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<巻頭言>医療の質を高めるために大切なこと 利用統計を見る

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Yamanashi Nursing Journal Vol.9 No.1 (2010)

看護は変革の時期にあり,「今こそ,質の高い 医療を実現するために看護の専門性を発揮する時 である」と言っても過言でないと思います。昨年 度の看護に関する動向をみても,「保健師助産師 看護師法の改正」や「チーム医療の推進に関する検 討会」など,看護業務の高度化や看護職の役割拡 大が大いに期待されているからです。ご承知のよ うに,「保健師助産師看護師法の改正」は看護師の 国家試験受験資格に大学を明記し,保健師・助産 師の教育の教育年限を 1 年以上に延長し,新人看 護職の卒後臨床研修が今年度から努力義務とされ ました。また,「チーム医療の推進に関する検討会」 では,医師との連携・協働の元に自律して一定の 医療行為を行える看護師(日本版ナースプラク ティショナー)の創設・法制化を今後検討するこ とが予定されています。 また,今年度の診療報酬改定は医師不足や救 急,産科,小児などの「医療崩壊」に対応するとい う認識に立ち,10 年ぶりのプラス改定になり, チーム医療の推進に向けた感染管理チームや呼吸 ケアチーム,院内トリアージなどが評価されてい ます。特に,専門看護師や認定看護師など一定の 教育・研修を受けた看護師を含む他職種チームで の取り組みが評価されたことは,効果的,効率的 な医療提供に寄与すると確信しています。チーム 医療を効果的に実施し,専門性を活かした協働を 推進し,質の高い医療につなげていくことが今後 ますます求められていくことは間違いないと思い ます。 さて,当院は平成 11 年から財団法人日本医療 機能評価機構の病院機能評価を受審し,平成 16 年には ver.4 を,今年 3 月に ver.6 を認定されま した。今回の受審で,看護サービスの質改善を評 価する項目に「組織の規模や機能に応じてデータ 山梨大学医学部附属病院 看護部長 鈴木久美子

医療の質を高めるために大切なこと

巻頭言

が収集され,分析されている」,「組織の規模や機 能に応じた研究事例がある」,「検討した結果を看 護実践に活用した事例がある」,「研究事例や実績 は年報にまとめられている」の 4 点が挙げられて います。このように,看護の質向上のためには常 に身近な課題をみつけて看護研究に取り組み,看 護研究によって得られた知識や理論を看護実践に 活用し,誰でもが閲覧できるようにまとめておく ことが求められています。 したがって,医療の質を高めるためには,チー ム医療を効果的に推進し,看護の専門性を発揮す ることが大切だと思います。そして,その専門性 を発揮するためには看護研究に取り組み続けるこ とが必須であると考えます。 最後に,哲学者の鶴見俊輔さんがヘレンケラー から聴いた言葉「unlearn(学びほぐす)」を紹介し ます(朝日新聞,2007 年 12 月)。鶴見さんは,「学 びほぐす」の意味を「単純に学んだことを忘れるこ とではない。学んだ知識を,いったんその厳密性 から解き放ち,日常で使える知恵に変えること」 と言っています。学びが,学びほぐしになるため には,知識として理解する,他人に説明できる, 実践に活用できる,自分の経験を通して解釈し直 す,自分の経験に基づく言葉で語ることができる というプロセスを経ることが必要です。そして, 学びほぐしには終わりがなく,人間が経験を重ね るにつれて異なるほぐしがなされます。当然,人 が違えば,異なるほぐしがなされます。そのよう な,いくつもの学びほぐしが対話されることで, さらに学びほぐしが進化するとともに共有知に なっていくと思います。この学会誌をとおして, 皆さんの「学びほぐし」が活性化できることを願っ ています。

参照

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