オペレーションズ・リサーチ
第2回
教室変更
4月 9日(月)
第1回 ガイダンス
4月16日(月)
第2回 講義
以下毎週月曜日3講講義
(
毎週210室
)
(注)受講生が予想を大きく超えたので、実習室 は使用しません。先週の感想からA
• AHPやゲーム理論の学術問題に対し数式を用い て具体的解決を行うことで、今まで勉強した事柄と は異なるアプローチで学べることに期待する。 • オペレーションズリサーチ(OR)について全くの素 人なので、まずORについて学ぶきっかけに、この 講義がなると良い。ORは社会人になった後も自分 の強みにしたい。 • 社会情報入門Ⅱで加地先生がORを軽く教えてく れたが、問題に対する解決策にハッとさせられて 興味深かったのでもっと深く学べたらなと思う。先週の感想からB
• 社会情報学科で一番大事な教科と聞いたので基本 をしっかり学びたいと思う。 • 卒論テーマを数パターン考えているが、そのどれも が社会情報の科目に関わる。ORのシラバスを読ん だときその内容のどれもが調べたいテーマに関連 するのでこの講義を通して自らの研究を進めたい。 • 数学を学ぶ意味が中学からずっとわからず勉強す る気も起きなかった。この講義で数学は実学である という認識を持ちこれからの生活に役立てるととも に勉強のモチベーションを上げていきたい。先週の感想からC
• 先生がORに興味を持ったきっかけは何ですか? • 先生は日常的にORにどれくらいの頻度で活用して いるか。また実際にORを使って解決した例を教え てほしい。 • わからないことがあったら先生に質問してよいか。 • プリントなどにレジュメをまとめていただけるとあり がたい。 • 私語がうるさかったら注意お願いします。 • 大堀先生のように他大学の教授に教えてもらう機 会はあまりないので大切にしたいと思う。先週の感想からD
• 親の実家が伊達市なので勝手に親近感を持った。 都市と田舎が混ざっている感じで良い街だと思う。 • 先生は野球見ますか? ちなみに私は広島ファン です‼ • 大学時代何に熱中していたか教えて下さい。 • 学生時代の趣味を知りたいです。 • 好きな食べ物は何ですか? • ひげに黒いところと白いところがあるのは自然とで すか?オペレーションズ・リサーチの予定
(教室は毎週210室)
第2,3,4回 4/16,23,5/7:AHPの基礎 (複数の代替案から合理的最善案を選ぶ) 第5,6,7回 5/14,21,28 :ゲームの理論の基礎 (対立者がいる場合のお互いを考えた決断) 第 8, 9回 6/4,11 :日程計画法の基礎 (作業順序のもと最適日程計画の立案) 第10,11,12回6/18,25,7/2:線形計画法の基礎 (連続変数のもと線形最適問題を解く) 第13,14,15回7/9,16,23 :組み合せ最適化の基礎 (離散変数のもと線形最適問題を解く)8.AHP(物事を決めるには)
• 生活または仕事をする上で,いくつかの案の中 から一つを選択し、決断を迫られる場面がある。 • 公共政策、会社経営、家計の切り盛りなど、あら ゆる場面に現れる。 • ある状況において複数の代替案から合理的に 最善策を決める意志決定は私達にとって欠かせ ない。8.1 いくつかの案から一つを選ぶ
【例題8.1】 • 美人の祥子さんにはボーイフレンドが、太一,務,隆 文の3人いる。 • そろそろ結婚しようと思うが3人はそれぞれ長所と 短所がある。 • 彼女は容姿,人柄,所得の3つに着目する。 • 彼女は誰を結婚相手として選ぶとよいか。 • この問題の難しさは,評価尺度が勘やフィーリング などの曖昧な点を含むことである。8.2a AHPで求めてみよう
• T.L.Saatyはこの問題に対し合理的に評価す
る方法AHPを開発・提案した。
• AHP(Analytic Hierarchy Process:階層化
意志決定法)である。
• AHPでは問題を
評価基準と代替案の階層図
を描く。
• 直感的な2要素一対比較の積み重ねを基に大 局的判断をする。
8.2b AHPの階層とは
• AHPの構造は3レベルからなる。
• 第一段階は問題であり、
評価観点
(評価項
目)を求める。
• 第二段階は、どの評価項目が重要かを項
目間
一対比較
により
各項目の重要性
を求め
る。
• 第三段階は、評価基
準の重要性から
代替案
から候補
を決定する。
8.2c AHPで求めてみよう
• 例題8.1を解きながらAHPを学ぶ。
• 様々な領域で見られる「
複数の代替案
から
一つを選ぶ問題」はAHPで解ける。
• 身近な問題から国家政策,会社経営の問
題で利用できる便利なツールである。
• AHPのモデル化により問題が
構造化
され,
問題に対して理解が進む。
• AHPは,問題解決に対する
説明性
が高い
問題解決手法である。
8.2.1a 一対比較表をつくる
• 評価項目の
相対的重要性
は、全項目の全
体比較よりも、
2項間比較
により全体関係
を導出するのが有効である。
• これを
一対比較
と呼び,AHPで採用する。
• 例題8.1では,評価項目として,「容姿」,「
人柄」,「所得」の3つである。
• この中から2項間の比較を行うが、始めに
「容姿」と「人柄」の重要さを一対比較する
。
8.2.2 一対比較の規則
• 「容姿」と「人柄」の
一対比較
は次規則で行う。
– 「容姿」と「人柄」の重要度が「同じ」なら,1 – 「容姿」が「人柄」より「やや重要」なら, 3 – 「容姿」が「人柄」より「重要」なら, 5 – 「容姿」が「人柄」より「かなり重要」なら,7 – 「容姿」が「人柄」より「絶対に重要」なら,9• 逆に「人柄」から見た一対比較値は
逆数
。
• 「容姿」が「人柄」より「重要」なら7で、「人柄」
が「容姿」より「重要でない」となり、一対比較値
は1/7となる。
8.2.1c 祥子の評価項目の一対比較
• 表のマス目をセル、横行 縦列とよぶ。(行,列)の順 で位置を決める。 • 左の一対比較表は「容 姿」が「人柄」よりかなり 重要なので(容姿,人柄) セルに7が入る。 • 逆に(人柄,容姿)セルに 逆数1/7が入る. • (容姿,容姿)等同じもの( 対角部分)の重要性は1 が入る.容
姿
人
柄
所
得
容姿
1
7
5
人柄 1/7 1 1/3
所得 1/5 3
1
表8.1 祥子の評価項
目の一対比較表
8.2.2a 評価基準の重要度
• 評価基準の
一対比較表(下表)に基づき評価
基準の重要度(ウェイト)を計算する。
• 重要度とは,評価項目「容姿」,「人柄」,「所得
」の重要性を数値で表したもの。
• 重要度の計算法には、主に固有値法と
幾何平
均法がある。
• 両者の値はほぼ等しくどちらで
もよいが、より簡便な幾何平均
法を用い重要度計算を行う。
• 下表の評価基準の一対比較表に基づき各評
価項目の重要度を幾何平均法で計算する。
• 「容姿」の幾何平均は「容姿」行の一対比較値
(1,7,5)の積の3乗根(1×7×5)
1/3となる。
【注】x
n=aでxをaのn乗根a
1/nと呼ぶ。
a
1/nは
Excelで=a^(1/n)
と書く。
• 他行も同様に最後に行の幾
何平均の総和を求める。
8.2.2b 評価基準の幾何平均の求め方
8.2.2c 例題8.1の評価基準の幾何平均
幾何平均
• 容姿
(1 × 7 × 5 )
1/3= 3.27
• 人柄
(1/7 × 1 × 1/3)
1/3= 0.36
• 所得
(1/5 × 3 ×
1)
1/3= 0.84
• 幾何平均の総和
3.27 + 0.36 + 0.84 = 4.48
• 重要度は3項目の
幾何平均を正規化する。
• 正規化は重要度の和が1になるようにする。
• 項目の幾何平均を合計で割り重要度とする。
• 「容姿」の重要度は,幾何平均3.27を合計
4.48で割ると0.73になる。
• 「人柄」「所得」も同様で祥子さんは「容姿」重視
で,次に「所得」を重視
し,「人柄」はあまり重
視しない。
8.2.2d 評価基準の重要度
8.2.2e 例題8.1の評価基準の重要度
各項目の重要度
• 容姿
3.27 / 4.48 = 0.73
• 人柄
0.36 / 4.48 = 0.08
好きなスポーツ選手(その1)
大谷翔平
• 平成25年4月 日本ハ
ムファイターズ入団
• 平成30年4月 大リー
グ・エンゼルス入団
現在24才
大谷翔平のポジション
2刀流
投手(先発)
+
大谷翔平の成績
所属
投手 打率(本塁打)
---1年目 日ハム
3勝0敗 .238( 3)
2年目 日ハム
11勝4敗 .274(10)
3年目 日ハム
15勝5敗 .202( 5)
4年目 日ハム
10勝4敗 .322(22)
5年目 日ハム
3勝2敗 .286( 8)
6年目 エンゼルス
2勝0敗 .367( 3)
(4月15日現在)
大谷君の性格1
1 今までの選手にない性格?
個人スポーツをしている雰囲気がする選手。ス トイックで趣味が野球。野球だけを取り組む真 面目な性格。まさに見た目と同じ。2 意外に昭和っぽい?
考え方は今どき感じ方は昭和的。食うか食わ れるかの悔しさの出し方が肉食。今日やられ たら終わりの感じ。怒ると監督話を聞かず、よ り試合出たい・交代したくないなど我儘だ。大谷君の性格2
3 真面目な性格エピソード
年棒3億+スポンサ料も稼ぐが、お金は両親が 管理し小遣いは月10万。趣味には使わず野球 が趣味。仲間の夕食誘いも飲酒だと断る。4 チキンな性格?
米球団勧誘で名門ヤンキースは侮辱を感じ新 聞は「チキンだ。大都市を恐れた」と書いた。お 金やビックネームに釣られない。5 生意気な性格?
先輩を平気でイジり小ばかにする。生意気でい たずら好き。チームメートと良好な関係。8.2.3 代替案を選ぶ
• 代替案
の中からどの候補を選ぶかを決める。
• 例題8.1では
評価基準
として「容姿」,「人柄」
,「所得」がある。
• 「容姿」,「人柄」,「所得」毎に各代替案の優
劣を求める。
• 優劣決定のために,評価基準毎に各人の
一
対比較表
を作成し
重要度
を決める。
• それらの重要度と先の評価基準の重要度か
ら最終候補者を決める。
8.2.3a 代替案の選定例
• 代替案3人を「容姿」の点から比べる。 • 2人ずつ「容姿」「人柄」「所得」に関し一対比較する。 • 「容姿」は代替案「太一」と「務」を比べ「太一」の方が イケメンなので表の(太一,務)=5とする。. • 同様に(太一,隆文)=3とする。 • 「太一」の幾何平均は行値の 積の3乗根で(1×5×3)1/3 =2.47 • 同様に、「務」と「隆文」の幾何 平均は0.58,0.69なのでその合 計は、 2.47+0.58+0.69=3.748.2.3b 「容姿」の一対比較表と重要度
太一 務 隆文 幾何平均 重要度
太一 1
5
3
2.47
0.66
務
1/5 1
1
0.58 0.16
隆文 1/3 1
1
0.69
0.18
幾何平均の総和
3.74
• 幾何平均
の総和から,「容姿」に関する各人の
重要度
を「=幾何平均/総和」で求める。
• 太一の場合、重要度(太一)=2.47/3.74=0.66、
となり同様に、務は0.16、隆文は0.18となる。
8.2.3c 「人柄」の一対比較表と重要度
太一 務 隆文 幾何平均 重要度
太一 1
1/7 1/3
0.36
0.08
務
7
1
5
3.27
0.73
隆文 3
1/5
1
0.84
0.19
幾何平均の総和
4.48
• 幾何平均
の総和から,「人柄」に関する各人
の重要度
を「=幾何平均/総和」で求める。
• 太一は0.36/4.48=0.08、務は0.73、隆文は
0.19となる。
8.2.3d 「所得」の一対比較表と重要度
太一 務 隆文 幾何平均 重要度
太一
1
3 1/3
1.0
0.26
務
1/3 1 1/5
0.41
0.10
隆文
3
5
1
2.47
0.64
幾何平均の総和
3.87
• 幾何平均
の総和から,「所得」に関する各人
の重要度
を「=幾何平均/総和」で求める。
• 太一は1.0/3.87=0.26、務は0.10、隆文は
0.64となる。
• 「祥子」の重要度は、 (容姿,人柄,所得)=(0.73, 0.08, 0.19) • 「太一」は、(容姿,人柄,所得)=(0.66, 0.08, 0.26) • 「務」は、 (容姿,人柄,所得)=(0.16, 0.73, 0.10) • 「隆文」は、(容姿,人柄,所得)=(0.18, 0.19, 0.64) • 各候補の総合評価は「祥子」との重要度の積和。 「太一」0.73×0.66+0.08×0.08+0.19×0.26=0.54 「務」 0.73×0.16+0.08×0.73+0.19×0.10=0.19 「隆文」0.73×0.18+0.08×0.19+0.19×0.64=0.27
8.2.3e 例題8.1の総合評価計算
8.2.3f 例題8.1の総合評価
【
総合評価
の計算】
「太一」0.73×0.66+0.08×0.08+0.19×0.26=0.54 「務」 0.73×0.16+0.08×0.73+0.19×0.10=0.19 「隆文」0.73×0.18+0.08×0.19+0.19×0.64=0.27 容姿 人柄 所得 総合評価 評価基準 0.73 0.08 0.19 太一 0.66 0.08 0.26 0.54 務 0.16 0.73 0.10 0.19 隆文 0.18 0.19 0.64 0.27【テキストp116課題8.2】
コンパクトカーの購入を検討している。候補
としてA,B,Cがある。評価点は、スタイル、
走行性、安全性の3つであり、評価基準、基
準毎の各車に関する一対比較表を以下に示
す。
幾何平均法
を用いた以下のAHP法の
空
欄を埋め
最適車を選定せよ。
【今日の課題】
A B C A 1 9 5 B 1/9 1 1/5 C 1/5 5 1
【
課題8.2のデータ
】
スタイル 走行性 安全性 スタイル 1 1/3 5 走行性 3 1 9 安全性 1/5 1/9 1• 評価基準
• スタイル
A B C A 1 1/7 1/3 B 7 1 5 C 3 1/5 1
【
課題8.2のデータ
続き】
• 走行性 • 安全性 A B C A 1 1/9 1/5 B 9 1 5 C 5 1/5 1【STEP 1】各基準の幾何平均を求める。 スタイル:(1×1/3×5)(1/3) =1.19 走行性: (3× 1 ×9)(1/3) =3 安全性: (1/5×1/9×1)(1/3) =0.28 【STEP 2】評価基準の幾何平均の総和: 幾何平均の総和=1.19+3+0.28 = 4.47 【STEP 3】評価基準を総和を割り評価基準重要度: スタイル:1.19/4.47=0.265 走行性: 3/4.47 =0.672 安全性: 0.28/4.47=0.063
【評価基準の重要度】
【STEP 1】各車の幾何平均を求める。 A車:(1×9×5)(1/3) =3.56 B車:(1/9×1×1/5)(1/3) =0.28 C車:(1/5×5×1)(1/3) =1.0 【STEP 2】各車の幾何平均の総和: 幾何平均の総和=3.56+0.28+1.0 = 4.84 【STEP 3】評価基準を総和を割り各車重要度: A車:3.56/4.84 =0.735 B車:0.28/4.84 =0.058.
【スタイルに関する各車重要度】
【STEP 1】各車の幾何平均を求める。 A車:(1×1/7×1/3)(1/3) =0.363 B車:(7×1×/5)(1/3) =3.271 C車:(3×1/5×1)(1/3) =0.843 【STEP 2】各車の幾何平均の総和を求める。 幾何平均の総和=0.363+3.271+0.843 = 4.477 【STEP 3】評価基準を総和を割り各車重要度: A車:0.363/4.477 =0.081 B車:3.271/4.477 =0.731. C車:0.843/4.477 =0.188
【走行性に関する各車重要度】
【STEP 1】各車の幾何平均 ( (1/45)^(1/3)=0.281, 45(^1/3)=3.557 ) A車: B車: C車: 【STEP 2】各車の幾何平均の総和を求める。 幾何平均の総和= 【STEP 3】評価基準を総和を割り各車重要度: A車: B車: C車:
【安全性に関する各車重要度】
【評価基準重要度】 スタイル:0.265,走行性:0.672,安全性:0.063 【各基準に関する各車の重要度】、 [スタイル]A:0.735,B:0.058,C:0.207 [走行性] A:0.081, B:0.731, C:0.188 [安全性] 【最終的な総合評価値の計算】 【AHP法で選んだ最適な車】