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2016年度論文賞の受賞論文紹介:Bloom Filterとの再会

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Academic year: 2021

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(1)Bloom Filter との再会 清 雄一 電気通信大学大学院 情報理工学研究科 〔受賞論文〕 クラウド上の安全で高速なキーワード検索アルゴリズムの提案 清 雄一(電気通信大学大学院情報システム学研究科),竹之内隆夫(日本電気 (株) クラウドシステム研究所), 大須賀昭彦(電気通信大学大学院情報システム学研究科) 情報処理学会論文誌 Vol.56, No.10, pp.1977-1987(2015).  本会論文賞をいただくことになり,大 変光栄に存じます.本論文は「E-Service. and Knowledge Management toward Smart Computing Society」特集号に掲載された でした.投稿前は執筆した論文を紙に のですが,当時私は長崎に帰省中のた め家にプリンタがなく,徒歩 30 分のコ. 暗号化したデータおよび 暗号化したメタデータ. 検索性能低下 データ推測リスクあり. 暗号化したデータおよび 暗号化したメタデータとデータID(素数) を基に 作成された Bloom Filter. 提案方式. ユーザエージェント. 2016 年度論文賞の受賞論文紹介. ものです.投稿締切は 2015 年の年明け 出力し,論文全体を読み返すのが常な. データ漏洩リスクあり. 暗号化なし. クラウドエージェント. 図 -1 Bloom Filter の利用イメージ. ンビニまで二度往復したことは記憶に新しく,ほか の論文に比べ愛着があります.  本論文の研究は,情報漏洩が問題視されること があるクラウド内のデータ保護を対象としていま す.その際データが漏洩した場合に備え,データを 暗号化するという対策が考えられます.しかし単純 にデータおよび付随するメタデータを暗号化すると 検索等の処理時間が増加する問題が発生し,さらに 複数回の検索により,データの中身を推測されるリ スクも生じます.この問題に取り組む研究は多数あ りますが,私は Bloom Filter というデータ構造を用. いた手法に着目しました(図 -1 参照).このデータ. 構造は,大規模な集合をコンパクトに表現すること を可能とし,集合に特定の要素が含まれているかど うかのチェックを高速に実施することができます.. Bloom という単語は,英語では「花」や「咲く」とい. った意味でよく知られていますが,Bloom Filter の. 名称は発明者の Burton H. Bloom 氏の名前から付け. られています.私は学生時代にこのデータ構造を知 り,その特性に強く惹かれていました.今回の論 文では久しぶりに Bloom Filter を用いた研究ができ,. 初心を振り返る良い機会となりました.  Bloom Filter は非常にシンプルな技術ですが,そ. の本質的なデータ構造の特性が近年見直されていま す.Google Scholar で "Bloom Filter" というキーワ. ードを用いて論文検索を行うと,2000 年頃から急. 速に論文数が増加し続けていることが分かります.. Google Scholar 全体の論文数増加の影響も考えられ. ますが,IoT/ ビッグデータ時代との親和性が高い ことも論文数増加の一因と考えられます..  本研究は合同エージェントワークショップ&シン ポジウム(JAWS 2014)にて発表を行い,エージェ. ント研究者との議論を通じて研磨させたものです. また,今回の論文誌査読により本論文の完成度が格 段に向上しました.この場をお借りして匿名の査読 者の方々に感謝申し上げます.. (2017 年 5 月 15 日受付). 清 雄一(正会員) [email protected]  2009 年東京大学大学院情報理工学系研究科博士後期課程修了.博 士(情報理工学).同年(株)三菱総合研究所入社.2013 年より電気 通信大学助教.プライバシ保護データマイニング,ソフトウェア工学, エージェントに関する研究に従事.. 情報処理 Vol.58 No.8 Aug. 2017. 713.

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