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応答時間を考慮したストリームデータクリーニング手法の検討

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DEIM Forum 2016 P4-3

応答時間を考慮したストリームデータクリーニング手法の検討

若森

拓馬

内山

寛之

岩村

相哲

† 日本電信電話株式会社 NTT ソフトウェアイノベーションセンタ 〒 180–8585 東京都武蔵野市緑町 3–9–11

E-mail:

†{wakamori.takuma,uchiyama.hiroyuki,iwamura.sotetsu}@lab.ntt.co.jp

あらまし IoT デバイスの普及に伴い,センサデータなどのストリームデータに含まれる外れ値・欠損値等のエラー

を取り除き,データ品質を向上するストリームデータクリーニング技術の重要性が高まっている.ストリームデータ

クリーニング手法は,あるウィンドウ内の未来のデータをもとに現在のデータを補正するため,データを取得してか

ら修正処理を完了するまでに一定の時間を要する.我々は,工場での環境センシングによる異常検知やセンサ値を用

いた即時の分析処理など,性能要件の厳しいオンライン処理に対しても,データクリーニングを行うことの価値は大

きいと考えている.しかしながら,既存手法はデータ修正の精度向上を目的としているため,応答時間の条件のもと

でクリーニング処理を制御することについてはあまり議論されていない.本研究では,オンライン処理に対してデー

タクリーニングを行うことを目的として,応答時間を考慮したストリームデータクリーニング手法について検討する.

本稿では,データの修正がどの程度の確度で行われたかを評価する指標と,オンライン処理におけるデータクリーニ

ングの有効性について,実験結果をもとに考察する.

キーワード データクリーニング,ストリームデータ処理,前処理

1.

は じ め に

IoTデバイスの普及に伴い,センサネットワークによる環境 センシングや,コンピュータクラスタのモニタリング,GPSを 用いた人流分析など,時々刻々と変化するストリームデータか ら即座に洞察を得るデータ分析技術への関心が高まっている. 現実のデータは,データを読み取る物理センサの信頼性の低さ や,手作業による入力ミスなどの理由から,外れ値や欠損値な どの誤り(エラー)を含んでいる.エラーは分析結果の精度に 悪影響を及ぼすことから,データからエラーを取り除くデータ クリーニングは,実データ分析において欠かすことのできない 重要な処理である. これまで,データ品質の評価方式の提案や,クリーニングア ルゴリズムの効率や効果の改善など,データクリーニングに関 する様々な研究がなされてきた.その中でも,ストリームデー タに対するオンラインのクリーニング手法(以降,ストリー ムデータクリーニング手法とよぶ)は,スループットの要求さ れるタスクに適用可能であることから,近年注目を集めてい る[3], [6]. ストリームデータクリーニング手法は,データストリームを ある有限長のウィンドウ幅で切り出し,修正処理を逐次実行す る.一般に,ある時点の値を修正するために,ウィンドウ内の 未来の時点の値を用いる[6].そのため,データを取得してから 修正処理を完了するまでに一定の時間を要する. 一方,現実のオンライン処理においては,性能要件が厳しい ため,データクリーニング等の時間のかかる処理は行わないこ とが一般的である.我々は,性能要件の厳しいオンライン処理 に対しても,データクリーニングを行うことの価値は大きいと 考えている. 例えば,工場での環境センシングのタスクでは,センサが異 常値を検知した場合,即座にアラートを上げることが望まし い一方で,誤検知(false positive)をなるべく減らしたいとい う課題がある.また無線センサネットワークにおいて,複数の 発信機の発する電波の電波強度から受信機の位置を推定する Multilaterationのタスクでは,計測値をそのまま利用するので はなく,性能要件のもとで,可能な限りのデータ修正を行った 後の修正データを利用することで,位置推定の精度を向上でき る可能性がある. しかしながら,既存のストリームデータクリーニング手法は データ修正の精度(以降,修正精度とよぶ)の向上を主眼とし ているため,応答時間や他の条件のもとで修正処理を制御する ことについてはあまり議論されていない. 本研究の目的は,性能要件の厳しいオンライン処理に対して データクリーニングを行うことである.具体的に,以下の要件 を満たすストリームデータクリーニングを実現する手法を検討 する. (1) 応答時間の制御が可能である.決められた応答時間 (数ミリ秒∼数秒程度)内にデータ修正処理を完了する必要があ る.応答時間内に修正処理を完了することができない場合,修 正精度が不十分な状態でも,処理結果を出力できる必要がある. (2) データ修正の確度を評価する指標をもつ.正解データ が与えられていない場合,データ修正が正しく行われたかどう かを評価することは困難である.異常検知などのミッションク リティカルなオンライン処理では,誤ったデータ修正で本来検 出すべき異常を見逃してしまうリスクがあるため,少なくとも データ修正がどの程度の確度で行われたのかについて評価でき る必要がある. 本稿では,正解データを推測する手法に関する実験結果をも とに,データ修正の確度の評価指標の妥当性について考察する. また,実データを用いたオンライン処理に対するデータクリー

(2)

ニング実験結果をもとに,データクリーニングが分析精度に与 える影響について考察する.

2.

関 連 研 究

本節では,既存のデータクリーニング手法を概観し,本研究 の位置づけを述べる. データクリーニングは,データに含まれるエラーを取り除く 手続きを表す.エラーを取り除くためには,正常値とエラーを 区別する指標が必要となる.この指標を定める方針として,モ デルベースと制約ベースの2つのアプローチがある.各アプ ローチの特徴を以下に述べる. 2. 1 モデルベースのアプローチ モデルベースのアプローチは,モデルを用いてセンサの取り うる最もらしい値を推定する.推定値から大きく外れたセンサ 値をエラーとみなす.代表的なモデルを以下に示す. 回帰モデルは,サンプリング処理の連続性と異なるサンプリ ング処理間に相関があることを前提とするモデルである.代表 的なものに多項式でモデルを記述する多項式回帰と,余弦関数 (cosθ)の多項式で表すチェビシェフ回帰がある.多項式回帰 の一つである(加重)移動平均モデルは株価予測などのオンラ イン処理に用いられる代表的なモデルの一つである. 確率モデルは,ウィンドウ内の過去の値をもとに確率分布を 推定するモデルである.データが確率分布(ガウス分布等)に 従うことを前提とし,信頼区間に含まれないものをエラーと判 断する.ガウス分布を前提として,解析的に条件付期待値を計 算するカルマンフィルタは最も一般的な確率モデルの一つであ る.ベイズの定理に基づいて確率分布を推定する手法もある. 外れ値検知モデルは,他のセンサ値から大きく外れた値(外 れ値)を検知する.検出した外れ値をエラーとみなし除去する ことでデータクリーニングを行うことができる.センサの特性 に着目した手法や,Jaccard係数やヒストグラム,距離・密度 ベースのメトリクスを用いて外れ値を特定する手法がある. 2. 2 制約ベースのアプローチ 制約ベースのアプローチでは,ユーザが宣言的に制約条件を 記述し,制約を違反した値をエラーとみなす.複雑なデータ処 理やモデル利用をユーザーから隠蔽することで,クリーニング 後のデータ活用を促進する効果が期待される.一例としては, データクリーニングをPoint, Smooth, Merge, Arbitrate, Virtualize の5つのタスクに分割して,データベースシステム上で処理を する手法[2]がある.ユーザはSQL-Likeなクエリを用いてデー タクリーニングの制約条件を記述することができる. また,データをノードとエッジからなるグラフ表現に変換し て,宣言的記法で関連する属性の集合を抽出し,この従属性を 用いて統計的手法により値を検査し,データクリーニングを行 う手法もある. また,ストリームデータに適用可能なデータクリーニング手 法として,速度制約と呼ばれる,データの勾配の最大値・最小値 に関する制約を定義する手法[6]がある.例えば歩行者の移動 軌跡を考える場合,ある2点間の距離と時刻から算出した速度 が秒速10メートルを超える場合は,速度制約に違反している ため,データの修正の必要があると考える.このとき,最少変 更原理[1]に基づき,修正におけるデータの移動距離を出来る 限り小さくすることによって,修正精度の向上を目指している. 2. 3 本研究の位置づけ 本研究では,応答性能要件の厳しいオンライン処理において, ストリームデータのクリーニングを行うことを目的としている. そのため,オンラインに適用可能なウィンドウを用いた手法が 前提となる.多くのデータと計算時間を必要とする多項式回帰 等のモデルベースのクリーニング手法を,ストリームデータに 適用することは困難である.また,修正精度を向上することに 加え,データクリーニングがその後の分析結果の精度に与える 影響について考察する.

3.

実験と考察

我々は,データ修正の確度を評価する指標についての一検 討として,既存のストリームデータクリーニング手法である SCREEN [6]を用いて,正解データを推測するための検討を行っ た.本節では実験の結果を述べ,正解データの推測に関して考 察する.また,屋内位置推定タスクにおけるデータクリーニン グの実験結果をもとに,データクリーニングが位置推定の精度 に与える影響について考察する. 3. 1 実験1:ウィンドウ幅と応答時間・修正精度の関係 SCREENでは,速度制約と最小変更原理[1]に基づき,デー タ移動距離を小さくすることで修正精度を向上させている.我々 は,データの移動距離を最小化するクリーニング結果を正解 データとして用いることを考え,この仮説を検証するための実 験を実施した. 3. 1. 1 実 験 内 容

本実験では,SCREENにおけるLocal Optimumアルゴリズ ム(詳細は付録を参照)および,最小変更原理に基づき修正距 離を最小化する最適化問題を解くGlobal Optimumアルゴリズ ムにおいて,ウィンドウ幅を大きくした場合の修正精度(修正 後のデータと正解データの距離)の変化を測定した.ウィンド ウ幅が大きいほどデータの移動距離は小さくなり,正解データ に近づくと予測される. クリーニング対象には,1989年11月から2015年11月まで の過去16年分の株価データ1(要素数:6785,最大値:893.181, 最小値:18.691)に対して人工的なエラーを挿入したものを用い た.エラーの挿入においては,全体の要素のうち5%の要素を ランダムに選択し,最大値・最小値の範囲内のランダムな値に変 更した.株価の1日あたりの変動幅は前日比±10%であること から,速度制約は最大値の約10%を根拠として,s= (−90, +90) とした.修正精度の評価には次式を用いた. a= 1 − ∆(xtr uth, xr epair)

∆(xr epair, xdir t y)+ ∆(xtr uth, xdir t y)

(1)

式1におけるxtr uth,xr epair,xdir t yは,それぞれ正解デー

タ,修正後のデータ,修正前のエラー混入データを表し,∆(x1, x2) (注 1):http://finance.yahoo.com/q/hp?s=AIP.L+Historical+Prices

(3)

は,x1とx2の平均二乗誤差(RMS Error)を表す. 3. 1. 2 実 験 結 果 0.65 0.7 0.75 0.8 0.85 0.9 0 2 4 6 8 10 12 A c c u ra c y Window size Local Global 図 1 s= (−90, +90) における,ウィンドウ幅と修正精度の関係 0.94 0.95 0.96 0.97 0.98 0.99 1 0 2 4 6 8 10 12 A c c u ra c y Window size Local Global 図 2 s= (−5, +5) における,ウィンドウ幅と修正精度の関係 実験結果を図1に示す.結果は予測とは異なり,ウィンドウ 幅が大きければ大きいほど修正精度が低下した. そ こ で 速 度 制 約 と の 関 係 を 考 察 す る た め ,速 度 制 約 を s = (−5, +5)に変更して同様の実験を実施した.結果を図2 に示す.ウィンドウ幅が1から7の範囲では修正精度が向上す る結果となった. 0.65 0.7 0.75 0.8 0.85 0.9 0.95 1 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 A c c u ra c y Time [s] s=(-5,+5) s=(-90,+90) 図 3 Local Optimumアルゴリズムにおける,応答時間と修正精度の 関係 次に,Local Optimumアルゴリズムにおいて,s= (−5, +5)お よびs= (−90, +90)の2つの場合について,応答時間と修正精 度の関係を測定した.結果を図3に示す. 3. 2 実験2:オンライン処理におけるデータクリーニング の有効性 我々は,応答時間を制御可能とすることで,オンライン処理 に対してデータクリーニングを行うことを目的としている.本 実験では,オンライン処理として,Bluetooth Low Energy (BLE) デバイスを用いた屋内位置推定タスクを対象に,SCREENのア ルゴリズムを用いてストリームデータクリーニングを行い,位 置推定精度への影響を測定した. 3. 2. 1 実 験 内 容 本実験では,12個のBLEデバイス(送信機)を床面へ設置 し,受信機の受信した電波強度(RSSI)から受信機の位置を推 定するMultilaterationタスクを実施した.Multilaterationのよう なオンライン処理において,測定値にデータクリーニングを 行った場合,位置推定の結果にどのような影響が生じるかにつ いて調査した. RSSIを用いた位置推定には文献[7]の手法を用いた.まず, RSSI値と距離の関係はフリスの伝達公式に基づき次式で定め られる. RSSI[dBm]= −(10 · n · log10(d)+ A) (2) ここで,初期信号強度Aは,送信機と受信機の距離が1mの 地点におけるRSSIの絶対値で表される.本実験においては, 12個の送信機のRSSIの平均値から算出した.伝達係数nは信 号の減衰を表す.送信機と受信機の距離を,0.5mから5.0mの 区間で0.5m間隔で変化させてRSSIを測定し,RSSIの理論値 と測定値のRMS Errorを最少化するnを経験的に決定した.以 上の手順により決定したパラメータを以下に示す. 記号 定義 設定値 A 初期信号強度 70.65 n 伝達系数 1 s 速度制約 (-0.0003,+0.0003) w ウィンドウ幅 100 測定においては,送信機を幅6m,奥行き4mの空間に2m間 隔で格子状に配置し,受信機の受信したRSSIから各送信機と の距離を式2にて算出した.Multilaterationにおける非線形最 小二乗問題の解法にはLevenberg-Marquardt法を用いた.以上 の手順にしたがって測定値を元に算出した1294点の位置推定 値をクリーニング対象とした. 3. 2. 2 実 験 結 果 クリーニング前のデータを用いた位置推定結果と修正データ を用いた位置推定結果を図4に示す.図の(x_truth, y_truth)・(x, y)・(x’, y’)は,それぞれ正解データ・クリーニング前のデータ・ Local Optimumアルゴリズムでの修正データの(x, y)座標を表 している. 図4の修正後のから,速度制約を満たすようにデータを修正 したことで,信頼性の低いセンサを用いた場合でも,ある程度 正解データに近い推定を行うことができたことが読み取れる. 一方,y座標,Local Optimumアルゴリズムでは,ウィンドウ幅

(4)

-10 -5 0 5 10 0 10 20 30 40 50 60 70 ࠴ ඬ [m ] ܨգ࣎ؔ[භ] x_truth y_truth x y x' y' 図 4 正解データとクリーニング前後の位置推定結果の比較 表 1 位置推定タスクにおけるデータクリーニングの効果 手法 修正距離 修正精度 RMS Error 精度改善率 修正前 - - 6.31 1 Local 6723 0.59 5.39 1.17 Global 15816 0.52 10.08 0.63 また,この時の修正距離・修正精度,RMS Error,制度改善率 を表1にまとめる.表1におけるLocalはLocal Optimumアル ゴリズム,GlobalはGlobal Optimumアルゴリズムを表し,精 度改善率は,修正前のRMS Errorを1とした場合の,修正後の RMS Errorの改善率を示している. 表に示すとおり,Local Optimumアルゴリズムでデータク リーニングを行うことにより,位置推定精度が向上することが 分かった.一方,Global Optimumは,クリーニング時間が30 分を経過した時点で解の探索が終了せず,推定精度が低下する 結果となった. 3. 3 考 察 実験1および実験2を通じて,ストリームデータクリーニン グ手法がオンライン処理の精度向上に有効であることが示され た.一方,本実験を通じて以下の課題も明らかとなった. • 無限のウィンドウ幅を用いたクリーニング結果をもって 正解データの代わりとすることは妥当ではない.実験1では, 速度制約が強い場合を除き,ウィンドウ幅が大きいほど修正精 度が低下する傾向を示した.これは,ウィンドウ幅が大きいほ ど,ウィンドウ内に多くのエラー値を含むことになり,未来の値 を用いる既存手法では,エラーの影響を強く受けてしまうこと が原因と考えられる.また実験2の結果から,Global Optimum アルゴリズムは現実的な時間で解を探索できないため,正解 データを生成することは困難であるといえる. • 速度制約は,変動幅の変化するデータに対する効果が小 さい.実験1で使用した株価データは,最小値付近の日付では 1日あたりの変動幅が1.8以下であるのに対して,最大値付近 では1日あたりの90近く変動する可能性がある.そのため,変 動の最大値・最小値のみを制約条件とする場合,最小値付近の 日付において修正対象のデータを見逃す可能性が高い.一方, 速度制約を強くした場合,最大値付近で本来修正する必要のな いデータを修正してしまう可能性が生じる.したがって,速度 制約は,現在値に応じて柔軟に制御可能であることが望ましい. • エラー割合が大きすぎる場合,データクリーニング以外 の手段でエラーを除去するべきである.実験2において,デー タクリーニングにより位置推定精度を向上できることを確認で きた.一方,Local OptimumおよびGlobal Optimumのいずれ

の手法においても,修正精度は6割に満たなかった.また,図 4から,修正後のデータと正解データの間には依然として距離 があることが読み取れる.この結果から,修正前のデータの大 部分が修正対象とみなされる場合,速度制約の「制約を満たす データは移動しないようにする」という性質を活用して修正精 度を向上することは困難であるとわかる.実タスクにデータク リーニングを適用するためには,データに含まれるエラーの割 合が少なくとも半分以下になるような信頼性の高いセンサを利 用する必要があると考えられる.

4.

お わ り に

本研究では,性能要件の厳しい現実のオンライン処理に対し てデータクリーニングを行うことを目的として,応答時間を考 慮したストリームデータクリーニング手法について考察した. 正解データを予測する手法の一検討として,既存手法のウィン ドウ幅とデータ修正の精度の関係を調査する実験を実施した. 実験により,オンライン処理に対してデータクリーニングを行 うことの有効性を示した.一方,データ修正の確度の評価にお いては,ウィンドウ幅を大きくとったものを正解データの代わ りとすることは困難であることが分かった. 今後の課題として,応答時間を制御する手法を考案するとと もに,確率モデルに基づく品質評価手法[4], [5]をデータ修正の 確度の評価に用いる予定である. 文 献

[1] P. Bohannon, W. Fan, M. Flaster, and R. Rastogi. A cost-based model and effective heuristic for repairing constraints by value modification. In SIGMOD, pp. 143–154, 2005.

[2] S. R. Jeffery, G. Alonso, M. J. Franklin, W. Hong, and J. Widom. Declarative support for sensor data cleaning. In PERVASIVE, pp. 83–100, 2006.

[3] E. J. Keogh, S. Chu, D. Hart, and M. J. Pazzani. An online algorithm for segmenting time series. In ICDM, pp. 289–296, 2001.

[4] A. Klein. Incorporating quality aspects in sensor data streams. In

CIKM, pp. 77–84, 2007.

[5] A. Klein and W. Lehner. Representing data quality in sensor data streaming environments. Data and Information Quality, pp. 10:1– 10:28, 2009.

[6] S. Song, A. Zhang, J. Wang, and P. S. Yu. Screen: Stream data cleaning under speed constraints. In SIGMOD, pp. 827–841, 2015. [7] X. Wang, O. Bischoff, R. Laur, and S. Paul. Localization in wireless

ad-hoc sensor networks using multilateration with rssi for logistic applications. Procedia Chemistry, pp. 461–464, 2009.

1. SCREENのデータクリーニング手法 本節では実験に用いたSCREENのデータクリーニング手法 の詳細を説明する.なお,データ修正アルゴリズムは,Local Optimumのみについて言及する. まず,ストリームデータクリーニングの問題を定式化する. ストリームデータの系列をx= x[1], x[2], ...,とする.x[i]i番 目の値を表す.x[i]の発生時刻をt[i]とする.簡単のため,x[i]xi,t[i]ti と表記する.ある時刻間隔(ウィンドウ)wに

(5)

最低速度,smaxは最高速度を表す. xk が速度制約sを満たすとき,xk |= sと表記する.すなわ ち,xk |= sのとき,xk 以降の任意の点xi(tk < ti <= tk+ w)に ついて,smin<= xtii−x−tkk <= smaxが成り立つ. xに対する修正x′とは,ti= tiにおける値xiのxiへの変更 を表す.データ修正における修正距離は,最少変更原理に基づ き,元のxと修正後のx′の距離によって,次式のように定義 される. ∆(x, x′)= ∑ xi∈x |xi− xi′| (A·1) 例として,6点からなる系列x= {12, 12.5, 13, 10, 15, 15.5}, t = {1, 2, 3, 5, 7, 8}を考える.図A· 1における黒色の点は系列xを 表す.系列xの速度制約をsmax= 0.5,smin= −0.5とする. V a lu e Time smax smin w ti ti+1 t6 x1 xi x’i+1 x’’i+1 xi+1 x6 図 A· 1 速度制約下における修正候補 ウィンドウ幅がw= 2のとき,点x3とx4(時刻間隔は5−3 <= 2)は,速度制約におけるsmin= −0.5を違反している.なぜな らば,x3,x4間の速度について,10−135−3 = −1.5 < −0.5が成り立 つからである.同様に,x4x5間の速度は15−107−5 = 2.5 > 0.5 であり,smax= 0.5を違反している. この2つの違反(図A· 1における破線部)を矯正するため に,例えば,x4をx4= 14(図A· 1における白色の点)に修正 することができる.図A· 1に示すとおり,修正後の系列は,最 高速度・最低速度の速度制約をともに満たしている.このとき, 修正距離は∆(x, x′)= |10 − 14| = 4である. もしウィンドウ幅が非常に小さい(例えばw = 1)ならば, x3とx4間(x4とx5間)の違反は発見できない.なぜならば, 時刻間隔が2> 1となるからである.一方,ウィンドウ幅が十 分に大きい(例えばw= 10)ならば,系列x内のすべての点の 組を比較しなければならない.同じ修正x′を行うことができ たとしても,計算のオーバーヘッドは明らかに大きくなる.ゆ えに,修正精度と効率の釣り合いをとるためには,適切なウィ ンドウ幅を設定する必要がある. このデータ修正問題は,以下のように定義できる. min n ∑ i=1 |xi− xi′| s.t. x ′ k− xi′ tk− ti <= smax, tk < ti <= tk+ w, 1 <= i <= n xk− xitk− ti >= smin, tk < ti <= tk+ w, 1 <= i <= n (A·2) データ修正とは,式(A·2)を満たすxi′(1<= i <= n)を求めるこ とである. Algorithm 1Local(x, s) Require: x,時刻で整列済みの系列; s, 速度制約 Ensure: x′, xの修正 1: for k← 1 から n に対して do 2: Xmi n k ← ∅; X m a x k ← ∅; 3: xmi n k ← x′k−1+ smi n(tk− tk−1), または k = 1 に対して − ∞; 4: xkm a x← x′k−1+ sm a x(tk− tk−1), または k = 1 に対して + ∞; 5: for i← k + 1 から n に対して do 6: if ti> tk+ w then 7: ループを抜ける ; 8: end if 9: Xmi n k ← X mi n k ∪ {xi+ smi n(tk− ti)}; 10: Xm a x k ← X m a x k ∪ {xi+ sm a x(tk− ti)}; 11: end for 12: xkmi d← median(Xkmi n∪ Xkm a x∪ {xk}); 13: if xkm a x< xkmi dthen 14: x′k← xm a xk ; 15: else if xm a x k > x mi d k then 16: x′k← xmi n k ; 17: else 18: x′k← xmi d k ; 19: end if 20: end for 21: return x′ Algorithm 1に,既存手法における速度制約sのもとで系列xx′に修正するデータ修正アルゴリズムを示す.このアルゴ リズムは,ある点xk の修正において,xk+1からxnの範囲で ウィンドウ幅w内に存在する点を用いる(5∼11行目).

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