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消費者行動と銘柄転移モデルに関する研究

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(1)

愛知工業大学研究報告

28号

平 成

5

5

5

消 費 者 行 動 と 銘 柄 転 移 モ デ ル に 関 す る 研 究

S

t

u

d

y

0

f

C

0

n s

u

m e r

B

e h a v

i

0

r a n d B r a n d

M o d e l s

Swi tching

ミテオ

Eこ 矛口さ吾 Kazuyuki TERAMOTO

Abstract Numerous studies have been conducted concerning the Markov chain brand switching model and its role in marketing. Ho胃ever,this阻odel in its pure form

has had li凹ited success in application. As a result, various modifications and

alternative probability-based models hav巴b巴enproposed. This paper is a co田

parative study of these models. 1 .はじめに 銘柄転移モデルは商品にいくつかのブランドがあ った場合,毎期必ず1個どれかのブランド商品を購 入する消費者の行動をマルコフ連鎖モデル化し,将 来における各ブランドの市場占有率を推定してきた もっとも単純なモデルはl次の定常なマルコフ型銘 柄転移モデルでは限界があるため,種種の改良が加 えられてきた.そこで現在は,推移確率の定常性を はずし,推移確率に消費者のブランドに対する学習 効果と企業のマーケティング変数を導入して,より 現実に近づけたマルコフ型モデルを構築するとか, 推移確率の推定にペイジアンの考えを導入して,定 常な推移確率の枠を破ったモデルの開発がなされて いる.本研究では,消費者行動のマルコフ・モデル に関する文献の調査と比較検討を行った. 2.本 論 2-1 単純なマルコフ連鎖モデル マーケティング戦略の最大の目標の1つはロイヤ 愛 知 工 業 大 学 経 営 工 学 科 (豊田市) ルな顧客を獲得することである たとえばロイヤル な顧客の割合を推定したり,あるブランドの顧客の うちどのくらいの消費者が他のブランドからどのく らPいの顧客がブランドへ転移してくるかを確率的方 法で分析しようと試みられた.そこで,消費者の購 買行動が l次マルコフ過程であるという仮定のもと に多くの研究がなされてきた 以下 2つのモデルに ついて考察してみる 2-2 洗剤の例 粉石鹸と合成洗剤の簡における転移モデルについ て, Styan and Smith [lJ の報告がある.状態とし て (1) 合成洗剤のみを買った家庭 (2) 粉石鹸のみを買った家庭 (3) 合成洗剤と粉石鹸の両方を買った家庭 (4) 洗剤を買わなつかた家庭 の

4

つを挙げ,

1

0

0

家庭の

2

6

週間のデータから次 の

2

5

個の転移行列を作り,各週ごとの転移割合の 行列を求めた

(2)

表1 転移行列 F ' r 1,35;1, F

2,28,1 3 J F γ 0 3 13,11

I

I

3,27,4,5 1, 2,6, 0, 0,7, 1

I

I

3, 2,6, 0 4, 5,0,1 5, 7,O,18_] L 44,13,0,16 F = [ 1 5 2 2 1 F a r 2,28,3,11

I

I

3,25,3, 8

I

I

1,23,4, 2, 2,6, 0

I

I

1, 3,5, 2

I

I

2, 3,3, 5, 7,O,I2j L 7, 5,O,I4j L 9, 9,1,1 F r l j ] 23, ,263,,52, , F r 2 E ] F γ02,, 284,,42, , 7 1

I

I

I

I

02,, 293,,3

1

]

, ,

ι

9 3 5, 7,1,1 2, 7,I,I4j L 4, 1,1,24 F γ1,27,

0, :]F T401;]F=[16301 6

I

I

1,28,2, 9

I

I

1,29,0, 1, 1,2, 1 1 1 0, 0,2, 0 1 1 ~, 2,~, 10, 9,O,23j L 6, 9,O,20j L 5, 6,3,2 F γ O B j F

:

1

i

:31:2: 61 r D l ] F γ 1 1 ]

I

2;30,2,11

I

I

~,2~ ,~, 1

u

:

2 1 1 1, 0,2, 0 1 I~, ~,~, O:IIUOJ L 6,II,I,I8J L 2,7,0,2 F T4111h[14202]F γ1,32,白:6 1 1 1,35,1, 7 1 1 ~,3~,~, 1

n

0: 0:4: 0 1 1 0, 2,4,0 1 1 0, 1,3, 3:II,2,22j L 6,II,I,I4J L 4,9,0,1 F=[1E21JF=[15011F=[13301 0,37,1,10

I

I

1,38,2, 8

I

I

1,31,ヨ,1 1 ;

u

0

I

I

1, 0,3, 0

I

I

0, 3,2, 1, 8,2,I5j L 5, 7,I,17J L 2,6,0,1 ﹃ I l l l 1 J P 3

a 内 u n u 1 2 n u n U 4 柚 Y

1 内 , ‘ , 。 n u n v 2 司 d d a T n U F O ﹁ l t i l -L

一 一

2 V F 寸 1 1 1 1 ﹂ E 2 0 8 0 0 3 1 0 E 3 0 勾 4 E ' , , ‘ , a , E , 。 ﹁ l i l -﹄

一 一

ヨ 2 ' r ﹁ 1 1 1 1 1 1 1 J 3 9 0 3 内 ' h 内 u a 吟 司 S 内 u l

。 ・

1 0 ' A E 1 2 1 1 3 ﹁ I l l 1 L

一 一

2 2 P F ﹁I l l l ' s t ﹂ p a p a -E F S 時 4 n u -' a 品 1 n U 3 8 0 6 句 , A a a T 司 a n u k w ﹁ l i l t -' t

一 一

5 2 ' r 以下の転移度数行列を加えた全体の転移度数行列 から,平均の転移割合行列を求めると

(

1

)

(

2

)

(

3

)

(4) (1)

i

,6724 .0857 .0229

p)

2)

I

附 717円9 凹 (3)

I

.1235 .2407 .5123 (4) L

.

1465 .2584 .0219 1 1 1 1 1 1 0 1 -J n u n U F コ ヮ “ Q J 1 i q J q J t k 円 U q L マ t 勺 L n L 1 l F

となる.StyanとS皿ithは消費者購買行動のモデルと して,この行列を推移確立行列とするマルコフ連鎖 を利用することを提案している.このマルコフ連鎖 の定常分布を求めると α = (. 2114 .4085 .0614 .3187) となるが,しかし各週のシェアベクトルはこれとほ とんど同じである このことは,洗剤使用の購買行 動はすでに平均状態に達しているものと考えられる. 2 -3 タバコの例

Theil and Rey [2Jは1925年から1943年までのア

メリカにおけるタバコの銘柄転移について分布を行 った 3つの銘柄 Camel, Lucky Strike. Chesterfiedのマーケット・シェアを調べた. 表 2 3銘柄聞の市場占有率 Camel Lucky Strike Chesもerfield 1925 .5056 .2028 ,2916 26

.

4

879 .1899 .3222 27

.

4

504 .2236 .3260 28

.

4

068 .3039 .2893 29 .3637 ,3616 ,2747 1930 .3365

.

4

118 ,2517 31 .3311

.

4

425 ,2264 32 .2936

.

4

498 ,2566 33 .2794 .4008 .3198 34 .3418 .3301 ,3281 1935 .3867 .3013 .3120 36

.

4

074 ,2906 .3020 37

.

4

084 .2949 ,2967 38 .3842 .3195 ,2963 39 .3746 ,3358 ,2896 1940 ,3708 ,3500 .2792 41 ,3579 .3653 ,2768

4

2

.3527 ,3851 .2622 43 .3276 司3875 ,2849 これからマルコフ連鎖の推移確率行列を求めた.こ の問題は市場占有率だけしか与えられていないので, ある銘柄からそれ自身も含めた他の銘柄へ推移する 確率は,次の式を用いて

P

口 = ぞ と (i

j

=0

1

N)

ιg P ij:推移確率Pijの最尤推定量 n ij : 2状態マルコフ連鎖を考えた場合 nス テップを観測したときの状態1か ら 状 態jへの推移 て直ちに求めることはできない.そこで,推移確率 P ij Ci. j= C. L S, C

F )

を変数とする 2 次計画問題を解くことによって,推移確率の推定値 Camel Lucky Strike Chesterfield

Ca血el r ,6686 ,1423 .1891 p= Lucky Strike

I

0 ,8683 ,1317 ChesterfieldL, 4019 0 ' 5981 をえる [3J . この推移確率行列から.Camelの愛好 者 の 約 14%は Lucky Strike へ , 約 19

%

Chesterfieldへ推移していることがわかる, Lucky Strikeの愛好者の約 13%は Cesterfieldへ 推 移 している.また, Chesterfieldの愛好者の約 40% が Camelへ推移していることがわかる.

(3)

消費者行動と銘柄転移モデルに関する研究

5

7

0.1 0 1925 1930 1935 図

l

タバコの銘柄の市場占有率 1940 この銘柄転移割合行列を推移確率行列とみなし,

1

9

2

5

年のマーケット・シェアを初期確率とすマルコ フ連鎖を考えてグラフを描いたのが図

l

である.実線 が実際のマーケット・シェアを示し,点線がマルコ フ・モデルによる推定値を示している.このグラフ によると大きな傾向としてみることはできるものの, 実際のマーケット・シェアの変化を説明することは 少し困難である.さらに改良が必要になってくる. 図2は昭和 56年 (0期)から平成 13年 ( 10 期)までのわが国におけるビールの銘柄転移につい て分析を行いグラフに描いた例である

[

4

J

.

2-4 単純マルコフ・モデルの問題点 単純なモデルによるブランド転移モデルの問題点 が Ehrenberg [5J によって指摘された.以下その 問題点を要約すると次のようになる.

a.

通常,消費者は毎期かならず 1個その商品を買 うとはかぎらないし,複数個貿うこともあろうし, lつも買わないことのあるであろう.また複数買っ たときには必ずしも同一プランドの商品だけを買う とはかぎらない.複数のブランドの商品を買うこと もありうる.このような場合,マルコフ・モデルは 消費者の実際の行動となじまないし,またデータか らの銘柄転移割合(推移確率〉を推定するときにも, きわめて不自然なデータ処理を必要とする. B.銘柄転移割合が定常的であるという仮定は,理 論的にも,今までにデータから知られている事実か らも受け入れ難い.いままでに報告されているデー タについて調べてみても,定常性が成りたっている と思われるケースもほとんどない.唯一の例外は洗 剤の例の Styanand S田ithのケースであるが,これ は,すでにマーケットが平衡状態に落ち着いてしま った場合であり,このようなケースでマルコフ銘柄 転移モデルを適用して定常確率を求めてみても,何 も得るところはない.

c.

マルコフ銘柄転移モデルから導かれる唯一の結 図 2 ビ ー ル の 銘 柄 の 市 場 占 有 率

[

Y

o

]

i

0

1

50

1

0

Eキリン アサヒ サッポロ サントリー

20

[期]

(4)

響を殴昧にしてしまう恐れがある 以 上 の よ う に , 単 純 マ ル コ フ ・ モ デ ル の 場 合 は 銘 柄転移に適用すると,いろいろな問題点があること が判明してきた そ の 後 , 問 題 点 を 指 摘 さ れ る た び に改良モデルが提案されてきた. 単純なマルコフ・モデルでは問題点がいろいろと 指 摘 さ れ , そ の 後 改 良 さ れ た モ デ ル が 提 案 さ れ た 代 表 的 な も の と し て , 学 習 効 果 を モ デ ル に 取 り 入 れ たKuehnの 研 究 や , 価 格 , 広 告 効 果 の 要 因 を 取 り 入 れ たLipsteinの 研 究 , マ ル コ フ 銘 柄 転 移 モ デ ル に 学 習 効 果 と 企 業 の マ ー ケ テ イ ン グ 努 力 を い れ た Kuehnの モ デルが提案されている. 2-6 改良モデル 線 形 学 習 モ デ ル 過去のブランド選択の学習効果を表現するのに Ku ehn [7Jは,次のような線形学習モデルを提案した. 図 3において,

x

軸はT期 に お け る ブ ラ ン ドJの 購 買 確 率, y軸は

t

t

l

期 に お け る ブ ラ ン ド1の 購 買 確 率 を 示 し ている.購買線と拒否線はブランドjが 購 入 さ れ た か 否かに応じてブランド]の購買確率が

t

期から

t

+lへど のように修正されるかを示すものである. 2-5 購買線 拒否線

1

.

0

0

9 1 ワ 十 η

ハ u u n H U ( 叶 + 判 ) ア 凶 ( H + 刊 ) 勺 仏 国 宵 禅 師 山 盤 G

ア ム

R h Q b m 州以同時H+μ 果は平衡状態へかなり速く収束することであるが, 実 際 の マ ー ケ ッ ト で は 平 衡 状 態 は め っ た に 存 在 し な い 町 定 常 的 な 推 移 確 率 を も っ マ ル コ フ 。 モ デ ル が 役 に立つというならば,まず,平衡状態になっている よ う な 例 を 示 す こ と が 必 要 で あ る . こ の 他 に , 単 純 マ ル コ フ モ デ ル の 問 題 点 に つ い て , 森 村s 高 橋 は 指 摘を加えている [6

J

ー (1)目 マルコフ銘柄転移モデルは,消費者がどの ブランドの商品を買うかは, 1期 前 に ど の ブ ラ ン ド を 買 っ た か だ け に 依 存 し て 決 ま る こ と を 仮 定 し て い しかし,これが成りたたないことも多いであろ あ る ブ ラ ン ド の 商 品 を4期連 続 して買 っ た者の の 次 の 期 も そ の ブ ラ ン ド を 選 ぶ 割 合 は , あ る 期 に そ の ブ ラ ン ド を 買 っ た 者 全 体 の 中 で 次 の 期 に も そ の ブ ランドを選ぶ者の割合よりも多い,という報告もあ る 逆に,マルコフ性はなり立つという報告やブラ ンド選択は毎期独立である.つまりどのブランドの 商 品 を 貰 う か は 前 回 ど の ブ ラ ン ド を 買 っ た か に は 依 存しない,という報告もある.このように,マルコ フ性が成りたっかどうかは,その場合場合で慎重に 検討しなければならない.

(

2

)

.

マ ル コ フ ・ モ デ ル は , 本 来 , 個 々 の 消 費 者 の 購 買 行 動 に つ い て の モ デ ル で あ り , 個 人 の ブ ラ ン ド選択確率をそのままマーケット・シェアとみなす 所には飛躍がある.消費者の数が非常に多ければこ のようにみなしでもよいが,消費者の数が少ないと き は , 消 費 者 閣 の 関 係 ( た と え ば 購 買 に 対 す る 独 立 性 な ど ) を 導 入 し て , マ ー ケ ッ ト ・ シ ェ ア ( こ れ 自 身 が 確 率 変 数 に な る ) の 分 布 が ど う な る か を 検 討 し なければならない. (3) る v

このモデルではどの消費者も同じ推移確率行 列 を 持 つ と 仮 定 し て い る が , そ う で な い こ と も 考 え られる.たとえば自動車を買い替える場合,特定の 車種に回執しがちな人と,車種を変えて楽しむタイ プの人がし、るーこのような場合,マルコフ@モデル として一括いて処理してしてしまってよいであろう

0

.

8

7

1.

0

0

Uj Lj t期におけるプランドJの購買確率 線 形 学 習 モ デ ル たとえば,ある主婦がt期 に ブ ラ ン ドJを購入する 確 率 が

0

6

0

であり,実際に彼女がブランド

1

を購入し 図3 か.

(

4

)

このモデルの弱点の

1

つに,消費者がブランド を 選 択 す る と き に 影 響 を 及 ぼ す 各 種 の 要 因 が モ デ ル の中に取り入れられていないことがある.マーケッ ト戦略を考える上で,価格や品質の違い,広告や売 出 の 効 果 な ど が ど の よ う な 形 で 消 費 者 の ブ ラ ン ド 選 択 に 影 響 し て い る の か を 明 確 に す る こ と が 必 要 で あ る が , 単 純 な マ ル コ フ @ モ デ ル で は 逆 に そ れ ら の 影

0

.

6

0

P

jt

0

.

1

6

(5)

消費者行動と銘柄転移モデルに関する研究

5

9

たりすると, t+1期に再びプランド]を購入する新し の購買と接点をブランド・マーケテイングの相対的 い確率は購買線より0,78となる.つまりブランドAを 努力の関数とすることによって修正しうるかもしれ 購入した結果,彼女の反応性向は

0

.

6

0

から

O

.

78へ増 ない.しかしマーケッテイング変数をブランド選択 加したことになる.もし彼女がブランドAを購入しな プロセスに明示的に組み込む方法を検討しなければ かった場合はt+

1

期にブランド

A

を購買する確率は拒 ならない.としている. 否線より,

0

6

0

から

0

3

1

へ落下する.このようにし てブランド1の購買確率はブランドjが購入されたか どうかに応じて増減し,その増減の程度はt期におけ るブランドjの購買確率に依存する.もし,ブランド が3団連続して購入されるなら購買確率は

0

.

6

0

から O. 78, O. 83へと増加する.もし主婦が長期にわったて ブランドjのみ購入し続けるなら,ブランドに購買確 率は購買線主

4

5

度線の交点いよって与えられる上限

O

.

87に接近するであろう. たとえその主婦がいかに長期間ブランドjを購入し 続けるにしても,他のブランドを購入する確率がわ ずかながらも残されているから,この上限は不完全 学習点を表している. 他方,主婦が長期間,ブランドJを拒否する場合, ブランド1の購買確率は低下し続けるか決してゼロに ならず,拒否線と

4

5

度線によって与えられる下限

O

.

1

6

において停止する この現象は不完全消法と呼ば れる.ブランド学習率あるいはブランド消法率,及 び上限と下限は2線の勾配.接点,曲率によって定 まる. この学習モデルについて問題点を吉田・村田・井 関

[

8

J

は次のように説明している 第

l

はブランド購買確率ベクトルではなく,ブラン ドjの購買確率で示されている点である したがって プランド1の購買確率が増加すれば,他のブランド

B

, Cの購買確率総数は増加分だけ減少しなければならな いが,その減少分をいかに配分すべきかが不明であ る.第

2

に特定ブランドの購買は常にその反復購買確 率を増加させると仮定されているが,この仮定が成 り立つのはコーヒーやジュースのごとく品質の標準 化が高く,そこに作用する心理的プロセスは習慣形 成と習慣消法のみの場合だけである.かなりに品質 差が,同一ブランドにおいても存在する製品につい ては,反復購買確率を増加させるのは,ブランドの 選択ではなくて,消費者による満足もしくは不満足 の度合いである 第3にただ単に過去のブランド選択 のみによって修正されたブランド購買確率を用い, マーケテイング・ミックスのバリエーションがブラ ンド選択に及ぼす効果を無視している.この点は

2

2-7

価格,広告の効果をいれたモデル 銘柄転移モデルの有効なモデルとして, Lipstein の報告

[

9

J

を上げることができる.この論文には

2

つのアイデアが提案されている.1つは,商品の手に 入りやすさとブランドの価格によって影響をうける モデルである qiをプランド iを好む人の割合とし,ブランド i を実際に購入する人の割合は Ai=qi di (ri+ei) で与えられるのもとする.ここでdiはブランド1の 手に入りやすさを表し,ブランド‘1を販売している屈 の割合とか,庖の棚に目立つようにおいであるかど うかによって決まってくる riは他のブランドに対 するブランドiの相対的価格による影響をあたわし ており,価格差によってブランド1を好む人の何倍が 実際にブランドiを選択するようになるかを示す指 標である.巴iは誤差項である. 時点tにおける好みのシェア・ベクトルを 7r(t) = (qi(t)),実際のマーケット.シェア.ベクトル をα (t) = (a i (t)) とし, di (ri+ei) を対 角要素とする対角行列をAとすれば, α ( t) = π ( t)

A

(1) と表される.各消費者の好みがマルコフ的に変化す るものとすれば,推移確率行列を P = (Pij) として π ( t) =π(t-l) P=π( 0) p"t (2) より α ( t) = π ( 0) P t A (3) とTよる. このモデルでは,個人の好みがマルコフ的に変化 し,次回にどのブランドを購入したかに依存すると 仮定すると(2)式は 7r (t)=α(t-l)P となるので,個人の購買ブランドがP Aという推移 確率行列をもっマルコフ連鎖として推移すっという モデルになる. もう 1つのアイデアとして,広告効果を考慮した

(6)

マ ル コ フ ・ モ デ ル を 提 案 し た すなわち n期 の 広 告 の 効 果 を 表 す 要 素 を も っ 行 列Anを定義し,広告す る前の消費者態度を表す要素をもっ行列Rnを定義し た Rn+l =RnAn (n=u, 1,2,…〉 ここで, Anの各要素は広告費用と利益の回帰分析に よって得られる.従って, (b

t

b

i

ぺ.・・,

H

2

)

はn期の(n

+

1)銘柄広告費用を表す行ベクトルとし, βij

i

"

1 (r二0,2,. . . . N)は対応する回帰分析とす れば,行列Anの 要 素aIJttlJは適当に正規化すること によって, N Gリ(nJ

=

2...; sijr(n1br(nl r=O となる.従って nステップ推移行列は

RoR1R2 ・・Rn= Ro(RoAo) (R1Al) (R2A2) ・(Rn-1An_l)

= Ro(RoAo)(RoAoAa・ 回 目(RoAoAl"'An_a となる.逆行列R日 iが存在すれば, Anを求める間 接的な方法は, An=Rn-1Rn+l となり n期 の 広 告 の 効 果 を 表 す 要 素 を の 持 つ 行 列 を求めることができる これについて

[

1

0

J

は,わか りやすく解説している. その他に,

L

i

p

s

t

e

i

n

[

I

I

J

は毎期の推移確率行列 を 推 定 し , そ の 違L、から新しい製品が市場に導入さ れ た テ ス ト ・ マ ー ケ ッ ト の 平 衡 状 態 へ の 移 行 の 具 合 を観測する方法を示している.テスト・マーケット で調査を行うときの調査期間を見定めるのにCtの最 大固有値を用いる この他がIより大きい場合は推 移確率行列が大きく変わっているので,マーケット に大きな構造変化が起きていると考えられる 逆に Ctの 値 が1に近くなれば,マーケットは平生に戻っ た こ と を 示 し て お り , 調 査 を 打 ち 切 れ ば よ い こ と を 示している

2-8

変 数 マ ル コ フ ・ モ デ ル マルコフ銘柄転移モデルに学習効果と企業のマー ケ テ イ ン グ 変 数 を 導 入 し た , モ デ ル が

K

u

e

h

n[

1

2

J

に よって提案されている. 銘 柄 転 移 確 率 行 列 を 上 の ご と き マ ト リ ク ス の 形 に 示される この場合rJは消費者がブランドJを反復 購 入 す る 未 修 正 確 率 を 示 し , 基 本 的 に は 使 用 し た 後 A'+l

B

'

+1 C'+1 A

TA十(l-rA)aA (l-r A)αB

B

( ]-rs)aA rs+ (]-rs)as (l-rs)ac

C

( l-rc)aA ( l-rc)as Tc+ (l-rc)aa

に消費者がブランドjに 対 し て 抱 く 選 好 の 度 合 い を 表 している a jはブランドJの 相 対 的 な マ ー ケ テ ィ ン グ吸収力を示す. したがって,消費者がブランドBから Aへ 転 移 す る確率はブランド

B

に執着しない度合いに,ブラン ドAの 相 対 的 な マ ー ケ テ イ ン グ 吸 引 力 を 乗 た も の す なわち (1-rB)aAによって与えられる 同時に.消 費者がブランドBを 反 復 購 買 す る 確 率 は { ブ ラ ン ド

B

へのロイヤルティの度合い(rB) }

+

{B

へのノン .ロイヤルティがブランド

B

の相対的なマーケティ ング吸引力によって変化する度合しサすなわち r B+ (1一rB)αB によって与えられる ただしrJ二未修正反復購買確率(0孟rj;;;:1 ) aj=ブランドjの 相 対 的 な マ ー ケ テ ィ ン グ 吸 51力(2:;aj=l) ここにおいて,個人としての消費者行動を公式化 するためにはパラメータ -a A. a B. a c.

Y

A.

Y

B.

Y

c が 必 要とな る .ここ でaJは 競 争 的 マ ー ケ テ イ ン グ 政 策 の 差 別 的 吸 引 力 を 表 し , い く つ か の 競 争 次 元 に お ける吸引力の平均値であるが,例えは ,aA=0.5, aB=0.3, ac=0.2であれば,平均的消費者にとっ てもっと訴求力に富んだブランドは A であることに な る . し か し 競 争 企 業 が そ の マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 を 逓 ご と に 変 化 さ せ る な ら ば , そ の ブ ラ ン ド の 相 対 的 な吸引力は毎週変化することになる. 他方,このモデルを個人の消費者行動に適用する 場合には rJは最終ブランド選択の学習効果の結果, 期ごとに変化するもとして扱うことができる.とり わけ習慣によるブランドJの反復購買確率はもし]が 最終購買ブランドであるなら,増加するか減少する べ き も の で あ る . こ の よ う に し て マ ル コ フ ・ モ デ ル を 修 正 す る こ と に よ っ て , ブ ラ ン ド に 対 す る 学 習 効 果を企業にマーケテイング変数の効果を組み込むこ とができる.このアプローチは消費者行動に関する 仮 説 を マ ー ケ テ ィ ン グ 上 に 測 定 技 法 を 活 発 す る た め のフレームワークとして有効なものである.しかも こ の モ デ ル は 学 習 現 象 と ブ ラ ン ド 間 競 争 の 側 面 を 単 純 化 す る メ リ ッ ト を も っ て る と い う こ と で , 高 く 評 価することができる

(7)

消 費 者 行 動 と 銘 柄 転 移 モ デ ル に 関 す る 研 究

6

1

2

- 9

Colombo/Morrison モデル この論文 [13Jは,マーケティング戦略に対して マルコフ型のブランド選択もでるを適用し,競合ブ ランドのシェア変還を明らかにしたものである 表 3 マーケットシェアの変化 Markel Share Year General Motors Ford Olher Chrysler 1960 43 27 16 14 1961 44 30 14 12 1962 51 27 12 10 1963 51 25 12 12 1985命 40 21 27 12 表3は1960年から1963年までのGM,フォード,そ の他,クライスラーにおけるマーケットシェアの変 化を現したものである.表4は各年の乗用車のスイ 表4 乗用車のスイッチング行列 New Car 1960 G F

C Previous Car G 0.68 0.14 。日12 0.06 F 0.21 0.60 0.12 0.07

0.15 0.18 0.62 0.05 C 0.20 日17 0.16 0.46 1961 G F

C Previous Car G 0.70 0.15 0.10 0.05 F 0.23 0.64 0.10 0.05

0.26 0.18 0.49 0.07 C

.28 0.17 0.14 0.42 1962 G F

C Previous Car G 0.77 0.13 0.07 0.03 F 0.27 0.62 0.08 0.03

.28 0.18 0.49 0.05 C 0.32 0.18 0.11 0.39 1963 G F

C PreviOU5 Car G 0.78 0.11 0.06 0.05 F 0.29 0.59 0.06 0.06

0.28 0.14 0.48 0.10 C 0.32 0.11 0.09 0.48 ッチニング行列を現したものである.1960年のマト リクスの第l行は, GM車を下取りに出したすべての 人のうち, 68名の人が聞を14%の人がフォードを12 名の人がその他の車に残り6名の人がクリスラーの車 を新たに購入したことを現している.1963年では叫 が他社を大きく引きはなし,シェア拡大を計ってい ることが読み取れる.表5は1960年から1963年までの 各乗用車のロイヤルaユーザとスイッチャーの割合 を現したものである この表は各メーカーに対して ロイヤルティーのない消費者 (ps )のメーカ別の 割合であり,下の表は,同ーメーカーの車にロイ表 表 5 乗用車のロイヤルユーザとスイッチヤの割合 Potential Switchers Year G F

C 1960 35 30 24 12 1961 43 28 20 10 1962 49 29 15 7 1963 53 23 13 I1 Hard-Core Loyals Ye且r

F

C 1960 50 44 50 38 1961 48 49 37 35 1962 56 46 40 34 1963 54 47 41 42 ヤルな消費者

(HC

L)

の割合である この表から 各年代別に比較すると, GMとフォードはpsセグメ ン卜で大きな差があり, H C Lセグメントでは大き な差がないことが分かる.この違いから,フォード はロイヤルティのない消費者をターゲットにブラン ド吸引にマーケテイング戦略を展開するべきであっ たことが解釈できる. これに関連する最近の展開として消費者行動モデ ル と ブ ラ ン ド 戦 略 [12

J

でC/M論文や市場構造の分析 に関する研究を詳細に紹介している 3 まとめ 消費者行動のマルコフ・モデルを中心に文献を比 較検討してきた. もっとも単純な消費者行動のマルコフ・モデルと して, 2つの例について考察した.洗剤の例では, マルコフ連鎖の定常分布と各週のシェアベクトルは ほとんど同じであり,すでに消費者の購買行動は平 均状態に達しているものと考えられている このよ うな場合,定常確率を求めても何も得るところはな タバコの例では,定常はマルコフ連鎖に従うとし て推移確率を求めたが,長期にわったて定常な推移 確率に従うと仮定するのは疑わしい このモデルは 3状態のマルコフ連鎖だあるので,数ステップ後に はほぼ極限確率に従うことになり,定常性の仮説は 明きらかに破棄されてしまう. そこで改良型のモデルとして提案された, 5つの モデルについて考察した.第1に線形学習モデルの 場合は,ブランドを購買するたびにブランドんの転

(8)

移 確 率 は 増 加 し , 購 買 し な い と 減 少 す る . こ の ブ ラ ン ド を 購 買 し つ づ け れ ば ブ ラ ン ド 転 移 確 率 はlに近 づ き , ず っ と 購 買 し な け れ ばOに近づく そ こ で ブ ラ ン ド 転 移 す る 確 率 も し な い 確 率 も 区 間

[

0

1

J

を状 態 空 間 と す る マ ル コ フ 過 程 に な っ て い る こ と は 明 き らかである 第2の モ デ ル は 価 格 と 広 告 の 効 果 を 入 れ た モ デ ル で あ る . こ こ で , ブ ラ ン ド に 対 す る 好 み が そ の ま ま ブ ラ ン ド の 選 択 に つ な が る の で は な く , そ の ブ ラ ン ド の 価 格 や 手 に 入 り や す さ に よ っ て 影 響 を う け る モ デ ル で あ る . そ こ で , ブ ラ ン ド を 実 際 に 購 買 す る 人 の 割 合 は , ブ ラ ン ド を 好 む 人 の 割 合 と ブ ラ ン ド の 手 に 入 り や す さ と ブ ラ ン ド に 対 す る 相 対 的 価 格 に よ っ て 影 響 を う け る モ デ ル と し た . そ し て , 偶 人 の 購 買 ブ ラ ン ド が 推 移 確 率 行 列 を も っ , マ ル コ フ 連 鎖 と し て推移するモデルをつくった.広告効果を考慮、した マ ル コ フ ・ モ デ ル は , 広 告 の 効 果 を 現 す 要 素 を 持 つ 行 列 を 定 義 し , 広 告 費 用 と 利 益 の 回 帰 分 析 に よ っ て 得 ら れ る と し た . 第3の モ デ ル は , 推 移 確 率 行 列 を 推 定 し そ の 大 き さからテスト aマ ー ケ ッ ト に 期 間 を 知 ろ う と い う も の で あ る つ ま り , 新 製 品 市 場 に 出 す 前 に , テ ス ト ・ マ ー ケ ッ ト の 調 査 を 行 う 必 要 が あ る 調 査 期 間 が 長 け れ ば 調 査 費 用 が 増 大 し , 短 け れ ば 費 用 が 少 な く て 済 む そ こ で 最 大 国 有 値 を 求 め る こ と に よ り , 調 査 期 間 を 測 ろ う と い う モ デ ル で あ る 第4の モ デ ル は , マ ル コ フ 銘 柄 転 移 モ デ ル に 学 習 効 果 と 企 業 の マ ー ケ テ ィ ン グ 変 数 を 入 れ た モ デ ル で ある こ れ に よ る と , 各 ブ ラ ン ド の マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 の 結 果 と し て 相 対 的 吸 引 力 は , 戦 略 が 変 わ る と 価 格 , 品 質 , 広 告 な ど の マ ー ケ ッ ト 変 数 に 影 響 を 及 ぼ す . さ ら に , 消 費 者 は ブ ラ ン ド 使 用 後 , ブ ラ ン ド に 対 す る 選 好 度 に よ っ て 消 費 者 の 学 習 効 果 を い れ る こ と が で き る . 最 後 の

C/M

モ デ ル は , 消 費 者 を 各 ブ ラ ン ド に ロ イ ヤ ル な セ グ メ ン ト と ブ ラ ン ド 問 を ス イ ッ チ す る セ グ メ ン ト の2つ の 属 に 分 割 し , ブ ラ ン ド 転 移 行 列 を 対 数 線 形 モ デ ル で 分 解 し , 各 セ グ メ ン ト の 内 容 を 比 較 検 討 す る こ と で 競 合 ブ ラ ン ド の シ ェ ア の 変 化 を よ り 妥 当 に 評 価 し て い る. 以 上 , マ ル コ フ 銘 柄 転 移 モ デ ル の 単 純 な モ デ ル か ら 改 良 型 の 複 雑 な モ デ ル へ と , 歴 史 的 な 発 展 を 比 較 検 討 を し て き た が , 今 後 も 確 率 的 ブ ラ ン ド 転 移 モ デ ル に 関 す る 研 究 が , 発 展 し て い く も の と お も わ れ る . 参 考 文 献

[IJStyan,G. T.R. and R.Srnith,Jr. :Markov chains appli巴dto田arketing,Journal/of担arketing

Research, 1(964),50-55.

[2JTheil,R. and G Rey:A quadratic progra皿皿lng

approah to the esti田ation of transitio日

probabilities, Managernent Science, 12(1966) 714-72

1

.

[3J森 村 英 典 , 高 橋 幸 雄 , マ ル コ フ 解 析 , 日 科 技 連 (1979),287-291 [4J寺 本 和 幸 , 小 川 隆 治 , マ ル コ フ 過 程 に よ る 市 場 占 有率の推移モデル, 0 R学 会 , 春 季 77'Aト7'Jト集, (1992),240-241.

[5JEhrenberg, A. S. C. :An appraisal of Markov brand-switching models, Journal of Marketing Research,2 (1965),347-362.

[6J前 揚 森村英典,高橋幸雄, 153-154 [7JKuehn,A.A. :A田od巴1for budg巴ting

advertising, in Frank, M.B. et al. (eds.) Mathematical Models and Methods in Mark巴t

-ing, 302-356, Richard D, lrwin, 196

1

.

[8J吉 田 正 昭 , 村 田 昭 治 , 井 関 利 明 , 消 費 者 行 動 の 分 析モデル,丸善, (1969),36

[9JLipstein, B. :A凹athe田atical田odel of

co田su皿erbehavior, Journal of Marketing Research, 2(1965), 259-265.

[10J依 田 浩 , 尾 崎 俊 夫 , 中)11軍夫,応用確率論, 朝 倉 書 店 , ( 1987),167.

[11 JLipsten, B. : Test marketing, a perturba tion in the market place, Management Scienc巴,

1

4

(

1

9

6

4

)

B

-

4

3

7

-

B

-

4

4

8

.

[12JKuehn,A.A. and R. L.Day: Prababilistic

田odels of consu田er buying behavior,

Journal of Marketing, 28(1964), 27-31,

[13JColo田bo,R.A.and Morrison,D.G.:A Brand Switching Model with Irnplications for Marketing Strategies.Marketing Science. Vol.8, No. I(Winter 1989),89-99. [14J小 川 孔 輔 , 消 費 者 行 動 モ デ ル と ブ ラ ン ド 戦 略 . 最近の展開,オペレーションズ・リサーチ, V ol. 34, No. 9 (1989),489 -497. ( 受 理 平 成5年3月19日)

表 1 転移行列

参照

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