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「消費者トラブル解決」をうたう探偵業者にご注意を!!

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Academic year: 2021

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「消費者トラブル解決」をうたう探偵業者にご注意を!!

近年、出会い系サイトや競馬予想情報提供サービス、未公開株等の消費者トラブルを解決する 等とうたう探偵業者1に関する相談が、多数寄せられるようになった。探偵業法2が施行された後、 法律違反をした探偵業者に対して行政処分や検挙が行われ、探偵業者にかかわる全体のトラブル 件数は減少傾向にあったが、「被害を回復するという探偵業者から連絡があったが、信用できるか」、 「被害金を取り戻すという説明を受けて費用を支払ったのに、解決しない」、「探偵業者に被害金 の返還請求を依頼したら、突然、弁護士から連絡が来た。不審である」等、消費者トラブルを解 決するとうたう探偵業者に関する相談が増加している。そこで、同種トラブルの未然・拡大防止 のため、問題点や防止策をまとめ、消費者に注意を呼びかける。 1.PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にみる消費生活相談の概要 (1)相談件数 PIO-NETに寄せられた探偵業者にかかわる全体の相談のうち、消費者トラブルを解決するとうた う探偵業者に関する相談は、2006年度以降で合計923件となっている(2011年5月20日登録分まで)。 2008年度と比較すると、2010年度は2倍以上寄せられている。 1 ここでいう探偵業者は探偵業者を名乗る者も含む。また、届け出をしている探偵業者についても「返金請求」 や「解約交渉」等を行うことは、「探偵業の業務の適正化に関する法律」(以下「探偵業法」という。)において認 められているものではない。 2 2007 年 6 月施行の探偵業法により、探偵業を営むには、届け出が必要となった。さらに、契約時に契約書面を 交付するなど、探偵業者の義務について規定され、違反に対する罰則が設けられた。また、同法において、探偵 業とは「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集するこ とを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査 上段:探偵業者にかかわる全体の相談件数 下段:消費者トラブルを解決するとうたう探偵業者に関する相談件数 図1.相談件数 報道発表資料

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(2)相談の特徴 以下は、全国の消費生活センターに寄せられた本件トラブルに関する923件の相談を分析した 内容である。(※以下の項目について、不明・無回答は除く) 1)契約当事者の属性 ①年代別 年代別では、30歳代が174件(20.2%)と最も多く、次いで70歳以上が164件(19%)、40歳代 が156件(18.1%)であるが、その他の年代も約15%の相談が寄せられており、どの年代でも平 均してトラブルが生じている。平均年齢は、49.2歳である。(図2参照) ②性別 性別では、男性485件(53.4%)、女性416件(45.8%)で、やや男性が多かった。 ③職業等別 職業等別では、給与生活者が412件(48.1%)と最も多く、次いで、無職が208件(24.3%)、 家事従事者が144件(16.8%)と続く。(図3参照) 図2 年代別 図3 職業等別 10歳代 1.0% 20歳代 14.5% 30歳代 20.2% 40歳代 18.1% 50歳代 13.9% 60歳代 13.1% 70歳代 19.0% 2)販売購入形態 販売購入形態は、通信販売が350件(44%)と最も多い。次いで店舗購入が192件(約24.2%)、 電話勧誘販売が184件(23.1%)、訪問販売が69件(8.7%)である。(図4参照) 3)契約購入金額と支払方法 契約購入金額は、10万円以上50万円未満が262件(38%)と最も多く、次いで1万円以上5万円未 満が148件(21.5%)であった。中には、探偵業者と約600万円の契約を結んでいるケースもみら れる。平均金額は約54万円である。 支払い方法は、分割払いやクレジットカード払いのケースも見られるが、約90% が現金一括払 いである。 給与生活 者 48.1% 自営・自 由業 8.2% 家事従事 者 16.8% 学生 2.7% 無職 24.3%

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件数 4 1 4 8 7 8 2 6 2 1 0 2 9 5 0 50 100 150 200 250 300 ~1万円未満 ~5万円未満 ~10万円未満 ~50万円未満 ~100万円未満 100万円以上 図4 販売購入形態 図5 契約購入金額 店舗購 入 24.2% 訪問販 売 8.7% 通信販 売 44.0% 電話勧 誘販売 23.1% 2.主な相談事例 (1)見知らぬ業者からの突然の連絡や訪問 【事例1】 以前、未公開株を購入し、被害に遭ったことがある。ある日、知らない探偵業者から電話があ り「被害調査費用はかかるが、被害金を取り戻すことができる」と勧誘された。取り戻せるなら と思い、約 20 万円を支払った。その後、業者から被害回復には、さらに詳しく調査する必要があ るので、あと約 15 万円必要だと言われた。費用を振り込もうと銀行に行ったところ、不審に思っ た銀行員と警察官に振り込みを止められた。(2010 年 12 月 80 歳代 女性 静岡県 家事従事者) 【事例2】 以前、未公開株で被害に遭ったことがある。先日、自宅に訪問した、全く知らない調査業者を 名乗る人から「契約すればその被害を救済する」と説明された。言われるままに、自分の振込口 座等を書面に記入した。費用の約 15 万円は明後日に支払うと約束して契約した。業者が帰って から、渡された契約書の内容を確認すると「企業、人物調査」となっており、被害を救済すると いうことは書かれていなかった。被害が救済されないのなら解約したい。 (2010 年 12 月 70 歳代 男性 群馬県 自営・自由業) (2)「解約・返金交渉をする」等と誤解をさせる広告や勧誘 【事例3】 小学生の息子が、パソコンでアダルトサイトに登録をしてしまった。パソコンを立ち上げなお しても高額な請求画面が表示され、どうしてよいか分からず、インターネットでみつけた民間の 消費者センターに、わらにもすがる思いで相談した。電話に出た相談員という人が「自治体の消 費生活センターは何もできない。当社であれば、請求画面の消去方法の助言だけでなく、登録し たアダルトサイトの業者を調査し、退会処理すべきかを助言する」と説明したので、この業者に 依頼した。消去方法は、電話で助言を受けた。後日、業者から「調査した結果、悪質業者と判明 したので、退会処理をする必要はない」と口頭で調査報告があり、解決金として約 3 万円を請求 された。その後、消費生活センターで十分に助言を得られることが分かった。だまされたのでは ないか。解決金を支払いたくない。 (2011 年 2 月 30 歳代 女性 岐阜県 給与生活者)

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(3)高額な契約を結ばせる 【事例4】 3年前、先物取引で約1,000万円の損をした。調査会社を名乗る業者からお金を取り返してあげ ると言われ、費用として4回にわたり合計約600万円を支払った。なかなかお金が戻ってこないの で、知人に話したところ、だまされているのではないかと言われた。お金を取り戻してくれない のなら、調査会社に支払った約600万円を返金してほしい。 (2009年9月 80歳代 男性 千葉県 自由・自営業) (4)解約を申し出ても全く応じない 【事例5】 出会い系サイトに高額な利用料を支払ってしまい困っていたところ、インターネット上で探偵 業者をみつけた。その業者のホームページには、出会い系サイトや内職トラブル等を例に挙げ、 「詐欺被害に遭ってもあきらめないで。一緒に解決しましょう」等と書いてあった。この探偵業 者に問い合わせたところ、「出会い系サイト業者から被害金を取り戻す」と説明された。そこで 約 10 万円を支払い、返還された金額の 3 割を成功報酬として探偵業者に支払うことを約束した。 探偵業者と契約書等を郵送でやり取りして契約したが、弁護士から電話があったり、報酬は弁護 士ではなく探偵業者に支払うよう言われたり、自分はどんな契約をしたのか不安になった。解約 したいと申し出たが、「すでに調査や弁護士による交渉を開始しているので解約できない」と言 われた。 (2010 年 10 月 40 歳代 女性 滋賀県 家事従事者) 【事例6】 競馬予想情報を提供するという業者にだまされて振り込んでしまった。その代金をなんとか取 り戻せないかと思い、インターネットで見つけた探偵業者に連絡をすると「あなたが被害に遭っ た業者は、当社で扱ったことがある。費用は約 30 万円だが、一部でも振り込めば、すぐに動く」 等と説明された。ホームページにも「業者の所在を突き止め、被害金を取り戻す」等と書かれて いたので、解決できると思い、約 10 万円を探偵業者に振り込んだ。その後、「この件は、弁護士 の介入が必要だ」と言われ、弁護士を紹介された。探偵業者の顧問弁護士か何かだろうと思い連 絡したところ、その弁護士に「そんな探偵業者は知らない。そもそも探偵業者が返金交渉をする ことはできない。だまされたのではないか」と言われた。探偵業者に解約したいと申し出たが「す でに調査を開始したので、残金の約 20 万円も支払ってもらう」と言われた。解決してくれないな ら探偵業者には依頼しなかった。返金してほしい。(2011 年 2 月 40 歳代 女性 広島県 無職) 3.相談事例からみる問題点 (1)過去に被害に遭った人が狙われている 消費者が消費者トラブルに遭った後、突然、全く知らない探偵業者が電話や訪問をして勧誘 する等、過去に被害に遭った人が狙われている。

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(2)「消費者トラブルを解決する」等の勧誘や広告により契約しても解決しない 1)ホームページやチラシ、契約前の説明等で、探偵業者や調査会社と名乗った上で、「消費者 トラブルを解決る」「被害金を取り戻す」「返金交渉をする」「民間の消費者センター」等とう たい、消費者に契約すれば解決できると思わせて契約させ、解決しないという苦情が多い。 2)消費者トラブルを解決すると説明され、業者に費用を支払っても、全く解決せず、すぐに弁 護士や司法書士などを紹介されるケースがみられる。 3)消費者の合意がないにもかかわらず、調査結果を報告書等の形ではなく、口頭で報告するの みなど、十分に調査結果を報告していない業者がみられる。 (3)探偵業の範囲を逸脱した営業を営む探偵業者がみられる 前述の相談事例のように「返金請求」や「解約交渉」等の行為は、弁護士法に違反している 可能性が高いものであり3、また、都道府県公安員会に正規の届け出を行った探偵業者であった としても、このような行為をなす権限が与えられるものではない。 (4)探偵業法や特定商取引法で定められている法定書面が交付されてない 1)探偵業法上の届け出を行った正規の探偵業者は、契約締結前と契約締結時に調査の内容・方 法等を明らかにした法定書面を交付することとされているが4、そもそも法定書面が交付され ていないケースがみられる。また、法定書面を交付するものの、「返金請求」や「解約交渉」 を行うと口頭で説明しながら書面上の契約内容を「法人調査」と記載するなど、法定書面に 虚偽の記載をするケースもみられ、これらは探偵業法違反となる。 2)特定商取引法上の訪問販売や電話勧誘販売に該当する場合、クーリング・オフに関する事項 などを記載した法定書面が交付されていないケースがみられる。 (5)解約・返金に全く応じず、交渉が難航する 1)消費者トラブルを解決するとうたっている業者であるにもかかわらず、消費者や消費者セン ターから、特定商取引法や消費者契約法等の観点から、消費者契約のルールに関する問題点 を指摘し解約を申し出たとしても、調査を開始してしまった等と主張し、解約・返金に応じ ないケースがみられる。 2)特に、特定商取引法上の訪問販売、電話勧誘販売に該当し、契約してから 8 日間以内である 場合や特定商取引法上の書面が交付されていない場合等は、クーリング・オフが可能となる が、探偵業者に問題点を指摘しても、探偵業者が基本的な消費者契約のルールを知らず、ク ーリング・オフを認めない等、交渉が難航する場合がある。 3 弁護士法第七十二条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

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4. 消費者へのアドバイス (1)知らない業者等からの電話や、訪問した業者に「消費者トラブルを解決する」等と勧誘さ れても契約をしない。 (2)「消費者トラブルを解決する」「被害金を取り戻す」等、簡単に解決できると思わせる広 告や説明をうのみにして契約しない。 (3)たとえ、探偵業法上の届け出を行った正規の探偵業者であっても、「返金請求」や「解約 交渉」等を行う権限を与えられているものではないこと、契約前や契約後に法定書面を交 付しない、または書面に虚偽の記載をすることは、探偵業法違反であることに十分注意す る。 (4) 何らかの消費者トラブルが生じた場合は、まずは最寄りの消費生活センター等に相談する。 また、探偵業者とトラブルになった場合にも、クーリング・オフ等が可能なケースもある ので、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談する。 5.業界への要望 契約内容の説明等において、問題のある広告や勧誘を行う場合がみられるので、トラブルの未 然防止、拡大防止及びトラブルの迅速な解決を目指し、探偵業法、弁護士法、特定商取引法を含 む消費者関係法律等のルールに沿った取引を行うよう周知することを望む。 【要望先】 社団法人日本調査業協会 全国調査業協同組合 全国調査業協会連合会 【情報提供先】 消費者庁 政策調整課 警察庁 生活安全局生活安全企画課 日本弁護士連合会 <title>「消費者トラブル解決」をうたう探偵業者にご注意を!!</title>

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