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Some Observations on the Dynamical Property of a Small Wind Turbine Takashi KARASUDANI, Kimihiko WATANABE and Yuji OHYA of corresponding author

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Academic year: 2021

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

小型風車の動特性に関するいくつかの考察

烏谷, 隆

九州大学応用力学研究所

渡辺, 公彦

九州大学応用力学研究所

大屋, 裕二

九州大学応用力学研究所

Karasudani, Takashi

Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University

https://doi.org/10.15017/27066

出版情報:九州大学応用力学研究所所報. 137, pp.165-174, 2009-09. Research Institute for Applied

Mechanics, Kyushu University

バージョン:published

権利関係:

(2)

九 州 大 学 応 用 力 学 研 究 所 所 報 第137号(165-174)2009年9月

小 型風 車 の 動 特 性 に関 するいくつ か の 考 察

烏 谷

隆*,渡

公 彦*,大

裕 二*

(2009年6月2日 受 理) 1.は じめ に 化石燃料 の大量消 費に伴 う大気汚染や 地球温暖 化な どの環 境 問題 に対処 す るた め,化 石燃 料の消費 を抑制す る ことが求 め ら れて いる.こ の ため代替エ ネル ギー として,風 力,太 陽 光,バ イオマ スな どの再 生可能エ ネル ギー を利 用す る ことが図 られ て い る.風 力エネル ギー は風 車に よる風 力発電 として世界 中で広 く利 用 され るよ うにな って きた.多 数 の大 型風 車 を備 えた ウイ ン ドフ ァー ムが各地 に建 設 され,利 用拡大 が進んで きた.最 近 では,身 近 にあるエネル ギー源 として,市 街 地や住宅 地の街灯 や非 常灯な どの局所電源 として利 用 され る よ うに なってきた. この 目的 にふ さわ しい,効 率 が良 く安全 で低騒 音な小型掘陣 の 開発 が活発 に行 われ てい る. 風力発電 機に関す る多方面 か らの研 究が ある.空 力的観 点か らの翼 に関す る研究.電 磁気 的観 点か ら発 電機 に関す る研 究. シ ステ ム缶1脚の観点 か ら翼 と発 電機 の適 合 に関す る研究 な ど多 くの研究が行 われ てい る. 風車 の運 動 を支 配す るもっ とも基 本的 な物理 量は風 による ト ル クであ る.翼 の空力 係数 と トル クの関係 を求め るた めの手法 に は,翼 素運 動量 理論,渦 理論,局 所循環理 論 な どがあ る1,2). 風洞実験 に よ り,翼 形 状 と空力特 性の関係 を翼の周 りの流れ を 調べ るこ とで解 明 しよ うとす る研 究 もある1). 風力発 電 にふ さわ しい コギ ング トル クが小 さく軽 量で効率 の 高 い発電 機に関す る研究 も活発 である.制 御を簡潔 にす るた め, 回転数 の2乗 に比 例す る トル ク特 性をもつ発電機 を作 成 する試 み もな されてい る3). 風車の制御 に関 しては,パ ワーエ レク トロニ クスの進展 に よ り風速の変化 に応 じて負 荷 を調 整す る ことによ り,出 力 の最 大 点を追跡す る最適 縮1卿が な され るよ うになってきた4). 上記の研 究 とは異 な り,本 論文で は風 車 を構成 す る個 々の要 素の詳細 に立ち入 る ことはせ ず,風 車の運動の一般 的 な取 り扱 い方 を検討 す る.風 車の運 動を風 によ り駆動 され る固定軸周 り の回転 ㊥動 と して扱 い,与 え られた トル ク係数 の下 にお け る風 車の振 る舞い を検 討す る.風 車の動 的振 る舞 いを議論 す る際 の 骨組み を構築 す ることを 目的 とす る. 第2章 では トル ク係 数 の性質 につい て考察 し,風 車の振 る舞 い を調 べ るた めに用い る数 値モデ ル にっ いて述べ る.第3章 で は風 速や負荷 の変動 に対す る風 車の応 答時間 を見積 もる表 式を 導 く.第4章 では風速 の変化 に対す る振 る舞い を,第5章 では 風 向の変化 に対す る振 る舞い を調 べ る.第6章 に ま とめを記す. *九州 大学応 用力学研究 所

We theoretically and experimentally studied on the dynamical property of a small wind turbine. We assumed that the aerodynamic properties of a blade were given by a torque coefficient, which was a function of a tip speed ratio only. A numerical model of a wind turbine having an optimum regulation system was given. We derived formulas of response time to the change of wind speed and load as a function of the torque coefficient, inertial moment and wind speed. We showed that the deviation of the tip speed ratio from the optimum value by the change of wind speed was approximated well to the second order of wind variation. The deviation was expressed by a function of characteristic frequency. We also got the expresSiOn for the phase difference between wind and power variations. Those results were in good agreement with the numerical simulation for the model. We propose a framework to discuss the dynamical property of a small wind turbine.

Key words: wind turbine, dynamical property, torque coefficient, response time, delay of phase, change of wind direction

Takashi KARASUDANI, Kimihiko WATANABE and Yuji OHYA

E-mail of corresponding author: karasu@riam. kyushu-u. ac jp

Abstract

Some

Observations

on the Dynamical

Property

of a Small

Wind

Turbine

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2.風 車 の 運 動 方 程 式 と数 値 モ デ ル 2-1運 動 方 程 式 とトル ク係 数 の 形 状 風 車の運動 を支配 して いるのは風 によ る翼の回転 を促 す トル クTuと 負荷 に よる回転 を抑 制する トル クTLで あ る.Iを風車(翼 と発 電機そ の他 を含ん だ)の 慣性モ ー メン トとす る と,風 車の 運動 方程式 は次式の よ うに書 ける. 風 によ る トル クは翼の周 りの流 れに よ り規 定 され るため,風 速や 回転 数が 変化 す るとそれ に伴 って変化す る量で ある.以 下 の考察 では,風 速を一定 に保 ち測 定 された,言 わば 静 的な空 力特 性を基 に,風 速が変化 した ときの風 車の応 答 を議論す る. 風速 が変化 した とき翼 の周 りの流 れは,過 渡的状態 を経 て風速 に応 じた流 れにな る.静 的な空 力特性 を用 いた議 論で は,過 渡 的状態 を無視 してい る.こ の'準静的 近似 が成 立す る と期待 され るのは,風 速 が変化 した ときに翼ま わ りの風 の流れ は,速 や か に過 漉的状態 か ら風 速に応 じた状態の流れ にな る と予想 され る こ とに よる婁 翼まわ りの流れ が風速 に応 じた状態 にな るた めにかか る時間 は翼 を風 が通過す る時間 のオーダー と見なせ る.こ の時間 が, 翼 が1回 転す るために要す る時間 と比べ て小 さいな らば,翼 は 常に風速 に応 じた状態の空 力特 性を示す もの と期待 で きる.過 渡的状態 が無視 で きるた めには,風 速の変動 に対 して も条件 が 課 され る.風 速 の変動周期 は過 渡的 状態の 時問よ り長 くなけれ ば な らない.風 が翼 を通過す る時 間 よ り長 いこ とが要請 され る. この こ とよ り,準 静的 近似 は風 速の変動 が数十Hz程 度よ り緩や か である時に成 立す る. 準静 的近似 が成 り立つ 時は,よ く知 られ てい るよ うに,空 力 特 性は周 速比 λ(≡Rω/U:Rは 翼の半径,ω は翼の回転角速度, U は近寄 り風 速〉で規 定 され る.小 型風車 では,風 速が小 さい時 には翼の レイ ノルズ数Re(maeU/v:cは 翼 のコー ド長,vは 空 気 の動粘性係数)が104程 度 と小 さい ため,空 力特 性は レイ ノル ズ数に も依存す る.翼 が発生す る トル ク と出力Pは λとReの関数 であ る トル ク係 数CT(λ,Re)と出力係 数CW(λ,Re)を使 って,次 の よ うに書 ける. 式(2、(3)のpは 空 気 密 度 で あ る.出 力 は トル ク と角 速 度 の 積 で あ るの で, P=Tutv(4) 式(2),(3),(4)よ り出 力 係 数 と トル ク係 数 の 間 に は 次 の 関 係 式 が 成 り立っ. Cw(λ,Re)=C・r(λ,R。)λ(5) 翼 が 発 生 す る トル ク と翼 の 回 転 数 の 関 係 か ら,周 速 比 の 変 化 に 対 す る トル ク係 数 の 振 る舞 い に 関 して,一 般 に 次 の よ うな こ とが 言 え る 。周 速 比 が ゼ ロの 時(静 止 して い る 時)に 小 さな 正 値 を持 ち,λ が 大 き くな る(回 転 数 が 大 き くな る)に つ れ て 大 き くな り最 大値 を と る(そ の と き の 周 速 比 を λTと す る).そ の 後 減 少 し,回 転 が 非 常 に速 い とき に は プ ロペ ラ と して 働 くこ と に な るの で 負 の値 に転 じ る.ま とめ る と,G〈 λ,Re)は 次 の よ う な 性 質 の 関数 で あ る と期 待 で き る. 1.C〈o,Re)>0 2.λ=λT>0でq{λ,Re)は 最 大 値(極 大 〉 を と る 3.λ 一λo>λTでCT(λ,Re)・Oと な る 4.0<λ<λT:単 調 増加,λT<λ 〈λo:単 調 減 少 トル ク係 数 が 上記 の よ うに振 る 舞 う関 数 であ る な らば 出力 係 数 との 間 に 成 り立 つ 関 係 式(5>よ り(Jw(λ,Re)に つ い て,次 の こ とが 言 え る 1.Cw(O,Re)=0 2.Cw(λ(》Re)r…o 3.あ る λw(0<λw<λo)で 最 大 値(極 大)を と る. ま た,式(5)よ り λTと λwの 間 に 大 小 関 係 を導 く こ とが で き る.式 の 両 辺 を λ で 微 分 し て,λ ・・λwと お く と, (c≡ ∂c/∂ λ) C。(煽,Re)・.-Crr(編,Re)/煽(6) とな る. λw>o,q{λ 鞘擁e)〉oで あ る た め, CT(λw,Re)〈0(7) 一 方,λTでq〈ftT,Re)=0,0<λ ≦λT間 で 単 調 増 加 で あ る の で, この 間 でq〈 λ,Re)〉oで あ る.C'Kλ,wRe)は 負 で あ る か ら λ。<aw(8) の 関 係 が 要 請 され る. これ ら をま と め る と トル ク係 数 と出 力係 数 はFig.1の 模 式 図 で表 す こ とが で き る. トル ク係数 は レイ ノルズ 数の変化 に対 してはお よそRc刈05 が境界値 とな り,次 式の よ うな振 る舞 い を示す. 以後 の章 では,議 論 を簡潔 にす るた め,レ イ ノル ズ数は充分 大 きい と仮 定 し,レ イ ノル ズ数 に依存 しない もの とす る.

Fig 1. Diagrammatic representation of torque and power coefficients CT and C vs. tip speed ratio A, .

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2.2数 値 モ デ ル 数値計算 に よ り風速 の変動 に よる風車.の振 る舞 いを調 べ るた め,数 値 モデル につ いて検討す る.運 動 方程式(Dを 数 値積分す るた めにはTuを 決 め る必要 がある,Tuを 求 めるために必要 な トル ク係数 は出力係 数 よ り式 〔5)の関係 を用いて決定す る.出 力 係 数 は,実 験 結i果な どを参考 に複数 の値の周速比 にお いて係 数 値 を定 め,そ れ らの点 を 自然 スプ ライ ンによ り滑 らかに接続 す ることで係 数 とす るO.式(5)に よ る トル ク係 数の決 定で は λO で特異点 とな るた め,xrOの トル ク係数 は固定値0.02と す る. 負荷 トル ク π は,翼 が定常に回転 しているな らば,翼 の トル クに等 しくな るの で,出 力係数が最 大 とな る周速比 を λwと す ると,そ の時 の負荷 トル クは とな る.こ の式 か ら明 らか な よ うに,係 数 β は 風 速 に 関 係 な く, 空 気 纏渡,風 車 の 大 き さ,翼 の トル ク特 性 に よ り定 ま る 定 数 で あ る.す な わ ち,ω に応 じて負 荷 トル クが 式(6)の値 とな る よ う に す れ ば 風 車は 定 常 風 ドに お い て 最 高 の効 率 を示 す周 速 比 λw で 動 作 して い る こ とに な る.こ の い わ ゆ る 「オ メ ガ ニ乗 制 御 」 を模 擬 す る た め に,数 値 積 分 の各 ス テ ップ にお い て負 荷 を 式 〔6) の 値 に な る よ うに 調 整 した.負 荷 に よ る トル ク のnス テ ップ 目 の 値 を7Lnと す る と,n+1ス テ ップ 目の 値 を次 式 で 与え た. 比 例 定 数 κはO.5あ る い はLOと した. 数 値 積 分 に はル ン ゲ ・ク ッタ 法 を用 い た.時 間 刻 み はO.OO1 秒,式(11)に よ る 制御 はO.05秒 間 隔 と した7). 3.風 速 お よび 負 荷 の 変 化 に対 す る風 車 の 応 答 運動方 程式に基づ いて風 速あるいは負荷 が変動 した時に風車 が どのよ うに振 る舞 うの かを考 察す る.す なわち,あ る動作点 λpで運転 してい る時 ①風 速の変化(負 荷 は一定):θ → θ「+△U ② 負荷 の変化(風 速 は一定):TL→TL+△TL ③風 速に応 じて負荷 が変化 す る 個 速比 は …定) に対 して,風 車が どの よ うに応 答す るの かを調べ る. 3-1風 速の 変 化 に 対 す る応 答 η 風速 が σ か ら σ+△ σ に変化 した ときの風 車の振 る舞い を検 討 する。以 下の表式では,q,Cwの 変数 の表記 は省略す る. 風 速の増加 △σ によ り,動 作点 個 速比)は 移 動 ナ る(小 さ く な る). 一 方,風 速 の 増 加 に よ り トル クの 変 化 △Tは とな る.ト ル クの変化 が正の時 には,風 速の増加 に応 じて角速 度 が増加 す る ことに なる。 この トル クの増加 による時間 △∫間 の角 速度の増加 は,運 動方程式 よ り, 増 加 す る.Uの 増 加 に よ る λの 減 少,ト ル クの 増 大 に よ る ωの 増 加,ω の 増 加 に よ る λの 増加 とい う,一 連 の 動 作 で 周 速 比 が 元 の 値 に戻 る とす る と,戻 るま で に 要 す る回 帰 時 間Atuは,λ の 変 化 が 打 ち 消 され る時 間 と して, 空 力 係 数 が レイ ノル ズ 数 に依 存 しな い とき,出 力係 数 が 最 大 値 を示 す λwを 動 作 点 とす る と,式 く5),(6)より,回 帰 時 間 は と簡 潔 に表 す こ とが で き る. 上 で み て き た よ うに,風 速 の 増 加 に 対 して トル ク の 変 化 △T が 正 の 時,動 作点 に 戻 る よ うに 作 用 す るた め,こ の 動 作 点 は 安 定 で あ る.ト ル クの 変 化 の 正 負 は DEδ+2C,.-zC。(18) の 正 負 に よ る. λo>λ ≧ λTで は δ≧0,CT>0,C・1〈 λ,Re)≦0で あ る た め D>0と な り,安 定 で あ る. ア トル ク係 数 が レイ ノル ズ 数 に依 存 しな い(δ 一 〇)と き に は, 0<λ<λTに お け るDの 正 負 の判 定 は 次 の よ うに して で き る. 正 負 を判 定 す る動 伶 点(λp,Cl〈 λp))を 通 る2次 曲線O(λ) を 引 く.Fig2の 実 線 が これ に あ た る.こ の 曲線 は 点 λpで 2C。(・1,,)-Z,ご(・Z,)-0(19) とな る.そ れ ゆ え,点 λpにお け る傾 き が(](λ)よ り小 さい 点線 のCl〈 λ)はD>0と な り,傾 き がC(λ)よ り急 な 一 点 鎖 線 の Cl〈λ)ではD<0と な る.

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トル ク係数q〈 λ)}撮 大点 λT近傍 では上 に凸で丸 まってお り,こ の領域で はa(λ)よ り急 な傾 きを持つ こ とはないので,D >0と な り安 定な動作 点であ る.こ の近傍か ら離れた ところで もG〈 λ)に急 激な減少 が無 けれ ばD>0の ままで ある.Dが 負 に な るとい うことは,風 速が増 癩す る と トル クが減少す る とい う こ とであるので非常 に考えに くい状 況であ る、そ のため,通 常 Dは λの全領域で正 になる と思われ る. 32負 荷 の 変 化 に 対 す る応 答8) 風速が一定 の下で負荷 が変化 した ときの風車の振 る舞い を検 討す る.負 荷が △γL増加 した とき,回 転 させ る正味 の トル クが 減少す るため角速 度が △ωL変 化(減 少)し た と仮定す る と, 運動方程式 よ り, この角速度の変化 による周 速比の変化は この周速比の変化 に よる翼が発生す る トル クの変化は と な る 、(渥く0な ら ば翼 の発 生 す る トル クが 増 加 して,負 荷 ト ル ク の増 加 分 とつ り合 うよ うに なれ ば 風 車 は定 常 に 同 転す る よ うに な る.つ りあ うま で に 要 す る時 間 △tRは,式(22)を △TLに 等 しい とす る と,次 式 が得 られ る. 式(23)より,CT<oな らば負荷 トル クが増 加 した ときに翼の発 生す る トル ク も増 加す るため,周 速 比が △矛 減少 した点が新 たな動 作点 となる.研>0な らば負 荷 トル クが増加 した ときは 静止す るまで翼 の回転 数は減少す る.逆 に負荷 トル クが減少 し た ときは,翼 トル クが負荷 トル クにつ りあ う周速比 になるまで 回転 数は増大す る.こ の ときの周速 比 は λTよ りも大 きな値 に な る.負 荷 に よ り動作点 を定 める ことがで きる とい う意 味で, Cr〈Oの 領域 は安定で あ り,窃 〉oの 領域 は不安定で あ る. 空 力係 数 が レイ ノ ル ズ 数 に 依 存 し な い と き,動 作 点 λwは CT(λw)<0で あ るの で 安 定 で あ り,応 答 時 間 は式(5),(6)より 次 式 とな る. 一畠う 3.3風 速 に応 じて 負 荷 が 変 化 す る 時 風速 の変化 に応 じて周速比 を最適値 に維 持す るよ うに負荷 が 変化す る ときの応答 時間 につ いて検 討す る.風 速の変化 に よる トル クの変化 は式(13)で与 え られ る.制 御 に よる負荷 の調整 の た め周速比 は設定値 に維持 され てい ると仮定す る と,風 速変化 △び と角速 度の変化 △ωの問 には次 の近似式が成 り立っ. 運動方程 式(1)と式(13)よ り,角 速度 の変化に対 して,次 式が導 かれ る 剛 この式 よ り,風 速の変化 に応 じて周速比 を一定に維持す るよ うに負 荷 を調整す る と,角 速度は指数 関徴的 に変化 し63%応 答 時 間 短 。は とな るこ とが期待 され る 町 この結果,風 速に応 じて最 適な周 速比 に維持 する よ うに瓢 卸した とき,そ の応答時 間は動作点へ の回帰時 聞に等 しい と予想 され る. 34安 定 性 の 判 定 これまでの結果 を考慮 する と,運 転時 の安 定性に関 しては次 のよ うにな る.風 速 と負荷 の両方の変動 が有る とき,両 者 の変 化 に対 して安定 なCT(λp)<0の 領域で は,負 荷 に よ り定ま る動

Fig.2. Judging the sign of D from the slope of a CT( X ) curve at working point A, p.

Fig.3. A drawing showing the relationship between stability and tip speed ratio.

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作 点 に戻 る よ うに 振 る舞 うの で,安 定 に運 転 で き る.第2章 の 式(7)で 示 した よ うに,最 高 の効 率 を 示 す 周 速 比 λwは 安 定 な 領 域 内 に あ る.風 速 変 動 と負 荷 変 動 に 対 す る安 定性 に 関す る 領 域 図 をFig。3に 示 す'-3-5シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果 と の 比 較 前 節 で 求 め た 回 帰 時 間 と応 答 時間 に つ い て2-2節 で 説 明 した 数 値 モ デ ル に よ る シ ミュ レー シ ョ ンか ら求 め た結 果 と比 較 す る. 計 算 に用 い た諸 元 は 次 の よ うな もの で あ る. 翼 半 径R:1.0[m] 慣性 モ ー メ ン ト1:1.OO[㎏m2] 周 速 比 λw:5.0 空 気 密 度p:1.21【kg/m「 モ デ ル の トル ク係 数 と 出力 係 数 の形 状 はFig4に 示 して い る. 出 力 係 数 は周 速 比5.0の 時 最 大 値 を と り,その 値 は0.40で あ る. 風 車 の諸 元 よ り,式(17)(24)(27)に よ り回 帰 時 間 ・応 答 時 間 の 予 測 式 は となる.シ ミュ レーシ ョンの結 果 と予測式 の値 をFig5に 示す. シ ミュ レーシ ョンの結果 は凡 例 △L(負 荷変化),△U(風 速変 化),CNL(制 御時)で,予 測 式の値は凡例 △tU,△tLで それ ぞれ表 してい る.シ ミュ レー シ ョンで は風車 が定常にな るまで 風速 を一定に保 ち,そ の後風速 あるいは負荷 を設 定値の5%ほ ど増加 あるいは減少 させた.増 加 と減少 に対す る回帰/応答 時間 の平均 を設 定風速 にお ける回帰/応 答時 間 とした. 負荷 が変動 した時 には負荷 トル クと翼 の トル クが釣 り合 う周 速比 に漸近 的に接近 してゆ く.そ のた め,シ ミュ レー シ ョンで は変化幅 の63%に な るまでの時間 を △Lと した.一 方,風 速が 変化 した時の回帰時間 △Uは,予 測式の定義 通 り,周 速比 が設 定周速比 にな るまでの時 間 とした.ま た,最 適 制御 を行 ってい る時 の応答 時間CNLは 角速度の変化が変動幅(終 端 値 と初期 値の差)の63%に 達す るまでの時糊 と した. 回帰時 間に関す る予測式 はシ ミュ レー シ ョン結果 よ り17%程 度小 さい.負 荷変 動に関 しては4∼7%程 度予測 式の方が大 きい. 制御 がかかってい るときの応 答時間 に関 しては予測式 とシ ミュ レー シ ョン結果 は非常 に良 く一致 している.以 後の章 にお いて 風車 の振 る舞いを調べ る時,風 車の運動 を特 徴づ ける時 間 とし て式(27)の応答 時間 を用 いる。 4風 速 変 化 に 対 す る振 る舞 い 風速 の変 化に対 して翼 の回転運 動 は瞬 時に対応で きるわけで は な く,風 速に対応 した運動 に至 るまでに遅れ が ある.こ の遅 延効果 として動作点の変化 と風速の変動 に対 して位 相遅れ があ る.遅 延効 果 と変動の早 さの関係 を求 めるために,数 値モ デル を用 いて風 速が正弦的 に変化 した ときの振 る舞 い を調べ る. 41周 速 比 の 変 化 と風 速 変 動 振 動 数 の 関 係 計 算 に用 いた 風 車 は① 慣 性モ ー メ ン ト 月0くgm21,翼 直 径 D=1.Olm】と(空0.2【kgrn2],D2.01mlの2種類であ る.ま た,② の 風 車に関 して は,出 力係 数の最大値 が0.35そ の ときの周 速比が 4.0の場合 について も調べ た。 風 速を10囮slに 維持 し出力や周速 比が ・定 になるまで待 ち, そ の後,10Lm/slを 中心 に振幅2.0[m/s)で正弦振 動 させ た.振 動

Fig.6 A sample of the simulation for 141.2 km2], A U=21 m/s],. f=1 1114

Fig.5 Comparison of response times between the values calculated by the formulas (17),(24),(27) and the values given by the simulation.

Fig.4 Curves of the torque and power coefficients of the numerical model.

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周 波 数f は0.Ol,0。025,0.05,0.1,0.25,0.5,1,2,4,8,12田zlで あ る. Fig.6に 計 算 例 を 示 す. 図 か ら分 か る よ うに,風 速 が 変 動 して い る問,周 速 比 は設 定 値 を 中 心 に 正 弦 的 に 変 化 した.設 定値 よ り大 き い方 へ の変 位 の ほ うが 小 さ い方 へ の 変 位 よ り数%か ら10%程 度 大 き い.こ め 変 化 の様 子を表 す た め に変 動 の 巾 と偏 僑 の 大 き さ を表 す 二 つ の パ ラ メ ー タ ムλ,ελを 導 入 す る. 風 速 が ス テ ップ 的 に △U(>0)変 化 した とす る.こ の 時,周 速 比 の 変 化 は,△ σ 増 加 した とき と減 少 した とき で, と な る.こ の2式 よ り,次 の2つ の パ ラ メ ー タ で 変 動 の 巾 と偏 倚 を表 す こ とが で き る こ とが 分 か る. △λ働 ελ。。は 風 速 が 瞬 間 的 に 変 化 した と き の周 速 比 の 変 化 で あ る の で,各 パ ラ メ ー タの 最 大値 に な る と期 待 され る.式 〔32),(33) のg,hは 変 動 の周 波 数 が 高 くな る と1に 近 づ く関 数 で あ る.こ の 関 数 を,シ ミュ レー シ ョン の結 果 よ り,振 動 して い る 周 速 比 の 最 大 値 を λ最小値 を λ,として 求 め た.応 答 時 間(17)の 逆 数 ∫が この 系 を 特 徴 づ け る応 答 振 動 数 で あ る の で,ズ に よ り変 動 の 振 動 数 を規 格 化 した. 振 動 周 波 数 と周 速 比 の 変 化 の 関 係 をFig.7.8に 示 す.図 中 の 凡 例 の"1(F1,tct.5"は 式(11)の 比 例 係 数 を1に 負 荷 の 制 御 間隔 を 0.5秒 に設 定 した 結 果 で あ る. これ らの 図 は風 車 の 慣 性モ ー メ ン ト,翼 半 径,出 力 係 数や 制 御 間 隔 に か か わ らず 風 速 の 変 化 に対 す る 周 速 比 の 変 化 は,△ 福 臥 。と.Ilで規 格 化 す る と,そ れ ぞれ 一本 の 曲線 で 表 す こ とが で き る こ と を示 して い る.こ の 曲線 は,回 帰 分 析 よ り,次 の よ うに な っ た10). Fig.7,8より,応 答振動 数の半分程度以 上の振動数の変動 に対 して,変 動 の 巾と偏僑 はほぼ一定値 になる ことが分か る.こ れ らのパ ラ メー タを用 いる と,風 速の変動成分 の振 幅が △a振 動数が ∫であ る時,周 速 比の変化は 次式 で近似 で きる.

Fig.7 Width of change of tip speed ratio by the sinusoidal change of wind speed. Ak vs. f.

Fig.8 Displacement of tip speed ratio from the optimum value by the sinusoidal change of wind speed a vs. f.

Fig.9 The difference of phase between wind and power as a function of frequency ratio. A regresSiOn line for the data is the dashed line. The expresSiOn of the line is given in the legend.

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42位 相 遅 れ と風 速変 動 振 動 数 の 関 係 風速 が正弦的 に変動 する ときは出力 も同様 に正弦的 に変 動す る.遅 延効果 のため出力の変動 は風 速の変動 に対 して位相 が遅 れ る.風 速変化 の早 さと位相遅れ の関係を求 めた.解 析は以下 の よ うに した.風 速変 動 と出力 変動 をそれ ぞれ フー リエ変換 (FFT)し た.そ れぞれのパ ワー スペ ク トルが最大 となる周 波 数が一致す る ことを確認 し,最 大 とな る周波数 の複素 フー リエ 成分 のクロススペ ク トル を求 めた.ク ロス スペ ク トル よ り風 速 に対す る出力 の位 相の遅れ △θを次式 で求 めた. 上式 にお いて,風 速の複素 フー リエ成 分 をU,出 力 の複 素フー リエ成分 をPで 表 してい る.ま た,添 え字R,Iは それ ぞれ実数 項 と虚数項 を表 してい る.結 果 をFig.9に 示す.図 中の点線 は 数値計算 よ り求めた位 相遅れ を回帰 分析 した 曲線 である.曲 線 の式 は次 のよ うにな った. 43変 動 風 下 の 平 均 出 力 風速 が変化 してい る ときの風 車の 性能 を平均 出力で評 価す る. 平均す る時間をTと す ると平均 出力PAは と書 ける. 風 速を平均値UAと 変動 値uに 分離 して式(39)に代入す る と, とな る.式(40)に式(36)を代入 して一周期 に渡って平均 する こと に よ り,風速が正弦 振動 してい る時 の平 均出力 を推定で きる10) 風 速の変動成 分 と出力係数 との相 関を無視す る近似 をす ると, 風速変 動 の1次 の項 は零 になるので,出 力は次式で推 定で き る ことになる. 風 速変動 の分散 σ2は正 であるので,変 動風 時の出力が平均風 速 が同 じ定常風時の 出力 よ り増 加す るか あるいは減少す るか は, 平均 出力係 数CwAに 依 存す るこ とになる. 5風 向 変 化 に 対 す る振 る 舞 い 垂 直軸風 車では風向変化 を考慮 しな くて 良いが,水 平軸 風車 では風向 が変化す るこ とに よ り風 車の翼面 に対 して斜 めか ら風 が当た るよ うにな る.こ のた め,水 平軸風車 では風向変化 に よ る影 響 を考 慮 しな けれ ばな らない.翼 に当た る風 を翼面 に垂 直 な成分 と平行な成分 に分 けてそ の影響 を検討 す る.翼 面 に垂 直 な成分 は回転に よる相対 風 と常 に直交 してい るた め相 対風 を 下 流側 へ傾 ける よ うに作用 す る.傾 きの大 き さは翼の 回転位置 に よ らず常 に一定で あるので,翼 は迎角 が最適 な値 にな るよ うに この傾 きを考慮 して設 計 されてい る1,2). 翼面 に平行 な成分 は回転 に伴 い相 対風 の大 き さと向 きを変 え る よ うに作 用す る.平 行な成分 に よる相対 風の向 きの変化 は翼 面に沿 った方向で あ り,迎 角 は変化 しないので,翼 の空力特 性 に及ぼす影 響は小 さい と思われ る.相 対風 の大 き さの変化 は迎 角の変化 を引き起 こす.そ の影響 は平行 な成分 をV回 転軸 か ら の距離 をrとす る と,V/rtOの 程度 であ る.一 方,風 車の 出力 は 主に翼端領域 が担 ってお り,ま た水平軸風 車では周速 比 は通 常 4∼7程 度で ある.そ のた め,翼 端領 域ではV/rtUの値 は小 さい ので,平 行成 分が風車 の特性 に及ぼす影 響 も小 さい と期待 され る.こ の推論 を検証す るた め風洞 実験 を行 った. 5-1試 験 装置 の 概 要 風 向を変 化 させ るため,風 洞内に設置 した風車 の支柱 を揺動 運動 させ た.実 験 装置の概略図 をFig.10に示 す.風 車 の支柱 は風 洞 の床 下にあ る回転 可能 な軸 受け① に取 り付 けた.サ ー ボモー タに より回転す る軸② を配置 し,軸 ①② の間 を長 方形の連 結板 で接続 した.軸 ② の回転 によ り軸① は揺動 し,軸 ① に取 り付 け た風 車は風向 を中心 と して左右 に首振 り運動 をす る.連 結板 の 取 りっ け位 置を調整 し,首 振 り運動 の最大角度 がお よそ50°にな るよ うに した.風 車の軸 とポテ ンシ ョを取 り付 けたプー リの間 をワイヤーで結び,首 振 り運動 によ るワイヤ ーの移動 をポテ ン シ ョの抵抗変化 として捉 え るこ とに よ り,ヨ ー角 φの変化 を測 定 した。

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風 洞 実 験 に使 用 した 風車 の仕 様 は 次 の よ うな もの で あ る. 水 平 軸 後流 型 翼 枚数:3枚 翼 直経D:1.16{m】 慣 性 モ ー メ ン ト(翼 と発 電機):e,26{kgm2]' 定 格 出 力:230隅(風 速 璽0【翻s璽) 制 御 器:(有)浪 越 エ レク トロニ ク ス製,ト ラ ッカ ー Fig.llに 実 験 に 使 用 した 風 車 の,ト ル ク計 と回転 数 計 で 測 定 し た,出 力 係 数 と トル ク係 数 を示 す. 5-2風 洞 実 験 の 結 果 近寄り風 速を9【鋤slに設定 し,ヨ ー角度 を0°よ り60°まで約 10°ご とに設 定 した ときの出力の様 子をFig.12に示す.縦 軸は各 角度 の出力 を角度が ㌍の時の出力 瑞 で規格 化 した値 であ る。こ の 図よ り,ヨ ー角 度 の変化 に よる出力 の変化は ヨ留 角度の余弦 の3乗 になってい るこ とが分か る.Fig.13に 最大出力時の周速 比 を角度が0°の時 の周速比 λeで規格 化 した値 を示す.近 寄 り 風 の翼面 に垂 直な成分 を参照風速 として周速 比を定 義す ると, 空 力特 性が垂直成 分で規定 され るな らば 出力係数 が最 大 とな る周速 比は ヨー角 度に よらず一 定値に なる.垂 直成 分を参照風 速 と した周速 比が一定な らば近 寄 り風 速を参照風 速に取った周 速比 はヨー角度の余弦 に比例 する ことになる.Fig.12,13には清 水-片山11),今村-沼尻-黒田12)らの実験か ら求 めた値 も載 せて い る. Figl2,13は,最 高効 率点では翼面 に 垂直な成分に よ り風 車の 空 力特 性が決ま るこ とを示 して いる.清 水-片山,今 村-沼尻-黒 田の実験結果 を見 る と,失 速領域 よ り大きい周 速 比域 ではヨー 角度 の変化 に よる トル ク係 数(出 力係数)の 変化 はFig12,13の 関係 で温 、たい近似 できる.こ れ らの ことより,風 向の変化 は ヨー角度の余弦 に比例 して風速 が変化 す ると見 な して良い と思 われ る. 5- 3周 期 的 変 動 実 験 と数 値 計算 の 結 果 風 向変化 に対す る風 車の振 る舞 いを調べ るた め,周 期的 に 灘 一角度 を変化 させ る実験 を行 った.サ ーボモータの回転数を変 更す る ことによ り首振 り運動の周期 を変化 させた.実 験で は周 期 を7be5,10,20,30,60,420[s㏄]とした. ヨー角度 の変化 を近寄 り風 速がヨー角度 の余弦 に比例 して変 化 する と して,シ ミュ レー シ ョンを行 った.シ ミュ レー シ ョン の結果 と風 洞試 験の結果 をFig.14に示す. 実験 とシ ミュ レー シ ョンの結 果は概ね あってい る.灘 一変化 の周期 が短 くな るにつれ位 相差が大 き くな り,Fig.12の 余弦 の 3乗 特性 か ら外れ てい く様 子は よく再 現 され てい る.ヨー角 度 の変化 に対 して出力 の変化 が遅れ るた め ヨ胃角度 と出力 の関係 がメガネ形 ルー プにな る こ とは清水-片山に よって報告 され て い る11).ヨー角度 の変化 と出力変化 の関係 がメガネ形ルー プに な る原因は,出 力 変化 が風速変化 に対 して,慣 性モー メン トに 起 因す る,位 相遅れ を生 じるた めである.

Fig.13 The ratio of the tip speed ratio of maximum power to that at yaw angle (I) for each yaw angle. Reference data is in ref (11), (12). Dashed lineiscoscb.

Fig.11 Torque and power coefficients of the wind turbine used in the wind tunnel experiment

Fig.12 The ratio of power to the power at for each yaw angle. Reference data is in ref (10, (12). Dashed line is

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Fig. 14 The relation between power and yaw angle for (a) T=420[s], (b) T60[s], (c) T=30[s], (d) T 20[s], (e) T=10[s], (f) T5[s]. The characteristic fi equencyf41.27[Hz]. The figures are drawn for one period.

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シ ミュレー ション と実験結果 は定性 的な傾 向はよい一致 を示 している.応 答周波数 の2割 程 度までの緩やかな変動の時 には 定量的に も良い一致 を示 してい る.し か しなが ら,変 動が応答 周波数 程度以上で は定量的 には一致 してい るとは謀 難 い 原 因 としては,支持軸 の回転 による相対風 を考慮 していない ご と, 最 高効 率点か ら離れ る と トル ク係数 の"余 弦 近似"が 良 くない ことに よるの ではない か と思われ る. 位相 差 と ヨー 変化 の周波数 の関係 をFig.15に示す.ヨ ー変 化 を風速の変化 と見な したの で,fは ヨー変 化の周 波数1/Tの2倍 と した.実 験 に使 用 した風車 の,式(17)で 定義 され る,応 答周 波数 は 炉0.27陣 毒とな った(周 速 比 は5.0,風 速 は平均 風速 7.67{mfs]で計算した).Fig.15の 凡 例”calculate"は式(38)の回帰式 よ り求めた結果 であ る.回 帰式 よ り求めた位相差 と実験 とは良 く一致 して いる.実 験では伽1.5の 時は,出 力 の変動 に明確 な 周 期性が見 られず 定まった値 を得 る ことはで きなかった. 6ま とめ 風 車の空力特性 を規 定す る トル ク係数 と出力係数 につ いて周 速比に よ りどの よ うに振 る舞 うの かを考察 した 。 トル ク係 数が 一山曲線で表す こ とがで きるな らば,ト ル ク係数が最大値 を取 る周速比 は出力係数 が最大値 を取 る周 速比 よ りも常 に小 さい こ とを示 した. トル ク係数 を基に風 速お よび 負荷 が変動 した ときの風 肛の応 答 につ いて考 察 した.風速の変動 に よ り動作点 が変化 した とき, 元 のi翻乍点 に回帰す るまで の回帰 時間 を求 めた.ま た,負 荷の 変動 に対 しては,負 荷 によ り定まる動作点 に移 宇二潤 噸るまでの時 間 をも とめた.最 適制御 を行 ってい る時 は周速 比が一定に網 寺 され ている と仮 定 して応答時欄 を求 めた.こ れ らの動物 性を定 める時間は風 車の 償性モー メン トに比例 し,風 速に反比例す る こ とが分かった. 風 速が変化す る ときの出力 を予測す る方法 を検討 した.風 速 の変動振動数 と周速比 の最適 値か らの変位 を関係づ ける式を 導いた.ま た,風 速変化 に対す る出力変化 の位相の遅れ を表す 式を求めた.事 均 出力を,こ の変位領域 内を ∼様 に変化す る と して平均 した平均 出力係 数 と風速変動 の分 散で表 した 。 風 向変動に対す る風 車の振 る舞 いを調 べ るた め,ヨ 回角度の 変化 に対す る出力 の変化 を調べた.出 力 は ヨー角度の余弦 の3 乗 に比例 する ことを示 した.ま た,周 速 比の参照風速 として近 寄 り風の翼面 に垂直 な成分 を用い る と,出 力係 数 が最大 とな る 周速 比はヨー角度 によ らず ほぼ一定 になる ことを示 した.こ の 結果,風 向の変化は ヨー 角度 の余弦 に比例 して風 速が変化 した もの と解釈で きるこ とが分か った. この結果 に基づ いて,風 向の変化 に対す るシ ミュ レーシ ョン を行 った.出 力変化 は風向変化 よ り遅れ るた め ヨー角度 と出力 の関係が メガネ形ルー プにな るこ とをシ ミュ レー シ ョン と実験 に よ り示 した. 謝 辞 一連の研究 は ,経 済産業 省大学発 事業創 出実用化研究 開発事 業,日 本 学術振興会 科学研 究費,吉 田学術教 育振興 会,住 友財 団環境助成研究,原 田記 念財 団流体機 絨 自然科学研究,(株)九 州 電力,九 州 大学P&P研 究プ ロジ ェク トの支援の も とに行 われ て来ま した.こ こに記 して深 く感 謝いた します 。 また,詳 細な風 洞実験 を していた だい た当時の学 生で あった 伊 庭氏,沖 野氏,高 田氏に深 く感 謝いた します 。 参 考 文 献 1)清 水 幸 丸:風 力発 電 技 術,〈 株)パ ワー 紘(1999). 2)牛 山泉:風 車 工 学 入 門,(株)森 北 出 版,(2002). 3)塩 田剛,井 坂 勉 関和 市:㏄ レス方 式風 力 用 発 電 装 置 の 開発 (風力発 電 シ ス テ ム と発 電 機 の 整 合性 に 関す る研 究 〉,ヨ 本風 力 エ ネ ル ギ ー 協 会誌32,No.2,pp.117-122,(2008). 4)例 え ば,久 保 大 二郎:マ イ ク ロ風 力発 電 機 の 設 計 と製 作,OQ 出版 紘(2007). 5)林 農,康 仁勝,原 豊,河 村 哲 也:直 線 翼 鉛 直 軸 風 車 の ス テ ッ プ風 に 対 す る過 度 応 答 に つ い て(一 定 回転 数 条 件お よび 一 定 ト ル ク 条件),日 本 機 滅 学 会 論 文 集(B編),74,№738,pp406・413, (2007). 6)吉 村和 美,高 山 文 雄:パ ソコ ン に よ る ス プ ラ イ ン関 数,東 京 電 機 大 学 出 版 局,(1989). 7)烏 谷 隆,渡 辺 公 彦,大 屋 裕 二:小 型 ・マ イ ク ロ風 車の 風 速 変 動 に対 す る応 答 に つ い て,九 州 大 学 応 用 力 学 研 究 所 所 報,127, pp69-73,(2002). 8)鳥 谷 隆,大 屋裕 二,渡 辺 公 彦:小 型風 車の 風 速 お よび 負 荷 の 変 動 に対 す る応 答 に つ い て,日 本 風 力 エ ネ ル ギ ー 協 会誌 31,№2,pp.120-123,(2007). 9)鳥 谷 隆,大 屋裕 二,渡 辺 公 彦:マ イ ク ロ風 車 の応 答 に 関 す る 小 考,日 本 風 力 エ ネ ル ギ ー 協 会 誌30,№2,pp113-ll6,(2006). 10 )鳥 谷 隆,大屋 裕二,渡 辺 公 彦:正 弦 的 変 動 す る風 速 に対 す る 固 定 ピ ッチ 翼 風 車の 出 力 につ い て,日 本 風 力 エ ネ ル ギー 協会 誌,32,No.1,pp128-132,(2008). ll)清 水 幸 丸,片 出薫:水 平軸 風 車の 動 特牲 に 関 す る実 験的研 究(風 速 ・風 向 が周 期 的 に 変 動 す る場 合),日 本 機 械 学会 論 文集 (B 編),49,Na445,pp.1869・1878,(1985)。 12)今 村 博,沼 尻 智 宏,黒 田 淳:斜 め流 入 風 に お け る水 平 軸 風 車ロー タ周 りの 非 定 常 流 れ(速 度 場 と流体 力 の計測 お よ び 推 定), タ ー ボ 機 械,33,No.3,pp178-184,(2005).

Fig.15 Phase delay vs. frequency ratio. Triangle marks ar calculated by the regresSiOn equation (38).

Fig. 14 The relation between power and yaw angle  for  (a) T=420[s],  (b) T60[s], (c) T=30[s], (d) T 20[s], (e) T=10[s],  (f) T5[s]

参照

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