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大豆サポニンの摂取量、吸収性、機能性に関する研究

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博士学位論文

大豆サポニンの摂取量、

吸収性、機能性に関する研究

平成 31 年 3 月 5 日

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1 目次 序論...3 第 1 章 大豆食品中の大豆サポニン含有量および 日本人の推定摂取量に関する調査...9 第 1 節 緒言 第 2 節 方法 第 3 節 結果 第 4 節 考察 第 5 節 引用文献 第 2 章 大豆サポニンの吸収性比較に関する研究...28 第 1 節 緒言 第 2 節 方法 第 3 節 結果 第 4 節 考察 第 5 節 引用文献 第 3 章 大豆サポニンの機能性に関する研究(動物を用いた解析)...53 第 1 節 緒言 第 2 節 方法 第 3 節 結果 第 4 節 考察 第 5 節 引用文献 第 4 章 大豆サポニンの機能性に関する研究(培養細胞を用いた解析)...71 第 1 節 緒言 第 2 節 方法

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2 第 3 節 結果 第 4 節 考察 第 5 節 引用文献 和文要約...93 英文要約(SUMMARY)...97 発表論文...102 謝辞...105

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3 序論 大豆の機能性成分は脂質代謝改善をはじめ、様々な健康機能を促進することが報告 されている。機能性成分として、大豆タンパク質、β-コングリシニン、イソフラボン、大豆ペ プチド、レクチン、トリプシンインヒビター、レシチン、トコフェロール、大豆サポニンなど多く の機能性成分が知られている[1-4]。中でも、大豆サポニンにはコレステロール低下、血 糖値の低下、腎疾患の進行抑制および抗炎症、レニン活性阻害、肝保護といった報告が なされている[4-11]。 大豆サポニンはオレアナン型のトリテルペノイド配糖体の構造をもち、主にはソヤサポゲ ノール A(アグリコン)を基本骨格にもつグループ A ソヤサポニン(配糖体)とソヤサポゲノ ール B(アグリコン)を基本骨格にもつグループ B ソヤサポニン(配糖体)とに分類される (Fig. 1)。グループ A ソヤサポニンは C-3、C-22 の 2 ヶ所から糖鎖が延びた構造を有して おり、糖鎖を構成する糖の種類および糖へのアセチル基の付加の有無により、多数の同 族体から構成されている。グループ B ソヤサポニンは C-3 の 1 ヶ所から糖鎖が延びた構 造を有しており、グループ A と比較して少ないものの、複数の同族体から構成されている。 近年、ソヤサポニンの中でもグループ B ソヤサポニン特異的に効能を示す報告例もあり [11-14]、ソヤサポニンのグループによる効能の強さの違いが示唆されている。 その一方、 大豆サポニンを構成する化合物の多さ、および構造の複雑さが大豆サポニンの簡便な定 量を妨げていた点および、高感度な分析方法が確立されていない点も大豆サポニンの研 究を困難にしていた。そこで、大豆食品および血漿中に含まれる大豆サポニン分析方法 を確立し、大豆サポニンの摂取量、吸収性、機能性の研究に取り組んだ。 第 1 章において、大豆食品中に含まれる大豆サポニンの配糖体およびアグリコンを調 査し、一部の発酵食品および大豆加工食品において、配糖体のみならず、アグリコンも含 まれていることを明らかにし、大豆サポニンの配糖体とアグリコンの両者を大豆食品から摂 取しているという知見を得た。また、国民健康・栄養調査の結果に基づき、わが国におけ る 1 日あたりの大豆サポニンの推定摂取量算出および供給源を調査した。 第 2 章において、大豆サポニンのグループの違いによるバイオアベイラビリティ(生物学 的利用能)の違いについて、ラットに大豆サポニンを単回経口投与し、血中動態を調査し た。大豆サポニンはアグリコンと配糖体では、アグリコンの生物学的利用能が高いことおよ

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4 び、グループ A とグループ B とではグループ B において生物学的利用能が高いことを見 出した。また、Caco-2 ヒト結腸ガン細胞を用いたin vitro吸収モデルにおいて、ソヤサポゲ ノール B の吸収性が高い点を見出し、グループ B ソヤサポニン特異的な機能が発揮され る理由の1つではないかと考察した。 第 3 章において、大豆サポニンの機能性研究を行うにあたり、これまでに大豆サポニン の抗肥満作用は報告されていないため、マウスによる抗肥満試験を実施した。試験にお いて、生物学的利用能が高いグループ B ソヤサポニン(配糖体)およびソヤサポゲノール B(アグリコン)を添加した高脂肪食餌を摂取する群を設定し、抗肥満効果の強さを調査し た。グループ B 大豆サポニンの中でも、特にソヤサポゲノール B 摂取群において、高脂肪 食を摂餌したマウスの体重増加、脂肪重量増加を抑制しつつ、筋肉量を維持しているこ とを見出した。 第 4 章において、動物試験で観察された大豆サポニンの抗肥満作用に関し、培養細 胞を用いて解析した。マウス 3T3-L1 細胞を用い、分化後の脂肪細胞の培地を大豆サポ ニンのアグリコンであるソヤサポゲノール A もしくはソヤサポゲノール B を含む培地に置き 換えた。培地中のグリセロール量、遊離脂肪酸量はビークル添加群と比較して、ソヤサポ ゲノール A 添加群および B 添加群において増加し、特にソヤサポゲノール B の添加によ って増加が強まっていた。このとき、脂質代謝に関係している脂肪酸合成酵素(FAS)、ペ ルオキシソーム増殖活性化因子γ(PPAR-γ)といった酵素、転写因子の発現量に関し て、有意差は認められなかった。一方、細胞から分泌アディポネクチンおよびレジスチン 量はソヤサポゲノール B 処理培地と比較して、ビークル処理培地中では低下していること を見出した。この結果はソヤサポゲノール B がレジスチン分泌の減少を伴った、脂肪分解 を促進することにより、細胞内のトリグリセライド量を低下させ、抗肥満効果を発揮すること を示唆していた。

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5

(A)

O O OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 COOH O H O H OH O H OH H 3 4 13 12 21 22 O O H OH O R2 R1 O O OH O H H O OAc OAc OAc R3 OH O OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 COOH O H O H OH O H 3 4 13 12 21 22 O O H OH O R2 R1

Group A soyasaponins

Group B soyasaponins

Ac, acetyl group

Glc, glucose

Rha, rhamnose

R1 R2 R3 soyasaponin Aa (A4) CH2OH β-D-Glc H soyasaponin Ab (A1) CH2OH β-D-Glc CH2OAc

soyasaponin Ac CH2OH α-L-Rha CH2OAc soyasaponin Ad H β-D-Glc CH2OAc soyasaponin Ae (A5) CH2OH H H

soyasaponin Af (A2) CH2OH H CH2OAc soyasaponin Ag (A6) H H H soyasaponin Ah (A3) H H CH2OAc

R1 R2

soyasaponin Ba (V) CH2OH β-D-Glc

soyasaponin Bb (I) CH2OH α-L-Rha

soyasaponin Bc (II) H α-L-Rha soyasaponin Bb' (III) CH2OH H

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6

(B)

OH O H OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 OH 3 4 13 12 21 22 OH O H OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 3 4 13 12 21 22

soyasapogenol A

soyasapogenol B

Fig. 1. Chemical structures of group A soyasaponins, group B soyasaponins,

soyasapogenol A, and soyasapogenol B.

(A) Chemical structures of group A soyasaponins and group B soyasaponins

(B) Chemical structures of soyasapogenol A and soyasapogenol B

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7 引用論文

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9 第 1 章 大豆食品中の大豆サポニン含有量および日本人の推定摂取量に関する調査 第 1 節 緒言 大豆サポニンは抗酸化作用[1]、コレステロール低下作用[2]、血糖値の低下[3]、抗腎 疾患の進行[4]、抗炎症[5]、レニン活性阻害[6]、肝保護[7]、および抗腫瘍作用[8,9,10] などの、様々な健康機能が報告されている。大豆サポニンはトリテルペノイド配糖体であり、 オレアナン型アグリコンに糖鎖が付加されている。大豆サポニンは主にグループ A とグル ープ B に分類されている。グループ A ソヤサポニンはソヤサポゲノール A の C-3 位およ び C-22 位に糖が付加されている。一方、2,3-ジヒドロ-2,5-ジヒドロキシ-6-メチル-4H-ピ ラン-4-オン(DDMP)を含むグループ B ソヤサポニンはソヤサポゲノール B の C-3 位に糖 が付加されている(Fig.1)。 大豆中のソヤサポニンを定量するためのいくつかの方法が報告されている。Jin ら[11] は質量分析計(MS)と結合した高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)法を開発し、50 を 超えるソヤサポニン同族体を定量した。しかしながら、Jin ら[11]の方法によってソヤサポ ニン含量を測定するとき、対応するソヤサポニン標準品が用いられていなかった。Murphy ら[12] は、豆乳、大豆乳幼児用調合乳、豆腐のような大豆食品および味噌、テンペ、納 豆など、発酵大豆食品のグループ B ソヤサポニンの含量を報告している。ほとんどの大豆 食品には例外もあるが、グループ B ソヤサポニンが約 1mmol/g 以上含有することを報告 している。 しかしながら、彼らは主要な大豆サポニン化合物でもあるグループ A ソヤサポニンの含 量を測定しておらず、さらには、発酵大豆食品中に生成されると予想されるソヤサポゲノ ール(アグリコン)の含量も測定していなかった。 Hu ら[13] は、グループ B ソヤサポニンの1つであるソヤサポニン I が、ヒトの糞便中微 生物の存在下でソヤサポゲノール B に変換されたことを報告している。我々はソヤサポゲ ノールがラットにおいて、ソヤサポニン(配糖体)がソヤサポゲノール(アグリコン)へ変換さ れることを報告している [14]。 加えて、我々はソヤサポゲノールが対応する配糖体よりも 非常に良好に吸収され、グループ B ソヤサポニンは、グループ A ソヤサポニンよりも良好

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10 に吸収されることを報告した[14]。したがって、ソヤサポゲノールはより強力な健康促進効 果を有することが期待されるが、大豆食品中の総ソヤサポニン含量および総ソヤサポゲノ ール含量は完全には明らかにはなっていない。 日本人は有益な健康機能性をもたらすと考えられる多くの大豆製品を消費している。 大豆サポニンの摂取量を測定することは有益な健康機能性と安全性を評価する上で重 要である。しかしながら、日本人が摂取するソヤサポニンとそのアグリコンであるソヤサポゲ ノール量は明らかにされていない。そこで、HPLC-MS/MS を用いて、大豆食品中のグル ープ A およびグループ B ソヤサポニン、ソヤサポゲノール A および B の含有量を測定す る方法を開発した。また、大豆食品中のソヤサポニン、ソヤサポゲノール含量および国民 健康・栄養調査 [15] に基づいて、わが国における 1 日あたりのソヤサポニンおよびソヤ サポゲノール摂取量を推定した。 第 2 節 方法 試薬

Soyasapogenol A および B(純度: 98%以上)は、Tokiwa Phytochemical(Chiba, Japan) から購入した。溶媒および他の化学物質は、HPLC グレードまたは同等レベルを使用し た。 試験に用いた大豆食品 試験に用いた大豆食品は地域のスーパーマーケットやオンラインストアから購入した。 分析サンプル数は、醤油 6 品、味噌 9 品(白味噌 4 品、赤味噌 5 品)、納豆 5 品、豆腐 3 品、油揚げ 5 品、きなこ 2 品 豆乳 4 品、テンペ 3 品であった。 納豆からの抽出方法

納豆 20g を、ブレンダー(Oster Co., Milwaukee, WI, USA)を用いて粉砕した。粉砕物 は 50mL の 70%(v/v)エタノール中で 1 時間超音波処理した。1500g で 15 分間、遠心分 離をした後に上清を回収した。この上清回収を 2 回繰り返し、回収した上清を合一し、ロ ータリーエバポレーターを用い、減圧下にて濃縮した。次に、濃縮した上清に水 100mL と 酢酸エチル 200mL を加え、分液漏斗で振とうした。静置後に上層の酢酸エチル層を回収

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11 した。分液漏斗内の残留液に酢酸エチル 200mL を加え、同様の操作を 2 回繰り返した。 回収した酢酸エチル画分を合一し、ロータリーエバポレーターを用い、減圧下にて濃縮し、 最終的に 10mL にメスアップした。 醤油からの抽出方法 醤油 200mL に酢酸エチル 400mL を加え、分液漏斗で振とうした。静置後、上層の酢酸 エチル画分を回収した。次に、分液漏斗内の残留液に酢酸エチル 200mL を加え、同様 の操作を 2 回繰り返した。回収した酢酸エチル画分を合一し、ロータリーエバポレーター を用いて減圧下にて濃縮し、最終的に 10mL にメスアップした。 他の大豆食品からの抽出方法 豆腐、油揚げ、テンペには 15-20g に対して、50mL の 70%(v/v)エタノールを添加し、 納豆粉砕時と同じブレンダーにて粉砕した。また、味噌、きなこ、豆乳には 3~5g に対して、 100mL の 70%(v/v)エタノールを添加し、ブレンダーを用いて粉砕はしなかった。どのサ ンプルとも 1 時間超音波処理し、1500g で 15 分間の遠心分離後に上清を回収した。 豆腐、油揚げ、テンペについては回収後の残渣に 70%(v/v)エタノール 50mL を加え た。味噌、きなこ、豆乳については回収後の残渣に 70%(v/v)エタノール 100mL を加えた。 スラリー混合物を再度、超音波処理し、1500g で 15 分間遠心分離した後、上清を回収し た。回収した上清はロータリーエバポレーターを用いて減圧下にて濃縮し、50mL にメスア ップした。 ソヤサポゲノールおよびソヤサポニンの総含有量およびソヤサポゲノールの割合の算出 調製したサンプルを 0.45μm の DISMIC シリンジフィルター (ADVANTEC, Tokyo, Japan)で濾過した後、大豆食品中のソヤサポゲノール A およびソヤサポゲノール B の含量 を HPLC-MS/MS により測定した。 総大豆サポニン含量は以下のように計算した。濃縮サンプルの一部に 10%(w/w)塩酸 -メタノール 10mL を加え、80℃で 2 時間加熱還流した。ソヤサポニンの加水分解が完全 に行われ、この加水分解条件下で分解されたソヤサポゲノールはほとんど検出されなかっ た。処理したサンプルをメタノールで 100mL に希釈し、HPLC-MS/MS によりソヤサポゲノ

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12 ール A およびソヤサポゲノール B の含量を測定した。 総大豆サポニン含量は、ソヤサポゲノール A およびソヤサポゲノール B のモル量(nmol g/湿重量)にて算出した。大豆食品中にもともと含まれているソヤサポゲノールの割合は、 大豆食品中のソヤサポゲノール A およびソヤサポゲノール B の含有量を、塩酸-メタノー ルで処理した後のソヤサポゲノール A およびソヤサポゲノール B の含有量で割ることによ って算出した。大豆食品サンプル中のソヤサポニンおよびソヤサポゲノールについては 2 回繰り返しで分析し、含量を平均±標準偏差(SD)にて示した。 HPLC-MS/MS による分析 大豆食品の大豆サポニン含量は以下のように測定した。蒸発した抽出物を含む調製メ タノール溶液を濾過し、濾液を HPLC-MS/MS(ACQUITY UPLC および Quattro micro API, Waters, MA, USA)に供した。HPLC 分析はオートサンプラー、カラムオーブンおよび フォトダイオードアレイ(PDA)検出器を備えた Waters ACQUITY UPLC システムを用いて 実施した。

検出には multi reaction monitoring(MRM) mode で陽イオンモードのエレクトロスプレ ーイオン化 MS を用いた。source temperature は 120℃、desolvation temperature は 350℃ とし、キャピラリー電圧は 3kV、窒素ガスの流量は 600L/hr に設定した。ヘリウムガスをトラ ップに導入して、プレカーサーイオンとの衝突を誘導した。ソヤサポゲノールの MRM パラメ ータの概要を Table 1 に示す。 ソヤサポゲノールA(14.7μg/mL)およびB(17.2μg/mL)標準溶液ピーク面積の変動係 数(CV)はそれぞれ1.0%および1.5%であった(n = 6)。 ソヤサポニンとソヤサポゲノールの摂取量算出 大豆食品中のソヤサポニンとソヤサポゲノール含有量分析結果と日本人の大豆食品 消費量調査[15]に基づいて、ソヤサポニンとソヤサポゲノールの 1 日あたりの摂取量を算 出した。重量あたりの摂取量を把握するため、ソヤサポニンの総モル濃度を算出した。ソ ヤサポニン A1(分子量 :1437)およびソヤサポニン I(分子量 :943)は、それぞれグループ A およびグループ B ソヤサポニンの主成分であると報告されているため [16,17]、大豆サ ポニン A1 および大豆サポニン I をそれぞれグループ A およびグループ B ソヤサポニンの

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13 代表として用いた。 第 3 節 結果 大豆食品中のソヤサポニンとソヤサポゲノール総量 大豆食品中にソヤサポニンの同族体が多数存在することにより、ソヤサポニンの各化合 物の分析を困難にしていた。そのため、ソヤサポニン総含量の測定はこれまでなされてい なかった。そこで、我々はモル量による総ソヤサポニン含量の決定を試み、各ソヤサポニ ン化合物をソヤサポゲノールに変換したうえで、高感度 HPLC-MS/MS 法を用いて分析し た。 我々はまた、加水分解による前処理なしに大豆食品中の大豆サポニンアグリコンである ソヤサポゲノール A およびソヤサポゲノール B の含有量を測定した。大豆食品中のソヤ サポニンおよびソヤサポゲノール総含量を Table 2 に示す。各大豆サポニン化合物の分 子量は異なっているため、大豆食品の大豆サポニン含量は、結果を比較しやすくするた め nmol/g で示した。 味噌におけるソヤサポニンからソヤサポゲノールへの変換 味噌は乳酸菌および麹菌によって発酵されるペースト型調味料である。白味噌と赤味 噌がよく知られている味噌であり、白味噌は黄白色で、発酵期間は短期間(通常 1 ヶ月) である。赤味噌は白味噌とは対照的に、褐色の外観を特徴とし、発酵期間は長期間(通 常 3 ヶ月以上)である。味噌中のソヤサポニン総含量の平均 (n = 9)は 471.8nmol/g で あり、赤味噌、白味噌の製造工程との関連はほぼみられなかった。白味噌、赤味噌の両 者からソヤサポゲノール B は検出されたが、グループ B ソヤサポニンに対するソヤサポゲノ ール B 比率は赤味噌で高かった。 納豆およびテンペにおけるソヤサポニンからソヤサポゲノールへの変換 納豆は納豆菌によって発酵される大豆食品である。納豆中のソヤサポニン総含量の平 均(n = 5)は 1004.9nmol/gであった。テンペはインドネシアの伝統的な大豆食品であり、 テ ン ペ 菌 に よ っ て 発 酵 さ れ る 。 テ ン ペ 中 の ソ ヤ サ ポ ニ ン の 総 含 量 の 平 均 ( n = 5 ) は 921.0nmol/g であった。

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14 醤油におけるソヤサポニンからソヤサポゲノールへの変換 醤油は液状調味料であり、乳酸菌、酵母および麹菌等によって発酵される。醤油中の ソヤサポニン総含量の平均(n = 6)は、4.4nmol/g であった。醤油からはソヤサポゲノール A、ソヤサポゲノール B の両者とも検出された。 他の大豆食品におけるソヤサポニンからソヤサポゲノールへの変換 豆腐(n = 3)、油揚げ(n = 5)、きなこ(n = 5)、豆乳(n = 3)のソヤサポニン平均含量は、 それぞれ 1004.9、1605.2、2943.4 および 393.3nmol/ g であった。 ソヤサポニン含量と過去の報告との比較 Murphy らは豆腐 7 品のグループ B ソヤサポニン平均含量が乾燥質量ベースで 4.4μ mol/g であると報告している[18]。 Hu らは豆腐および豆乳中のグループ B ソヤサポニン 平均含量は乾燥重量ベースで、それぞれ 4.5 および 5.1μmol/g と報告している[13]。ま た、Kitagawa らは豆腐および納豆のグループ B ソヤサポニンの平均含量は、それぞれ約 2.03-2.09 μmol/g および 1.78-1.84 μmol/g であることを報告している[19]。 Ireland らは、豆乳中のソヤサポニン含量の平均が 4.0μmol/g であることを報告しており[20]、 我々の結果は過去に報告されている含量と同程度であった。 日本人のソヤサポニンおよびソヤサポゲノールの 1 日当たりの総摂取量 日本人の 1 日あたりの大豆食品の平均摂取量は、豆腐 36.3g、納豆 6.5g、味噌 12.5g、 油揚げ 7.4g、醤油 17.4g、きなこ 1.9g、その他(豆乳とテンペを含む) 1.4g であった。 Fig. 2 に示すように、グループ A ソヤサポニン、グループ B ソヤサポニン、総ソヤサポニン 摂取量は、それぞれ 13.9 μmol/day(20.0 mg/day、soyasaponin A1 換算)、39.1 μ mol/day(36.8 mg/day、soyasaponin I 換算)、53.0 μmol/日(56.8 mg/day、soyasaponin A1 および soyasaponin I 当量を合算)であった。

摂取する大豆食品の種類および量は個人差があり、大豆食品からの大豆イソフラボン 摂 取 量 に つ い て 調 査 が い く つ か 行 わ れ て い る 。 大 豆 イ ソ フ ラ ボ ン の 平 均 摂 取 量 は 39.46mg(最低 7.8-最大 87.7mg)であった[21]。

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15 第 4 節 考察 大豆食品におけるソヤサポニンからソヤサポゲノールへの変換量に関して、長期発酵 および成熟プロセスを有する赤味噌はグループ B ソヤサポニンからソヤサポゲノール B へ の変換を促進するようであった。しかしながら、味噌からソヤサポゲノール A は検出されな かった。グループ A ソヤサポニンの糖鎖構造はグループ B ソヤサポニンのそれよりも複雑 なため、製造工程内で糖鎖の完全な除去がなされなかったと考えられる。Murphy らは白 味 噌 および赤 味 噌 における大 豆 イソフラボンアグリコンの比 がそれぞれ 29.0%および 39.4%であると報告している[12]。大豆イソフラボンの配糖体部分の構造は大豆サポニン と比較してシンプルであり、短時間の発酵および成熟過程で容易に除去されたのではな いかと思われる。 発酵工程を伴わない油揚げ、きなこ、豆乳において、少量のソヤサポゲノール B が検出 されている。これは熱処理工程中にグループ B ソヤサポニン中の糖鎖の加水分解が起き たことを示唆している。 醤油に関しては、ソヤサポゲノール A および B とも検出されているが、醤油中のソヤサ ポゲノール含量は低い。ソヤサポゲノールのような疎水性の多くの化合物は、製造過程に おいて除去されたかもしれない。 大豆発酵食品の中でも納豆、テンペは少量のソヤサポゲノール B が検出されただけで あるため、ソヤサポニンからソヤサポゲノールへの変換には微生物の種類と発酵に要した 時間が影響していることが示唆された。 摂取する大豆食品の種類および量は個々人よって異なっており、大豆食品からの大豆 イソフラボン摂取の調査がいくつか行われている。大豆イソフラボンのケースでは、平均摂 取量は 39.46mg/day(最低 7.8-最大 87.7mg/day)であった[21]。また、95 パーセンタイル の推定摂取量は平均摂取量の 2.8 倍であった[22]。ソヤサポニン摂取量の変動は、大豆 イソフラボンと同程度であると思われる。 ソヤサポゲノールの平均摂取量は 0.59μmol/day (271μg/day)であり、大部分はソヤ サポゲノール B の形態であった。ソヤサポニン供給源に占める味噌の割合は 11.0%であ った一方で、ソヤサポゲノール供給源の大部分(96.6%)は味噌が占めていた。地域によ って味噌の嗜好性が異なるため、ソヤサポゲノール B の 1 日あたりの摂取量も赤味噌が好

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16 まれる地域で高いことが推察される。 ソヤサポニンは様々な健康機能を促進すると報告されているが、ソヤサポニン摂取によ る影響は不明なままである。最近、グループ B ソヤサポニンはグループ A ソヤサポニンより もよく吸収され、ソヤサポゲノール B はグループ B ソヤサポニンよりもよく吸収されることが 発見された[14]。各種健康機能のために必要とされるソヤサポニンの用量および必要とさ れるソヤサポニンの種類に関して今後、更なる研究が必要である。

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(A)

O O OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 COOH O H O H OH O H OH H 3 4 13 12 21 22 O O H OH O R2 R1 O O OH O H H O OAc OAc OAc R3

Group A soyasaponins

MW

R

1

R

2

R

3

soyasaponin Aa (A4)

1365

CH

2

OH

β-D-Glc

H

soyasaponin Ab (A1)

1437

CH

2

OH

β-D-Glc

CH

2

OAc

soyasaponin Ac

1422

CH

2

OH

α-L-Rha

CH

2

OAc

soyasaponin Ad

1408

H

β-D-Glc

CH

2

OAc

soyasaponin Ae (A5)

1203

CH

2

OH

H

H

soyasaponin Af (A2)

1275

CH

2

OH

H

CH

2

OAc

soyasaponin Ag (A6)

1173

H

H

H

soyasaponin Ah (A3)

1245

H

H

CH

2

OAc

(19)

18 R3 O OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 COOH O H O H OH O H 3 4 13 12 2221 O O H OH O R2 R1

Group B soyasaponins (left) and DDMP-conjugated soyasaponins (right)

MW

R

1

R

2

R

3

soyasaponin Ba (V)

959

CH

2

OH

β-D-Glc

OH

soyasaponin Bb (I)

943

CH

2

OH

α-L-Rha

OH

soyasaponin Bc (II)

913

H

α-L-Rha

OH

soyasaponin Bb′(III)

797

CH

2

OH

H

OH

soyasaponin Bc′(IV)

767

H

H

OH

soyasaponin αg

1085

CH

2

OH

β-D-Glc

O-DDMP

soyasaponin βg

1069

CH

2

OH

α-L-Rha

O-DDMP

soyasaponin βa

1039

H

α-L-Rha

O-DDMP

soyasaponin γg

923

CH

2

OH

H

O-DDMP

soyasaponin γa

893

H

H

O-DDMP

Glc, glucose

Rha, rhamnose

O-DDMP, 2,3-dihydro-2,5-dihydroxy-6-methyl-4H-pyran-4-one

O CH3 CH3 C H3 O OH OH CH3 H 21 22

(20)

19

(B)

soyasapogenol A soyasapogenol B

Fig. 1. Chemical structures of group A soyasaponins, group B soyasaponins,

soyasapogenol A, and soyasapogenol B.

(A) Chemical structure of group A soyasaponins and group B soyasaponins

(B) Chemical structures of soyasapogenol A and soyasapogenol B

Kamo et al. Food Sci Nutr. 2014;2(3): 289-297.

OH O H OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 OH 3 4 13 12 21 22 OH O H OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 3 4 13 12 21 22

(21)

20

Fig. 2. Average daily intake of soyasaponins and soyasapogenols in the Japanese.

The daily intake of soyasaponins (left axis) and the daily intake of soyasapogenols

(right axis).

The daily intake of soy foods is derived from The National Health and Nutrition Survey,

Ministry of Health, Labour and Welfare (2005).

(22)

21

Table 1 MRM parameters of soyasapogenols.

soyasapogenol A

soyasapogenol B

precursor ion (m/z)

457

441

daughter ion (m/z)

95

95

cone voltage (V)

28

28

collision voltage (V)

23

28

retention time (min)

3.6

4.1

(23)
(24)
(25)

24

(26)

25 第 5 節 引用文献

[1] Ishii Y, Tanizawa H. Effects of soyasaponins on lipid peroxidation through the secretion of thyroid hormones. Biol. Pharm. Bull 2006;29:1759–1763.

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26

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(29)

28 第 2 章 大豆サポニンの吸収性比較に関する研究 第 1 節 緒言 大豆サポニンは、トリテルペン配糖体であり、オレアナン型アグリコンに 1 または 2 個の糖鎖 で置換したものである。アグリコン化合物の相違のために、大豆サポニンは主にグループ A ま たはグループ B に分類される(Fig. 1)。大豆全粒と大豆胚軸にはそれぞれ 0.1%-0.5%および 0.6%-6.2%の大豆サポニンを含んでいる[1-5]。 大豆サポニンは抗酸化作用[6,7]、コレステロール低下[8]、抗腎疾患進行[9]、抗炎症剤 [10]、レニン阻害剤[11]、肝臓保護剤[12]、および抗腫瘍効果[13]をもつことが報告されている。 これらの効果の大部分はグループ B ソヤサポニンを用いて明らかにされた[9-12,14-16]。しか しながら、大豆サポニンの生物学的利用能および吸収については不明なままである。大豆胚 軸を経口的に投与する動物試験では、アグリコンは盲腸、大腸、糞便で見つかり、血液中には 見つからないと報告されている[17]。さらに、ラットに大豆胚軸を含む餌を与えられたときに、ソ ヤサポニンおよびソヤサポゲノールのいずれも血液または尿中からは検出されないことが報告 されている[18]。したがって、ソヤサポニンの吸収性は低いようにみえる。また、別の研究結果 からはソヤサポニン摂取後にソヤサポニンとその代謝物は尿中から検出されていないことが報 告されている[19]。これはおそらく、ヒト腸内フローラの存在下ではソヤサポニン I はそのアグリ コンであるソヤサポゲノール B に分解されることによるものである[20]。Caco-2 細胞単層におけ るソヤサポニン I およびソヤサポゲノール B の吸収は低いため、ヒト腸内フローラによってソヤ サポニンは代謝、吸収され、多くは糞便中へと排出されると結論付けられている。また、グルー プ B ソヤサポニンの主要な同族体であるソヤサポニン I および V は、タンデム質量分析法によ る高速液体クロマトグラフィー(HPLC-MS/MS)によりヒト血清から検出されている[21]。 今回の研究では、我々は HPLC-MS/MS を用いて、血漿中のソヤサポニンおよびソヤサポ

(30)

29 ゲノールを高感度に検出する方法を開発するとともに、ラットにおける大豆サポニンの吸収を 評価した。我々はソヤサポニンとそれらのアグリコンの吸収の比較およびソヤサポゲノール A と B の吸収を疎水性化合物の調査に適したモデルである Caco-2 ヒト結腸癌由来の細胞を用い て比較した。 第 2 節 方法 試薬

Soyasapogenol A および B(純度:98%以上)は TOKIWA Phytochemical(Chiba, Japan)から 購入した。Formononetin(純度:98%以上)(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)を内部標準 として使用した。動物試験に使用されたソヤサポニン(Saponin AZ-B, J-OIL MILLS, INC. Tokyo, Japan)は、71.3%のグループ B ソヤサポニン(soyasaponin I: 49.5%, soyasaponin V: 21.8%)および 12.6%のグループ A ソヤサポニン (de-acetyl soyasaponin A1)であった。動物 試験に使用されたソヤサポゲノールは、サポニン AZ-B を出発物質として実験室にて調製され、 13.0%のソヤサポゲノール A および 70.1%のソヤサポゲノール B を含有していた。溶媒および その他の化学物質は HPLC グレード以上を使用した。 動物試験 本研究は現在の日本の動物実験に関する法律〔法律第 105 号,昭和 48 年 10 月 1 日(平 成 17 年 6 月 22 日一部改正)〕、基準〔実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する 基準(環境省告示第 88 号,平成 18 年 4 月 28 日)〕、指針〔動物殺処分方法に関する指針〔総 理府告示第 40 号,平成 7 年 7 月 4 日(平成 19 年 11 月 12 日一部改正:環境省告示第 105 号)〕〕に従って行われた。6 週齢の Sprague-Dawley 雄性ラット(Charles River Japan Inc., Tokyo, Japan)を 12 時間毎の明暗サイクルのもと、22℃の空調室にて飼育した。ラットは予備 飼育として、CRF-1 餌(Oriental Yeast Co., Tokyo, Japan)と蒸留水を 1 週間自由に摂取させ

(31)

30 た。次に、ラットを 3 群(n = 6):グループ B ソヤサポニン 750mmol/kg 体重(BW) およびグル ープ A ソヤサポニン 99mmol/kg BW を投与するソヤサポニン群、ソヤサポゲノール B を 150mmol/kg BW、ソヤサポゲノール A を 27mmol/kg BW 投与した低ソヤサポゲノール群、お よびソヤサポゲノール B 750mmol/kg BW およびソヤサポゲノール A 134mmol/kg BW を投与 した高ソヤサポゲノール群に分けた。試験サンプルを 0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース ナトリウムに分散し、経口投与した。試験試料の投与量を Table 1 に要約した。 血液は投与前および投与 1、2、3、4、6、8、12 および 24 時間後に、シリンジを用いて頸静脈 から採取した。血液はヘパリンを含有する試験管に移した。試験管は 1470g、4℃で 15 分間遠 心分離し、得られた血漿を分析まで-18℃で保存した。 Caco-2 細胞モデル Caco-2 細胞単層を用いた吸収アッセイは過去に記載されている方法にて実施した[22]。難 水溶性化合物のために開発された薬物溶出および透過アッセイシステムを持つin vitro評価

系を用いた。Caco-2 細胞は Dainippon Sumitomo Pharma (Osaka, Japan)から継代 40 日目に 購入した。細胞を 2.5mL のペニシリン-ストレプトマイシン、5mL の非必須アミノ酸および 50mL

のウシ血清アルブミン(BSA)を追加したダルベッコ変法イーグル培地中で、CO2インキュベー

ター中 3 x 105 cells/well で培養した。培地は 2〜3 日毎に交換し、チャンバー内で約 21 日間

培養した Caco-2 細胞を試験に使用した。apical 側の培地は、1.092%の改変された摂食状態 模倣腸液[fed state simulated intestinal fluid(FeSSIF):15mmol/L タウロコール酸ナトリウムおよ び 3.75mmol/L レシチン]、25mmol/L グルコース、および 10mmol/L HEPES 含有ハンクス平衡 塩 類 溶 液 を 含 有 し て い る 。 一 方 、 basolateral 側 の 培 地 は BSA 溶 液 [4.5 % ( w/v ) BSA, 25mmol/L グルコース, 10mmol/L HEPES]を含んでいた。チャンバーは CO2インキュベーター

内で 37℃に保った。

(32)

31

apical 側に添加した。グルクロニダーゼ処理後の apical 側および basolateral 側のソヤサポゲノ ール濃度を HPLC-MS/MS により測定した。ソヤサポゲノール A および B を含む各チャンバー

の膜抵抗値は、試験前後で 500Ω・cm2を超えていることを確認し、DMSO は実験結果に影響

を与えなかった。

見かけの透過係数(Papp)および透過量(%)は、以下のように算出した。

Papp(cm/sec)=(60 分経過時の basolateral 側のソヤサポゲノール量)/(apical 側のソヤサポゲ ノール濃度 x 1.77cm2 x 3600 sec) 透過量(%)=(60 分経過時の basolateral 側のソヤサポゲノール濃度)/(0 分における apical 側のソヤサポゲノール濃度)。 HPLC-MS/MS によるソヤサポゲノール濃度の決定 ラット血漿および Caco-2 細胞溶液中のソヤサポニン濃度を分析するため、各試料 20-100 μL に同じ容量の 0.2 mol/L 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を添加した。次に、グルクロニル抱 合体および硫酸抱合体のソヤサポゲノールを分析するために、3μL のグルクロニダーゼ (Sigma; Helix pomatia から抽出し、94,400 unit/mL のグルクロニダーゼおよび 1079 unit/mL のスルファターゼを含有)を添加した。混合液は 37℃で 12 時間静置した。グルクロニダーゼ処 理および未処理血漿サンプルはメタノール-アセトニトリル(50:50, v/v)および内部標準である Formononetin(233ng/mL)と混合した。混合物を十分に攪拌した後、1650g で 15 分間遠心分 離を行い、上清を洋ナシ型フラスコに移した。このメタノール-アセトニトリルによる抽出は 2 回 繰り返した。上清は蒸発させ、得られた乾燥物はメタノールに溶解させた。メタノール溶液を濾 過した後、濾液を HPLC-MS/MS(ACQUITY UPLC and Quattro micro API:Waters, MA, USA) に供した。

移動相は(A)0.05%ギ酸添加メタノールおよび、(B)0.05%ギ酸添加水[isocratic mode, 0.2mL/min, (A):(B)= 90:10])であった。分離は BEH シールド RP18 カラム(2.1×150mm; 5µm,

(33)

32

Waters, MA, USA)、カラム温度 40℃で行った。サンプルあたりの分析時間は 5 分であり、注入 量は 5μL であった。

検出には multiple reaction monitoring (MRM) の陽イオンモードにて、エレクトロスプレー イオン化質量分析計を用いた。source temperature および desolvation temperature は、それぞ れ 120℃および 350℃であった。キャピラリー電圧は 3kV であった。窒素ガスの流量は 600L/h であり、ヘリウムガスをトラップに導入して、前駆イオンの衝突を誘導した。ソヤサポニンおよび ソヤサポゲノールの MRM パラメータを Table 2 に示す。 ソヤサポゲノール A、ソヤサポゲノール B、ソヤサポニン I、ソヤサポニン V およびジアセチル - ソヤサポニン A1 の検出下限は、それぞれ 1.02ng/mL、0.76ng/mL、0.45μg/mL、0.017μ g/mL および 0.45μg/mL であった。得られた値からベースラインレベル(ソヤサポゲノール A: 0.035±0.003 nmol/L、ソヤサポゲノール B:0.60±0.04 nmol/L、平均±SE [標準誤差])を差 し引いた。 データ解析 すべてのデータは平均±SE として表した。最大血漿濃度(Cmax)、Cmax に達するのに要す る時間(Tmax)、および血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)は、MULTI [23]を用いて計算した。 群間の差は、Tukey-Kramer の検定を用いて比較し、P < 0.05 で有意差ありとみなした。 第 3 節 結果 ソヤサポニンおよびソヤサポゲール摂取後のラットの血漿中ソヤサポゲノール濃度の比較 血漿中のソヤサポゲノール B の出現および消失は、ソヤサポニン、低ソヤサポゲノールおよ び高ソヤサポゲノール群にて、HPLC-MS/MS によって分析した(Fig. 2)。ソヤサポゲノール B の Tmax および Cmax を Table 3 に示す。グループ B ソヤサポニン、すなわちソヤサポニン I および V は、ソヤサポニンを投与したラットの血漿中から検出されなかった。アグリコン形態の

(34)

33 ソヤサポゲノール B はグルクロニダーゼ処理なしで血漿中に検出されなかったが、グルクロニ ダーゼ処理後に血漿中で検出された(Table 3)。ソヤサポゲノールを投与している 2 群とも低 濃度の遊離体のソヤサポゲノール B が検出されたが、大部分のソヤサポゲノールはグルクロン 酸または硫酸抱合体であった(Table 3)。ソヤサポニン群のソヤサポゲノールの Tmax は 8 時 間であったが、低および高ソヤサポゲノール群の Tmax は 1-3 時間であり、アグリコンは配糖体 よりも迅速に吸収されていた。ソヤサポゲノールを投与したラットの血漿中のソヤサポゲノール B 濃度は、ソヤサポニンを投与したラットより高く、アグリコンの生物学的利用能は配糖体の生 物学的利用能よりも高いといえる。 この試験で使用した試験サンプルには、大豆食品中の主要なソヤサポニンの同族体である ジアセチルソヤサポニン A1 およびソヤサポゲノール A が含まれていた。血漿中のソヤサポゲノ ール A の出現および消失を Fig. 3 に示した。また、Tmax および Cmax 値を Fig. 3 および Table 4 にそれぞれ示した。ソヤサポニン、低ソヤサポゲノールおよび高ソヤサポゲール群におけるソ ヤサポゲノール A の AUC はそれぞれ 1.0、1.3 および 3.2nmol・h・ml-1であった。 試験サンプルは主にグループ B ソヤサポニンまたはソヤサポゲノール B を含有していたが、 グループ A ソヤサポニンまたはソヤサポゲノール A も含有していた(Table 1)。 ソヤサポゲノール A に対するソヤサポゲノール B の比率およびグループ A ソヤサポニンに 対するグループ B ソヤサポニンの比率を Table 5 に示す。血漿中のソヤサポゲノールの AUC を Fig. 2 および Fig. 3 に示し、ソヤサポゲノール A に対するソヤサポゲノール B の AUC の比 率を Table 5 に示す。

血漿中 AUC のソヤサポゲノール A に対するソヤサポゲノール B の比率(血漿中[AUC]の B /A 比)は試験サンプル中のソヤサポゲノール A に対するソヤサポゲノール B の比率、もしくは グループ A ソヤサポニンに対するグループ B ソヤサポニンに対する比率よりも高かった。

(35)

34 ラットの研究では、ソヤサポゲノール B およびグループ B ソヤサポニンがそれぞれソヤサポ ゲノール A およびグループ A ソヤサポニンよりもよく吸収される可能性が示された。腸管上皮 の透過性がソヤサポゲノール B の吸収に影響するかどうかを調べるため、難水溶性化合物の ために開発された Caco-2 単層細胞アッセイシステムを用いて、ソヤサポゲノール A および B の透過性を調査した[22]。算出されたソヤサポゲノール B の Papp は、ソヤサポゲノール A の Papp よりも高かった(P < 0.05; Fig. 4A)。また、apical 側から basolateral 側に透過したソヤサ ポゲノール B の量(%)は、ソヤサポゲノール A(P < 0.05; Fig. 4B)のそれよりはるかに高かっ た。これらの結果はソヤサポゲノール B がソヤサポゲノール A よりも小腸でよく吸収されることを 示している。 第 4 節 考察 大豆サポニンはいくつかの生理活性機能を有するが、検出感度の高い分析方法がなかっ たため、吸収に関しては明らかになっていなかった。そこで、我々は HPLC-MS/MS を用いて 血漿中のソヤサポゲノールを検出するための高感度で迅速な分析法を開発した。この方法に より、20-100μL で血漿中のソヤサポゲノール濃度を測定できるようになった。次に、我々はソ ヤサポニンがラットに吸収されることを証明し、ソヤサポニンおよびソヤサポゲールの構造が吸 収に及ぼす影響を調査した。 Fig. 1 に示すように、多くのソヤサポニン同族体が存在し、これらの同族体はグループ A お よびグループ B ソヤサポニンに分類される。アセチル基は製造中の熱処理によって容易に加 水分解されるので、大豆食品中の主要なソヤサポニンはジアセチル-ソヤサポニン A1(グルー プ A ソヤサポニン)およびソヤサポニン I およびソヤサポニン V(グループ B ソヤサポニン)であ る。大豆サポニンのアグリコンは醤油のような発酵大豆食品中に存在する。この研究では、グ ループ B ソヤサポニンとソヤサポゲノール B の吸収、ならびにグループ A ソヤサポニンとグル ープ B ソヤサポニンの吸収を比較した。

(36)

35 経口投与されたソヤサポゲノール B はグループ B ソヤサポニンよりも血漿ソヤサポゲノール B 濃度に強い効果を与えた(Fig. 2)。5 倍低濃度(150mmol/kg BW)であっても、経口投与した ソヤサポゲノール B はグループ B ソヤサポニン(750mmol/kg BW)よりも血漿中のソヤサポゲノ ール B 濃度に強い影響を示した(Fig. 2)。 ソヤサポニン I および V は投与後に血漿中から検出されなかった。加えて、ソヤサポニンお よびソヤサポゲノール群の大部分の血漿中ソヤサポゲノール B はグルクロン酸抱合体および 硫酸抱合体であった。ソヤサポゲノール B 摂取時の Tmax は 1〜3 時間であったのに対し、グ ループ B ソヤサポニン摂取時の Tmax は 8 時間であった(Fig. 2)。ソヤサポニン糖付加部分は 腸内細菌叢によって除去され、アグリコンが生成されることが報告されている[20]。ソヤサポニ ンを経口投与すると、腸内の酵素や微生物によって糖付加部分が除去され、生成したアグリコ ンは小腸で吸収され、小腸または肝臓でグルクロン酸抱合体または硫酸抱合体となり、次いで 血流に移行する可能性がある。したがって、グループ B ソヤサポニンの配糖体の吸収には、ア グリコンよりも多くの時間が必要となることが推察される。 イソフラボンは大豆においてよく知られた生理学的機能を有する植物化学物質である。ゲニ スチン、ダイジン、グリシチンなどの大豆イソフラボンの吸収はいくつかの研究で調べられてい る[24-30]。大豆イソフラボンの配糖体は、遅延した吸収を示す[24,25]が、それに対応したアグ リコンの AUC は同程度である[27]。大豆イソフラボンは単一のグルコースを含み、腸内の豊富 なβ-グルコシダーゼが大豆イソフラボンを効率的に加水分解し、最終的に吸収される形態で あるアグリコンを生成する。対照的に、大豆サポニン配糖体は、グルコース、ラムノースおよび グルクロン酸を含む複雑な炭水化物鎖を有するので、腸内でアグリコンを生成するために大 豆イソフラボンと比較して、さらなる加水分解の段階が必要であると考えられる。大豆イソフラボ ンおよび大豆サポニン配糖体の吸収は、それらのアグリコンの吸収と比較して遅れており、糖 付加部分の除去は生体での吸収における重要な段階であるといえる。 ソヤサポニンを投与したラットにて、血漿中のソヤサポニン I または V は検出されなかったが、

(37)

36 HPLC-MS/MS[21]によりソヤサポニン I および V が検出可能であることが過去に報告されて いる。グループ B ソヤサポニンの配糖体がヒトに直接吸収されるかどうかを明らかにするため、 さらなる研究が必要である。 高ソヤサポゲノール群(750mmol/kg BW)のソヤサポゲノール B の投与量は、低ソヤサポゲ ノール群(150mmol/kg BW)の 5 倍であったが、高ソヤサポゲノール群ソヤサポゲノール B の Cmax および AUC は、 低群に比べて約 3 倍高かった。高ソヤサポゲノール群ではソヤサポゲ ノール B の吸収が飽和した可能性があり、同様の吸収飽和が大豆イソフラボンのゲニステイン [31]でも観察されている。 本研究では、最初にグループ B ソヤサポニンとソヤサポゲノール B の吸収を比較した。しか しながら、それらの試験サンプルは十分量のグループ A ソヤサポニンまたはソヤサポゲノール A を含んでいた。したがって、我々は 1)グループ A ソヤサポニンとソヤサポゲノール A、2)グル ープ A とグループ B ソヤサポニン、3)ソヤサポゲノール A とソヤサポゲノール B との吸収を比 較した。ソヤサポニン群におけるソヤサポゲノール A の AUC(グループ A ソヤサポニン:99 mmol/kg BW)は低ソヤサポゲノール群(ソヤサポゲノール A:27 mmol/kg BW)と同程度であり、 ソヤサポゲノール A の吸収はグループ A ソヤサポニンより良好であることが示唆された。試験 サンプル中のグループ A ソヤサポニンに対するグループ B ソヤサポニンの比率と比較して、ソ ヤサポゲノール B の AUC はソヤサポゲノール A の AUC と比べて、比較的大きかった(Table 5)。これはラットではグループ B ソヤサポニンの吸収がグループ A ソヤサポニンより良いことを 示している。グループ A ソヤサポニンは糖鎖結合が 2 ヶ所あるため(Fig. 1)、腸内細菌叢によ るアグリコンの生成にはグループ B ソヤサポニンからソヤサポゲノール B 生成に必要なステッ プと比較して、更なるステップが求められる。さらに、試験サンプル中のソヤサポゲノール A に 対するソヤサポゲノール B の比率を比較すると、ソヤサポゲノール B の AUC はソヤサポゲノー ル A の AUC よりも比較的大きかった。この結果は、ラットにおいてソヤサポゲノール B がソヤサ ポゲノール A よりもよく吸収され、アグリコンの構造自体がラットの吸収に影響することを示唆し

(38)

37 ている。しかしながら、我々は等用量のソヤサポゲノール A、B の吸収性を比較していないため、 in vitro吸収アッセイを用いてソヤサポゲノール A、B の吸収を比較した。 我々は過去に開発された難水溶性の化合物のためのアッセイシステム[22]を用いた。過去 に報告されているように、ソヤサポゲノール B の Papp は低く(0.3-0.6 x 10-6 cm/s)、生成される アグリコンは容易に吸収されないが、経口投与されたソヤサポニンが腸管内でソヤサポゲノー ルに変換されると結論されていた[19]。逆に、我々の研究で用いたin vitroアッセイシステムで は、ソヤサポゲノール B の Papp は 5.5 x 10 -6 cm/sec であり、比較的高い吸収率を示した。 我々は Caco-2 細胞培養培地としてタウロコール酸ナトリウムを含む人工ヒト腸液を使用した。 この培地はこれまでに使用されていたタウロコール酸ナトリウムを含まない DMEM の代わりに、 腸の状態を模倣するために用いられている[19]。その結果、ソヤサポゲノール B の apical 側か ら basolateral 側への透過性はソヤサポゲノール A よりも非常に高く、ラットにおける知見を支持 している。ソヤサポゲノール A とソヤサポゲノール B の唯一の構造的相違は 21 位のヒドロキシ ル基の有無である。このヒドロキシル基が吸収に影響を及ぼすメカニズムを明らかにするため には、さらなる研究が必要である。 我々はグループ A および B ソヤサポニンまたはソヤサポゲノール A および B の両者を含む 試験サンプルを用いた。両者を併用することで吸収性や生理機能の点で互いを阻害している かは明らかになっていない。ソヤサポニン Bb は多発性嚢胞腎疾患のモデルマウスにおいて疾 患の進行を遅らせることが報告されている[9]。その研究では、精製したソヤサポニン Bb と大豆 抽出物(グループ A ソヤサポニンを含む可能性が高い)では効果はほぼ同じであり、グループ A および B を組み合わせることによる阻害が起きていないことを示唆している。しかし、阻害が 起きているか否かを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。 大豆サポニンのいくつかの生理学的機能が明らかにされているが、その効果の多くはグル ープ B ソヤサポニンに起因する[8,11,15,16]。グループ B ソヤサポニンは近年、レニン活性阻 害[11]、結腸腺癌細胞増殖抑制[15]だけでなく、血中グルコース濃度[16]およびコレステロー

(39)

38

ル濃度[8]を低下させることが報告されている。グループ B ソヤサポニンのより良好な吸収は、 これらのソヤサポニンが強力な効果を示す理由の 1 つではあるが、ソヤサポニンの機能、吸収、 および構造との関連を明らかにするために、さらなる研究が必要である。

(40)

39

(A)

Group A soyasaponins

Group B soyasaponins

Ac, acetyl group

Glc, glucose

Rha, rhamnose

R1 R2 R3

soyasaponin Aa (A4) CH2OH β-D-Glc H soyasaponin Ab (A1) CH2OH β-D-Glc CH2OAc soyasaponin Ac CH2OH α-L-Rha CH2OAc

soyasaponin Ad H β-D-Glc CH2OAc soyasaponin Ae (A5) CH2OH H H soyasaponin Af (A2) CH2OH H CH2OAc

soyasaponin Ag (A6) H H H soyasaponin Ah (A3) H H CH2OAc

R1 R2 soyasaponin Ba (V) CH2OH β-D-Glc

soyasaponin Bb (I) CH2OH α-L-Rha

soyasaponin Bc (II) H α-L-Rha soyasaponin Bb' (III) CH2OH H soyasaponin Bc' (IV) H H O O OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 COOH O H O H OH O H OH H 3 4 13 12 2221 O O H OH O R2 R1 O O OH O H H O OAc OAc OAc R3 OH O OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 COOH O H O H OH O H 3 4 13 12 21 22 O O H OH O R2 R1

(41)

40

(B)

soyasapogenol A

soyasapogenol B

Fig. 1. Chemical structures of group A soyasaponins, group B soyasaponins,

soyasapogenol A, and soyasapogenol B.

(A) Chemical structures of group A soyasaponins and group B soyasaponins

(B) Chemical structures of soyasapogenol A and soyasapogenol B

Kamo et al. Nutrition. 2014;30(5):596-601.

OH O H OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 OH 3 4 13 12 2221 OH O H OH CH3 CH3 CH3 C H3 CH3 C H3 H H H CH3 3 4 13 12 21 22

(42)

41

Fig. 2. Plasma concentration–time curve of soyasapogenol B after the oral

administration of group B soyasaponins and soyasapogenol B.

●, group B soyasaponins: 750 μmol/kg body weight (BW): △, low soyasapogenol B:

150 μmol/kg BW; ▲, high soyasapogenol B: 750 μmol/kg BW. Values are mean ±

standard error, n = 5–6.

Kamo et al. Nutrition. 2014;30(5):596-601.

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 0 4 8 12 16 20 24 time (h) Pla m sm a co nc en ta ra tio n (n mo l/mL )

(43)

42

Fig. 3. Plasma concentration–time curve of soyasapogenol A after the oral

administration of group A soyasaponins or soyasapogenol A.

●, group A soyasaponins: 99 μmol/kg body weight (BW); △, low soyasapogenol A: 27

μmol/kg BW; ▲, high soyasapogenol A: 134 μmol/kg. Values are mean ± standard error,

n = 5–6.

(44)

43

(A)

(B)

Fig. 4. Permeability of soyasapogenols A and B across Caco-2 cell monolayers.

Both soyasapogenol A and B were added at a concentration of 10 µM to the apical side

of the Caco-2 cell monolayers. The solutions on the apical and basolateral sides were

collected 60 min after adding the test sample. (A) Apparent permeability coefficient

(45)

44

(Papp), (B) amount of the compounds that permeated across the apical side to the

basolateral side. Values are mean ± standard error, n = 4.

(46)

45

Table 1 Dose and composition of soyasaponins and soyasapogenols in each treatment

group

composition dose, μmol/kg bw dose, mg/kg bw deacetyl soyasaponin A1 99 125.6 soyasaponin I,V 750 710.9 soyasapogenol A 27 12.7 soyasapogenol B 150 68.7 soyasapogenol A 134 63.5 soyasapogenol B 750 343.5 soyasaponin low soyasapogenols high soyasapogenols

Kamo et al. Nutrition. 2014;30(5):596-601.

Table 2 Multiple reaction monitoring parameters for soyasaponins and

soyasapogenols

deacetyl

soyasaponin A1 soyasaponin I soyasaponin V soyasapogenol A soyasapogenol B IS precursor ion (m/z) 1270 966 982 457 441 266 daughter ion (m/z) 440 331 347 95 95 197 cone volatage (V) 45 35 45 28 28 50 collision voltage (V) 30 65 65 23 28 40 retention time (min) 1.9 2.6 2.5 3.6 4.1 2.4

IS, internal standard (formononetin)

(47)

46

Table 3 Pharmacokinetic parameters of group B soyasaponins and soyasapogenol B

after oral administration

Tmax, h Cmax with enzymatic treatment, nmol/mL

Cmax without enzymatic treatment, nmol/mL soyasaponin 8 2.8 ± 0.8 a N.D. low soyasapogenols 1 13.7 ± 1.2 b 0.30 ± 0.03 a high soyasapogenols 3 16.1 ± 0.8 b 0.83 ± 0.06 b

Means without a common letter differ, P < 0.05. N.D. = not detected. Values are

presented as the mean ± S.E. (n = 5 or 6).

(48)

47

Table 4 Pharmacokinetic parameters of group A soyasaponins and soyasapogenol A

after oral administration

Tmax, h

Cmax with enzymatic

treatment, nmol/mL

Cmax without enzymatic

treatment, nmol/mL

soyasaponin

8

0.16 ± 0.05 a

N.D.

low

soyasapogenols

1

0.60 ± 0.03 b

N.D.

high

soyasapogenols

3

0.92 ± 0.02 c

0.046 ± 0.004

Means without a common letter differ, P < 0.05. N.D. = not detected. Values are

presented as the mean ± S.E. (n = 5 or 6).

(49)

48

Table 5 Comparison of soyasaponin homologs ratio in the test samples and plasma

group ratio of B/A in test sample# ratio of B/A in plasma level (AUC)##

soyasaponin 7.6 18.0

low soyasapogenols 5.6 21.7

high soyasapogenols 5.6 23.6

#

Ratio of group B soyasaponins to group A soyasaponins or soyasapogenol B to

soyasapogenol A in the test samples.

##

AUCs of soyasapogenol were calculated from Figs. 2 and 3, and the ratio of AUC of

soyasapogenol to that of soyasapogenol A is indicated for each group.

Kamo et al. Nutrition. 2014;30(5):596-601.

(50)

49 第 5 節 引用文献

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Fig.  1.   Chemical  structures  of  group  A  soyasaponins,  group  B  soyasaponins,  soyasapogenol A, and soyasapogenol B
Fig.  1.  Chemical  structures  of  group  A  soyasaponins,  group  B  soyasaponins,  soyasapogenol A, and soyasapogenol B
Fig. 2. Average daily intake of soyasaponins and soyasapogenols in the Japanese.
Table 1 MRM parameters of soyasapogenols.
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参照

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