金融のIT革命
もうコンピュータとネットなしでは何
もできない
2014
神楽岡
アウトライン
• テキスト 第10章
• IT技術の進歩
Æ 金融ビジネスモデルの変革
• IT技術の活用例
– 個人の金融取引
– 企業の金融取引
– 金融機関の内部ビジネス
• 米国のサブプライムローン問題におけるIT技術
– 与信
– クレジット・デリバティブ (CDS)
– 証券化商品評価
ファイナンスとIT
• ファイナンスとIT
– ファイナンス
ビジネス
取引
– IT
技術
ツール
金融ビジネスにITがもたらしたもの
• 処理スピードの高速化
• 大量のトランザクション処理
• ネットワーク
• コストの低減
– B to B
– B to C
• 課題:セキュリティ
電子商取引
• 電子商取引
– Electronic Commerce, e-commerce
– インターネットなどのネットワークを利用して契約や決済
などを行なう取引形態
– ネットワークの種類や取引の内容を限定しない包括的用
語
• 電子商取引のタイプ
– B to B (Business to Business)
企業間取引
– B to C (Business to Consumer)
企業と消費者間の
取引
– C to C (Consumer to Consumer) 消費者同士の取引
– O2O (Online to Offline)
• オンラインとオフラインの購買活動が連携しあう
• オンラインでの活動が実店舗などでの購買に影響を及ぼす
ITがもたらしたもの
• 金融機関と個人利用者を低コストで仲介
• 金融機関と金融機関・法人のビジネス
– スピード
• 複雑な金融商品の評価
– トランザクションの増大
• 膨大な種類の金融商品の評価・ポジション管理
– グローバル化
• 世界中をネットワークでつなぐ
• NY, London, Tokyo
– 新しい金融商品や金融サービスの誕生
• 金融機関の内部ビジネス
– 金融商品評価手法・モデルの精緻化
– リスク管理の精緻化
• 課題
– セキュリティ
個人の金融取引における
IT技術の活用例
個人の金融取引
• ネット・バンキング
銀行
• オンライン・トレード
証券
• ネット保険
保険
• 商品先物取引,FX取引
住信SBIネット銀行
https://www.netbk.co.jp/
SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/
SBI損保
http://www.sbisonpo.co.jp/
SBI FXトレード
https://www.sbifxt.co.jp/
SBI再参入で激化する、ネット生保業界の舞台裏∼
一段と過熱する価格競争
http://biz-journal.jp/2013/10/post_3151.html
生保業へ再参入の時∼国内金融生態系の完成に向けて∼
http://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/201403188632.html
企業と個人の金融取引における
IT技術の活用例
個人に対する与信
• 与信
• 信用供与=与信
• 米国におけるスコアリング
• 日本の消費者金融の事例
FICOスコア
• FICO スコア (Fair, Isaac & Co., Inc.)
– 借り手の信用リスクを決定するスコア
• Fair Isaac Corporation (FICO)
– http://www.fairisaac.co.jp/solution/gfs/index.html
– created the first credit scoring system (1958)
– credit score for a bank credit card (1970)
– 1989年よりFICOスコアの提供
– 1995年より米国の住宅ローンの審査に活用
• Federal Home Loan Mortgage Corp. (Freddie Mac)
• Federal National Mortgage Association (Fannie Mae)
FICOスコアの定義と計算手順
• パフォーマンスの基準
– 今後24ヶ月以内に90日以上の延滞になる相対的見込み
• リスク変数のカテゴリー
– 過去のクレジットのパフォーマンス
– リボ払と月賦払いの返済履歴
– 現在の債務の状況
– 銀行口座のタイプ
– 銀行口座の数
– 直近の与信の応募状況
– 信用履歴の長さ
• 次の要因は考慮していない
– 収入,預金,住宅ローンの頭金
信用情報の提供機関
• 信用情報機関
– 借り手のデータベース
– FICOのソフトウエアを用いてFICOスコアを算出
– 3大信用情報報告機関
• Equifax
• Experian
• TransUnion
サブプライムローンとFICOスコア
• サブプライムローン
– 信用力の低い借入人向けの住宅ローン
• 低い信用力=低いFICOスコア
消費者金融
• 個人信用情報の全国的管理
• 個別の消費者金融会社
– 与信管理
消費者金融におけるIT
•
スピード
– 瞬時に与信の可否
– 客にどれだけの金額をお貸しできるかを即座に判断
– 多重債務者への信用供与を防止
– 借金(他の消費者金融会社からの借入れ)の返済のための新たな借金の借
入れを防止
•
トランザクションの増大
– 新規来店者数
– 既存顧客
– 既存顧客の新たな借入れ
•
ネットワーク化(グローバル化)
– 全国の支店をネットワークで結ぶ
– 消費者金融だけでなく,銀行系・信販系のネットワークとも相互接続
•
精緻化
– スコアリング・モデル
消費者金融におけるIT
• 新規予信
– 与信の可否
– 与信額の決定
• 途上与信
– 与信の可否
– 与信額の決定
• 商品
– 新しい金融商品の誕生
– 1週間なら無利息など
• 手続き
– 新しい金融マネジメントの誕生
– 貸し倒れの測定・管理・予測
個人信用情報
• 個人の属性情報
– 氏名・生年月日・住所・勤務先など
• 契約内容に関する情報
– 消費者ローンの借入日・借入金額・借入残高
– クレジット契約日・クレジット契約金額・支払回数・残高・購入商品な
ど
• 延滞などの情報
– 発生年月日・延滞などの内容〔延滞・貸倒れ・代位弁済など〕
• 公的情報
– 破産宣告・失踪宣告などの公的記録
• 手形交換所の第1回目不渡・取引停止処分情報
個人信用情報機関
•
日本信用情報機構
– テラネットが全国信用情報センター連合会を吸収
–
http://www.jicc.co.jp/
•
全国信用情報センター連合会
– 消費者金融系の全国33の個人信用情報センターの連合体として設立
– 会員:消費者金融専業者など
•
テラネット
– TERAサービスの提供
– 全国信用情報センター連合会の信用情報交換サービスJACINの登録情報と
テラネット会員によって登録された情報が提供される.
– 4つのKEY(氏名/生年月日/電話番号/郵便番号の上3桁)で該当債務
者および類似する債務者の情報一覧
– デフォルトに近い債務者は,短期間に複数の機関から借入れをおこなう傾向
があるため,そのシグナルを見つけることに重点
– 新規の借入れの申し込み時には毎回テラネットに照会されるため,その照会
回数も重要な情報として提供されている.
• 全国銀行個人信用情報センター
– 全国銀行協会(略称・全銀協)が設置している個人信用情報機関
– 会員:銀行・信用金庫・信用組合・農業協同組合などの金融機関,銀
行系クレジットカード会社,住宅金融会社など
• CIC
– 団法人日本クレジット産業協会をはじめとする2団体43社を株主とし
て設立された個人信用情報機関
– 会員:信販会社,家電・自動車メーカー系クレジット会社,百貨店,ク
レジットカード会社,専門店会,自動車ディーラーなど
• 個人信用情報の登録期間
– 契約の内容に関する情報 その契約期間中及び完済後5年間
– 延滞などの情報
その事実発生後の5年間
– この期間経過後は登録情報は自動的に抹消
CRIN
• CRINの企画・運営
– (株)日本信用情報機構
貸金業界
– 全国銀行個人信用情報センター (KSC)
– 株式会社CIC
クレジット業界
• CRIN とは
– CRIN: Credit Information Network の略
– 個人信用情報の交流システム
– 1987/03/20スタート
– JIC, CIC, KSC の3者間で各々のデータベースを相互に参照
• 機能・目的
– 加盟する個人信用情報機関を通じてコンピュータネットワークにより,
他機関が登録保有している個人信用情報のうち延滞などの情報につ
いて照会可能
– 過剰貸付の防止,多重多額債務者発生の防止などに効果
全国信用情報センター連合会 1/2
•
JACIN (Japan Credit Information Network)
•
信用情報交換サービス
•
登録情報量
– 1500万人 – 毎日50~60万件の新規借入れが発生する.•
会員数
– 5000社 – 上位20社で全体の70%を占める.•
JACINの照会と回答のしくみ
– 新規顧客については10桁(チェック・ディジットを含む)IDをつけており,以後の新規融 資はこのIDを元にデータ管理される. – 3つのKEY(氏名/生年月日/市区町村までの住所)で同一債務者かどうかの判別を おこなっており,この3つKEYが一致すれば複数の債務者は同一債務者とみなされる) – 危ない債務者は,同じ日に複数の消費者金融機関から借入れを試みるため,データ 更新のスピードが最重要•
JACINでの情報登録
– アイ端(専用端末):情報センターのデータをリアルタイムでアップデート全国信用情報センター連合会 2/2
• PRIS (Public Record Information System)
– 目的
– 破産者への融資を防止
– 会員の債権管理に活用
– 官報に公告される破産や失踪等に関する公的記
録情報を提供
アイフルにおける与信手続き
1. 面談からの印象
2. 審査
1. 勤務先企業による審査
2. 代表電話番号から帝国データバンクをサーチする
3. 同一企業に勤務する他の顧客の状況
4. 会社の状況(例えば,求人広告を頻繁に出しているときに,定着率が低い場
合と成長している場合の2つが考えられる)
3. 信用情報センターへの照会
4. 電話番号による名寄せ(同一電話番号で別の氏名での申込みがない
か)
5. 与信申込みの理由を判断
1. 通常の資金需要なのか
2. 返済のための借入なのか
6. 支店長による決済
アイフル:無担保ローンのネットでの
申込み (1/3)
• 申込者 – 氏名 – 生年月日 – 性別 – 結婚有無 – 扶養家族数 • 住居 – 郵便番号,番地,建物名 – 自宅電話番号 – 携帯電話番号 – Eメール – Eメールアドレス – Eメール種別(パソコン,iモード,Ezweb, Yahoo!ケータイ,その他) – Eメール所有区分(自宅,勤務先,携帯, その他) – 住居区分 • 持ち家(戸建・マンション) • 公団(賃貸) • 公営(賃貸) • アパート • 賃貸マンション • 借家 • 社宅 • 寮・住込・間借・下宿) – 住居負担額(円/月) – 入居年月日アイフル:無担保ローンのネットでの
申込み (2/3)
• 勤務先 – 勤務者(本人・配偶者) – 勤務先名 – 住所 – 電話番号 – 業種 • 社長・代表者 • 正社員 • 派遣社員 • 出向社員 • 嘱託社員 • パート・アルバイト – 職種 • 経営者・事務・スタッフ・教師 • 営業・販売 • 工員・職人・作業員 • 運転手 • 医療関係 • 国家資格保持者(弁護士・調理師等) • 自衛官・警察官・消防士・刑務官・議員) • サービス関連(乗務員・配達員等) • 芸能・芸術・デザイン・僧侶 – 会社規模 • 公務員・郵政公社 • 上場企業 • 社員1000人以上・社団法人・財団法人 • 社員500人以上 • 社員100人以上 • 社員50人以上 • 社員20人以上 • 社員5人以上 • 社員5人未満 • 社員なし(単独) – 入社年月日 – 転職回数 – 給料日 – 税込年収アイフル:無担保ローンのネットでの
申込み (3/3)
• 他社の利用状況
– 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8,
9件以上
• 融資
– 希望限度額
• アイフルからの連絡
– 希望連絡先
アコム
消費者向け無担保ローン 2008年度
• 期末残高
– 1,137,099 (百万円)
• 1口座当たり貸付単価
– 535 (千円)
• 利用者数
– 2,126,348
•
ローン事業新客数
– 185,453
• ローン事業店舗数
– 合計
1,607
– 有人店舗 118
– 無人店舗 1,489
• むじんくん台数
1,606
• CD・ATM
– CD・ATM台数
95,024
– 自社設置分
1,670
– 年中無休
1,670
– 24時間稼動
1,485
– 提携分
93,354
• 期中平均利回り
– 消費者向け
21.05%
貸付金額別残高構成
貸付金額別残高構成
0
200,000
400,000
600,000
800,000
1,000,000
10
10 30
30 50
50 100
100
(万円)
口座数
残高 (百万円)
顧客年収別件数構成比
顧客年収別件数構成比 0% 20% 40% 60% 80% 100% 新規 既存 ~200 200~500 500~700 700~1000 1000~顧客年代別件数構成比
顧客年代別件数構成比 0% 20% 40% 60% 80% 100% 新規 既存 ~29 30~39 40~49 50~59 60~顧客性別件数構成比
顧客性別件数構成比 0% 20% 40% 60% 80% 100% 新規 既存 男性 女性貸倒損失率
貸倒損失率 0 2 4 6 8 10 12 14 2005 2006 2007 2008 20093ヶ月未満の延滞債権
3カ月未満の延滞債権 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 2005 2006 2007 2008 2009 (百万 円 ) 11日以上31日未満延滞額 31日以上3カ月未満延滞額金融商品の価格評価とリスク評
価
金融機関のリスク管理とIT
• リスクとは
• 意思決定で考慮すべきファクター
• リターン
損益
• リスク
損益の不確実性
• リスクとは
– 不確実性
– 損失額
– 損失の発生する確率
• リスク管理の目的
– measurement
測定
– management
管理
• リスクをコントロールした上で収益の最大化
リスクの計測対象
• エクイティ(株式)
• 債券・金利商品
• 為替取引
• コモディティ
金融取引に関わるリスク
•
市場リスク,マーケット・リスク
– 金融資産の価格変動によるリスク
•
信用リスク,クレジット・リスク
– 契約のカウンター・パーティが契約上の役務を履行できないことに起因するリ
スク
•
オペレーショナル・リスク
– 決済などの執行ミス
•
流動性リスク,リクイディティ・リスク
– 商品の市場での取引が少ないために取引が円滑に行なえないリスク
•
法的リスク,リーガル・リスク,コンプライアンス・リスク
– リーガル・リスク:非合法な金融取引であったことに起因するリスク
– (例:スワップ取引の契約書の不備)
– コンプライアンス・リスク:契約は合法であるが,それに至る過程に何らかの
法的な不具合に起因するリスク
– (例:契約内容の説明が不十分)
市場リスクの測定と管理
• 市場リスク = マーケット・リスク (market risk)
• 金融商品の価格の変化
– マクロ経済,ミクロ経済などの状況に影響
RiskMetrics
• JP Morgan が開発し,提唱
– 同様の手法がすべての金融機関で採用
• RiskMetrics の特長
– リスクを Value-at-Risk (VaR) とよぶ1つの数値
で表現
– transparent
考え方がシンプルで理解しやすい.
– implementation (実用化)が容易
リターンとリスクの定式化
time price
return
0
p(0)
1
p(1)
r(1) = (p(1)-p(0)) / p(0)
2
p(2)
r(2) = (p(2)-p(1)) / p(1)
3
p(3)
r(3) = (p(3)-p(2)) / p(2)
t-1
p(t-1)
r(t-1) = (p(t-1)-p(t-1)) / p(t-1)
t
p(t)
r(t) = (p(t)-p(t-1)) / p(t-1)
リスクと確率
• リターンの不確実性をどのように表現する
か?
• 将来のリターンはどうなるかはわからない!
• 生起確率の導入
–
確率
– return > 0
60%
– return < 0
40%
リスクの定式化
準偏差
リスク=リターンの標
確率
リターン
∑
∑
∑
= = =−
=
−
=
=
=
−
=
−
=
=
=
=
n i i i n i i i n i ii n nr
r
p
r
r
E
r
Var
r
SD
r
r
p
r
r
E
r
Var
r
p
r
E
r
p
r
p
r
p
r
1 2 2 1 2 2 2 1 2 2 1 1)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
σ
σ
#
#
JPY/USD 0 50 100 150 200 250 300 19 85 /1 /2 19 85 /5 /2 9 19 85 /1 0/ 22 19 86 /3 /2 0 19 86 /8 /1 2 19 87 /1 /8 19 87 /6 /3 19 87 /1 0/ 26 19 88 /3 /2 3 19 88 /8 /1 5 19 89 /1 /1 1 19 89 /6 /2 19 89 /1 0/ 23 19 90 /3 /1 5 19 90 /8 /3 19 90 /1 2/ 24 19 91 /5 /1 4 19 91 /1 0/ 2 19 92 /2 /2 1 19 92 /7 /1 3 19 92 /1 2/ 1 19 93 /4 /2 2 19 93 /9 /1 0 19 94 /1 /3 1 19 94 /6 /2 1 19 94 /1 1/ 9 19 95 /3 /3 0 19 95 /8 /1 8 19 96 /1 /8 19 96 /5 /2 8 19 96 /1 0/ 16 19 97 /3 /6 19 97 /7 /2 5 19 97 /1 2/ 15 19 98 /5 /5 19 98 /9 /2 3 19 99 /2 /1 1 19 99 /7 /2 19 99 /1 1/ 22 20 00 /4 /1 1 20 00 /8 /3 0リターン -8.000 -6.000 -4.000 -2.000 0.000 2.000 4.000 6.000 19 85/ 1/ 2 198 5/5 /2 2 198 5/1 0/ 9 19 86/ 3/ 4 198 6/7 /2 1 198 6/1 2/ 9 198 7/4 /2 9 198 7/9 /1 5 19 88/ 2/ 5 198 8/6 /2 3 1988 /11 /1 0 198 9/3 /3 1 198 9/8 /1 6 19 90/ 1/ 2 199 0/5 /1 7 199 0/1 0/ 1 199 1/2 /1 3 199 1/6 /2 8 1991 /11 /1 2 199 2/3 /2 7 199 2/8 /1 1 1992 /12 /2 4 199 3/5 /1 1 199 3/9 /2 3 19 94/ 2/ 7 199 4/6 /2 2 199 4/1 1/ 4 199 5/3 /2 1 19 95/ 8/ 3 1995 /12 /1 8 19 96/ 5/ 1 199 6/9 /1 3 199 7/1 /2 8 199 7/6 /1 2 1997 /10 /2 7 199 8/3 /1 1 199 8/7 /2 4 199 8/1 2/ 8 199 9/4 /2 2 19 99/ 9/ 6 200 0/1 /1 9 20 00/ 6/ 2 2000 /10 /1 7
為替のリターン分布と正規分布の比較
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 -2.5-2.3-2.1 -1.9-1.7-1.5 -1.3-1.1-0.9 -0.7 -0.5-0.3 -0.1 0.1 0.3 0.5 0.7 0.9 1.1 1.3 1.5 1.7 1.9 2.1 2.3 2.5 リターン 発 生確率 為替リターン 正規分布日経平均株価
NK225 (index) 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 19 84 /1 /4 19 85 /1 /4 19 86 /1 /4 19 87 /1 /4 19 88 /1 /4 19 89 /1 /4 19 90 /1 /4 19 91 /1 /4 19 92 /1 /4 19 93 /1 /4 19 94 /1 /4 19 95 /1 /4 19 96 /1 /4 19 97 /1 /4 19 98 /1 /4 19 99 /1 /4 20 00 /1 /4 20 01 /1 /4 20 02 /1 /4 20 03 /1 /4 20 04 /1 /4 20 05 /1 /4 20 06 /1 /4 20 07 /1 /4 20 08 /1 /4 20 09 /1 /4日経平均株価(リターン)
NK225 (return) -0.2 -0.15 -0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 19 84 /1 /4 19 85 /1 /4 19 86 /1 /4 19 87 /1 /4 19 88 /1 /4 19 89 /1 /4 19 90 /1 /4 19 91 /1 /4 19 92 /1 /4 19 93 /1 /4 19 94 /1 /4 19 95 /1 /4 19 96 /1 /4 19 97 /1 /4 19 98 /1 /4 19 99 /1 /4 20 00 /1 /4 20 01 /1 /4 20 02 /1 /4 20 03 /1 /4 20 04 /1 /4 20 05 /1 /4 20 06 /1 /4 20 07 /1 /4 20 08 /1 /4 20 09 /1 /4日経平均株価リターンのヒストグラム
NK225 (histogram) 0 50 100 150 200 250 300 -0 .175 -0 .165 -0 .155 -0 .145 -0 .135 -0 .125 -0 .115 -0 .105 -0 .095 -0 .085 -0 .075 -0 .065 -0 .055 -0 .045 -0 .035 -0 .025 -0 .015 -0 .005 0.005 0. 015 0. 025 0. 035 0. 045 0. 055 0. 065 0. 075 0. 085 0. 095 0. 105 0. 115 0. 125 0. 135 0. 145 0. 155 0. 165 実データ 正規分布リターン分布のモデル化
• historical return
– FX
JPY/USD
• 正規分布による表現
– 数学的取り扱いが容易
– 少ないパラメター(平均μと分散σ^2)で規定
正規分布
2
2
2
]
[
]
[
2
1
exp
2
1
)
(
)
,
(
~
σ
σ
µ
σ
π
σ
µ
=
⎟
⎟
⎠
⎞
⎜
⎜
⎝
⎛
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛ −
−
=
X
Var
X
E
x
dx
x
f
N
X
正規分布:密度関数
密度関数 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 -5 -4.5 -4 -3.5 -3 -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5正規分布:分布関数
分布関数 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 -5 -4.5 -4 -3.5 -3 -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5パーセンタイル
∫
−
∞
=
=
α
α
dx
x
f
p
p
)
(
percentile
正規分布:密度関数と分布関数
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 -5 -4 .5 -4 -3 .5 -3 -2 .5 -2 -1 .5 -1 -0 .5 0 0. 5 1 1. 5 2 2. 5 3 3. 5 4 4. 5 5x=-1.3
面積=0.1
f(x)=0.17
VaR
• VaR の定義
• マーケット・リスクはポートフォリオのリターン分布のパーセン
タイルで測られる.
• RiskMetrics では 95% パーセンタイルを VaR を算出する
設定条件と採用している.
– 良いほうから95%
– 悪いほうから5%
– の位置にあるシナリオにおける損失額
• 簡単な例
– r = - 10%
– A=$500,000
– VaR=500,000×(-0.10)=-50,000
金融機関のリスク管理への適用
多資産
• 多種類の資産
– 株式,債券,金利,為替,商品
• 多くの銘柄
– NTT, SONY, CANON, TOYOTA, ...
• 2つの資産のリターンが関係していることがある.
– r1
トヨタ
自動車:輸出
– r2
東京電力
原油:輸入
• 為替レートの変動
–
円高
円安
– トヨタ
×
○
– 東京電力
○
×
VaRの設定条件
• 何日先のリスクを計算するか?
– 1日先
– 1月先
• リスクの発生頻度の確率の設定?
– 5%
– 1%
レポーティング
• 証券会社,銀行
– 少なくとも1日1回VaRを算出→経営陣に報告
• グループごと
– 課ごと
– 部ごと
– 国ごと USA, GB, Japan, Hong Kong,
Singapore, France, Deutsch, ...
– 全世界
モデル・パラメター
• 正規分布
– r ~ N(mu,sigma^2)
– historical data から推定
– パラメターは日次更新
• 各金融機関でのカスタマイズ
– VaR
95%, 99%
– time horizon
1day, 1week, 1month
– リターン分布 正規分布+補正
– パラメター値
VaRの実用化 (implementation)
• 1. シナリオ数の設定
– 例えばシナリオ数が100
• 2. 各シナリオに対して損益を計算
• 3. 損益について,損失の 95 percentile のシ
ナリオをピックアップ
– 5番目に損失が大きいシナリオを選択
• 4. シナリオの損失額を VaR とする.
Monte Carlo シミュレーション
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12業務フロー
• フロント・デスク
トレーディング
• ミドル・デスク
リスク管理
• バック・オフィス
清算 (settlement)
事務処理
システム会社
• Numerix
– http://www.numerix.com/
• Simplex Technonogy
–
http://www.simplex-tech.co.jp
• Algorithmics
–
http://www.algorithmics.com
• Sungard Financial Systems
–
http://www.sungard.com/financialsystems
• Numerical Technologies
–
http://www.numtech.co.jp/
• BARRA
–
http://www.mscibarra.com/index.jsp
• IBM
– http://www-06.ibm.com/industries/jp/finance/
• 新日鉄ソリューションズ
–
http://www.ns-sol.co.jp/ss/finance/index.html
• 住商情報システム
– http://www.scs.co.jp/product/solution/industrial
.html#finance
• NTTデータ
信用リスクの測定と管理
• 信用リスクとは
– 契約が履行されない
– 契約者A
売却
– 契約者B
購入
• ネッティング (netting)
デフォルト・リスクの例
• 例:融資額1億円
• 融資先企業:デフォルト
1億円回収不能
• 例:保有している社債の額面1億円
• 融資先企業:デフォルト
– 社債は紙屑になり1億円の損失
• 社債の満期が3年先のとき,社債価値を1億円とし
てよいか?
– NO!
– デフォルト確率を考慮した上で例えば8800万円とか割り
引かれて評価すべきである.
信用リスク
• 銀行・保険
– 保有資産
• 社債
• 融資ローン
• 企業のデフォルト
– 企業のデフォルトの確率
– デフォルト確率の高い資産
• デフォルト確率
– 格付から判断できる.
– 格付が下がると保有債券の価値が下がる.
格付け
•
格付け=発行体が債券の元本および利息を償還まで予定通り支払う能力につい
ての意見
•
信用リスクについての詳細な分析から判断した評価を簡単な記号で表現
•
世界中および他業界の債券との比較が可能
•
国内外市場:総額80兆ドル以上の格付けされた債券および固定利付債が流通
•
格付けはそれら市場の成長と安定,効率性の向上に寄与
•
格付け会社:明確かつ高い信頼性で信用リスクに関する公正な意見を提供し,市
場の効率性に寄与
•
投資家:信頼のおけるリスク評価を提供
•
発行体:資本市場で柔軟かつ経済的な資金調達
•
格付機関
– Moody's – Standard & Poor's – FitchIBCA – R&I – JCR格付けの種類と定義
• 発行体格付け(イシュアー格付け)
• 債券格付け(イシュー格付け)
• 短期格付け
A-1~D
• 長期格付け
AAA~D
– AAA~BBB−:投資適格
– B+ 以下:投機的
発行体・債券格付け(長期)
AAA 予定期日に当該債務を履行する能力がきわめて高い.最上級の格付け. AA 当該債務を履行する能力は非常に高く,最上位の格付け (AAA) との差は小さい. A 当該債務を履行する能力は高いが,上位2つの格付けに比べ,状況の変化や経済環境の悪化から より影響を受けやすい. BBB キャッシュフロー指標は十分であるが,経済環境の悪化や状況の変化などにより,上位の格付けに 比べ債務履行能力が低下する可能性がより強い. BB 他の「投機的」格付けに比べ,近い将来に債務が不履行になる可能性は低いが,事業状況,財務状 況,経済状況が悪化した場合に,当該債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性をもた らす,大きな不確定要素やリスクにさらされている. B 現在は債務履行能力を有しているが, BB の格付けよりも,当該債務が不履行となる可能性はより 高い.事業,財務,経済状況の悪化により債務履行能力や意欲は損なわれ易い. CCC 債務不履行となる可能性があり,債務履行能力は良好な事業状況や財務,経済状況に依存してい る.事業状況,財務状況,経済状況が悪化した場合に,当該債務を期日通りに履行する能力がなく なる可能性がある. CC 当該債務が不履行となる可能性が非常に高い. C 現在,破産法に基づく申請を行っているが,当該債務は引き続き履行されている場合に用いられる ことがある D 債務不履行に陥っている,利払いや元本の返済が期日通り行われない場合に用いられる.破産法 に基づく申請が行われ,なおかつ元利払いが危ぶまれる場合にも用いられる.• BB~C
– 債務履行能力について投機的要素が強いとみな
される.
• AA~CCC
– プラス記号またはマイナス記号を付加することが
あり,それぞれ,各カテゴリー内での相対的強さ
を表わす.
発行体・債券格付け(短期)
A-1
予定期日に当該債務を履行する能力が最も高いことを示す.最上級の格付け.
特に信用度が極めて高いと見なされるものには,プラス記号(+)が付される.
A-2
予定期日に当該債務を履行する能力が十分にあるが, A-1 よりも,状況の変
化や経済環境の悪化からより影響を受けやすい.
A-3
キャッシュフロー指標は十分であるが,経済状況が悪化したり事業環境に変
化があった場合に,当該債務を期日通りに履行する能力が低下する可能性
がある.
B
予定期日の債務履行に関して,投機的要素が強い.現在,予定期日に当該
債務を返済する能力はあるものの,当該債務を期日通りに履行する能力が不
十分となる可能性をもたらす,大きな不確定要素を抱えている.
C
当該債務が不履行となる可能性があり,債務履行能力は,良好な事業状況
や財務,経済状況に依存している.
D
債務不履行に陥っている.当該債務の支払いが期日通り行われない場合に
用いられる.破産法に基づく申請が行われ,なおかつ元利払いが危ぶまれる
場合にも用いられる.
格付けのプロセス
1. 債券の発行にあたって格付けの依頼
2. 発行体経営陣とのミーティング(マネージメント・
ミーティング)
3. 格付委員会による格付けの決定
4. 格付けの維持・監視
5. 格付けの変更
http://www.standardpoor.com/japan/resources/rati
ng_process.html
② 発行体経営陣とのミーティング(マ
ネージメント・ミーティング)
• 主要な事業および財務計画,経営方針,格付けに大きな影響を与えるその他の信用力要 因を詳細に検討 – 出席者 最高財務責任者(CFO),最高経営責任者(CEO)が企業戦略を説明 – 日程 少なくとも数週間前に決定,債券格付けは,ミーティング後,約3~4週間 • ミーティングの準備 – ミーティングの前に発行体が提出する書類 – 過去5年分の監査済みの財務諸表 – 過去数期分の中間決算書 – 事業および商品内容の説明書 – 登録届出書や目論見書の草案 – 発行体独自の情報,関連する業界情報 • ミーティングの進め方 – 業界環境とその展望 – 主要事業の営業実績,競合他社や業界基準との比較などを含めた概要 – 経営陣による財務方針と財務目標 – 会計方針の特徴 – 収益,キャッシュフロー,財務諸表に関する経営陣の予測や市場および事業の見通し. – 設備投資計画 – 資金調達手段の選択肢③ 格付委員会による格付けの決定
• 業界担当アナリスト
– 財務統計と比較分析を提示
– プレゼンテーション
• 格付委員会
– 発行体の事業および事業環境の分析
– 戦略および財務運営の評価
– 財務分析
– 格付けの提案
– 格付けの決定
④ 格付けの維持・監視
• 格付けの維持・監視
– 同じ産業担当のアナリスト
⑤ 格付けの変更
• 格付けの見直しが必要となる場合
– 格付けの維持・監視の結果,事業の現状が見通
しから大きく乖離
– 重要な資金調達を新たに計画
• 格付委員会が事態を評価して格付けを決定
Moody's の長期格付け
Aaa
財務の安全性が例外的に優れている.信用力が変化する可能性はあるが,
予想される限り,基礎的な信用力の強さが損なわれる可能性はほとんどない.
Aa
財務の安全性が非常に優れている.Aaaの発行体とあわせて,信用力が上
級とみなされる.Aaaの発行体と比べて長期的なリスクがやや高いとみられる.
A
財務の安全性が優れている.ただし将来の信用力低下につながる要素もある
と考えられる.
Baa
財務の安全性が適当である.ただし信用力を支える何らかの要素が不足して
いるか,ないしは長期的にみて不確実であるとも考えられる.
Ba
財務の安全性に問題がある.多くは債務を履行する能力が中程度で,長期的
には,維持されない可能性がある.
B
財務の安全性が低い.長期的にみて,債務が履行される確実性が低い.
Caa
財務の安全性がかなり低い.債務不履行に陥っているか,あるいは期限通り
の返済を危うくする要素が認められる.
Ca
財務の安全性が極めて低い.債務不履行に陥っているか,あるいは重大な危
険性が認められる.
C
発行体格付けの最下位.普通はデフォルトに陥っており,回収率も低いと考え
られる.
CreditMetrics
• CreditMetric とは – 信用リスクの統合 – 格付変更・デフォルトなどの信用に関する VaR の算出 – risk horizon:1年間と設定 • CreditMetric を構成する3要素 – 方法論 – ポートフォリオのクレジットに起因する VaR を測定する. – 透明性が高い. • データセット – デフォルト&確率推移行列 – クレジット・スプレッド – 相関 • ソフトウエア CreditManager™ • CreditMetrics の目的 – 信用リスク測定に関するベンチマークを創る. – 信用リスクの透明性を向上させる. – リスク管理手法を改善させる. – 市場の流動性を向上させる.CreditMetrics の方法論
1. それぞれの資産について exposure を算出する.
2. 格付の変更およびデフォルトによる資産価格変化
のボラティリティを算出する.
1. 格付推移行列の推定を推定する.
2. 資産価格の変化の期待値およびボラティリティを推定
する.
3. 信用スプレッドのデータ
4. デフォルト時の回収率
3. 任意の資産間の価格変化の相関を推定する.
4. ポートフォリオについて信用による VaR を算出す
る.
信用VaRの算出
• エクスポージャ 信用リスクによるVaR 相関 • 貸出枠 信用格付 弁済順位 信用スプレッド 格付・株価 • コミットメント ↓ ↓ ↓ ↓ • ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ • 市場ボラティリティ 格付推移確率 回収率 債券の現在価値 相関モデル • ↓ ↓ ↓ の再評価 ↓ • ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ • エクスポージャ 信用力変化による価値変動のボラティリティ 同時信用確率 • の分布 ↓ ↓ • ↓ ↓ ↓ • クレジットに起因するポートフォリオVaR •回収率
• Seniority Class
平均 (%)
標準偏差 (%)
• Senior Secured
53.80
26.86
• Senior Unsecured
51.13
25.45
• Senior Subordinated
38.52
23.81
• Subordinated
32.74
20.18
• Junior Subordinated
17.09
10.90
• Source: Carty & Lieberman [96a] −Moody's
Investors Service
CreditMetrics
• 信用に起因する損失額を予測する.
• 95パーセンタイルの損失額
• 将来予想のシナリオが100ある時,その中でよい方から95個
目,同じ事であるが,損失額が大きい方から5番目のシナリ
オに対応する損失額を求める.
• その値が信用VaRと呼ばれる.
• 信用リスクをとることにより,超過リターンがもたらされる.
• リスクとリターンのトレードオフ
• 幾らまでならリスクをとってよいか?
デリバティブとIT
•
数値計算
– 複雑なデリバティブのプレミアムは解析的に解く事ができない.
•
数値計算
– 有限差分法 (Finite Difference Method)
• 水流の計算
– 有限要素法 (Finite Element Method)
• ビルディングや自動車のボディなど構造の強度計算
– モンテカルロ・シミュレーション
• 原子炉の設計 • プラズマ核融合の設計•
多数のデリバティブの価格やリスクを評価するためには,
– CPUパワー(質:数値計算,量:トランザクションの増大)
– ネットワーク(全世界のブランチのポジションを統合)
– の技術的バックボーンが要求される.
金融機関内部ビジネスの変革
• 市場リスク管理・信用リスク管理
– スピード
• 常に市場リスク・信用リスクを把握
• 最低1日1回はVaRを算出し,経営陣に提出.
– トランザクションの増大
• 1日の売買の取引回数は非常に大きい.
– リスク測定・管理の対象資産は膨大である.
• 株式
• 債券 国債・社債
• 融資
• 為替
• 商品(コモディティ)
原油,金,パラジウム
• ネットワーク化(グローバル化)
– 全世界のブランチをネットワークで結ぶ
• 精緻化
– 様々な観点からリスクを評価
• 商品
:新しい金融商品の誕生
– デリバティブのリスク測定・管理
• 手続き :新しい金融マネジメントの誕生
– ITの出現以前は総額しか把握できなかった
ファイナンスとITの発展
ファイナンスにおけるインテリジェント・
システム
• インテリジェント・システム
– フレキシビリティと適合性
– 過去からの学習
– 技術イノベーションの可能性が大きい
Artificial Financial Market
人工証券市場
• コンピュータで人工的に証券市場を生成
• 株式のトレーディング・ルール
• 多数の投資家
• 現実の株価の振舞いとよく似た「株価」
• SimCity
ニューラル・ネットワーク
•
ニューラル・ネットワークとは
– 人間の脳のモデル:シナプス,ニューロン – 生物学的ニューロンの機能を模倣•
ニューラル・ネットワークの特徴
– プログラミングではない – 学習する.•
特徴
– 先験的な知識を必要としない – 非線形の関連性を見つけ出す•
問題点
– なぜそのような結果がえられたかを説明できない•
ファイナンスへの適用
– 金融資産価格の予測 – マクロ経済の予測 – 債券の格付けの推定・財務指標 – 倒産確率の推定・財務指標遺伝的アルゴリズム
• 遺伝的アルゴリズムとは – 生物の進化 遺伝子の交差,突然変異 – 優れた遺伝子が生存競争に勝ち抜いて生き残る – 最適化問題において最適解を効率的に発見 • 最適化問題 – 目的関数の最小化を実現するパラメター値を求めること. – 最適化問題 生物 – 目的関数 生存競争に生き抜く,環境に対する適合度が高い – 最適解 生き残った遺伝子 • 特徴 – 遺伝子の組合わせを総当たりで求めるよりも効率的 • 問題点 – 遺伝子としての表現方法 – 選択原理の設定(交差や突然変異の頻度の設定) • ファイナンスへの適用 – ポートフォリオの最適化 ← 取引コストを最小にする. – ローンの評価 – ローンの申込者の属性とデフォルト起こりやすさの間に関係を見つける. – 不正行為の検出ファジー・ロジック
• ファジー・ロジックとは
– 伝統的なコンピュータのYES/NOの2値ではなく,
その中間のあいまいな判断も含める.
• ファイナンスへの適用
– 債券の格付けの推定・財務指標
– 倒産確率の推定・財務指標
サブプライムローンの証券化
住宅ローンの与信
• サブプライムローン
– 信用力の低い人向けの住宅ローン
– 低所得者向けの住宅ローンではない
• 住宅ローン
– 金額:多額
– 期間:長期間
– 長期にわたるデフォルト予測
• 与信
– FICO スコアの活用
証券化商品:まとめ
• 証券化とは
– 債権
Æ プール Æ 証券化
– 有価証券として広く投資家に分配
• 証券化のメリット
– リスクの分散
– リスクとリターンの再分配(債権者Æ 投資家)
– 証券化による流動性の向上
ローンの貸付:貸倒れ無
借入金 金利 貸倒れ 1年後 債務者#01 ローン#01 100万円 8% NO 108万円 債権者#01 債務者#02 ローン#02 100万円 8% NO 108万円 債権者#02 債務者#03 ローン#03 100万円 8% NO 108万円 債権者#03 債務者#04 ローン#04 100万円 8% NO 108万円 債権者#04 債務者#05 ローン#05 100万円 8% NO 108万円 債権者#05 債務者#06 ローン#06 100万円 8% NO 108万円 債権者#06 債務者#07 ローン#07 100万円 8% NO 108万円 債権者#07 債務者#08 ローン#08 100万円 8% NO 108万円 債権者#08 債務者#09 ローン#09 100万円 8% NO 108万円 債権者#09 債務者#10 ローン#10 100万円 8% NO 108万円 債権者#10ローンの貸付:貸倒れ有
借入金 金利 貸倒れ 1年後 債務者#01 ローン#01 100万円 8% NO 108万円 債権者#01 債務者#02 ローン#02 100万円 8% NO 108万円 債権者#02 債務者#03 ローン#03 100万円 8% NO 108万円 債権者#03 債務者#04 ローン#04 100万円 8% NO 108万円 債権者#04 債務者#05 ローン#05 100万円 8% NO 108万円 債権者#05 債務者#06 ローン#06 100万円 8% NO 108万円 債権者#06 債務者#07 ローン#07 100万円 8% NO 108万円 債権者#07 債務者#08 ローン#08 100万円 8% NO 108万円 債権者#08 債務者#09 ローン#09 100万円 8% NO 108万円 債権者#09 債務者#10 ローン#10 100万円 8% YES 0万円 債権者#10ローンプール:貸倒れ有
借入金 金利 貸倒れ 1年後 ローン#01 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#01 ローン#02 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#02 ローン#03 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#03 ローン#04 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#04 ローン#05 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#05 ローンプール ローン#06 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#06 ローン#07 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#07 ローン#08 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#08 ローン#09 100万円 8% NO 108万円 97.2万円 債権者#09 ローン#10 100万円 8% YES 0万円 97.2万円 債権者#10 1000万円 合計 972万円 972万円ローンプールの貸付金利:貸倒れ無
借入金 金利 貸倒れ 1年後 ローン#01 100万円 8% NO 108万円 ローン#02 100万円 8% NO 108万円 ローン#03 100万円 8% NO 108万円 ローン#04 100万円 8% NO 108万円 ローン#05 100万円 8% NO 108万円 ローン#06 100万円 8% NO 108万円 ローン#07 100万円 8% NO 108万円 ローン#08 100万円 8% NO 108万円 ローン#09 100万円 8% NO 108万円 ローン#10 100万円 8% NO 108万円 1000万円 合計 1080万円ローンプールの貸付金利:貸倒れ有1
借入金 金利 貸倒れ 1年後 ローン#01 100万円 8% NO 108万円 ローン#02 100万円 8% NO 108万円 ローン#03 100万円 8% NO 108万円 ローン#04 100万円 8% NO 108万円 ローン#05 100万円 8% NO 108万円 ローン#06 100万円 8% NO 108万円 ローン#07 100万円 8% NO 108万円 ローン#08 100万円 8% NO 108万円 ローン#09 100万円 8% NO 108万円 ローン#10 100万円 8% YES 0 1000万円 合計 972万円ローンプールの貸付金利:貸倒有2
借入金 金利 貸倒れ 1年後 ローン#01 100万円 20% NO 120万円 ローン#02 100万円 20% NO 120万円 ローン#03 100万円 20% NO 120万円 ローン#04 100万円 20% NO 120万円 ローン#05 100万円 20% NO 120万円 ローン#06 100万円 20% NO 120万円 ローン#07 100万円 20% NO 120万円 ローン#08 100万円 20% NO 120万円 ローン#09 100万円 20% NO 120万円 ローン#10 100万円 20% YES 0 1000万円 合計 1080万円ストラクチャリング (pass-through)
野菜:トマト#0001 お弁当#A お弁当#B 魚:さわら#0002 お弁当#I お弁当#J 食品加工センター お弁当#S 肉:鴨肉#5000 お弁当#Zストラクチャリング (pass-through)
住宅ローン#0001 有価証券#A 有価証券#B 住宅ローン#0002 有価証券#I プール 有価証券#J 有価証券#S 住宅ローン#5000 有価証券#Zストラクチャリング
野菜:トマト#0001 特上弁当#A 特上弁当 特上弁当#B 魚:さわら#0002 上弁当#I 上弁当 上弁当#J 食品加工センター 弁当#S 弁当 肉:鴨肉#5000 弁当#Zストラクチャリング
住宅ローン#0001 有価証券#A 優先 有価証券#B 住宅ローン#0002 有価証券#I プール メザニン 有価証券#J 有価証券#S 劣後 住宅ローン#5000 有価証券#Zストラクチャリング (CDO)
Collateralized Debt Obligations
債権#01 有価証券#A 優先 有価証券#B 債権#02 有価証券#I プール メザニン 有価証券#J 有価証券#S 劣後 債権ローン#50 有価証券#Z
ストラクチャリング (ABS-CDO)
ABS-Collateralized Debt Obligations
特上弁当 特上弁当#A 上弁当 弁当 特上弁当 特上弁当#B 特上弁当 上弁当 上弁当#I 弁当 上弁当 上弁当#J 食品加工センター 弁当#S 特上弁当 弁当 上弁当 弁当 弁当#Z
ストラクチャリング (ABS-CDO)
ABS-Collateralized Debt Obligations
優先 有価証券#A メザニン 劣後 優先 有価証券#B 優先 メザニン 有価証券#I 劣後 プール メザニン 有価証券#J 有価証券#S 優先 劣後 メザニン 劣後 有価証券#Z
証券化商品評価
• プールに含む原債権のプロファイル
– 住宅ローン
– 社債,借入れ債権
– 統計分析
• ストラクチャリングした証券の価格・リスク特
性
– 計量分析
– シミュレーション
– シナリオ分析
CDS:証券化商品を対象とする保険
• クレジット・デリバティブ
– Credit Default Swap
• デリバティブ評価
– Black=Scholes モデル
– 金利の期間構造のモデル化
– デフォルト確率のモデル化
– デフォルト時の回収率のモデル化
まとめ
IT が金融ビジネスにもたらしたもの
• スピード
• トランザクションの増大
• ネットワーク化(グローバル化)
• 精緻化
• 商品
:新しい金融商品の誕生
• 手続き :新しい金融マネジメントの誕生
• 課題:セキュリティ
Quiz: ふさわしいものを1つ選択せよ
•
1. 金融ビジネスとITの関連を示すキーワードとして不適切なのは?
– 1. スピード 2. トランザクション 3. ネットワーク 4. セキュリティ 5. コストダウン 6. メルト ダウン•
2. 金融のリスクの種類として適切でないのは?
– 1. マーケット・リスク 2. パンデミック・リスク 3. クレジット・リスク 4. 流動性リスク 5. オ ペレーショナル・リスク•
3. クレジット・スコアリングのキーワードとして適切でないのは?
– 1. TOEICスコア 2. FICOスコア 3. 信用力の数値化 4. Fair Issac 5. Equifax 6. Experian 7. TransUnion
•
4. VaRとは何の略か?
– 1. Variance 2. Value-at-Return 3. Volt-Amperes Reactive 4. Value-at-Risk 5. Variable 6. Vector Autoregression
•
5. ITの新技術として不適切なものは?
– 1. ニューラル・ネットワーク 2. 遺伝的アルゴリズム 3. ファジー・ロジック 4. モンテカル ロ・シミュレーション 5. iPS 6. クラウド・コンピューティング