ニュース語彙の指導に関する一考察
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(2) 捕されました。」「ひき逃げの 疑 いで 調査されている。」「 容 疑 者をつかまった。 ・. 」. 「. ( 犯人名 ). に逮捕された。」等のように 再生した。 内容理解の上で 問題はないと 思. われるものの、 ニュースとは 異なる表現や 不自然な結びつきの 組合せがあ り、. ま. た 再生された組合せの 種類も母語話者に 比べ多 い 。 以上のことから、 母語話者は. 連語に関する 組合せの知識を 持っているが、 学習者はそのような 連語の知識をま だ持たず、 組合せの一方のみを 聞き取り、 後続の動詞または 直前の名詞とは 無関 係 に再生しているよ う に思われる。. そこで、. ニュース指導の 際に連語による 語彙. の 提示を提案した。. しかしながら、 この調査は連語を 目的とした調査ではなく、 実際のニュース 文 にどのような 連語が見られるかは 不明であ り、 実験に用いた 以外の連語に 対し予 測可能かどうかは 明らかではない。 本稿では、 連語による提示が 可能かどうかを 探るため、 まず、 ニュースにおけ る連語「名詞 十 助詞 十 動詞」の組合せを. 調べる。 次に、 抽出した組合せが 予測 可. 能 かどうか。 母語話者に対する 連語の予測テストから 確かめる。 これら一連の 結 果から連語による 語彙の提示が 可能かどうかについて 考察する。. 2. 先行研究 2J1. 連語. まずここで取り 扱う連語についてまとめる。 鈴木重手. (1972) は 、 語と語の連なりについて、. 「連語とは、 名付け的な意味を. もった一つの 単語と、 それにかかって、 その名付け的な 意味を限定する 一つ以上 の ( 名付け的な意味をもった ) 単位とからなりたち、. す 単位であ る」と述べており、 言語学研究会編. 全体で名付け 的な意味を表. (1983) では、. を 格、. に格、 へ格、. で格 等の名詞と動詞の 組合せについて 主に文学作品の 例を挙げている。. 仁田義雄. (1980) は、 連語は大きく 連用結合になるものと、 連体結合になるも. のに分かれるとしている。 また、 結合について、 統語論的事象、 語彙論的事象" 、. 意味論的事象は 無関係な存在ではなく、. それぞれが関わり 合って 、 正しい文が成. り立つと述べ、 基本的な動詞について 結合冊文法の 立場から明らかにした。 . 例え. ば、 「スープ ヲ食 ベル」が言えないのは、 「スープ. 一4 一. (液体 ) 」と「 ( 固体を ). 食 ベル」.
(3) の 両者に対し意味特性間の 不整合性が原因としている。 つまり連語の 組合せには. 制限があ るのであ る。 基本的な動詞についての 結合については、 寺村秀夫. (1982) で詳細に論じられ. ている。 寺村は日本語の 述語がどういう 種類の補語を 必要とし、 それぞれの補語 がどういう格助詞をとるかという. 視点から分類している。 しかしながら、 その 補. 話 にどのような 意味の名詞が 要求されるのかは 言語の使用される 文体によって 異 なると思われる。 特定の文体に 対し連語の立場から 事と語の組合せを 検討する 必. 要 があ る。 さらに、 城田 俊 (1991) は「道草を食. う. 」「元も子もない」等の 慣用句以覚に 意. 昧 的な相互関係や 文体的な関係で 結合する語があ り、 核となる語は 文法的大枠内 で、 限られた数の 動詞 ど 結びつくと述べ、. この結びっきを「ことはの. 縁 」と呼ん. で いろ。 「ことはの 縁 」は連語と名称は 異なるが同じものだと 考えられる。 また にとばの 縁 」について、 語の結合に対する 捉え方を提案するもので、. 実際にどの. ような結合があ るかは発見の 途上にあ ると述べている。 ここで、 連語についてまとめる。. 1) 一つの単語ではなく 複数の単語で 一つの意味をなす 組合せの表現で、. 「. ( 一十 ). 名詞 十 助詞 十 動詞」の組合せの 表現であ る。. 2) 連語は統語的、 意味的、 文体的な関係で 制限され結合した 語であ る。 3) 連語でどのような 結合があ るかまだ明らかではない。 特に、 ニュースの文体 における連語を 明らかにしたい。 2-2. 予測能力. 次に、 どのような知識を 用いれば、 ニュースが理解できるようになるのだろう か 。 予測能力の面からみることにする。. リスニンバのメカニズムについて、. 河野守夫 他 (1985) は聞き取りの 際、 言語. 内の情報のうち、 音声構造、 文法構造、 語彙、 文脈等の知識が 必要であ り、 それ らを総合的に 分析すること、 またはその知言. 哉 をもとに予想と. 検証を行. う. って、 意味が理解できるようになると 述べている。 特に語彙については、. 検証という思考作業により. ことによ 予想と. 単語の意味素性や 統語素性に関する 知識を用い、 語の. 連なりの一部を 聞くだけで、 次の語の予測を 可能にすると 述べている。 そこで、 一5 一.
(4) 本研究では母語話者の 予測能力を利用して、. ニュースの連語の. 結びつきが慣用的. に用いられるものかどうか 確認することにする。. 予測能力の調査として、 寺村秀夫 (1987) あ る一つの文を 文節毎に区切って. るという調査を. があ. る。 寺村は母語話者を 対象に 、. 初めから順次板書し、. その後続部分を 予測させ. 行った。 その結果、 母語話者はわずかな 情報からかなり. 側 が可能であ ること、. 「名詞 十 助詞」「名詞. 先まで 予. 十 助詞」という 連なりと組合せから 一. 定の動詞が連想、 されること等がわかったとしている。 市川保子. の結果、. (1993) は、. 外国人の予測の. 寺村と同じ調査を 外国人日本語学習者に. 仕方は言語形式においてばらつきが 大きく、. 語句・表現は 日本人より限られていること 等がわかったと 平田悦郎. (1991) は寺村の調査を 応用し、. 「. デハ 」主語 文 、. な 述語が結ばれるかに. 1 5. ガ 」主語 文. 内田安伊予 他. 用いられる. 文中、 文末を予測. 比較を行った。. 015 の文について、. この調査で. 主語に対してどのま. 注目している。 その結果、 母語話者の予測率は. 語 文 」の方が予測率順位の さ. 「. そ. 述べている。. テレビニュースの. する能力について 日本語学習者と 日本語母語話者との. は、 ハ、. 対し行った。. 高く. 、. 「. う. ハ主. 上位に集まったとしでいる。. (1995)では、 「が」と「は」に 焦点、をあ て、 「が」と. 「は」によって 何が予測されるかということについて 日本語母語話者を 対象に 1 つ の 文について調査を. 行っている。. その結果「が」名詞句は. 動作性述語、. 句は状態性述語を、 また「が」文はその 述語として過去時制述語を. 「は」名詞. 、 「は」文は非. 過去時制述語を 予測させる傾向にあ ると述べている。. 寺村、 市 Jll は、. 一つの文に対し 語彙や文法を 含めた予測結果の 報告であ. り、 他. の文については 言及していない。 平田、 内田他は助詞の「が」「は」に 注目し、 れに対し、 述語 文 がど. う 予測できるかという. 文法能力の調査であ る。. 複数の文 や、 「は」「が」以覚の 助詞を含む補語と. 動詞の結びつきについての 子. 測 調査は行われていない。 先に述べた連語についてはど くても動詞の 直前の補語. ( 名詞 十 助詞 ). そ. う. だろうか。 全て聞かな. を聞いたところで、 動詞が予測できるの. だろうか。. 一6 一.
(5) 3. ニユロ ス における連語 3-1. 資料. ニュースにおける 連語にはどのようなものがあ. 金庭久美子・ 川村よし子. るのだろうか。. (1999a) では、 ニュース 文 と新聞の文末表現について. 調査した。 本稿でも同じデータを 用い、 文末に見られる 動詞をさらに 詳細に見る ことにする。 資料としてニフティサーブの NHIC ファイル 1997 年 6 月の朝 7 時の ニュ 一ス 原稿 361 件、 1940 文を用いる。 1940 文には 459 種類の文末表現があ のうち、 出現率の高い 上位 20 位までの動詞,をとりあ げる. 3.2. ったが、. そ. (表 1)0. ニュースの連語の 抽出. 次に、 動詞の直前に 見られる補語に 注目し、 出現数の多かった 動詞が、 どのよ うな補語. ( 名詞 十 格助詞「が」「を」「で」「に」「. るかを見た. (表. へ ) と結びついて 構成されてい 」. 1) 。 上位 20 位までの動詞に 対し、 149 種類の組合せが 見られた :。. その結果、 組合せの中で 最も多かったのは、 「捜査を進めています」 あ る。. 次いで「考えを 示しました」. (15例 ) 、 「方針を固めました」. ている。 他の組合せに 上ヒベ 多く見られることから、. (18 例 ) で. (10例 ) となっ. たとえば「捜査を」の 予想、さ. れる動詞は、 「進めています」となる 可能性が高いと 思われる。 この組合せが 連語 として認められるかどうかさらに 詳しく見る必要があ る。 一方、 形式名詞にと」に 続く動詞の組合せも 多く見られた。 「∼ことがわかり ました」. (39例 ) 、 にとが予想されます」. (13例 ) 、 にとを決めました」. (13例 ) 等. であ る。 この ょう に形式名詞にと」に 続く動詞を決定づけているものは、 これ. らの表現の前に 置かれている 内容にあ ると思われる。 これらは語彙の 提示として 用いにくいため、 とりあ げないことにする。 母語話者は実際にこれらの 連語の組合せの 知識を持っているのであ ろうか。. 4. 連語の予測テスト 4Ⅱ. テストの実施. (1) テスト 文 3 の結果から、 361 件のニュースのうち、 出現上位の動詞が 含まれるリード 文を 選んだ。 リード文はニュースの. 冒頭におかれるニュースの 概要を示す文であ る. 一7 一.
(6) 表 1 順 ィ立. 文末に多く用いられた 動詞とその組合せ 文末に用いられた 動詞. 46. 1 わかりました。. ( ) は数. 組合せの 例. 数 種類. (2) (39) 、 調べでわかる (3) 、 調査でわかる (2) 、 まと. 4 めでわかる ことがわかる. き えを示す (15)、 意欲を示す (5)、 姿勢を示す (4)、 見通しを 示 2 示しました。. 43. 16% 曇巴㌔ 屋愛、 針を示す 各 1) 脇息. を接. % ま、 を磨芸 ㌢ 2% 曹姿 ㌔ 麟 ㌔. (. 捜査を進めている (1の 、 調べを進めている (6)、 分析を進めて 3. 進めています。 した。. いま. 41. 1Ⅰ. いる㈲、 検討を、 見直しを、 犯人の絞り込みを、 調整を進め ている (各 2)、 解明を、 作業を 、 取りまとめを、 返済を進めて いる. 意見が出ている (8)、 見方が出ている (8)、 声が出ている (5)、 指 4. 出ています。 た。 いません。いまし 34 、2%ず寄轟桂集. ㌣装. " 爵だ 急患宙去. 1) 2) 、 デッキ 、 影響. 動きが出ている 案が出ている (各(各. に 出ている (1) 5. 決めます。 こ。 決めまし. 6. 明らかになりまし・ ヒ @。. を、 突破を、 (13) 、 1) 、 (7) 、 項目を、 対応を、 (1) 追放 6 ことが明らかになる 証言で、 実態が明らかになる (12) 、 調べで、 (2) 、 違いが明らかになる 話で明らかになる (各 (1) 3)、. 8 ことを決める 優勝を決める 方針を決める (各 取締役会で決める. 7. あ. ません。 ります。 ました。. 18. 8. 明らかにしました。. Ⅰ8. 9 予想されます。. Ⅰ. 0. わかっています。 ません。. Ⅰ6. Ⅰ3 ⅠⅩ. 11 行います。 ました。 Ⅰ. 2 行われました。. 13 示しています。. 回答が、 事件が、 ことがあ る (各 2)、 動きが、 けがが、 韻字が、 15 質問が、 ところが、 幅が、 照明が、 不満が、 文章が、 跡が、 見方があ る(各 1)、 立場にあ る (1). (10) ( 、2) 方針を明らかにする㈲ 、 考えを、 (13) 、 、 伸び悩みが、. 4 ことを明らかにする 構想を明らかにする 4 れる ことが予想される (各り. 各. 事態が. 反発が予想さ. (9) (1) 、 かどうかはわかっていない 、 のかはわかっていない (1) (2) 、 @@ @. 4 ことがわかっている いてはわかっていない. Ⅰ. アノ ㌔. 13 、。 轟肇 ㍉昂麗容ま携需坑ヒ % 増亀2) 湊逼 驚喜 手烹暴蕾欝ら ,宕 13 Ⅰ. 8. 会合が、 改正が、 公演が、 採決が、 投票が、 実験が、 審議が、 13 対局が、 投票が行われる (各 1)、 ∼時間、 ∼にわたって 、 ∼で、 ∼ため行われる (各 1). (6) 、. 方針を、. 6 考えを示している 姿勢を示している 見方を示している (各 u. (3) 、 期待を、 懸念を、. ことで一致する (6)、 認識で一致する㈹、 見方で一致する. Ⅰ. 4 一致しました。. 工2. 8. Ⅰ. 5 強調しました。. 12. 7 妥当性を強調する (成果を強 各 ∼と強調する② 謂する (各 考えを 8 方針を固める (10)、 立場を 、 案を固める (各り. 16 固めました。. Ⅰ2. 17 調べています。. Ⅰ. 18 まとまりました。. ⅠⅠ. 19 強まっています。. Ⅰ. 20 急いでいます。. 2. 0 9. 2) 、. ことを強調する㈹、 重要性を、 姿勢を、 1) 、. (6) 、1) 、 ,。 ;2) : 意見が強まっている (各(5) u、 5 (3) 、 (杏乃. 5 事件との関連を 況を調べている (各 ∼とみて調べている 翼 書架 声白碁集. 4 向が強まっている. 寛喜色 裟. (4) 、 いきさ 、 っを. 状. 、 ;, (3) 、 疑いが、. 漂塞 猿ア 省享葵暴雀 と㌔ニ篠. 見方が強まっている. 特定を急いでいる 犯人の絞り込みを 急いでいる 分析を急いでいる. 一8 一. (の. 傾. (3) 、 解明を、 鑑定を、.
(7) また、 当時の社会状況からニュース 少にかかわらず 内容の異なるもので、. 内容にやや偏りがあ るため、 組合せの数の 「が」. 格、. 「を」. 多. 格 , 、 「で」格の組合せの 含ま. れるものをテスト 文に選んだ。 また、 それらは省庁再編で 現在 省名 が異なって い ることや、 地名や名称から 被験者にとって 既知の ニュ と なる可能,性があ とから、 原文の一部を 変えた作例とした. るこ. (巻末資料 ) 。. (2) 被験者及びテスト 方法 テストは、 日本人大学生 (2一 3 年生 ) 32 名を対象に、 テスト テスト 2. ( 読み ). の 2 種類行った。 テスト. 1. ( 聞き取り ). 1. では、 実施者が ニュ 一ス 文を該当の. 動詞の直前で 読むのをやめ、 文字なしに聞き 取りだけで次を 予測させるよ た。. と. う. にし. 読み上げる際には、 金庭久美子 (2001) のニュース文の 区切り方を参考に、. 実際のニュースの 読み上げに近い 形になるようにした。 テスト 読み上げた。 テスト し テスト. の影響がでないようにするため、. 1. 2 を行った。 テスト. した。 テスト. 2. 2. テスト. 1 1. の文は. 2. 回ずつ. 終了後 10 公休憩、. は被験者が自分で 黙読し空欄を 埋めるという 形に. を行ったのは 聞き取りでは 理解できない 場合もあ. ると. 居、 われたか. らであ る。 また、 テストの双に、 今日読み上げる 文はニュースのリード 文 と呼ばれるもの で、 ニュースの概要を 示す文であ ることを説明した。 また、 解答の際、 動詞は二 ユース 文にふさわし い形 、 例えば「ですⅠます」、 「ますⅠました」も 考慮して 記. 述 するよ 4.2. う. 指示を与えた。. テスト結果. テストⅠとテスト. 2. の結果を表 2-1一表 2-10に示す。. 解答の中で数の 多かった上位五つの 動詞を記す。 「その他」には 上位五つ以外に 何種類あ ったか記した。 4-3. 考察 (り. テストⅠとテスト. テスト 1 , 2. 2. の比較. を比較すると、 予想、された動詞の 種類と数に大きな. 差は見られな. ぃ 。 例えば 2-1 「調査でわかりました」に 対する動詞の 予測ではテスト 1 では 4 種 の 動詞、 テスト. 2. では. 5. 種の動詞が予測されており、. それぞれの動詞を 予測した. 人の数もほぼ 同じであ る。 つまり、 母語話者の場合聞き 取りでも読みでも 同様の 一9 一.
(8) 表2. テスト結果. 表 2.1. 「調査でわかりました」の. 結果. (計. 32/100%. 表 2.2. r考えを示しました」の. 結果. (計. 32/100%). 表 2,8. 「捜査を進めています」の. 結果. (計. 82/100%). 結果 テスト 2 1 一致しました 0 2 合意しました。 同意しました , 4 まとまりました。. 5. (解答なし ) 11種. lその他. 一 Ⅰ0一. 438 655え %Z 411 9681. 「認識で一致しました」の. 826. 」の結果. 844 1. Ⅰ @・@V. 表 2.5. 。。す す たま すす種 ましい まま 6. 表 2.4 「方針を決めました。. てて 他 けっ の. 8種. l 数 @ %. テスト 2. I. 46. Ⅰ. 5 続けています。. その他. [. 続行 そ. 4 続行しています。. % 6 18.8 5 15.6 4@ 12.5 2.5 4 4@ 12.5 9 28.1. 128. 数. テスト 1 1 開始しました。 2 行っています。 8 進めています。. ). (計. 32/100%. (計. 32/100%) l. 」. ). 数 @ % 7 5 4 8 2. 」. 21.9 15.6 2.5 Ⅰ. 9.4 6.8. I@-111 34.31.
(9) 表 2.6. (計. 「方針を固めました」の 結果 テスト 2. 数. 固めました。 打ち出しました。 決めました。. 百ト決定しました。 その他. 件 との関連を調べています」の. 表 2-7 陣. 結果. %. 21.9 12.5 9.4 9.4. 7 4 3 8. 2 明らかにしました。. [. 32/100%). |. I@ 131. 10 種 (計. 82/100%). 00. 表 2-9 嚥告 がまとまりました」の 結果. (計. 82/ 100%). 表 2-10 「分析を急いでいます」の. (計. 32/100%). テスト 1 1 急いでいます。 2 進めています。. 8 行っています。 4 しています。 5 続けています。 その他 8 種. 結果 数 12. % 37 ゐ. 11. 34.4. 2 2 2 3. 6.8 6.8 6.8 9.4. 一 %1 一.
(10) 予測ができたと 言える。 また、 母語話者が解答した 動詞はテスト 1. ,. 文の動詞と意味の 上で類似しており、 その解答に不適切なものはあ. まり見られな. ぃ 。 本稿では. 1 ,. 2 共に問題. の 雨 テストの結果から 総合的に連語に 対する認識についてみ. 2. ることにする。 さらに、 本調査は母語話者への 調査であ るから、 文法面において、 それぞれの 格 にふさわしくない は、. 動詞を解答した 者は当然のことながらいない。 興味深いこと. 各問題において、 作成問題と被験者の 解答したテンス「 一た 」やアスペクト. 「∼ている」がほぼ 一致していたことであ る。 これらが一致した 理由が何か探る 必 要 があ. るだろうが、 今回はそのような 事実の指摘のみにとどめる。. (2) 正答者が多 い 場合. 次に、 一文ずつ見ることにする。 正答者が多かったのは、 2-1 「調査でわかりま した。. 」. ( テスト. 1. 50.0%. 53.1%) であ る。 これらは、 て 予測可能な組合せと. 2-7 「事件との関連を 調べています。. 八. 」. 予測しており、. 半数以上の人が. 2. つ. (あ. るいは. 3. つの. ). 1. 日本語母語話者にとっ. 言えよう。 また、 2-3 「捜査を進めています。 」はテスト. は 40 . 6 老でやや多い。 これらの組合せは「を」. (3). ( テスト. 2. で. 格 、 または「で」格の 組合せであ る。. 動詞の予測に 分かれた場合. 一方、 2-4 「方針を決めました。」、 2-6 「方針を固めました。」、 2-10 「分析を急 い でいます。」は、 ニュース 文 と同様の表現も 見られるものの、 その他の動詞の 正答 者数と差が少ない。 2-4と 2-6はどちらも「方針を」という 補語をとる動詞であ るが、 母語話者の解答では、 2-4も 2-6も同様の動詞. ( 固めました、. 決めました、 明らかに. しました等 ) で解答している。 また、 問題 文 2-4、 2-6にこれらの動詞を 当てはめて も 文意は通じる。. これらの動詞については、. 使用状況が類似しており. 母語話者は. 細かな意味の 差をそれほど 感じていないように 思われる。 そこで、 「方針を」という 補語に対し、 どのような動詞が 要求されているか、 表 1. の動詞について 見た。 「方針を」に 対する動詞は、. を 決める」. 示している」. (7例 ) 、 「方針を明らかにする」. (4例 ) 、. 「方針を固める」 「方針を示す」. (10例 L 、 方針 (1例 ) 、. 「方針を. (1例 ) の 5 種類となっている。 このことから、 聞き手は「方針を」に. 対しては「固める」「決める」「明らかにする」「示す」といった. 組合せの知識を 内. 在 的に持っていると 考えられ、 それが解答として 書かれたのではないかと 一Ⅰ2一. 思われ.
(11) る。. 同様に、 問題 文 2-10 「分析を急いでいます」についても、. 「急いでいます」と. 「進めています」の 正答者数が近いため、 動詞の入れ替えを 行ってみたが、 文意は 変わらなかった。 「分析を」という 補語に対して、 どのような動詞をとるか 表. (4例 ) 、 「分析を急いでいる」. 見たところ、 「分析を進めている」 あ. り、. 母語言舌者が. 解答した動詞. と 一致する。. 1 を. (3例 ) の組合せが. このことから、 「分析を」に 対しては. 「進めています」または「急いでいます」という. 組合せの連語が 要求されると 考え. られる。 このことから、 2-4 「方針を決めました。」、 2-6 「方針を固めました。」、 2-10. 「. 分. 祈る 急いでいます。 」は補語に対しひくつかの 動詞の組合せを 予測するが、 それら の意味に大きな 差はないと言える。 また、 これらの組合せがすべて「を」格の 組 合せであ ることにも注目したひ。. (4) 正答者がやや 少ない場合 さらに、 2-2 「考えを示しました。 」の文についても「表明しました」や「発表し ました」等で 動詞の入れ替えを 行ってみた。 しかし、 2-2の文を「示しました」で、 はなく. 「表明しました」と 言. う. 「大臣」等の 人物が要求されるよ. ためには、 「郵政事業庁」ではなく、 「首相」や う. に 居、 える。 また、 「発表しました」と 言. う. には「考え」ではなく、 何か決定事項であ るべきだと思われる。 表 Ⅰでは、 を」に対し「考えを する」. (2例 ) 、. 示す」. (15例 ) 、 「考えを示している」. 「考える強調する」. ため 「考え. (6例 ) 、 「考えを明らかに. (1例 ) 等のように結びついていたが、 母語話者. の予測では、 これらの表現は 見られなかった。 2-5 「認識で一致しました。」につ い ても動詞の入れ 替えを行ってみた。 2-5の文を「合意Ⅰ同意しました」というため には、 「認識」ではなく 何か賛成し ぅる 意見が必要で、 落ち着きが悪いように 思わ. れる。 また、 表. Ⅰでは「認識で」に 対し、 「認識で一 致する」. (4例 ) という組合せ. でしか見られない。 それぞれ 20% の正答者が い るものの、 予測がめれていた。. (5) 正答者が少ない 場合 正答者が少なかったのは、 2-8 「意見が強まっています。」、 2-9 「報告がまとまり ました。」であ る。 被験者の予測したものと 被験者の解答の 種類が 2-8については 22 種. 実際の動詞が 一致しなかった。 また、 ( テスト. 一Ⅰ3一. 1 ) 、 2-9 については 13 種 ( テス.
(12) 1 ). ト. に分かれた。 これらは予測が 定まらず連語として 取り上げるには 問題があ. りそうであ る。 表 た. 」. 1. では「意見が 強まっています」 (5例 ) 、 「報告がまとまりまし. ml例 ) で、 日頃 ニュース文において 例が少なく連語の 知識として獲得できて. いない可能性もあ る。 この二つの共通点は「が 格 」の補語に直接続く 動詞となっ ている。 先行研究の言語学研究会編 (1983) でも「が 格 」の組合せについては 触 れておらず、 予想、しにくい組合せということも 考えられる。. (6) データベースと 予測調査との 関係 次に、 本稿第 3 節の調査で得られた 出現数と第 4 節のテストで 得られた結果を 比べると、 出現数が多かった 組合せでは「捜査を 進めています」. 18 例に対し正答. 者は 40.6%. 0 テスト. ( テスト. 2 L、. 15 例に対し 21.9%. 「考えを示しました」. 1 ). で、. 必ずしも「出現数が 高 い もの三富 ぃ 正答者数」とは 言えない。 一方出現数の 少な かった組合せでは「認識で 一 致しました」. いでいます」. 3 例に対し. 37.5%. ( テスト. 4 例に対し 21.g%. n テスト. 2L 、 「分析を急、. 1) で、 出現数が少なくてもやや 高い正答. 者数を示しているものもあ った。 その理由として、 このデータベースではこれら 0 組合せはサンプルに 過ぎず、 ニュース文にどの 程度出現する 組合せかまでは 特 定 できないことが 考えられる。 今後、 さらに大きなデータベースでの. 調査が必要. であ ろう。. 5. まとめ 以上の結果から、 次のようなことが 言える。. 1) ニュースの文末表現のうち、 「補語 十 動詞」の組合せのものをデータベース により抽出したところ、 数多く出現する 組合せが見られた。 2) 抽出した組合せのうち、 母語話者の半数以上が 実際の組合せと 同じ動詞で 予測するものがあ った。. (. 「調査でわかりました。」「事件との. 関連を調べて. います。 ) 」. 3). あ. る補語はデータベースにおいて 数種類の動詞. 「固めました。 」等 ). を要求する場合があ. な 差が見られない 場合は、. るが、. ( 「方針を」. + 「決めました。. 」. それらの動詞の 意味に大き. 母語話者の予測もデータベースと 同様、. 話 に対して数種類の 動詞が導かれた。 一 14 一. (. 「方針を固めました」、. ある. 補. 「方針を決め.
(13) ました」、. 「分析を進めていますⅡ. 4) 抽出した組合せの 中には、 予測がめれているものが 見られた。 しました。 」「認識で一致しました」. ( 「考える. 示. ). 5) 予測が困難な 組合せは「が」 格 との結びつきのものであ った。 ( 「意見が強 まっています」「報告がまとまりました」. ). 抽出した連語の 組合せは母語話者にとっても 予測困難な場合があ われるものが 全て予測可能であ るとは言えない。 しかし、 予測. り、 連語と思. と 一致した連語は. ニュースに慣用的に 用いられる連語と 言える。 このような連語は、 慣用句と同様、 連語で提示してもよいのではないだろうか。 また、 連語の組合せが 数種類にわた 、 意味に大きな 差がな い 場合は 、 他の動詞との 結びっきがあ ることも示す 必要. り. があ ろう。 しかしながら、 本 テストには問題点もあ る。 リード 文 という長い文の 中で、 動 詞を予測させているため、 直前の補語で 予測したかどうかは 不明であ る。 脈の中で、. 「補語 十 動詞」の組合せの. あ. る文. 予測を可能にしたとも 考えられる。. 今後、 今回用いたもの 以外にどのような 連語があ るか、 聞き取りにおいてどん な文脈がその 連語を予測させるのか、 さらに詳細な 調査が必要であ る。. 注 1. 分類にあ たり、 以下の基準を 設けた。 1) 完了・未完了は 同一項目、 2) る 」、. 「てい. 「てきた」等のアスペクトの 違いは別項目、 3) 動詞に「ことになる」、. 針だ」等の表現が 付加されたものは 除く、 4) 「としている」、. 「方. 「とみられる」等. の 引用の「と」で 受ける動詞は 除く、 とした。. 2. 「わかっている」と「行われる」については、. 「名詞 十 格助詞 十 動詞」の組合. せ 以外のものもあ ったが、 参考までにあ げておく。. 3. テスト文の 2-7 「事件との関連を 調べています」は 本来「関連を 調べています」 のみを対象にすべきであ るが、 データベース. 中、. 「事件との」以覚の 組合せを 持. つものはなかったため、 「事件との」を 含めた組合せとした。. -@. Ⅰ. 5--.
(14) 参考文献 市川智子. (1991) 「上級 聴解 クラスにおけるテレビ 報道番組ビデオの 利 m 省. 日本語研究所の 場合一」『日本語教育』. 73 号. p.127-D.139. 一 米国務. 日本語教育. 学会 市 1l@ 子. (1993) 「覚国人日本語学習者の 生 センタ一日本語教育論集』第. 内田安伊予・. 遠藤裕子. 予測能力と文法的知識」『筑波大学留学. 8 号,. p.l-p.18. 池上 摩 希子・大野早苗・ 大島弥生・長友和彦. (1995)「予測文法研究. (1). : 「が」と「は」の 予測機能について」『言語文化と. 号. p.134-p.147. (1988) 「大学生のための 聴牌 本語教育』㎝ 号. 日本語教育』第 9. 一 ニュース番組の 特集を利用して 一 」『日. p.10g-p.l21 日本語教育学会. 金庭久美子・ , l@ よし子 (1999a) TV ニュースと新聞記事の 文末表現の比較」 「. 『日本語教育方法研究会誌』 金庭久美子・. Vo1.6. 川村よし子 (1999b) TV 「. 表現」『日本語教育 j l0l号. N0.l, p.3色p.37 ニュース構成の 特徴分析とそれを 支える. p.l-p.l0 日本語教育学会. 金庭久美子 (2001) 『学習者はどのように W ニュースを聞いているか 一穂 解 能力の 測定と結果一』横浜国立大学教育学研究科修士論文. 河野守夫・沢村文雄編. (1985) LISTENING&SPEEM 『. ㏍NG. 新しい考え方』山口. 書店. 城田 俊 (1991) 『ことはの 縁 構造語彙論の 試み 鈴木竜華. (1972)『日本語文法・. コ. リベルタ出版. 形態論』むぎ 書房. 寺村秀夫 (1982) 『日本語のシンタク. スと. 意味 1d くろしお出版. 寺村秀夫 (1987) 「聴き取りにおける 予測能力と文法的知識」『日本語学. コ. 第6巻. 第 3 号, p.5 年p.68 仁田義雄 (1980) 『語彙論的統語論. コ. 明治書院. 平田悦郎 (1991) 「ニュース文の 構造と聴解の 予測能力について」『お 茶の水女子 大学人文科学紀要』第 44 号, p.131-p.150 班 歌子 ・三井豊子・ 森松 映子 (1986) 『ニュースで 学ぶ日本語』凡人社. 三井豊子・ 堀 歌手・ 森松 映子 (1998). 『ニュ 一スで 学ぶ日本語 パ一. 一 16 一. ト. Ⅱコ. 凡人社.
(15) 巻末資料. テスト 文. 1 五十歳前後の 国家公務員の 七十 老 近くが、 定年後も六十歳代前半まで 働きたい と 考えていることが. 2. 総務省の調査で. ( わかりました。). 郵政事業庁は、 郵政三事業の 民営化問題について、 民営化すれば、 全国一律の 基礎的なサービスができなくなるとして、 現行どおり国営で 行 考えを. 3. う べきだという. ( 示しました。). 去年 10 月、 成田空港で、 アメリカン航空機が 離陸に失敗して 炎上した事故から. 今日で一年になりますが、 干葉県警察本部では、 につながったとの 見方を強め、 捜査を. 4. 外国人機長の. 判断ミスが事故. ( 進めています ) 。. 原子力発電所など 放射線を取り 扱う施設で働く 人の被ばくの. 限度について、. 科. 学技術庁の放射線審議会は、 これまでの基準の 四十パーセント 以下に強化する 方針を 5. ( 決めました ) 。. 自民・公明・ 保守の三党の 幹事長が昨夜会談し、 構造改革の最終案の 取りまと めに向け、 来年度以降も、 政府と三党が 緊密に協議していく 必要があ るという 認識で. 6. ( 一致しました ) 。. 財務省は、 金融改革の焦点の. 1 つとなっている. 株式の売買手数料の 自由化につ. いて、 来年の後半にはすべての 取引の手数料を 完全に自由化する 方針を. ( 固め. ました ) 。. 7. 干葉の小学生殺害事件で、 遺体が見つかった 小学校の双で 不審な男を見たとい ぅ. 8. に内閣改造と 党役員人事を 行 う べきだという 意見が 最近盛んになっているボランティア. ( 強まっています ) 。. 活動への参加を 高校を卒業するための 単位. として認めるべきだとする 文部科学省の 研究会議の報告が. 10. ( 調べています ) 。. 政府・自由民主党内では、 小泉総理大臣の 党総裁としての 再選に合わせて、 11 用. 9. 目撃情報が寄せられ、 千葉県警察本部で 事件との関連を. ( まとまりました. )。. 横浜の銀行員殺害事件で、 遺体の一部が 見つかった山林付近に 複数の車の タ イヤ の跡が残っていたことがわかり、 神奈川県警察本部では 事 Ⅰ牛に関係してい る可能性もあ るとみて分析を. (急いでいます ) 。. 一 17 一.
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