力の電圧,電子売渡形がほぼ正弦波にな ることを示したが,その効果として誘導電動機の効率や騒音 がどのようになるかを測定した結果を図Ilに示す。商用電i原 駆動時に比べて効率はわずか1∼2%低 ̄下するだけであり, 騒音増加も1∼2dBであー),波形の正弦波化の効果が昆頁著に 現われている。

8

正弓玄波電;充形インバータの応用 上述したように本稿で示した電流.形インバータでは,入力 と出力の電圧,電流波形をほぼ正弦j疫にすることができ,そ の効果として誘導電動機を商用電i原と同程度の効率,騒音特 性で可変速駆動することができる。正転,逆転,力行,回生 といった四象限運転も容易であり,更にベクトル制御を行な うことにより高応答速度刺子卸も可能である。したがって,ポ ンプ,ファンをはじめ,圧延機(特に補機),車両,エレベー ター,クレーンなど可変速駆動を必要とする用途に非常に好 適なインバータである。 図12にエレベーター制御に応用した場合の構成を示す6)。エ レベーターでは乗り心地を良くする上で,滑らかな加i成速特 性及び正確な着床特性が必要になる。このために,/ヾクトル 制御を適用している。16ビットマイクロコンピュータを用い 0 0 5 7 (訳)併 霹 50 武

村ム

▲■

脚′

商 50 100 負荷トルク(%) 0 9 ∩) 0 〔×〕 7 (皿P)伽 畑地 60 ●▲

源 電 用 商 50 100 負荷トルク(%) 図】l誘導電動機の効率,騒音特性 商用電源駆動時と比較Lて,効 率がl∼2%低.下L,騒音がl、2dB増加するだけであり,本インバータは誘 導電動機駆動に非常に適Lていることが分かる.〕 て,ベクトル制御に必要なi寅算を行ない,誘導電動機に流す 電i元の大きさ,周波数及び位相の指令値ム*,山1*,甲1*を求め る。電子充指令値ム*を電壬充制御回路に伝達し,この出力によリ PWMパターン発生回路を動作させ,誘導電動機に所定の大き さの電i充がi充れるようにコンバータ部の直i充電庄を調整する。 一方,周波数指令以1*と位相指令甲1*に基づいてインバータ部 のPWMパターン発生回路を動作させ,誘導電動機に所定の周 波数と位相の電流がi充れるように制御する。 図13に誘導電動機を加i成速運転したときのオンログラムを 示す。速度指令に追従して非常に滑らかな加減速運転特性が 得られている。また,回生運転をはじめ四象限運転がスムー ズに行なえることも確認しており,図Ilに示した電動機の効 率や騒音特ノ性からもエレベーター制御に十分適用できること

(6)

コンバータ部 インバータ部 同 期 信 一ち■ 電 源 ′ ̄ヽ、、_/ ′ ̄ヽ、-.ノ

ゲート回路 PWMパターン発生回路 電流制御回路 電流指令Jl● ゲート回路 PWMパターン発生回路 周波数指令叫書 位相指令甲1* 乗 り か 誘導電動機

T

ベクトル制御演算(16ビットマイクロコンピュータ) 減速機 lM PJG 回 転 速 度 負 荷 つり合いおもり シーア 注:略語説明 PしG(P山se Generator) 図12 エレベーター制御への応用例 エレベーターの場合,滑らかな加減速運転特性と正確な着床矧生が要求されるので,ベクトル制御を適用Lている。) 1s r--一一--}

電源電涜・・川棚■肌州棚棚〟Jひ+肘M脚棚帥柵脚脚㈲伽r柵柵剛■側一印瀬棚㈹棚帥Ⅰ20A

出力電流-J\\、∧仙仙州州側≠州■榊他州馴棚馴柵【棚l棚”n州剛仙川IlⅦ酬柵ヨl■榊仰州〟仙m王20A

出力電流一州l!FEl!‖耶附【汀引附附慨Ⅶ柵珊m同!111Ll珊L矧棚他州〟州仰山\ノ工20A

出力電圧---州〟州㈹㈱はLml用hら血1欄\1と朋Ⅷ皿Il弓肌L弧岨胤肌LMl川"】以【脹:と‖ul脱■iは山皿uL…il田l∬"U【l”r1611;urlL【∃∈;脳【…紺】帆-Ⅰ300V

直流電流⊥

直流電圧 1,400「pm 電流指令・・一 速度指令 回転速度

Ⅰ20A

王200V i20A rO -0 図13 誘導電動機の加減速運転特性 速度指令に追従Lて,非常に滑らかな加減速運転特性が得られている。電力回生も容易であり,電動機各蚤音,効率特 性からもエレベーター制御をはじめ各種の可変遠馬区動分野に適用できる。 が分かる。

l司

言 GTOサイリスタやトランジスタなどの自己消弧素子及び PWM制御を適用し,入力と出力の電圧,電流波形を共にほぼ 正弦波にすることができる電i充形インバータについて述べた。 誘導電動機を商用電源と同程度の効率,騒音特性で駆動する ことができるとともに,ベクトル制御を適用することにより, 非常に才骨らかな加減速運転特性が得られた。平滑用のリアク トルやコンデンサ容量を,従来のサイリスタ方式の電i充形イ

ンバータに比べて約左程度に低減できる見通しを得た。

本稿で述べた入出力正弦波電i充形インバータは,ようやく 実用化の緒についたばかりではあるが,今後,交i充電動機の 可変遠島区動に非常に適したインバータとして,ますますその 応用分野を拡大していく ものと思われる。 参考文献 1)松平,外:大容量GTOインバータ駆動システム,日立評論, 65,4,245∼250(昭58-4) 2)石橋,外:新シリーズ汎用インバータとその応用,日立評論, 65,4,257∼262(昭58-4) 3)坪井,外:GTOインバータによる車両用誘導電動機の制御, 日立評論,63,11,775∼778(昭56-11)

4)M.Hombu,et al∴A New Current Source GTOInverter

WithSinusoidalOutputVoltageandCurrent,IEEE,Trans. Ind.Appl.1A-21,No.5,pp.1192∼1198(1985-9)

5)M.Hombu,et al∴A Current Source GTOInverter with

SinusoidalInputs and Outputs,in Conf.Rec.1985Annu.

Meet・IEEEInd.Appl.Socリpp.1033∼1039(1985-10)

6)三井,外:正弦波インバータ制御高速エレベーター,日立評

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