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高集積・高効率な移動体通信端末機器用高周波デバイスとその応用

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Academic year: 2021

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システムLSlとその応用

高集積・高効率な移動体通信端末機器用

高周波デバイスとその応用

La「ge】ntegrated,High-Emciency,Radio-FrequencyDevicesand

TheirApplicationstoMobilel七rmina】s

l

小久保優布川康弘 ルねsα柑助々〟∂〃陀ざ〟カ宮川∧b〃曙α紺α

川義

笠原真澄 〃αざ〟椚g肋ざαカα和 重野 靖 )七5αざゐ才5ゐなビガ0

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(c)MOS-FETデュアルバンド用 高周波電力増幅器 注:鴫語説明 Bi-CMOS(BipolarComple-menta「yMetaトOxide Semjconductor) MMIC(MicrowaveMono-1ithicIC) MOS-F巨T(Metal-○×ide SemiconductorField-EffectTransistor) 移動体通信機器用高周波デ バイス PLL(Phase-Locked Loop) の集積化,新容量プロセスの 適用,可変バイアスによる動 作電流低減などの新技術を開 発し、移動体通信端末機器の 高周波回路を高集積,高効率 化できる3種類のICを製品化 した。 集積回路技術の進歩によって半導体の大規模化・高効率化が進み,移動体通信機器の低コスト化が可能となった。近い将丸 吉周波回路にも数万個のトランジスタが集積されるものと予測される。さらに,インターネットヘのアクセスのようなデータ 伝送への対応では,ひずみ特性の改善が重要となる。 日立製作所は,今臥 以下の3種類の高周波デバイスを開発した。 (1)「Bi-CMOS(BipolarComplementaryMetaトOxideSemiconductor)アナログ信号処矧C+は,欧州標準仕様対応デュアルバンド 携帯電話用にPLL(Phase-LockedLoop)や低雑音増幅器を集積化したもので1高周波能動素子の大部分をワンチップ化した。 (2)「低雑音増幅器・受信ミクサMMIC(MicrowaveMonolithicIC)+は,高利得,低雑音,低ひずみなど高周波特性に優れたガ リウム・ヒ素デバイスに新容量プロセスを適用したもので,日立製作所の従来製品比で20%小型化した。 (3)「デュアルバンド用高周波電力増幅器+では,制御が容易でかつ熟的安定性がよいMOS-FET(MetaトOxideSemiconductor Field-EffectTra=Sistor)の微細化と可変バイアス方式の適用により,実使用条件での動作電流を半減した。 今寺乳IMT-2000(lnternationalMobi】eTetecommunication2000)などの第3世代移動通信方式のさまざまな信号処理に効果的に 対応できる,低ひずみ・高集積・高効率なデバイスの開発を推進していく。

はじめに

携帯電話をはじめとする移動体通信機器では,半導体

集積回路技術の急速な進歩により,機器の低コスト化が

図られてきた。特に,欧州を中心に標準規格が制定され

たGSM(GlobalSystems f()r Mobile CommunicatiollS)

は,ひずみへの要求が績やかなことから,集積規模拡大

が進められている。集積されたトランジスタ数の推移を

図1に示す。1995年ころからGSMシングルバンド (900MHz借)対応の技術が開発され,その後,1.8GHz 苛も川時に取F)扱えるデュアルバンドGSM/DCS1800 (DigitalCellular System1800)対応技術が開発された。 巌近では,PLL(Phase-Locked Loop)やLNA(Low Noise Amplifier二低雑音増幅器)が集積化され,高周波 lり川各に使われる能動素子のほとんどが同一一一チップトで実

現されている。今後さらに,ADC(Analog-tローDigital

17

(2)

628 日立評論 Vol.81No.10(1999-10) 0 0 0 (堅さ 叔榊小ぺへ八小エ レ

GSM㌶

GSM/DCS1800 デュアルバンド ミクサ IF回路 PLし,LNA ミクサ,lF回路 PLL,LNA ADC/DAC GSM/lMT-2000 デュアルモード デュアルバンド ”醐 、、\F 舛醐 、、、[■ lMT-2000 5 9 9 2000 西暦年 2005 注:略語説明IF(lntermediateFrequency) 図1RF/lF回路の集積規模拡大の推移と将来予測 シリコン素子の大規模集積化により,RF(Radio Frequency川F 回路だけでなく,ベースバンド部の一部を集積化する方向にある。 Converter)やDAC(Digital-tO-Analog Converter)が集積 されるものと予測する。・方,インターネットへのアク セスなどの大容量データを取り扱うことへの要求が高ま り,これに対応するため,IMT-2000(Internatiollal MobileTelecommunication2000)のような伝送速度が高 いシステムが実用化されつつある。しかし,ひずみに対 するニーズが厳しくなることから,半導体凶路のひずみ 特性の改善が大きな課題となる。21世紀初頭には,デュ アルバンド・デュアルモード対応の高周波ICが実現され るものと予測する。 ミクサ1 925∼960MHz RF RF フィルタ スイッチ LPF LPF RF VCO ミクサ1 RF シンセ サイザ 肝 シンセ サイザ LNA LNA RF SAW フィルタ RF SAW フィルタ RFモジュール 880∼915MHz 1,710∼1,785MHz 18 225MHz lF SAW フィルタ lF VCO 1,080MHz 880∼915MHz TxVCO ミクサ2 ループ フィルタ 1,710∼1,785MHz LC 45MHz 位相 アンテナから電力を送信するための高周波電力増幅昔諒

(以下,「RFモジュール+と言う。)は,小型パッケージで

の実現や通話時間を長くするための岳効率化が課題であ

り,MOS-FET(Metal-0Ⅹide Semic()nductor

Field-Effect

TrallSistor)やGaAsデバイスにより,特惟改善が

図られている。また,低雑音増幅器には,高利得,低維 音,低ひずみなど,高周波特性に優れたGaAs化合物半

導体デバイスが適している。GaAs化合物半導体デバイ

スは,高周波回路での低損失な入出力整合凹路を容易に

形戌できる特徴を持つので,周辺部品のオンチップ化が

可能となる。 このように,移動体通信機器ではさまざまな周波数帯 の信号処理が行われ,多梓類のデバイスが機器を構成す る。このため,それぞjlの特徴に止こじた,適切なデバイ ス選択が重安となる。 ここでは,高周波回路の高集積化・高効率化を目指 してH末製作所が新たに開発した三つのデバイスについ て述べる。

高周波・集積への対応(1)

-Bi-CMOSアナログ信号処理IC-GS九ルノDCS1800対応として,送受信部をワンチップ化 した◆●HD155121F”を開発し,製品化した1'く〕今回さらに, 英国TTP Communications Ltd.社と共同で,LNAとデュ アルシンセサイザを集積した`-HD155131TF”を開発した㌔

このICでは,0.35トLm Bi-CMOS(Bipolar Complementary

卜Q Q シリアル インタフェース HD155131TF シフト90度

÷

90度 シフト

÷

卜Q 変調器 ′ヾけス パンド ブロック Q う主:略語説明 SAW(SurfaceAcoustic Wave) l(ln-PhaseSignaり Q(Quadrature-PhaseSignal) VCO(Voltage-Controlled Oscillator) LC(】nductor,Capaci†0「) LPF(しow-PassFilter) Tx(Transmitter) PGA(ProgrammabIeGain Amplifier) 図2 HD155131TFのブロッ ク図 デュアルバンド携帯電話の高 周波アナログ部の大部分を集積 した。すでに開発済みのICに比 べて,LNAとRF/lFシンセサイ ザをさらに集積している。

(3)

高集積・高効率な移動体通信端末機器用高周波デバイスとその応用 629 Metal-0Ⅹide Semic()ndしICt()r)プロセスを新規に採用した (図2参照)。新0.35けm Bi-CMOSプロセスでは,SOI (Silicon()IlInsulator)と深溝分離により,寄生容一畳を

3.3打と,従来の0.6けm臥CMOSの約志にして,高周波

性能の向上,低電ノJ,および高集積を可能にした。

受信感度は,GSM/DCS18001叶帯域で-108.5d王∋m 以卜(仕様では一102dBnl以卜)と,良好な特件を達成 した。

高周波・高集積への対応(2)

-GaAs低雑音増幅器・受信ミクサMMIC-低維音・低ひずみGaAs MMIC(入4icrowave MoIlOlitllic

IC)と,すでに開発済みの厚膜Aしlめっきによるスパイラル

インダクタ才支術により,PDC(PersonalDigitalCellular Telecommunication System)対応1.5GHz帯受信部GaAs MMICを製品化した■■。今回,新容量プロセスの開発(H 立製作所従来製品比で3析密度),低雑音増幅器,低ひず み′受信ミクサ,ローカル増幅音詩など受信部の複合化,人 山力整介l口1路の内蔵化,さらに,超′ト刑由実装パッケー ジ「SON-12ピン+(レジンサイズ3.4mmX3.6mm,ピンピ ッチ0.4mm)という特徴を持つ複合機能受信用MMIC "HA22041''を開発した(図3参只弔)。 HA22041のミクサの1引司波特性を図4に示す。ゲート 長は0.4けmで,デュアルゲートGaAs MESFET(Metaト Semico11dしICtOr

FE′r)を用いることにより,1.5GHz動作

で変換利得9.5dB,アウトプットニ次インタセプトポイ LNA \ 受信系 77ンテナ 送受切換器 送信系 ′-\ノ ′ ̄\J RFモシュ∬ル M【×+し0 Lo MIX HA22041 / lF段増幅器 ザ 脱洲 ,ン 直交変調 ベースバンド部 注:略語説明 MIX(Mixer),Lo(LocalAmplifjer) 図3 携帯電話無線部のブロック図 実装面積のいっそうの小型化を目指して,超小型パッケージ "SON-12”を開発し.しNA+MIX+Loを内蔵した。 2 1 (皿P) 柑芸廿盤伽 〟C。 0utputlP3 √「丁 ̄-1,460 1.470 1,480 1,490 1,500 1,510 1 周波数(MHz) (∈皿P)∽生ちnち0 2 1 0 注1:電源電圧;2.8V,入力電力;一30dBm,中間周波数;130MHz ローカル入力;-12dBm 注2:略語説明 CG(ConversionGain),0utputlP3(Output3rdlnterceptPo州) 図4 HA22041のミクサ部高周波特性 周波数1.5GHzでCGが9.5dB,OutputlP3が10.5dBmの高周波 年割生を得た。 ント十10.5dBmと.良好なひずみ特件を得ている。また, このMMICを川いることにより,周辺部占占も含めて約 20%の小判化(日寸二製作所従来製品比)が可能となる〔)

高効率・高性能の追求

-MOS-FETデュアルバンド用RFモジュールー RFモジュールの効料ま,通常,最大出力時の走格電

力で規定しており,この効率を向上するために,採用素

了一の特性改良を行っている〔〕しかし,携帯電話の実使用 では,この最大出力の状態でいつも使用されるわけでは

なく,むしろ,小・低肘力条件での使用が多い。そこで,

積J肖セラミック基板を用いた小型RFモジュールの新製■打t

として,低HノJ電ノJ時の効率向上機能を追加した

GSM/DCS1800デュアルバンド対応●`pFO8109B”を開発 した。)2系統の増幅旨芸を用い,特に消費電力の大きい GSMモードには,標準モードと低出ノJ電力モードとが切 り替えられる機能を採用した〔)肘カレベルにん占じて増幅 器のバイアス条件を調整することにより,イく要電流を減 らしている。J亡Il力竜力と電源電流の関係を図5に示す。低 上_l_l力電力モードに設左することにより,出力が10dBm

付近では動作駕流を÷以 ̄卜に低減できる。

パッケージには多層セラミック基板を用い,ストリッ

プラインに層間の導体を用いることにより,小型化を実

現している。またサーマルビア(眉間を貫通する筒状の

導体)の採用により,10℃/Wの熱抵抗,およびMOS-FETのソースと接地電位間の低インピーダンス化を実現

した(図6参照)。

19

(4)

630 日立評論 Vol.81No,10(1999-10) 3 2 1 (<) 摂脚耽浬 \l

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准丁 標 滅 低 一し 口

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脚還蕊和

一 低出力電力 モード -20 -10 0 10 20 30 40 出力電力(dBm) 注:略語説明 f(Frequency),Pin(lnputPower),Tc(CaseTemperature) Rg(GeneratorResistance),Rl(LoadResjstance) 図5 出力電力に対する消費電流 低出力電力モードに設定することにより,標準モードに比べて 消費電流を÷以下に低減した(出力:10dBm付近)。 増幅川デバイスには,微細化プロセスによる満仲能 MOS-FETを採用した。MOS-FETには,制御が容易で かつ熱的安定惟がよく,破壊しにくいという利点がある。J 標準モードでのそれぞれの出力電ノJ・効率は,GSM借 では35.5dBm/50%,DCS1800帯では32.7dBm/′45%である。

おわりに

ここでは,移動体通信機器を構成するさまざまな信号

処押に効果的に対応できる,臼束製作所が開発を進めて いるデバイスのうち,(1)特に高周波部の大規模化・高 効率化を目指してPLLやLNAを集積化した「Bi-CMOSア ナログ信ぢ一処二哩IC+,(2)新容量プロセスを適用して小 型化した「GaAs低雑音増幅器・一夏信ミキサMMIC+,お よび(3)吋変バイアスで動作電i東低減を阿った「MOS-FETデュアルバンド用RFモジュール+について述べた。 今後の課題として,Bi-CMOSアナログ信号処理ICにつ いては,高集積化と小型化実現のため,C-CSP(Ceramic

Chip Size

Package)の展開と,周辺l口1路を収り込んだC-CSPモジュールを開発中である〔)GaAs低雑音増幅器・受 信ミクサMMICでは,多機能・小型化の要求にこたえる高 集積・低ひずみMMICの開発を進める考えである。また,

RFモジュールでは,高効率と低ひずみを目指し,MOS-FETの微細化と,化合物半導体HBT(Heter〔)junction

BipolarTransistor)の適用について検討を行っている。

20 MOS-FET 面付け部品 \ \ \ \ \

∴○∴、\、三、儀 ̄・__垂′_三選喜きミ蘭

琶こ竺〟●〟毒筆蕪蔓妻州 1一 \こトー ■ ■ 多層セラミック 基板 / / / 、\ \サーマルビア 図6 パッケージの断面構造 多層セラミックパッケージの採用により,小型化と低熟抵抗 (10℃/W)を実現した。 参考文献 1)草野,外:携帯電話を支える高周波用半導体,臼荘評論, 80,11,755∼760(平10-11)

2)K.Takikawa,et al.:RF Circuits TechniqueofDual-band TransceiverIC for GSM and DCS1800Applicati()nS,

ESSCIRC-99,S3.8(1999-9) 執筆者紹介

表警転

く軸 凝 Å 妄沸 小久保優 1981イドr†!1二製作所人什.11り上研究所過†言システム研究部 所属 規在,一別那別ロJ路LS】とPIJLのIiり発に従事 IEEE会員,延子情報通信学会会員 E-Illail:m-1(()kLlh()¢crl.11itこIClli.co.jp 布川康弘 1976年[] 11導イイニグループ汎川平主浮体事業部 小】箔朋党設計センタマイクロモジュール設J卜部所瑞 現在.携帯`LE舐川ⅠくFモジュールの†梢発, E一IlrこIil二【111Il()g乙1\Vy(({c肌111し1SこISlli.llit乙Irlli.ぐ().jp 笠原真澄 1979年日立雪即1二所入社.、‡㌔導体グループシステムlノSl非業 部システムIJS一節二本部セルラーLSI設計部所属 規在、携帯屯.講川甜.那皮IC(7)† ̄那己に従事 E-111ail:kas乙111こtrZL¢ノCln.r11uSaShi,hit…lC上1i,CO,jI〕 重野 靖 1986年‖立製作所人祉,、ド導体グループ汎川jJFう浮体事業部 マイクロモジュール設計部析拭 現在,化合物半導体山岡波デバイスのl対発・設計に従事

参照

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