オランダにおける環境税の導入と展開(特集 環境税の財政社会学―長期的傾向と国際比較の分析から―)
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(2) . 図 1 オランダにおける部門別実効炭素税率 以ょa の火蜘税* (ユー u / 1 ► ンC X > , >. ■炭ぷR. • 憤111111胃,,;1. 繰蠅.鍼螺. 吃繋. '辺閉. 鴎稟・ : ; , r i. 竃れ. 函. I SO. 1 00. ” 。 。. 20000. . .. 60000. 8000(). 1 00000. 1 2 ' ! 0 0 0. 1 I O O O O. 160000. CO, ・ Tトンあたりの艶釦I 出. 出所:OECD(2016)より作成.. かにすることが,本研究の問題関心である.. ランダの財政および税制において環境税はどの ように位置づけられ,環境税の制度変化に対し. 1.2 先行研究整理および本稿の課題. オランダ環境税の制度分析については,Vos. てどう影響を与えたのかを考察する.具体的に は,一般燃料課徴金導入の 1980 年代後半から,. (1997) お よ び Vermeend and van der Vaar t. 改組されたエネルギー税増税の影響が見られる. (1998),Hamelink(1998)が挙げられる.また. 2010 年までを分析対象の時期とする.次節で. 国内の研究では藤田(2001)および柴(2014)が,. は,課徴金から一般燃料税へと改組がいかにし. オランダの環境税の構造および改革の変遷につ. て行われたのかみていく.3 節では,環境税導. いて論じている.これらの研究では,二重の配. 入が進展するに伴い,税制全体がグリーン化し. 当などの環境税理論の視点から,オランダの環. ていく過程をみていく.4 節では,2000 年代以. 境税について論じている.しかし,環境税を租. 降における環境税の動向について考察する.最. 税政策として財政学の視点から捉えれば,環境. 後に,本稿のまとめを提示する.. 税は財源調達の手段としても期待が出来るた め,いかにしてこの増税案が採択されたのかと いう点について考慮する必要がある.また税制. 2.一般燃料課徴金から一般燃料税へ 2.1 1988 年の一般燃料課徴金. 改革の際,必要となる改革案での租税負担調整. 本節では,1992 年に導入された一般燃料税. との関係から,環境税がどのように位置づけら. がいかにして課徴金から改組されたのか,加え. れていたのかという点も考慮する必要がある.. て,課徴金はインセンティブ目的であったのか. したがって,本研究では,環境政策史および. 財源調達目的であったのかみていく.. 歴史的制度論の視点から,どのような環境への. オランダにおける環境税は,1988 年の一般. 影響を目的に政策立案が行われ,それが政治過. 燃料課徴金(heffing op brandstoffen)の導入が. 程を経てどのような制度形成につながったのか. 契機となっている.従来は,1969 年の 6 つの. を考察する.加えて財政社会学の視点から,オ. 分野別環境法(水質汚染法,大気汚染法,化学廃.
(3) . 表 1 1988 年と 1990 年の一般燃料課徴金の税率(セント/単位当たり). ディーゼル 天然ガス − 170,000 ㎥以上 石炭 税収. 単位 ℓ ㎥ ㎥ ㎏ 百万 Dfl.(€). 1988 年 1.75(0.8) 0.07(0.03) 0.22(0.1) 0.582(0.265) 315(143). 1990 年税率案 提案 最終案 2.88(1.31) 2.88(1.31) 0.288(0.131) 0.424(0.192) 0.491(0.223) 0.524(0.238) 1.2(0.55) 1.274(0.579) 557(253) 600(273). 出所:Vermeend and van der Vaart(1998;19)Table3.2.1 より作成. 注:カッコ内の数字は 1 ユーロ= Dfl. 2.2 としてユーロ(€セント)に換算したもの(オランダの通貨単位はギルダー [Guilder]で Dutch Florin の略称で表す).. 棄物法,廃棄物法,騒音法,航空法 )によって,. 目的に,一般環境政策法に基づき燃料を課税. 環境政策の財源として個別に課徴金が課せられ. ベースとする一般燃料課徴金が住宅・国土・環. ていた 2).航空機騒音課徴金は騒音対策の財源. 境省によって導入された.. 確保を目的としインセンティブ機能は持たない. 表 1 は一般燃料課徴金の 1988 年と 1990 年改. 一方,水質汚染課徴金は財源調達以外に強いイ. 正時の税率を示している.一般燃料課徴金は鉱. ンセンティブ機能があった 3).. 物油およびその製品,天然ガス,石炭および石. しかし,1980 年代に入ると制度が個別に分. 炭製品を課税とされ,大気汚染や交通騒音など. 離し,環境政策への支出と負担の関係が納税者. が燃料使用の直接的結果であることから,汚染. にとって複雑なものになっていたことなど,い. 者負担の原則につながると考えられた.租税負. くつかの批判点が挙げられていた.第 1 に,同. 担と税収は小さいものであったが,住宅・国土・. じ燃料を課税対象とする個別課徴金において,. 環境省の環境政策部門の財源調達目的として位. 燃料消費と各環境問題への負荷,環境対策費負. 置づけられていたのである.. 担の関係が不明瞭だとされた点である.第 2 に,. 一般燃料課徴金の税率は,1990 年 2 月に税. 個別での課徴金実施は断片的な政策となるこ. 率の算定基準に CO2 が追加され,一般燃料課. と,第 3 に,各課徴金の収入が少額の場合に行. 徴金の一部として CO2 課徴金が導入されてい. 政費用が上回る税務執行上の問題があった.特. る.これが燃料を課税ベースとする環境税に移. に,財政面では課徴金収入の使途が特定されて. 行していくきっかけとなった.同課徴金は, 「年. いることによる財政の硬直化と,税務行政費の. 間 1 億 5000 万ギルダー(引用者注:約 6818 万ユー. 最小化が指摘されていた .以上の点に加え,. ロ)の増収を確保し,省エネルギーや公共交通. 当時検討されていた新しい統合的な環境政策に. の改善のほか酸性雨防止対策といった温暖化対. 合致しなくなっていた 5).そのため,簡素化を. 策関連の政府支出をまかなうこと」を目的に導. 4). 入され,「行動の変革のためのインセンティブ 2)制度的には 15 の環境課徴金制度が実施可能 であったが,実際には 7 つの課徴金が課せられて いた.1988 年には,自動車大気汚染,交通騒音, 化学廃棄物,産業騒音,潤滑油に対する 5 種類と なっていた.(大熊(1993:155)) 3)大熊(1993)は,1975-80 年に水質汚染対策 を講じた企業を調査したところ,43% の企業でこ の課徴金が対策の唯一の動機であったことを指摘 している. 4)藤田(2001:131) 5)Hamelink(1998:975),Vermeend and van der Vaart(1998:17). は直接の目的とはしていなかった」6). この 1988 年は,環境問題への意識を高める 年でもあった.オランダ国立公衆衛生院と環境 団体が発表した統合環境調査報告書『明日への 懸念』がベストセラーとなるほどの反響があり, さらに環境意識を高めることとなった 7).同報 6)大熊(1993:156) 7)川名(2007:22)この報告書は,前年に発表.
(4) . 告書では,オランダの環境問題が深刻であり,. は環境重視か経済成長重視かに絞られた 9).こ. 汚染物質排出量の大幅削減が必要であるもの. の選挙の結果は環境重視のグリーンレフトが議. の,排出削減目標値の達成は困難であることが. 席を増やす一方,経済重視であった VVD が議. 指摘されていた.. 席を減らし,環境問題への姿勢が結果を左右し. 翌 1989 年 3 月には,温暖化防止対策について. た.このため,第 1 党の CDA は VVD ではなく,. 協議する国際会議がオランダの首都ハーグで開. 野党第 1 党だった労働党(以下,PvdA)との. 催され,多数の国々の賛同を得て「ハーグ宣言」. 連立を組み,第 3 次ルベルス政権が誕生し,環. をまとめる 8).さらに 5 月には,第 2 次ルベルス. 境政策により積極的に取り組んでいくことに. 政権が『明日への懸念(Zorgen voor morgen ) 』. なったのである 10).. に対応する形で国家環境政策計画(Nationaal. 第 3 次ルベルス政権発足時の与党間の連立合. Milieubeleidsplan;NMP,英語表記は NEPP)を. 意で取り決められた政策方針には,環境支出の. 発表した.これは環境問題に対する包括的かつ. 増加とその財源としての課徴金を含む環境関連. 長期的な政策を提示し,特に経済的手段の積極. 税制の増税が盛り込まれた 11).この連立合意. 的利用を明言した.これは,大気汚染や河川や. の綱領では,炭素税を別の税として導入するの. 土壌の汚染といった従来の個別の環境問題か. ではなく,炭素含有量に応じて一般燃料課徴金. ら,地球温暖化を含む包括的な環境問題へと認. の税率を上げる形で導入することが提案され. 識が変化したことを意味し,これに対して一本. た 12).先述の CO2 課徴金が導入され,幅広い. 化された課徴金を税に移行していく方針が示さ. 環境対策関連の歳出増加をまかなうこととなっ. れたのである.. た.この政策審議過程において与党の PvdA は,. こうした環境問題への意識の高まりは,環境. CO2 課徴金によって調達された財源とその使途. 税以外の財政政策の方針とその主体となる政権. を切り離し,一般燃料課徴金の一般財源化を主. にも変化をもたらすことになった.一般燃料課. 張していた.これに対し他政党は,炭素に対す. 徴金が成立し,包括的な環境政策を打ち出す中. る課徴金による財源は温暖化対策に使用される. で,当時の第 2 次ルベルス政権の内部で対立が. べきとして目的税化を主張したが,一般財源に. 発生したのである.第 1 党のキリスト教民主ア ピール(以下,CDA)が,環境対策費の財源と して石油税の増税,マイカー通勤者への税額控 除廃止を提案したのに対し,連立を組んでいた 自由民主党(以下,VVD)が反発し,内閣は総 辞職となった.そのため 1989 年 9 月の総選挙 では,NMP の信を問う形となり,選挙の争点 された『我らの共有の未来』(ブルントラント・レ ポート)と題する報告書に大いに影響を受けてお り,その趣旨に沿って書かれた. 8)この会議は,オランダのルベルス首相が,フラ ンスのロカール首相,ノルウェーのブルントラント 首相の 3 人が共催し,その開催地がハーグであった. ハーグ宣言では, 「 『有効な温暖化防止対策を実行し ていくためには新しい発想に基づく強力な取り組み が必要である』として,基本的な条約制定の検討に 着手するよう初めて提言し」 , 「国際社会の取組みの リード役を最初に買って出たオランダの積極姿勢が 国際的に高く評価された. 」 (ibid .(2007:28) ). 9)この選挙では, 「とりわけ地球温暖化防止対 策についてはオランダ国民の関心が強く,二酸化 炭素の排出量削減率の目標を『今後 4 年間で 8 パ ーセント』としたキリスト教民主勢力に対し,野 党第一党の労働党(中道左派)は同期間の削減率 を『10 パーセントにすべきだ』として対抗」した のに加え,左派系の少数政党 4 党が「グリーンレ フト」を結成したことからも環境政策が重要な争 点であったことがわかる. (川名(2007:29)) 10)川名(2007)は,同政権が「 『地球環境保全 対策はオランダ一国ではできない.まずオランダ 一国だけでも個別の汚染物質の削減目標を具体的 な数値で設定し,その目標達成に積極的に取り組 むことを通じて,諸外国をリードし,世界全体と しての効果的な施策に結びつけよう』という考え 方に基づいて,自動車交通量の削減など温暖化防 止対策を始め国内外の環境対策全般に積極的に取 り組み始めた」と指摘している. 11)Tweede kamer der Staten-Generaal 21132 nr.8“Kabinetscrisis en formatie 1989” 12)Vermeend and van der Vaart(1998:18).
(5) . 繰り入れられることとなった.ここで従来の個. を課税対象とする一般燃料税に改組する法案を. 別の環境政策の財源調達目的であった課徴金. 1991 年 11 月 21 日に提出した 15).期待される. は,財源の一部を広義の環境政策の財源として. 税収は 1991 年の約 9 億ギルダーから 1992 年の. 一般財源化されることとなったのである.また. 約 15 億ギルダー,1993 年には 22 億ギルダー. 同提案では,交通車両のエネルギーに利用する. まで増加させるという提案であった.しかし,. ことを目的として,天然ガスに対する税率を. 一般燃料課徴金の導入時には汚染者負担原則か. ディーゼルの税率と同じに抑えるという提案も. ら燃料を課税ベースとしたが,課税ベースも税. なされたが,これについては議会では否定され. 収も大きくなるにつれ,すべて一般財源とする. た(表 1 を参照) .. 一般燃料税導入にあっては,その汚染者負担原 則が適切か否かについて議論されるようになっ た.一般燃料税への改組にあたって, 「なぜ土. 2.2 一般燃料税への改組. 環境関連政策が促進されたのには,先の選挙. 壌汚染や化学汚染に関する政策の財源調達が燃. によって左派勢力の躍進が一つの要因となって. 料税なのか」という点が争点となったのである. いた.では,どのように一般燃料課徴金が環境. 16). 税に移行していったのか,みていく.. ていた一方で,エネルギー使用者のみに環境支. .多数の議員はその制度改正を肯定的に捉え. 国民の後押しを受けた第 3 次ルベルス政権. 出全体を負担させることに反対する意見もあっ. は,1990 年に NMP を補足する新国家環境政. た.そのため,1993 年以降の課徴金の増税は. 策計画(NMP+)を発表し,経済的手段の積極. 行わないと同時に,廃棄物,地表水,飲料水,. 的実施と炭素税からの財源調達を提案した.同. 天然資源といったさらに広く課税対象を検討す. 年 2 月には地球温暖化に対する行動目標の達. ることを条件に,妥協点を見出しつつ議論が行. 成,およびその追加的な税収確保を目的に一般. われた.このことは,「環境対策の恒常化によ. 燃料課徴金の一部として炭素含有量に応じた付. る環境対策の財政需要拡大と,それに応じた税. 加税率による増税を実施した.オランダの取り. 収拡大の結果,一般燃料課徴金が環境支出の財. 組みはデンマークとともに EC 規模の二酸化炭. 源調達をするための唯一の手段」とは単純にみ. 素税導入を牽引し,両国は「EU 規模の二酸化. なされなくなり,「特定の財源調達手段から一. 炭素税を実現すべく,その交渉過程を促進する. 般的な課税手段としての意味合いに変化した」. 意図を持ちながら,不完全ではあるもののそれ. と言えるだろう 17).. ぞれ国内に二酸化炭素税とエネルギー税を導 入」した先駆的な国となった. .その後,こ. 13). こうして,1992 年 6 月に「環境課税標準による 燃料使用者税法」が採択され,7 月から一般燃料. れが EC 域内の議論に波及し,1991 年 10 月と. 課徴金は「一般燃料税(brandstof fenbelasting) 」. 12 月に開かれたエネルギーおよび環境大臣ら. に改組された.これまでのような使途に紐付け. による共同欧州理事会は,環境税を含む気候変. される財源から,一般財源に組み込まれること. 動政策を具体的な行動に移すことに合意したの. となったのである.ただし,一般財源化された. である. ものの,「予算面では,環境対策費が環境税収. .. 14). こうした環境政策が欧州レベルに波及する中. 総額以上に予算配分が行われて」いたことから,. で,オランダ財務省は一般燃料課徴金を,燃料. 「実質的には特別課徴金と目的税の性格を保持. 13)蟹江(2001:179) 14)ibid .(2001:177)1992 年 6 月頃の EU の気 候変動政策の焦点は,EU 規模の二酸化炭素または エネルギー税を巡る議論に収斂していったものの, 他に導入する国は現れなかった.. 15)Tweede kamer der Staten-Generaal 21407 “Wijzigin van het hoofdstuk Financiële bepalingen van de Wet algemene bepalingen milieuhygiëne” 16)Hamelink(1998:975) 17)山本(1997:61).
(6) . B 案(Variant B) C 案(Variant C) 国 OECD 加盟国 オランダ国内 燃料 すべてのエネルギー消費部門 小規模エネルギー利用 エネルギー含有量(50%)と炭素含有量(50%) エネルギー法案の 50% と 100% 税率 (1)精製のためのエネルギー消費 税 自動車燃料 (2)発電所. 課 税 主 体 課 税 範 囲 課 税 対 象 納 税 義 務 者 課 税 標 準 税 率 非. 課. III. 表 2 ヴォルフソン委員会による環境税提案 A 案(Variant A). I. 出所:山本(1997:57)第 1 表より引用.. した制度」であった 18). 税率は,毎年の予算審議中に決定される財政 需要額に応じて設定される制度となっており, 財政需要額の決定後,個々の課税対象燃料に対. いても検討しており, EC 域内での環境税(A 案) の促進も視野に入れて,オランダ国内の環境税 (B 案)の導入に至ったのである. このようにオランダでは,個別課徴金によっ. する税率が単位あたりの燃料別エネルギー量,. て環境政策の財源調達を行っていたが,地球温. 炭素含有量と,1 年で消費される燃料の送料を. 暖化への関心が高まり,同時に与党が環境政策. 基礎として,エネルギー量と二酸化炭素含有量. を軸に選挙で勝利したことでより一層環境政策. に 1:1 で課税される. 19). .これにより細かに制. が進んだ.そして世界的な温暖化問題に対する. 度改正を行ってきたオランダの炭素税は,EC. 新たな計画,そしてそれに沿った財源調達方法. 提案型に近い炭素/エネルギー要素(比率は炭. として一般燃料税が選択されたのである.. 素:エネルギー 1:1)を課税標準とする税となっ. た.これには,政府諮問委員会であったヴォル. 2.3 労働者負担の軽減と環境税. フソン委員会(Commissie-Wolfson)が 1992 年. 第 3 次ルベルス政権の環境政策は環境意識の. 2 月の最終報告で,OECD 加盟国内の共通課税. 高まりと国内外の政治的状況が肯定的に作用し. 案(A 案)と A 案同様の課税方式によるオラン. たことは大きな要因であったが,同政権が行っ. ダ国内での課税(B 案 ) ,国内の家計と中小企. ていた他の政策との整合性が取れていたことも. 業を対象とした小規模消費に対する課税案(C. 積極的に働いたことも挙げられる.ルベルス政. 案)の 3 つの課税案による政策効果を検証して. 権は「オランダ病」からの脱却が課題にあり,. いたことにある(表 2) .A 案では,精製のため. 財政再建と失業率の回復が政策課題にあった 21).. のエネルギー消費と発電所を除き,すべての化. そのため,パートタイム労働およびワークシェ. 石燃料,エネルギー消費量に対し,使用者規模. アリングによる雇用改革によって改善を図った. に関わらず,課税するというものであった.そ. 政策方針に伴い,租税制度も適合的なものに改. の結果,A 案は C 案以上にエネルギー節約と二. 革する必要があった.政権発足時より労働コス. 酸化炭素排出量削減が期待できることと,国際. トの削減や労働者負担の軽減を税制改革の政策. 貿易等で調整を行う場合に経済的損失なしにエ. 方針としており,すでに一般燃料課徴金を導入. ネルギー消費が削減できることを結論づけてい. した 1988 年には所得税の引き下げ,翌年 89 年. る 20).この報告書では EC 内での政策協調につ. には付加価値税の標準税率の引下げが行われて. 18)ibid. 19)1988 年から 1994 年までの税率表は,山本 (1997:62)第 4 表を参照のこと. 20)山本(1997:57). きた.また第 3 次ルベルス政権期の 1990 年の 所得税制改革では,社会保険の適用拡大に伴う 21)島村(2017b)を参照のこと..
(7) . 表 3 付加価値税の税率推移 標準 軽減. 1984 19% 5%. 1986 20% 6%. 1989 18.50% 6%. 1992 17.50% 6%. 2001 19% 6%. 2012 21% 6%. 2019 21% 9%. 表 4 一般燃料税,ウラン税,地下水税,廃棄物税の税率(1995 年) (セント/単位) ディーゼル 天然ガス −≥ 10 million ㎥ 石炭 ウラン 地下水 −うち産業用 廃棄物(埋め立て) 税収. 単位 ℓ ㎥ ㎥ ㎏ gr U ㎥ ㎥ ton 百万 Dfl.(€). 1992 年 2.660(1.209) 2.079(0.945) 1.367(0.621) 2.264(1.029) − − − − 1,385(629). 1994 年法案 2.770(1.259) 2.155(0.979) 1.141(0.518) 2.338(1.062) 3,195.000(1,452.272) 34.000(15.454) 17.000(7.727) 2,850.000(1,295.454) 1,860(845). 出所:Vermeend and van der Vaart(1998:24)Table3.4.1 より作成. 注:カッコ内の数字は 1 ユーロ= Dfl. 2.2 としてユーロ(€セント)に換算したもの(オランダの通貨単位はギルダー [Guilder]で Dutch Florin の略称で表す).. 労働者および企業に対する税負担の軽減が目的. 総額を地下水税:廃棄物税を 1:1 で設定する. の 1 つであった.さらに表 3 にみるように 1992. こととし,地下水税 1.1 億ユーロ(2 億 4500 ギ. 年にも付加価値税の標準税率が引き下げられ,. ルダー) ,廃棄物税 1 億ユーロ(l.2 億 3000 ギル. ルベルス政権期では断続的に付加価値税率の引. ダー)の税収が見込まれた.一般燃料税の税収. 下げが行われてきた.こうした労働者の租税負. は 6.3 億ユーロ(13 億 8500 ギルダー)を維持し,. 担軽減には所得税と付加価値税の標準税率の引. 総額 8.5 億ユーロ(18 億 6000 ギルダー)の税制. 下げを行う一方で,その財源補填として考えら. 改革案となった.議会では法案の修正が一部行. れたのが財源調達手段として確立していた一般. われ,リサイクルによる 2 次エネルギー生産につ. 燃料税だったのである.. いてはゼロ税率を適用し,化石燃料と同等の税. 付加価値税率を引き下げた 1992 年には,一. 負担を核 燃 料に課 すウラン税を追 加した 24).. 般燃料税の税率引上げと新たな環境税の創設を. 1992 年と比較した 1994 年法案の環境税の税率. 目的とした税制改革法案が提出された. は表4のとおりである.新たな税目が追加され. .同. 22). 法案では, 新たに地下水税(grondwaterbelasting). 増税になったものの,エネルギー事業者以外に. および廃棄物税(afvalstoffenbelasting)を創設し,. 対する負担が求められたことがわかる(後述の. これらの税収を一般財源に組み入れるとした.. 図 5 を参照).. この法案は当初から税負担を労働力から環境要. 以上のように,個別法によって課されていた. .従来か. 環境関連の課徴金は,従来個別の政策を実施す. ら一般燃料税の多くは大規模エネルギー事業者. るための財源調達方法として課されていたもの. 因に移行することを目的としていた. 23). の負担であったことから, 「汚染者負担の原則」. であったが,燃料を課税標準として包括的なも. を議論してきた議会では新税の創設を含む同法. のに広げ,さらには税として一般財源に組み入. 案が肯定的に受け止められた.最終的に税収の. れていく過程が,オランダにおける環境税とし. 22)Tweede Kamer der Staten -Generaal 22849 “Wet op de verbruiksbelastingen op milieugrondslag” 23)Vermeend and van der Vaart(1998:23). ての導入経緯であった.こうした背景には,地 24)ibid. (1998:24).
(8) . 球温暖化問題が環境問題として認識が国内外に. いる.また導入する際にはエネルギー集約産業. 広まり,環境政策を重視する政党が国民の信任. に負担が集中するため「オランダの企業が国際. を得たことで政策を後押したのと同時に,当時. 競争力を損なわれないようにしなければならな. ルベルス政権で行われていた,新たな雇用制度. い」と指摘しつつも,同税の導入には肯定的な. に適合的な税制改革方針(直接税から間接税へ. 見方であった 26).スウェーデン,ノルウェー,. の移行)にも合致するものであったことが大き. フィンランドの北欧諸国,ドイツ,スイスなど. な要因であった.こうした背景の中で,目的税. の国における化石燃料に対する租税負担の事例. によって個別具体的な政策のための財源調達方. をあげ,環境負荷の内部化の観点から率先して. 法としてではなく,広範囲に渡る環境問題と関. 規制エネルギー税の導入を支持していた.. 連する財政需要を充足するための一般的な財源. こうした中で行われた 1994 年選挙では,戦. 調達として一般燃料税が受容されたのである.. 後長期に渡って政権を担ってきた中道右派の. 3.税制のグリーン化 3.1 1996 年:規制エネルギー税の導入. CDA が敗北し,中道左派の PvdA を第一党に, VVD,左派の D66 党による第 1 次コック政権(通 称「紫政権」 )が誕生した.さらに 1989 年に結. オランダは 1992 年に実質的な税収目的とし. 党したグリーンレフト(Groen Links)が議席を. て燃料税の増税を行い,EC 提案型に近い環境. 伸ばしたことで,これまでの環境政策をさらに. 税を一般財源として導入した.その後にもう一. 推進する政治的土壌が形成された.この連立政. つの環境税として規制エネルギー税(regulerende. 権では連立合意交渉が難航したと言われるが,. energie belasting)が導入された.以下では,そ. この政策合意の中には,前政権下のヴォルフソ. の導入過程を見ていく.. ン委員会で提案された規制エネルギー税案が含. 先の一般燃料税の増税時にエネルギー集約型 産業が強く抵抗したこと,またヴォルフソン委. まれており,引き続き導入が検討されることと なった.. 員会も EC が追随しない状況で単独の炭素税導. 翌 1995 年 12 月に法案が提出され,1996 年に. 入は国際競争力の衰退を招くと指摘していたこ. 電気使用量・天然ガスの小規模使用に対する規. とから,一般燃料税とは別の課税ベースの選択. 制エネルギー税が導入された 27).この新税が小. 肢,および産業に対する負担軽減策が考えられ. 規模エネルギー消費者を対象とした理由とし. ていた. て,大規模エネルギー消費をする企業の国際競. .そこでヴォルフソン報告書の C 案. 25). が経済活動に影響を与えることなく,二酸化炭. 争力低下への懸念が挙げられる 28).加えて,. 素の排出量を削減することが可能であるとし. オランダのエネルギー集約産業においては,エ. て,政府はこの新税の実現に関して諮問委員会. ネ ル ギ ー 節 約 の た め 自 発 的 協 定(vrijwillige. に意見を求めた.そのためオランダの政府諮問. overeenkomsten)が結ばれ実施されていた一方,. 機関である社会経済評議会(Sociaal-Economische. 他方で小規模商業者は自発的協定などでの節約. Raad;SER)が,規制エネルギー税導入に関し. が難しかったことが挙げられる.そのため,同. て 1993 年にアドバイス報告書を発表した.そ. 税は一般燃料税とは異なり,最終消費者に租税. こでは,規制エネルギー税の導入について欧州 委員会の議論を注視しつつ,エネルギー消費量 に対して CO2 排出量の抑制を目的とした規制 エネルギー税の導入をするべきだと結論づけて 25)Hamelink(1998:975) そ の た め,1995 年 に地下水の取水,不法投棄,発電目的のウラン使用, それぞれに対しても課税されることとなった.. 26)Sociaal Economische Raad(1993:103) 27)T w e e d e K a m e r d e r S t a t e n - G e n e r a a l 24250“W ijziging van de Wet belastingen op milieugrondslag in verband met de invoering van een regulerende energiebelasting” 28) こ れ は 山 本(1997:66) が 行 っ た 経 済 省 Huiskamp 氏へのヒアリング調査で指摘されてい る.山本論文の脚注 24 を参照のこと..
(9) . 表 5 一般燃料税(1995 年)および規制エネルギー税(1998 年)の税率. 天然ガス − 0-800 ㎥ − 800-170,000 ㎥ − 170,000-10 mln. ㎥ −≥ 10 mln. ㎥ 電力 ※ − 0-800 kWh − 800-50,000 kWh −≥ 50,000 kWh 税収(計 ※※). 単位. 一般燃料税 + 他 1995 年. 規制エネルギー税 1998 年. 統合税率 1998 年. ㎥ ㎥ ㎥ ㎥. 2.155(0.979) 2.155(0.979) 2.155(0.979) 1.141(0.518). 0 9.53(4.331) 0 0. 2.155(0.979) 11.685(5.310) 2.155(0.979) 1.141(0.518). kWh kWh kWh 百万 Dfl.(€). 0.500(0.227) 0.500(0.227) 0.500(0.227) 1,860(845). 0 2.95(1.340) 0 1,900(863). 0.500(0.227) 3.450(1.567) 0.500(0.227) 3,760(1,709). 出所:Vermeend and van der Vaart(1998:27)Table3.5.1 より作成. 注:カッコ内の数字は 1 ユーロ= Dfl. 2.2 としてユーロ(€セント)に換算したもの(オランダの通貨単位はギルダー [Guilder]で Dutch Florin の略称で表す). 注 ※:規制エネルギー税は電力に対して直接的な課税,一般燃料税は電力会社の燃料に対する間接的な課税.後者は kWh 当たりの税率に換算. 注 ※※:1995 年の税収は地下水税および廃棄物税を含む.. 負担が賦課されるように設定されている.税率. 対して約 4.2 億ユーロ(9.3 億ギルダー) ,家計に. は一般燃料税の税率に付加する課税するものと. 対して約 5.6 億ユーロ(12.3 億ギルダー)の軽減. なっている(表 5) .. 策となり,総額では付加価値税を含むエネル. ただし,この新税は小規模利用者に対する増 税を目的としたものであったため,従来から. ギー課税の税負担よりわずかに上回る額に相当 するものとなったのである 31).. 行ってきた労働者負担の軽減の政策方針に矛盾. このことは,規制エネルギー税が財源調達目. することになる.そこで,コック政権では 3 つ. 的ではなく,エネルギー使用の効率化を目的に. の負担軽減法によって相殺することを想定して. 小規模エネルギー消費者に対する政策インセン. いた 29).産業に対しては,1990 年税制改革時. ティブを重視した課税であったことを意味して. に社会保険料の使用者負担分を賃金に上乗せし. いる.それは,欧州議会の議論を意識し,欧州. て支払う調整加給金(overhevelingstoeslag)を. 規模での環境税導入を支持している国々に対し. 軽減させることで負担軽減を図った.家計に対. て導入の呼び水とすべく,オランダが先駆けて. しては,所得税率の 0.6% 引き下げ,および高. 導入することの意義を法案に明記していること. 齢者に対する基礎控除額を拡大することで負担. からも明らかである.しかしながら,欧州議会. 軽減することを図った 30).これらにより企業に. で共通政策として環境税が導入されるか否かの. 29)Tweede Kamer der Staten-Generaal 24344,. “W ijziging van de inkomstenbelasting en de. vennootschapsbelasting in verband met de invoering van een regulerende energiebelasting”, 24463, “houdende wijziging van enkele belastingwetten”, 24285,“Wet brutering overhevelingstoeslag lonen” 30)1990 年税制改革では国民保険制度の使用者 負担分を被用者負担に移行したが,使用者には従 来の負担分を給与に上乗せして支払う調整加給金 制度(overhevelingstoeslag)が導入され,総額の 賃金は上昇し総労働コストと可処分所得を変えず. 決議を待っている段階にあったため,結果的に に所得税収が増収する結果となった.具体的には, 調整加給金を 0.19% ポイントまで引き下げ,自営 業者に対する税額控除を Dfl.1,300 まで引き上げ, 法人所得の Dfl100,000 までは法人税率の 3% ポイン トを引き下げることを含んでいた.1998 年には雇 用主負担が復活し,同制度は 2001 年税制改革で導 入された社会保険料減免型の給付付き税額控除が 取って代わる形で廃止となっている. 31)Vermeend and van der Vaart(1998:26).
(10) . 欧州規模で炭素/エネルギー税の導入が失敗し. と同じ 1997 年に発表された最終報告書では,. たために,オランダ単独で導入された新税と. その税制改革提案を検討するなかで,税制のグ. なったのである. リーン化を積極的に進めることを強調した 36).. .. 32). 2001 年税制改革は,資本所得への分離課税を 含むボックス課税や社会保険料減免型の給付付. 3.2 21 世紀に向けた税制. 1990 年 代 に は 環 境 税 と し て 新 た な エ ネ ル. き税額控除の導入などの抜本改革となったが,. ギー税の導入が実現するなど,環境税による増. これらは『21 世紀に向けた税制』の税制改革案. 税が積極的に行われてきた.1998 年より発足. に基づいていた.この改革案では「グリーン化. した第 2 次コック政権では,こうした流れのな. 税制」を, 「 (環境改善に対する) “報酬”と“課税”. かで税制そのものを環境に配慮したものに変え. のバランスの重要性を強調」 するものであり, 「財. る, 「グリーン税制」の方針を打ち出す.以下. 政的にも魅力的で, (中略)国民の支持を受けて. では,その形成過程についてみていく.. いる」と評している 37).制度改革としては,環. 1997 年に当時の財務大臣ザルムと財務次官. 境税の引上げについて既存の環境税の増税と新. フェルメーントが中心となって作成された,税. たな環境税の導入の 2 つを提案し,さらに所得. 制 改 革 へ の 提 言 書『21 世 紀 に 向 け た 税 制. 税において環境改善目的の投資に対する税額控. (Belastingen in de 21e eeuw ) 』は,税制改革の目. 除などが挙げられる.その具体案は,付加価値. 的として「税制のグリーン化」の方針を明記し. 税の 1.5% 増税と一般燃料税の増税である.増税. .この以前から 1995 年 2 月に財務省は 「税. 案は付加価値税の増税が 17.7 憶ユーロ(39 億ギ. の グ リ ー ン 化 に 関 す る 政 府 検 討 部 会(The. ルダー) ,一般燃料税が 15.5 憶ユーロ(34 億ギ. Dutch Green Tax Commission) 」を立ち上げ,環. ルダー) ,他の環境税の増税分が 7.7 億ユーロ. た. 33). 境税制を総合的に検討してきていた. .この. 34). 検討部会の報告書では,従来の環境税の増税と. (17 億ギルダー)の総額 41 億ユーロ(90 億ギル ダー)の間接税増税となった.. 労働所得の租税負担引下げを引き続き検討して. このコック政権のレポートに対して,労使は. いるのに加え,第 2 次報告書では環境投資への. どのような立場を表明していたのか.使用者団. 免税などの積極的なインセンティブ政策を重点. 体は,税制改革に求めるものとして国際競争力. 的に提起していた 35). 『21 世紀に向けた税制』. や,就業と企業の促進を挙げ,経済中立的な税. 32)Vos(1997:254)1992 年 6 月 以 降,1994 年 12 月まで環境税の議論は取り上げられず,その欧 州理事会で欧州委員会は二酸化炭素税/エネルギー 税を導入する加盟国に対してサポートはするものの その EU 規模での導入については決議が下されない ことが決定された. (蟹江(2001:181) ) 33)この報告書の焦点は,以下 4 点である.1. 所得税の税率構造の改善 →所得税の課税ベースを 浸食する要因:①所得控除,②住宅ローン利子控除, ③年金控除,④労働パッケージ(給与所得控除)2. キャピタル・ゲイン税の導入提案 →資本所得への キャピタル・ゲイン税(CGT)の導入検討: ①発 生ベースの CGT,②実現ベースの CGT,③みなし 利回りへの比例税率の課税 3.直接税から間接税 への移行および税のグリーン化 4.老後所得に関 する財政的な上限設定(傘の設定)の導入 34)報告書は,1995 年 9 月に第 1 次,1996 年 3 月に第 2 次,1997 年 10 月に第 3 次および最終報告 書が出されている.. 制を求める一方で環境税増税についてはインセ ンティブ効果が小さいとして反対していた.こ れに対し労働組合側は,社会保障の財源確保や, 労働者負担から他の税源への移行,税のグリー ン化を挙げており,環境税増税については積極 的に支持していたのである.前政権から続く パートタイム労働を活用する雇用政策に伴い, 異なる雇用形態の労働者に対する均等待遇を整 備してきたコック政権においては,税制におい ても家族を持つ女性労働者の労働市場への参入 障壁は取り除く必要があった.そのため,税制 35)Vermeend and van der Vaart(1998:93) 36)The Dutch Green Tax commission(1998) 37)Tweede Kamer der Staten-Generaal 25810 nr.2 p.87.
(11) . における労働者負担の軽減は単に租税負担感の. 善目的の投資に対する税制優遇を,さらに拡大. 問題だけではなく,変容しつつある社会構造に. する政策方針を第 1 次政権発足時より掲げてい. 適合した制度に再編成する一つの手段だったの. た.またオランダの環境改善目標がこれまでの. である.その意味では,この提案は広く消費に. 厳しい基準を達成している点を強調し,これま. 課される環境関連税の増税は低中所得者にとっ. での規制と税負担による環境政策からの政策転. て負担増となるものであったが,環境改善効果. 換がみられた.. が期待できることから受け入れられる税目によ る税制改革案だった. 4.グローバル経済下の環境税 4.1 コックからバルケネンデへ. ただし,2010 年まで続いたバルケネンデ政 権下でも,環境税の増税は行われている.図 2 は,天然ガス使用量および電気使用量に対する 租税負担の推移を示している.天然ガスに対す る租税負担をみると,2004 年から 2006 年にか. 以上,コック政権下において,環境税がどの. けて 5,000-170,000 ㎥使用者に対する増税を行っ. ように政治的に受容され増税されてきたのかみ. ている.これは,2003 年の欧州委員会のエネ. てきた.ここでは,コック政権からバルケネン. ルギー税に関する指令を受け,2004 年に一般. デ政権に移行する 2002 年以降でどのような改革. 燃料税が鉱油税と規制エネルギー税に統合さ. が行われたのかみていく.. れ,エネルギー税に改称した改革による増税を. 2002 年の選挙で CDA を第 1 党として発足し. 示している.このエネルギー税では, 「電力生. たバルケネンデ政権は,第 2 次政権の連立合意. 産の環境品質省令(MEP)」によって,再生可. 文書において政権の環境政策の方針を示してい. 能エネルギーといったグリーン電力生産に対し. る 38).これによれば,これまで具体的な目標. ては投資促進を目的とした免税とされた 40).. 設定を達成してきた環境政策を継承しつつ, 「欧. 2008 年には,MEP に代わる新たな再生可能エ. 州への積極的介入」を明示している.この背景. ネルギーに対する補助金スキーム(SDE)が始. には,第 2 次コック政権下の 2001 年に第 4 次. まり 41),よりエネルギー利用の効率化を目的. 国家環境政策計画(NMP4)が公表され,30 年. とした政策方針に変化した.一般燃料税以降,. 以上に渡って国内外の介入が必要であることを. エネルギー税も一般財源に繰り入れられている. 指摘していた 39).これを継承する形で提案さ. が,SDE は天然ガスの売却益とエネルギー税. れた環境政策方針であったが,バルケネンデ政. 収を,2009 年からはエネルギー税収によって. 権の特徴は,より環境問題に対する市民や企業. 財源調達されている.しかしながら,SDE +. の責任を意識させ,環境問題とともに経済成長. となった 2013 年以降,「持続可能なエネルギー. に言及している点である.この具体策として,. の貯蔵(opslag duurzame energie:ODE)」とし. コック政権時の 2001 年税制改革による環境改 38)Tweede Kamer der Staten-Generaal 28663 nr.6“Milieubeleid 2002-2006”第 1 次バルケネンデ 政権は,自由民主国民党(VVD)と選挙で躍進し たピム=フォルタイン党と連立を組むことになっ たが,選挙直前に党首であるピム=フォルタイン が暗殺されたことで党内対立が起り,発足からわ ずか 1 年足らずで総辞職している. 39)ここでは,生物多様性の喪失,気候変動, 天然資源の過剰搾取,健康への脅威,外部安全保 障の脅威,生活環境の障害,可能性のある制御不 能なリスクの 7 つを主要な官許問題として挙げて いる.. 40) 「 電 力 生 産 の 環 境 品 質 省 令(Ministeriële regeling milieukwaliteit elektriciteitsproductie: MEP)」 は,2003 年 に 制 定 さ れ た 現・ 経 済 省 で ある経済・気候省(Ministerie van Economische Zaken en Klimaat)による省令による規制エネルギ ー税の改組に伴う新たな規制枠組みであり,再生 可能電力の生産者は kWh あたり数ユーロの補助金 を受けることが可能となった.しかし,補助金額 が高額だったことから,2006 年に凍結された. 41) 「持続可能なエネルギー生産のための刺激策 (Stimuleringsregeling duurzame energieproductie: SDE,現在は SDE+) 」は 2008 年に発足した再生可 能エネルギーによる電力生産への補助金政策である..
(12) . 図 2 エネルギー消費量あたりの租税負担推移. ユーロ/ 天然ガス 1,000 ㎥ 200 150 100 50. - < ) - <=. 800 ㎥ > 5 000-170 000 ㎥ ~ > 1 mln-10 mln ㎥ △ > 10 mln m3 (業務用) ~. 2011 2012 2013 2014. 2015. .. 2006 2007 2008 2009 2010. 2001 2002 2003 2004 2005. 1996 1997 1998 1999 2000. 1993 1994 1995. 0. > 800-5 000 ㎥ > 170 000-1 mln ㎥ >10mln m3 (非業務用). . . . . .. ユーロ / 使用電力量 1,000 KWh 150. 100. 50. 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015. = -. 0. _ , . _≦0.8 MWh. > 0.8〜10 MWh. > 10-50 MWh. ― ・ ―> 50 MWh-10,000 MWh. 10,000MWh 以上(非業務用). ---0--> 10,000MWh(業務用). 出所:CBS「Heffingen op energiedragers 1993-2015」より作成.. て再生可能エネルギーの補助金政策を,エネル. は,2008 年に 10MWh までの小規模利用者に. ギー税の上乗せ税率による特定財源で賄われる. 対する増税を行っていることがわかる.コック. ようになっている 42).. 政権下でも小規模利用者に限定した増税を行っ. また電気使用量に対する租税負担において 42)「再生可能エネルギーの貯蔵法(Wet opslag duurzame energie) 」2013 年交付.. て以降,2000 年代以降も相対的に小規模利用 者に対する環境税の増税が図られている.一方 で,大規模利用者に対しては租税負担を求めな.
(13) . 図 3 自動車関連含む環境関連税収の構成比推移(%) 100%. 水質汚濁課徴金. 90%. 下水課徴金. 廃棄物収集・清掃. 80%. 課徴金. 70%. 自動車所有税. 60% 50%. 自動車登録税. 40%. 10%. 2012. 2010. 2009. 2008. 2005. 2004. 2003. 2002. 2001. 2000. 1999. 1998. 1997. 2007. エネルギー税. 廃棄物税. 1996. 1995. 1994. 1992. 1991. 1990. 1989. 1988. 1987. 1993. 一般燃料税. 0%. 包装税. 上水道・地下水税. 2011. ガソリン税. 20%. 2006. 30%. 出所:CBS より作成.. い代わりに,環境優遇的な投資や再生可能エネ. 図 4 をみれば,環境関連税収は 1992 年の 6.4. ルギーの発電に対し補助金政策を行うことで環. 億ユーロから 2010 年には約 7.6 倍の 49 億ユー. 境政策と経済成長策の両立を図ってきた.その. ロとなり顕著に増加したが,2008 年を境に自. 意味では,バルケネンデ政権以降は,グローバ. 動車関連税含めた環境関連税および課徴金の税. ル経済下での環境税を維持すると同時に国際競. 収は横ばいとなっている(図 4) .部門別の負. 争力を確保することが政権の課題となった.. 担でみると,1980 年代後半から 2001 年まで自 動車関連税の家計負担は低下傾向(51% から. 4.2 環境関連税収の量的分析. 37%)にある一方,環境関連税の家計負担は. 最後に,オランダの環境関連税収についてみ. 2001 年までに 11% まで上昇した.自動車関連. ていく.自動車関連含む環境関連税収は,自動. 税の産業負担は変化が見られない一方で,1999. 車所有税,自動車登録税,ガソリン税の自動車. 年までは環境関連税の産業負担が 10% まで上. 関連税収が大部分を占めており,1987 年の 77%. 昇している.環境関連税の負担部門を見ると,. から 2012 年には 61% まで低下したものの,依. 2000 年までは一貫して家計負担より産業負担. 然として大きな税目となっている(図 3) .環. が重くなっていたが,2001 年にこれが逆転し,. 境関連税は一般燃料税導入でも 10%に満たな. 産業負担が減少する一方で家計負担が横ばいの. いものであったが,1996 年の規制エネルギー. ため,家計の方が環境関連税を負担していたこ. 税導入で顕著に増加し,2012 年時点では全体. とがわかる.2008 年以降は,この差が縮小し. の約 20% を占めるまでに増加している 43).. 家計と産業の環境関連税負担に大きな差は見ら. 43)ここでの環境関連税収は,廃棄物税,一般 燃料税,規制エネルギー税(後にエネルギー税), 上水道・地下水税,包装税,航空税を含んでいる. このうち,上水道・地下水税は 1995 年に導入,包. れなくなっている.税・課徴金収入全体に対す 装税は 2008 年に導入,航空税は 2008-2009 年のみ 課税されている..
(14) . 図 4 自動車関連含む環境関連税収の推移と部門別の負担構成(%,百万ユーロ) mln €. 60%. 30,000. 50%. 25,000. 40%. 20,000. 30%. 15,000. 20%. 10,000. 環境関連税 (右軸) 環境関連税 - < ) -家計負担 環境関連税. 一 込 ー 産業負担. 5,000. 自動車関連税(右軸) 産業負担 自動車関連税 家計負担 自動車関連税. 2012. 2011. 2010. 2009. 2008. 2007. 2006. 2005. 2004. 2003. 0 2002. 2001. 2000. 1999. 1998. 1997. 1996. 1995. 1994. 1993. 1992. 1991. 1990. 1989. 1988. 1987. 0%. = -. 10%. 課徴金(右軸). • • ••• • 産業負担 課徴金 . ., a. .家計負担 課徴金. 出所:CBS より作成.. る家計・産業負担では,家計が 60% 前後で推. 向にあり,2012 年時点では業種別では最大の負. 移 し 多 く を 占 め る 一 方, 他 方 で 産 業 負 担 は. 担者,次いで卸・小売・輸送・宿泊業となって. 1999 年の 40% を最大として 35% 程度に留まっ. いる.以上のことは,エネルギー税の課税対象. ている.環境関連税収が税収全体に占める割合. がエネルギー集約産業から,より小規模エネル. は現在においても約 10% であり,EU 平均 7%. ギー利用産業に移行していることを示してい. と比較すれば高く,相対的に環境税を牽引する. る.. 地位にあると言える 44). さらに環境関連税収のうち,一般燃料税およ. このように環境税は当初産業部門に対する税 負担は家計部門より重いものであったが,2001. びエネルギー税負担を業種別で見てみると,最. 年より逆転し産業より家計の方が重くなった.. 大の負担者は 1994 年までは,エネルギー産業. また業種別でみると,一般燃料課徴金および一. であり,全体の約 60% を占めている(図 5) .さ. 般燃料税の下ではエネルギー産業が主な負担者. らに鉱業,工業,水道(B∼E)を合わせると全. であったが,規制エネルギー税導入以降はエネ. 体の約 90% を占め,1994 年までは環境税の大部. ルギー産業よりも工業や卸・小売・輸送・宿泊. 分をこの 4 業種で負担されていたことがわかる.. といった業種が負担者となっている.現在では,. しかし,1995 年からエネルギー産業の負担額は. 環境税収はグリーン投資や再生可能エネルギー. 低下していき,1996 年までに半減し,2005 年. による発電への補助金といった政策の財源と. にはすでに 1% 程度となっている.これに対して,. なっており,エネルギーの効率化を目的とした. 1995 年から行政・医療分野が増加し 10∼20% の. 政策課税となっている.. 間で推移しており,1996 年からは農業・林業・. しかし先に述べたように,必ずしも大規模エ. 漁業と卸・小売・輸送・宿泊業が増加し 15∼. ネルギー集約産業が国際競争力を考慮され,環. 20% で推移するようになっている.また横ばい. 境政策の枠組みから外されているというわけで. であった工業の税収負担は,2007 年から増加傾. はない.そうした大規模業者はエネルギー節約 のための自発的協定を結んでいることから,環. 44)Vollebergh(2014:19). 境政策の視点から評価するにはこの点を考慮す.
(15) . 図 5 産業別のエネルギー税負担の推移(%,百万ユーロ) mln €. 100%. 3,000. 80% 2,000. 60%. A 農業、林業、漁業 B 採鉱 D エネルギー F 建設 J 情報通信 L リース、商業用不動産 O-Q 行政,医療. 2012*. 2010. 2009. 2008. 0 2007. 2006. 2005. 2004. 2003. 2001. 2002. 1,000. 2011**. A-U 産業計 (右軸) B-E 計 鉄鋼業~エネルギー C 工業 E 水道・廃棄物管理 G- I卸・小売、輸送、宿泊 K 金融サービス M-N サービス産業 R-U 文化,スポーツ,レクリエーション. 2000. 1999. 1998. 1996. 1997. 1995. 1993. 1994. 1990. 1991. 1988. 1989. = = 一 -. 0%. 1992. 20%. ︱ = ▲ =. 40%. 出所:CBS より作成.. る必要があることは注意しなければならない. おわりに. とに見られる. 第 2 に,1990 年代オランダが諸外国に突出 して環境税が大きい規模となったのには,環境. 本稿では,オランダにおける環境税の導入過. 政策に対する国内外での政治的立場が促進する. 程および史的展開について,とりわけ財政の視. 要因となった点である.第 3 次ルベルス政権発. 点から税制改革との関係に着目し考察してき. 足となった選挙によって,環境重視の政策方針. た.分析の結果を,以下のようにまとめること. が信認を得たことにより,その後の政策枠組み. ができる.. を形成することとなった.また環境問題に対す. 第 1 に,オランダの環境税は個別に導入され. る認識の高まりを背景に,オランダが欧州規模. ていた課徴金制度を拡充することを契機とし. での環境税導入に対して肯定的な政治的立場で. て,一般財源の調達方法として課徴金から税へ. あり,国内の環境税を先駆けて導入することに. と改組するという経緯で発展してきた.1980. よって諸外国を牽引するという国際的立場を. 年代末の環境問題への意識の高まりに伴い,個. 取ったことが挙げられる.すなわち,国内外の. 別の環境問題から地球温暖化の包括的な環境問. 環境政策への政治的立場が環境税を促進すると. 題という認識に変わっていった.これにより個. いう関係にあったのである.そのため,欧州規. 別政策の財源調達方法としての課徴金から,環. 模での環境税導入を推進する政策目的を持っ. 境問題という財政需要を充足するための一般財. て,国内の一般燃料税および規制エネルギー税. 源の調達方法としての環境税が志向されるよう. が導入されたのである.. になった.その点は,国家環境政策計画 NMP. 第 3 に,環境税の増税に対し,税制全体での. において環境問題に対する経済的手段の積極的. 租税負担調整を行うことで政治的に受容された. 利用(政策手段としての租税)が明言されたこ. のと同時に,他の租税負担の軽減の代替策とし.
(16) . て環境税の財源調達能力が期待されていたとい. をもたらしたということを考えれば,そうした. う点である.ルベルス政権期においては労働者. 論点は重要であろう.また本稿では,意図的に. の租税負担の軽減に際し,所得税および付加価. 自動車関連税については捨象した.これについ. 値税の引下げを行い,その財源補填策として一. ては今後の課題としたい.. 般燃料税が引き上げられた.またコック政権期 では規制エネルギー税の導入に際し,家計に対. 参考資料. しては所得税の引下げ,企業に対しては社会保. オ ラ ン ダ 中 央 統 計 局(Centraal Bureau voor de. 険料を代替する調整加給金の軽減といった負担. Statistiek;CBS) https://www.cbs.nl/ (最終. 軽減策が図られた.税制のグリーン化では,直 接税から間接税への移行の具体策として環境税 が挙げられた.こうした労働者負担を軽減しつ つ,環境改善のためには負担増を容認すると. 閲覧日:2018 年 7 月 26 日 19:00) Sociaal Economische Raad(1993)Advies over de. invoering van regulerende energieheffingen . Tweede Kamer der Staten-Generaal 21132,21407,. いった社会的土壌が,環境税増税と他の税制と. 24250,24285,24344,24463,25810,28663.. を合致させたことがもう一つの要因であった.. The Dutch Gr een Tax commission(1998)A. 第 4 に,環境税が財源調達手段の一つとして 確立するにつれ,産業における負担構造の変化 をもたらした.環境税の増税に際し,当初大規 模なエネルギー事業者が負担者となっていた が,EC 単位ではなく一国単独での導入になっ たことで国際競争力への懸念が生まれる一方, 国内の環境意識は高く維持されていた.そのた め,近年の環境税は,家計や小規模商業者など の小規模エネルギー利用者に対する政策インセ ンティブ機能も重視した税目となっている. 2002 年以降,バルケネンデ政権においては, 財源調達や環境改善の環境税増税より環境投資. summary of its three reports1995-1997. VROM(2002)”Vaste warden, nieuwe vormen. -Milieubeleid 2002-2006 ” 参考文献 Hamelink, Peter(1998) Environmental policy and fiscal instruments in The Netherlands , Studies in environmental science, 72, pp.969-980. OECD(2016)Effective Carbon rates-Pricing CO2 through Taxes and Emissions Trading System, OECD Publishing, Paris. van Weeghel, S., K.A. Heineken, I.J.A. Hoekjan, and. に対する税制優遇へと重点が移行している.以. more.(2010)Continuïteit en vernieuwing: een. 上のように,オランダの環境税は,国内および. visie op het belastingstelsel , Ministerie van. 国際的な政治的促進要因と国内の制度改革方針. Financiën, Den haag.. に合致する制度的促進要因によって導入され. Vermeend, Willem and Jacob van der Vaart(1998) ,. た.そして,国内の環境意識が高く維持される. ‘Greening Taxes: The Dutch Model Ten years. なかで,オランダ単独での環境税増税となった. of experience and the remaining challenge ,. ことで,2000 年代では経済と環境を両立する ことを目指した形で維持されていると言えるだ ろう. 最後に,本稿では環境税の導入に焦点を当て てきたが,環境規制などの非経済的手段による. Kluwer Law International, the Hague. Vollebergh,Herman(2014) Green tax reform: Energy tax challenges for the Netherlands , PBL Policy Brief 1501. Vollebergh, Herman, Eric Drissen , Hans Eerens en. 環境政策が環境税の議論に及ぼした影響を十分. Gerben Geilenkirchen(2014). に考慮できていない.大規模エネルギー集約産. Milieubelastingen en Groene Groei Deel II. 業において締結されていた自発的協定の存在. -Evaluatie van belastingen op energie in. が,小規模業者を対象とした環境税という結論. Nederland vanuit milieuperspectief , PBL‐.
(17) . publicatienummer: 904. Vos, Hans(1997) Environmental Taxation in the Netherlands , Tim O'Riordan (ed.) Ecotaxation, St. Martin's Press, New York, pp.246-262. 大熊一寛(1993)「オランダ」石弘光編『環境税 実 態と仕組み』東洋経済新報社,153-166 頁. 大森恵子(2000)「オランダにおける『グリーン税 制改革』の最近の動向」 『資源環境対策』36(2), 198-202 頁. 蟹江憲史(2001)『地球環境外交と国内政策――京 都議定書をめぐるオランダの外交と政策』慶 應義塾大学出版会 川名英之(2007) 『世界の環境問題―第 2 巻 西欧―』 緑風出版 倉地真太郎,佐藤一光,島村玲雄(2016)「環境税. 入 過 程 」Keio-IES Discussion Paper Series , DP2017-011. ――――(2017b) 「 『オランダモデル』と財政改革」 日本財政学会編『貧困を考える - 人生の前半の 社会保障と財政』 第 13 巻 有斐閣 198-217 頁. 藤田香(2001)『環境税制改革の研究―環境政策に おける費用負担』ミネルヴァ書房. 真子幸夫(1995) 「オランダの環境税」 『環境情報 科学』24(2),82-87 頁. 松村弓彦編著(2004)『オランダ環境法』国際比較 環境法センター. 諸富徹(2000) 『環境税の理論と実際』有斐閣. 山本香(1997)「オランダにおける環境税制度改革 の検討」 『経済論叢(別冊)調査と研究』第 13 号,53-75 頁.. は国際協調になぜ失敗したか? ―EU,北欧, オランダを事例に―」慶應義塾大学経済研究. ※本研究は,「文部省科学省私立大学戦略的研. 所 DP2016-001. 究基盤形成支援事業(平成 26 年∼平成 30 年) 」. 佐藤一光(2016) 『環境税の日独比較』慶應義塾大 学出版会.. より研究助成を受けている.心より感謝申し上 げる.. 柴由花(2014) 「オランダ環境税制改革とエネルギー 税の意義」『税大ジャーナル』(23),1-13 頁.. (査読付論文 2019 年1月受理). 島村玲雄(2017a)「オランダにおける環境税の導. (熊本大学大学院人文社会科学研究部講師).
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