広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング : ビデオモニタリングとセルフチェックによるトレーニングの効果
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(2) 80 発達心理臨床研究 第14巻 2008. しかしながら、マジックは、他者に分からない. に関しては、問題は見られなかった。コミュニケー. ように行う技術、一つ一つの行動のステップを順. ション面においては、言葉につまることもあるが、. 序よく見せる技術、状況により、間を伸ばす、身. 他者との会話に支障は見られなかった。また、初. 振り手振りを行う、笑わせるなどあ人を楽しませ. 対面の相手に対しても、敬語を使い話すことがで. る技術が求められる(長谷川、2007;星野2005)。. きた。ユーモアに関しては、トレーナーに対し、. 本研究ではこれらをショーマンシップと呼ぶζと. 冗談が分からず怒り出す面も見られた。また、. とする。しかし、広汎性発達障害児者が、ショー. 「どうかしましたか。」「この前は怒ってすみませ. マンシップを習得するのは困難であると考えられ. んでした。」など、他者に対する気づかいの面が. る。それは、広汎性発達障害児の困難性といわれ. 見られることが多々あった。本児の余暇活動とし. ている「心の理論」(奥田・井上、2002)や他者. ては、テレビゲームやマンガを読むことで時間を. 視点(十一・神尾、2001)、共同注意(渡部・岡. 過ごしていることが多かったため、人と交わるこ. 村・大木、2005)の欠如、または未発達が困難の. とのできる余暇活動を形成することが1っの目標. 要因となっていると考えられるためである。. となっていた。. これまで、他者視点の困難性に対して介入した. また保護者から、本玉にとって自信のつく活動. ものとして、根来・谷川・西岡(2006)らの研究. を行って欲しいと聞き取っていた. がある。これは乱11名の中学生の広汎性発達障害 児を対象に、場面や文脈にあっ牟適切な言葉の使. 2.トレーニング期間及び場所. い方などのコミゴニケーションスキルを指導した. X年6月目12月、原則週1回の指導において、. もので、コミュニケーションスキルについてのロー. 約20分間本トレーニングを行った。他のトレーニ. ルプレイを演じた後、ビデオモニタリングを用い. ングとしては、中学3年ということで保護者の要. た、セルフチェックを行い評価シートに記入した。. 望から面接スキルトレーニング、小論文トレーニ. 結果、評価シートの点数が、上がっていると有意. ングなどを行っでいた。なお、夏休み期間は指導. 差が認められたのは、11話中6名あった。. を行わなかった。場所は、大学の訓練室内で行わ. そこで本研究では、広汎性発達障害児に行動連. れた。. 鎖を用いたマジックのスキル形成とてセルフチ ェック、ビデオモニタリングを用いたショーマン. 3.マテリアル及びセッティング. シップトレーニングを行い、その効果を検討し. 市販のマジック用のトランプを使用した。サイ. た。. ズは一般的な大きさ(約89mm×約58mm)であり、. 紙製であった。マジックの仕掛けとして、絵札の. H.方法 1.対象児. 裏側の模様で絵柄及び数字を言い当てることでき るように工夫されていた。また、上下の端の横幅. 特別支援学級に在籍する中学校3年生の広汎性. が約1mm、長さが異なり、長方形のよケに見える. 発達障害児である男子生徒1名(以下、本丸)で. が実は台形になっている(テーパー加工)ため、』. あった。4歳Hヶ月時に、医師により「自閉症」. 1枚を意図的に上下入れ替えると、角が突き出て、. と診断された。訓練開始時の生活年齢は、14歳4. カードの束の中から特定のカードを取り出すこと. ヶ月であった。11歳4ヶ月時のWISC一皿の結果は、. ができるように細工されていた。. FIQ86、 PIQIo3、 vIQ74であった。. また「透視のマジック」の実演ビデオを作成し. 丸払は失敗体験に対し、過剰に反応し、課題に. た。ビデオ作成に関する説明は、ショーマンシッ. 失敗すると以降は、「もういいです」「納得できま. プトレーニングの手続きにおいて説明することと. せん」と回避的な言動が見られた。手の微細運動. する。.
(3) 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング . 81. セッティングは、本児と机を挟んで、指導者. Table2「重たい軽いマジック」の課題分析. (以下、MT)が座り教示を行った。本児がマジッ. 1.『重たい軽いマジックをはじめます」と言う. クを行う時は、MTか指導補助者(以下、 ST)が. 2.トランプを切る. 正面に座った。カメラは本児の右斜め前から撮影. 3.切ったカードの束からトランプを10枚程度取る. 4.カードを1枚ずつ裏のまま重たい軽いと言い. した。. ながら分類する. 5.分けたカードを表にする. 4.マジックの概要及び課題分析 ここでは「透視のマジック」「重たい軽いマジッ. 3)「正解を当てるマジック」. ク」「正解を引くマジヅク」の3つのカードマジッ. 「正解を当てるマジック」は相手がマジシャン. クについて取り組んだ。以下3っのカードマジッ. のカードの束から引いた1枚のカードをマジシャ. クの概要について示した。. ンのカ「ドの束に戻し、カードの束から相手が引. 1)「透視のマジック」. いたカードのみを引き当てる手品である。トラン. 「透視のマジック」は、相手がマジシャ」ン(本. プにはテーパー加土がされているため、マジシャ. 児)のカードの束から、絵柄と数字が分からない. ンは相手が引いたカードとマジシャンの持つカー. ように引いた1枚のカードの絵柄と数字を、絵札. ドを反対にすることで、相手が引いたカードを引. の裏側の模様で見分け、あたかも透視をしている. き当てることができた。マジックの課題分析を. かのように当てるマジックである。マジックの課. Table 3に示した。. 題分析をTable 1に示した。. Tabie3「正解を当てるマジック」の課題分析 Tabld 「透視のマジック」の課題分析 1,. 『透視のマジックをはじめます』と言う. 1,『正解を当てるマジソクをはじめます』と言う. 2.トランプの上下が混ざらないよう同じ方向に切 る. 2.. トランプを切る. 3.トランプを広げる. 3.. トランプを広げる. 4.カードを1枚引いてもらう. 4.. 『カードを1割引いて下さい』と言う. 5.. カードを差し出す. 6.. 絵札の裏側を見せてもらうよう、要求する. 7.. トランプに書かれた数字を言う. 5.カードを確認するように伝える 6.手元のトランプを上下変える 7.相手のトランプを手元のトランプの中に入れる 8.トランプを切る. 9.正解のトランプを裏にしたまま引きだす 10.トランプを表にして見せる. 2)「重たい軽いマジック」. 「重たい軽いマジック」は、.カードに触れただ. 、5.手続き. けでそれをあたかも重たい軽いを当てたかのよう. 1)基礎トレーニング(透視のマ.ジッタと重た. にカードを分類するマジックである。1から10ま. い軽いマジックで必要なスキルの集中トレー. でを軽いカード、JQKを重たいカードとした。マ. ニング). ジシャン自身がカードの束から引く10枚程度のカー. 基礎トレーニングでは、絵札の裏側の模様から. ドを重たい、軽い、と2種類に分類して机上に伏. 絵柄、数字を見分けるトレーニングを行った。始. せて置き、最後にカードを一度にめノくって、,あた. あに模様を拡大させた教示用シートを一緒に読む. かも絵札のカードと数字のカ」ドを重量で分類し. ことで確認した。トレーニング前に、本児に教示. ているかのように見せるマジックであった。マジッ. 用シートを見せながら4回りハーサルを行った。. クの課題分析をTable 2に示した。. その後MTがランダムに抽出した10枚のカードを 見て、本児に絵柄、数字を答えてもらった。教示 用シートは使用しなかった。答えが出た直後に裏.
(4) 82. 発達心理臨床研究 第14巻 2008. 返し、正反応時には言語賞賛し、誤反応時には教. Table 4ショーマンシップの項目. 示用シートを見せ、絵札の裏側の模様を確認する. 1. 目線の使い方は適切だったか. こととした。達成基準は2回連続100%とした。. 2.カードに注目しすぎなかったか 3.カニドの扱い方は正確であったか 4.進行のスピードは適切だったか 5.余計な行動はなかったか 6.声の大きさは適切だったか 7.読み取る時間は適切だったか 8.間の取り方は適切だったか 9.手振りの使い方は適切だったか 10.自ら声で盛り上げることができたか. 2)「スキルトレーニング」. スキルトレーニングでは、本研究で取り上げる 3っのマジックの課題分析の項目についてトレー ニングを行った。試行順序としては、「透視のマ ジック」のベースラインの後、トレーニングを行っ 孝。.「透視のマジック」の達成基準を満たした後、. 「重たい軽いマジック」及び「正解を引くマジヅ. 11..ユーモアはあったか. ク」を同様の手続きで行った。以下にベースライ ンとトレーニングの詳細な手続きを示し. ス。. ショーマンシップの項目は、1、2、3を「他者. (1)ベースライン(以下、B.L.). に分からないように行う技術」、4∼7を「順序. マジックを課題分析した手順書を教示し、一緒. よく見せる技術」、8∼11を「人を楽しませる技. に読むことで確認した後、MTがモデルを見せた。. 術」として設定した。. その後、STを相手に各ヤジックを行った6正誤. ショーマンシップの評価は、ショーマンシップ. のフィードバックは行わぢかった。. の項目に従って、筆者を含めた臨床心理学を学ぶ. (2) トレーニング. 大学院生3名の主観的な判断で行った。評価は、. MTがマジックのモデルを見せ、その後本誌が. 即時評価及び、ビデオ録画されたものを見て一斉. MTに1度マジックを行った。マジック終了後に. に評価を行った。それぞれが達成していると評価. 全ての課題分析の項目における行動が正反応であっ. した項目.に2点、課題が残るができ牟項戸に1点、. た場合には、言語賞賛を行った。また課題分析の. できないと判断した項目に0.点をっけ、項目ごと. 項目における行動に誤反応があった場合には、言. に、.0∼6点までの3名の.合計点を算出した。達. 語による修正を行った。その後STにマジックを. 成基準は、すべての項目において5点以上に到達. 行った。評価は、STに行ったマジックについて. することとした。. 行った。ここでの正誤のフィードバックは行わな. ショーマンシップトレーニングにおけるマジッ. かったQ達成基準はそれぞれのマジックについて. .グの試行順序は、「透視⑱マジック」「重たい軽い. 100%とした。. マジック」「正解を引くマジック」.とした。また. 3)ショーマンシップトレーニング. ショーマンシップトレーニング以前のスキルトレニ. ショーマンシップトレーニングでは、スキルト. ニングにおし.・て、3つのマジックのB.Lを測定し. レー二.ングで達成した3っのマジックのうち、. た。以下にベースラインとトレーニングの詳細な. 「透視のマジック」を対象に行った。.. 手続きを示した。. 本研究.におけるショーマンシップとは、マジッ. (1)B.L,. クを行う際の演出技術と定義した。. スキルトレーニング時に、3つのマジックにお. ショーマンシップの項目は.、星野(2005)、長. けるショーマンシップのB.Lを測定した。また、. 谷川(2007)を参考に、修正したものを作成した。. 「重たい軽いマジック」「正解を引くマジック」は、. 本研究において、ショーマンシップの項目を11項. 「透視のマジック」のショーマンシップトレーニ. 目とした。項目をTable 4に示した。. ングと平行してB。しの測定を続けた。 (2)トレーニング. このトレーニングでは、「透視のマジック」の.
(5) 83. 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング 応痙 正反応痙 @B.L, Traning 1 100 1. B.L. Traning ●. B.L. 」. Traning. (%). 80. 1 1 匪. 1. 曇. ▲ ‘. 1. 1 1. 1. 1. ■. ‘. 闇 ‘. ‘. ‘. 1. 1. 40 20. 1. 1 1 1. ■. 60. 1. ●1. =. 1 1 1 ‘. 1 1 匪. 言. 」. 薩. 1. 1. 薩. 1. .1. 1. 」. 1. ‘. 1. ‘. 6 1. 1. 奮. ■. 匿. =. =. =. 幽. 6. 」. 醒. 1. 含. 8. 6 1 =. =. 圏透視のマジック ●重たい軽いマジック ▲正解を引くマジック. 薩. 書. 且. 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 で1 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 . 23 24. 25 試行数. Fig.雪スキルトレーニング正反応率の推移. 実演ドデオ(以下、実演ビデオ)を作成した。ビ. を記入した。このチェックに関して、MTは本児. デオの実演者は、この研究に関与しない大学院生. のチェックに関してフィードバックは行わなかっ. が行い、MTとST計3名の観点から、 Table 4に. た。その後MTに対して初回のトレーニングと同. 示すショーマンシップが満たされていると判断さ. 等の順番で3つのマジックを行った。次に、ST. れるものであった。. に対して、MTの前で行った順序と同様にマジッ. 初回のトレーニングの前に、MTが、ショーマ. クを行った。. ンシップチェック用紙を見せて、「プロのマジシャ. このトレーニングでは、STに対して行ったマ. ンが、このようなことに気をつけて行えばもっと. ジックを評価対象とした。なお、同一のSTを相. 上手にマジックができるよと言ってたよ。」と三. 手に連続して行うと慣れの効果から、ショーマン. 児に見せ、各項目について説明を行った。その後、. シップが下がると考えられたため、STをランダ. 本児に「プロのマジシャンが行った」と説明した. ムに変えるようにした。「透視のマジック」にお. 実演ビデオを見てもらった。さらに、MTが行っ. けるショーマンシップの達成基準及び修正基準は. た、ショーマンシップが全く満たされていない. 以下の通りとした。ショーマンシップの全ての項. 「透視のマジック」のビデオ(以下、MTビデオ). 目において、5点以上が2セ.ッション連続で達成. を見ても.らった。三児には、各ビデオのチェック. とした。また、ショーマンシップの.各項目におい. 用紙に○×を記入してもらった。本児のチェック. て4点以下が3セッション以上続いた項目に関し. に関してMTのフィードバックは行わなかった。. ては、その項目に関してMTが取り上げ、チェッ. 次に、本四がMTに対して、「透視のマジック」. ク用紙に記入するための、本児自身が「透視のマ. 「重たい軽いマジック」「正解を引くマジック」の. ジック」を見ている場面において、言語教示を行. 順にリハーサルを行った。ここでは、MTは本児. うこととしナこQ. のマジックに対するフィードバックは行わなかっ た。さらに、本児が、STに対して、 MTの前で行っ. た順序と同様にマジックを行った。. 皿.結果 1.基礎トレーニングの結果. 2回目以降のトレーニングは、本児が、初め1ヒ. 基礎トレーニングは、1セッション目から正反. 実演ビデオを見た後、前回本児がSTの前で行っ. 応率が100%となり、.2セッション目まで続き達. た「透視のマジック」のみのセルフチェック及び. 成基準を満た:した。. ビデオモニタリングを行った。本児は、本工自身 の「透視のマジック」を見て、チェック表に○×.
(6) 84. 発達心理臨床研究 第ユ4巻 2008. 70 6 0. 透. 5 0. 視合. 4 0. 手点. 30 20. の 計. Bas6㎞. 丁晦. 1 0. 0. 裏. ll. 品. 70 60 50 40 30 20. 7. 8. 9. 妬4. 1〔,. 25. 6. 27. @ ノ. 28 29 3{⊃ 3置 一2 33. @ セソショ. 正蜘1ine P【d⊃e. 1 0. Q. 三. 論. 測点 品. 70 60 50 40 30 20. 24 25 6 27 28 29 3【, 31 32 33. 11 12 13 14 15. センソヨン. 1. 腔㎞e [. _∼`〈ノ . LO o. ㎞be. _1. 16 重7 18 19 2(⊃ 21 22 2ヨ 24 25 26 27 黙 29 3〔♪ 3i 32 33. セッション. Fig.2ショーマンシップトレーニングおよびプローブにおける合計点の推移. 2.スキルトレー三ングの結果. 満たした。. スキルトレーニングの結果をFig.1に示した。. 「正解を引くマジック」は、B.L.にgO%の正反. Fig.1の縦軸は正反応率(正反応数/各マジック. 応率を示した・トレーニングでは、17試行目から. の全課題分析の項目数×100)を、横軸は試行を. 20試行目までが90%、21試行目及び22試行目が80. 示した。また、圏は「透視のマジック」、●は. %、23試行目がgO%の正反応率を示した。24試行. 「重たい軽いマジック」、▲は「正解を引くマジッ. 目及び25試行目とio6%の正反応率が2回連続で. ク」を示した。. 続き達成基準を満たした。. 達成基準までの各マジックのトレーニングの試. トレーニング期間における本児の様子として、. 行数は、「透視のマジック」が9試行、「重たい軽. 「透視のマジック」及び「重たい軽いマジック」. いマジック」が4試行、「正解を引くマジック」. では、カードの裏側の模様をみようとする時に、. が9試行であった。以下、各マジックの正反応率. 顔をカードに近づける及びカードを見続ける行動. の推移を示した。. が目立った。「正解を引くマジック」においては、. 「透視のマジック」は、BL.に71.4%の正反応. テーパー加工の利用にあたって、全てのカードが. 率を示した。トレーニングでは、2試行目に71.4. 上下そろっていなければならないことから、マジッ. %、2試行目に85.7%、3試行目に100%、4試行. ク中も力ニドがそろっているかどうかを確認する. 目からg試行目まで85.7%の正反応率が続いた。. 行動が多々見られた。これらの様子から、傘ての. 9試行目及び10試行目と100%の正反応率が2回. マジックの仕掛けが、マジックを行う相手に分かっ. 連続で続き達成基準を満たした。. てしまった。. 「重たい軽いマジック」は、B.しに60%の正反. 応率を示した。トレーニングでは、12試行目に. 3.ショーマンシップトレーニング. 100%、13試行目が80%、14試行目及び15試行目. ショーマンシップトレーニングの結果をFig,2. と100%の正反応率が.2回連続で続き達成基準を. ’に示した。Fig.2の縦軸は主観的評価の合計点.
(7) 85. 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング B⊥. 6. Traning. (点). △. △’’”△昌一”△’”一 一圃一胃. 戸一一. ヤマ ○ ○◆ 、 ’. ムー’恰__. .!. 5. ! !. 評. 4 価. ,△.. ■一一. 一→一一目線の使い方は適. . 、. 切だったか 一一 。一一カードに注目しす ぎなかったか 一” 「’”カードの扱い方は 正確であったか. ’. の. ’. △3 口. ,△. ,△、. 、△. ’ 、. 二. 、 ’. 二2 1. ■\ !黒\ 、 ! 、. 試行数. 0 7 8 9 . 10 ・ 24 25 26 . 27 28 29 30 3悪 32 33. Fig.3透視のマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 他者に分からないように行う技術. (点) B上. 6. !△、 !△一一△一一△. 旨”ネ. ! 、 ! 5. 評 4 価 の. 合3 計. 点2. Traning 一差=で… @済量二甲酋且三 \1. 、、ハ/夙\、. 一一 梭鼈齔i行のスピード. \馬 1,画 、b !、 ズ・’・ 7 、. 幽. ! N 、 1. V ×. ◆■’. / A ノ .囲 ノk. 、 ’\. 1. へ び. ノ \.’. 、! \. 叉. は適切だったか 一一一 翼香h余計な行動はな かったか 一一 「一一声の大きさは適 切だったか 一圏. rぐ幽一読み取る時間は. 適切であったか 0 7 8 9 10 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33. Fig.4透視のマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 順序よく見せる技術. (点). B⊥.. 6. Traning .”\.〆r・’==∵”》ぐ’ 営=⊇ , h ” . 、 ’. ’ ノ . \ 1 ,0 一一一 コ 囲. 5. /! 、 1. 蓉=・豪’ \_一へ /. 評 価 の 合 計. 4. 、 . 3 2 点. 一一一 梭鼈鼈鼕ヤの取り方は適切であったか. ’” 。’‘’手振りの使い方は適切だったか. 一一 「一一自ら声で盛り上げることができたか. .で. 0. ノ. 、 ノ. 一一一一. 来鼈黶@ ・一一−一一一一■一一一一. 一匿. rぐ一一ユーモアはあったか. 試行数. 7 8 9 10 24 25 26 27 28 29 30. 31 32 33. Fig,5透視のマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 人を楽しませる技術.
(8) 86 発達心理臨床研究 第14巻 2008. (点) B上1. 6. Probe. F冷・. 一一 q〉一一目線の使い方は. 適切だったか. 5. 一一一. 評4 価. ㊧黹Jードに注目しす. の3. ぎなかったか. 〃. 一+一カードの扱い方は. ’. ノ. ■. ■. 一「配一. !. \\。タ4・メ. 1. 0. 距. 〆. !. 点. Y\姑. ‘. 48 !. N. ・ 、”陰. ‘. 乙「一一△. 、. 、 ,曝. 8. 正確であうたか. 合. 計2. ∼ ・。、. v. ’. 圏一・・. ’. 試行数. 11 12 13−415 24 25 26.27 28 、29 30 31 32 33 Fig.6重たい軽いマジックにおけるジョーマンシップスキル評価項目得点の推移 他者に分からないように行う技術. (点). B.L.. 6 5 評4 価. ρ)3. 合 計. 点2. 託・. 派 ∼(、 ㍉. 、 1 .\ん一一こ溢 、 潮 ノ輿 \ ・ ・。○. ’ ・ ’. △r_誌・, 4’ い ・ ’. い 1, 幽闘、 ・・ .,∠ 詩ト ・で.〃 ・ 1 , ㌦:憂ノ ム. w・. 1. 0. Probe. /、 /1. 、ぎ!. ’. /、 ,. 、” ! \△. \/. l1. 、 ’ ノ 、. 、 ◆、\、. 惹 \バ!. 、 ; 、’ 、l. 、 ’, ・ ! 、. ’葬・二穿二 {、. 〆 2《 〆. \着. 一一一. 梭齔i行のスピード. は適切だったか 一’曹 。一・余計な行動はな かったか 一一 「一一声の大きさは適 切だったか 一’ rぐ・一読み取る時間は. 適切であったか. 1准 f2 13 14 15 . 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33. Fi.g.7 重たい軽いマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移. 順序よく見せる技術. .B.L.. (点). Probe メ〒:契くメ=甚’噌. 6 5 4 評 価 の 3. 一◇一一間の取り方は適切 であったか …’ ?f…手振りの使い方は 適切だったか ‘一一 「一一自ら声で盛り上げる ことができたか 一胴. tぐ【}ユーモアはあったか. 合. .〃 /》ぐ一’x. !/ \ ま、・ ∠ 、× ! ノ !. 「 ’ !. ! 置 × ’・一「♂ ㌧!’ !. 計2. 曳 娼 、, ノ”. 獣〆ノ. 1. /合 、・\ ,脳一・一’・x. 〆 盲. 点. く”. ..:== ._×ノ え_×ノ\. 試行数. 0 1玉 茎2 13 14 1.5 24 25 . 26 27 28. 29 30 31 32 33. Fig.8重たい軽いマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 人を楽しませる技術.
(9) 87. 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング (点). .Probe. B.L.. 6. 一一目線の使い方は. 5 評 価4. 一・. 、. 。一一・カードに注目しす. 合3. 、 1. /へ. 1 、. ! 、 1. /. 皆一△・一. \1 △. 《一一食 1. △. !. \ ノ』一 な一△. 計. 点2. ’ !. 、. ぎなかったか 一一 「一一カードの扱い方は 正確であったか. の. 騨一. π・・論. 《. 適切だったか. 、. !. 、. _/. 、. 、. ゴ 、 、. ’. !. 試行数. ’. ’. 0. で6 17 18 19 . 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33. Fig.9正解を引くマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 他者に分からないように行う技術. (点). B⊥.. Probe. 6. x ,錘〒’酋・=噌=”. 一一一 梭鼈鼈齔i行のスピードは適切だったか. 5 評 価4. ノ. 合3. 愈 ! ガ’、 ノ4. 画2 1. /\象ノ く ’ノ ノて」 へ 團’”團’”殴. 込一+一査_認. 、〉ご囲・◆ ノ. 芥 興. !. の. 計. セ≡ 慌一△. 、 ノノ ’. ・一 ユ一一一余計な行動はなかったか 一一 「r一一声の大きさは適切だったか 一幽 tぐ・一一読み取る時間は適切であったか. ,、 ”. y ’、 ノ、 \. 、 幽. ゴ、k ノ. 図・・一團. 、 1. ’. \ 、. \〆. 、. 送. × △. 試行数. /. 0 16 17. Fig」0. 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33. 正解を引くマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 順序よく見せる技術. (点). Probe. B上、. 6. 團.一鱒■囮. .〆一ノ発r. 一◇一一一間の取り方は適切. 5 評 価4 の. 合3. 1気 1 ノ. であったか ’” 」’”手振りの使い方は 適切だったか. 昌一 ;ノ. ヴ. 一+一自ら声で盛り上げる. ことができたか 一’ ’一ユーモアはあったか. き. 点2. ,} 1. N. ノ介一一《. 〆/ 益_溢 ノ. \/ 1 一 騨 騨. 馬 0. / ■. 計. 1. 〆一三. ノ. ×一一一うぐ一. 凶. !、 A ’. ◆ ’ qレ. ... 一→ぐ一. ’一一 rく一一×一一. 、1. 試行数. 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 3重 32 33. Fig.11正解を引くマジックにおけるショーマンシップスキル評価項目得点の推移 人を楽しませる技術.
(10) 88 発達心理臨床研究 第14巻 2008.. (ll項目×6点)を、横軸は試行数を示した。試. 4.トレーニング終了後のエピソード. 行数は㍉Fig.1における「透視のマジック」の7. MTは、スキルトレーニング開始時から本児に. 試行目から、「透視のマジック」のショーマンシッ. マジックスキルが身に付いたら保護者に見せてあ. プデマタを取り始めたため、「透視のマジック」. げようねという促しをしていた。そこで、スキル. の試行数の1試行目を7試行目と示すこととした。. トレーニング及びショーマンシップスキルトレー. また、7セッション目から23目セッションまでは、. ニング終了後に、MT及び保護者、「透視のマジッ. 1セッション1試行とし、24セッジョン目以降は、. ク」の実演ビデオ登場者も含めた7人を観客とし. 各マジック1試行ずう合計3試行を行った。. て、マジックショーを設定した。マジックショー. ショーマ・渚シップの各下位項目における主観的. ’の開催について、トレーニングが終了して自信が. 評価の合計得点の推移をFig.3∼Fig.11に示した。. ついていた本丸にとって、みんなの前でマジック. Fig3∼Fig.llの縦軸は各項目の得点冠横軸は、. を行うことに抵抗は見られなかった。. セッションを示した。. MTは、マジックショーを行う前に、本玉に、. 初回のトレーニングの前に行った実演ビデオと. 直接ショーマンシップトレーニングを行わなか・つ. MTビデオのショーマンシップのチェック詔命の. た「重たい軽いマジック」及び「正解を引くマジッ. 結果は、実演ビデオが全て0、MTビデオが全て. ク」の低下しているショーマンシップの下位項目. ×にチェックした。本児は、MTビデオのチェッ. についてトレーニングを行うた。また、.集団の前. クが終わったあと、MTに「すみません。」と謝る. でマジックを行う練習を行った。. 行動が見られた。. マジックショーは成功して、本誌は、7人から. 「透視のマジック」は、B.L.において、9セッ. 多くの言語賞賛と拍手をもらった。本児は、満面. ション目で30点を示した炉、その以外では30点以. の笑顔を浮かべていた。また本児は、マジック終. 上を示すセッションは見られなかった。.トレーニ. 了後に、「透視のマジック」の実演ビデオ登場者. ングでは竃26セッション目50点、27セッション目. に「マジック認定証」と書かれた賞状をもらい非. 55点と上昇し続け、29セラション目には63点と60. 常に喜んでいた。. 点以上を示. オた。その後の試行も60点以上を維持 したQ. IV.考察. 「重たい軽いマジック」は、B.L。において30点. 本訴窄では、広汎性発達障害児を対象に、「透. 以上を示す.セ1ッションは見られなかっ#。「透視. 視のマジ.ッタ」「重たい軽ヤ・マジック」「正解を引. のマジック」のトレーニングを開始した後のB.L.. くマジック」のカードを用いたマジックを3種類. 2では、26セッション目27点、27セッション目22. トレーニングした。方法は課題分析を用いたそれ. 点、28セッション目には29点であった。29セッショ. ぞれのマジックのスキルトレーニングと、「透視. ン目から61点を示し32セッション目までは、55点. のマジック」を対象に、マジックを行う相手との. 以上を維持した。33セッション目では、50点に下. 関わりを円滑に進めるためのビデオモニタリング. 降した。. とセルフチェックを用いたショーマンシップトレー. 「正解を引くマジック」では、B.L.におい30点. ニングであった。結果、3種類のマジックにおい. 以上を示すセッションは見られなかった。「透魂. て、技術面は100%に到達することができた。「透. のマジック」のトレーニングを開始した後あB.L。. 視のセジック」を対象にしたショーマンシップト. 2では、26セッション目47点、27セッション目25. レーニングでは、すべてのショーマンシップの判. 点、28セヅション目には30点であった。29セッショ. 定項目において達成基準に到達し、聴衆役はマジッ. ン目から57点を示し33セッション目までは、35点. クを行う際の仕掛けが分からないまでになった。. 以上を維.持した。. また、ショーマンシップトレーニングと平行して.
(11) 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング 89. 行った「重たい軽いマジック」「正解を引くマジッ. 計点の半分以下であった。その中でも、「カード. ク」のプローブにおいても、ショーマンシップの. に注目しすぎなかったか」「自ら声で盛り上げる. 上昇が見られた。これらの結果から、広汎性発達. ことができたか」「ユマモアはあったか」「目線の. 障害児にマジックを指導するためには、課題分析. 使い方は適切であったか」「手振りの使い方は適. によるスキルのトレーニングだけでなく、ビデオ. 切であったか」「間の取り方」の項目は2っ以上. モニタリングとセルフチェックを用いたショーマ. のマジックで1点未満であった。これらのショー. ンシップトレーニングの有効性が示された。以下、. マンシップスキルに必要とされる技術はすべて. スキルトレーニングとショーマンシップの般化に. 「他者にわからないように行う技術」「人を楽しま. ついて考察を行った。. 』せる技術」で.あった。スキルトレーニングを行う. ことで、一つ一つの手順は正確に行うことができ. 1.課題分析を用いたスキルトレーニングの有効. るようになったが、それだけでは手品の仕掛けは. 性. 分かってしまった。それは、カードの裏の模様を. 3つのマジックに関して、「透視のマジック」. 見る際の動作や、テーパー加工を気にする際の終. と「正解を引くマジック」は10試行で、「重たい. 始カードを整えるなどの仕掛けに関わるスキルや、. 軽いマジック」は、5試行で達成基準に達した。. 手振りや、自ら盛り上がることができるかなどの. トレーニングを行った順番は、「透視のマジック」. 演出に関するスキルが不十分であることが原因と. 「重たい軽いマジック」「透視のマジック」であっ. 考えられた。.. た。「重たい軽いマジック」が5試行で達成した. 広汎性発達障害の特性のひとつとして、自分が. のは、直前に行った「透視のマジック」と同じト. 他者と違った立場であるという意識や、他者を通. ランプの仕掛けであったためと考えられた。逆に. じて自分を眺めるという視点の持ちにくさ、つま. 「正解を引くマジヅク」が10試行かかったのは、. り他者視点の困難性が指摘されている(十一・神. マジックの仕掛けが今までの仕掛けと異なり、テー. 尾、2001)が、本児においてもマジックをしてい. パー加工の仕掛けであったことが考えられた。す. る最中に、カードの模様を顔に近づけて見る、カー. なわち、「正解を引くマジック」を成立きせるた. ドをしきりに整えるなど、マジックの仕掛けが分. めには、々一ドをきちんと整えなければ、引き出. かってしまう行動を、マジック中、しきりに行う. すべきカードが出てこなかったり、また、カード. ことがあった。つまり本児におけるショーマンシッ. の束を逆にすると、引き出すべきカードのみ引っ. プトレーニングにおいても、まさに他者視点の困. 込んでしまったりしたためであった。. 難性という特徴があてはまると言えた。. それぞれのマジックの課題分析を手順書にし明. そこで、ビデオモニタリングとセルフチェック. 示したことで、マジックの仕掛けが明らかになり、. を用いたショーマンシップトレーニングを行った。. 手順どおりに行えば、最後まで行えること、また. 本児においては、初回に教示用ビデオを見て、評. マジックはその機能上、賞賛や驚嘆などの即時強. 価シートを用いたチェックを教示ビデオに対して. 化が得られやすいことが有効性として考えられた。. 行った後、ショーマンシップのすべての項目の評 価得点が著しく上昇した。特に、「手振りの使い. 2.ビデオモニタリングとセルフチェックを用い. 方は適切であったか」「カードの扱い方は正確で. たショーマンシップトレーニングの有効性. あったか」「問の取り方」「声の大きさは適切であっ. 本児が行った基礎トレーニングとスキルトレー. たか」「読み取る時間」の項目は2試行で達成基. ニングは、少ない試行数で達成基準に達すること. 準に到達することができた。これは、ビデオモニ. ができた。しかし、スキルトレーニングを行って. タリングとセルフチェックという方法に対して、. もショーマンシップスキルは、各マジラクとも合. 物理的に見やすい項目で、行動することができた.
(12) 90 発達心理臨床研究 第14巻 2008. 回目と考えられた。また、・「手振りの使い方は適. 性が示唆されている(星野2005;長谷川2007など). 切であったか」の項目に関して、教示ビデオは最. これらのことから、ビデオモニタリングと、セル. 後に自ら拍手をしていたのが、本児は立ち上がり、. フチェックの組み合わせば有効であると考えられ. 手を胸に当て礼をするなどの教示ビデオとは異なっ. た。. た形でショーマンシップを取る行動が見られた。. 逆に「目線の使い方は適切だったか」は5試行、. 3.ショーマンシップトレーニングの副次的効果. 「自ら声で盛り上げることができたか」は、,8試. ショーマンシップトレーニングの試行を重ねる. 行行う必要があった。「目線の使い方は適切であっ. につれて、本児がマジックを行うときに、カード. たか」に関しては、3試行までは、カードの模様. の裏の模様を読み取る場面での相手と一緒に念力. を見る仕草が分かり、それぞれ4点以下の評価で. を送る一連の流れは、マジックの仕掛けを知って. あったが、4、5試行になると、カードに念力を. いるスタッフが見ても、カードの模様を読む仕草. 送るという名目で、聴衆役と一緒にカードに念力. が全くわからないまでに上達した。ショーマンシッ. を送っている間にカードの模様を読み取ることで、. プトレーニングを行う前は、マジック中に本児の. 目線がカードに向ける仕草が分からなくなった。. 顔を常に見ることができた。しかし、ショーマン. 達成後も安定して行うことができた。手振りや忌. シップトレーニングを開始してからは、「カード. め大きさなどの、セルフチェックでのチェックが. に念力を送ります」「もっと集中して(念力を). しゃすく、行動しやすい項目に比べ、目線の使い. 送ってください」と本児が相手に指示を出すこと. 方は、カードを見ずに聴衆役を見ながらマジック. で、相手は本心の指示に従いカードに目が行き、. を行う必要があるため、セルフチェ・ッグして行お. 逆児の顔や目を追うことができなかった。結果、. うとしても、行うことが難しかったと考えられた。. マジックの仕掛けが分からなくなったと考えられ. したがって5試行での達成になったのではないの. た。. だろうか。「自ら声で盛り上げることができたか」. マジックのスキルの一つに、・例えば右手で仕掛. に関しては、ビデオモニタリングとセルフチェッ. けを行うときに、左手に注目させるなど、見る人. クでは達成基準に到達しなかった。修正基準に達. の視線をコントロールする「ミスディレクション」. したため、ビデオを元に、言語教示を行った。教. (星野、2005)というものがある。これは、共同. 示ビデオでは最後に自ら拍手を行うなど、盛り上. 注意をマジックに応用したものと考えられた。ショー. げていたのが、本山においてぽ、最後に立ち上が. マンシップトレーニングを進めているうちに、本. り礼を行うことで、声で盛り上げることがなかっ. 誌は、知的障害を伴わない発達障害児がコミュニ. たことが原因の一つに考えられた。また、トレー. ケーションの機能的障害を持つ場合、発達に困難. ニングを行う際、「自ら声で盛り上げる」前に周. 性が見られるとされる共同注意(渡部・岡村・大. りが盛り上げていたため、本四は盛り上げる必要. 木、2005)を巧みに用いて、本児の目の動きを相. を感じなかったことも考えられた。この項目に関. 手が追わないようにしていたと考えられる。. しては、手続きを行う上で、聴取者制御(a近di− ence control)にも気を配る必要があった。. 4.プローブへの般化. 根来・谷川・西岡ら(2006)は、ビデオを用い. 本研究において、3つのマジックのうち、「重. たフィードバックを行うことで、他者から自分が. たい軽いマジック」「正解を引くマジック」に関. どのように見えているかということを示すことが. しては、ショーマンシップトレーニング、すなわ. でき、それが、自己認知、他者認知の改善に役立っ. ちビデオモニタリングと、セルフチェックは行わ. たことを報告している。また、手品の専門書でも. なかった。2っのマジックに関しては、ショーマ. 自分自身の行為をセルフチェックすることの有効. ンシップトレーニングを行った「透視のマジック」.
(13) 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング. 91. 後にプローブを行った。その結果、「重たい軽い. あった。. マジック」は、.ll項目中、6項目、「正解を引く. しかしながら、プローブへの般化は、比較的容. マジック」は、11項目中、9項目がショーマンシッ. 易に行うことができたものが多かった。これは、. プトレーニングの達成基準にまで上昇した。まず、. ショーマンシップトレーニング後に行ったことも. 教示ビデオで行うていた、カードの模様を読み取. あるが、マジックそのものの特性である、社会的. る際の念力を送る相手との関わりはすべての行動. 強化が随伴しやすいという特徴が、プローブへの. に般化した。また、マジックの最後に行う、立ち. 般化を容易にさせた要因であると考えられた。. 上がっての礼もすべてのマジックに見られるよう になった。カードを見ずに切り、相手に話しかけ. 5.今後の課題. る行動もすべてのマジックで見られるようになっ. 本研究において、マジックスキルとショーマン. た。すなわち、マジックの中でもすべてに共通す. シップをそれぞれトレーニングし、結果マジラク. るショーマンシップは、比較的容易に移行したと. として成立するようになったが、マジックの仕掛. いえる。. けがいつ分からなくなるまでに上達したのかが明. 逆に達成基準に達しなかった項目のうち、平均. 確には分からなかった。. 点も4点に満たなかった項目は、「重たい軽いマ. 29セッション目にSTをこの研究に関わらない. ジック」は「カードに注目しすぎなかったか」. 大学院生にお願いした際に、マジックがまったく. 「カードの扱いは正確であったか」「自ら声を出し. 分からなかったという話を聞き、明らかになった. て盛り上げることができたか」で、「正解を引く. が、いくつかのセッションごとに、スタッフ以外. マジックは」「間の取り方は正確であったか」で「. がSTをし、仕掛けが分かるかどうかを見ていく. あった。「重たい軽いマジック」の「カードに注. 必要があった。また、奥田・井上・松尾(2000). 目しすぎなかったか」項目の上昇が低かったのは、. は本人の動機付けの低さを、障害者本人の持つ問. マジックの特性上、カードを10枚程度次々に模様. 題とするのではなく、動機づけを高あるような環. を読み取らなければならず、読み取っていくうち. 境(年齢相応の活動参加機会)の少なさが問題で. に、カードに注目してしまっていたためであった。. あると指摘している。マジックに関してもトレー. また、「カードの扱いは正確であった」項目に関. ニング後の維持を見ていく必要がある。また、本. しては、10枚程度のカードを机に分類するために、. 研究のショーマンシップトレーニングでもたらさ. 重たい軽いと分類すべきカードが、混ざってしまっ. れた副次的な効果について、社会性、他者の視点. たことがあったため低い得点であった。最終的に、. などに関して検証していく必要がある。. マジックショーを行う際にはMTが重たい軽いと ラインを引くことで相手が見ても分かりやすく分. 文献. 類することができたが、マジックを特定のセッティ. 1)浅原薫・奥田健次(2006)自閉症幼児への神. ングだけではなぐ、どこでも行うようにするため. 経衰弱ゲーム指導一トレーナーの支援スキル. には課題が残る結果となった。「正解を引くマジッ. と之関係から一.日本特殊教育学会第44回大. ク」の「間⑱取り方は正確であったか」の項目が. 会発表論文集、360.. 低かったのは、最後までテーパー加工の仕掛けに. 2)長谷川ミチ(2000)みんなにウケる!手品入. 対し、時問がかかることが見られたためであった。. 門.西東社.. しかし、時間はかかったが、マジックの仕掛けは. 3)星野徹義(2004)DVD見ながらおぼえる!. わからぬように、マジック中にカードの束を整え. 手品入門。西東社.. る仕草は見られなくなった。上昇しなかった項目. 4)飯塚暁子・井上雅彦(1gg2)自閉症者の地域. は、どれもマジックの特性上、困難であるもので. におけるレクリエーション活動参加に関する.
(14) 92 発達心理臨床研究 第14巻 2008. 検討一エアロビクス教室の実践を通して一.. 文集、122−123.. 自閉児教育研究、15、50−66.. 15)奥田健次・・服部恵理・島村康子・松本充世・. 5)井上雅彦(1998)遊びという謎 自閉症を持. 井上雅彦(1999)自閉症児のピアノ指導と余. っ人への「遊び」の支援.麻生武(編)、ミネ. 暇活動レパートリーの拡大.障害児教育実践. ルヴァ書房 115−139.. 研究 6、49−57.. 6)井上雅彦・飯塚暁子・小林重雄(1994)発達. 16)奥田健次・井上雅彦(2002)自閉症における. 障害者における料理指導一料理カードと教示. 自己/他者理解に関する状況弁別の獲得と般. ビデオを用いた指導プログラムの効果一.特. 化.発達心理学、B(1)、51−62。. 殊教育学研究、32(3)、1−12.. 17)奥田健次・井上雅彦(2002)自閉症児におけ. 7)井上雅彦・井上暁子・菅野千晶(1995)自閉. ㌔るパーティゲーム参回目の支援とその効果に. 症者に対する地域生活技能援助教室一料理ス. 関する予備的研究.発達心理臨床研究(兵庫. キル獲得による日常場面の料理行動の変容に. 教育大学発達心理臨床研究センター紀要)、8、. ついて一.行動分析学研究、8(1)、69−81.. 19−28.. 8)井上雅彦・奥田健次(1999)自閉症児におけ. 18)奥田健次・井上雅彦・松尾英樹(2000):自. る茶道教室の効果.日本特殊研究学会第37回. ’閉症者の地域におけるスポーツ活動参加に関. 大会発表論文集、187.. する研究一「モータースポーツ教室」の実践. 9)井澤信三・霜田浩信・氏森英亜(2001)自閉. を通して一.発達心理臨床研究、7、53−62.. 症生徒間の相互交渉における行動連鎖中断法. 19)清水康夫・中村泉・日戸由刈(2001)「一番. による要求言語行動の獲得.特殊教育学研究、. になりたい!」:高機能自閉症において社会. 39(3)、 33−42.. 性の発達に伴って生じる新たな固執症状への. 10)井澤信三・山本秀二・氏森英亜(1998)年長. 早期対応.総合リハビリテーション、29(4)、. 自閉症児における「カラオケ」活動を用いた. 339−345。. 対人的相互交渉スキル促進の試み一行動連鎖. 20)竹井清香・高浜浩二・野呂文行(2006)広汎. の操作を通して一.特殊教育学研究、36(3)、. 性発達障害児における課題分析に基づいたオ. 31−40.. ゼロゲーム指導.日本特殊教育学会誌44回大. ll)加藤哲文・井上雅彦・三好紀幸(1991)’ゲー. 会発表論文集、380.. ム指導を通した自閉症児のルール理解の促進.. 21)十一元三・神尾陽子(2001)自閉症者の自己. 特殊教育学研究、29(2)、1−13. 意識に関する研究.児童青年精神医学とその. 12)宮崎光明・加藤蹴出・酒井美江・井上雅彦. 接近領域、42、1−9. (2006)高機能広汎性発達障害児におけるビ. 22)渡部匡隆・岡村章司・大木信吾(2005)高機. リやごドスキルトレーニングーイメージボー. 能広汎性発達障害児のある児童・生徒へのコ. ルを想定するトレーニングの効果一,発達心. ミュニケーション指導.発達障害システム学. 理臨床研究(兵庫教育大学発達心理臨床研究. 研究.5(1)、21−29. センター紀要)、13、93408.. 13)根来あゆみ・谷川尚・西岡有香(2006)高機’ 能広汎性発達障害児に対するコミュニケーショ ンスキル指導の試み.LD研究、15(2)、183− 197.. 14)岡部一郎・渡部匡隆(2001):発達障害者の 余暇に関する研究動向.日本行動分析学会論.
(15) 石坂・宮崎・佐野・井上:広汎性発達障害児におけるマジックのスキルトレーニング 93. Magic trick skill‡raining for. a child with.pervqsive developmental dis6rder= The effect of training by video mQnitoring and self−checklng. Tsutomu ISHIZAKA*, Mitsuaki MIYAZAKI*, Motoo SANO*&Masahiko】NOUE**. *Graduated School of Teacher Education, Hyogo University of Teacher Education. **Center fbr Developmen!and Clinical Psychology, Hyogo University of Teacher Education. This study investigates.虻he training of a child w五th pervasive developmental disorder in the presentation of three card tricks,.‘‘X−Ray Eye ,‘‘耳eavy and Light”, and‘‘That’s It!”.. As fbr method;at縁sk analysis was conducted fbr each c盆rd trick The‘‘X−Ray Eye”card trick. was used fbr showmanship. train血g, i.e. training飴r a smooth presentation which involved the spectator. As fbr the 「esults・10 P%㏄hievement was gained in skill童「aining in all t㎞ee ca「d t「icks・All c「ite「ia鉤「sho脚manship. wer6 met as a result of the showmanship training of the‘‘X−Ray Eye”card trick, and the spectator wasn’t able tQ figure out how the trick was done, A parallel probe of showmanship training R)r“Heavy and Light”,. and‘‘That’s It!”shows improved showma皿ship.. Key Words:child with pervasive developmental disorder,血agic trick skill, showmanship ski11.
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