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認知的再評価と感情表出がストレスに及ぼす影響―トラウマティック・ストレスとデイリー・ストレスの観点から―

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Academic year: 2021

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− 1 − 認知的再副司面と感情表出がストレスに及ぼす影響 ートラウマティック・ストレスとデイリー・ストレスの観県から一 人間教育専攻 人間形成コース 大 森 由 貴 キーグ

-F.

・認知的持病伍嘉昭菅表f/j,スメレス はじめに 現代はストレス柾会」と摘間食されるほど, さまざまなことからストレスを感じる。日本は, ストレスを原因とした自殺者やうつ病患者は先 進国の中でもトップに位置している。日本財団 は 2016年に全国約

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万人を対象に自殺意識調 査の結果を発表した。本気で自殺したいと考え たことがあると答えた人は全体の

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.4%にも のぼった。今や,若い世代の人々の精神的健康 において,ストレスとどう向き合うのかが大き な課題となっている。そこで本研究では,大学 生および大学院生を対象にし,様々な先行研 究 (e.g.,Gross& Jo

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2003;榊原・北原, 2016) において,健康・適応的であるとされる感情 制御のうち認知的再評価と感情表出に着目 し,検討することとした。 まず,認知的再音判面はネガティブ感情の低 減に極めて有効な方略であることが示され ている (e.g.,Gold

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Mcrae, Ramel, & Gross, 2008;出

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& Co巾%2009)。一方で,感 情表出も数多くの研究で適応的な面が示さ れ て い る (e.g.,Rime, Philippo

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& M郎qmむし 1992;佐々木・山崎, 2000; S凶加>11,

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Camero

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& Danoff -B

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2000)。本専問 では,ストレスの強度に着目し,ここ

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日のストレスをデイリー・ストレス,中学・ 高校時代を想起して最も強かったストレス 指導教員 山 崎 勝 之 をトラウマティック・ストレスと分けて検討 することとした。その理由として,強度の強 いトラウマティック・ストレスも強度の弱し1 デイリー・ストレスもどちらも違った面で、不 適応的な面が指摘されており (Chamberlain,

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1990; Holmes & Masu

1974;

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DeLongis, Folkm

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& Gruen, 1985),認知的再 評価と感情表出の違った効果をみることが できると考えたからである。そこで,この

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つのストレスに対し,認知的再評価と感情表 出がどのような影響を及ぼしているのか検 討することとした。 方法 調査協力者 T県下の大学全 2校で,対象者は大学生およ び大学院生であり, 有効回答数は 362名(男性 130名,女性 232名)であった。 調査材料・手続き 新しい心理的ストレス反応測定尺度, 日本語 版 Emotion Re伊lation

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tionn必reおよび本研究において作成 したトラウマティック・ストレス尺度を使用し た。各質問紙をT県下の大学全 2校に配布し, 調査者本人が立ち会い,一斉に行われた。 結果 各尺度の内的整合性を検討するために, Cronbachのα係数を算出した結果,それぞれに

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− 2 − 高しR数値を示した。したがって,これらの尺度 は研究利用に耐え得ることが確認された。次に, 各変数の平均値および標準偏差を男女ごとに算 出し,

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生別において質問紙の平均点に差がある のかを検討するために t検定を行った。その結 果,有意な男女差は見られなかった。続いて, 全体および男女別の各変数聞の相関係数を求め た結果,男性において,認知的再評価と「抑う つ・不安J,I無気力J,現在感じているトラウマ ティック・ストレス強度(以下, トラウマ2と 示す)において負の相関が見られた。女性にお いて,認知的再評価とデイリー・ストレスの各 変数に有意な負の相関が見られた。また男女と もに認知的再評価と感情表出には負の相闘が見 られた。その後,階層的重回帰分析を行い,認 知的再評価と感情表出および認知的再評価× 感情表出の交互作用がそれぞれのストレスに及 ぼす影響を検討した。その結果,女性における 認知的再評価からデイリー・ストレス全般に負 の影響が見られた。男性における認知的再評価 から「無気力」に負の影響が見られた。一方で, 男性における感情表出からデイリー・ストレス 全般に強い正の影響が見られた。女性における 感情表出から「司司幾嫌・怒り Jに弱し、正の影響, 「無気力Jに中程度の負の影響が見られた。次 にトラウマティック・ストレスについては,男 性における感情表出からトラウマ

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に対して正 の影響が見られた。また,有意となった交互作 用の下位検定の結果より,感情表出が高い場合 において,認知的再評価が高いとトラウマティ ック・ストレス減少度が高まることが分かった。 さらに, トラウマティック・ストレスを「対人 間系JI勉強JI献血に分類し分析した結果, 女性において認知的再評価から現在感じている 「対人関係」のトラウマティック・ストレスに 負の影響が見られた。その他の分類においては, 影響が見られなかった。 考察および今後の展望 デイリー・ストレスに対する影響としては, 認知的再評価からデイリー・ストレスに対して 効果があることが示唆された。感情表出につい ては,感情表出を行う度にデイリー・ストレス が高まることが示唆された。一方で, トラウマ ティック・ストレスについては,デイリー・ス トレスと同様に感情表出は効果がないことが示 唆された。交互作用の下位検定の結果からは, 認知的再評価と感情表出の両方が高いとトラウ マを減少させることから, トラウマ療法の効果 を支持する結果となったといえる。次に,分類 別の検討において I対人関係jは「勉強

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や 「部活」と違い,再び同じことが起こる可能 性が考えられるため,多くの人が強し、ストレ スとして回答したことが考えられる。反対に 「勉強」や「部活」は強し1られること自体が ストレスで、あった可能性が考えられる。 以上のような結果は,質問紙としていくつ かの問題が指摘されるものの今後の課題を 指し示す新たな知見となったと考えられる。 認知的再評価においては,過去の知見と同様 に両ストレスにも好影響を及ぼす結果であ った。この結果から今後の研究において,認 知的再評価の適応的な場面や,その対象者, または何をどのように再評価するのかなど について詳細な検討を行う必要があるだろ う。今後は,心理学的ストレス研究,または感

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IJi卸研究における基礎研究の発展を切に願う。 そして,大学生および大判完生が社会に出る前 に適応的な

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樹青制御方略を身につけることが可 能な環境を整えていくことを望まれる。

参照

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