資源の価格形成モデル : 石炭のケース
著者
木船 久雄
雑誌名
名古屋学院大学論集 社会科学篇
巻
39
号
2
ページ
147-164
発行年
2002-10-31
URL
http://doi.org/10.15012/00000809
名古屋学院大学論集 社会科学篇 第39巻 第2号 (2002年 10月)
資源 の価格形成モデル ーー石炭のケースーー
木
船
久
雄
日 次 は じめに1.石
炭価格の動向2.価
格決定 に関す る理論 と議論3.実
証石炭価格 モデルの検討 おわ りに は じ め に 天然資源の価格 は幾 らになるか (あるいは, 幾 らであるべ きか)は
,古
くて新 しい問題 であ る。古典的な先達である J.S.ミ ルや D.リ カー ド達は,有
限である土地や鉱物資源 をベースに 議論 を展開 し,
レン ト概念 を生み出 した。それ は現代の経済学 において もなお息づ く所産であ る。本稿 は,そ
の時代 まで意識 をタイムス リッ プ させ ようというわけではない。極めて単純 に, 現代 において商取引 されてい る鉱物性資源の価 格が,
どの ように決め られ るのかを実証的 に明 らか に したい,
とい うのが問題意識の発端であ る。 その対象 として,ここでは石炭 を取 り上 げた。 なぜ,石
油でな くて石炭であるのか。その理 由 は,市
場の汎用性 にある。つ ま り,石
油 に比べ て石炭 は,市
場 における組織イビテ動がほ とん ど 皆無 であった。 これに対 し,石
油市場では,歴
史的 にオ イル メ ジャーズやOPECな
どに よる カル テル行為が存在す る。そ うした石油市場 は 別の意味で興味深 い研究対象である ものの,資
源価格一般 に通 じるような分析 には不向 きであ る。 それゆえ,本
稿 では,採
用 したモデルが汎 用化で きそ うな財 として石炭 を選んだ。石油 に 関す る分析 は,場
を改めて論 じたい。 さて,石
炭 は歴史的 に息の長 いエネル ギーで ある。18世
紀 の産業革命 を契機 に,石
炭 は主力 エネルギー として位置付 けられ,近
代 の経済 発 展 を支 えて きた。石油の時代 だ と言 われ た 20 世紀 において も,1970年
代の二度の石油危機 を 経 て,石
炭 は手近 な石油代替 エネル ギー として 再認識 され,復
活 を遂げた。 石炭が息の長 いエネル ギー源である最大の理 由は,確
認埋蔵量が大 きく,
しか もそれが広範 な地域 に賦存 している点であろ う。 これは,エ
ネル ギー市場 を検討す るうえで,極
めて重要な 意味 を持つ。つ まり, どこに も存在 しているの であれば,エ
ネル ギー安全保障の観点か らは有 力な保険 とな りえる し,供
給 カルテル な どに よ る市場の組織化 を困難 にす る。 第二次石油危機以降,世
界の石炭貿易 は著 し く伸張 した。 しか し,1990年
以前においては, 主要先進諸国で国内の石炭産業保護政策が寸采用 されていたために,石
炭価格 は地域 に よって大 きく異なっていた。それが,世
界的な規制緩和 政策 によって,従
前以上 にグローバルな石炭貿 易が展開 され,石
炭価格 は徐 々に一物一価の方名古屋学院大学論集 向 に向かいつつある。 しか し
,石
炭市場 は石油のそれ とは明 らかに 異 な る。石炭 は,バ
ル キーであるために輸送 コ ス トが嵩む し,貯
炭や燃焼後の灰処理 も必要で ある。 さらに,環
境 汚染物質の排出量 は石油 に 比べ相対的に大 きい。実際の石炭価格の動 きを 見れば,石
炭 における価格形成のメカニズムは 石油のそれ とは明 らかに異 なるものがある。 本稿では,こ
うした石炭市場 を過去のデータ や理論 を参考 に しなが ら,石
炭価格決定のメカ ニズムを実証的に明 らかにすることを試みる。 本稿の構成は,次
章で これ までの石炭価格の動 向 を概観 し,次
いで価格形成に関す る先行研究 の議論 をレビュウす る。最終章では,実
証的な 石炭価格決定モデル を提示 し,そ
れ を用 いて価 格変化の要因分析 を行な う。 (単位 :CIF,一 般炭 換 算,USド
ル/トン)1.石
炭価格 の動 向 1.1。 日本の輸入石炭価格 石 炭価格 の特徴 を とらえ るため に,実
際 の データか らこれ までの価格推移 を確認 しておこ つ。USド
ルベースで見た日本着の一般炭価格
は,1970年 代において高騰 した石油価格に引き
ず られ る形で上昇 した。
1982年に ピークの
USS64/ト ンをつけた後
,現
在までは緩やかな
下降傾向にある
(図1参照
)。2000年 の価格は
,USS35/ト ンである。
石炭価格の推移で
1寺徴的なことは
,次
の 3点
である。それらは
,①
石炭価格の変動は石油の
それに比べて小さいこと
,②石炭の入着価格は
,石油に比べて大幅に安いこと
,③
近年
,一
般炭
と原料炭の価格差はほとんど無 くなっているこ
180 160 140 120 100 80 60 40 20 1965 70 75 80 85 90 95 2000 図1
日本 着 の石 炭 価 格 の推 移 (資料)日本エ ネル ギー経済研究所/EDMC,『
エ ネル ギー経済統計要覧』 (注)価格 は一般炭換算の 名 日値。一般炭換算 に用いた熱量 は,原 油:9,250 kca/L,C重油:9,800 kca1/L,LNG:13,000 kca1/kg,原料炭:7,700 kca1/kg,一般炭:6,200 kca1/kgである。
「C重油 との値差」 は
,C重
油価格 か ら一般炭価格 を引いた値。 ―LNG
一←―原 油 ― C重油 ― 原 料 炭 ― 一 般 炭 ―□―C重油 との値 差と
,で
ある。1.1.1.価
格の変動 第一 にあげた石炭価格の振幅 を石油価格 のそ れ と上帥交してみ よう。図1で
明 らかな ように, 石油価格 は短期的 に も変動幅が大 きい。1985年 は石油価格が大 きく暴落 した年であるが,そ
れ 以降 において も,毎
年の ように上下 に振 れてい る。一方これ と対照的に,石
炭価格 は,緩
い下 降カープ を示 して きた。 この こ とは,石
炭が特 つ需要 と供給が石油 に 比べ て価格 に弾力的であるこ とを物語 ってい よ う。需要サ イ ドを見れば,石
油危機以降,そ
も そ も石炭 が復権 して きたの は石 油代替 エ ネル ギー としての位置付 けか らであった。そのため, 価格 に対 して敏感 に反応で きるようなボイラー 仕様が施 されて きた。 また,供
給サ イ ドでは, 石炭の資源賦 存地域 は 日本 を合め,世
界中に広 が っている。石炭価格が高騰 した場合,市
場参 入の限界的予備軍 は豊富であ り,特
定産炭 国が 価格 を引 き上 げ ようとして も,そ
れ を補 う代替 供給地が存在す る。 この ような,需
給双方の価 格弾力性 の大 きさが,石
炭価格 を石油 に比べ て 安定的な ものに してい ると考 え られ る(1)。1.1.2.熱
量 あた りの価格 石炭価格の第二の特徴 は,熱
量ベースでエネ ル ギー源の入着価格 を比較す るか ぎり,石
炭 は 石油 に比べ て,か
な り割安であることだ。図1 では,他
のエネル ギーについて も一般炭換算で 表示 しているため,当
該図で示 され る相対的な 位置関係が,そ
の まま熱量 あた りの価格上辟交を 可 能 と して い る。原油価格 を 100と してみ る と,石
炭価格 は ピー クに達 した1982年が43, 20000年では実に 28と ,原 油の3分
の1以下の 価格 である。 しか し,こ
れはエ ン ドユーザーか らみた経済 性 と必ず しも一致 しない。 なぜ な ら,石
炭 は, 資源の価格形成 モデル ー 石炭のケースー そのハ ン ドリングや燃焼 に拘わ る費用が石油 よ りも大 きいか らである。 これ らは石炭デメ リッ トと呼ばれ,貯
炭,灰
捨 て,公
害 防止,炉
前 ま での輸 送 な どに係 る費用が それ とな る。デ メ リッ ト分 を トン当た りUS$40と
お き,C重
油 の入着価格 と上麟交すれば,石
炭が必ず しも割安 なエネル ギーであった とはいえな くな る。 とり わけ,80年
代後半か ら90年
代末 までの石油価 格が低 迷 していた期 間は,そ
うである (図中の 「C重
油 との値差」の折れ線 グラフ参照)。 石 油価格 が値 下 が りして い る時期 にお いて は,そ
の値下げ幅以上 に石炭価格が低下 しなけ れば,ユ
ーザーに とって石炭利用のメ リッ トは 縮小す る。 なぜ な ら,熱
量単位 あた りの石炭デ メ リッ トを不変 とすれば,競 合相手 との値差(単 位 あた りの値差)が
囃持 されて こそ,こ
のデメ リッ トを解消 し同時 にそれ まで と同様 な利用メ リッ トを享受す ることがで きるか らである。 1.1.3。 原料炭 と一般炭価格 第二の石炭価格 に関す る特徴 は,1990年
代以 降に限れば,一
般炭 と原料炭の価格差 がほ とん ど無 くなっていることだ。 もちろん,原
料炭1 トンあた りの価格 は一般炭 の それ に比べ て,2000年
で も5ドル程度高い し,1980年
代 で は 10ドル ほど高かった。 しか し,両
者が持つ熟量 の差異 を考慮すれば咤 1990年前後のバブル景 気の時期 を境 に,一
般炭価格 は原料炭のそれ を 上 回 るもの となって きた (図2参
照)。 これは,一
般炭 お よび原料炭両者力斗包える市 場環境 の差異 を反映 した ものである。原料炭 に ついては,そ
の需要業界である鉄鋼産業が,世
界的な構 造不況のただ 中にあ るためq原
料炭 市場 は軟化 を続 けている。 これ とは逆 に,一
般 炭 は発電用燃料 を中心 として需要が伸張 してい る。 原料炭価格が嘩欠調である背景 には,需
要サ イ70 60 50 40 30 20 10 名古屋学院大学論集 (単 位 :CIF,USS/トン) 値差(原料炭価格一一般炭価格:USS/トン) 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 199920002001 図
2 -般
炭 と原料 炭 の価 格 推 移 (資料)財
務省 『貿易統計 月表』 20 15 10 -5 ‐10 -15 ドの技術革新の影響 もある。 コークス炉の延命 と割高な原料炭利用の削減 を目的 とした,高
炉 への微粉炭吹 き込み技術(PCI)の導入は,原
料 炭 を一般炭 に置 き換 える効果 をもっている。 こ れに よって,鉄
鋼業界において も一般炭利用が 拡 大 し,原
料炭 消 費 は一 層控 え られ る ように なった。 以上 は,
日本 を中心 とした石炭価格の推移で ある。次いで,視
野 を もう少 し広 げて,世
界の 石炭価格の動 きを日本 との対比で見ておこう。 1。2.石
炭 の国際価格 第二次石油危機以降,本
格的 に国際石炭貿易 が始 まった。 しか し,1970年
代 お よび1980年 代 には,北
米,区炒│ヽ│, 日本の3極
石炭市場の価 格 は,著
しく異なっていた。つ まり,一
物一価 ではなかった。 この理由は,消
費国が背景 に抱 える石炭需給構造の相違 に由来 している。国内 の需要構造や調達先,
さらには国内の石炭産業 保護策 に も由来 していた。 日本や欧州の先進諸国では,エ
ネル ギー安全 保障の一貫 として,国
内炭力漕│1高であって も , 国内炭の生産量 を確保す るために様 々な補助制 度 を抱 えていた。 これが,海
外か らの輸 入石炭 価格 を歪めた もの に して きた と考えられ る。 し か し,1990年
前後か ら,欧
州 各国は石炭産業保 護 の政策 を全面的 に見直 し始めた。規制緩和 を 進め,市
場競争 を促 す政策の登場 である。 その 結果,国
内の石炭産業 は壊滅的で,海
外か らの 石炭輸 入が急増す ることになった。 図3は,こ
の ような市場環境の変化 を辿 った ア メ リカ 。欧州 。日本 にお ける涯青炭 の輸 入CIF価
格 の推移 を示 している。 これ をみ ると,1970年
代 お よび80年
代 には,3極
における輸入炭価格 は,著
しく異なってい たが,1990年
代 に入 ると徐 々にそれが収束す る 方向にあるこ とが巧雀認で きる。 ― 原料炭(オリジナル) ――― 原料炭(一般炭換算)-0-一
般炭-0-一
般炭換算の値 差(原料炭 ―一般炭) 値差(右軸⇒)資源の価格形成 モデル ー 石炭のケースー (単位:USS/トン) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 ― イギリス ―←―オランダ
-0-イ
タリア ――― 日本2.価
格 決 定 に関 す る理論 と議論 本章では,石
炭価格の決定メカニズムに関 し て,先
行研究の成果や議論 を整理す ることに充 ててい る。 これは,こ
れ までの理論的 。実証的 な研究が, どの ように石炭価格 を提 えて きたか を探 り,そ
の成果 を次章で提示す る実証石炭価 格 モデル に反映 させ るこ とを目的 としている。2.1.石
炭価格決定の理論 まずは,石
炭価格決定に関す る代表的な理論 をレビュウ しておこう。2.1.1.ホ
テ リングの理論 資源価格 の決定 に関す る理論的 な口高矢 とな る のは,1931年
のH.ホ
テ リングの論文である(4)。 彼 は,鉱
物資源の ような埋蔵量が有限な資源 を 保有す る者 に とって,最
適 な生産 スケ ジュール とはどの よな うな ものか, また価格 はどの よう に決 まるかを,こ
の論文で明 らかに した。その 骨子 は,本古,島性資源の価格 は,短
期 的 には,生
産 コス トと資源保有者の利権料 (ロイヤ リテ ィ ―●―アメリカ あるいはレン トと称する)で
決 まること, また 長期的な資源価格の趨勢は,利
権料が金利に従 うことか ら金利に依存すること,で
ある。これ は,一
般にホテ リングの定理 と呼ばれている。 つまり,本楡暑1生資源の短期的な価格は,次
式 のように示 される。島
=鳥
+几 /1シ
(2.1)
ここで,P′は単位 当た り価格,え
は生産要素 の価格,ら
は単位 当た り利権料である。つ ま り, (2.1)式 は,資
源価格Pγが,単
位 当た り利権量
(II)と限界生産コス ト
(■/(∂y/∂ι))の
和に等 しいということを示 している。
また
,長
期的な価格は
, Pyι=(1+δ
)`r)yO (2.2)
とい う式で示 され る(5)。 (1+δ)は,金
利相 当の 割引率である。 長期的 な価格の趨勢が金利 に依存す るという 結論 は,示
唆 に富んだ合意 を示す と同時 に,理
論的 に も美 しい。 しか し,実
際の価格の動 きを 目の当た りにす ると,こ
の理論 を現実の資源市 ―※― 北西ヨー ロツパ (BP) 1972 1976 1980 1984 1988 1992 1996 2000 図3
主要 国 の涯 青 炭 入着CIF価
格(資料)NatiOnal COal Association,Iπ ″″πα′グοπαι Cοα′,お よびBP‐Amoco,4ππクα′R′υグι″ げ S″燃′′ιs
場 に適用す ることに対 して疑 間を呈す るもの も 多ぃ(6)。 ホテ リングの定理が実際の市場 に適用で きな い最大の理由は
,理
論が前提 とす る「資源量の 有限性」,「埋蔵量が既知である」という点であろ う。その前提があるからこそ,ホ
テ リングの定 理は導出され,理
論的な美 しさを示すのである が,そ
の前提が実際 とは異なるために,価
格の 動きは理論 どお りに運ばない。 我々は,「確認埋蔵量」という値が極めて不確 かで,流動的であることを経験的に知っている。 化石燃料資源の確認埋蔵量は,年
々変化 し,そ
れを生産量で除 したR/P比
(可採年数)も一定 ではない。例えば,石
油のR/P比
は現在 40を 越え,第
一次石油危機当時に言われた「あと30 年」の石油の寿命は,「まだ40年
余 もある」 と なって しまった。このように,価
格決定の理論 化に際 して用いられた埋蔵量の固定化 という前 提が,現
実 とは雌嬬がある。それが,理
論の導 出 した結論 と実際の価格 との間に乖離を生 じさ せているのであろう。2.1.2.供
給 コス ト接近法 そこで,資
源価格の決 まり方について,工
業 製品 と同 じように供給コス トを中心に捉 えてみ ようという方向力斗莫索 される。 また,実
際に開 発されている鉱区や油井に注 目すれば,埋
蔵量 の数値 はより確度の高い ものが利用可能 とな る。その場合には,ホ
テ リングが意図 したよう に,長期限界費用が鉱区の累積生産量の関数(割 引率)と
して捉えることも可能であろう。 こうした接近法 をとるのが石油については,Adelman(7)で
あ り,石
炭 に関 してはZinmer‐man達
である。 たとえば,Zimmemanは
,石炭生産に関する 供給コス トを,炭
鉱の地質的な特 性を取 り入れ てモデル化 した。 このモデルは,経
済的な生産 要素の投入 を重ん じるのではな く,炭
鉱が持つ 技術的・ 地質的な相違が,生
産 コス トを規定す る もの としている。モデルはシンプルであるが, 炭鉱 に経済学的な理論や費用概念 を取 り込み, 生産 コス ト別 に米国の石炭資源分布 を整理 し直 した とい う点か ら,石
炭資源 に関す る経済分析 への貢献が嘱平価 されている(8)。Zimmermanに
よれば,石
炭の総供給 コス ト(a"は
,次
の ように捉 えることがで きる(9)。TC=(a,C,C,・
・・,G″,0) (23)
右辺のQは
生産量,G`は
炭鉱 が持つ地質的 な特 性である。Cに
は,炭
層の厚 さ (T力)や
, 表土の性質,そ
のタイプ,地
形 な ど様 々な要素 が あげ られる。 ただ し,コ
ス ト推計 に重要な影 響 を もた らすのは,炭
層の厚 さ(r力)で
あると す る。 これ を,米
国の炭鉱データに適用 して推 計 された総費用(a動
の関数は次式である。 7じ==3914764+2122480 [O■ 2796(1597.6動1■071)]ε (2.4) εは対数推計 における撹乱項 である。 また,生
産量 は,炭
層の厚 さ(T力)と 切羽 の 数(s:炭
坑夫の稼動場所の数)を 説明変数 とし て,次
の式が求め られている。0=1597.6τ
″.1071sO′915 (2.5)
先 に も述べ たが,Zimmermanの
コス トモデ ルでは,生
産要素の投入変化が,イ鶏1合コス トや 生産量 に及ぼす影響 を明示的に扱 っていない。 この ことは,逆
に,石
炭生産 における供給 コス トは,い
かに多 くを地質的な牛キ1生 (採掘条件) に依存 しているかを物語 るものであるのか もし れない。2.2.定
性的な議論や仮説 十分 に理論化 された とは言 えない まで も,現
実の石炭市場 を分析 した過去の研究成果 には, 名古屋学院大学論集資源 の価格形成 モデル ー 石炭のケースー 多 くの示唆 に富む考 え方がある。 そ うした先行 研究で示 された議論の幾つか を次 にまとめてお きたい。
2.2.1.石
油 との競合 石炭 と石油の競合関係 を重視 した考 えに,石
炭価格の天丼論が ある(10)。 つ まり,熱
量や石炭 デメ リッ トを考慮 したうえで,石
油以上 に石炭 の価格が高 くなれば,需
要 はつかな くな る。 そ のため熱量 当 りでみた石油価格 と等価 となるラ イ ンが,石
炭の天丼価格 とな るとい う考 え方で あ る。 またその際のフロアー価格 は生産 コス ト であ り,両
者の幅の間で需給圧力が価格 を決め る とい うものだ。 さらに,石
油危機以降,一
般炭が石油代替エ ネル ギー として登場 して きたために,石
炭価格 は生産 コス トよりも,原
油価格 に大 きくリンク す るだろ うとい う考 え方 もある。 しか し,こ
れ は石油 との競合 を余 りに も強 く意識 し過 ぎてい ると言わざるを得ない。 なぜ な ら一般炭が石油 と競合す る市場 は,実
の ところ発電用や産業用燃料の一部であ り,そ
れ は石油 に とってみれば燃 料油部分 で しかな い。 この部分 は,石
油製品の全需要の うちの数 割程度 に過 ぎない。 また,将
来的 に石油が輸 送 用 とい う用途 に特 化 され て ゆ くこ とを考 えれ ば,一
般炭が石油価格 に リンクす る必然性 はさ らに小 さ くなる。逆 に,石炭液化油が石油のバ ッ ク・ ス トップ・ テクノロジーであるとすれば, 石油価格 こそが石炭 (厳密 には石炭液化油)の
価格 に依存すべ きであると考 えた方が妥 当か も しれない。 もちろん,石
油価格の変動 に石炭のそれが引 きず られ ることは大 いにある。 しか し,そ
れが 直接的な原因か,間 接的な原因か は不明である。 ここでいう間接的な原因 とは,石
油価格が変化 して引 き起 こされ る石油需要の変化が,石
炭需 給 を変化 させ,そ
れが石炭価格 を変動 させ ると い うプ ロセスである。例 えば,石
油価格が上昇 し,石
油 を消費 していたボイラーが燃料転換 し て石炭 を利用す るようになると,石
炭需要は増 大す る。そのことによって,石
炭市場がタイ ト 化 し,石 炭価格が上昇す るといった事態である。2.2.2.原
料炭 と一般炭の関係 石炭 は,そ
の利用形態か ら原料炭 と一般炭 と に区分 されている。一般炭 はポイラー等の燃料 として用 い られ,原
料炭 は酸イじ失の還元剤であ るコークスの製造原料 として利用 され る。二つ の異なった用途 に供 され る石炭 には,そ
れぞれ 異 なった市場が存在す ると考 えられ る。しか し, これ を供給す る生産者か ら見れば,両
者 は同一 の生産工程 を持 ち,供
給 コス トはそ う大 き く異 な る ものではない。 しか も,原
料炭 に分類 され る弱粘結炭が一般炭 に振替 られ ることが現実に あるこ とを考えれば,供
給サ イ ドの コス ト関数 は,大
きな相違がない と考え られ る。 そ うであるに も拘わ らず,1990年
以前には原 料炭 は高 く,一
般炭 は割安であった。 また,実
際の過去の価格交渉 において も,原
料炭の価格 交渉が需要家である鉄鋼会社 と石炭供給会社間 で先行 し,そ
の決定後 に,一
般炭価格 は原料炭 価格 を参照 しなが ら決 め られて きた。 しか し, 先 に見 た ように,バ
ブル期以降は,熱
量ベース でみ ると一般炭価格が原料炭価格 を上回 るよう になって きている。 こうした,異
なる二つの市場 における石炭価 格の動 きは,市
場 の どんな状況 を意味 してい る のであろうか。これは,次
の ように解釈で きる。 同 じ形状 を持つ供給曲線 に対 して,異
なった位 置 に座 る二つの需要曲線が存在 し,そ
れぞれの 均衡点 に よって価格が決 まってい る,
と考 える のである。 これ を図4を利用 しなが ら解釈 して み よう。Dsc1987
名古屋学院大学論 集Dcc1987 Dcc1995
Scc1987 1995 Ssc1987 Scc1995 Sss1 995 価 格 あ ﹀ ︲ ε .α α P P P POα
Oら
0グ
Oε図
4
原料炭 と一般炭の市場 ここで,バ
ブル期以前にける原料炭の供給曲 線 をScc 1987,一
般炭のそれ を Ssc 1987と す る。両者 は類似の形状 を持つため,同
じ曲線で 示 して い る。一 方,原
料 炭 の 需 要 曲 線 は Dcc 1987,一 般炭のそれはDsc 1987である。需 給均衡点は原料炭が ら,一
般炭 は αである。両 者の価格差 は明確 で,原料炭価格 はPろ,一般炭 価格 は2α となる。 一方,バ
ブル期以降,両
者の価格が逆転す る の は,新
たな均衡点が ″ と θに移動す るこ と で,実
現す る。時間経過 とともに供給曲線,需
要 曲線 ともに右側 にシフ トしている。 ただ し, 需要 曲線の シフ トの大 きさは,一
般炭 のそれが 原料炭のそれ よりも格段 に大 きい。 この結果, 原料炭価格 は2グ,一
般炭価格 はPθ とな り,一
般炭価格力漕ll高になる。 この ように考 えてみると,供
給構造が同 じで あるに もかかわ らず,二
つの石炭価格の動 きが 異 な る理 由が,よ り明確 になる。いずれに しろ, 両者の価格の違 いは,供
給構造の違い とい うよ りは,需
要側 の要因によって生 じていると考 え られ る。2.2.3.石
炭価格変動の要因 定性的な分析であるものの,三
室戸は次のよ うな変数が石炭価格に影響を及ぼ していると論 じている(H)。 それ ら変数は,①
豪州 ドルの為替 レー ト,②
輸出向け石炭在庫,③
生産性,④
米 国炭輸出,⑤
石油価格,⑥
非常事態,⑦
資源の 本古!島である。 また,そ
れぞれの変数が もたらす 価格変化 との関係は,表
1の ようにまとめられ ている。 これによれば,石
炭価格を上昇 させ る要因 と して,豪
州 ドルの為替高,在
庫水準の減少,非
常事態,資
源枯渇 (採掘条件の悪化によるコス ト増)が
ある。 また,逆
に価格低下をもたらす 要因としては,豪
州 ドルの為替安,在
庫の増大, 生産性 (その上昇・下降 ともに石炭価格の低下 をもたらす としている(12)),米国石炭輸出の増 大,石
油価格の低下,な
どである。 この定性的な整理は幾つかの点でさらに議論 を詰める必要があろう。例えば,生産性の上昇・ 下降 ともに石炭価格 を下げる要因であるという 結論は,に わかに納得 し難い。また,「非常事態」 の説明に従えば,非
常事態に石炭価格が士^昇す るのは「石炭需給の逼迫」が原因であるという ヽ ヽ ヽ ヽ資源の価格形成 モデル ー 石炭のケースー 表
1
三室戸 に よる石炭価格 の変動要 因 とその関係 変動要 因 要 因の変化 方向 石炭価格 の動 き 豪州為替 レー ト 豪州 ドルが安 くな る 豪州 ドル が高 くな る 下が る 上 が る 輸 出向 け石炭在庫 在庫が増 加す る 在庫が減 少す る 下が る 上 が る 生産性 上昇 す る 低 下す る: 個 別炭鉱 の生産性 の低 下 は市場 か ら の撤退 を意味 し,そ
れが全体 の生産 性 の上昇 につ なが る。す なわち価格 の下 げ要 因 にな る可能性 が高 い。 下 が る 下 が る 米 国炭輸 出 増 え る 下が る 天丼価格 :40US$/ト ン 石油価格 低 下す る 下が る 上 限比率:75%
非 常事態 中東情勢悪化,原
子力事故な どに起 因す る石炭受給の逼迫 上 が る 資源 の枯渇 長期 的問題 と しての立地 条件,採
掘 条件悪化 に よるコス ト増加 上 が る (出所)三
室戸 (1999),p.52 のだが,そ
うであれば,こ
れ は「需給逼迫」 と い う市場環境 その ものであ り,そ
れは非常事態 に限 らない。つ まり,「非常事態」を背景 とした 仮需 に よる市場 の動 きその ものである。 市場 に供給があふれグラッ ドな状態であるた め に価格 は低下 し,逆
に需要が旺盛でタイ ト化 してい るため に価格が高騰す る,
といった動 き は 日常の動 きである。こうした要素は,「市場環 境」 に与 える供給サ イ ドの要因,需
要サ イ ドの 要 因 として レベル を換 えて整理す る必要が ある だろう。2.2.4.供
給サ イ ドの分析 さらに,石
炭輸 出国か らは,1990年
代 の石炭 価格 の低下傾 向 を,規
制緩和 と競争原理の積極 的 な導入による影響の現れであると認識 されて いる。 主要な石炭輸 出国であるオース トラ リアでの 研究成果 によれば,次
の ような解釈 になる(13)。 オース トラ リア国内お よび他の石炭輸 出国 と の競争が,石
炭価格の低下圧力 として機能 して きた。国内では,①
「マイクロ・エコノミック・ リフォーム :Micro Economic Reform」 と称 される様々な分野で競争政策が採用 されると同 時に,②
生産性向上 に支障をきた してきた最大 要因であった労働争議の早期解決策が導入され てきた。 また,③
鉄道を中心 とした国内輸送の 合理イし なども進め られている。それ らが,国
内石炭ユーザーか らの価格低下圧力 として働 き,石
炭供給コス トの低下を余儀な くさせた, といっのだ。 また,国
際石炭市場の成熟化 に伴 い,ア
ジア 市場 においてはイン ドネシアや中国 といった低名古屋学 院大学論集 価格で石炭輸 出 を行 う新興供給国が登場 して き た。 こうした新興国による石炭供給が
,国
際石 炭市場 を軟化 させ て きた原因 としている。 一方,海
外の石炭ユーザーの動向 も石炭価格 に大 きな変化をもたらしている。それ らは,①
各国,
とりわけ日本の電気事業の規制緩和,②
石炭利用に関する技術革新,で
ある。電気事業 の規制緩和は,一
般炭の代表的ユーザーである 電気事業者にコス ト引き下げ圧力をもたらし, 従来以上にタフな価格交渉 を強いている。また, 日本の石炭バ イヤー達 は,長
期契約 を捨 てス ポッ ト市場での調達比率を上げる傾向を示す と ともに,長
期契約の値決め交渉においては,カ
ルテル もどきの行為す らあると指摘 される(14)。 さらに,石
炭焚 きボイラーの技術革新は,炭
種 を選ばぬ石炭燃焼 を可能にした。それが,石
炭の品質格差による価格ディファレンシャルを 相対的に小 さな もの とし,全
般的な価格低下の 要因 となっている。 3。 実証石 炭 価格 モデルの検 討 これまでの議論 を踏 まえて,こ
こでは,現
実 に適用で きそうな実証石炭価格モデル を検討 し てみたい。本モデル は,第
1章
で触れた実際の データを用 い,同
時 に第2章
で紹介 した幾つか の理論や議論のエ ッセ ンスを方程式体系 として 表現 す る。なお,推
計 に用 いたデータの一覧 は, 本論末のAppendixに
示 した。 3。1.生
産関数の考 え方 石炭の生産関数は,ホ
テ リングに従 って次の ように捉 えてみ る(15)。y=y(R,二 ) (3.1)
石炭の生産量(y)は
,埋
蔵量Rと
生産要素 ι との関数である。Lは
資本や労働 な どを総称 して示 しているもの とす る。 また,石
炭の開発 企業 は,鉱
区保有者 に利権料 (ロイヤ リテ ィ) を支払わな くてはな らない としよう。そ して, 資源 開発の純利益 を 〃 とし,単
位 当た り販売 価格 をPy,生産要素の価格 を 几 ,単 位 当た り利 権量 を ら とす ると,利
潤 は次式で示 され る。 〃=P/7(R,ι
)―Pιι―P27(R,L)
(3.2) つ まり,利
潤 (″)は
,販
売 価格 (P′)に
販 売量(7:生
産量)を
乗 じた収 入か ら,生
産要 素 に関わる費用 (■工)と
利権料費用 (鳥n
を差 し引いた ものである。開発会社力滞1潤最大 化 を狙 うとして,(3.2)式
を ι で微分す ると, (3.3)式 となる。 n″ 分y∂
ι
=(P/―
鳥
)もき
‐
―え
=0 (3.3)
これ を整理す ると,3=(島
f等「
+2)/響
讐―
=ら
十
え
/子
(3.4) となる。 つ ま り,ホ
テ リングが提 示 した短期的な価格 決定 と同 じ式が (3.4)で得 られ る。 ここでは, 取 り立 てて,資 源の枯渇制約 を考慮 しな くて も,石炭価格は
,①
限界生産コス トと②資源のレン
トという二つの要素で決定されるという式が求
められることに注意 したい。
3。2.市
場価格変動の要因 さらに,価
格変動 には,先
に触れた議論 に も あるように,様 々な要素が影響 を及ぼ している。 とりわけ,短
期的 な市場環境 を表現 しているで あろ う変数 (在庫や競合燃料 である原油価格) の動 きは,重
要 な要素 になると考 え られ る。 ま ずは,石
炭価格 とこれに影響 を及ぼ しそ うな幾 つかの要因について,実
績 データか ら両者の関資源 の価格形成 モデル ー 石炭のケースー
係を検証 してみる。
具体的 には
,オ
ース トラ リアの石炭平均
FOB価
格 と
,①
豪州
GDPデ
フレータ
,②
石炭
可採年数
,③
炭鉱労働者の生産性
,④
原油価格
,⑤在庫率
,⑥為替レー トといった要素について
, 1976年∼
1998年のデータを用いて
,そ
の相関
係数をみた。①∼③および⑥は
,ど
ちらかと言
えば
,イ共給条件を
,④
∼⑤は需要サイドを合め
た市場環境を示す変数である。その結果は次の
ように要約される
(表2参
照
)。 ①豪州GDPデ
フレータ 石炭(平均)FOB価
格がGDPデ
フレータと 高いプラスの相関(相関係数:+0.8)が
あるこ とは,石
炭価格にオース トラリア国内の供給コ ス トが強 く反映 していることを意味 している。 オース トラリアのインフレは,1980年
代が年率7.5%,90年
代のそれは同1.5%で
ある。 ②可採年数(R/P比
) 石炭価格に対 して,可
採年数は負の相関を持 つ (相関係数:-0.6)。 これは,理
論 と整合的 (注)a
b C d e f g 表2
価格 変動要 因の相 関係 数 原料炭 。一般炭の加重平均FOB価
格で,豪
州 ドル表示。 涯青炭・亜涯青炭の可採埋蔵量/生産量。褐炭 を除 く。 石炭(褐炭除 き)生産量/炭鉱従業者数。( )内
は,石
炭FOB価
格 を実質化 した値 と 相関 をとった場合の係数。 豪州 ドル表示の原油価格。 当期末在庫/生産量の割合。 豪州 ドル/米 国 ドル (対米 1ド ル あた りの豪州 ドルの価値)。 推計 には1976∼1998年データを用いた。 豪州石炭 FOBイ 面権,a 豪州GDP
デフ レータ 石炭可採 年数b 炭鉱労働者 の生産性C 原油価格 d 在庫率e 為替 レー ト 豪 州 石 炭 FOBイ 価格 1.000 0.801 -0.620 0.559 (-0.907) 0.487 -0.495 0.848 豪 州GDP
デフ レー タ 0.801 1.000 -0.654 0.915 0.271 -0.857 0.859 石炭可採年 数 -0.620 -0.654 1.000 -0.669 -0.175 0.572 -0.869 炭鉱労働者 の生産性 0.559 (-0.907) 0.915 -0.669 1.000 0.151 -0.908 0.791 原油価格 0.487 0.271 -0.175 0.151 1.000 0.145 0.326 在庫率 -0.495 -0.857 0 572 -0.908 0.145 1.000 -0.681 為替 レー ト 0.848 0.859 -0.869 0.791 0.326 -0.681 1.000 豪州炭価格 に対す る各 要 因の読 み 方 国内物価が 上 昇 す れ ば,石
炭価 格 は上昇す る。 可採年数が 拡 大 す れ ば,石
炭価 格 は低 下す る。 生産性 の上 昇 は名 目価 格 と正の相 関だが,実
質イ面オ各とは 強 い逆相 関 を示す。 原ネ由イ面格が 上昇すれば 石炭価格 も 上昇す る。 在庫が多け れば,石
炭 価格 は低下 に向か う。 豪ナト│ドルが 安 ければ, 豪州 ドル表 示の石炭価 格 は高 くな る。である。つ まり
,資
源の希少性が認識 されれば され るほど,資
源の持つ市場価値 は高 まること になるか らだ。オース トラ リアの涯青炭 (亜涯 青炭 を含む)の 可採年数は,1999年
で約250年
である。 この値 の ピークは1980年で400年
を 越 えていた。埋蔵量 はその後 も拡大 しているも のの,生
産量増大のス ピー ドがそれを上回って いる。 実際 に石炭 ビジネス に関わ る人間達 に よっ て,可
採年数の400年
と250年
の違 いが厳密に 言刊面されているか とい う点 については,大
いに 疑 間である。 しか し,こ
れは可採年数力測ヽさ く な るにつれて,採
掘条件が悪 く,コ
ス トが嵩む 炭層か らの石炭供給が拡大 していることを示す 代理変数であると考 えば,理
に適 う。 ③炭鉱労働者の生産性 石炭産業の労働生産性 と名 目の石炭価格 に は,正
の相関が得 られた (相関係数 :+0.56)。 これ を文字通 り解釈すれば,労
働生産性が上 が れば石炭価格 は上昇す るということにな り,理
論や感覚,さらには三室戸の議論 とも矛盾す る。 そこで,こ
の名 目価格 をGDPデ
フ レータで除 して実質価格表示の石炭価格 との相関をとると 強 い逆相 関 (相関係 数:-0.91)が
確 認 され た(16)。 この結果 は次の ように解釈すべ きであろ つ。 費用関数 を念頭 に置けば,財
の価格 は物理的 な生産性だけに依存す るのではな く,単
位 当た り生産 コス ト(賃金や インフ レな ど)に
も依存 す る。 また,生
産要素は労働だけで もない。そ れゆえ,一
人当た りの産出量 は増加 して も,要
素価格 が上昇 していた り,労
働以外の生産要素 の投入が膨張 していれば,供
給 コス トは増大 し て しまう。つ ま り,価
格変動 と生産性 を結びつ けて議論す るためには,単
純 な労働生産性だけ でな く,単
位 あた り生産要素の コス トや資本投 入 も加味 した上で指標 を作 る必要がある,
とい うことであろう。 ちなみに,石
炭従業者は 1985年 にピークの 32,500人 を数えたが,現
在では 22,000人 程度 である。 ④原油価格 石炭価格 と原油価格 とは正の相関 を示 した (相関係数:+0.49)。 オース トラ リアの石炭 輸出が原料炭に特化 している状況下であれば, 石炭価格が原油のそれ とリンクする程度は小さ いであろう。 しか し,オ
ース トラリアの石炭輸 出において,一
般炭 と原料炭のそれはほぼ同量 にまでなってきている。そのため,石
炭価格が その競合燃料である石油価格に影響 を受けるこ とは必至である。 ⑤在 庫 率 市場 に在庫が豊富 にあれば市況は軟化す る し,逆
はまた逆である。石炭価格 と在庫率 との 関係においても,そ
れを反映する相関が見 られ た。石炭価格 と在庫率の相関係数は,マ
イナス0.5で
ある。 ⑥為替 レー ト 豪州 ドル と石炭価格 とは,プ
ラスの強い相関 がある(相関係数:+0.85)。 豪州 ドルの言刊面が 下がれば(豪州 ドル安),豪
州 ドルベースの石炭 価格が上昇するということだ。これは,世
界市 場 にお け る石 炭価格 はUSド
ル ベース で決 まっているため,仮
に米 ドルベースで石炭価格 が安 くなって も,豪
ドル安の状況下では,豪
州 石炭生産者の手取 り収入は減少 しないことを意 味 している。3.3.石
炭価格 モデルの構築 上 で述べて きた生産関数 (供給要因)お
よび 価格変動要因 (市場環境)を
組み合わせ て,次
の ような石炭価格 モデル を検討 してみ よう。 名古屋学院大学論集資源 の価格形 成 モデル ー 石炭のケースー
3.3.1.モ
デルの概念 ①石炭平均FOB価
格 2ει=/(Pι /(γ/ι),PP,P。れ,S) (3.5)
上式は,石
炭平均価格(Rα)が
,供
給コス ト で あ る生産費 (Pι/(y/ι
))と
資源 レン ト(R),お
よび競合燃料である原油価格(られ), そ して在庫率(S)の関数 としたものである。前 項で議論 したように,物
理的な生産性(y/L)
と価格(2cι)とには正の相関があ り,論
理矛盾 を引 き起 こしていた。 しか し,生
産性 に生産要 素価格 (■)を
乗 じた変数 と石炭価格 との間に 正の相関が保たれていれば,こ
の矛盾は解消で きる。 また,為
替 レー トと石炭価格 との相関は 大 きかったものの,両
者の因果関係 を論理的に 示すことは難 しい。それゆえ,為
替 レー トは説 明変数から除外 した。 ②一般炭FOB価
格 上の (3.5)式で示 した2αは,一
般炭 と原料 炭を加重平均 した石炭のFOB価
格である。一 般炭の価格 (Psc)は,こ
の平均価格 を指標 とし なが ら,か
つ原料炭以上に石油価格の影響 を受 け易いと考えられるため,次
のような関数型を 用いる。Rc=/(鳥
ι
,鳥π
) (3.6)
③原料炭
FOB価
格
さら
│こ,原料炭イ
面格
(flcc)は ,ラ
百方
是丹ニ
ユ
句イ
面オ
各
と一般炭 との価格が決定まれば, 自動的に求め
るこ とがで きる。生産者 に とっては,総
収入(石 炭平均価格 ×石炭販売量計)か
ら一般炭価格 に よる収入 (一般炭価格 ×一般炭販売量)を
除い た収入が,原
料炭販売 による収入である。それ ゆえ,こ
の原料炭販売 による収入を,原
料炭の 販売量で除す こ とに よって価格 が決 まる。島ε
=/
(一般炭 と原料炭の合計),一般炭販売量,原
料 炭販売量である。3.3.2.推
計 された価格式 以上 の3つ
の関数型 を基礎 と して,実
際 の データ を用 いて最 小 二乗法 に よる推 計 を行 う と,次
の ような式が得 られた。データ制約か ら, 幾つかの変数 には代理的なデータを採用せ ざる を得なかったが,お
よそ当初の意図 を反映 した もの となってい る。①石炭平均
FOB価
格
石炭平均
(一般炭 と原料炭の加重平均価格
)の
FOB価
格については
,次
の式が得られた。
豪州炭平均
FOB価
格
(AS/トン
)二十
42.7+1,969.9×(GDPデ
フレータ
/ (5.99)(4.36) (生産量
/従業者数
)}-0.05×
(可採年数
) (-3.53)+0.29×
原油イ
面格
(As/バレル
) (2.91) -80.25× (在庫率) (3.8)
(-5.75) 推 計期 間 :1976∼ 1998年AR2:0.8575
標 準 誤差:2.687 DW比
:1.713 注:( )内
はt値を示 す。以 下 同 じ。 上 の (3.8)式 は線 型 で推 計 して い るが, これ を両辺 と も対 数 で推 計 す る と次 の (3.9)式 が得 られ る。 この式 の説 明変数 に与 え られ た係 数 の 大 きさは,各
変数が左辺の価格変化 に及ぼす弾 力性 を示 している。 そのため,説
明変数が もつ 係数 を比較す るこ とによって,石
炭の価格変化 に及ぼす各要因の影響度合いを知 ることがで き る。) (3.7)
Q“ここで
,ocι,Qε
,Q∝
は
,順
に石炭販売量
名古屋学院大学論集
LOG(3美
ナ
│ヽ1炭平均
FOB価
オ
各
)=+8.60+0.77 LOG{GDPデ
フレータ
/ (8.81)(4.39) (生産量
/従業者数
))- 0.37 LOG(可
採年数
) (-3.54)+0.09 LOG(原
油価本各) (1.80)- 0.20 LOG(在
庫率) (3.9)
(-5.10) 推計期間 :1976∼ 1998年AR2:0.8512
標準誤差:0.059 DW比
:1.561 説明変数に与 えられた係数 を読む と,次
の よ うにな る。生産 コス トの1%の
上昇 は,石
炭価 格 を0.77%上
昇 させ,原 油価格の1%の
イ直上が りが石炭価格 を0.09%高
くす る。逆 に,可
採年 数の1%の
拡大 は石炭価格 を0.37%低
下 させ, 在庫率の1%上
昇 は0.2%の
価格低下 を もた ら す。言 うまで もな く,説
明変数が変化す る振幅 の大 きさは個 々の変数によって異なるために, 単純 に同率変化 (こ こでは1%と
した)に
よる 相対的上辟交は,現
実的な ものではない。そのた め,実
際の説明変数の変化が,
どれほど石炭価 格 を変化 させ たかは,後
述 の要因分析の項で示 している。 ②一般炭FOB価
格 推計 された一般炭価格式は,次
である。 豪州一般炭FOB価
格 (As/ト ン)=-21.8+1.23×
豪州炭平均FOB
(-3.96)(9.66)
価格
+0.19×
原油価格
(A$/バレル
) (1.50) (3.10) 推 計 期 間 :1976∼ 1998年AR2:0.8687
標 準 誤差:3.662 DWlヒ
:o.897③原料炭
FOB価
格
そして
,残
る原料炭価格の推計式は
,以
下の
ようになった。
豪州原米
斗炭
FOB価
格
(As/トン
)=+0.83+0.97
×
((石炭輸出収入
(■06)(61.52)
一一般炭輸出収入
)/原料炭輸出量
}) (3.11) 推計期間 :1972∼ 1999年AR2:0.9929
標準誤差:1.242 DW比
:0.640 3.3。3.価
格変化の要因分析 前述の ように,右
辺の各説明変数が1%変
化 した とき,左
辺の石炭価格が どの程度変化す る かは,(3.9)式
の係数 を見 ることによって知 る こ とがで きた。それでは,過
去 の石炭価格の変 化 は,実
際の ところ,
どの要因が どの程度影響 を及ぼ して形成されたものであろうか。これを 計測するためには,前
述の推計式を道具 として 用いればよい。豪州の石炭平均FOB価
格 に関 して,そ
れを行った結果を図 5に 示 した。1999年
の 豪 州 石 炭 平 均FOB価
格 は, A$46.7/ト ンで あ り,こ
れ は 1980年 の価 格 A$40.4/ト ンに比べてA$6.3ほ
ど高い。この 価格変化 をもたらした1直上げ要因には「資源 レ ン ト(可採年数)」十A$8.4(133%),「
市場の需 給環境 (在庫率)」十AS8.8(138%)の
二つが大 きく寄与 してお り,「原油価格」は,わ
ずか十AsO.3(4%)の
寄与 となっている。一方,値
下 げ要 因 に は「生 産 コス ト」の一As10.2(―
161%)が
最大の要因であり,「その他」が一AsO.
9(14%)寄
与 している。 また,1980年
代以降の要因別の動 きをみ る と,次
のような特徴が確 認できる。 第一に,1990年
代以降,生
産 コス トの低下が イ凶続的に価格引下げの大 きな要因になっている ことである。これは,先
に触れたオース トラリ アの研究者達の分析結果 と整合的である。 第二に,「資源 レン ト」と「市場の需給環境」 は,1985年
以降,両
者 ともに価格上昇の要因で口生産コスト
Z資
源 レントロ原 油価 格
□市場 の需給
口その他
石炭 平均
FOB価
格(右軸⇒)資源 の価格形成 モデル ー 石炭のケースー
要因の AS/トン) 石炭
FOB価
格(単位:AS/トン)30 20 10 ‐10 -20 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 図
5
石炭価格 変化 の要 因分析 (注)要
因分析 に用いた式は,前
掲の (3.8)式。 「市場の需給」は「在庫率」を示 し,「その他」は,各
要因で説明 しきれない「残差」を計上 した。 棒 グラフは,1980年の実績価格 (AS40/ト ン)に
対 して,各
年の実績価格 との差 を説明する要因の大 きさ。 70 60 50 40 30 20 ある。「資源 レン ト」の具体的なデータは可採年 数であ り,「 市場の需給環境」のそれは在庫率で あ る。両者の傾向 を見 る限 り,将
来 に渡 りこれ ら要素が価格の上昇圧力 となるに違いない。 そ して,第
二 には原油価格の影響力薄壁微 なこ とである。確 かに,原
油価格 と石炭価格の相 関 は確認 された。また,過去20年
間 を振 り返れば, 原油価格 は安値安定で推移 して きている。 さら に, この期間は,原
油価格が米 ドルベースで大 幅 に低下 していた として も,豪
ドル価値が低 下 していた分だけ,豪
ドルベースの原油価格の低 下 はマ イル ドな もの になっていた。 しか し,そ
う した事情 を考慮 した として も,原
油価格 の影 響 は相 関係数が示す ほ ど大 きなイ ンパ ク トは無 か った し,我
々が感覚的に捕 らえるイメージほ ど大 きな ものではなかった,とい うことである。 それゆえ,石
炭価格の変化 に及ぼす重要な要 素は,①
生産 コス ト,②
資源 レン ト,③
市場の 需給環境,といった3変
数であると要約で きる。このメッセージは重要である。なぜなら
,①
と
②は理論分析でも登場 した供給関数の主変数で
あるし
,③
は需要 と供給が出会う市場環境を反
映 した変数である。そのため
,供
給コス トがど
うなっているか
,短
期的な需給バランスはどう
か, といった側面を中心に提えておけば
,先
々
の価格を読み誤ることは少ない, ということを
示 しているからである。
お わ り に 本稿 は,これ までの石炭価格の動向を整理 し, 既存の価格形成 に関す る理論や見解 を整理す る と同時 に,新
たに実証的な石炭価格モデル を提 示 した。本論文 を通 じて,得
られた主た る結論 は以下である。 ① 石炭価格は,世
界的な規制緩和を背景 と した一般炭貿易の拡大によって,徐
々に一 物一価に向かいつつある。名古屋学院大学論集 ② 石炭価格の変動やその背景 を見ると
,石
炭の価格形成には,明
らかに石油のそれ と は異なった需給構造が影響 している。 ③ 石炭価格の決定において,市
場の需給環 境 を反映 した変数を織 り込めば,既
存の資 源価格決定の理論が,現
実的にも適用可能 である。 ④ 石油価格の動向は石炭価格に影響 を及ぼ す ものの,1980年
代以降の実証分析では, その影響はそれほど大 きくない。 ⑤ 石炭の価格形成には, 1)生
産 コス ト,2)資
源 レン ト, 3)市
場の需給環境,の
3要
素が重要な役割 を果たしている。 また,重
要な問題であると認識 しなが らも, 本稿では扱 うことができなかった分析項 目に次 のようなものがある。第一に,需
要家サイ ドか ら見た石炭利用の経済 性,第
二に,世
界を3極
に分割 した際の各市場における実際の石炭価格 や経済性に関する分析,第
二に,石
炭の供給関 数その ものの推計である。こうした問題は今後 の課題 としたい。 圧 (1)原料炭に関 しては,鉄鉱石 と同様に日本の鉄鋼会 社 を中心 としてオース トラ リアで開発輸入―長期契 約 という形態で導入が進め られた経緯がある。 この 形式が双方にメ リットをもたらした, という見方 も ある。小島清 (1981) (2)原料炭の熱量 を 7,700 kca1/kg,一 般炭のそれを 6,200 kca1/kgと すると,1ト ンあた りの原料炭価 格が一般炭価格 に比べて約25%高くて も熱量 あた りの価格では両者はほぼ同 じ価格 となる。 (3)世界的な鉄鋼不況 を背景 に, 日本 を合めOECD
ベースで設備廃棄を含めた各国の生産調整が検討さ れている (2001年 12月 19日付け『日本経済新聞』 夕刊)。 これは,一方で多分野に波 り競争を促進 させ るための規制緩和策を進めなが ら,他方,夕帰岡業に ついては先進国間の国際カルテルを公然 と志向する という政策矛盾 としか言いようのない行為である。 (4)Hoteling(1931) (5)長期的な価格趨勢の求め方は,室田(1984),Grif― fin and Steel(1988)や Conrad(1999)な ど。それぞれ接近法は異なるが,ホテ リングと同 じ結論を 導いている。 (6)例え│よ Adelman(1993)な ど。 (7)Adelman(1993)。 (8)Harris(1993), p1046
(9)Zimmerman(1981)お
よびHarris(1993)00感
覚論 としてこう した議論 は受け入れ易い もの の,これが通説 として流布 されるのは一般炭が国際 貿易上で広 く流通 され るようになった 1980年 代以 降のことである。日本エネルギー経済研究所(1986) などを参照。 (H)三室戸 (1999) (1, 生産性の上昇‐・下降が ともに石炭価格 を低下させ るというのは,論
理矛盾であるが,ここでは原典の まま引用 した。 (10 Productivity Commission(1998) (10 日本の石炭購入に関する多国籍企業(鉄鋼や商社) が,オース トラリア炭の過剰生産を促進 させ,購
入 においてもカルテル行為があったのではないか, と いう疑 いが もたれている。建設・林業・鉱業・工不 ルギー組合 (The Construction,Forestry,Miningand Energy Union(CF:MEU))は, それがオー
ス トラリア炭の価格低下をもたらしたとして,連邦
政府のオース トラ リア競争・消費者委員会 (Aus‐
tralian Competition and(1)onsurner COrnrnis_
sion(ACCC))に調査 と法的措置を講するよう求め ている。Murphy(2001) (1' 式の展開は,斎藤 (1979)に 拠 った。 (10 ただ し,実質価格で他の変数 との相関をみると, 生産性以外の変数に対する相関係数の符号がすべて 正を示 した。後述のモデル化 との関係か ら,ここで は生産性の変数に工大 を加えることで処理 し
,理
論 と整合性を保つように心がけた。資源の価格形成 モデル ー 石炭 のケースー
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育社名古屋学院大学論集
Appendix
推計 に用 いたデー ター覧言己号 PCLFOBAD PASCFOBAD PttЮ
BAI)POILUD EXRAU P CLPRA CCEXA SCEXA CLRES CLINVA LIVINT
変数名 石炭平均価格一般石炭価格原料炭価格 原油価格 為替レートGDPデフレータ石炭生産量 原料炭輸出量一般炭輸出量 石炭埋蔵量 石炭在庫 従業者数 単位 ЮB,As/t FOB,AS′t FOB,AS/t CIF,UWb ASUSS 1995-100 千 トン
千 トン 千 トン 百万 トン 千 トン 千人
1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 27.28 34.49 38 78 38.87 39.47 40.42 42.23 49.14 51.93 46.78 55.16 58.69 54.37 49 86 53.56 55.73 54 62 55.27 56 41 53.20 56.21 54.03 52.64 54.26 46.74 49.26 26.70 23 90 23.52 22.76 27 97 36.11 42.23 46.61 45.49 40.17 44 84 49 84 48.59 45.95 51 48 53.16 51.56 51.91 52.00 50.90 54.72 51.42 47 67 47.48 42.13 27.29 34.59 39 03 39.32 39.91 41.01 42.22 49.77 53.68 49.19 59.79 62.54 57.47 52.23 54.85 57 38 56 65 57.59 59.49 54.98 57.56 56.50 57.36 61.29 51.17 11.92 12.53 13.41 13.81 20.99 31.81 36.32 34.79 30 75 29 28 27.70 17.16 17.02 15.61 17.13 21.55 19.82 19.17 17 39 17 14 18 01 20.85 19.48 14.30 18 68 26 44 0.76 0 82 0.90 0.87 0 89 0.88 0.87 0.99 1.11 1.14 1.43 1.50 1.43 1.28 1.26 1 28 1,28 1.36 1.47 1.37 1 35 1 28 1 35 1.59 1.55 1.72 27 53 31.10 34.12 36.41 40.24 44.52 48.85 54.17 58.96 62.65 65.96 69.93 75.53 82.15 87 78 91.94 94.37 95.86 97.29 98.04 100.00 101.94 103.17 103.25 104.04 107.12 66,666 66,670 71,462 72,304 80,380 82,336 93,488 98,315 108,925 119,929 133,498 135,327 144,883 145,450 152,009 161,205 171,505 173,969 181,916 186,437 191,268 204,838 209,101 227,558 238,237 30,443 30,533 32,738 34,889 35,056 36,767 37,813 40,736 44,626 46,445 50,136 52,301 52,877 55,690 56,529 60,647 62,521 69,911 69,867 74,367 74,353 79,172 80,254 88,083 92.441 3,455 3,636 4,087 5,647 7,803 8,390 13,679 16,102 25,046 31,759 39,621 43,742 44,789 44,745 46,577 48,780 53,896 56,057 58,855 59,861 61,498 67,847 73,300 76,400 79.190 21,710 23,804 25,897 28,454 31,011 33,568 36,124 38,681 41,238 38,620 36,002 33,384 38,779 44,174 49,569 53,281 56,994 60,707 60,318 59,928 59,539 60,009 60,009 60,009 60,009 60.009 10,615 12,112 13,939 11,617 13,567 14,540 19,038 22,802 23,076 24,203 25,571 20,573 21,440 18,654 17,558 18,857 21,911 17,282 17,044 13,709 12,886 12,287 7,850 10,544 16,031 26.3 26.3 26 9 26.9 27.6 30.8 31.3 30.3 30 6 31.9 32.5 29.2 28.0 29 3 29.6 28.6 27.4 26.5 25 5 25 8 26.2 23.8 25.6 22.3 備 考 b c d g h くデータ出所 お よびデータ加工 に関す る注〉
a
石炭平均FOB価格 は,National Coal Association,I滋 物α励″α′0″ を用いた。ただ し,オリジナルは ShOrt tOn表 示であるため,Long tOn表示 に加工 した。原料炭 と一般炭のFOB価格 は,石炭平均のFOB価格 と日本着CIF価格 とを比較 し,価格差 を船
賃十保険料 とした上で,炭種別の 日本着CIF価格か ら逆算 した。
b
原油価格は,財務省F貿易統計月表』による日本着の原油価格。C 為替 レー トは,IMF,IFS(′″″″″″ο″α′F′πα″ση′S″″s″s)による。
d GDPデ
フレータは,IMF,IFSか ら推計。e
石炭生産量,輸 出量は Joint Coal Board,4む`4α
滋 助 ″ εοα′S″軌構 を優先 したが,一 部ABAREデータで補完 した。ABARE,
ス 俗 ′″ ′滋πE″´智y‐〃 αZ滋′D´ υ′′οり″ ο″お α″″P´οノ′´″ο″sめ2θI`― ヱ5。
f 石 炭 埋 蔵 量 はWECが 発 表 して い る 資 源 調 査 報 告 を基 礎 と し,「涯 青 炭・亜 渥 青 炭 」 を計 上 した 。 報 告 の 無 い 年 に つ い て は 等 差 補 完 し, ま た 最 新 年 に つ い て は BP‐Amoco統計 で つ な げ た 。
g
石炭在庫は,1960年の在庫を年間生産量の 1か 月分 と仮定 し,後年は{生産―(国内消費+輸出)}を在庫変動分 として累積計算 した。
h
従業者の数は,Joint Coal Board資 料 をオ リジナル とし,Productivity COmmissiOn,T力 ′4な′″′′●″β″″COα′′″滋″η RψO″ のデータを用いた。ただ し,1980年以前 と1998年 以降は,OECD,ιαbογ Eογ`′