• 検索結果がありません。

地域労働市場と兼業農家の労働と生活(下)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地域労働市場と兼業農家の労働と生活(下)"

Copied!
22
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

地域労働市場 と兼業農家の労働 と生活 (

下)

The Features of "Local Labour Market" and the Life

and Labour of the Farmers With a Side Job (II)

2

票 家 家 族 の 変 動 と労 働 ・生 活 第

1

農 家 家 族 の 周 期 的 変 動 と解 体

は じめ に

課題 の設定 で述べた ように、本稿は、兼業 農家 問題の社会学的究明を とお して地域社会 構造 の特 質 とその変動 の一端 を明 らかにす ることに課題が おかれ てい る。 このため、 まず、 日本資本主義 の 発展階梯に規定 され、地域的に変容 されつつ展開 した上 田地域労 働市場 の特質について考察をすす めて きた(.1) ところで、現段階の農家家族 の変化 については 家父長的な性格 の残存を主張す る見解 とその 「い え」 と して の解体を強調す る見解 が併存 してい る 状況にある(02)こ うした変化を見定 め る場合、家 を いかに規定す るのかが、 まず もって問われ よう(.3) また、実証的には、兼業過程 と家族変動の関連を 問 うことが研究 の戦略点にな るが、現状 の研究 を 一 瞥す るとき地 域別 ・農業形態別に農家家族の変 動 を研究す る必要があ るだろ う、 と思われ る(.4) こ うした ことをふ まえ、 この章 では、 さらに農 家家族 の変貌 と現在 の性格を農家 の兼業化過程 と 兼 業 農家の労働 ・生活 の分析 のなかに探 ろ う。 そ の際、第1に、家族社会学 において彫疎 されてい る家族周期論的視点を援用 しなが ら、形態的な家 族の歴 史的変化を追究 し、 この側面か ら直系制か らの逸脱過程 とその要因を分析す る。第2に、地 域労働市場 の展開 と関連 させなが ら、 こ うした家 の歴史的変遷 の うえに綴 りな され る各 農家の兼 業 化 の史的変遷を考察す る。第3に、複合的性格を もつ兼業 農家の労働 (農業労働 と農外労働) と生 活 をめ ぐる家族協業 のあ り方 を考察す る。

Mitsuru Takahashi

それ は、 農家家族の変化を解 明す ることに よっ て、 戦後 日本資本主義の発展階梯に即 した地域社 会 の変動 と当面す る矛盾 の総体 お よび再編 の主体 をそ の最 奥部か ら把捉す ることを意図す るもので あ る。 1

. N

集落の概況 調査対 象N集落は、塩 田地 区の旧東塩 田村の独 鈷山 の北側斜面に展開 してい る。歴史的に兼業 の 展開 を考察す る際には、電車丸子 一上 田線 の存在 を看過 しえないが、 これ も昭和45年 に廃線 とな り、 変 って 自動車が人々の足 と して急速 に普及 してい く。 こ うして、通勤関係や生活関係を とお して上 田市 街地 や丸子町 と深 く結びつ き、その地 域労働 市場 や産業構造 に強 く規定 されつつ生活を送 って きた。兼 業化については後 に詳 しくみ るが、 この 間、 農業 人 口の高齢化 と世 帯規模 の縮小化 の著 し い こ とを もういち ど指摘 してお こ う(≡)世 帯規模 で は、 40年 の4.56人が60年 には3.85人に0

.

71人 の減 少をみてい る。 このN集落 の農業 は、基本的 には、塩 田地 区の 農業 の特徴を右 してい るのであ るが、戦後 、桑 と 養蚕 を中心 と した生産か ら、昭和30年前後 か ら桑 園の潰廃 と薬用人参 ・花井 ・果樹- の転用 に よ り 主要作物 が移動 してい る。現在、薬用人参 の栽培 農家 は52戸 中17戸、菊 を中心 とす る花井 は10戸、 リン ゴ ・ブ ドウの果樹 は19戸 とな ってい る。 と く に農家の高齢化 と薬用人参 の地 力略奪的 な栽培特 性か ら、階層 を問わず土地 の貸借 が比較的 多 く、 その先 も丸子や東部町に まで及 んでい る、 とい う こと も農業上 の特徴 と して指摘 してお こ う(.6)

麦Ⅰ-

1にみ るように、地 区の農業枚械 化は、

(2)

表1

-

1 農業機械化の進展 40 42 44 46 48 50 この栽培作 目に も規定 されて緩慢 な ものがあ り、 耕転機 がい まだ主力で、 トラクターや 田植機 は2 割に とどまってい る。 従 って、一般 には、兼業化 は機械化に よる省力化 と平行 して進展す るが、一 見 して農家内部 の要因 に もま して資 本に よる労働 力需要の力が規定的 な ものとして あ らわれ る。そ の兼業形態 も後 にみ る ように、傍系成 員はい うま で もな く世 帯主 ・後継 老 にまで及び、複数化 して い る。 ここで集落各 農家 の階層を さ しあた り次 の よう に区分 しよう。上層 は経営面積lha以上、 0.5-1haを 中層、 0.5haまでを下層、 これ とは区分 の 基準 は異な るが逸脱層 と賃労働者層 の5層 である。 この うち分析の対 象 とな るのは賃働老層3戸 を除 く4階層であ る。 2. 家族周期 の変動 過程

1

)

周期段階の設 定 ここでは農家 の家族 形態の周期的移行 の過程を 分析す ることに よって、従来、 農家家族 の性格の ひ とつを特徴づけて きた直系家族 の世代的再生産 とそ こか らの逸脱過 程 を追究す る。 周知 の よ うに、家 族 周期的研究は、 イギ リスの 52 54 56 58 60年 l ラウソ トリーの貧困研究、チ ャヤノフの小農家族 研究 をは し りとして家族の経済状態 とのかかわ り で論 じられ て きたが、我が国では変 容 しつつあ る 直系家族 を対 象 とした森 岡、柿崎 らの周到な段階 設定 の試み と一定 の実証的な蓄積 が ある(.7)ここで は、森 岡、柿崎 らの直系家族周期 研究 をふ まえた 松村 の周 期的枠組 を以下 の点に留意 しつつ援用 し、 さらに分析をすすめたい。 ① 幼児、就学子や傍系成 員を 含めて周期設階 を設定す る。そ の際、他 出中の世帯 員は この分類 には加えない。 (診 直系家族 の世代的再生産 を考 察す る場 合、 後継者の存否 と動向が要をなす。従 って, これにつ いては後 に他 出者を 含めて分析す る。 ③ 兼業化の分析 とのかかわ りで、労働力成 員 の所在 を明 らかにす る。 このた め、15歳以上 の労 働力人 口の うち、65歳以下 の世 帯 員のい る場合、 第1世代 をA、第2世代をB、 第3世代 をCでそ れぞれ表示す る。 これはあ とで分析す る。 以上 の ことか ら家族周期段階を図1

-

1の よ う に設定す る。 2) 周期の移行 と逸脱 まず、 40年か ら60年 までにあ らわれ るこの20

(3)

甘-1

家族周期段階 の設定

O-○

o

o

z

e .

o

o

R=

○‡○

○-○

_

-

-

-

.

① o

L

?

0 0

-

。 注)lⅦおよびlⅦの周期は数が少ない.簡略にする ため、分析では Ilに表示を一括する。 年 の周期移行 の ケー スひ とつひ とつを集計 し整理 す ると図

Ⅶ-2

の ようになる. この図の実線は, この間の変動 の主要な経路を示 してい る。 図1-2 周期段階の移行経路

2

二二

_

O

)1

0

_

l

19

@

注)実線は主回路、境線は副次的回路を示す。 なお、数字は移行事例数を示している。 これ に よると、 この間の対 象地 の家族変動 の主 要 な経路は

-

Ⅲ段階お よび Ⅰ- Ⅳ段階の 2つ のルー トを経 由 して直系家族の形態た る

V

段 階-の軌跡 を措 く世帯を多 く含みなが らも、それ以上 に

V

段 階か らその

V

′(欠損を含む) を経 て 甘段階 -。 さらに

1-

1段階- とい うルー トが主要 とな ってい ることを明 らかに して くれ る。 い うまで も な く、 この うちの

V-

1段階へ のルー トは多分に 直系家族- の回帰の可能性 を含む ものであ るが、

1-

Ⅰ段 階 のルー トにつ いては直系家族の世代的 再 生産 に とって危校的な様相を示す ものであ る、 といわ ざ るをえない。 どの農家家族に、 いか な る 危機 が進行 してい るのかを探究す る必要 があろ う。 このため各階層 の 5年 ごとの家族周期段階 の推 移 をみた のが

蒙廿-2

であ るO全体 として、60年 の時点で もっとも多い周期段階は Yで、 この数に つ いては余 り大 きな変動 はない. が

,

廿段 階の減 少 と Ⅰ段 階 の増加が顕著 な特徴 をなす こ とが明 ら か であろ う。す なわ ち、夫婦 と未婚 の子女 の段階 か ら、その子 どもが何 らか の事情 で他 出 し、夫婦 だけの世 帯が多数排 出 され てい る、形態 的 にみ る と直系家族か ら逸脱す る家族が漸次その数 を増 し て い るといえ よう。 表1-2 階層別 の周期段階移行 類型 40年 45年 50年 55年 60年 計

0

2 01 01 11 12 27

0 2 0 0 0 2

V

05 51 80 07 2i 293

2 0 0 0 0 2 中

50 07 06 16 25 293

0 1 1 1 1 4 層 V

100 16 80 06 06 361 Ⅵ 0 0 0 1 1 2 下

I

91 81 27 06 04 344

1 0

0

0 0 1 層

V

0 0

3 5 05 08 8 , 291 】 ⊥

1

0 0

0 0

1 1

i

0 4 6 ll l l 32 過

9 7 5 0 0 l 21

0 0 0 0 0 l O

0 0 0 0 0 0 脱 V 2 0

0

0 0 2 Ⅵ 0

0

0 0 0 0 _ eL Eコ

I

251 235 198 1133 ll14 91Ll1

1 3 1 1 1 7 計

V 20

0

162 21

0

210 183 965 注) 1Ⅶお よびlⅦの周期は数が少な い。 分 析 を簡略 化するため lIに一括 して表示 しているO 図

n12

も同じ0

(4)

これ を各 階層 ごとに簡単にみ ると、第 1に、上 層 では、 50- 60年 の間に †段階か らⅣ段階- 2 世帯 が

Ⅶ段階か ら

l

段 階-は 1世帯が移行 して い る。第 2に、 中層 では、 これ よ り早 く40- 45 年 に まず V段 階 の分解 が は じま り

甘段 階- は ①⑫⑳㊨ の 4世帯、 班・Ⅳ段階- はそれぞれ⑳⑳ の 2世帯、 その後、 55- 60年には 2極に分解 し つつ移行 してい る。第 3に、下層を と りあげてみ ると、 これ とはやや違 った動向を示 してお り、特 徴的 なことは

†段階が 40- 45年、 50- 55年 の 2期においてそれぞれ増大 してい る点である。 さらに I段階の消滅

l段 階の減少 とⅣ ・11段階 へ の移行をみ るとき、 この層 では直系制の循環に あ りなが ら周期的発展をみせい る、 といえ よう。 最後 に、逸脱層であ るが、一見 してわか るように、

V

段階か ら 甘段階-、 さらに l段階- の移行 がす でに 45- 50年 にかけては じまってい る。続 いて 55年 までに:全世 帯 が Ⅰ段階、す なわ ち夫婦のみ とい う段階-解体的に移行 してい る。 この分折か らもわか るよ うに、各 農家の周期段 階の動態 は、基本的には、 農家 の経済的階層 に規 定 された特徴を石 してい るとい って よかろ う。 こ の各階層の主要 な段階は、上 ・下層 が †段階、中 層 が 廿と Y段階であ ったのが、逸脱層 では直系制 か ら逸 脱す る方 向で移 行 を とげて い る。 中層 に ついては、上層 よ りもやや早 い 40- 45年 に Y段 階の分解がは じま り、やがて発展 と逸脱 のルー ト -分解 して複雑 な動 きを示す。対 して、下層 では、 基本的には、周期段階の配分でみ るか ぎ り発展的 な傾 向を示 してい るのであ る。 農家家族の周期の動態には、 この ように経営面 積が大 きな規定力 を示 してい るが、 とくに注 目 し たいのは、 中 ・下層 では この動態を よ り複雑化す る要因が作用 してい るもの と思われ ることであ る。 結論か らいえは兼業 化であ る。 この兼 業化 と周期 的移行 との関連 については後 にみ ることに して、 さ しあた り、主要 な経路のひ とつで あったY

-Ⅶ

I-

1段階のルー ト、形態的には直系家族か ら の逸脱 と して とらえ られ る過程 を詳察 しよう。 3.直系家族周期か らの逸脱 ・解体

1

)

解体過程 とその要因 直系家族周期か ら逸脱す る可能性 のあ る世帯が、 かな りの数排 出 されてい ることを明 らかに して き た。 しか し、 これ を もってただ ちに家の解体 を断 言す ることは早計 といわ ざるをえない。 こ うした 評価 のためには、他 出 した後継者 との関係や彼 ら の動 向につ いての検討が不可欠 となろ う。その分 析に先立 って、 この20年間に挙家離村 ない し廃絶 家 とな った家 の事例 を解体過程 として考察 してお こ う。以下、間接的な聴 き取 りに よる事例をまず 提示 しよう。 事 例1 ⑳経営面石田17a畑83a。昭和 40年の家族構成はー世帯主 (59歳)ー世帯主の妻 (54歳)ー長 女 (24歳)ー 2女 (21歳)t 3男 (16歳)ー 4男 (13歳)である(T一家族形態を示す。以下同tL) この時ーすでに長男 (23歳)は高校卒業とともに東京に就職他出してお り- 2男も40年に横浜の 市役所に就職他出した。長女 ・2女はそれぞれ高校卒業 とともにオルガン針に33年および 37年から 就業していたがt結婚他出。 3男も高校卒業後に群馬の電気製造会社にー残った4男も東京の消防署 に就職他出した (Ⅰ)。その後_夫婦の死亡により廃家。土地は長男の名儀となってー部落内の家に 貸付 ・管理をまかせている。 事例2 ⑳経営面横田15a畑23a。昭和 40年の家族構成はー世帯主女 (47歳)ー長男 (21歳)の 2人で あった(Ⅱ)0 長男は高校卒業とともに上E口の信用金庫に勤務。結婚 とともに市内に住居を構える (Ⅰ). 当初は 別居 していたが.昭和 44年から息子夫婦のもとに同居するようになるo耕地 ・宅地は長男の管理。

(5)

事例3 ⑳ 経営面榎田 8a畑85a。昭和 40年の家族構成はー世帯主女 (60歳)ー長男 (28歳)の 2人で あった (Ⅱ)0 長男は高校卒業後の昭和 29年から銀行に勤務。その後ー転勤によって県内の松太に他出しーそこで 居を構える(Ⅰ)。母は昭和 48年に死亡ー廃家となる。 事例4 ⑬ 経営面箭10a畑81ao昭和 40年の学族構成はー世帯主 (65歳)のみであった

(Ⅰ

)。 妻は昭和 13年に死亡。 1人で桑 ・養蚕とトマ トの栽培をしていたがー 45年に東京-他出していた 長男の家-同居するために離村する。 事例5 ⑳ 経営面積ナシo家族構成はー世帯主 (82歳)のみ (I)0 40年まで 1人で生活 していたがーこの年の秋に上田市の長男の家に同居ー廃家。耕地 ・宅地は長男 の管理。 この他、⑳が廿

-1

・1/、⑳が 1- I/を経て廃 絶家 とな ってい る。 この事例 と表

-3

をあわせ て考察す ると解体過程 の要因 と して、次の よ うな 点が指摘で きよう。第1に、子 どもの数にみ るよ うに、そ もそ も子 どもの数が少 な く、その意味で 再生産 をはか るには家族的基盤が脆弱であ るとい え よう。 が、第 2に、その主要な要因は、 この事例か ら も推察 され るように、そ もそ も後継者 の他 出を促 す こととな った資本の展開に求め ることがで きる. 事例か らも明 らかな ように、⑳ の世帯を除いて、 この40年 の時点においてす でに家 の解体に向って か な りの分解を遂げていた。具体的には、世 帯⑮ と⑳ は老人単独世帯 とな ってい る し、⑳㊨⑳ の 3 世帯は長男が就職他出 し、後継者 に欠けていた。 かつ、家族構成か らもiっか るように、傍系世帯 員 のほ とん どが結婚お よび就職 を契機 に して他 出 し てい ったわけであ る.従 って、他 の世帯が後継者 を家 に残留 させ、 これ を要に しつつ高度成長期以 降 の時期に周期の転回を とげてい ったのに対 し、 この層 の場合には労働力流 出 とともに後継者 を他 出 させ、そ うした条件 を失 ってい った、 といえ よ う。 第 3に、 しか し、老親 の死亡を除 くと挙家離村 ・廃絶家 とな る直接的な葵株 は、他 出 した長 男に よる老親 の扶養にあ る。すなわ ち、就職他 出 し、 他 出先 で定着 したあ とと りが老親 をあ る時点でひ きとる結果 と して廃絶家 とな る。⑳⑳⑮⑳ が この 例 で ある。 こ うして高齢者問題をかか えつつ、次の段階 と して40年代には集落全世帯 の約 1割にあた る 6戸 の世 帯が消失す ることにな る。 表

Ⅰ-3

経路別 の後継者の状 況 年 齢 (才) 子どもの 数 後継者 の学歴 世帯主 後継者 中卒 高卒 大卒 再生産 54_9 23.9 3.0 7 19 9 解体層 61.9 26.6 1.3 0 `5 0

2

)

逸脱過程 と要因 従 来、 農家家族の直系家族の世代的再生産か ら 逸脱 化す る要 因 と して、子 ど もの数 の減 少 と女 子 のみであ ること、 あ とつ ぎ予定老 の高学 歴化、 就職 離家 の 3点が指摘 され て きた㌘)さらに、解体 層に端的にあ らわれてい るよ うに経済的 階層、 農 家 の場合には経営面積が大 きな意味を もつ。 では、 これ らの要因 と階層的 な相違に留意 しなが ら事例 的に考察 をすすめ よう。

(6)

上層 :事例1 ⑧ 経営両石EEl25a畑 130ao昭和40年の家族構成はー世帯主 (43歳)ー世帯主の妻 (44歳)、母 (75歳)t長男 (14歳)t長女 (12歳)_ 2男 (10歳)ーであ る (V)。 この間ー 母が昭和 43 年 に他界(tI)ー長男は43年に高校卒業 とともに東京の建設会社に就職、 2男 も昭和47年に高校卒業 とともに東京-就職離家す る。家のあ とを継 ぐために長女が養子を迎え孫1女 もあるがー現在 山梨県 の病院に勤務 してお り一家の継承は困難であ る。現在ではー 「土地を貸 して経営を縮小化 しなが らで きるところまでや ってい こう」 と考えてい る。 中層 :事例2 ⑨ 経営面綴田 7a畑3la。昭和40年の家族構成はー世帯主 (56歳)_世帯主の妻 (46歳)ー養 女 (26歳)ーその長女 (3歳)である (その他)。夫婦は子 どもがないため養女を迎えるがー結婚1 女出産後に離解。 幼女は48年 に病死。長女は電気製造会社に勤務 し53年に養子を迎えるが (Ⅳ)I 世帯主夫婦 との折 り合いが悪 くー昭和58年に他出す る。一度他 出は したが、現在 も上 田市内に居住 し てお りー行 き来 もあるのでー 「いつかは帰 って一緒に住んで くれ る」 と思 っている。 中層 :事例3 ⑳ 経営面横田65a畑56a.昭和40年の家族構成は、世帯主 (68歳)_世帯主の妻 (67歳)ー長 女 (37歳),長女 の夫 (42歳)ーその孫長女 (13歳)_孫長男 (11歳)の6人である (V)。 世帯 主が46年にtその妻が49年にあいついで他界(Ⅱ)、長女は47年20歳の ときに結婚のため長野市-他出。長男 も高校卒業後に証券会社に就職ーその赴任地である県内の松太に49年に他出す る (Ⅰ)。 夫婦はー 「元気な うちはいいがt将来的には息子に戻ってきては しい」 と願 っている。 またー 良男 も その意向を もっているー とい う。 逸 脱層 に つ い て は 11ケースあ るた め、 この うちか ら4ケー スを と りあげ て み よ う。 逸脱層 :事例4 ⑳ 経営面横田 41a畑32ao昭和40年の家族構成はー世帯主 (44歳)ー世帯主の妻 (45歳)ー長 女 (19歳)ー 2女 (16歳)ー長男 (13歳)である (Ⅱ)。長女 は中学卒業後の昭和35年か ら丸子警報 器でクラクショソの製造に従事 し_ 45年に結婚他出。 2女は高校商業科を卒業後41年に就職ー49年 に結婚他出。 この時点では長男が家を継 ぐ予定であ ったがー高校卒業 とともに45年から建設会社に勤 務ーその後53年に他出 している。 逸脱層 :事例5 ⑳ 経営面横田 56a畑37a。昭和40年の家族構成はー世帯主 (60歳

)

ー世帯主の妻 (59歳), 3 女 (24歳)である(刀)。 この時点ですでに長女ー 2女はそれ ぞれ36年 と38年に結婚他出 している。 長男がい るがー これは東京の大学を卒業後ー父親が戦前に公務員 として勤務 し一 日分 もそこで生れ育 った札幌で新聞記者 として就職他出 している。 3女 も高校卒業後に6年間公務員として上 田に通勤 し ていたがt48年に結婚他出してい る

.

「戦後引きあげてきたので土地 も少ない し、畏業にも未練はな い。む しろ一子 どもたちには都会に出るように言ってきた」 とい う。 逸脱層 :事例6 ⑮ 経営両群田15a畑56a。昭和40年の家族構成は_世帯主 (47歳)、世帯主の妻 (53歳)_お い (17歳)の3人である(その他)O夫婦はこのおいをゆ くゆ くは養子 に して家を継がせたい と考えてい

(7)

たがー籍は入れていなかった。太人はこれを嫌って高校卒業後に飛び出す ように就職他出してしまっ た。いまは しょうがないとあきらめている。 逸脱層 :事例7 ⑳ 経営面横田 17a畑135a。昭和 40年の家族構成はt世帯主 (48歳)_世帯主の妻 (47歳)ー長 女 (17歳)_ 2女 (14歳)ー 3女 (11歳)の5人である川 )0 2女は丸子の高校を卒業後に東京へ 就職他出ーその他出先で49年に結婚.3女は高卒後に上H市内の電気会社に勤務 した後に結婚他出し ている。長女は高校卒業後に電気会社の事務をしていたがー当初は養子を迎えて家を継 ぐ予定であっ たがーこれが無理なためにー 49年にやむな く他出を認めている0 では、事 例 にみ られ る逸脱 の要 因を まとめてみ よ う。 第 1に、 あ とつ ぎ予定名 の状況 をみ ると、 ⑧ ⑨⑰ ⑳⑮⑳⑳⑳ の よ うに、実子 がいなか った り、 女子 だげ とい う直系家 族の後継者 の状況 が あげ ら れ る。 と くに⑧⑨⑳ ⑮ の よ うに、 男子 や子 どもが いないた めに、宿養子や養女 を迎 え ることに よっ て 農家 と家 の継承 をはか る努力 を していた ことに 十 分注 意 して よいだ ろ う。それだけに、 この層 に とっては特 殊 な家族的条件 に よって世代的再生産 が困難 にな ってい る とみ ることがで き よ う。 第2に、長 男のい るケー ス も⑳ ⑲⑳⑳⑳⑳ と 6 世 帯 あ るが、そ のすべ てのケー スが就職 雛家 して 表

1-4

あ とと り (予定者 )の他 出状況 い る。 この うち⑳⑳ は周 期 を回復 させ る見通 しを もってい るが、 その場 合、 退職Uター ンであ って も農家 の継 承 とい うよ りは家 の継 承 で しか ない。 第3に、 あ とと りの他 出を穎定 した 塵外就 労 と 家族周期 との密接 な関連 を窺 うこ とがで きるが、 その場合、 労働市場 に包摂 され る際 の時 期 が問題 とな ろ う。全体的 に もそ うであ るが、40年 前半期 までにほす でに他 出をみてい る。従 って 、地域労 働市場 の本格的 な展開 の前夜にあた るた めに、学 歴上 か らは再生産層 とこの逸脱層 との相違 はみ ら れ な い。 こ う して逸脱過程 (Ⅰ

-

Ⅰ段 階) をた ど った14 階 層 農 家番 号 続 柄 年 齢 他 出時 期 〕他理 由出 他 出 先 勤 務 -先 老 人夫婦の 年 齢 評 価 上 磨

長女 の養 子 35才 チ 就 職 山 `梨 病院勤務 64才 65才 × 中

@

長女 の養 子 28 58 - 上 田市 内 建設会社 67 68 (⊃ 層

長 男 33 49 就 職 松 本 市 証券会社 63 59 (⊃ 過 _脱層

長 女 32 56 結 婚 - 幼 稚 園 68 6471 ×

長 男 50 - 就 職 - - 86 (×⊃

長 男 33 44 就 職 上 建設会社 70

長 男 34 53 就 職 丸 子 町 - 65 6667

長 男 55 - 就 職 北 海 道 新 聞 社 7582 ×

長 男 37 41 就 職 東 京 建設会社 〉く

養 女 42 44 結 婚 - 教 師 70 ×

お い 38 41 就 職 -.- - 69 75 ×

長 女 38 49 結 婚 上 田 市 - 69 69 ×

長 女 57 22 結 婚 上 主 婦 85 81 ×

長 女 44 38 結 婚 丸 子 町 水 導 局 73 64 ×

(8)

ケースの うち、直系制の循環に復帰す る可能性が あ るのはせいぜ い中層 の⑨ と⑳、逸脱層 の⑳ だけ であ る。他の家は、 当初か らこ うした事態を予想 してあ と継 ぎを就職 ・婚姻他 出 させ た り、不本意 なが ら逸脱を深化 させた り、その理由の如何 を問 わず、高齢老夫婦世帯 と して、 あ るいは高齢者単 独世帯 と して生活を送 ってい る。従 って、我 々は そ こに将来的な家 の危機 とともに現在 の農家経営 の危機を 含んだ農村地 域におけ る深刻な老人問題 の顕在化を察知 しうるのであ る。早晩、先 の挙家 離村 ・廃絶家 となった解体層 の場合 と同様に家の 存続 とかかわ りつつ老親扶養が問題 とな って こよ うが、 ここでは、 この逸脱層の労働生活 の姿を簡 単にあ とづけ ることに よって農家経営 の展望を把 握す ることに とどめ よう。 3)逸脱層 の農家経営危機 す でに この層 では高齢老夫婦世帯あ るいは老人 単独世帯 となってお り、従 って、土地 を貸付け、 その生活の糧 をほ とん ど年金に求め るものが⑲⑳ 表

1

-5

逸脱層の農業就業構造 ⑳⑳ と4世帯を数 え る。 しか し、史的にみれば、 その世帯のほ とん どが員外に労働力を排 出す るこ とに よ り兼業化 の一時期を経てお り、 また、依然 として農業労 働に従事 してい るもの も少な くない。 40年以降、専業であ りつづけた世帯 は経営面積 の 大 きか った⑧⑰ とす でに高齢であ った⑳⑮⑳ の 5 世帯であ る。逆 にいえは、他 の 9世帯は兼業化 の 形態を くぐり抜けて きた といえ よう。 この逸脱層 の、 まず 員外労働の内容を考察 しよ う。 この層が就労 した職種 は建設業、製造業そ して 教師 ・公務 員 ・農協職 員の 3つに区分で きるのが 特徴であろ う。建設業には⑨⑳⑳ の世帯主が従事 し、製造業には⑨⑳⑳⑳ (傍系世帯 員) ㊨ (世帯 主) 、教師には⑰⑳ (傍系世帯 員) と⑮ (世帯主)、 お よび 農協⑳ (世帯主 の父) 、公務 員⑳ (世帯主) に限 られ る。 史的 な推移か らみ ると、不 安定兼業 部分である建設業 ,安定兼業部分た る公務 員 ・教 師 ・農協職 員には世帯主 を中心に比較的早 くか ら 従事 し、 さらに近年にいた って傍系世帯 員を中心 主

柱.

J 圭 一副

副 主 副 主匝 主 匝 主 副 主 匝 主

主 副 [コ ◎ 香 託 香 託 [コ [コ 口 l [コ ◎ ⊂] [

⊂] ◎

[

託 香 託◎ 香 託託 □ [コ [コ ◎ 香

[

□ ◎

⊂]

.

;

@ [コ 香 ■ [コ [コ □ 香

□ l

ゐ 管 & 託

香 託

託 香 託 香

】◎ ⊂

] ◎ 香

[

託 香 ;託◎ □ :◎ ⊂] ◎ [コ ◎ [コ ◎ 香 託◎

□ ◎

[

託 [コ ◎ 農 家 番 号

□ □ □ ◎ ロ ロ ◎ ロ ロ ロ ロ

◎◎

注)D世帯主、◎世

帯主の妻、 はナシを示してい る

(9)

に労働市場 の動向を反映 しなが ら製造業 では電気 楼器製造 に比重 が移動 してい る。 こ うして45年 ま でに専業 に復帰 していた⑳⑳ を除 き、 50年以降 の 退職を迎 え る最近 にいた るまで農外労働に従事 し て きたのであ Z,(.9) 従 って、専業- の復帰は傍系世帯 員の他 出 とと もに世帯主 の退職 の結果 であ って、その意味 で農 家 の経営的発展に もとづ く選択 に よるものではな い。 これ か らも察知 され るように, この労 働力は、 加齢に ともな う社会的摩滅に よ り質的に も劣弱で あ るといわ ざるをえまい。 この農家 の農業労 働を表

Ⅱ-5

に よ りみ ると、 まず気づ くのは田、畑の全面 ・部分貸付けや、 あ るいは もともと田を所有 していなか った り生産基 盤 自体が脆弱 であ るとい う点、加えて、稲作仕事 のほ とん ど、あ るいは田起 し、代掻、田植、稲刈 りな どの主要な機械作業 を委託 してい る世 帯が半 数 を占めてい ることである. こj扇 ご対 して、基肥 ・追肥や 水管理な ど収量を左右す る重要 な作業で あ るが、主 に経 験的知識 を要す る作業につ いては 依然 自ら担 ってい ることがわか る。畑作 も自分 と い うのが多いが、稲作 に して もこの畑作に して も 販売状況 をみ ると商品 と して出荷す るものはほ と ん どな く、 自家用 の生産に主眼がおかれてい る

Q

.

0

)

彼 らの意識 を探 ってみ ると、当面 は経営規模は 現 状のまま (78 5

9

であるが、す でに貸付 ・委 託 に よ り縮小をはか ってお り、 農地 の意味 は 「所 得源」 (10.5

%)

と して よ りも、 「家産」 (26・3 表

廿-

6 階層別 の兼業形態推移

%)

、 「飯米 の確保」 (26・3% ) やあ るいは 「老 後 の保障」 (15.8

9

の意味が強い。 この層 の労 働力は資本の視点か らは もはや基本 的に無用な もの として とらえ られ ることはい うま で もない。が、 農業労働の視点か らみれば、 この 層 の労働力 も、 と くに経験的知識 を要す る管理的 労働 の側面か らは重要 さを失 っていない ともいえ る。 だが、それ は世代 間協業 を 含んだ家 族協業 の なか に位 置づけ られて初 めて意味を もつ。主要な 作業 が委託 され てい るとい うことだけでな く、 こ の労 働力編成 の点か らも農家経営 の解体傾 向を指 摘 で きるのであ る。後継者 の存否 とともに深刻 な 農家経営 の危機 を招来 してい るといえ よ う。

2

節 農 家 の兼 業 化 過 程 と

労働 ・生活

1. 農家の兼業化 と農外就労実態

1

)

兼業化 と就労構造 解 体層については家族周期の推移か らみた よう に、直系制か ら逸脱す る世帯をかな りの比率で排 出 し、やがて家 の解体 にいた る危機 を季む ことを 明 らかに した。 これに対 して上 ・中 ・下層 では農 業経営に規定 されなが らも、 農外就労 とのかかわ りで多様 な形態 の移行 がみ られ る、 これ も示唆 し ておいた とお りであ る。次に、 この家族周 期、階 盟 45 50 55 60 盟 45 50 55 60 盟 45 50 55 60 % 45 50 55 60 % 45 50 55 午 午 午 午 年 午 午 午 午 午 年 午 年 午 午 午 午 午 年 午 午 午 午 午 3 4 7 7 4 2 1 2 0 1 1 0 1 0 0 6 8 7 7 9 12 13 17 14 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 0 1 2 0 5 1 1 2 2 4 2 1 3 7 10ll 9 9 4 8 6 6 5 0 0 2 2 1 13 22 21 18 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0

0 0 0 0 0 1 0 0 0 2 0 0 1 1 2 2 0 1 1 1 0 1 1 1 3 3 1 0 0 8 5 2 3 0 0 0 0 0 1 2 1 3 3 3 2 4 3 2 0 0 0 0 0 4 4 5 6 0 0 0 0 0 2 0 1 2 1 0 1 0 1 3 0 0

00

0 2 1 1 3

(10)

層的視点か ら農家の兼業化過程 を考察 しよう。 まず 、階層 ごとの兼業化の特質を把握 しよ う。 表

l-

6は階層 ごとの兼業形態を示 してい る。 こ れ に よると第1に、上層 では専業 ない し 「世帯主 あ るいは後継老 1人兼業」が主体であ る。 また、 45- 50年 にかけて専業 農家が増大 してい ること が特筆 され よう。第2に、 これが中層 にな ると専 業 はほ とん ど例外的 とな り

(

⑨ は周期廿

-

→Ⅰ段階 - の移行 とともに専業化) 、 「世 帯主 あ るいは後 継者1人兼業」 が もっとも多 く、 2人、 3人兼業 も50- 55年 にかけて増大 してい る。 第 3に、 こ れ に対 して、周期的には発展をみせた下層の場合 には、 まった く専業がな くな り、兼業形態 も40-45年 の 「世帯主 あ るいは後継者1人兼業」 、45-50年の 「世帯主 +後継者2人兼業」、そ して

55-蓑1-

7 周期の推移 と家族労働力 階層 番号 40 45 50 55 60 上 層

TB -VB -VB -VB -→ⅣB

lA畢 -芯AB-VAB-VB -VB

VA畢 -打AB-VB -VB -YB

ltAB-TAB-VB -YB -VBC

1.lBC-→TAB-78 -→VB 一一TBC

甘A塁 -ⅢAB-VAB_-VAB-lA

γAB-TAB-→VB -→VB 一一VB

VAB一一VAB-VAB-一皿AB一皿AB

YB -VB -甘A -1A 一一ⅠAB

TAB-VB -VB -YB -VB

VB -ⅠA 一皿AB-YAB-ⅣAB

lA旦 -芯AB-VB -YB -VB

lA 一一ⅦAB一一VAB-VB -→VB

ⅣB -YB --VB -→1A -1AB

TAB-芯AB-芯AB-IlB 一一lB

芯AB-1AB-ⅠA -YB -TB

ⅠA -1A -1A 一一lAB-芯AB

lA -ⅠA 一皿AB-VAB-VAB

TAB-VAB-TAB-VB 一一YB

芯AB-γAB-TAB-VB -ⅣB 注)ABCは世代, -は員外就労 を示す。 60年の 「3人兼業」- と深化 して きてい ることが 明 らか となろ う。つ ま り、 農業の経営階層に規定 されて上層か ら下層にな るに したが って、 さらに、 時間的な推移 とともに しだいに労働力の流 出度を 増 し、その胎 内に賃労働者 を増大 させ、性格を変 容 させて きた ことが推察 され よ う。 ところで、 この兼業化 を規定す る内部的要因を 家族周期の移行に求め ることがで き ようか。確か に、家族周期段階の移行を農家労働力の浮沈 と連 動す るもの と して設定す るな ら、高 度成長期以降 の 「総兼業化」 とい う事態を背景に、 農外就 労が 家族周期の推移 と密接に関連す るのはそ もそ も論 理的必然 であろ うQ.0逸脱層において

1-

1段階-の移行 と専業化 の過程 とが相即 した の もこ うした 関連に他 な らない。それ では,就学 子以下 の家族 員を加えた周期段 階 と兼業化は どの よ うな関連に あ るだろ うか。 この点を と くに上層 と下層 を と り あげ

丑- 7に よ り吟味 しようo これにみ るように、家族周期の移行 が即 日的に 兼業形態 を変 え るものではない。 この間に 廿

-班

Ⅳには2世帯が移 ってい るが、 これ に ともない 兼業化 した事例はない。例 えば、上 層 の世 帯⑳ を みていただ こ う。 め ま ぐるしい周期移行 をみてい るが、 農協に勤 め る長 男 (のちに世 帯主 とな る) の1人兼業に変化 はない。下層④⑬ について も、 45- 50年にVB- 1基、 芯AB- V旦 - の周 期 の 移行があ ったが兼業形態には依然変 りな く、④ は そ の後55- 60年 に同様 の周期なが らⅦ旦- T壁 に移行す ることに よって兼業形態では 「世 帯主1 人兼業」か ら 「世 帯主 ・後継者 +傍系2人兼業」 に変化をみせてい る。従 って、労†動力成 員の存否 が問題 となるのであ る。 従 って、階層的視点を基礎に据えつつ兼業化を 考察す るのが妥 当であろ う。 まず、 前述 の分析を 確認 してお くと、下層 の移行を特徴 づけ るのは周 期的な発展であ った。 この点を さらに仔細に検討 しよう。 この間に周期の発展をみた のは⑭ Ⅱ AB-1TAB、⑮ のIA_B- VB、⑳ の IA墨- V旦、 ⑳ の

B

- V塁、⑳ のⅡAB- VA星、⑳ の IA旦- VA墨、 ◎ のIA王き- V旦である。 この よ うに周期的発展 の 出発点た る Ⅶ段階 の場合、AB、 Bいずれ にせ よ 家族 労 働力 の うちBの後継者 が 県外就 労 してい るこ とを指摘 で き よ う。 つ ま り、 在 宅通 勤兼業

(11)

とい う形 態 を選 択す る こ とに よ り畏外 -家 族労 働 力 を流 出 させ なが らも、後継 者 を定着 させ 、家 族 周 期的 に は直 系制 の循 環 を守 り続 け て い るの であ る。 ⑫ ⑳ のUター ン世 帯 の存 在 も特 徴的 だ が、残 り④ ⑭ に して も札A一 皿ABの過程 で兼 業 を深 化 さ せ なが ら周 期的発 展 をはか る もの と思わ れ る。 こ う した周 期的発 展 と個 別 農家 の 農外就 労 との関連 を事 例 的 に あ とづ けてみ よ う。 下層 :事例1 ⑳ 経営面横田 9a畑35a.昭和40年の家族構成はー世帯主 (72歳)ー世帯主の妻 (62歳)ー長 男 (31歳)ー長男の妻 (31歳)である (打AB)0 長男は昭和38年か ら建設会社にでは じめ る。 2度勤務先を変えているがー現在 まで続いている。長 男の妻 も昭和29年か らオルガン針に勤務ー人員削減のあお りを うけて46年か らほ上B]市内の製作所 に現在まで勤務 している。 この間ー長男の長男ー長男の長女が生まれていたから(VB)〔あととり+ その妻2人兼業〕 となる。父母が死亡 して川 A)後、57年に長男が高校卒業後に山洋電気に勤務 し は じめ るようになる(IAB)〔世 +妻+あととり3人兼業〕O 下層 :事例2 ⑭ 経営面横田 7a畑167a。 昭和40年の家族構成はー世帯主 (40歳)ー世帯主の妻 (36歳)-長 男 (11歳)ー 2男 (8歳)ー長女 (5歳)ー父 (81歳)_母 (81歳)である(VB)0 父母はまもな くあいついで他界す る(IA)がー世帯主は昭和34年か ら58年まで上田倉庫に常勤 と して勤務 していた 〔世1人兼業〕。 この間ー長男は高校卒業 とともに電送概器会社に就職他出tかあ って家を継 く・こととなった2男が昭和 49年に高卒後農協に勤務するようになる(ⅡAB)〔世+あと2 人兼業〕。次いで長女 も高卒後の52年か ら-ム会社に勤務(芯AB)〔世+あと+傍系3人兼業〕 0 2 男は57年に結婚tl女 も生まれ る(ⅥAB)0 次 に、上 層 の周 期的変化 と兼 業 化 につ いて考察 しよ う。 ここで の特 徴 は†

-

1段 階 とい うルー トを経 て Ⅶ段 階 の増 大、専業 - の一 時 的 な復 帰 で あ る

。 Y

→ ≠段 階- の移 行 をみせ るの は、⑳ の†A旦-畦 ⑮ のYA

B

- 甘主星で あ る.⑳ は先 にみた よ うに兼 業 形 態 に変 化 しない。⑮ほ †A旦か ら母が死亡す る こ とに よ り1坦( 、さらに長女 が大学 を卒 業、教 師 と して就 職 す る ことに よ りl旦旦-の移行 とともに 「世 帯主 +傍系2人兼 業」 に変 化 して い る。 これ も家 族 労 働 力 の所在 が問題 で あ って、 周 期 の移行 と兼 業 化 は直接 関連す る もの では ない こ とが理解 され よ う。 それ で は逆 に専業化 とのかかわ りは ど うで あ ろ うか。 この間、専業 に移 行 した のは40- 45年 の ⑱ のⅦA

- ⅢAB、⑳ のYA

- ⅣAB、 45- 50

年 の⑥ のV旦B- VB、⑦ のVA旦- VBへ の移行 で あ る。⑳ ⑳ は周 期 の移行 をみ て い るが、 専 業 化 は それ とか かわ りな く、 傍系成 員の婚 姻他 出 に よる。 ⑥ ⑦ に も傍 系成 員の他 出があ った が、 加 え て⑥ で は世 帯主 が高 齢 のため 日雇 ・人夫仕事 をや めた た め、⑦ で は 農業従事 していた 父 の引 退 に と もない 長 男が営業 ・配達 の仕事 をや め 農業 に従 事 した こ とに よる。 しか し、近 年、再 度兼 業 化す る世 帯 が 増 大 しつ つ あ るこ とを念 のた めに指 摘 して お こ う。 上 層 につ いて も事 例 的 にみ てみ よ う。 上層 :事例3 ⑥ 経営面積田16a畑4la。昭和40年の家族構成はー世帯主 (60歳)ー世帯主の妻 (56歳)ー長 男 (26歳)ー長男の妻 (26歳)ー4女 (19歳)ー長男の長男 (2歳)である (ⅥAB)0 この当時_世帯主は31年か らは じめた建設会社の人夫 ・日雇仕事にー4女の38年か らの丸子警報 器の員外就労があった 〔世+傍系2人兼業〕。 しか し4女は43年に結婚他出(VAB)、世帯主の仕事 も49年ごろには出な くなって しまった 〔専業〕。その後ー長男の長男が高校卒業後に建設会社に勤務

(12)

をはじめる(VBC) 〔あととり1人兼業〕。 上層 :事例4 ⑳経営面横田34a畑187a。昭和40年の家族構成はt世帯主 (49歳)ー世帯主の妻(48歳)-長 女 (20歳)ー 2女 (26歳)t長男 (16歳)ー 2男 (13歳)ー母 (78歳)である(VBC)0 長女ー2女 ともに昭和37年からそれぞれ農協と病院に通勤兼業 〔傍系2人兼業〕。長女は43年に∼

2

女も

4

5

年には婚姻他出する 〔専業〕が∼この後の家族形態は母の死亡によって

川AB)

に移行する。 長男は高校卒業とともに農業に従事

ー4

5

年には妻を迎え

ー3

男をもうけている

(

VAB)

0 2

女の他出 後は専業の形をとったがー57年から長男の妻が経理事務所にパー ト勤務するようになった 〔あととり 委 1人兼業〕0 これ までの叙述か ら次 の ような ことが確認 で き よう。 まず、確認 され るべ きは、 農家の兼業化が 家族周期の移行に よりもた らされ るものではない、 とい うことであ る。それ は農家の経営階層 に基本 的に規定 されつつ進行す る。 が、それ は、何 ら関 連 しない とい うことを無論意味す るものではない。 兼業 農家が純粋な賃労働名に転化 して しまわ ない 限 り、彼 らの農業経営 の維持を前提 と し、家族周 期の移行 に ともない浮沈す る家族労働力を県外あ るいは農業- と配分 してい くのである。その際、 兼業 農家 の生活運営の基底 とな る農家経営のあ り 方は、 当然に も階層 ごとに異な る志 向に裏づけ ら れて これ また異な る特徴 を帯び ることになろ う。 事例におけ る上層 では、 農業経営に中心があ り、 傍系成 員を中心 と した労 働力を農外に流出 させ る が、世帯 員の加齢に よ り労 働力が減少す るような 場 合には、 員外労働か らの撤退を 含め就労構造 の 再 編 をはか るのである。 これに対 して、下層の場 合 には、後継者 の在宅通勤兼業を前提 とす ること に よ りその定着をはか り、常時、世 帯主 ・妻 ・傍 系成 員を含め家族全 員を 員外に排 出す る傾 向にあ る。その結果 と して、直系制 の循環を守 ってい る、 とい うことも重要 な農家経営におけ る変化 の動 向 と して確認 してお こ う。 2) 農家の県外就 労実態 我 々は これ まで、 農業経営に よ り変容を うけな が らも、労働市場 の特質に規定 され なが ら深化 し た兼業化の過程について検討 して きた。 ここでは さらに、 員外就労 の実態 について分析をすすめ る。 ここでは就労実態を、前職 ・業種形態、企業規模 ・雇用 ・給与条件、労働時間 ・労 働組合 の側面か ら究 明 しよう。 前職 ・業種形態 :まず、現在 の就 労実態 をみ る 前に彼 らの前職をみ ると、学卒後ただ ちに現職 に 就 いてい るのは41人中29人であ る。残 りの うち 農業に従事 していたのは 2人に とどまる。他 の前 職 の特徴は、続柄的には長 男 と世帯主 の前職経 由 率が比較的高い ことであろ う。世帯主 の場合 には 建設業 ・製造業 とい う業種が関係 して くるが、長 男の場合には農家の継承 のために前職 (自衛隊 2 人、電気機器販売 1人) をやめ、現在 の職業 に就 いてい る。 ところで、現在 の業種について (

蒙1-

8)

は、 建設業 ・製造業の比率がそれぞれ 17.5%と35.0 %で高い。 この うち製造業 について は、電気機器 を中心 とす る地域労働市場 の特質を反映す るもの とい って よいだ ろ う。続柄別にみ る と女子雇 桐を 中心 と した労働集約型の企業が多い ことか ら世帯 主 の妻や傍系女子成 員の比率が と くに高い。建設 業 はい うまで もな く、 農村地 域におけ る農家 男子 労働力を包摂す る代表的な業種 で、世帯主、後継 者が主 に これに従事 してい る。 階層的には、上層 ・中層 に比 して下層において は複数兼業 が支配的にな ることは先 に もみた とお りであ るが、 さらに、業種的 に も教 員 ・公務 員 ・ 農協職 員な どの安定的 な職 員勤務がやや多い とい え よ う。 その従業 内容 も多様 であるが、事務的 ・管理的 な仕事 に従事 してい るものは少 な く、製造業では 部品組立 ライ ンにな らぶ単純労 働、 建設業 で もブ ロック積みや他の土木作業が主 要 な内要をな して い る。 企業規模 ・雇用 ・給与形態 :これ らの企業 は規

(13)

琴R-8

. 農家世 帯 員の農外就労実態 階 香 読 午 業 種 従 業 内 容 雇 田 給 与 組 合 磨 ロつラ 柄 節 与 態 有 無 上 l層 _㊨ 妻 39 経 理 事 務 事 務 常 勤 月 給 -㊨ 長 男 23 建 設 監 督 日 雇 月 給

-⑦ 長 女 23 教 員 教 育 常 勤 月

㊨ 長 男 46 農 協 生 産 指 導 常 勤 月 給

×

㊨ 世 55 建 設 土 木 作 業 5 月 給

-中 層 ② 世 56 建 設 土 木 作 業 常 勤 日 給

-③ 世 35 製 造 生 産 管 理 常 勤 日月 給

世 妻 37 製 造 組 立 作 業 メ - ト 日 給 ⑲ 世 妻 34 製 造 組 立 作 業 常 勤 目月給

⑳ 長 男 34 _運 輸 整 備 常 勤 月 給

×

⑬ ⑲ 世 70 建 設 土 木 作 業 日 雇 日 給

-長 男 30 建 設 設 計 常 勤 月 給

長 男 29 サ - ビ ス 調 理 日 雇 日

-㊨ 世 49 印

営 業 常 勤 月 給

-⑳ ㊨ 長 男 29 建 設 土 木 作 業 常 勤 日 給

-2 男 22 農 協 事 務 常 勤 月 給

長 男 38 鉄 工 加 工 常 勤 月 給

-㊨ ㊨ 長 男 38 製 造 フ レ ス 常 勤 月 給

0

長 女 33 製 造 事 務 常 勤 月 給

2 女 30 製 造 生 産 常 勤 月 給

㊨ 世 44 公 務 員 事 務 常 勤 月 給

×

下 層 ④⑪ 世 54 製 造 生 産 常 勤 月 給

C

)

長 女 23 小 売 販 売 常 勤 月 給

世 55 建 設 土 木 作 業 日 雇 日 給

-長 男 20 製 造 染 色 パ ー ト 日 給 ⑭ 長 男 29 農 協 営 業 常 勤 月 給

⑮ 世 42 運 送 運 転 常 勤 月 給

-㊨ ㊨ 世 54 商 会 横 桟 操 作 常 勤 日 給

-長 男 21 製 造 企 . 画 常 勤 月 給

×

世 妻 54 製 造 溶 接 パ ー ト 日 給

×

長 男 40 販 売 営 業 常 勤 月 給

-㊨ ㊨ ㊨ 世 45 公 務 員 指 導 主 事 常 勤 月 給

×

世 妻 45 教 員

育 常 勤 月 給

×

壁 50 農 協 事 務 常 勤 月 給

×

長 男 23 製 造 職 工 常 勤 月 給

長 女 18 製 造 職 工 常 勤 月 給

世 53 森 林 植 林 作 業 常 勤 日 給

(14)

模的には100- 299人 が53.7%、300- 999人が 14.6%、1.000人以上 が14.6%と、比較的規模 の大 きな企業に集中 している。 さらに雇用形態で注 目され るのは、恒常的勤務 が きわ めて一般的な形 態 とな ってい る(82.90/o) ことであろ う。企業 規模 といい、 農村労 働市場 -不安定就業 とい うイ メー ジか ら遠い印象を うけ る が、その実態を仔細 に 検討す ると、常勤 といいな が らも準社 員や臨時職 員として雇用 されてい るも の も少 な くない。つ ま り、恒常的勤務 とい う枠 内 にあ りなが ら、実に多様 な雇用形態が現 実には と られ てい ることに注意 を向けなければな らない。 次 の給与形態 がこれ を証左 してい る。 月給 とい う給与形態が59.5% と多いが、 日給26.2%や 日 給 ・月給制9.5%の比 率 も雇用形態に比 して比重 が高い。す なわ ち、企 業規模 ・雇用形態か らえ ら れ るイメージ とは うらは らに、依然 と して不安定 就業 とい う性格を払 拭 しきってい るとはいいがた い。 これは、 と りわ け 建設業にあては まる。転職 率の高 さとを合せて勘 案す るに、地域労 働市場か らときに排 出 され、 か つ滞留 ・蓄積 され る過剰人 口と して とらえ られ よ う。 労働時間 ・労 働組合 :建設業 の場合には実働8 時間、製造業 の一部 で も3交替制の実施 をみてい る事業所があ り、業種 に よる若干の違 いがあ るも のの、ほは 8:00- 5:00代 までの時間帯が労働 名 の勤務時間である(87.3%)。残業 について も 「よ くや る」が9.7%(製造業12.6%)、「ときど きあ る」 が15.2% (製 造業21.4%)と、 円高不況 に もかかわ らず比較的 多い。 労 働組合 の有無、 加入 の状況 をみ ると、雇用条 件の悪い事業所ほど組合がなか った りH、未加入者 (x)が多い。組合のある事業所の比率は57.50/O、この うち加入率は69.6%に とどまってい る。 農民の階 級的性格を考 え る上 で も重要な点であ るが,賃労 働者比率の高い下層 に おいて と くに組合加入率の 低いのが際立 ってい る。 2. 農家家族の農業 就労構造

1

)

農作業 の役割分 担 ・意志決定 農家の員外就 労をめ ぐ硬労働力編成 のあ り方は、 農作業体系 をめ ぐる家 族内就労構造 と密接に関連 す るのであ るが、 これ まで分析 して きた 島外就労 構造 と表裏一体 の関係にあ るこの 農作業体系をめ ぐる就労構造 に考察 をすす め よう。 これ について は、 まず、稲作 と畑作を分 け る必要 があろ うし、 さらに実際 の農作業 の役割分担 と意志決定 の担 当 者 とをやは り分けて考 え る必要があ ろ う。 と くに 春作業 と中間作業 の内容について質 問 した項 目は、 次 の ようにその概 要 と性格をまとめ られ る。 ① 春作業 :種籾 の選定、育苗作業、代掻 ・畦 塗 り一米づ くり技術 の水準 をあ らiっすo知識 ・経験 と適期労働を要す る。 ② 中間作業 :除草、防除、追肥 、水管理 一適 期に労 働投下 を要す るため 日常 性を有 し、反 収に直接関連す る。 これ らの農作業体系の区分に もとづ いて、 さら にそれぞれ の部 門の主 な担 当者 ・主 導者 とその補 助者を家族 内地位 に注 目してみ よ う。 表

Ⅰ-9

は、稲作 お よび畑作 の農作業担 当者 と その補助者 を、表1- 10は、農作業 の意志決定に おけ る 1)- ダー とフ ォロ7一 ・1)- ダーの家族内 地位をみた ものであ る。 ここか ら第1の特徴 とし て気づ くのは、階層 が下 るに従 って、 と りわ け稲 作作業の主要な部分である田植 ・稲刈 りな どの機 械操作作業 の委託 され る比率が高 ま るとい うこと であ る。 これは横桟化の進展 とかかわ るものだが、 下層では世帯主 を主 な担 当者、その妻を補助者 と す る分業が主要であ るが、それ に もま して作業委 託 の比率が高い。 第2に、上層で も世帯主 ・世 帯主 の妻 とい う分 業関係は比較的少 な く、後継者 が主 体 とな る世帯 が⑥⑦⑳ と3世帯 あ って、 農家継東 の実質を窺 う ことがで きる。 さらに、作業の⑳や 意志決定 の⑥ ⑳ の ように世代間協業が成 り立 って い ることに も 注 目 して よい。 第3に、 田を もたない世帯の多い 中層 で も後継 者 が農作業 の担 当者 ・意志決定者 の主要な担 当者 にな る世帯が①⑬ とみ られ る。 しか し、 同時に、 世帯主 の母や父が農作業 の補助的役 割を担 ってい た り、③ の よ うに、その内容 も意志 決定にみ るよ うに、む しろ主 導的で さえある。 また、⑬⑳ の よ うに、世帯主 の妻 が中心 とい う世帯 もみ られて\い る。 第4に、下層 は 農作業委託に よって他 の階層 と

(15)

区別 され るが、 さらに、単 独担 当者 (㊧⑳) や世 帯主要主 導 (⑮◎) 、 父母担 当 (㊨) とい うよ う に 農業 労 働力 が脆弱 であ る とい え よ う。 2)就 労構造 - ま とめ さて、 ここで先 の農外就 労構造 とあわせ て、家 族内就 労 の構造 の性格 を ま とめ よ う。 表

1-9

農作業 にお け る役 割構造 まず 、上 層 の場 合 には農業 におけ る労働力配 分 が 優先 的 に考 え られ てお り、家族 内の基 幹労 働力 を 農業 に投入 し、 さらに余 剰 の労 働力た る世 帯主 の 妻や 傍系世 帯 員が農外 に排 出 され てい る。 第2に、 中層 では、 島外 ・農業 の世代 間分業 が成 立 してい るのが特徴 で あろ う。例 えば、③ では世 帯主 とそ の妻 が島外就 労 してい るた めに、 農作業 の補助的

経営面 積 春 仕 事

l副 主 l 副田 植 主 l 副中 間 主 l 副稲 刈

l

副主l

上層

@

@

32.211111...24211511.0.0.5.0.9.3.0.0

■◎

[

[

[

[

[

I

:

I

i◎

I

:□

l

l

:託lI

◇ ;

◎ :

[

]

;◎

l

l

I

l

!◎

l ◇

◎ :

香 :

◇ l

□ :

□ l

- (

:

I

Il

[

由 I

⊂】

⊂〕 [

]◎□

[

[

[

F

=

;

=

i

;

:

:

;

=

:

=

!

:

:

:

:

:

;

:

:

:

:

!

1

=

:

:

:

-

:

!

=

;

=

I

I

=

:

:

i

;

=

:

:

:

[

:◎

I F 香香

[

[

[

.

.◎

:◎

:冨

i託

l託

◆■

[

D

;

.

I

lF

ー◎

;

l

香芸:□

!◎

i

;

F_

]

F

6-㊨

.9.8

[

⊂〕 ◎

[

...995..5.6,'0

[

[

[

[

[

⊂】

[

下 層

...447422411.7.8.3.4.7.5.4.6.8.1.1

[

(

]

◎M

(

≡㊥

l託

!◎

:託

‡託

:撃

l

l託

,

.

I

I

l

I

I

l

l

l

l

l

l

l

:-∴

I

F

l

I

l

l

1

I

I

l

l

l

(

1

-

◎ l

-

■l

■ :

[

I

■ :

コ ー

t

I

;

I

;

!

a

i (

◎M

-

6=

O

[

業 亘 享 昌 毛【

『■

十 ◎ 委;

=

=

=

:

:

:i

i

=

=

;

:

_託二;

;

=

=

盲l

'

注) □世帯主

◎世帯主 の妻、◇後継者

○後継 者 の妻

、F

父親

、M

母親

、E

:ヨナ シ。 この うち■㊤ な どは農外就労者 を示す。

(16)

役割 を母が担 ってい る。 ここでは意志決 定は母 に にたわわ てい る。⑳ ではあ とと りや兄弟た ちが県 外就 労、世帯主 とその妻は 農業 とい う分業 が成立 してい る。 これ にみ る よ うに、 この層 では家に よ って主体 は異 な るが、家 の内的条件 を勘案 しなが ら世 帯 員を配分 してい るのであ る。 さらに,下層 で は、 もはや 就 労 の 中核 は 農外 に あ る こ とは明

1

-

10 農作業 における意志決定構造 らかであ ろ う。家族労働力を まず 農外 に排 出 し、 農作業 につ いては残 りの世帯 員に よって遂行す る、 でなけれ ば作業 を委託す る とい う構造 が あ る。 この よ うに現在 の 農家 の就 労構造 は、地域 労働 市場 の特質 に色濃 く規定 され てはい るものの、一 律に 農外 に排 出 ・吸収 され てい るのではな く、階 層的 な格差 に もとづ きなが ら、各 家 の内的条件 に 香。 ち 経営面 積 作 計 画i

作 指 揮主 副 主種 選 定

主販 副売 機 購 入主 副 資 調 達主 …副 臨 雇 用主

上 層 ㊨_ 3.4.3 □ ; □ 、◎ [コ

[コ ⊂コ ◎[コ [コ

[コ [コ ll □

⑬ 2.1.0 口

:

[コ [コ ⊂コ [コ [コ lll [コ ㊨ 2_2.0

;□

□ ◇ ◇ ◇

◇ l

l

◇ ㊨ 1.5.0 ◆ :□

[コ [コ [コ [コ [コ

I

I

ロ @ 1.1.9 ◇ l

l

◇ ◇ ◇

l○

I

@ 1.2.0

[

コ l◎

[コ ◎ □ ⊂] [コ ◎ 口 !◎ [コ ◎ ㊨ 1.1.0

『 !@

1

■ :◎

■◎

㊨ 1.1.5 ■ !◎

I

』』

{:

中 層 (丑 .9.8

◇ ;○

◇ ○ ◇ ○

・.」-I

② .5.0

_ 』 ;◎

l

l ◎

』 ;◎

◎ ③ .7.3

M l■

M

[コ ◎

1

F

M

[コ

M

[コ

{

M

M tl

l

M

⑨ .9.7 一一一+-l [コ ⊂]

I

I

[コ ⑲ .9.4 口 lIl [コ □ : [コ ⑫ .9.0 □ ;◎ [コ [コ [コ [コ □ :◎ □ ⑬ .6.3 @ !

:

{

◎ ⑬ .9.0 □ ; [コ [コ

[

[コ ・D

;◎

t

l

[

[

⑳ .8_2

◎ :F

㊨ _9.8 ロ :◎ [コ

□ [コ ◎ ⊂]

:◎

㊨ _9_0 [コ :◆ 一 口 ◆

コ ◆

□ ;l◆ [コ ◆ [コ

:

l

□:◇

l ㊨ ㊨ .9.5.5.6 □◆ !口

;

□◆⊂〕

ロ◆

-…

-

一一ト-

l

.

1 下 層 ⑰ .2.4

{

;㊨l [コ (∋ ■l (ラ ■ ◎

l

◎ ■ ;㊥ ■ Ii). ㊤ .4.7 [コ ;◎ [コ

[コ ◎ 口 [コ ⊂】;◎l □ ◎ ⑬ .4.1

@

t

l

L

◎ ◎(∋ ◎ ◎(ら ◎ ◎

(

◎ ◎ 丁 -1-㊨ _7ー1 □ :◎ [コ [コ [コ lコ [コ :◎ -+-l -㊨ .1.8

■:

l

1

■ @)

;㊥ +l ㊨ .1.6

■Z

f

1

1

)

(⇒

l!@ 』 :㊥l ㊨ .4.5

◎l

M

I

l

M

◎□

[コ 1 ; 一一十一 ㊨ .4_7

F :M

F

F

F

F

F

:⊂] 十l ⑳ .4

□:

[コ □ [

[コ □ ; 十l ㊨ .2_3 - :◎

1

}

:◎

■ :◎

注) □世帯主

◎世帯主 の妻、◇後継者

○後継者 の妻

、F

父親

、M

母親 、

- N.

A

。 この うち』㊥ な どは農外就 労者 を示す。

(17)

も規定 された もとでの主体的な選択の過程 として

3.

農家豪族の生活構造 進行 してい る、 といえよう。 とくに、上層では依 然 として農業労働のあ り方が農外就労構造を規定

1

)

家事分担 と世帯代表権 していることに十分注意 して よいだろ う。 家族生活をめ ぐる役割配分を、 日常生活 (掃除, 買物、食事の支度、子 どもの世話、生活費の管理) の担 当者 と世帯代表権の2つに分けて考察 しよう。 表

Ⅰ-1

1

家事分担 と世帯代表権 香l」 ー弓 掃主 副除 買主 副物 食事支度主 副 子 世 話主 副 金 管 理主 副 区会出席主 副 農協出席主 副 上層 ㊨

M

ロ◎

千[コ ⊂コ 千

M

[コ

⊂]

[コ

⑬ ◎ [コ ◎

◎ [コ ⊂l

㊨ ◎ ●千[コ

・[

コ ㊨ ◎

ロ [コ ⑦ ㊨ _㊨

◎◎ ◎◎

[コ

[

コ ㊨ ◎

{ 中 層 ②(彰

◎ 千

M

◎◎ 千[

コ ◎◎

M

◎ ;

◎ Z

令 -

@):_十⊥ I一一.-1-_ー _ト-Il

.M

lll ◎[

◇◎

③ @ ⑲ ⑫⑮㊨⑬

M

M

◎(⇒

M

◎@)

(⇒

MF

(◎◎

◎ラ

MF

◎也

[コ□

◎◎⊂□⊂コ]

}

M

[

[[コココ

t

M

◎ [コ [コ ㊨

◎ ◎○

◎ ◎ □

㊨ ㊨ ◎

◎□ ◎

[コ [[

コ [

]

下磨 ⑰ (⇒ 千

(

M

M

(∋

M

M

M

M

F

F

[コ [コ ⑮㊨㊨

(ラ

(⇒

(

(◎ち ◎,i/

.

)

[コ

i

)

㊨ ㊨ ◎子(⇒ d◎ (◎ら

(◎ラ

{

[コ [コ ㊨ ◎ ◎ ◎

◎◎ [コ [コ ⑳

[コ ㊨

◎ lM

◎ ◎

M

1

(18)

まず、 日常生活の家事 の担 当者 か らみてい こ う。 これについては担 当者 の性が世帯主 の妻、母、女 子に限 られ る傾 向が厩著であ り、⑳ の ように嫁が 農外就労す る場合には姑、世帯主 の妻 の場合には ③や⑲ の よ うに母親、⑫や⑳ の ように子 どもが補 佐 してい る。 こ うして家事労働については、階層 差 よ りも家族周期の段階に よる相違 が顕著 といえ よう。 これを家族周期 ご とに集計 してみ ると、周期

l

段階では、ほぼすべ ての 日常生活 の分担 が世帯主 の妻に よって単独で遂行 されてい る (76

5%)0

対 して周期 †段階では世帯主妻の分担 が多い もの の、 これ と母 との協業、 あ とと りの妻 との世代間 協茅 の比率が高い (53,6%)。 次に、世帯代表権 の所在 を 「区の寄合-の出席」 「農協 の会合- の出席」か らみ ると、 どちらに し て も世帯主 が多い ことはい うまで もないが、決 し て これに限 られ るわ けではない。世帯主 の妻の出 席 あ るいは後継者 の妻 を含め ると少な くない代理 がみ られ る。兼業化が と くにこれ と関連 した もの ではない ことは一 目瞭然 であ るが、階層的には下 層において世 帯主の出席が守 られ、中層 で他 の出 席 率が高い。 いずれ にせ よ、従来 の世帯代表権 の

1

-

12 農家女性の家事労働時間 あ り方 が変容 しつつあ るこ とは確か であろ う。 2) 農家におけ る女性 の生活実態 最後 に、 農家家族の生活実態を よ りインテ ンシ ブに考察 し、 あわせて、 これ までみ て きた 農家家 族の変貌 と労 働生活 の過程か ら惹起 され る諸矛盾 を、 農家 の女性に焦点をあて、彼女 た ちの生活実 態 と して把握 しよう(1.9 調査対 象者 は、 これ までの分析 と同 じく

N

集落 の女性62人であ るが、 そ の属 性 を年 齢 に み ると 50歳以上 が63.4%、40- 50歳が15.9%で、 中 高年層が大半 を占め る。就業 の状況 は、 「農業に のみ従事」 が44.4%、 「農業 ・県外 の両方に従事」 が33.3%、 「農外にのみ従事」 が9.5%、残 りが 「専業主婦」 とな ってい る。 生活時間 :まず、生活時 間の全体 を枠づけ るこ とになる労働時間について、 島外労 働に限 りみ る ことに しよう。その構成 をみ ると、 7- 8時間が 48.1%で もっとも高 く、これ を越 え る労働時間を 22.2%の ものがこな してお り、先 の残業 の帰結 と しての長時 間労働を示 してい る。 一方、家事労働に従事す る時間は、 当然女性た ちの労働のあ り方に よって異な って こよ う

「専 2時間 3時間 4時間 5以 上時両 N .A 計 2時間 3時間 4時間 以 上5時間 N .A 3 6 ll 6 2 28 10.7 21.4 39.4 21.4 7.1 1 2 3

0

1 7 14.3 28.6 42.8 0.0 14.3 4 8 4 3 1 20 20.0 40.0 20.0 15.0 5.0

1

-

13 農家女性の 自由時間 1 .2 3 .4 5 .6 N .A 計 1 .2 3 .4 5 .6 N .A 時 間 時 間 時 間 時 間 時 間 時 間 8 ll 6 3 28 28.6 39.3 21.4 10.7 1 2 2 2 7 14.2 28.6 28.6 28.6 8 71 5 01 20 40.0 35.0 25.0 0.0

表 1 ‑ 1 農業機械化の進展 4 0 4 2 4 4 46 48 5 0 この栽培作 目に も規定 されて緩慢 な ものがあ り、 耕転機 がい まだ主力で、 トラクターや 田植機 は 2 割に とどまってい る。 従 って、一般 には、兼業化 は機械化に よる省力化 と平行 して進展す るが、一 見 して農家内部 の要因 に もま して資 本に よる労働 力需要の力が規定的 な ものとして あ らわれ る。そ の兼業形態 も後 にみ る ように、傍系成 員はい うま で もな く世 帯主 ・後継 老

参照

関連したドキュメント

• 1つの厚生労働省分類に複数の O-NET の職業が ある場合には、 O-NET の職業の人数で加重平均. ※ 全 367

が作成したものである。ICDが病気や外傷を詳しく分類するものであるのに対し、ICFはそうした病 気等 の 状 態 に あ る人 の精 神機 能や 運動 機能 、歩 行や 家事 等の

熱が異品である場合(?)それの働きがあるから展体性にとっては遅充の破壊があることに基づいて妥当とさ  

その目的は,洛中各所にある寺社,武家,公家などの土地所有権を調査したうえ

人の生涯を助ける。だからすべてこれを「貨物」という。また貨幣というのは、三種類の銭があ

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

したがいまして、私の主たる仕事させていただいているときのお客様というのは、ここの足

労働者の主体性を回復する, あるいは客体的地位から主体的地位へ労働者を