腸管出血性大腸菌EspBに依存したアクチン再構築の分子機構
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(2) 一68一. 論. 文. 内. 容. の. 要. 旨. 論. 【目的1 腸 管 出血 性 大 腸 菌(EHEC)感 こすことがあ る。EIIECの EHECはType皿. 染 症 は 溶 血性 尿毒 症 症 候 群(HUS)を. は じめ とす る重 篤 な 合 併 症 を引 き起. メカニズ ムを解 明 する ことは、 医 学 に とって重 要 な 課 題 の一 つ であ る 。. 分 泌 系 を介 して 、 腸 管 一 ヒ皮 細 胞 に接 着 し上 皮 細 胞 内 で の シグナル 伝 達 、 アクチ ン再 構 築 を. 伴 う病 変(attachlngandeffacinglesion)を. 引 き起 こす 。EspBはEHECの. εspDと 複 合体 を形 成 し、 宿 主細 胞 膜 上 に孔 形 成す る。 さらにEspBは 質に注 入 され 、 ア ドヘ レンス ・ジャンクシ ョン(AJ)に. 産 す る 病 原 因 子 の 一 つ で あ り、 、TypelH分. 関 与す る α功 テニ ンC末. 泌系 を介 して 、 宿 主 細 胞. 端 ドメイ ンと結 合 し、 細 菌 感 染. 蜀のアクチ ン再 構 築 に関 与 する と考 え られて い る。 一方 、 最 近 、 α一 カテニ ンの 単量 体 が 、AJに. 存 在 す るE・ カ ド. ヘ リン/β 功 テニ ンと三者 の 複 合体 を形 成 して い るが、 二 量 体 化 す ることに より、 この複 合 体 か ら解 離 しアクチ ンの バ ンドル 形 成 を促 進 する ことが 明 らか に されて い る。 本研 究 で は 、EspBの. α一 カテニ ンへ の 結 合 による 、 アクチ ン再 構 築 促 進 の 分 子 機 構 を明 らか にす ることを 目的. とした 。 防 渕 超遠 心 分 離 、 ピ レン ・アクチン重 合 、 透 過型 電 子顕 微 鏡(TEM)な. どの 生 化 学 的解 析 を用 い た。. 酷 果】 EspBが. 、 α一 カテニ ンと結 合 する ことでE・カ ドヘ リン/β 一 カテニ ン複 合体 か らの α一 カテニ ンの解 離 が 促 進 され、. その 結 果、 α一 カテニ ンに よるアクチンのバ ンドル形 成作 用 が 促 され る ことが 分 か った 。 さらに 、Arp2/3依 なアクチン重合 を抑 制 す るα一 カテ ニ ンの 作用 をEspBが とをTEMで. 存 的. 介 したア クチ ン再 構 築 の 詳 細 な分 子 機構 が明 らか に なった 。 しか しなが ら 、EspBが. 産 す る他 の 病原. 因子 のアクチ ン再 構 築 へ の寄 与 も示 されて お り、 これ らの 因子 の相 互 関 係 を さらに調 べ るこ とは 、EHEC感 農構 全体 を把 握 す る上で 重 要 な今 後 の課 題 で ある 。 【 結謝 EspBの. 審. 査. 結. 果. の. 要. 旨. 【目 的 】 腸 管 出 血 性 大 腸 菌(EHEC)感 染 症 は 溶 血 性 尿 毒 症 症 候 群(HUS)を は じめ と す る 重 篤 な 合 併 症 を 引 き 起 こ す こ と が あ る 。EHECの メ カ ニ ズ ム を 解 明 す る こ と は、 医学 に と って 重 要 な 課題 の 一 つ で あ る。 EHECはTypeIII分 泌 系 を介 して 、 腸 管 上 皮 細 胞 に接 着 し上皮 細 胞 内 で の シ グ ナ ル 伝 達 、 ア ク チ ン 再 構 築 を 伴 う病 変(attachingandeffacinglesion )を 引 き 起 こ す 。EspBはEHECの 産 す る 病 原 因 子 の 一 つ で あ りEspDと 複 合 体 を 形 成 し、 宿 主 細 胞 膜 上 に 孔 形 成 す る 。 さ ら にEspBは 、Type皿 分 泌 系 を 介 して 、 宿 主 細 胞 質 に 注 入 され 、 ア ドヘ レ ン ス ・ジ ャ ン ク シ ョ ン(AJ) に 関 与 す るa一カ テ ニ ンC末 端 ドメ イ ン と結 合 し、 細 菌 感 染 間 の ア ク チ ン 再 構 築 に 関 与 す る と 考 え ら れ て い る 。 一 方 、 最 近 、a一カ テ ニ ン の 単 量 体 が 、 AJに 存 在 す るE一カ ドヘ リ ン/b一 カ テ ニ ン と 三 者 の 複 合 体 を 形 成 して い る が 二 量 体 化 す る こ と に よ り 、 こ の 複 合 体 か ら解 離 し ア ク チ ン の バ ン ドル 形 成 を 促 進 す る こ と が 明 ら か に され て い る 。 本 研 究 で は 、EspBのa一 カ テ ニ ンへ の 結 合 に よ る 、 ア ク チ ン 再 構 築 促 進 の 分 子 機 構 を 明 ら か に す る こ と を 目的 と した 。 【 方 法】 超 遠 心 分 離 、 ピ レ ン ・ア ク チ ン 重 合 、 透 過 型 電 子 顕 微 鏡(TEM)な 生化 学 的 解 析 を用 い た 。. どの. 促 進す る ことによ り、 アクチ ンの バ ン ドル化 が 進 行 する こ. 確 認 した 。. 拷 察】 EspBを. 文. α一カテニ ンへ の 結 合 による 、 アクチ ン再 構 築 促 進 の分 子機 構 が 証 明 され た 。. 染. 【 結 果】 EspBが 、a一 カ テ ニ ン と 結 合 す る こ と でE一カ ドヘ リ ン/b一 カ テ ニ ン 複 合 体 か ら のa一カ テ ニ ン の 解 離 が 促 進 され る こ と をGST-pulldownassayに て 確 認 した 。 ま た 、 超 遠 心 分 離 に てEspBがa一 カ テ ニ ン と ア ク チ ン の 結 合 を 強 め て い る こ と が 分 か っ た 。 実 際 に 、 ア ク チ ン 線 維 の 形 態 をTEMに て 確 認 し た 。 ア ク チ ン+Arp2/3+WASp-VCA+a-cateninの 条 件 下 で はbranchin構 造 を 認 め る が 、 ア ク チ ン+Arp2/3+WASp-VCA+a-catenin+EsBの 条 件 下 で はbund ling構 造 を 認 め た 。 こ の 結 果 よ りArp2/3に よ りArp2/3依 存 的 な ア ク チ ン 重 合 を 抑 制 す るa一カ テ ニ ン の 作 用 をEspBが 促 進 す る こ と に よ り 、 ア ク チ ン 線 維 のbundling形 成 が進 行 す る こ とが確 認 で きた 。 【考 察 】 EHECはTypem分 泌 系 を 介 して 、 腸 管 上 皮 細 胞 に 接 着 し上 皮 細 胞 内 で の シ グ ナ ル 伝 達 、 ア ク チ ン 再 構 築 を 伴 う病 変(attachingandeffacinglesion )を 引 き 起 こ す 。 こ の 過 程 に お い てEspBを 介 した ア ク チ ン が 再 構 築(bundli ng)し て 台 座 様 構 造 が 形 成 さ れ る こ と が 考 え られ た し か しな が ら が 産 す る他 の 病 原 因 子 の ア ク チ ン再 構 築 、EHEC へ の 寄 与 も 示 され て お り、 これ ら の 因 子 の相 互 関 係 を さ らに 調 べ る こ と は 、EHEC感 染 機 構 全 体 を 把 握 す る 上 で 重 要 な今 後 の課 題 で あ る。 【結 論 】 EspBのa一 カ テ ニ ン へ の 結 合 に よ る 、 ア ク チ ン 再 構 築 促 進 の 分 子 機 椿 が 証 明 され た 。 尚 ・ 本 論 文 はFEBSJournal(Volume2751ssue24,2008)に. 掲 載 され た 。.
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