構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第57巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.57,No.1. 平成18年8月 August,2006. 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における. 教員の10年経験者研修で実施する意義 懸田 孝一・野崎 徹* 北海道教育大学旭川枚教育心理学教事 *深川市立深川小学枚. EffectofStructuredGroupEncounterintrainingforteachers Withtenyearsofexperienceatacademicseminar KAKETAKoichiandNOZAKIToru* DepartmentofEducationalPsychology,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation,Asahikawa,070−8621. *FukagawaElementarySchool. 概 要 本研究では,教員の10年経験者研修において研修型構成的グループ・エンカウンターを3時間実施するこ とが,参加者の人間関係・自尊感情の変化に影響を及ぼすかを検証するとともに,大学専門講座として実施 することが,学級経営に関する指導法としての構成的グループ・エンカウンターの体験・伝達の場として有 効かを検証することが主たる目的である.本研究の対象者は10年経験者研修に参加した教員31名(男性19名, 女性12名)である.「人間関係尺度」と「自尊感情尺度」を用いて得られた結果を分析したところ,両尺度 とも有意な向上が見出された.また,「振り返りシート」の考察などから,大学専門講座で構成的グループ・ エンカウンター研修を実施する有効性が示唆された.. 教育公務員特例法の一部改正にともない,2003. 験者研修を展開することがほぼ絶対的な条件とし. 年度から教員(小学校・中学校・高等学校・中等. て課せられており,研修資源を大学・大学院に求. 教育学校・盲学校・聾学校および幼稚園)の10年. める必要性が従来にないほど高まっている.教育. 経験者研修が法定研修として位置づけられた.研. 行政からの大学・大学院活用のニーズとして,. 修期間は,長期休業期間中に校外研修を20日間程. 佐々木(2004)は,①予算・人員と施設の確保が. 度と課業期間中における校内研修を20日間程度で. 困難であり,そのための業務拡大による指導主事. あり,研修内容は,教科指導,生徒指導等に関す. 等の負担が相当過重となること,②個別研修のた. る研修,適性に応じた得意分野づくり等の選択研. めの多様化のニーズに対応することが困難である. 修を想定している(文部科学省,2002).しかし,. こと,③学校管理職に評価や研修プログラムの活. 新たな予算措置や人員配置を伴わない形で10年経. 用についての十分な時間と知識が準備されていな. 83.
(3) 腰田 孝一・野崎. 徹. いことを挙げている.文部科学省(2001)も,大. は心と心の「ふれあい」と「自己発見」を目的と. 学・大学院の講座等への参加を研修として位置づ. した集中的グループ体験である(国分,1981).. けることも考えられるとし,これまであまり活用. SGEはジュネリックSGEとスペシフィックSGEの. されてこなかった大学・大学院の活用について触. 大きくふたつに分けられ(片野,2004a),10年経. れている.このような状況の中,北海道教育大学. 験者研修でのSGl引ま,対象とねらいを特化してい. では,教育行政からの要請を受け,10年経験者研. ることからスペシフィックSGEに位置づけられ. 修の一部を担当することになった.旭川校では,. る.また,山崎・原沢(2004)は,10年経験者研. A管内の「教科指導研修」及び「生徒指導等研修」. 修における教員の研修ニーズについて質問紙調査. が実施されることになった.そこで,生徒指導専. の結果から,①学級・学年経営そのものに関する. 門講座・選択講座Ⅲの中で,「構成的グループエ. もの,②教科の授業に直接関わるもの,③総合的. ンカウンターの考え方と活用法」が実施された. な学習の時間を実践するためのヒントを得たいと. (Tablelを参照).構成的グループ・エンカウ. いうものを示している.SGEは学級経営そのもの. ンター(structuredgroupencounter:SGE)と. に関する内容であり,参加者のニーズも比較的高. TablellO年経験者研修「生徒指導専門講座」のスケジュール. 期 日. 主. な. 内. 容. オリエンテーション. 午前 第1日 午後. 共通講座「生徒指導の意義と今日的課題」 特別講演「児童虐待問題の現状と学校の役割」 共通講座「生徒指導をめぐる教育法的諸問題」 選択講座Ⅰ ① 学校経営における生徒指導の位置 ② 現代子ども論 ③ 公共社会の道徳と生徒指導. 午前. ④ 児童期思春期の発達課題と生徒指導 ⑤ 生徒指導に生かすための学級づくりの理論と方法 ⑥ 生徒指導のためのデータ分析 ⑦ いじめ問題の本質と最近の動向 ⑧ 北海道における児童生徒の問題行動の実態 選択講座Ⅱ 課題1:いじめ問題・非行への対応. 第2日. ① いじめや非行にどう対処するか 課題2:不登校問題と教育相談 ② 不登校児童・生徒の理解と援助 午後. ③ ソーシャルスキル・トレーニングの生かし方 課題3:学級づくり. ④ 学級づくりをどうすすめるか. ⑤ 教室におけるLD・ADHD・高機能自閉症児童生徒の見方と指導法 ⑥ 構成的グループエンカウンターの考え方と活用法 課題4:学校・家庭・地域の協力関係 ⑦ 学校,家庭,地域機関の協力関係をどう構築するか 午前 選択研修Ⅱ(続き) 第3日. 共通講座「今日の教育課題:特別支援教育の諸問題」 午後. 84. 研修のまとめ.
(4) 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義. いと考えられる.. 本研究の目的を言い換えると以下の通りになる.. 一方,教師という職業は他の職業と比べ,特に. 強いストレスを与えるものであり,それゆえに教. 1.教員の10年経験者研修において,研修型. 師が心身の健康を保つことが困難であり精神疾患. SGE実施は参加者の人間関係・自尊感情の変. にまで陥りやすいことは,先行研究においても共. 化に影響を及ぼすかを検証する.. 通に指摘されていることである(桐谷,2000).. 2.教員の10年経験者研修において,大学専門講. 中島(1995)は,精神障害の発病・増悪因子とし. 座としてSGEを実施することが,学級経営に. ての職場内ストレス因子が,教師の場合,教師以. 関する指導法としてのSGE体験・伝達の場と. 外の場合と比較して高いことを見出している.ま. して有効かを検証する(ただし,参加者がその. た,教師の資質・技能に関して「専門的知識・技. 後,SGEを実施したかどうかの検証は含まない).. 能」,「意欲」,「人格的資質」,「使命感」は経験年. 数の増加につれてしだいに高い数値を示すように 方 法. なるのに対して,「子ども理解能力」に関しては, 経験10年以上になると自信を示す数値が低下する. 参加者. 傾向にあるという(南本,2004).すなわち,教. Ⅹ年8月12日,A管内の10年経験者研修におい. 師は職場内ストレスが高く,とりわけ経験10年以. て北海道教育大学旭川校が担当した生徒指導専門. 上の教師は子ども理解という部分で自信を喪失す. 講座の中から,選択講座で「構成的グループエン. る可能性が高いと考えられる.. カウンターの考え方と活用法」を選択した31名を. そこで本研究では,SGEを学級経営そのもの. 対象とした.小学校教諭20名(男性10名,女性10. に関する指導法として位置付けるとともに,参加. 名),中学校教諭11名(男性9名,女性2名)か. 者の研修後の自信の回復につながるように人間関. らなる.年齢構成は,30∼44歳(平均年齢33.58歳,. 係・自尊感情の向上もねらいとし,SGEの効果. 標準偏差2.59歳)であった.. 測定として心理尺度を用いた実証研究を試み,そ の効果を明らかにすることを目的とした.人間関. 実施者. 係の向上をねらいのひとつにしたのは,学校内外. SGEのリーダーは第二著者が務めた.第一著. の様々な要因が複雑に絡まっている問題が多発す. 者は,サブリーダーとしてリーダーとともに各エ. る学校現場において,相互理解に基づいた教師同. クササイズのインストラクションの実施,ワーク. 士の人間関係づくりが求められる(南本,2003). シート等の配布などを行った.また,参加者数が. ためである.したがって,SGEの目的の下位目. 奇数だったため進行の都合上,エクササイズにも. 標であるふれあいと自他発見をネガティブな部分. 参加した.. を包含した固有性・独自性の発見ではなく,あく までもポジティブな部分に着目したシェアリング に重点を置き,ポジティブな自己理解・自己受. SGEの位置づけ. 対象となるA管内の「在職期間が10年に達した. 容・ポジティブな他者理解・信頼体験を志向し. 教諭等に対し,教科指導,生徒指導等に関する事. た.また,SGEには,参加の構造的特徴から,. 項や,様々な教育課題について,個々の能力,適. 参加者個人が自ら申し込んで参加する「自発参加. 性に応じた研修を行い,指導力の向上を図る」こ. 型」と参加を義務づけられて参加する「研修型」. とを目的とした北海道教育大学専門講座・生徒指. の2種類がある(中田,1999).10年経験者研修. 導専門講座第2日の選択講座Ⅲ「構成的グループ. でのSGEは法定研修の一環として実施されたの. エンカウンターの考え方と活用法」の中で実習と. で,研修型SGEに位置づけられる.すなわち,. して行った(Tablelを参照).. 85.
(5) 腰田 孝一・野崎. 徹. と感じることではなく,自己受容を意味するよう. 質問紙. 本研究に使用された質問紙は,以下の4つで. な「これでよい」と感じることを対象にしている. ことの理解の必要性を指摘している.Rosen−. あった.. ① 人間関係尺度(Appendixlを参照). bergの自尊感情尺度は,多くの研究で用いられ. 国分・西・村瀬・菅沼・国分(1987)によって. ており,SGlミ研究においても頻繁に用いられて. 標準化された6項目5件法の尺度であり,人間関. いる.この尺度による調査は,SGE実施の事前. 係尺度を測度とした研修型SGE研究は野崎・久. 及び事後に実施された.. 能・早坂(2003),久能・野崎(2004)等がある.. ③ 事前アンケート. 質問項目は,1.自己主張,2.自己理解,3.. 質問項目は,1.参加動機(楽しそうだから・. 受容性,4.他者理解,5.感受性,6.信頼性. 役に立ちそうだから・周りの人達が参加したか. からなる.この調査は,SGE実施の事前及び事. ら・他に適当なものがなかったから・その他),. 後に実施された.. 2.期待する内容(SGEの体験・SGEの技術・. ② 自尊感情尺度(Appendix2参照). SGEの理論・特にない・その他)からなり,複. Rosenberg(1965)によって開発された尺度. 数回等可とする選択法で求めた.この調査は. を山本・松井・山成(1982)が邦訳した10項目5. SGE実施の事前に実施された.. 件法の尺度を用いた.桜井(2000)は,Rosen−. ④ 振り返りシート. bergの自尊感情尺度を使用する際,他者に対す. 吉澤(2001)が作成したものを一部改良し,使 用した.質問項目は,1.有用感,2.エクササ. る自信や優越感を意味するような「とてもよい」. Table2 プログラム エクササイズ. ね. ら. い. 人数 出 典. 軽い身体接触を通して,緊張している心と身体をほぐす.これ ① アウチでよろしく! により,その後のエクササイズへの心理的抵抗を和らげ,参加 全員 川端(1999) 意識を高める.. 非言語的コミュニケーションを通して,参加者の交流を深める ② バースデイリング とともに,その後のエクササイズを円滑に展開するためのペア 全員 河内(1999) づくりを図る. さ. ③トラストウオーク. ④私の話を聞いて. 2人林(1999) 2人鹿島(1997). を伝え. ∋他者紹介. 4人向井(1996). グループの偶然の意思によって決められたテーマで話すという ⑥ アドジャン. 自己開示の活動を通して,お互いを見つめ,認め合い,グルー 4人 滝沢(1999) プの凝集性を高める.. 無人島に漂流したという設定の中で,お互いの考えを伝え合う ⑦ 無人島SOS. 活動を通して,多様な考えに気づき,お互いを認め合える関係 8人 服部(1996) を築く.. 人のよさを見つけ,伝える活動を通して,他者に対し肯定的な ⑧ 別れの花束. 感情を育てるとともに,自分を支えてくれる暖かい人間関係を 8人 飛田(1996) 味わう.. 86.
(6) 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義. イズに対する率直な印象・評価,3.リーダーの. ずに誘導し,会場内を歩き回る「トラストウオー. 説明に対する評価,4.自己表現の度合い,5.. ク」を実施した.第4に2人1観で,拒絶的な聞. 自己理解の度合い,6.他者理解の度合い,7.. き方,受容的・共感的な傾聴をお互いに体験し合. 感想(自由記述)からなり,7以外は4件法で求. う「私の話を聞いて」を実施した.第5に,4人. めた.この調査は,SGlミ実施の事後に実施された.. 1観で,ペアを組んでいた人の紹介を順に行う「他 者紹介」を実施した.原典では「他己紹介」(向井,. 実施の手順. 本研究のSGEは導入の講義を含め180分で実施. 1996)という名称であるが,エクササイズの内容 をよりイメージしやすい名称に変更した.第6に,. された.SGEのプログラムは,参加者の自尊感. 4人1観で,「アドジャン」を実施した.「アドジャ. 情の向上を目的の一つとしていることから,リ. ン」とは,指で0∼5のいずれかを示し,全員が. レーションづくり→自他理解・自己受容→信頼体. 同じ指の数を出すまで「アドジャン」の掛け声で. 験という流れで既成のエクササイズを参考に,改. グループ全員とジャンケンをし,次に,出した指. 良して組み立てた(Table2を参照).エクササ. の数を合計した番号の質問に全員が順に答えてい. イズの選定に関わって,久能・野崎(2004)が学. くエクササイズである.このエクササイズでは,. 校コミュニティにおけるSGEの効果研究で有効. 指の数を合計した番号に対応する質問が示された. 性を見出した以下の原則を採用した.①児童生徒. ワークシートを使用した.第7に,8人1観で,. に関わる学校コミュニティを対象とするもの,②. 無人島に漂流した時,碇示された品物の中からお. 導入もしくはグループ替えには,動きのあるゲー. のおのが大切だと思う順に8つ選び,グループの. ム的な参加者が楽しめそうなもの,③実施時間内. 中で,話し合い8つにしぼった後,グループの代. に「リレーションづくり」,「子どもとの対話など. 表者が順に選んだ物を発表する「無人島SOS」. を想定した傾聴を基調とするもの」,「信頼体験」. を実施した.このエクササイズでは,品物の提示. を主なねらいとするものを必ず1つずつは入れ. と自分の考えを記入するためのワークシートを使. る,④日常のソーシャル・リレーションに悪影響. 用した.また,臨場感を高めるために彼の音や海. を出さないもの,言い換えれば,守秘義務を張ら. 鳥の鳴き声,嵐の音などが入ったBGMを使用し. なくてもよいもの,⑤不特定(全員)→2人組→. た.第8に,8人1観で,グループのメンバーー. 4人組のように,小グループのサイズを徐々に大. 人一人に,感謝の気持ち,相手のよさ・優しさな. きくできるもの,⑥抵抗を起こさないために,特. どを花びらシールに書き,相手の台紙に貼ること. 定のスキル(絵画,独唱など)を必要としないも. でメッセージを伝え合う「別れの花束」を実施し. の,⑦リーダーの苦手なものは入れない,の7つ. た.このエクササイズでは,心を落ち着かせ,感. である.プログラムの実際の展開は,導入として. 謝の気持ちを促すためにオルゴール調のBGMを. SGEの説明を講義形式で行った後実施された.. 使用した.. 第1に,会場を自由に歩き回り,出会った人と人 差し指同士・視線を合わせて,「アウチ!」と声 結 果. を合わせてあいさつする「アウチでよろしく!」. を実施した.第2に,無言で誕生日順に円形に並 び,となりの人と次のエクササイズのペアを組む. 人間関係尺度. SGE実施における事前,事後の人間関係尺度. 「バースデイリング」を実施した.原典では,「誕. の各項目と合計得点について,対応のあるf検定. 生日チェーン」(河内,1999)という名称であるが,. を行った(Table3を参照).各項目に検定を行っ. よく使われている名称に変更した.第3に,2人. たところ,6項目中4項目で有意差が,1項目で. 1観で,1人が目をつぶり,もう1人が声を出さ. 有意差傾向が認められた.「自己主張」(f(30)=. 87.
(7) 腰田 孝一・野崎 徹. 2.89,♪<.01),「自己理解」(f(30)=3.54,♪. 目として換算して合計得点を算出した.人間関係. <.01),「受容性」(f(30)=2.99,♪<.01),「感. 尺度と同様に,SGE実施における事前,事後の. 受性」(f(30)=2.06,♪<.05)でSGE実施の. 自尊感情尺度の各項目の得点と合計得点につい. 事前から事後にかけて有意な上昇が認められた.. て,対応のあるt検定を行った(Table4を参照).. 「他者理解」(f(30)=1.79,♪<.10)では上昇. 各項目ごとに検定を行ったところ,9項目中3項. 傾向が認められた.また,6項目の合計得点にお. 目で有意差が,1項目で有意差傾向が認められた.. いても有意な上昇が認められた(f(30)=3.92,. 第2項目(f(30)=2.79,♪<.01),第3項目(f. ♪<.001).. (30)=2.錮,♪<.01),第9項目(f(30)=4.38, ♪<.001)で有意な上昇が認められた.第1項目 (f(30)=1.99,♪<.10)で上昇傾向が認めら. 自尊感情尺度. 自尊感情尺度の合計得点は,野崎ら(2003)の. れた.また,9項目の合計得点においても有意な. 自尊感情尺度の信頼性の検討結果に従い,第8項. 上昇が認められた(f(30)=3.69,♪<.001).. 目は除外した.第3.5,9,10項目は,逆転項. Table3 人間関係尺度の変化. Mean SD. Mean SD. ① 自己主張. 3.85. 1.12. 4.00. 0.77. 2.89 **. ② 自己理解. 3.32. 0.87. 3.84. 0.69. 3.54 **. ③ 受容性. 2.84. 0.86. 3.35. 0.71. 2.99 **. ④ 他者理解. 4.13. 0.56. 4.32. 0.48. 1.79 †. ⑤ 感受性. 3.26. 0.89. 3.58. 0.76. 2.06 *. ⑥ 信頼性. 3.06. 合 計. 20.19. 0.81 3.03. 3.35. 32.10. 0.75. 7.22. 1.51n.s.. 3.92 ***. †♪<.10,坤<.05,*坤<.01,**坤<.001 Table4 自尊感情尺度の変化. Mean SD. Mean SD. ① 少なくとも人並みには,価値のある人間である.. 3.58. 0.61. ② 色々な良い資質を持っている.. 3.26. 0.67. 3.61. 0.70. 2.79 **. ③ 敗北者だと思うことがよくある.. 2.84. 1.05. 3.26. 0.88. 2.89 **. ④ 物事を人並みには,うまくやれる.. 3.32. 0.53. 3.39. 0.61. 0.49 n.s.. ⑤ 自分には,自慢できるところがあまりない.. 3.06. 0.95. 3.32. 0.93. 1.35 n.s.. ⑥ 自分に対して肯定的である.. 3.35. 0.82. 3.48. 0.71. 0.78 n.s.. ⑦ だいたいにおいて,自分に満足している.. 3.19. 0.90. 3.39. 0.90. 1.14 11.S.. ⑨ 自分は全くだめな人間だと思うことがある.. 2.71. ⑲ 何かにつけて,自分は役に立たない人間だと思う.. 3.41. 合 計. 28.74. 1.14 0.83 4.68. 3.77. 3.42. 0.66. 0.79. 3.65 31.29. 1.99 †. 4.38 ***. 0.82 5.10. 1.65 n.s.. 3.69 ***. †♪<.10,坤<.05,*坤<.01,**坤<.001. 88.
(8) 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義. ふりかえりシート. 事前アンケート. ふりかえりシートの6項目の割合をTable7. 事前アンケートの「1.参加動機」の結果を Table 5に,「2.期待する内容」の結果を. に示した.概ね好ましい結果となっているが,「4.. Table6に示した.90.32%の参加者が「役に立. 自己表現の度合い」で16.13%の参加者が「あま. ちそうだから」という動機で参加したことが示さ. りあてはまらない」と回答し,期待する回答が得. れた.また,内容については「SGEの技術」を. られなかった.自由記述による参加者の感想は,. 期待する参加者が67.74%と最も多いことが示さ. KJ法(川喜多,1967)の要領でカテゴライズし. れた.. た結果,次のようなカテゴリーが見出された (Table8を参照).多かった順に,「リーダーへ Table5 参加動機. の感謝」(77.42%),「楽しさ・. 参 加 動 機. (54.84%),「実践への意欲」(48.39%),「有用感」. 人(%). 楽しそうだから. (38.71%),「自己の気づき」(32.26%),「SGE. 3(9.68). 実践の困難さ」(16.13%),「他者理解の深まり」. 28(90.32). 役に立ちそうだから. 心地よさ」. まわりの人達が参加したから. 0(0.00). (9.68%),「SGEの技術」(9.68%),「疑問」. その他. 5(16.13). (6.45%),「SGE研修への参加意欲」(3.23%), 「過去のSGE体験」(3.23%)であった.. Table6 研修に期待する内容. 期 待 感. 人(%). 考 察. SGEの体験. 11(35.48). SGEの技術. 21(67.74). SGEの理論. 13(41.94). 特にない. 0(0.00). 自尊感情の変化に影響を及ぼすかを検証するこ. その他. 1(3.23). と,2.教員の10年経験者研修において,大学専. 本研究の目的は,1.教員の10年経験者研修に おいて,研修型SGE実施は参加者の人間関係・. Table7 振り返りシートの結果 項 目. 4.あてはまる 3.だいたい 2.あまり. あてはまる. 1.楽しく取り組めた. 27(87.10). 2.役に立った 3.リーダーの説明がわかりや. すかった 4.素直に自分の思っているこ. とを表現できた. 4(12.90). 1.あてはまらか、. あてはまらない. Mean ST). 0(0.00). 0(0.00). 3.87. 21(67.74) 10(32.26). 0(0.00). 0(0.00). 3.68. 0.48. 26(83.87). 0(0.00). 0(0.00). 3.84. 0.37. 5(16.13). 0(0.00). 3.23. 0.72. 1(3.23). 0(0.00). 3.45. 0.57. 1(3.23). 0(0.00). 3.58. 0.56. 5(16.13). 12(38.71) 14(45.16). 0.34. 5.自分の気持ちを考えたり,. 自分自身を見つめたりする場 15(48.39) 15(48.39) 面があった 6.まわりの人の気持ちを考え. たり,受け入れたりする場面 19(61.29) 11(35.48) があった. 〈人(%)〉. 89.
(9) 腰田 孝一・野崎 徹 Table 8 振り返りシートに見られる参加者の感想 内. カテゴリー. リーダーヘの感謝 〈24(77.42)〉. 楽しさ・心地よさ 〈17(54.84)〉. 容. ありがとうございました./夏休みで暑い中,教えていただきありがとうございました./すば らしい体験ありがとうございました.他 正直言うと,子どもたちにはエンカウンターやらせるのに,自分でやるのは,ものすごい嫌です ….今日も初めはそうでした.疲れていたせい…もあったのかもしれませんが,徐々に楽しくなっ ていって,最後はノリノリだったと思います./すごく楽しかったです.もう少しできたらよかっ たと思います./なんだかもっとみなさんとお話していたいような気持ちが生まれました.これ で終わって帰るのがもったいないような…という気持ちです.//知らない人と話すのがあまり得 意ではないのですが,相手の方が自分を受け入れて下さったので,安心してはなすことができた. /胸いっぱいの気持ちです.何だか,うれしい,さわやかな心境です.他. 実践への意欲 〈15(48.39)〉. 今後役に立てていきたいと思います.′/学級でも,ぜひ役立てていきたいと思います.今の私の 学級の子どもにとって,生かせる部分はたくさんありそうです./何か子どもに還元していけた らと思います./まずは,そのねらいだけでもはっきりとつけてから,実践の中で1つでもやっ てみたい./実践する機会が少なくとも,積極的に実践していきたい./学習を深めたり,実践 を積んだりしたいと思った./すぐに実践活用したい.他. 有用感 く12(38.71)〉. 初めてのエンカウンターについてのお話だったので,とても役に立ちました./少し照れくさい のですが,最後によさを見つけてやりとりをし合うのは,また他人のよさに気づいたり,自分自. 身のがんばりを認めてもらえたり,活動の意義を感じました./実際に体験することでSGEに ついてよくわかった.//エンカウンターのエクササイズを本を読みながらHRで活用してみたい と考えていたので,自分自身が楽しく有意義に参加できたこと,よかったと感じた.他. 自分の気づき 〈10(32.26)〉. 自分のモチベーションの変化に驚いた.//自分では気がつかないけど,こんな私の笑顔でも役に 立っていることがわかって安心した./この研修を受講する前と後では全く気持ちや自分に対し ての考え方が変わって驚きました.自分に自信を持てるようになった気がする.周りの人に受け 入れられた安心感が自信につながるのだと再認識した.やはり思っていることは言葉や表情にし ないと伝わらないということが実感させられた.伝える必要があることもわかった./普通はあ まり話さないようなことでも場を与えられると意外と話してしまうことがわかった./自分に自 信が持てました.//人に思いやりをもって潰することができるようになるには,まず自分が人か らの思いやりを感じて幸せに思えるような心の豊かさと実体験が必要ではないかと思った.他. SGE実践の困難さ 〈5(16.13)〉. 中味をよく理解しないと失敗する可能性もあり,もっと経験を積んだり,勉強しないと,活用は 難しい.′/どの本にもゲーム感覚でやったり,やりっぱなしはいけないと書いてあり,本格的に 取り組んだことはなかった./職場に戻って生かしきれるか少し不安.まだまだ学ぶことが多そ うだ./昨日のはじめにエンカウンターを習ったからといって安易に「使うな」と言われている ので,すぐに使えないのが残念./現在は担任をもっていないので,直接子ども達に…とはいき ませんが.. 他者理解の深まり く3(9.68)〉. いろいろな人と気兼ねなく話せることって,やっぱりいいことですね./周りの人の意見でおも しろい発想があり,話してみなければわからないことが多いと思えるようになりました./初め てお会いした先生とも,自分の話をしたり,聞いてもらうことができました.. SGEの技術 〈3(9.68)〉. 教室で子どもたちに対して行う場合,子どもたちの中にある「てれ」が壁になるのかなと思いま した.リーダーの力量も当然あるのだとは思いますが./やはり進行する側にかなりの慣れとね らいをしっかり持つことが必要だとも感じました.//最後にかかっていたオルゴールの音楽も効 果的だなと思いました.. 疑問 〈2(6.45)〉. 「人間関係をつくる力」を身につけるという意味では,年間通して回数多く取り組んだ方がよい のでしょうか?/生半可な気持ちでやるとかえって逆効果になるんだろうなとも思った.. SGE研修への参加意欲 また機会があれば,ぜひ参加したいです. 〈1(3.23)〉. 過去のSGE体験. カウンセリング講座で2つほど同じエクササイズがありました.. 〈1(3.23)〉 く人(%)〉. 90.
(10) 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義. 門講座としてSGEを実施することが,指導法と. 以上のことから,目的1に当たる教員の10年経. してのSGE体験・伝達の場として有効かを検証. 験者研修において,研修型SGE実施は参加者の. することであった.. 人間関係・自尊感情の向上に効果を及ぼすことが. 人間関係尺度については,合計得点の検定では, 0.1%水準で有意な上昇が見出された.これは,. 示された.. 本研究において研修型SGlミの実施が人間関. 野崎ら(2003),久能・野崎(2004)の教職員や. 係・自尊感情の向上に効果を示したのは,次の理. 保護者など学校コミュニティを対象とした短時間. 由が考えられる.. (1.5時間程度)の研修型SGEの結果を支持する ものとなった.質問項目別の検定で有意な上昇が. ① 参加者のモチベーションの高さ. 本研究は教員の10年経験者研修であり,法的に. 見出されたのは「自己理解」,「受容性」,「自己主. 参加を義務付けられた極めて強制度の高い研修で. 張」,「感受性」であり,これは,参加者が参加前. ある.しかし,その研修体系の中で,個人の適性. に比べ,人と接するときに,状況に合った言動を. に応じて選択が可能な選択講座であったことか. とりながら(自己理解),自信のある堂々とした. ら,事前アンケートにSGEの技術をその後の実. 態度で(受容性),相手の目を見て話しかけ(自. 践で役立てたいという参加者の意思が伺えた.こ. 己主張),表情も明るく,ジェスチャーをよく使っ. れは,SGEを学級経営における指導法と捉える. た表現ができるようになった(感受性)ことを示. と,山崎・原沢(2004)によって示された10年経. している.. 験者研修における学級・学年経営そのものに関す. 自尊感情尺度については,合計得点の検定では,. 0.1%水準で有意な上昇が見出された.これも人. る研修ニーズを支持する結果となった.中田 (1999)は,非構成法の研究で,自由参加型に対. 間関係尺度と同様に,野崎ら(2003),久能・野. する研修型の困難性として,「動機づけ・自発性. 崎(2004)の結果を支持するものとなった.項目. の低さ」,「自己開示の少なさ」,「参加者の頻繁な. 別の検定で有意な上昇が見出されたのは「9.自. 逸楽行動」の3点をあげている.しかし,本研究. 分は全くだめな人間だと思うことがある」,「3.. の参加者は,研修型SGEとしてはモチベーショ. 敗北者だと思うことがよくある」,「2.色々なよ. ンが高く,研修型の困難性として指摘される動機. い素質をもっている」だった.漠然とした自己の. づけ等に特別な配慮を必要としなかった.した. 否定感を表す第3,9項目と,具体的な素質とい. がって,教員の10年経験者研修でSGE研修を実. う内容を示す第2項目に有意な上昇が見出された. 施する場合,必修となる講座で扱うのではなく,. 結果となった.この結果を裏づけるものとして,. 本研究のような生徒指導専門講座の選択講座,あ. 振り返りシートに見られる参加者の感想(Table. るいは,適性に応じた得意分野づくり等の選択研. 8を参照)の「自己の気づき」の中に次のような. 修で扱うことが研修の効果を高めるためには,望. 記述が見られた.「人に思いやりをもって接する. ましいと考えられる.. ことができるようになるには,まず自分が人から. ② エクササイズの構成. の思いやりを感じて幸せに思えるような心の豊か. 本研究におけるSGEのプログラムは,久能・. さと実体験が必要ではないかと思った」という感. 野崎(2004)によって示された原則に則って組み. 想がある.このように,SGEの中核となるシェ. 立てられ,その効果が示されたことから,久能・. アリングを通して,自己のポジティブな面・リ. 野崎(2004)を支持する結果となった.また,本. ソースをフィードバックされる活動を通して,漠. 研究では,参加者の人間関係・自尊感情の向上を. 然とした自己の否定感が拭い去られ,また,自己. 目的の一つとしたことから,リレーションづくり. のよい素質への気づきがあったためと考えられ. →ふれあいの促進→自己理解という集団の凝集性. る.. を高めるための一般的な流れ(岡田,2004)では. 91.
(11) 腰田 孝一・野崎. 徹. なく,リレーションづくり→自他理解・自己受容. 変えるのである.理想的には,SGEという文化. →信頼体験という流れでエクササイズを配列し. 的孤島の中で,他者とのふれあいの中から生まれ. た.したがって,参加者の人間関係・自尊感情の. たポジティブな自他発見により,自分自身の捉え. 向上を目的としたSGEを実施する場合,久能・. 方,他者の捉え方の意味を現実的なものに作り直. 野崎によって示された原則に加え,リレーション. し,より健康的な生活を創造するきっかけとする. づくり→自他理解・自己受容→信頼体験という大. ことである.したがって,参加者の人間関係・自. きな流れでプログラムをデザインすることが有効. 尊感情の向上を目的としたSGEを実施する場合,. であると考えられる.. ポジティブな観点を与えるシェアリングを行うタ. ③ ポジティブな観点によるシェアリング. イプのスペシフィックSGEを実施することが有. シェアリングとは,参加者がエクササイズで体. 効であると考えられる.. 験したことを分かち合うことであり,感情・思. ④ 大学教員と現職教員のチームによる実施. 考・行動を修正・拡大することが目的である(大. 佐々木(2004)は,指導主事による現職研修と,. 友,2004).エンカウンターの下位目標である自. 大学教員による現職研修には,暗黙の役割区分が. 他理解,すなわち自他の固有性・独自性,かけが. 存在し,それを前碇として研修体系が形成されて. えのなさの発見(片野,2004b)を支える要とな. きたことを指摘している.併せて,大学教員の有. るものである.本研究におけるSGEのシェアリ. するアカデミズム指向が,現職教員のニーズと必. ングでは,エクササイズの体験を通して感じた他. ずしも一致していない現実があることを推測させ. 者のポジティブな面,長所,あるいは,ポジティ. るとしている.本研究のSGEでは,大学教員で. ブな感情を分かち合いの観点として参加者に与え. ある第一著者と現職教員である第二著者がカップ. た.これは,本研究のSGEの目的のひとつであ. リングで講師を担当した.そこで,大学教員の理. る人間関係・自尊感情の向上のために,欠くこと. 論的な立場と現職教員の実践重視の立場を融合す. のできない条件のひとつである.このようなシェ. ることで効果的な研修となるよう努めた.振り返. アリングの体験が,ポジティブな自己イメージの. りシートの結果(Table7を参照)では,「役に立っ. 再構築につながるものと考えた.その象徴的な例. た」「リーダーの説明がわかりやすかった」の項. を振り返りシートにおける参加者の感想(Table. 目では,それぞれ「あてはまる」「だいたいあて. 8を参照)に見ることができる.「自己の気づき」. はまる」と答えたものが合わせて100.00%であっ. の中にある「自分では気がつかないけど,こんな. た.また,振り返りシートに見られる参加者の感. 私の笑顔でも役に立っていることがわかって安心. 想(Table8を参照)では,「有用感」が38.39%. した」という記述がそれである.このような変化. という結果を示した.これは,10年経験者研修の. を社会構成主義の視点から説明することができ. 大学専門講座・選択研修におけるSGE研修が参. る.DeJong&Berg(1998 玉真・住谷訳. 加者の役に立ったという意識や,今後の実践での. 1998)のソリューション・フォーカスト・アプ. 活用への意欲につながったことを示している.し. ローチによるクライエントの変化の説明による. たがって,指導・助言の特徴的な性質を補完し合. と,社会構成主義の視点では,何が現実であるか. うという視点から,大学教員と現職教員との連携. という各人の感覚は,問題や能力や叶能な解決の. が有効であると考えられる.. 本質の感じ方も含めて,他者との相互作用の中で. 以上のことから,研究の目的2に当たる,教員. つくられるとされる.すなわち,人は他者と関わ. の10年経験者研修において,大学専門講座で学級. り合いながら意味を作り出す.個人はいつも民族,. 経営に関する指導法としてのSGE体験・伝達の. 家族,国家,社会・経済,宗教的背景のもとに生. 場としてSGE研修を実施する場合,有効に活用. 活しているので,共同体の影響の下に意味づけを. される可能性があることが示された.. 92.
(12) 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義. 結 び 本研究では,教員の10年経験者研修において,. いるプラス面を伸ばす深い専門的な研修を実施す ることが肝要である.. 今後,教員の10年経験者研修において,大学教. 大学専門講座の選択研修として実施されたSGE. 員と現職教員の連携がさらに深まり,SGE研修. について検証された.参加者の人間関係・自尊感. が有効活用されることを願う.. 情が向上することが示されたが,その効果が持続 されるかを検証することが今後の課題である.. 謝 辞. また,SGE体験直後の「実践への意欲」,「有 用性」は見出されたが,学校現場で実際に活用さ. 最後に,本研究に関わるSGEの実践に関する. れたか,また,有効であったかなどを検証するこ. ご協力をいただきました諸先生方に,ここに謝意. とが必要である.すなわち,本研究における10年. を表します.. 経験者研修での大学専門講座・選択講座としての SGE研修の評価を行うことが今後の課題である. 引用文献. また,振り返りシートに見られる参加者の感想 (Table8を参照)の「SGE実践の困難さ」の 中に「昨日のはじめにエンカウンター習ったから といって安易に『使うな』と言われているので,. 桐谷綾香(2000).日本における教師のメンタルヘルスに 関する研究の概観.広島大学教育学部紀要,3(49), 221−225.. DeJong,P.&Berg,Ⅰ.K.(1998).Interviewingforsolu−. すぐに使えないのが残念」という記述が見られる.. tions.CA:Brooks/CoIcPublishingCompany.(デイ. これは,第1日のオリエンテーションの中で,大. ヤングP.&バーグⅠ.K.玉真慎子・住谷祐子(監訳). 学側から参加者に注意事項として伝えられたもの であることが分かった.岡田(1996)は,構成法 のメリットとして,①参加者のレディネスに応じ て進行のスピードを調整できる,②参加者のレ ディネスに応じてレベルを調整できる,③カウン セリングの専門家がリーダーでなくても展開でき る,④時間に応じてプログラムを伸縮できる,⑤. 参加者同士のリレーションを短時間に高められ る,⑥グループ・サイズを大きくできる,の6つ をあげている.SGEのリーダーはカウンセリン グの基礎知識を持っているとよりよいが,それ以 上に教師としての資質であるリーダーとしてのイ ニシアチブが求められる.したがって,自分ので きそうなエクササイズを選んで実施することがで. きる点がメリットのひとつである.大学側と現職. (1998).解決のための面接技法.金剛出版.) 服部ゆかり(1996).無人島SOS.国分康孝(監修),エ ンカウンターで学級が変わる:小学校編.図書文化礼,. Pp.150151. 林 伸一(1999).トラストウオーク.国分康孝(監修), エンカウンターで学級が変わる:ショートエクササイ. ズ集.図書文化社,Pp.78−79. 鹿嶋真弓(1997).私の話を聞いて.国分康孝(監修), エンカウンターで学級が変わるPart2.図書文化社, Pp.172−175. 片野智治(2004a).ジュネリックとスペシフィック.国 分康孝・国分久子(総編集),構成的グループエンカウ ンター事典.図書文化社,Pp.30−35. 片野智治(2004b).構成的グループエンカウンターの目的. 国分康孝・国分久子(総編集),構成的グループエンカ ウンター事典.図書文化社,Pp.18−19. 川端久詩(1999).アウチでよろしく!.国分康孝(監修), エンカウンターで学級が変わる:ショートエクササイ. ズ集.図書文化社,Pp.106−107.. 教員との事前打ち合わせの確保,意思疎通が実施. 川喜田二郎(1967).発想法.中央公論新社.. 上の課題である.. 河内由佳(1999).誕生日チェーン.国分康孝(監修),. さらに,山本(2003)は,10年経験者研修を成 功させるために,指導者研修実施の必要性を指摘 している.SGEリーダーとしての幅広い研修, 研修型SGEの更なる研究を深め,教員が持って. エンカウンターで学級が変わる:ショートエクササイ. ズ集.図書文化社,Pp.110−111. 国分康孝(1981).エンカウンター:心とこころのふれあ い.誠信書房.. 国分康孝・丙 昭夫・村瀬 量・菅沼憲治・国分久子. 93.
(13) 腰田 孝一・野崎 (1987).大学生の人間関係開発のプログラムに関する. 研究(その24)−highlearnerとlowlearnerとのプ. 徹 育経営研究,10,28−38. 滝沢洋司(1999).アドジャン.国分康孝(監修),エン. ログラム評価の比較−.R本相談学会第20回大会発表. カウンターで学級が変わる:ショートエクササイズ集.. 論文集,40−41.. 図書文化社,Pp.112−113.. 久能弘道・野崎 徹(2004).PTA短期研修型構成的グ ループ・エンカウンターが人間関係・自尊感情の向上 に及ぼす効果.北海道教育大学紀要(教育科学編),54 (2),51−70. 南本長穂(2004).生徒指導に関する研修をどう工夫する. か.教職研修,371,58−61. 文部科学省(2002).教育公務員特例法施行令の一部を改 正する政令等の公布について(通知).文部科学省,2002 年8月8日,〈http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ kenshu/009.htm〉(2005年11月22日) 文部科学省初等中等教育局教職員課(2001).教員養成等. における人学と教育委員会の連携の促進に向けて一手 を結ぼう,大学・学校・教育委員会−(教員養成等に. おける大学と教育委員会の連携の在り方に関する調査 研究報告書).文部科学省,2001年8月23日, 〈http://www.mext.go.jp/b_menuOudou/13/08/01082 2/010822d.htm〉(2005年11月22日). 飛田浩明(1996).別れの花束.国分康孝(監修),エン カウンターで学級が変わる:小学校編.図書文化社, Pp.178−179. 山本昌猷(2003).日常研修の強化が鍵.現代教育科学, 559,50−52. 山本真理子・松井 豊・山成由紀子(1982).自尊感情尺. 度(Self−Esteem Scale).堀 洋道・山本真理子・ 松井 豊(編),心理尺度ファイル一人間と社会を測る −.垣内出版,Pp.67−69. 山崎保寿・原沢 浩(2004).10年経験者研修における教 員の研修ニーズに関する研究:質問紙調査の結果に対 する肯定率順の考察.信州人学教育学部紀要,112, 53−64.. 吉澤克彦(2001).徹底解剖学校ぐるみ実践のすべて新潟 私立鳥屋野中学校の実践.国分康孝(監修),エンカウ ンターで学校を創る:心を育てる学校ぐるみ実践集. 図書文化社,Pp.23−72.. 向井知恵子(1996).他己紹介.国分康孝(監修),エン カウンターで学級が変わる:小学校編.図書文化社, Pp.160−161. 中島一意(1995).教師の精神障害.臨床精神医学,24(11), 1433−1438.. 中田重行(1999).研修型エンカウンター・グループにお. けるファシリテーションー逸楽行動への対応を中心と して−.人間性心理学研究,17(1),30−44. 野崎 徹・早坂秀別・久能弘道(2003).教職員短期研修. 型構成的グループ・エンカウンターが人間関係・自尊 感情の向上に及ぼす効果.北海道教育大学教育学部附 属教育実践総合センター紀要,4,247−258. 岡田 弘(1996).新しい指導法の提案:構成的グループ・ エンカウンターの特徴と必要性.国分康孝(監修),エ ンカウンターで学級が変わる:小学校編.図書文化社, Pp.16−17. 岡田 弘(2004).エンカウンターはなぜ学校に広まって いるのか.国分康孝・国分久子(総編集),構成的グルー プエンカウンター事典.図書文化社,Pp.36−39. 大友秀人(2004).シェアリングの目的.国分康孝・国分 久子(総編集),構成的グループエンカウンター事典.. 図書文化社,Pp.144−145. Rosenberg,M.(1965).Societyandtheadolescentself− image.PrinstonUniv.Press. 桜井茂男(2000).ローゼンバーグの自尊感情尺度日本語 版の検討.筑波大学発達臨床心理学,12,65−71. 佐々木幸寿(2004).教員の現職教育における大学の役割 に関する一考察−10年経験者研修を素材として−.教. 94. (懸田 孝一 旭川校助教授) (野崎 徹 深川市立深川小学校教諭).
(14) 構成的グループ・エンカウンターを大学専門講座における教員の10年経験者研修で実施する意義. Appendixl人間関係尺度質問項目 5 4 3 2 1. 1.他人の目をみてよく話しかけていた. 人の目がみれず伏目がちであった. 2.状況にあった言動をしていた. 不適切な言動が多かった. 3.自信のある堂々とした態度が多かった. おどおどして不安げであった. 4.人の話に関心を持って聴いていた. 人の話にほとんどあいづちをうたなかった. 5.表情が明るく,ジェスチャーをよく使. 暗く,かたい表情であった. った表現をしていた 6.対人的距離がせまく人と接していた. 人と距離をおいて接していた. Appendix2 自尊感情尺度質問事項. 2. 1. あまりあてはまらない. 3. あてはまらない. どちらともいえない. 4. 5. だいたいあてはまる. あてはまる. 1.少なくとも人並みには,価値のある人間である. 2.色々な良い素質をもっている.. 3.敗北者だと思うことがよくある. 4.物事を人並みには,うまくやれる. 5.自分には,自慢できることがあまりない. 6.自分に対して肯定的である.. 7.だいたいにおいて,自分に満足している. 8.もっと自分自身を尊敬できるようになりたい. 9.自分は全くだめな人間だと思うことがある. 10.何かにつけて,自分は役に立たない人間だと思う.. 95.
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