上田市のデジタルアーカイブ事業と上田城城下町絵図のデジタル化
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(2) 2.2. DVD ビデオ「信州映画百選」. 2.4. ホームページ「上田市イメージデータベース」. このサイトは、上田市の画像データを広く提供するために制 作・公開したデータベースです。収録点数は約1,900点です。 このサイトの特長の1つ目は、地域映像デジタルアーカイブ事 この DVD ビデオは、長野県に関する記録映画など、105作. 業で収集した画像の他、上田市の博物館、美術館、観光課他が. 品、約16時間をデジタル化して保存した映像データを、8枚. それぞれ保有していた画像データも、横断検索することができ. 組の DVD ビデオパッケージにしたものです。1941年(昭和. ることです。2つ目は、有償/無償の別、商用利用の可否など. 16年)から1979年(昭和54年)までの作品が収録されてい. の使用許可条件(ライセンス)を、それぞれの画像データごと. ます。制作には、映画製作会社の協力を得て、著作権処理を行. に明示し、利用申請書をダウンロードできること。3つ目は、. いました。. 約7割にあたる1,300点については、画像データそのものもダ ウンロードして利用することができることです。. 2.3. ホームページ「上田市立博物館」. これによって、出版社、テレビ局、旅行会社などの商用利用 はもちろん、地域学習や研究などの用途についても、画像デー タが飛躍的に利用しやすくなりました。このサイトを通じて、 平成28年1月から9月末までに、約600件の画像データの利 用申請がありました。 URL http://museum.umic.jp/imgdb/. 3.上田城城下町絵図のデジタル化. このホームページは、上田市立博物館の収蔵品を高解像度画 像で紹介するものです。上田城主の甲冑、上田藩関係資料、絵 図、古文書類など、中世から近現代までの収蔵品170点を収録 しています。拡大縮小ができるビューアーによって、縮小して 全体画像を見ることや、拡大して細部を詳細に見ることができ ます。真田氏の後の上田藩主である仙石氏、松平氏を軸に、江. 「地域映像デジタルアーカイブ事業」の一環として、主とし. 戸時代の上田の歴史の紹介も行っています。. て上田市立博物館が収蔵する、上田城の城下町を描いた絵図を. URL http://museum.umic.jp/hakubutsukan/. デジタル化し、サイト「上田城城下町絵図アーカイブ(http://. museum.umic.jp/uedajo/)」として公開を行いました。 博物館が所蔵する「仙石氏在城時代の上田城下町図(元禄 15年・1702年)」「仙石氏家臣屋敷割図写(元禄15年・1702 年)」「安政年間上田城下町絵図(安政年間・1854-1860年)」 デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.24-3 No.95 2017. 19.
(3) の3点と、上田市立上田図書館所蔵の「本丸二の丸図写(幕. 3.2. 元禄絵図マッピング. 末頃)」と、上田城の信頼できる絵図としては最古のものと考 えられる、国立公文書館所蔵の「信州上田城絵図(正保4年・ 1647年)の合計5点の絵図を収録しています。 それぞれの絵図を写真撮影し、記入されている細かい文字が 読める高解像度画像として保存し、解説をつけて公開しました。 ブラウザで細部まで拡大して見ることができるようになってい ます。収録した絵図の代表として「信州上田城絵図」と、サイ トのその他のコンテンツについて紹介します。 3.1. 信州上田城絵図. このコンテンツは、現在の地図の上に、元禄15年(1702年) の「仙石氏家臣屋敷割図写」を重ね合わせて見ることができる ようにしたものです。拡大縮小、絵図の表示濃度調整・表示非 表示の切り替えができるようになっています。 これを見ると、現在の街路や町割りが当時からほとんど変 わっていないことが分かります。敵が侵入しにくいように、二 度直角に曲げる桝形(ますがた)と呼ばれる道の形状が残って いる様子も確認できます。現在の高校の敷地には、当時は藩主 の「御屋敷」があったことが、小学校には「御中屋敷」があっ. 信州上田城絵図(部分・国立公文書館内閣文庫所蔵). この絵図は正保4年(1647年)に上田藩が幕府に提出した. たことが分かります。 3.3. 仮想空間で見る上田城. 絵図で、当時の上田城の姿をかなり忠実に表しているものと考 えられます。現在、国立公文書館が所蔵するこの絵図は、江 戸城の中で保管されていたものを明治新政府に移管したもの です。 絵図を見ると、現在は3つしか残っていない隅櫓が7つ、1 つしか残っていない櫓門が2つ描かれていることが分かりま す。また櫓は、漆喰塗りの白壁に描かれており、現在の上田城 の櫓が「下見板張り」といって、漆喰の壁を風雨から保護する ために、一部を残して板で覆っている姿とは異なっています。 現在は広場となっている城の南側には、千曲川の分流が描かれ. このコンテンツは、上田市立博物館が所蔵する複数の絵図を. 「あまがふち」と記されています。南側が天然の要害であった. 基に復原した「上田城復原模型」を、多方向から撮影すること. ことが分かります。. で立体的な表現ができるようにしたものです。 「城の南側に流れ. また、それぞれの場所の長さや周辺の山や台地からの距離、. る千曲川の分流である「尼ヶ淵」からお城を見上げる」といっ. 堀の幅や深さが詳細に記入されており、幕府が諸藩の支配体制. た、臨場感のある楽しみ方ができます。こうした模型を使った. を固める意図を持って作成、提出させたことが伺えます。. 映像は、3次元 CG による再現ができるまでは、昔の上田城を 立体的に感じることができる数少ない方法のひとつでした。. 4.まとめ 上田城を CG によって再現したコンテンツとして、上田市教 育委員会が制作した「VR 上田城」という、スマートフォン・ タブレット用のアプリがあります。大河ドラマ「真田丸」の放 送によって、たくさんの観光客の方が上田にお越しになること. 20. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.24-3 No.95 2017.
(4) が予想され、その皆さんにより興味を持って上田城を見ていた だこうと企画されたものです。. 「VR 上田城」のスクリーンショット. 「VR 上田城」は、資料がない部分を考証と想像によって補っ てモデリングしたもので、厳密には「アーカイブ」ではありま せん。したがって「地域映像デジタルアーカイブ事業」とは別 の事業です。しかし、そのモデリングには、アーカイブ事業に よってデジタル化した絵図が利用され、表現の仕方には、これ までに制作した多数のコンテンツでの経験が生かされています。 その意味では、「VR 上田城」は、約20年間の「地域映像デ ジタルアーカイブ事業」の成果の蓄積の上に完成したものだと 言えます。言い換えれば「VR 上田城」は、「地域映像デジタル アーカイブ事業」の集大成であり、そうしたものがこの機会に 完成し、多くの皆さんにご覧いただけたことを、たいへんうれ しく思います。 【参考文献】 1)中田節子 1993年「広告の中の日本」ダイヤモンド社 2)上田市誌編纂委員会 2002年「上田市誌 歴史編(6)真田 氏と上田城」 3)上田市誌編纂委員会 2002年「上田市誌 歴史編(7)城下 町上田」 4)尾崎行也,佐々木清司 2015年「上田古地図帖」しなの き出版. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.24-3 No.95 2017. 21.
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