• 検索結果がありません。

エネルギー関数を用いたニューラルネットワークによる電力系統過渡安定度推定

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "エネルギー関数を用いたニューラルネットワークによる電力系統過渡安定度推定"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

愛知工業大学研究報告 第35号B 平 成12年

エネルギー関数を用いたニューラル

ネットワークによる電力系統過渡安定度推定

E

s

t

i

m

a

t

i

o

n

o

f

Power System

Tra

n

s

i

e

n

t

S

t

a

b

i

l

i

t

y

by

A

r

t

i

f

i

c

i

a

l

Neural Network Taking Account o

f

Energy F

u

n

c

t

i

o

n

s

李揚本 山田浩村 雪田和人

Yang Li Hiroshi Yamada Kazuto Yukita 田端康人州事 Yasuhito Tabata 後 藤 泰 之 榊

一柳勝宏料水

Yasuyuki Go色o Katsuhiro Ichiyanagi. 香田勲州事 Isao Kohda

Abstract Estimation of pow巴rsystem transient stability is more difficult and great

importance because the power system becomes larger and larger. Therefore, fast stability to contingency faults is demanded in power system operation. In this paper the neural networks technique is applied for fast classification of system dynamic security status. A suitable topology for the neural network is' developed, and the appropriate training method and input and output signals are selected. The procedure developed is succe白日fullyapplied to

the IEEE 10-generator 39・bustest system. Data obtained by Energy Functions are used for

training the neural network. 1 .まえがき 電力系統は大規模,複雑化し,大容量発電所は負 荷中心点から遠方になり,送電線は長距離化してい る。このような状況におわて,故障によっては脱調 を引き起こし,さらに大規模な停電事故にまで波及 することが懸念される。より高品質な電力を供給す るために,想定された事故に対する正確な安定度が 求められている。しかし,過渡安定度の計算は,刻 み時間ごとに連立微分方程式を解く必要があり,膨 大な計算時間を要するので,実際の運用において問 題となる。従って,オンラインでの計算を考える場 合などのように,高速な演算が要求される時には, 卒 中国東南大学電力工程系(中国南京市) 料愛知工業大学大学院電気電子工学専攻(豊田市) 桝愛知工業大学電気工学科(豊田市) 料率中部電力(名古屋市) ニューラルネットワークによる方法を用いることが 有効であると考えられる。ニューラルネットワーク による方法は現在までさまざまな検討がなされてい るが,入力として発電機の出力や角加速度などを用 いると大規模系統ではユニット数が多くなり,学習 が困難になることが懸念される[1][2]0 本報告では, まず,多機系統を l機無限大母線系統に系統縮約を 行うことにより検討する。故障送電線が一定の場合 について,故障送電線遮断後の安定判別のシミュレ ーションを行ったところ,系統の負荷状態や故障時 間に関係なく,一定の安定範囲が得られた。そこで, 故障除去時のエネルギ一関数とニューラルネットワ ークの入力データに用いるととにより事故後の安定 度判別法を提案している[3]。また,故障点情報を入 力に追加したニューラルネットワークにより,新た な安定度推定システムを構築し,モデル系統により 検討している。

(2)

2 愛知工業大学研究報告,第35号B,平成12年, Vo.I35-B.Mar.2000

2

.

系統縮約とエネルギー関数 多機系統の全発電機について,安定な発電機群S と不安定な発電機群U とに分ける。さらに,各発電 機群の各発電機動揺を位相中心の考え方で表すと, 次式の

2

1

幾系のモデルに締約される[4][5]。 d2 """

ーっ立=下

'

(

P

mk -

P

"

k)' d k 1¥1.

回=

ds....・H・

.

.

(

1

)

dt“ 出 ' れ じ d20 U ' " M uー ア 「

z

Y

R

(

R

P

1

l

-

f

う1,)δ1 1¥lIES= du....・H・

.

.

.

(

2

)

a

t

-

企# さらに,集合Sにおける集合Uからの相対的な位 相差をとすると,以下の l機無限大母線系統で表さ れる縮約モデルが得られる。 d

Mで7=P21

{

P

"

+

P

"

m sin(o-v)}ヲ0=

九一

δu

(3)

a

r

この縮約モデルに対する,リアプノフ関数は以下 のようになる。 V(δ

刈)

=竺二+土

P

[

nm{sin(δ-os)ー(d-os)} 2 M +、

I

Pe~1 -p,';'n {1 -cos(δ

一九)}]

=

Vk(運動エネルキー)

+

Vp(ホ。テンシャルエネルキー) (4) 3.モデル系統における安定領域 図]に検討の対象として用いた10機39母線系統 を示す。同図において,ある負荷状態における Fl 図l モデル系統 (IEEE 10機 39母線) Fig.l IEEE lO-generator 39・bussyst巴m 地点での3線地絡故障を想定した。故障除去と同時 に,その時点で系統の安定判5.lI

J

を可能にすること目 的として,故障回線開放時刻印w におけるリアプノ フ関数の値Vksw,Vpswを求めた。ここで,系の不 安定平衡点δuにおけるリアプノフ関数の値 Vmax とし, Eksw=VkswNmax,Epsw=VpswNmaxを求 めた。 具体的に,全負荷の60%から 150%まで10%きざ みで変化させた負荷状態と0.1秒きざみで変化させ た故障回線開放時刻で,

F

l

点での故障の場合におけ る 国(sw,Epswを求めた。その結果を図 2に示す。 同図において,系統が安定の場合を

O

印,不安定の 場合を@印で示す。同図から,故障線路が一定とし た場合,ある負荷状態において,故障除去時間が長 ければ長いほど, Ekswと Epswの値が大きくなり, 故障除去後系統が不安定になる傾向がある。それに 対して,軽負荷状態では,故障時間が長くなるに伴 って, Ekswはあまり変化せず Epswの値が大き くなり,不安定となる傾向がみられる。また重負荷 状態では3 故障時間が長くなるのに伴って, Eksw の値が大きくなり,不安定となる傾向がみられる。 以上のことから,故障線路が一定の場合,一定の安 定範囲がEksw,Ep自w により与えられると言える。 Eksw 一ノ一重一負¥荷

:

1

I

軽負荷

05 0.10 015E-psw 020 図2Eksw, Epswで与えられた安定度シミュレー ション結果(故障点・図lの Fl) Fig.2 Simulation result indicated by using Eksw, Epsw(fault point:Fl at Fig.l) 故障送電線を図lの F2および F3の地点として想 定し,同様のシミュレーションを行った結果を図3, 図4に示す。これらの図からも種々の負荷状態や故 障時間に対して,一定の安定範囲がEksw,Epswに より与えられることが分かる。

(3)

エネルギ一関数を用いたこューラルネットワークによる電力系統過渡安定度推定 3 Eksw /重負荷

-

-

-

3

卜鐸

I

晶 欝

4

1

-2φ(

O

財j'

~O

_

0

(i

1

v~@o-。

0

.

0

5

0

.

1

0

骨量グ

軽負荷

0

.

1

5

0

.

2

む Epsw 図3 Eksw, Epswで与えられた安定度シミュレー ション結果(故障点:図1の F2) Fig.3 Simulation r巴sultindicated by using Eksw, Epsw(fault point:F2 at Fig.1) Eksw

4

重負荷

3

ぐ一、、、 。:不安定 、

2 "

.

.

1

⑧ @ ¥軽負荷 @ @

05

0

.

1

0

0

.

1

5

園。

20

Epsw 図4 Eksw, Epswで与えられた安定度シミュレー ション結果(故障点.図 lのF3) Fig.4 Simulation result indicated by using Eksw, Epsw(fault point:F3 at Fig.l)

4

.

安定度推定のシミュレーション 4. 1 安定度推定システム 前節の安定度シミュレーション結果によれば, 個 々 の 故 障 送 電 線 に 対 し て , 一 定 の 安 定 領 域 が Eksw, Epswで与えられることから,安定度の推定 システムを図5のように構築した。この推定システ ム構成は3層の階層型ニューラルネットワークとし た。同図に示すように,入力層は故障線路が遮断さ れた時点、における Eksw,Epswの値,出力層は安定 度の推定値(安定:0,不安定:1)を対応させた。 中間層 出力層 図5安定度推定システム Fig.5 Estimation syst邑m oftran日ientstability 4. 2 賢建度推定の具体関 故障送電線を図1のF1点とし,図 2のEksw,Epsw の{直に対する安定,不安定の関係を安定度推定シス テム図 5に学習させた。学習の方法としては, BP (Back Propagation)法を用いた。あらかじめ想定 した故障送電線に対して安定度のシミュレーション を行った。得られた結果を教師データとしてニュー ラルネットワークの学習を行った。学習データは表 1の値を用いた。学習は 20000回程度繰り返した時 点で学習データによる推定誤差が小さくなり(推定 誤差10-3程度),この時点で学習を終える。 表 1 学習データと学習結果 Table 1τ'raining data and results No. 負荷 Epsw Eksw t sw 教 学習 状態 師 結 果 (p.u.) イ直

0.8 0.090 0.812 0.949

。 。

0000 0.127 l.223 1.199 1 0.9999

0.046 l

601 0.599

0.0000 1.2 0.060 l.768 0.629

0.0005 0.094 2.132 0.699 1 1.0000 6 7 1.4

026 2.058 0.509

0.0026 0.067 2.776 0.599 1 0.9972 189 0 0.001 1.533 0.399

0.0000 1.5 0.012 2.159 0.459

0.0000 0.024 2

497 0.499 I 0.996 学習を終えたニューラルネットワークを用いること により,系統故障時の Eksw,Epswの値から過渡安 定度の判別が可能となる。そこで学習に用いなかっ た負荷状態の下で,故障後における安定度推定のシ ミュレーションを行った。具体的に図lのF 1点で の故障を想定し,故障除去時のEksw,Epswの値

(4)

4 愛知工業大学研究報告,第35号B,平成12年, VoI.35.B.Mar.2000 から過渡安定度を推定した。安定度推定の評価に用 いたデータを表2に示す。得られた安定度の推定結 果を図6に示す。 表2 推定結果の評価に用いたデータ Table 2 Test data No. 負荷状態

t

s Epsw (p.u.)

2- 0.6 0.899 0.032 1.199 0.071 3 0.7 1.069 0.086 4 5 0.9 0.849 0.089 0.999 0.136

1.1 0.699 0.075 0.799 0.123

-

1.3 0.499 0.017 0.619 。目069

1.6 0.399 d.001 0.489 0.023

1.8 0.279 0.026 0.399 0.000

0

.

0

5

0

.

1

0

EksW 0.262 0.346 0.574 1.060 1 1.255 1.563 2.003 1.481 2.289 1.972 3.110 1.335 3目251 0.15 _ 0.20

cpsw

図6安定度の推定結果(故障点:Fl) Fig.6 Estimat巴dresults of stability at fault point Fl 同図の

0

,.は系統動揺から判定した安定,不安 定状況をそれぞれ示し,同記号に隣接する( )内数 値は安定度推定システムの出力値を示している。同 数値はいずれも安定= 0,不安定= 1に近い値で推 定されている。故障送電線を図

i

のF2およびF3の 地点、として想定し,同様の安定度推定を試みた。そ の結果を図 7,図 8にそれぞれ示す。これらの図に おいても安定= 0,不安定= 1に近い値で推定され ていることがわかる。

Eksw

4

1

0:

安 定

1 (1.0Q._OO) 1 _ ~...._ 1

3

1

ゆ 摺

7

)

1

8:

不安定

1(0.0005) 智 (0~56)

21-0(00

轟 轟

(0.9999) l

5)O

0

(

0

.

0

1

1

5

)

轟ゅ.腕

5)

1

,. (U.UUU5

} (0.0001)

0

.

0

5

0

.

1

0

0

.

1

5

0

.

2

0

Epsw

図7 安定度の推定結果(故障点:F2) Fig.7 Estimated results of stability at fault point F2.

Eksw

4

31

2

t(o.則 的 I ..(0.9963) 1 ドO.ω~!~o~w・9999) I 0 (0.00241 (0.9982)

ゅ.0001)0 0 ~"(0.9921) ty.UU:.td)

0

.

0

5

l

;

:

ユl

0

.

1

0

0

.

1

5

0

.

2

0

Epsw

図B 安定度の推定結果(故障点:F3) Fig.8 Estimated results of stability at fault point F3.

5

.

故障線路情報を与える安定度推定システム 5. 1 安定度推定システム 先の図5に示した推定システムは偲々の故障送電 工関rv_

ネ数11!...:.Ij/I3'V jレ i_. ギ

!

ι

KSW (F1 故

i

円 珂 障

I

"L 点

i

情 │ 報 1Fn 入力層 中間層 安定度 推定値 戸ー惨

〔安ト ~J

不安定= 1 出力層 図9 故障点情報を追加した安定度推定システム Fig. 9 Estimation system of transient stability with additional fault point information

(5)

5 を想定した。故障送電線を図1のF,lF2, F3点とし, 故障点情報はそれぞれ1(故障あり)および

o

(故障 なし)で対応させた。出力層は安定度の推定値(安 定:0,不安定:1)を対応させた。前節と同様に, Eksw,Epswの値に対する安定,不安定の関係を図 9 の安定度推定システムに学習させた。学習に用いな かった負荷状態の下で,故障除去時のEksw,Epswの {直から安定度を推定し,その結果を図10(a)~ (c)に, それぞれ示す。いずれも安定=0,不安定=1に近 い値で推定できている。また,これらの図を見ると, 各線路に対応する安定領域の広さが大きく異ってい ても,安定度推定は正確にできていることがわかる。 エネルギ一関数を用いたニューラルネットワークによる電力系統過渡安定度推定 線に対応して構築される。故障発生と同時に,故障 点情報が与えられる場合を想定し,これを入力に加 えた安定度推定システムを図9のように構築したロ 同図に示すように,入力層は故障線路が遮断された 時点における Eksw,Epswの値の他に故障点情報を 与えた。 安定度推定の具体例 例として,系統の中心から比較的遠隔地での故障 Eksw 2 5図

55)

4

図9で提案する安定度推定法はオンライン運用に 利用できると考える。ある実際の電力系統に対し, 運転中の負荷データを使用して,オンライン安定度 推定の計算手順を図11に示す。同図に示すようにニ ューラルネットワークを用いて安定度推定のオフラ イン学習を行う。系統故障時に系統状態を入力し, Eksw,Epswの値からニューラルネットワークによ り,安定判別を瞬時に行うことができる。 6.オンライン安定度推定

J

3

0

.

1

5

0

.

2

0

Epsw

0

.

1

0

(a)故障点 Fl

0

.

0

5

9

Eksw 故障除去時 系統状態l

藍堕主主

故障点情報

(1.0000)

(

1

.

0

000)

(

1

.

0000)

4

J

3

0

.

2

0

Epsw

0

.

1

5

(b)故障点:F2

0

.

1

0

。 圃

0

5

Eksw

4

イ 司 ラ 算 一フ計

一オで

3

2

:

:

f

:]

図11オンライン安定度推定の計算フロー図 Calculation program on line Fig.ll

0

.

2

0

Epsw

0

.

1

5

(c)故障点:F3 区110故障点情報を追加した安定度の推定結果 Estimated results of stability taking account of fault point

0

.

1

0

Fig.lO

(6)

6 愛知工業大学研究報告,第35号B,平成12年, Vo.135-B.Mar.2000 7固あとがき 本報告では,電力系統過渡安定度に関して,安定 判別推定システムを構築し,モデル系統 (10機3 9母線)に対して推定を行った。まず各故障送電線 に対応したニューラルネットワークにより安定度推 定のシミュレーションを行った。これにより比較的 良好な推定結果得られた。さらに,故障点情報を付 加することにより,故障点に対して共通の安定判別 推定システムを構築した,その結果,さまざまな系 統状態に対し,系統安定度が推定できた。また本推 定法はニューラルネットワークがオフライン学習で きることから,安定度推定がオンラインで利用でき ると考える。今後の課題としてa実際の電力系統モ デルを用いて種々の故障点での検討及び電力系統の 構成変更時における検討を行う必要がある。さらに3 すべての故障点に共通に利用できる推定システムと して改良を図る。 参考文献

[l]Dejan J.Sobajic,Yoh-han Pao,“Artificial neu1'al-net based dynamic security

assessment fo1' elect1'ic powe1'systems" ,

IEEE TI'ans. On Power Sy白tem,Vo1.4, No.1, pp.220-228, 1989

[2]Qin Zhou, Jennifer Davidson, A.A.Fouad “Application of artificial neuralnet羽TOT1~Sin power system security and vulne1'ability

assessment" , IEEE Trans.on Powe1'System,

Vo1.9, No.l, pp.525司531,1994. [3]李揚,山回富士宏,雪白和人p後藤泰之,一柳勝宏: 「エネルギー関数を用いたニューラルネットワ ークによる電力系統過渡安定度推定J,平成11年 電気学会全国大会,No.1350,平成 11年3月. [4]Y.Xue, et al.“:A simple direct method fo1'fast t1'ansient stability assessment of la1'ge power

systems" ,IEEE Trans. Power Syst巴

m,pp400-412, Vo1.3, No.2, 1988.

[5JY.Xue, et al.“Dy田 micextended equal area crite1'ion, part 1 basic fOTillulation" ,Athens

Power Tech, Septembe1'1993.

[6]関根泰次:

r

電力系統過渡解析論」オーム社,1984.

参照

関連したドキュメント

ケーブルの種類および太さ ケーブルは,許容電流,電圧降下,短絡容量,施設方法等に応じて 次の中から選定いたします。 なお,ケーブルの許容電流は,日本電線工業会規格(JCS

ハ 契約容量または契約電力を新たに設定された日以降 1

地震 想定D 8.0 74 75 25000 ポアソン 海域の補正係数を用いる震源 地震規模と活動度から算定した値

お客さまが発電設備を当社系統に連系(Ⅱ発電設備(特別高圧) ,Ⅲ発電設備(高圧) , Ⅳ発電設備(低圧)

発電量調整受電計画差対応補給電力量は,30(電力および電力量の算

現在、電力広域的運営推進機関 *1 (以下、広域機関) において、系統混雑 *2 が発生

発電量調整受電計画差対応補給電力量は,30(電力および電力量の算

最近の電装工事における作業環境は、電気機器及び電線布設量の増加により複雑化して