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味噌汁の呈味作用に及ぼす旨味成分の影響 : 低食塩化と複合調味料濃度

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Academic year: 2021

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(1)味 嗜汁 の 呈 味作 用 に及 ぼ す. 旨味成分 の影 響 一 ― 低食塩 化 と複 合調 味料 濃度 ―一. 奥田. 和 子・水 谷. 徳子. I緒 消費者 の うす塩志 向 に応 えて ,加 工 食品 お よび 調味料 の低食塩化 の動 きが 活発 で あ る。 著者 らは これまで ,う す塩味噌を用 いて調製 した汁 の減塩効果 につ いて検 討 して きた。 うす塩味噌を用 いた汁 の食塩濃度 は,在 来種 の味噌を用 いた汁 のそれ とほぼ 同 じか ,む しろ逆 に高 い世帯 が約 57%も あ った。味 噌 の減塩率 にみあ うだ け の効果 が ,味 噌汁 で は必 ず しも期待 されなか った 。一 方 ,減 塩 効果 の認 め られた汁 で は ,汁 の食塩 に対す るフォルモール態窒素 の比率 が高 い こ とを認 めた。 すなわ ち,共 存 す る旨味 の量 によ って塩味 のめや すが変 わ る ことか ら, ぐおよびだ しが減塩 に果 す役割 の大 きい こ とが示 唆 された。塩 味 と旨味 との 関連性 を明 らかにす る こ とによ つて ,低 食塩化 がはかれ る もの と考 えて本研究 を行 った。 本報 で は,味 噌汁 のだ しの一 つ と して使用 されて い る複合調味 料を と りあ げ ,塩 味 に及 ぼす 旨味成分 の影響 をお もに低 食塩化 との 関連性 において検討 した。. I実 1. 験. 方. 法. 味噌汁 の調製. 試料 は信州 淡色系味噌 および複合調味料. (MSG 88%,IMP 12%)で あ.

(2) 味噌汁 の呈味作用 に及 ぼす旨味成分 の影響. 554. 表 1 味噌の一般分析値 食. 塩. FN 酸度. I. 酸度 Ⅱ. FN/食 塩 酸度 /食 塩. (%) (mg%) (ml) (ml) (mg%/%) (m1/%). 12.52 456.41 7.05 7.61 36。. 45. 1.25. る。味噌 の一般 分析値 を表 1に 示 した。 味 1曽 を 200 zJの 熱湯 で 溶解 した後 食塩濃度 に対 して所定量 の複合調味料 を加 え,500η. z′. ,. にメ スア ップ し, 3分. 間加熱 した。. 2官. 検. 能. 査. パ ネ ル は ,本 学調 理学演習学生 お よび教員 あわせて16名 で ある。. 70°. Cに. 保温 した汁 を 2点 比較法 また は Kenda11に よ る順位法 で 検査 した。 検査項 目は ,い ずれ の汁 が塩か らいか ,ま た好 ま しいかの 2項 目につ いて行 った。. 3. 汁 の 化学成分 の分析. 味噌 および汁 の一般 分析 は常法 によ った。味噌を熱水 で 溶解 した 後 ,定 容 に し,逆 流冷却管 を つ けて ,7リ トとう後 3分 間加熱 した。 ろ別 した汁 につ いて 食塩含量を モ ー ル法 , フ ォルモー ル態窒素 (以 下. ,. FNと 略す )を ガ ラス電. 極法 によ り測定 した。. Ⅲ. 実. 1. 験. 結. 果. 塩 か らさにつ いて. a)食 塩濃度が一定の場合 食塩濃度 を 一 定 に して , 5∼ 20%の 複合 調味料を加 えた場合 ,汁 の塩 か ら さに差 があ るか ど うか検討 した。食塩 濃度 0.9%と. 1。. 3%の 両汁 につ いて ,そ. れぞれ塩 か らさの順位をたず ね ,結 果を表 2に 示 した。 0。. 9お よび. 1。. 3%の いずれ の食塩濃度 において も,複 合調味料濃度 によ って. 汁 の塩か らさには差 が認 め られ なか った。.

(3) 奥田和子・ 水谷徳子 表2. 555. 0.9%お よび1.3%食 塩濃度の汁における塩か らさの識別に 及ぼす複合調味料濃度 の影響. 塑誓― 丁笑讐塑稀― 情虚丁警讐 得 已矮塚 B)(Cの 合計 )B(A× B)(Cの 合計 %. A. B(A×. 5. 10. 15. 20. ). 1. 6. 6. 2. 1. 3. 2. 2. 4. 8. 1. 0. 0. 2 3 4. 10 3 4. 20. 1. 5. 5. 2 3 4 1 2. 1 7 4 6 5. 3. 5. 4. 1. 32. 。45. 9. 16. 21. 2. 44. 16 6. 10 15. S=η W=0“ n=17. 震難. 46. 6. 4. 35. & 田■. 4. 4. 5. 10. 2 5 3 4 6 3 7 3 4 2 2 4. 6 20 3 8 18 12 7 6 12 8 2 8. 4. 12. 6. 24. S=“. 40. 41. 33. 46. W=0∞ 2■ &. n=16. b)食 塩濃度が異なる場合 2%の それぞれの汁 につ いて ,塩 か らさの順位 をたずね. 食塩濃度 0.9∼ 1。. ,. 結果 を表 3に 示 した。 0。. 9∼ 1.2%の 食塩濃度 にお いて ,0。. った 。 そ こで ,0。. 1%食 塩濃度差 の汁 の識別 が可能 で あ. 1%食 塩濃度差 の汁 に複合 調味料をそれぞれ 5∼ 20%加 え. た場合 の塩か らさの識別能 力を検 討 した。O.8∼ 1。. 0%お よび 0∼ 3%の 食 1。. 1。. 塩濃度 の汁 に ,そ れぞれ 5∼ 20%の 複合調味料を加 え ,塩 か らさの順位 をた ずね ,結 果 を表 4, 食塩濃度 0。 8∼ 1。 0。. 5, 6お よび 7に 示 した。. 3%の 汁 で は, 5∼ 20%の 複合調味料存在下 において も. 1%食 塩濃度差 の塩 か らさの識別 が可能 で あ る こ とを認 めた。 複合調味料. 15お よび20%の 場合 の方 が 5∼ 10%に 比 べ て 判別 しや す い傾 向 がみ られた。.

(4) 味噌汁 の呈味作用 に及 ぼす旨味成分 の影響. 55δ. 表 3 複合調味料を加えない場合 の味囀汁 の塩か らさの識別 一致度 1)%. 味噌汁の食塩濃度 % 0。. 0。. 8 : 0.9 9 : 1.0. 100(0) 100(0). 1.0 : 1.1. 100(0). 1.1 : 1.2. 100(0). ≡ Ю 醸 度α)=留 鴇卦× 0. 1). )内 の数 は誤 りの n. (. 表4. さ位. 塩の. 味噌汁 の 食塩 濃度. 屁順. 塩からさの識別に及ぼす複合調味料濃度 の影響. %. 0.8. 0。. 9. 10. 15. n. n. 2. 1. 3. 16. 16. 16. 16. 10000 2 3. %. 複合調味料濃度. 1. 1. 0. 0 14. 14. 14. 1. 14. 0. 0. 17. 17. 14. 14. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 17. 17. 14. 14. 表 5 複合調味料濃度 による塩か らさの識別 複合調 味料 濃度. 味噌汁 の 食塩 濃度. 10. %. 一致度 1)%. %. 15. 20. 0.8. 94.1(1). 94。. 1(1). 100(0). 100(0). 0.9. 94.1(1). 94。. 1(1). 100(0). 100(0). 1.0. 100(0). 100(0). 100(0). 100(0). 1.000. 1.000. 392***. 392***. ndttW O。 945. 騰. S. D一. 致度∽. 546***. =. ( )内 の数は誤 りの n. 0.945 546*** 刈∞.

(5) 557. 奥田和子・ 水谷徳子. さ位 ら ゝ順 力 塩の. の度. 味食. 噺羅%. 表 6 塩か らさの識別に及ぼす複合調味料濃度 の影響. 1. 複合調味料濃度 10. 15. n. n. 0. % 20. 0. 0. ‖. : :. 0. 4. 12. 12. 16. 15. 10000 H :. 0. 2. 1. 12. 14. 14. 15. 12. 14. 14. 0. 0. 2. 1. 0. 0. 0. 0. 15. 12. 16. 14. 2 44201 11201. 1. 16. 15. 1.3::::: 16. 16. 表 7 複合調味料濃度による汁 の塩か らさの識別 複合調味料濃度. 味 噌汁 の 食塩濃度. 5. 1.0. 75.0(4). 1.1. 75.0(4). 1.2 1.3. D‐. 度の. %. 15. 20. 83.3(2). 100(0). 93.8(1). 83.3(2). 87.5(2). 87.5(2). 93.8(1). 83.3(2). 87.5(2). 87.5(2). 93.8(1). 83.3(2). 100(0). 93.8(1). %. 野が我W S. 10. 一致度 1)%. 9016. 0.9014. 1154**. 884**. 0。. =. ( )内 の数は誤 りの n. ×Юo. 9563. 0.9266. 1224**. 1186**. 0。.

(6) 558 2. 味噌汁の呈味作用に及ぼす旨味成分の影響 汁 の嗜好性 につ いて. 0%の 汁 に複合 調味料を それぞれ15お よび20%加 えた汁 に. 食塩濃度0。 8∼ 1。. つ いて ,い ずれが好 ま しいかたずねた結果を表 8に 示 した。 表8. の度. 味食. % ﹄ 孵. 味噌汁 の嗜好性 に及 ぼす複合調味料濃度 の影響 複合調 味料濃度. %. %. %. 0。. 8. 7.1. 0. 0。. 9. 28.6. 50.0. 1.0. 64.3. 50.0. 100. 100. 計. 合. 複合調味料 15%と 20%で は汁 の好 みが若干異 な った 。15%複 合調味料 で は. 0%の 方 が 9%よ り好 まれた。 しか し,20%複 合調味料 で は 0.9 %食 塩 を好 む比率 が 0%食 塩 を好む もの よ り多 くな った。. 食塩濃度 1。. 0。. 1。. 食塩濃度 1。 0お よび1。. 3%の 汁 に複合調 味料を それぞれ 5,10,15,20%加. えた汁 につ いて ,い ずれ の汁 が好 ま しいかた ずねた結果 を表 9お よび図 1に 示 した。 最 も好 まれ る汁 の食塩濃度 は ,複 合調味料 の濃度 によ つて異 な った 。複合 調味料 5お よび10%で は1.2%食 塩 の汁 が ,15お よび20%で は ,1。 表 9 味噌汁 の嗜好性に及ぼす複合調味料濃度の影響 の度. ﹄孵 %. 味食 合. 複合調 味料濃度 10. n %. n %. 1.0. 1. 1.1. 6. 37.5. 1.2. 9. 56.3. 1.3. o. o. 計. n=16但. n %. 6.3. 16 100 し10%の み 14. 3. 2 7 2. n %. 21.4. 14.3 50.0 14.3. 14 100. %. 15. 1. 6.3. 10. 62.5. 5. 31.3. 0. 0. 16 100. 3. 18.8. 9. 56.3. 3. 18.8. 1. 6.3. 16 100. 1%食 塩 の. ,.

(7) 559. 奥田和子・水谷徳子. 口  轟 く 収 ⊃ 暉 比 測3 D 椰戦 φ哨. 0. 1。 o. l.1. 1.2. 味噌汁の食塩濃度. 1。. 3. %. 一■一 複合調味料濃度 5% ク 一▲一 10%. 一 〇一 複合調味料濃度 15% ク 20% 一 ●一. 図 1 味噌汁の嗜好性に及ぼす複合調味料濃度の影響 汁 が好 まれた。 1。. 2%食 塩 の汁 は複合調味料濃度 が高 ま るにつ れ て好 まれ る. 比率 が低下 した。逆 に1。 0お よび1。. 1%食 塩 の汁 を好 む比率 は複合調味料濃度. の増加 につ れ て 高 ま り,複 合調味料濃度 35。. 5,10,20%で. はそれぞれ ,43。. 6%. 7%,68。 8%,75。 1%と 濃度 とともに増加 した。. 複合 調味料濃度 によ って好 まれ る食塩濃度 が異 な ったので ,同 一 食塩濃度 表10 0。 9%お よび1.0%食 塩濃度 の汁 の嗜好性 に及 ぼす 複合調味料濃度 の影響 食 塩 濃 度 複合調味料 の濃度 %. 0。. %. 9. %. % 7. 0. 6。. 23.1. 33.3. 15. 15.4. 40.0. 20. 61.5. 20.0. 100. 100. 5. 10. ︿口. 言 十. 13.

(8) 味噌汁 の呈味作用に及 ぼす旨味成分 の影響. 56θ. c  無 < 収 D 測3 D 悩虫 φ唱. 複合調味料濃度 一 ●- 0。 9%食 塩濃度. %. ― O-1。 3%食 塩濃度. 図 2 0.9お よび1.3%食 塩濃度の汁の嗜好性 にお け る複合調味料濃度 の嗜好性 を検討 し,結 果 を表10お よび図 2に 示 した。. 9%の 汁 で は , 複合調味料 5%を 好 む比率 が低 く, 複合調味料 20%が 最 も好 まれた。一 方 ,食 塩濃度 1.3%で は,逆 に複合 調味料 10お よび 食塩濃度0。. 15%を 好 む ものが , 5お よび20%を 好 む ものよ り多 か った 。. 3. 複合調 味料添加 による味噌汁 の化学成 分 の 変動. 本 実験 に用 いた複合 調味料 の添加量 は ,0。 05∼ 0.25g/100π Jで あ る。 こ れ ら水 溶液 の FNを 図 3に 示 した。 複合調味料水溶液 の FNは. ,複 合調味料 の濃度 の増加 とと もに直線 的に増. 加 し,2∼ 13mgの 範 囲 に あ った。 味噌汁 に 5∼ 20%の 複合調味料 を添加 した場合 , ‖^の 食塩 お よび. FNの. 変動を図 4に 示 した。 味噌 の FNは ,味 噌 および複合調味料 の増加 に ともな い増加 した。 前項 に おけ る官 能検 査 の結果 で は,最 も好 まれた味噌 汁 の FNは ,60∼ 65 範囲 に あ った。. mg%の.

(9) 奥田和子 0水 谷徳子. 0. 0.05. 0.10. 5δ ゴ. 0。 15 0。 20. 0.25. 複 合調味 料濃 度 (g/100ml). 図 3 複合調味料水溶液における. FN. ︵S ¨こ z﹄. ● 複合調味料 20% ク 15% △ ク 10%. O. ■ ▲. ″ ″. 5% 0%. ◎ 最も好 ましい汁. V. O.7. 0.8. 0。. 9. 1。 0. 1。 1. 1。 2. 1.3. 食 塩 濃 度 (%). 図 4 複合調味料濃度による味噌汁 の食塩濃度 と FNと の関係. これ らの汁 の. FN/食 塩を図 5に 示 した。最 も好 まれ る FN/食 塩 は ,汁 の. 食塩濃度 によ って異 な り,1。 1。. 2%食 塩濃度 では47。. 1%食 塩濃度 で は FN/食 塩 は52。. 5お よび55.0,. 5お よび50。 0が 好 まれた。 一 方 , 味噌 のみで複合調味. 料無 添加 の場合 に は ,le 3%食 塩濃度 が好 まれ ,FN/食 塩 は45。 0で あ った。.

(10) 味噌汁 の呈味作用 に及 ぼす旨味成分の影響. 562. ︵ 響α\︵ 塚¨日︶z﹄ I︶. 複合調味料. 20%. 〃. 15%. ″. 10%. ″. 5%. ″. 0%. ◎最 も好ましい汁. 1.0. 1.1 食. 塩. 濃. 1.2 度. 1.3. (%). 図 5 味噌汁の各食塩濃度 における 好 まれ る汁 の. Ⅳ. 考. FN/食 塩. FN/食 塩 は ,汁 の 食 塩 濃 度 が高 い ほ ど低 くな った 。 察. 食塩濃度 0.8∼ 1.3%で , 複合調味料無 添加 の場合 ,. 0。. 1%食 塩濃度差 の汁. の塩 か らさを判別す る ことは容易 で あ った 。 しか し,食 塩濃度 が一定 の汁 に. ,. 5∼ 20%の 複合調味料 を加えた場合 ,塩 か らさの判別 にはなん ら差 が認 め ら れなか った 。また ,0。 8∼ 1。. 3%の 食塩濃度 の汁 に , 5∼ 20%の 複合調味料 を. 1%食 塩濃度差 の汁 の塩か らさの識別 は可能 で あ った。 これ らの ことか ら, 5∼ 20%の 複合 調味料 が存在 して も,0。 1%食 塩濃度差 の塩. 加 えた場合 ,0。. か らさの判別 が可能 で あ り,塩 か らさがわか らな い とい う現象 はみ られ な い こと,ま た 食塩濃度 の 同 じ汁 で は複合調味料 の添加 によ って塩 か らさが変 ら な い こ とを認 めた。前報までに味 噌汁 の化学成分を示 したが ,家 庭 によ って 食塩濃度 は相 当異 な っていた 。 これ は,旨 味 の共存 によ り,塩 か らさが判定 し くくな るために生 じた もので はな く,汁 の塩 か らさの好 みが変化す るため で あろ うと推察 され る。 好 ま しい汁 の食塩濃度 は ,複 合調味料濃度 によ つて異 な る ことを認 めた。.

(11) 5“. 奥田和子・水谷徳子. す なわ ち複合調味料 が多 くな るほど,好 まれ る食塩濃度 は低下 した。15%以 上 の複合調味料 で は1。. 1%食 塩 ,10%以 下 の複合調味料 で は 2%食 塩 の汁 が 1。. 好 まれた。 この原 因 と して ,旨 味 の 多 い汁 で は 旨味 が味 の主体 とな り,塩 味 を控 え る方 が味 の調和 が とれやす いか らで あろ う。他方 ,旨 味 の乏 しい汁 で は塩味 が主 体 とな る。前者 で は スー プ的 な 味 とな り,後 者 で は伝 統的 な 味噌 汁 の味 にな る。著 者 らの行 な った 調査 で は ,図 6に 示 す よ うに味噌汁 の食塩 濃度 は数年間 に徐 々に減少 した。 すなわ ち ,汁 の食塩濃度 の平均値 は,昭 和 50年 ,在 来味噌 で1。. 41%,昭 和58年 ,在来 味噌1.28%,う す塩味噌 23%で 1。. あ った 。 このよ うに ,汁 の食塩濃度 が低下 して い るのは ,嗜 好 が うす塩 に移 行 してい る こと,さ らに 旨味に富んだ スープ的 な汁 を食 べ るひん度 が多 くな って い る こ とな どのためで あろ う。 これ らの こ とか ら,汁 の食塩濃度 を低下 させ るに は , ぐま た はだ しを 多 く して 旨味 に 富む汁を つ くる ことが望 ま しい。 前報 で は ,う す塩味噌を用 いた汁 の食塩濃度 が ,在 来 味噌 のそ れに比 べ て 低 い場合 ,汁 の FNが 多 く,そ れ らの汁 で はだ しや ぐに特徴 がみ られた。す なわ ち,減 塩効果 の認 め られた汁 で は ぐと して FNの 溶 出量 の多 い食品 が. ,. だ しと して はかつ お ,こ んぶ ,に ぼ しな どの天 然物 が用 い られ て いた。 しか し,風 味調味料を用 いた汁 で は ,風 味調味料 に含 まれ る食塩 のために食塩 濃 度 が高 くな り,. FN/食 塩 が比 較的低 い傾 向 を示 した。. これ らの ことか ら. ,. 汁 の低食塩化 を はか るには ,風 味調 味料 の使用 は好 ま しくない。 好 まれ る複合 調味料濃度 は食塩 濃度 によ って異 な った。0。. 9%食 塩 で は 20. %複 合調味料 の汁 が ,1.3%食 塩で は 旨味 の うす い汁 が好 まれた。 複合調味 料 ,20%,1。 3%食 塩 の汁 で は , 味 が濃厚 す ぎて不調和 にな る。 旨味 の 強 い だ しを用 い る場合 には食塩濃度 が低 いほ うが嗜好 に合 うよ うで ある。 複合調味料を加 え るめやす は ,食 塩濃度 に対 して 5∼ 10%が 好 ま しい とさ れて い るが ,味 噌汁 の場合 に は異 な った。 つ ま り,好 まれ る複合調味料 の量 は ,味 噌汁 の食塩濃度 によ って異 な ったか らで あ る。 と くに ,食 塩濃度 の低 い場合 には ,20%複 合調味料 が ,一 方 ,食 塩濃度 の高 い場合 には ,15∼ 10% 複合 調味料 が好 まれた。.

(12) 味噌汁 の呈味作用 に及 ぼす 旨味成分 の影響. 5δ 4. 食 塩. 濃. 1.0. 1.5. %. 度. 2.0. 2.5. 変動 係 数. %. r l ﹁. 来. l. 在. l k. 50,11. 21. 58, 5. 21. 58,11. 26. 59, 6. 21. 58, 5. 24. 58,11. 27 16. 59, 6. -. 59, 6. 図6. 20. x. 平均値. 味噌汁の食塩濃度 の分布,平 均値 変 動係数 ―. ,. FN濃 度 mg% 40. 60. 80. 100. 変動 係 数. 120. r l. 25. 58, 5. 28. 58,11. 32. l. 50,11. ︲. 来. 在. ︱ l k. 59, 6. 26. 144 引. 58, 5. 35. 58,11. 26. 59, 6. 21 21. 59, 6 平均値. 図7. 味噌汁 の. FNの 分布 ,平 均値 ,変 動係数 FN mg%/食 塩 %. 20. 40. 60. 80. 100. 変動 係 数. 来. 在. r l l t = ︱ l. 19. 50,11. 58, 5. 10 144. 58,11. 27. 6 59, ′. 20. 58, 5. 7. 58,11. 23. 59, 6. 15. 59, 6. 19. 図 8 味噌汁 の. X平 均値. FN/食 塩の分布,平 均値,変 動係数. %. %.

(13) 5“. 奥田和子・水谷徳子 好 まれ る味噌汁 の FNは 60∼ 65. mg%の 範 囲 に あ り,FN/食 塩 は食塩濃. 度 によ り異 な った。FN/食 塩 が52。 5∼ 55で は ,食 塩 1。 0%,47。 5お よび50。 0 で は1。. 2%食 塩 が好 まれた。 ちなみに , 前報 まで の一般 家庭 を対象 に した味. 噌汁 の過去 の調査結果 で は ,図. 6, 7お よび 8に 示 す よ うに ,汁 の食塩濃度. の変動係数 は15∼ 26%で あ った 。 また , ぐ,だ しお よび 味噌 に 由来 す る FN の変 動係数 は,21∼ 34%,FNの 平均値 はほぼ 50∼ 65mg%,. FN/食 塩 の値. は ,ほ ぼ45∼ 55の 範 囲 にあ った 。 これ らの値 は本実験 に よ って得 られた結果 とほぼ近 似 して いた ことか ら,汁 の味 つ けは塩味 と旨味 の両 成分 の バ ラ ンス で 決定 されて い る もの と推察 した。. V. 約. 要. 信州 系淡色味噌 一 在来種 に複合 調味料を添加 した 味噌汁 を調製 し,塩 か ら さの識別 と嗜好性 を官能検査 によ り調 べ ,好 まれ る汁 の食塩 と FNの 関係 に つ いて 検討 した。 0。. 9∼ 1。. 2%の 食塩濃度 の味噌汁 にお いて ,0。 1%濃 度差 の汁 の塩か らさの. 判別 が可能 で あ った。複合調味料 5∼ 20%を 添加 した場合 にお いて も同様 に 0.8∼ 1。. 3%食 塩濃度 の汁 の塩 か らさの判別 が可能 で ある ことを認 めた。複合. 調味料 の 多 い汁 で は食塩濃度 の低 い汁 が好 まれ ,複 合調味料 の好 ま しい添加 量 は ,汁 の食塩濃度 によ って異 な った 。0.9%食 塩濃度 で は , 複合調味料 は. 3%食 塩濃度 で は15お よび10%複 合調味料 が好 まれた。 好 まれ る汁 の FNは 60∼ 65 mg%の 範 囲に あ り, FN/食 塩 は食塩 が低 い場合 には高. 20%, 1。. く,逆 に食塩 が高 い場合 には低 い ものが好 まれた。 これ らの ことか ら,複 合調味料 を多 くすれば ,食 塩濃度が低下す る ことを 認 めた。だ しや ぐか ら旨味成分 の 多 く溶 出す る汁 を調製すれば ,汁 の食塩濃 度 を下 げ る ことが可 能 で あ る。 文. 献. 1)奥 田和子,桶 口徳子,上 田隆蔵 2)奥 田和子,水 谷徳子 :未 発表. :家 政学会全国大会要 旨集. 91 (1983).

(14) 5“. 味噌汁の呈味作用に及 ぼす旨味成分 の影響. 3)奥 田和子,森 山高子,上 田隆蔵 :味 噌の科学 と技術 278 28(1977) 4)奥 田和子,水 谷徳子 :家 政学会関西支部会要旨集 3 (1984) 5)松 野武夫 :調 理科学 1 4 172 (1968).

(15)

表 2 0.9%お よび 1.3%食 塩濃度の汁における塩からさの識別に 及ぼす複合調味料濃度の影響 得 已矮塚 情虚丁警讐 塑誓― 丁笑讐塑稀― %   A  B(A× B)(Cの 合計 )B(A× B)(Cの 合計 ) 4     4 1       6 6 5    10 2                                402      1              46 2     65                     63      2 5    204     832

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