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Effects of chemotherapy on the brain in childhood: Diffusion tensor imaging of subtle white matter damage.

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 森岡茂己 論 文 題 目

Effects of chemotherapy on the brain in childhood: Diffusion tensor imaging of subtle white matter damage

論文内容の要旨 【緒言】急性白血病 (ALL) や非ホジキンリンパ腫 (NHL) の治療成功率は年々向上して おり、今まで以上に治療後生存者の生活の質 (QOL) に目を向ける必要性が高まっている。 治療後生存者の神経学的合併症はQOL に影響するため、治療関連の神経学的異常をモニタ リングすることは重要である。この研究では拡散テンソル画像 (DTI) とそれを基にした tractography を用いて、新規に診断された ALL と NHL の小児について評価した。研究目 的は、化学療法が白質に影響を与えているのか、もしそうならその影響を受けやすいのは どこか、を明らかにすることである。 【材料と方法】2004 年 1 月から 2010 年 12 月までに ALL または NHL と新規に診断さ れた小児に対し、治療開始時と維持療法開始時にDTI を施行した。そのうち、中枢神経浸 潤を認めた者、検査期間中に放射線治療や骨髄移植を受けた者、検査期間中に明らかな神 経合併症を認めた者を対象から除外した。発症時に1.5 歳未満の者、検査の間隔が 7 か月 以上の者も除外した。また、初回検査未施行者、体動によるアーチファクトで 2 つ以上の 線維束を描出できなかった者も除外した。対象は17 例で、ALL が 15 例、NHL が 2 例、 男児9 例、女児 8 例、診断時の平均年齢は 5.3 歳(1.6-13 歳)であった。DTI 撮像には Philips Medical Systems の 1.5 テスラ装置、画像解析には同社の PRIDE を使用した。

<Region of interest (ROI) 解析> 左右の前方の脳室周囲白質、左右の後方の脳室周囲白 質、左右の放線冠、左右の内包後脚、脳梁膝部、脳梁膨大部に ROI を設定し、得られた ROI の FA 値、ADC 値を計測した。

<tractography 解析> 内包後脚を通過する線維束、運動路、感覚路、脳梁全体を通過す る線維束、さらに脳梁を4 区画に分けて膝部、体部、峡部、膨大部を通過する線維束を描 出、各線維束のFA 値、ADC 値を計測した。線維束の描出の停止基準は FA 値 0.15 とした。

ROI 解析、tractography 解析で得られた FA 値、ADC 値を、ウィルコクソン符号付順位 和検定を用いて治療前後でそれぞれ比較検討した。解析にはExcel add-in software を用い、 両側検定でp 値 0.05 未満を有意とした。多重比較検定は行わなかった。

解析結果を基に、各 ROI、線維束を 5 つのグループに分類した。FA 値の有意な減少と ADC 値の有意な上昇を認めた ROI や線維束をグループ A とした。FA 値の減少は有意であ ったがADC 値に有意な変化を認めなかった ROI や線維束をグループ B とした。ADC 値が

有意に上昇していたが、FA 値に有意な変化を認めなかった ROI や線維束をグループ C と した。FA 値、ADC 値いずれも有意な変化を認めなかった ROI や線維束をグループ D とし た。FA 値の有意な上昇と ADC 値の有意な低下のいずれか、もしくは両方を認めた ROI や 線維束をグループE とした。 【結果】<ROI 解析> FA 値の有意な低下は左右の前方の脳室周囲白質 (左側, p=0.005; 右側, p=0.019)、左右の放線冠 (左側, p=0.002; 右側, p=0.035)、脳梁膝部 (p=0.001)で認 めた。左右の前方の脳室周囲白質 (左側, p=0.011; 右側, p=0.019)、左右の放線冠 (左側, p=0.017; 右側, p=0.003)で ADC 値の有意な上昇を認めた。 左右の前方の脳室周囲白質と左右の放線冠はグループA に、脳梁膝部はグループ B に分 類された。左右の後方の脳室周囲白質と内包後脚、脳梁膨大部はグループD に分類された。 グループC やグループ E に分類された ROI はなかった。 <tractography 解析> 脳梁全体 (p=0.005)、膝部 (p=0.034)、体部 (p=0.017)、峡部 (p=0.047)を通過する線維束で FA 値の有意な低下を認めた。脳梁全体 (p=0.005)、膝部 (p=0.024)を通過する線維束で ADC 値の有意な上昇を認めた。 脳梁全体、膝部を通過する線維束はグループA に、脳梁体部、峡部を通過する線維束は グループB に分類された。脳梁膨大部を通過する線維束、左右の内包後脚を通過する線維 束、左右の運動路、左右の感覚路はグループD に分類された。グループ C やグループ E に 分類された線維束はなかった。 【考察】治療前後を直接比較することにより、化学療法が脳の白質に影響を及ぼしてい ることが明らかとなった。グループB に分類される ROI や線維束はあったが、グループ C に分類されるROI や線維束はなく、FA 値のほうが ADC 値よりも鋭敏な変化の指標である ことが示唆された。グループA を明らかな変化群、グループ B を軽度変化群、グループ D を変化の乏しい群と考えることができ、これにより化学療法に対する脆弱性の部位ごとの 違いについて評価できた。 ROI 解析および tractography 解析での 4 つに分画した脳梁線維束の比較から、領域が前 方であるほど化学療法に対する脆弱性が顕著であると考えられた。また、内包後脚を通過 する線維束、脳梁全体を通過する線維束の結果から、投射線維よりも交連線維のほうが化 学療法の影響を受けやすいということが示唆された。ROI 解析では脳梁膝部はグループ B に分類されたが、tractography 解析では脳梁膝部の線維束はグループ A に分類されており、 中心部に比べて脳表部分が化学療法により脆弱であることが示唆された。以上より、髄鞘 化が遅い領域ほど化学療法に対する影響を受けやすいという傾向がみられた。 血液悪性腫瘍に対する化学療法で障害を受けやすいのは前頭葉の白質であり、化学療法 に対する脆弱性は髄鞘化の程度と相関しているであろうことが本研究で示された。この結 果は化学療法が血液悪性腫瘍の患児の神経発達に負の影響を及ぼしていることを示唆して おり、長期的な神経学的合併症の予防を考える上で非常に有用な情報である。

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