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2 都市的税目に乏しい市町村税 市町村税は 法人所得課税 消費 流通課税といった経済活動を反映する都市的税目に乏しいため 増大する都市的財政需要に市税収入が対応しきれない大きな要因となっています 都市的税目の割合比較 ( 平成 22 年度 ) 100% 80% 37.7% 34.9% 60% 資産課

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Academic year: 2021

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(1)

①歳入に占める割合が低い大阪市税

(2)現行税財政制度における現状と問題点

 住民に身近な行政について、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにす る真の分権型社会の実現のためには、地方税の充実確保が必要です。  しかし、全国的に見ても、歳入に占める地方税の割合は3割程度と、地方税中心の歳 入構造とはなっていません。  とりわけ大阪市は、現行の税制度による要因や、地価下落などを反映して固定資産 税・都市計画税が減収してきたことなどにより、歳入に占める市税の割合が他の指定都 市と比較しても低い状況にあります。 大阪市 38.1% 横浜市 50.1% 名古屋市 46.0% 指定都市 39.9% 全国(市町村) 34.1% 30% 40% 50% 60% H元 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 年度 歳入に占める地方税の割合(普通会計) 大阪市 横浜市 名古屋市 指定都市 全国(市町村) 歳入に占める地方税の割合(普通会計) (%) H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 大阪市 52.4 49.5 50.1 45.1 40.8 38.7 38.5 41.9 41.7 37.2 37.3 横浜市 56.8 55.2 55.0 51.0 48.3 47.0 46.2 46.7 50.7 49.0 47.0 名古屋市 56.2 56.3 55.7 53.2 46.9 45.1 43.7 45.5 48.2 44.7 44.3 指定都市 48.0 47.3 46.9 44.2 40.8 38.8 36.0 38.6 41.4 39.0 38.3 全国(市町村) 39.9 38.7 38.2 37.2 35.6 34.0 33.6 34.7 36.5 34.5 33.5 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 大阪市 36.7 35.7 35.5 35.6 36.3 37.7 41.0 43.0 43.1 37.3 38.1 横浜市 48.8 48.8 48.3 45.8 47.0 49.0 51.4 53.6 50.8 46.5 50.1 名古屋市 45.2 44.1 44.0 43.8 45.9 49.1 50.0 52.7 53.1 47.7 46.0 指定都市 38.9 38.9 38.6 38.0 38.7 39.4 42.6 44.8 44.0 39.8 39.9 全国(市町村) 34.3 34.3 34.4 33.7 34.0 35.0 36.8 39.3 38.9 34.9 34.1

(2)

②都市的税目に乏しい市町村税 (*)税目の区分は、OECD歳入統計の区分基準による (*)地方消費税交付金など、譲与税・交付金の配分後においても、市町村 の配分割合は12.2%にすぎない (*)実効税率とは、①法人税・法人事業税・地方法人特別税と法人住民税で課税標準が異なる こと、②法人事業税・地方法人特別税が損金算入されること、を調整したうえで、国と地方を合 わせた法人所得に対する統一的な税率水準を表したものである (*)資本金が1億円を超える法人を対象とした場合である (*)復興法人特別税を加味した数値である (*)地方法人特別譲与税による道府県への還元前の数値であり、還元後は、国税70.8%、道府 県税21.3%、市町村税7.9%となる。  市町村税は、法人所得課税、消費・流通課税といった経済活動を反映する都市的税目 に乏しいため、増大する都市的財政需要に市税収入が対応しきれない大きな要因となって います。 法人所得課税 9.6% 21.5% 23.8% 消費・流通課税 4.9% 40.8% 41.3% 資産課税・ 個人所得課税等 85.5% 37.7% 34.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 市町村税 道府県税 国税 都市的税目の割合比較(平成22年度) 国税 81.6% 道府県税 10.5% 市町村税 7.9% 法人所得課税(実効税率)の配分状況 国税 18兆609億円 72.9% 道府県税 5兆7,284億円 23.1% 市町村税 9,925億円 4.0% 消費・流通課税の配分状況 平成22年度 総額 24兆7,818億円 100.0% 62.3% 65.1% 14.5% 計 100.0% 法人所得課税 消費・流通課税 市町村税 市町村民税(法人分) 消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、関税など 地方消費税、たばこ税、自動車税、自動車取 得税、軽油引取税など 軽自動車税、たばこ税、入湯税など 法人税、地方法人特別税、復興法人特別税 事業税(法人分)、道府県民税(法人分) 国税 道府県税

(3)

③大都市特例事務にかかる税制上の措置不足 ◆地方自治法第252条の19の規定に基づくもの(17項目) ・児童福祉 ・母子家庭及び寡婦福祉 ・結核予防 ・民生委員 ・老人福祉 ・土地区画整理事業 ・身体障害者福祉 ・母子保健 ・屋外広告物規制 ・生活保護 ・介護保険 ・行旅病人・死亡人 ・障害者自立支援 ・社会福祉事業 ・食品衛生 ・知的障害者福祉 ・精神保健及び精神障害者福祉 ◆その他の法令に基づくもの ・国、府県道の管理 ・定時制高校人件費 ・衛生研究所 ・土木出張所 ・道府県費負担教職員の任免、研修  等 地方自治法に基づくもの→ ←税制上の措置不足額 環境科学研究所、 定時制高校人件費等 国・府道の管理→ ←税制上の措置済額(※) ※別途、大都市の特例として発売できる宝くじの収益金(平成24年度大阪市予算163億円)を含めても なお不足が生じている。 大都市の事務配分の特例 そ の 他 の 法 令 に 基 づ く も の 238 億円 129 億円 (23.6%) 89 億円 219 億円 417 億円 546億円 特例事務に係る 一般財源等所要額 同左税制上の措置 大都市の事務配分の特例に伴う税制上の措置不足額 (平成24年度大阪市予算(当初+7月補正))  大都市では、地方自治法に基づき府県に代わって行っている事務のほか、道路法に 基づく国・府道管理事務なども行っています。  しかし、これらに要する一般財源のうち、税制上の措置がなされているのは、大阪市 では約2割にすぎません。  したがって、大都市特例事務にかかる所要額について、税制上の措置がなされるよう、 引き続き国等へ強く求めていきます。

(4)

④地方税財政改革の推進への取組 ●税源移譲を基本とした地方税財政改革の推進 現状における国・地方間の「税の配分」は6:4である一方、地方交付税、国庫支出金等も含 めた「税の実質配分」は2:8と大きく乖離しており、地方が担っている役割に見合った「税の配 分」になっていません。 そのため、国と地方の役割分担を抜本的に見直したうえで、複数の基幹税からの税源移譲 により、国と地方の「税の配分」を、その新たな役割分担に応じたものとするよう、他の地方公 共団体と連携を図りながら、国等に引き続き強く求めていきます。 地方公共団体が自主的かつ総合的に行政を担うためには、国と地方の役割分担を 抜本的に見直したうえで、その実態と新たな役割分担に応じた地方税財政制度を確立す ることが必要です。 特に都市部においては、昼間流入人口による財政需要や都市の成熟化に伴う更新 需要が大きいにも関わらず、現行の市町村税財政制度は、その財政需要の実態に見 合ったものになっていないため、都市的税目である法人所得課税・消費流通課税の市町 村税への配分割合を高めることが必要です。

(5)

⑤急増する生活保護 (※大阪市の生活保護費についてはP.24参照)  大阪市では、平成2年から生活保護受給者が増加の一途をたどっています。また、生活 保護を受ける人の割合(保護率)は、平成24年3月で、全国では約1.7%であるのに対し、大 阪市では約5.7%で17人に1人が生活保護を受給するなど、総じて大都市を中心に保護率 が高くなっています。 5.72% 3.71% 1.85% 2.08% 3.18% 3.16% 2.83% 2.33% 1.65% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 大阪市 札幌市 横浜市 名古屋市 京都市 神戸市 福岡市 指定都市 平均(※) 全国 保護率の他都市比較(平成24年3月) 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0 400.0 H2 H7 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 年度 被保護人員の推移 平成2年度を100とした場合 (※)指定都市平均は、単純平均 大阪市 337.5 指定都市※ 235.6 全国 203.7 ※指定都市は、札幌市、仙台市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市の11市で算出 大阪市の被保護世帯数・人員の推移 H2 H7 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 31,918 35,487 50,425 56,133 62,182 70,210 75,738 79,671 83,202 86,214 90,040 102,483 113,209 117,374 44,936 46,901 66,299 73,672 81,976 93,033 100,390 105,766 110,141 113,467 117,846 132,856 146,409 151,648 世帯数 人員(人)

(6)

○生活保護財政負担のしくみ 扶助費 国庫負担 3/4 地方負担 1/4 人件費・事務費 地方負担 4/4 ○生活保護費(扶助費)の地方交付税措置不足額の状況(22年度本市試算) 大阪市 ▲178億円 (措置率:75.2%) (※)全指定都市の地方交付税措置不足額 ▲405億円 生活保護世帯の約半数が自立が困難と考えられる高齢者世帯であり、また、近年の 景気後退により、多くの非正規雇用者が失業し生活保護に直結することなど、生活保護制 度が創設から60年を経過し、制度疲労を起こしている状況です。  したがって、雇用・労働施策や、年金制度をはじめとする社会保障制度全般のあり方 を含めた生活保護制度の抜本的な改革が必要です。 地方負担分は、「地方交付税」で措置される制度。しかし 実際に負担した全額が措置されるとは限りません! 13,409 45,390 48,639 51,205 53,106 13,548 28,829 30,488 30,688 32,235 2,194 6,960 7,405 7,906 8,162 2,686 8,570 15,518 22,724 22,997 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 H2年度 月平均 H20年度 月平均 H21年度 月平均 H22年度 月平均 H23年度 月平均 世帯類型別被保護世帯数の推移(大阪市) その他 母子 傷病・障害 高齢者 89,749 世帯 102,050 112,523 116,500 31,837  生活保護は、地方に裁量の余地がないことから、ナショナルミニマムとして国の責任 において実施すべきものであり、その経費は全額国が負担すべきです。  現行制度では、地方負担に交付税措置がなされているが、交付税は標準的な財政需 要を客観的に算定するものであり、地域の実態が十分に反映されないため、生活保護の ような経費になじみません。

(7)

⑥他市町村と差を設けられた大阪府からの補助金 ○平成24年度予算における差等補助       4項目      8億5,200万円 ・中学校給食導入促進事業 ・特別支援学級への看護師配置事業 ・学校元気アップ地域本部事業 ・子育て支援事業  大阪府は、府下の市町村に補助金等を支出する場合に、指定都市である大阪市や 堺市を対象から除くなど、他の市町村と差を設けており、これを「差等補助」と言います。  大阪市民も府内の他の住民と同じように府民税を負担しているにもかかわらず、教 育などの基礎的な行政サービス分野において、指定都市という理由で差を設けるべきで はありません。  住民の負担と行政サービスの関係等を踏まえて、府と市の役割に応じた財源負担と するため、差等補助については、大阪府としっかりと議論を行っていきます。

参照

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