2018年 6 月 7 日 報道関係者 各位 ティーペック株式会社 一般社団法人キャンサーペアレンツ
【がん患者さんに「セカンドオピニオン」に関するアンケート調査を実施】
”セカンドオピニオン利⽤者は3割程度“
セカンドオピニオン利⽤者からのメッセージ
「受けるべき」、「考えるより勇気を持って主治医に伝えて不安を無くしてほしい」
企業の健康経営を支援するティーペック株式会社(東京都台東区 代表取締役社長 砂原健市)は、2018 年 3 月にセカンドオピニオンに関する調査として、子どもをもつがん患者向けのコミュニティサービスを 運営する一般社団法人キャンサーペアレンツ(代表理事 西口洋平)と共同で、キャンサーペアレンツ会 員を対象にアンケートを行いました。当プレスリリースでは、キャンサーペアレンツ代表理事からのメッ セージと、アンケート調査結果をご紹介します。 ■キャンサーペアレンツ代表理事 西口洋平からのメッセージ 【本件に関するお問合せ先】 ティーペック株式会社 担当:営業支援課 塩崎 電話 (03)3839-1105 メール:marketing@t-pec.co.jp ホームページ:http://www.t-pec.co.jp 35歳の時にステージⅣのがんの告知を 受け、それから 3 年以上抗がん剤治療 を続けています。抗がん剤治療をはじめ て 1 年たった頃、その時の薬が使えなく なりました。次の治療を選択する際に、 主治医に相談しセカンドオピニオンを利 用しました。主治医は好意的で、私が提 示した病院だけでなく、私のがんに多く の実績がある病院を教えてくれました。 結果、治療方針は元の病院と変わらなかったため、転院することはありませんでしたが、治療に 対する納得感が増し、主治医との関係性も良くなりました。 こういった経験から、私自身はセカンドオピニオンに良いイメージを持っていましたが、利用す るまでは、主治医に言っていいものか、どのように切り出せばよいのか、関係性はどうなるのか、 転院しないといけないのかなど不安な点も多くありました。利用はしたいものの、わからないこ とが多いために、二の足を踏む人が多い可能性もあるのでないか。そして、多くの方が利用を考 えたことがあるのではないか。そんな思いから、ティーペック社との共同調査を実施する運びと なりました。 今回の調査を通じて、セカンドオピニオンを利用することを迷っている患者さんにとって、納得 できる治療を受けるための一つの選択肢として、セカンドオピニオンがより利用しやすい環境に なっていくきっかけになればうれしく思います。 【本件に関するお問合せ先】 一般社団法人キャンサーペアレンツ 担当:西口 メール:info@cancer-parents.com ホームページ:https://cancer-parents.com【調査結果】
1.セカンドオピニオン利用動機
① あなたはセカンドオピニオンを利用したことがありますか。※現在利用中の方は「ある」とお 答えください。(n=372) ② セカンドオピニオンを利用した動機について、あてはまるものをすべてお選びください。 (回答はいくつでも) ③ ②で選んだ項目のうち、最も強い動機をお選びください。(回答はひとつだけ)(n=122) ある 32.8 % ない 67.2 % ある 40.4% ある 30.2% ない 59.6% ない 69.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性 ⼥性 ・がん患者のうち、セカンドオピニオンの利用者は 3 割強だった。 ・女性に比べ、男性の方がセカンドオピニオンを利用する傾向にある。 79 91 18 8 6 17 13 16 5 43 54 2 1 2 3 3 10 4 0 20 40 60 80 100 今の治療がベストか 確認 す るため 他に良い治療法 はないか 確 認するため 主治医に不満 はないが念 の ため 良い病院を教 えてもらい た いため 主治医の説明 がよく理解 で きないため 主治医がセカンドオピニ オ ンを勧めたため 主治医が信頼 できないた め 目当ての医療機関 に通院 し たいため その 他 回答数 (件) 利⽤した動機(複数選択) 最も強い動機(単数選択) ・「他に良い治療法はないか確認するため」が最も多い。 ・主治医の対応は、セカンドオピニオンを利用する強い動機になりにくい。 ・「目当ての医療機関に通院するため」が一部利用者の強い動機となっている。 【調査方法】 調査対象者 キャンサーペアレンツに所属するがん患者、元がん患者 回答者数 372 人 調査手法 インターネット調査 調査時期 2018 年 3 月 14 日(水)~3 月 21 日(水) 実施主体 ティーペック株式会社 n=⼥性 278/男性 942.セカンドオピニオン利用時の抵抗感・主治医の反応
④ 主治医にセカンドオピニオンの利用を伝える際、抵抗感はありましたか。(n=122) ⑤ 抵抗感が「とてもあった」「ややあった」とお答えの方にお聞きします。その理由をご自由に お答えください。(n=47) ⑥ 主治医にセカンドオピニオンの利用を希望した際、主治医の反応はいかがでしたか。(n=122) とてもあった 5.7% ややあった 32.8% どちらともいえない 8.2% あまりなかった 27.9% まったくなかった 25.4% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ・抵抗感を覚えた利用者は 38.5%となっている。(とてもあった・ややあった計) ・半数以上が抵抗なくセカンドオピニオンを利用している。(どちらともいえない・あまりな かった・まったくなかった計) ・なかでも 1/4(25.4%)は抵抗感が「まったくなかった」。 ・主治医を意識した回答が多くを占めている。 ・回答は「主治医の気分を損なう可能性があるから」「主治医との信頼関係を危惧しているか ら」「主治医に申し訳なく思うから」に大きく分類できる。 とても良かった 31.1% 良かった 27.9% どちらともいえない 32.0% 悪かった 5.7% とても悪かった 3.3% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ・医師の反応が「悪かった」とする回答は 1 割に満たない。(悪かった・とても悪かった計) ・利用者の 6 割程度が医師の反応を好意的に捉えている。(とても良かった・良かった計) ⇒ 主治医への申告により、信頼関係が悪化するケースは少数と考えられる。 カテゴリ Q17「抵抗感があった理由」抜粋 ・気分を害するのではないか。 ・主治医の機嫌を損ねないか不安だった。 ・主治医との信頼関係が崩れる可能性があると思ったから ・先生を信頼していないのかと思われそうで ・良い先⽣だったので、違う医療機関で治療したいと⾔うのが気が引けた ・今まで診察して頂いたのに申し訳ないと思う気持ちがあったため 主治医に悪いと 思って 主治医との信頼関係 を危惧して 主治医の気分を 損ねそうだから⑦ セカンドオピニオンを利用する際、主治医へどのように伝えましたか。(n=117)
3.セカンドオピニオンを利用したことによる気持ちの変化
⑧ セカンドオピニオンを受けたことにより、あなたの気持ちはどのように変化したでしょうか。 ご自由にお答えください。(n=119) ・「率直に話した」「他の意見を聞きたい」という回答が多数を占める。 ・「家族・親戚・知人に勧められた」という伝え方もある。 ・主治医の側からセカンドオピニオンを提案するケースも複数ある。 ・多くの回答が、「受診によってポジティブな影響があった」という内容になっている(安心 した、迷いが消えた、前向きになった、納得した)。 申告者 カテゴリ Q15「主治医に伝えた内容」抜粋 自分 ・そのままを伝えた ・主治医に正直に治療に不安があることを伝えました。 ・他の治療法の可能性を確かめたい ・⾃分が納得する上でも、他の医療機関からの話を聞いて⾒たいので、セカンドオピニオ ンを受診したい。 家族・親戚・知人に 勧められた ・親族からもセカンドオピニオンを受けるよう勧められている、と伝えた。 自分以外 家族・親戚・看護師に 伝えてもらった ・看護師さん経由で話してもらいました ・主治医から、より専門性の高い病院で診てもらうよう言われた。 ・主治医から他の医師の意⾒を聞くように⾔われたので。 率直に話した 主治医から提案があった 他の意⾒を聞いてみたい カテゴリ Q20「セカンドオピニオンを受けたことで変化した気持ち」抜粋 ・この治療が最善だと安⼼できた ・この治療法で間違いないんだ、という安⼼感が⽣まれた。 ・より安⼼材料になった ・2つセカンドオピニオンを得る機会がありましたが、三者とも同じ意⾒でしたので、迷 いなく治療を始める決⼼ができました ・この⽅針でいいんだと改めて思い、治療に臨んだ ・最初受けた病院は、あまりいいお話は聞けず落ち込みましたが、次に⾏った病院では、 前向きなお話や、第一相治験の情報を聞くことができ、気持ちも前向きになれました。 ・自分の受けたい方法での手術ができることになって前向きになれた。 ・主治医とは違う医師に治療⽅法を確認できたので。セカンドオピニオン⾏って良かった です。納得して治療が進められました。 ・従来からの同じ治療でも、納得感を持って受けられるようになりました。 納得した 前向きになった 迷いが消えた 安心した4.セカンドオピニオンの利用を考えている方へ伝えたいこと
⑨ これからセカンドオピニオンを利用しようかどうか考えている方々に、伝えたいことがありま したら記載してください。(n=107)5.セカンドオピニオンを受けなかった理由
⑩ セカンドオピニオンを受けなかった理由として、あてはまるものをすべてお選びください。(回 答はいくつでも)(n=250) ⑪ ⑩で選んだ項目のうち、最もあてはまる理由をお選びください。(回答はひとつだけ)(n=250) ・ほとんどの回答が、セカンドオピニオンの利用を勧める内容となっている。 ・「不安・迷いを解消することが大切」という回答が目立った。 ・主治医へセカンドオピニオンを利用したいと言いにくい方へのアドバイスも目立った。 カテゴリ Q21「セカンドオピニオンの利⽤を考えている⽅々へ伝えたいこと」抜粋 ・考えるより勇気を持って主治医に伝えて不安を無くしてほしいです ・不安はストレスに変わり、それは免疫⼒の低下にもつながるので、⼀度思い切ってセ カンドオピニオンを受けるべく、主治医に切り出してみてください。 ・納得して治療を受けるのが⼤切なので、積極的にセカンドオピニオンは受けたほうが よい。 ・治療⽅法はあまり広がらないことも多いですが、⾃分の納得感は⾼まりますので、そ こが悩みだったら安くはないですが受ける価値はあります! ・絶対に受けた方がいい。二つくらい受けてもいい。が、早め早めに動くことをすすめ る。治療開始が遅れては元も⼦もない。最初の診断時に受ける⽅がいい。 ・受けるなら早い⽅が良い。免疫細胞療法に興味があるなら、抗がん剤投与前が良い。 抗がん剤投与した後では受けられない治験や臨床試験が多かった。 ・主治医に直接伝えづらければ、看護師さんやその病院のガン相談センターに相談すれば良い と思います。 ・主治医や執⼑医には恩や義理があり、伝えにくいこともありますが、ちゃんと明確な 理由を持っているならばそれを伝えないと先には進めないので、たくさんの⼿段を使っ てでも⼀歩前に踏み出して下さい。(例えば、妻(両親、兄弟その他親族)がどうしてもと ⾔うので....とかを理由にしてもいいと思います) 主治医へ言いにくい方への アドバイス なるべく早く受けるべき 納得するために受けるべき 不安・迷いを解消する ことが⼤切 ・セカンドオピニオンの利点が、非利用者の多くに対する誘因となっていない。 ・治療方針を主治医に一任する回答も多い。 ・受診を諦めるケースは少ない。■調査結果まとめ 【ティーペック株式会社について】 設立年月日 : 1989 年 6 月 15 日 事 業 内 容 : 電話による健康相談ほか、医療関連サービス及びEAP関連サービス 代 表 者 : 代表取締役社長 砂原 健市 資 本 金 : 2億5千万円 売 上 : 45億8千万円(第29期) 本店所在地 : 〒110-0005 東京都台東区上野5丁目6番10号 HF上野ビルディング 拠点 : 上野(本社)・新宿・品川・名古屋・大阪 社 員 数 : 234名(2017年7月現在) 相談スタッフ: 432名(2017年7月現在) 事業内容 ■電話による健康相談サービス ■セカンドオピニオンサービス ほか 【キャンサーペアレンツについて】 名称 :一般社団法人キャンサーペアレンツ 設立 :2016 年 9 月 21 日 代表 :代表理事 西口洋平 事業内容 ■「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」の企画、開発、運営 ■キャンサーペアレンツの運営を通じた、子育て世代、就労世代の情報発信 ■イベント、セミナー等の企画、運営、協力 ■「がん教育」「がんと就労」「がんと生活」などにかかわる各種情報提供 など インターネットの普及により医療情報へのアクセスが容易になるなか、治療の選択肢が増えてい ることが広く知られるようになっています。今回のがん罹患者を対象とした調査では、3 人に 1 人がセカンドオピニオンを利用していることがわかりました。動機は「今の治療がベストか確認 するため」「他に良い治療法がないか確認するため」といった理由が多くを占めています。しかし、 利用が進む一方で、抵抗感や不安を感じている方も多くいることもわかりました。 今回の調査では、セカンドオピニオンを利用することによって、プラスの気持ちの変化があった と多くの意見が寄せられています。そんな利用経験者による、「セカンドオピニオンの利用を考え ている方に伝えたいこと」は、悩まれている方に必見のメッセージです。