導入ガイド:
SOLIDWORKSのスケッチ機能
技術文書
概要
SOLIDWORKS®は、設計サイクルをより明確に進めるのに役立ちます。直感的なスケッチ ツ ールで、作図しながらスケッチを自動的に寸法付けし、より正確な設計を実現できます。SOLIDWORKSでのスケッチは、フィーチャー作成の基礎です。フィーチャーが部品作成の基 準となり、部品の集合によりアセンブリが作成されます。図面にスケッチ エンティティを追 加することもできます。 SOLIDWORKSフィーチャーは、インテリジェントに編集できます。SOLIDWORKS のモデル を作成する上で設計意図は重要であるため、スケッチ段階で計画を立てておくことが重要で す。スケッチの一般的な手順は以下のとおりです。 1. 部品ドキュメントで、スケッチ平面または平坦な面を選択します(ステップ2の前でも 後でも構いません)。 2. 以下のいずれかの手順でスケッチ モードに切り替えます。 • スケッチ ツールバーでスケッチ(Sketch)をクリックします。 • スケッチ ツールバーで、スケッチ ツール(矩形(Rectangle)など)をクリックします。 • フィーチャー ツールバーで、押し出しボス/ベース(Extruded Boss/Base)または回転 ボス/ベース(Revolved Boss/Base)をクリックします。 • FeatureManagerデザイン ツリーで既存のスケッチを右クリックし、スケッチ編集(Edit Sketch)を選択します。 3. スケッチ(線、矩形、円、スプラインなどのスケッチ エンティティ)を作成します。 4. 寸法と拘束を追加します(大まかにスケッチしておき、後で正確に寸法付けできます)。 5. フィーチャーを作成します(スケッチが閉じます)。 一般的に、あまり複雑でないスケッチ ジオメトリを使用し、より多くのフィーチャーを使 用する方が効果的です。単純なスケッチの方が作成や寸法付け、維持や変更が容易で、スケ ッチを理解しやすくなります。また、スケッチが単純なモデルはすばやく再構築できます。
スケッチ寸法
フィーチャーはスケッチに寸法を追加せず作成することもできますが、 スケッチに寸法付け するのは、良い習慣であるといえます。 モデルの設計意図に沿った寸法付け、例えば、エッジから特定の距離に穴の寸法付けをす る、または互いに特定の距離を置いて寸法付けするなどが挙げられます。 ブロックのエッジから特定の距離に穴を配置するには、円の直径の寸法と、円の中心とブロ ックの各エッジ間の距離で寸法付けします。デフォルトで、円は中心から測定されます。 SOLIDWORKSでのスケッチは、フ ィーチャー作成の基礎です。ブロックのエッジから特定の距離に穴を配置するには、円の直径の寸法と、円の中心とブロ ックの各エッジ間の距離で寸法付けします。デフォルトで、円は中心から測定されます。 ほとんどの寸法(直線、円、角度)は、寸法/拘束ツールバーにあるスマート寸法 (Smart Dimension)というツールだけで挿入できます。 その他の寸法ツール(基準線(Baseline)、累進(Ordinate)、面取り(Chamfer))も寸 法/拘束ツールバーから使用できます。 完全定義スケッチを使用すると、スケッチ内のすべてのエンティティに一度の操作で寸法付 けできます。 寸法を変更するには、寸法をダブルクリックし、変更ダイアログ ボックスで値を編集する か、スケッチ エンティティをドラッグします。
スナップ
SOLIDWORKSスケッチ エンティティは、他のスケッチ エンティティの点(端点、中点、交 点)にスナップできます。クイック スナップ(Quick Snaps)を使用すると、使用できるス ケッチ スナップの種類を絞り込むことができます。 その他のスナップ機能は以下のとおりです。 • グリッド(表示してスナップできます) • 推測(スケッチ時に拘束が表示されます)スケッチ拘束
SOLIDWORKSでは、スケッチ エンティティとモデル ジオメトリ間の拘束関係が設計意図ど おりに構築する際の重要な手段になります。たとえば、2つの同心円を作図します。同心円 拘束を指定してから1つの円を移動すると、もう1つの円も一緒に移動して拘束関係が保たれ ます。 次の方法で拘束を追加できます: • スケッチ中にSOLIDWORKSで自動的に追加します。カーソルが変わって、推測してい る拘束が通知されます。 • エンティティのPropertyManagersまたは拘束の追加PropertyManagerを開き、スケッ チ エンティティを作成した後に手動で追加します。拘束の表示と削除も可能です。 ブロックの中心に穴を配置するには、コーナーをつなぐ中心線をスケッチし、円の中心と中 心線で中点(Midpoint)拘束を指定します。 1. 推測線によって、2本の線の端点間の垂直拘束が示されます。 2. ポインタの 表示は、スケッチされた線が水平であることを示します。水平拘束はエン ティティのプロパティに自動的に追加されます。 2つの円に同心円拘束が指定されます。1つの円を動かすと、もう一方の円も移動します。 SOLIDWORKSでは、スケッチ エ ンティティとモデル ジオメトリ間 の拘束関係が設計意図どおりに 構築する際の重要な手段になり ます。推測
推測では、点線の推測線、ポインタ表示、強調された印(終点や中点など)によって拘束関 係を示します。推測線
推測線はスケッチ時に表示され、ポインタと既存のスケッチ エンティティ(またはモデル ジ オメトリ)間の拘束を示します。ポインタ表示
ポインタ表示は、ポインタが幾何拘束(交点など)上にあることや、アクティブなツール( 直線や円)、寸法(角度や円弧の半径など)などを示します。ポインタが拘束(水平拘束の 場合は など)を示しているときに、拘束が表示されている状態でスケッチ エンティティ をクリックして確定すると、その拘束が自動的にエンティティに追加されます。 注意:自動拘束はオフに設定できます。その場合は、ツール(Tools)>スケッチ設定 (Sketch Settings)>自動拘束(Automatic Relations)をクリックします。ハイライトされたヒント
端点、中点、頂点などの幾何拘束にポインタを近づけるとハイライトされ、選択するために ポインタを置くと色が変わります。 左の図では、中点がハイライトされており、ポインタがその位置で一致拘束 を指定できる ことを示しています。右の図では、中点の色が変わり、ポインタが中点 を認識しているこ とを示しています。 ポインタ表示は、ポインタが幾何 拘束(交点など)の上にある状態 を示します。トリム
無限線などのスケッチ エンティティをトリムしたり、他のエンティティに接触するスケッチ エンティティ(線、中心線、円弧)を延長することができます。 エンティティのトリム には以下のオプションがあります。 • パワー トリム: エンティティをまたいでポインタをドラッグすることで複数の隣接する スケッチ エンティティをトリムしたり、エンティティを選択してポインタをドラッグす ることでエンティティを延長できます。 • コーナー: 2つのスケッチ エンティティを仮想コーナーで交差するまでトリムまたは延 長します。 • 内側をトリム: 2つの境界エンティティの内側にあるスケッチ エンティティをトリムし ます。 • 外側をトリム: 2つの境界エンティティの外側にあるスケッチ エンティティをトリムし ます。 • 一番近い交点までトリム: スケッチ エンティティを一番近い交点でトリムするか、交点 まで延長します。スケッチのステータス
一般に、スケッチは以下のいずれかの状態にあります。 • 未定義 • 完全定義 • 重複定義 スケッチのステータスは、ウィンドウのステータス バーに表示されます。色によって、それ ぞれのスケッチ エンティティのステータスが示されます。 未定義: スケッチを開始し、エンティティをドラッグして形状や位置を変更できます。こ の矩形では、黒色の左辺と底辺は原点に固定されていますが、上辺と右辺はドラッグできま す。青はエンティティが固定されていないことを示し、明るい青はエンティティが選択され ていることを示します。 スケッチに拘束を追加するには、寸法/拘束ツーバーで拘束の追加(Add Relations)をクリ ックします。 完全定義: 上辺と右辺に寸法を追加すると、矩形のすべての辺のサイズが固定されます。 これは、上辺と底辺、左辺と右辺の間に暗黙の等長拘束があるからです。矩形自体は原点に 固定されています。すべてのエンティティが黒になり、矩形が完全に定義されたことを示し ます。 スケッチを開始する際、エンティ ティをドラッグして形状や位置を 変更できます。完全に定義されたスケッチには、拘束(平行、垂直、等しい値など)を追加できます。スケ ッチでは、論理的に重複するこれらの拘束は容認されます。 重複定義: 重複寸法はスケッチを重複定義にします。赤色の矩形は重複定義されています。 寸法を挿入すると、駆動寸法と見なされます。2つの寸法値で同じジオメトリを駆動させる と無効になります。ダイアログ ボックスが表示され、冗長する寸法を従動として指定できる ようになります。 拘束は表示または削除できます。寸法/拘束ツールバーで、拘束の表示/削除(Display/ Delete Relations)をクリックします。 解決できない、または無効なジオメトリが作成される場合もあります。解決を妨げるアイ テムはピンク色(解決不可能)または黄色(無効)で表示されます。こうしたジオメトリを 持つスケッチには、解決結果なし(No Solution Found)または無効な結果が存在(Invalid
Solution Found)というラベルが表示されます。 寸法と拘束には2つの種類の拘束があります。スケッチはいずれか、または両方の種類で定 義します。 完全定義されていないスケッチを使用してフィーチャーを作成することはできますが、生産 用のモデルでは完全定義されたスケッチを使用することをお勧めします。スケッチはパラメ トリックなので、完全定義されていると、変更を予測できます。ただし、図面のスケッチは 部品のスケッチと同じ規則に従いますが、フィーチャーの基準にはならないため、完全定義 する必要はありません。
自動スケッチ操作
自動操作を使用すると、スケッチの生産性が向上します。さらに、自動拘束や推測を使用す ると、スケッチの効率が上がります。寸法/拘束ツールバーのスケッチの完全定義 (Fully Define Sketch)ツールを使用する
と、モデル エッジを含むスケッチ内のすべてのエンティティや選択したエンティティに寸法 付けすることができます。
完全に定義されたスケッチには、 拘束(平行、垂直、等しい値など) を追加できます。
線の円弧から正接円弧に、またはその逆の順序で自動的に切り替えを行うことで、ツールを 変更せずにスケッチを作成できます。
自動トレース ツールを使用すると、ラスター データをベクター データに変換できます。
ラピッドスケッチ (RapidSketch)を使用し、平坦な面または平面をハイライトしてアクティブ にすれば、スケッチをすばやく作成できます。
3D EXPERIENCE 、C A TIA 、SOLIDWORKS 、SIMULIA 、DELMIA 、ENOVIA 、GE OVIA 、EXALEAD 、NETVIBES 、3DSWYM およ び 3DVIA は 、米国お よ び そ の他の国に おけ る Das sault Syst ème sまた は です 。MK SKET ChT P JPN0611