Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of DesignWeb
サ イ
トに お
け
る
HCD
の
実 践
Practical
Cases
of
HCD
Process
in
Web
Building
Projects
.
近 藤 朗
KONDO
Akira
日
立 インター
メ ディ ックス株式 会 社
Hitachi
lntermedix
Co .
,
Ltd.
1 .
は じめ に
Web
サ イ ト は、
イン ター
ネッ トの初 期に おい て 情 報 系 技 術 者 や 学 術 関 係 者の情 報 発 信 等 に 使 用 さ れて い た が、
閲 覧 する ユー
ザ 数 も拡 大 し、
ま た、
そこ での 表 現 技 術 が よ り高 度
に な る に した がっ て、
テ レ ビ・
ラジ オ・
新 聞・
雑 誌 に 次 ぐ メ ディ アと して成 長 してき た。
当 初、
Web
サ イ トは 従 来 か らの マ スメデ ィ ア である テ レビ・
ラジ オ・
新 聞・
雑 誌 よ り 安 価 に 情 報 を 発 信で きる メ ディア と して捉
えられてき た が、
双 方 向の コミュ ニ ケー
ション機 能
およ
びログ解 析 な
どのト
ラッキ
ングツー
ルが充 実 す
る につ れ、
市 場の反 応を得ること ができ る メ ディア と して用い られ る よう になって ぎ た。[
1
]
一
方、
Web
サ イ ト を ブ ラウザ 上でア プ リー
シ ョ ンを 実 行 す る 場と考
え、
各 種
の手続
き・
申
し込 みか ら業務
ツー
ルなど の シ ス テムを インター
ネッ トのフ ラッ トフォー
ム上に構 築 す る 事 例 も 増 えている。
こ う し たWeb
サ イ トの用 途の拡 大 に よ り、一
般のユー
ザ に 対し て もユー
ザ ビリ ティ・
アクセ シビリ ティを 考 慮 する こ とが 求 め ら れ、
ま た、
いか に新
し いサー
ビスを 適 切 に 提供
し て いく か と い う点も ビ ジ ネス の側
面か ら も 注 目 さ れ、
Web
サ イ ト構
築
・
運 用
におい て人 間 中心 設 計 (
以
下、
HCD
と称
す)
プロセ ス を 取り入れる必要性 が 増し て き た と 言 え る。
本 論では
、
Web
サ イ ト構 築
・
運 用にお けるHCD
のプロ セ ス・
手 法
に つ い て概 観 す
る と とも
に、
実 際
のWeb
サイ ト構 築
の事
例 か ら、
HCD
プロセ ス導 入の あ り方 につ い て述べる。
2 .Web
サ イ ト構 築
に おけ
るHCD
の手
法こ こ では
、
Web
サ イ ト を(
1
)
情 報
発信
・
広告
宣 伝メ ディ ア系
Web
サ イ ト(
2
>
一
般 向
けネ
ッ ト通
販・
サー
ビス提 供 系
Web
サ イ ト(
3
)
特 定
ユー
ザ向
け業 務シ ス テ ム系
Web
サ イ ト に分 け、
それ ぞれのWeb
サ イ ト構 築
・
運 用 プロ セ ス におけ るHCD
の手法
に つ い て、
特 徴 的な ものを 述べ る。
(
1
) 情 報発 信
・
広告 宣 伝
メ ディア系
Web
サ イ ト 初 期の企 業に お けるWeb
サ イ トの活 用と して、
会 社 情 報の 発 信が
あ るが
、
現在
でも 「製
品・
サー
ビ
ス」 「投 資
家 向 け 情 報」 「採 用 情 報 」 な どの情報
発 信 か ら、
マー
ケ ティ ン グ キャンペー
ン のよ う な 広 告 宣 伝 活 動にWeb
サ イ トを 使 用 する事 例は多
い。
こ のよ う な
Web
サ イ トを構 築
・
運 用
する場 合
、
夕
一
ゲ
ット
ユー
ザ
を絞 り込
む事
が多 く
、
どの よ う な情 報
が必 要
か 「ア ン ケー
ト」 や 「イ ンタ ビュー
」 で収 集
し、
そ の目 的を 「ペ ル ソ ナ」 「シナ リ オ」 で明 示、
解 決 案
に 関して は、
グ
ラ フィ ッ ク デ ザ インお よ び5
つの帽 子 掛 け な どの原 則 に 則 り情 報
の 表 現 お よ び 構 造 を 具 体 化 していく。
その評 価 に 関 して は、
ユー
ザ が 必 要 な 情 報 に 到 達でき る か を 「ユー
ザビ
リ テ ィデ ス ト」 な ど を 中 心 に 検 証 する。
ま た、
公 開 後の評 価 と してプログ や 各 種の ラ ンキ ング な ど[
2
]
も変 化
して い くユー
ザ お よ び 社 会のニー
ズの一
面
を明
示 してお り、
あ
る種
の評 価 指 標
となる。〔
2
)
一
般 向
けネッ ト通 販・
サー
ビス提供 系
Web
サイ ト前 述
した 「情 報
発信
・
広 告 宣 伝
メ デ ィ ア系
Web
サイ ト」 で は、
ユー
ザは情 報
の閲 覧・
収 集
が 目的
と な るが、
こ の よ う なWeb
サ イ トで は、
さ まざ
ま な インタ
ラ ク ショ ンを 通 して、
欲
しい商 品 を 見つ け、
購 入 す る、
あ るいは デ ジタル カ メラで撮 影 した 画 像 を 限 ら れ た メン バー
と 共 有 し た りす ること が 目 的 と な る。
そ のため
、
要求事
項 を 明 示する際に、
どのよう な インタラ ク ショ ンと なるか 「ペー
パー
プロ トタ イ ピング 」 な どで確
認し て仕 様
を定め て い く と と も に、
解 決案
の作
成に お いては 「対 話の 法則
」 な ど インタラクテ ィブシステムの設計
に関
す る 原 理・
原 則を踏ま え、
評 価で は 「ヒ ュー
リ ス ティ ック 評価
」 か ら 「パ フォー
マ ン ス テ ス ト」を 実 施し て、一
般ユー
ザに提供
する前
に問題 を 発 見
し開発 す
る事 が望 ま
しい。公 開 後
に 関 し て は、
コ ミュ ニティサ イ トや ネットア ンケー
ト結 果 を ま と め た 情 報 サ イ トな どで使い方 を説
明 すると と も に、
多
くのユー
ザ が 混乱
する インタラクシ ョン は速 や かに改善
し て いく必要
が ある。〔
3
) 特 定
ユー
ザ向 け 業務
シ ス テ厶系
Web
サ イト
業 務
シ ス テム に 関 し て は、
事 前
に 「利 用の情 報 の 把 握 と 明 示」 か ら 「ユー
ザと組 織の要 求 事 項の明 示」 のフロセスで要 求仕 様
を適 切
に ま とめ る必
要 が あ る。 その ため、
「フィー
ル ド調 査 / 観 察」 な ど 業 務 分 析 な ど を 実 施 し、
「ユー
スケー
ス図」 などの
UML
(
Unified
Modeling
Language
) や その他のシステ ム 要 件 定 義の手 法 を 用いて明 示 す る。
「設 計 に よ る 解 決 案の作 成 」 か ら 「要 求 事
項
に対
する設 計
の評 価
につ い ては、
「フロ トタ イ ピング 」 手法
を 用い、
ユー
ザ
と と も に開発・
評価
を行
な う事
が 望ま し い。 近 年、
必 要な サー
ビス の みを
提 供 す
るSaaS
(
Software
as aService
)
と 言 わ れ54
デ ザ イ ン 学 研 究 特集号sPeじial lssue ot」apanese soclety terthe sGLence ef deslgn
Vol
.
18−
2 No.
70 2011Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Designる
web
で のサー
ビス・
ビ ジ ネスが 注目
さ れて い るが、
そ の開
発 フロ セ ス で は シ ス テム が初
期の要
求事
項 を満
足 し た と し ても プロジェ クト
は終 了
せ ず、
技 術
の進 展
およ
び使
用 す るユー
ザ か ら の フ ィー
ド バック か ら、
継 続
的 に改 良
を続けて い る。
[
4
]
以 上
、
Web
サ イト構 築
・
運 用
におけ
るHCD
の特徴
につい て 述べ て来た が、
そ の 手法についてま と め た も の を図1
に示す。
ISO13407 (JIS Z 8530 )州 の プロ セ ス HCD の 必 要 性 の 特 定 要 求 を 満 足 す る ま で 繰 り 返 す 利 用の状 況の 把 握と 明 示 ユー
ザと組 織の 要 求 事項 の 明 示 設 計に よ る 解 決 案の作 成 要 求 事 項 に対 す る 設計の 評価 システム が特 定の ユー
ザお よ び組 織の 要 求事項を満足 Web サ イ ト構 築 に お ける HCD 手法の例騾・
オ ン ラ イン リ サー
チ・
シ チュ
エー
ション/ニ
ー
ズ 分析・
フ ォー
カスグルー
プ・
業 務 調 査 /観 察・
エ ス ノ グ ラ フィー
調 査・
ユー
ス ケー
ス 図 〔UML )・
ベ ル ソナ・
シ ナ リ オ ペー
ス ド デ ザ イ ン・
ペー
パー
プ ロ ト タ イ ピング・
カー
ド ソー
ティン グ・
コ ンテ クスチュアルデ ザ イン・
各 種Web ガイ ドライン・
アクセ シ ビ リティチェ
ック・
ユー
ザ評 価・
ヒュー
リ ス ティ ック評価・
負 荷テ スト・
ロ グ解 析.
.
’
.
.
袖.
t.
尽“嗣査.
.
.
.
※1 1SO 13407 〔JISZ8530 ):イ ン タ ラ ク ティブシ ス テ ム の 人 間 中 心 設 計 プ ロ セ ス ※2 各プロ セスでHCD を麓実に進めるための.
各種 手 法が開 発されてお り、
ここ ではWeb サ イ ト 構 築 プ ロ ジェ
ク ト に お い て、
使 用 さ れ て い る い くつか の 手 法 につい て 示 し た。
図1 Web サ イ ト構 築・
運用におけるHCD の手法 例3
.
自 治 体
のWeb
サ
イ ト構 築
に お けるHCD
の事 例
Web
サ イ ト構 築
の プロ ジェ ク トで は、
「ユー
ザ ビ1丿 テ ィテ ス ト」 や 「ペ ル ソ ナ」 な どの手 法 を 用い て、
HCD
プロ セ スを実 践
す る事 例
が報 告
され
て い る。
しかしな がら、
評 価
の高
いWeb
サ イ トに は 手 法 を意 識
せず
と もHCD
プロ セス を実
践 して い る 事 例 が あ る。
本 章では、NPO
法 人 人 間 中 心 設 計 推 進 機 構 (以 下、
HCD −
Net
と 称 す )が2006
年 度 か ら3
年 間 に 渡っ て実 施 して来 た 「地 方 自治 体
Web
(
引
越)
サ イ トのユー
ザ ビ リ ティ評価
」[
5
]
を例
に、
Web
サイ ト構 築
の事 例
をHCD
プロ セ ス の視 点
か ら考 察
す る。
(
1
) 自治 体
Web
サ イ トのユー
ザ ビ
リ ティ評価
につい て これまで の マ ス :]ミ・
出 版 社の評 価 チェ ック1丿ス トや ガ イ ド ラ インに基
づ く静 的
な 評価
と は視 点
を変
え、HGD −Net
の 評 価 では人 間 中 心 設 計の ペ ル ソナ、
タスク を 基に し た 動 的 な 評 価 を 行っ て来 た。
これ は、
実 際に利 用 者 が 活 用できるか、
役に立つ か、
とい う利 用 者 視 点から 人 間 中 心 設 計プロ セス の一
環
として のユー
ザビ
リティ評 価 と なる。
この評 価 事 業では、
ラ ンキング に 主 眼 を 置 くの で は な く、
「新 た な 気 づ き 」 の示 すこと よ り、
多 くの人 にHCD
ノ ウハ ウ (Web
のユー
ザ ビリ ティ) を 提 供 す ること を 目 的 と して いる。
(2
)2006
年 度総
合1
位 東
京都
品 川 区の開 発 プロセス自
治体
と して の品 川 区
は、
区
民 に サー
ビスを提供
する視 点
を常
に持
ち、
Web
サ イ ト構 築
にお い ても、
お客 様
で あ る 区 民 に対
す るサー
ビス設 計の視 点で開 発 を 進め た。
開 発 におけ るポ
イ ン トは 以 下 の 項 目であ る。
・
市 民の声 は、
アンケー
トや ホー
ムペー
ジモ ニ ター
調 査 か ら 入 手・
「シ ンプ ル 」 「誰 も が使
いや す く」 「区の魅 力 が た く さ ん」 の制 作の 三本 柱・
組 織
を横 断
し た情 報
の整 理、
充 実 を行
い、
各
ペー
ジの レイアウトをシ ンプル に
統
一
・
アクセ シビリティ、
ユー
ザ
ビリ テ ィを検 証 す
る ため、
Web
サ イ ト 公開 直
前
に障 害者
の 方 に よ る評価
品
川区
のWeb
サイ トのHCD
プロセス との関
連 を図
2
に示 す。〔
3
)
2007
年度 第
1
位 川 崎市麻 生 区
の開発
プロ セ ス麻 生
区のWeb
開 発
も 区 民の立 場
に視 点
を置 き
、
プロ ジェク
ト体 制
を整
えて進 め ら れ た。
この プロジ
ェ ク トでは、
相 互 にHGD
手 法、
プロセスを 教 え あ う 組 織 が 実 現 さ れ、
14
あ る 区 役 所 の 各 課 の 担 当 者 が 更 新 作 業 を 行い、
区 民 か ら の さ まざ
ま な 意 見 等 は 総 務 企 画 課 企 画 調 整 担 当 が と り ま と めてい る。
具 体 的 な 方 針、
開 発作 業
の進 め 方 を以下
に 示 す。
人間中心設計の.
.
必 要 性の特 定t’
.
.
一
利 甬 状 況 の 把 握 と 明 示 高 齢 者 を 含 め た 区 民 モニター
に よ る評 価 シ ステムが特定の ユー
ザー
及 び組 織 の要 求 事 項 を 満 足 ホー
ムベー
ジ診 断 や 電 子 アンケー
ト に よD.
利 用 状 況 を 把 握 要 求 事 項 に対 す る 設 計 の 評 価 組 織 を 横 断 した 情 報 の 整 理、
充実を 行 い 各ペー
ジ の レイ ア ウ トを シ ン プ ル に 統一
お客様
の視 点
1
区 が絽 織 的 に お 客 様 視 点 に 立つこ と を 常 に 心 が け る 風 土 設 計 に よ る解 決 策 の 作 成 ユー
ザー
と 組 織 の 要 求 事 項 の 明 示 リンク 切 れ や 秩序な く増殖する 情 報を粤編集し、
区民の利便柱 を考慮して、
手続き・
申請 系情 報の充黨を 図 る ユー
ザー
の視 点に立った.
き め細か い情 報の提 供 シ ンプル で一
貫 し た レ イ ア ウ ト・
ナビゲー
シ ョン 図2
東 京 都 品 川 区 のWeb
サ イ トのHGD
プロセ ス と の 関 連 (資 料 :NPO
法 人 人 間 中 心 設 計 推 進 機 構)欝
∴ 鷺
漁
Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design・
ホー
ムペー
ジ
診 断 や 電 子 アンケー
トで利
用状
況 を把 握
・
お 客様
の 視 点 !常
に 組織
的 にお客 様
の視
点に 立 つこ とを 心 掛 ける風 土 づ く り・
嘱 託
のIT
指 導 員
と と も に 導 線の検
討、
他 部 署 との情 報 提供
に関
する調整
・
自
らも障 害
を持
っIT
指 導 員
に よる アク セシ ビ リティ の確
認
、
リニ ュー
ア ル時に、
市
民 か ら の利
用 に関
す る フィー
ドバ ッ
ク
(
4
)
2008
年 度 第
1
位 兵庫
県 尼崎 市
の開発
プロ セ ス尼
崎 市
で は、
従来
のWeb
サ イ トが各 課
で別 個
にコ ン テンツ を 作 成 していた た め、
多
く の 情 報 が重 複
し ていた り、
情 報 構 造
が 整 理 さ れてお ら ず、
市 役 所 職 員でさ え 必 要 な 情 報 に到 達で き ない状
態であっ た。
そのた めIA
(情 報アー
キ テ ク チャ) を 再 構 成 すると 共にCMS
(コ ン テ ン ツ マネ ジ メン トシ ス テム ) を採用
した。 こ の リニ ュー
ア ル作 業
に おい ては、
リー
ダー
シップを発 揮
した キ
ー
マ ン と各課
の担 当者
、
上長
の協 力 体 制
が確
立で き た こ と、
ま た キー
マ ン と な っ た方
が 専門家と同 等の視
点を備
えて いたこ とが成 功
の鍵
となっ た。 それら、
ポ
イン トとな
った事
項 を 以 下に示 す。
・
生
活者
の視 点
に 立っ た キー
マンの存 在
・
メー
ル、
市 民 満 足 度 調 査 に よ るWeb
サ イ トに対 す るフ ィー
ドバ ック・
ライフ ス テー
ジ 別の暮
ら しの手 続 き インデックス と 導 線の 整 備・
外部
の専 門業
者 と 共 に、
ユー
ザ ビ ザ リ ティ、
アク セ シ ビ リ テ ィに も配 慮 し た デザイ ン テ ンフレー
トを 実 装で きるCMS
を導 入
し た リニ ュー
ア ル・
市 役 所 内の メ ン バー
に よ る検 討
、
市民 モニ ター
(まちかど特 派 員 )
によるWeb
サ イ ト の評価
こ の よ う に
高
い評価
を得
た 地方 自治 体
のWeb
サ イ ト構 築
に おいては、
必 ず し もHCD
プロセ ス の専 門 家 が プロ ジェ ク ト に 加 わっ てはいな かっ た が、
ISO13407
で定 め ら れ たHGD
の各 プロセス で必 要 な 作 業 を 行 なっ て いた といえ る。
これ らの事 例 以 外 に も、
HCD
プロセスを カ リ キュ ラ ム に持っ て い る教 育 機 関
と連 携
し、
Web
サ イ トの リニ ュー
ア ルプロジェ クトを進め、
成 果を挙
げた事例
も報 告
されて い る。[
6
]
4 .
企 業
のWeb
サ イ ト構 築
に お け るHCD
の事 例
企
業
のWeb
サ イ ト は、
会社 案 内
か ら業 務
シ ステ ム系
な ど、
さ ま ざ ま な 目 的 を 持っ てお り、
その予算
や 期 間 も ま ち ま ちで あ る。
小 規 模 な プロ ジェ ク トで は、
費 用 的 な 面で もHCD
プ ロ セス を 導 入 す ること が難
し く なるが、
そ れ よ り も メン バー
がHCD
プロ セ ス に対す る 認識 が不 足 し て い た り、
発注側
で もWeb
サ イ トの継 続 的
な改 善
を考 慮
して いない場 合
が多
い。 そ56
デ ザ イ ン 学 研 究 特集号special issueotjapanese soeletytorthe sciencg ofdesign
Vo)
.
18・
2No
.
702011 の た め、
業
界全 体
と して はHCD
プロセスが漫
透 して いない感
も あ る が[
7
]
、
ペ ル ソ ナ マー
ケ テ ィ ング な どの成
果 が 見られ、
ビ ジ
ネスと してサー
ビス提 供
さ れ る事 例 も報 告
さ れ るよ
う に なっ てき た [8
]。
富
士 通では、
子 ど も向
け サ イ ト 「富
士 通 キッズ
:夢 を か た ち に」の制 作でペルソナ を 活 用 し た 事 例 を 紹 介 す る 共 に、
その成 果物
で ある 「富
士 通 キッズコ ン テ ン ツ作 成八 ンド ブック」 を同社
のWeb
サ イ トか ら ダ ウン ロー
ド提供
して いる[
9
]
。
こ の プロジェ クト で は、
以 前 はメ ン バー
間にあっ た サイ トのゴー
ル のズレが解 消
され
、
レビュー
でよ り質
の高
い議 論
が な され
た と の効
果が 報告
さ れて いる[
10
]
。 日 立 製 作 所では、
Web
サ イ トを 含め た業 務シス テムの構 築 プロセスに お け るユー
ザ
ニー
ズ
を効 率
的 に 引 き 出 す ツー
ル と して
、
「uCosminexusNavigation
PlatformJ
を 開 発 し、
HCD
プロセスと と も に 提 案 して いる [
11
ユ。
筆 者
の所属 す
る日
立 インター
メデ ィックス で は、
独
立行 政 法
人情 報
処理推
進機 構
の情 報セキュ リ テ ィ啓 蒙コ ン テ ン ツ制 作
に お い て、
エ キス パー
トレビュー
とし て ア ドバ イザ 委
員会
を構 成
し た事
例[
12
]
、
ペル ソ ナ を作 成
し た事 例 [
13
]
があ る。
三
菱
電機
の企 業
Web
サイ トにおい て も、
HCD
プ ロ セ スを導
入 している 報 告 さ れている。
[14
] コ ンサ ルテ ィ ングフ ァー
ムでも、
HCD
の取 組みは 進 め ら れ てお り、
例 え ば 野村 総
合 研 究 所では 通 販 サ イ トの リニ ュー
アル プロジェ ク トにおい て、
「ペ ル ソナ・
シナリオ・
利用行 動の設 定」 「現 行
サ イ トの評 価
分 析」 と して、
ユー
ザ ビ リティテ ス ト お よ びエ キス パー
ト レビュー
を 行い、
「設 計の検 証
」 と し て プ ロ トタ
イ ピング評 価
を行
なっ た事 例
、
金 融商 品契 約 申
し込
み・
契 約 者サポー
ト サ イ ト の2
段 階の リニ ュー
ア ル に際
し、
ウォー
クス ルー
法
によるエキス パー
トレビュー
を行
なっ た事例
を紹 介
し ている。
[
15
]
そ の他
、
具体 的
な事 例
の い くっか はWeb
ユー
ザ ビ リティの コ ンサ ルティ ン グ 企 業のサ イ トでも 紹 介 さ れて い る。
[
16
】
ビ ジ ネス に おい て
HCD
を 導 入 する効 果 とし て は、
利
用品 質
の向 上 という質
的 な もの も あ る。
ま た、
HCD
プロセス を 適切
に実施
す るこ と で、
開
発 プロ セ ス の手
戻 りが無
く な り、
結 果 的 に 工数
の削 減
に結
びつく点
が ある。 ニー
ル センは、
自身
の分 析 レポ
ー
トの中
でユー
ザ
ビ リ ティ の投 資対 効
果 を算
定 し、
「プロ ジェ ク ト予 算の約10
% をユー
ザビリ ティ活 動 に 回 せ ばユー
ザビ
リ ティ は2
倍 に な る。
」 と 試算
してい る。
[17
]5 .
今後
の課 題
Web
サ イ ト は、
情 報
シ ス テムの中
で も開 発
サイク
ルが 早 く、
ま た現 状で も技
術 展 開が急
速な 分野で あ る と言え る。一
方、
各種
の ログ 解 析
ツー
ルや
トラッキ
ング
ツー
ル など
の 評価
ツー
ル の _ ._撫
Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design整
備
も進
んで い る。 し か し、
web
サ イ ト の制 作 業
界に お い て は、
必
ずし もHCD
プロ セ ス が 浸透
し て いると は言い難
い。 これ は、
当 初 グ
ラ フ ィッ ク デ ザ イ ン の分 野か ら参
入 し た 企業も多
く、
HCD
に馴染
み が少 な
かっ た点
、
ま
た、
発 注 側
もWeb
サ イ ト は1
度 作 成
す ればしばら く改 良す る必 要は無く、
問 題が目立つよう になっ てからリニュー
アルすれ
ば良
い と の考
えが一
般 的
であっ た感
も あ り、
業 界 的にHCD
プ ロ セ ス に対
す る認識
が 遅 れ て い た と 思 わ れ る。
近年
では、
web
サ イ ト の構 築
・
運 用 にPDCA
サ イク
ル[
18
]
を 回 す 必 要 が あ るとの考 えが必 要との経 営 的 な 判 断も増えて いる。
その結 果
と して、
「ペ ルソナ 」 な ど 人 間 中 心 設 計の手 法 を 用いたWeb
サイ ト構 築 事 例 も 見られるよ うに なっ て来 た。
[
19
]
ま た、
内閣 府
の電 子 政 府
ガ イ ドライン作 成 検 討
会で は、
「電 子政 府
ユー
ザ ビ リ ティガ
イ ドラ インJ を 公表
し、
電
子政 府
に おけ る 利 用 品 質 をHCD
プロセ スを 導 入 す る 事で 向上 さ せて い く よ う 示 している。[
20
]
今 後 は、
HCD
プロ セス を 導 入 す る 事 よ り、
品 質が向上す る だ けでな く、
企 業 のコンプ ラ イ アンス や費
用 対効
果 の 面 で も メ リッ トがあ る 点 を 業 界 全 体で認 識 し、
発 注 側およ び 制 作 側で 効 果 的 にHCD
フロ セ スお よ び その手 法 を 導 入 してい く事
を 期 待 して いる。
【
参 考 資料 】
[1
]Web2
.
O
編 集 部、
真 野 英 明、
変 化 する ウェ ブ サ イ トの位置 づけ と
Web
担 当 者
の役 割
、
Web
担 当 者 現 場
の ノウハウ
Vbl
.
3
、
2006
,
http
://web−
tan
.
forum
.
impressrd
.
jp
/e /2007
/02
/22
/627
[
2
] 例 え ば 以 下の よう な ラン キング が公 表されて い る。日 経パ ソコ ン
企 業
サ イ ト ランキング
2009
http
;〃pc.
nikkeibp.
co.
jp
/article/trend /20091005
/
1019178
/日 興アイ
・
アー
ル 「2009
年 度 全 上 場 企 業 ホー
ムペー
ジ 充 実
度
ラ ンキングjhttp
:〃www.
nikkoir.
co.
jp
/topics
/2009
/20091125
」kir
_
press.
・
コ ン サ ル ティングhttp
://www.
gomez.
co.
jp
/[
3
}例
え ば以 下
のよ う な サ イ トが あ る。
Yahool
知恵 袋
http
:〃chiebukuro.
yahoo
.
co.
jp
/楽
天市 場
Q
&A
http
:〃www.
rakuten.
co.
jp
/com /「aq /faq
140
.
htmI
[
4
]
及 川喜
之、
SaaS
のUl
に 不 可欠 な L 貫性
」 を 堅持 する、
DESiGN
IT
voL3、
pp44
−
47
、
2QQ9
.
[
5
]
早 川 誠二他、2006
年 度 優 秀
サ イ ト開 発 プロ セ スに学
ぶ、
自 治 体 チャンネ ル、
三菱 総 合 研 究 所、
2007
.
[
6
]
横 浜 市 役 所のWeb
サ イ ト リニ ュー
アルでの ペルソナ活
用の
事
例http
:〃itpro
.
nikkeibp.
co.
ip
/article/JIREI
/200804071
298128
/[
7
]
以 下の第二回HCD
−
Net
サロ ン で も、
Web
制 作 業 界でのHCD
プロセス の 浸透 度
が少
ない との発 言 が あっ た。
http
;〃www.
hcdnet.
org/event/hcd−
net−
salon〆hcd−
netweb.
php
[
8
]例
えば 大 日本
印刷
で は以 下のサー
ビス を 開 始 し た。http
:〃www.
dnp.
co.
jpXnewsX1210601
_
2482 .
html
[
9
]
厂富
士 通キ ッズコンテン ツ作 成八ン ドブッ ク」
http
:〃
ip
.
fulitsu
.
gom
/abou ∀kids
/handbook
/[
10
]
久 鍋 裕 美、
富 士 通 キッズ
サ イ トに お け るペ ルソナマー
ケティ ングの 実 践
、
FUJITSU
.
59
.
6、
pp647 −653 、
2008
.
[
11
]
河 崎 宜 史、
阿部
晃也
「これ か らの ご機 嫌 なユー
ザ イン タ フェー
ス」、
セ ミ ナー
資 料、2008 .
http
:〃www、
hitachi
.
co.
jp
/Prod
/comp /softl/events〆reportXomw
_
200811cosmVpdf
/cb−1.
[
12
]
Akira
Kondo ,
Research
for
Experiential
Value
Design
Method
in
Team
Knowledge
Creation
,
Proceedings
of
PICME
「08
,
2008
.
[
13
]
Akira
Kondo
,
Proposal
of extendedpersona
scenariomethod
,
IASDROg
Proceedings
,
2009
.
[
14
]
安 齋 利 典、
企 業ウェブ
サ イ トにお け る デ ザ イン最 適 化 に関 す る研 究
一
その1
、
デザ
イン学 研 究第
56
回 研究
発 表大 会 概 要 集
、
pp282
−
283
、
2009
.
[15
] 岡 本 章 伺、
Web
シス テム に お け るユー
ザ 中 心 設 計 手 法への 取 り組 み
、
NRI
技
術 創 発、
pp18
−38 、2006 .
[16
] 例え ば以 下のよう な 企業の サ イ トがあ る。
ビー
ビツトhttp
:〃www.
bebit
.
co.
jp
/results/index.
htmI
ソ シオ メデ ィアhttps
:〃www.
sociomedia.
co.
jp
/category /casestudiesミツエ